

ミュージカル『THE SCARLET PIMPERNEL(スカーレット ピンパーネル)』(※以下、『スカーレット・ピンパーネル』)は、1997年にブロードウェイで初演され、大ヒットを記録したミュージカル。バロネス・オルツィの小説「紅はこべ」を原作に、大革命勃発後の恐怖政治の嵐吹き荒れるフランスで、次々と処刑されていく罪なき貴族たちを救うべく、イギリス貴族のパーシー・ブレイクニーが仲間たちと秘密結社を結成し、スリルと知恵で歴史の荒波に立ち向かう冒険活劇の要素と、それによってすれ違う夫婦の心理描写を描いた娯楽作品は、フランク・ワイルドホーンの数々の名曲と共に喝采を集めた。

そんな作品が、星組新トップコンビ紅ゆずると綺咲愛里を中心とした新生星組の披露公演という華やかな祝祭に包まれ、宝塚で三度蘇ることとなり、1月23日都内で制作発表会見が華やかに行われた。会見には、宝塚歌劇団理事長小川友次、潤色・演出の小池修一郎、星組トップスター紅ゆずる、トップ娘役綺咲愛里、星組二番手男役スター礼真琴が登壇。公演への意気込みを語った。

まず会見は出演者によるパフォーマンスからスタート。主人公パーシー・ブレイクニーに扮した紅ゆずるが主題歌「ひとかけらの勇気」を歌う。この作品の初演時、研究科7年目という新人公演最後の学年で、初主演として主人公パーシーを演じて、一躍スターダムに躍り出た紅にとって、この役柄は文字通りのエポックメイキングなもの。そんなドラマチックな邂逅に、トップスターとしての決意がにじむ誠実な歌声が響き、抜群に美しい立ち姿が姿が一段と映える。

続いてスカーレット・ピンパーネルの正体を負う革命政府の公安委員ショーヴランを演じる礼真琴が登場。「鷹のように」を朗々と響く低音でダイナミックに歌い上げる。若き実力派らしい確かな歌いぶりが頼もしい。

音楽が変わり、パーシーの妻マルグリット・サンジュストの美しいドレス姿の綺咲愛里がマスクを手に現れる。可憐な容姿が印象的な綺咲が、メイクアップの効果的な工夫もあり、艶やかに大人の女性に変貌していて驚かされる。そこに礼、更に紅が加わり、1幕ラストを劇的に盛り上げる「謎解きのゲーム」が展開され、会場内には早くも新たなキャストが生み出す『スカーレット・ピンパーネル』の世界が広がった。



その余韻冷めやらぬままに、出席者全員が登壇。まずそれぞれからの挨拶、そして質疑応答へと引き継がれた。

【登壇者挨拶】

小川友次理事長 本日は『スカーレット・ピンパーネル』の制作発表会見にお越しくださいましてありがとうございます。ご存知のように『スカーレット・ピンパーネル』はフランク・ワイルドホーンの素晴らしい音楽で、2008年の星組公演で、小池先生の「小池マジック」で素晴らしい作品にして頂きました。僕も初演の時に見させて頂いて、その時の感動は今でも覚えております。その(初演を担った)星組の紅(ゆずる)と綺咲(愛里)のお披露目でこうしてまた公演をさせて頂くということです。ご存知のように宝塚歌劇団は103周年を迎えました。100周年の正月公演は星組で、柚希礼音主演の小池先生の作品『眠らない男・ナポレオン〜愛と栄光の涯に〜』で開けました。新世紀は星組が輝き続けていなければいけないと思っております。その後、北翔海莉が去年退団致しましたが、新世紀になっての2人のトップスターが星組を引っ張ってくれて、歌劇団では過去最高の、6作品で(観客動員の)新記録を更新中でございます。超大入りを続けてくれています。そして今回、満を持して紅と綺咲のトップコンビのお披露目として、3月に宝塚大劇場、5月に東京宝塚劇場での公演となります。『スカーレット・ピンパーネル』は日本名にしますと『紅はこべ』ですから、作品が紅を待っていたのだと思っております。この星組が輝いていないと、宝塚が輝いていけないと思いますので、新生星組を皆様のお力で、ご支援賜りますように、どうぞよろしくお願い致します。

小池修一郎 本日は寒い中お集まりくださいましてありがとうございます。この『スカーレット・ピンパーネル』は、2008年に宝塚版の初演を致しました。9年前のことです。もう9年も経ったのかと驚いてしまいますが、その後2010年に再演して、お客様に大変愛された作品と記憶致しております。今回紅ゆずるのトップお披露目に際して、満を持してと申しますか、2010年からですから、7年ぶりになります再々演ということになりました。ある意味ではこの作品が星組に還るという形になりますけれども、ちょうど紅ゆずるが新人公演の最後の学年、研7でこの『スカーレット・ピンパーネル』で主演をしまして、大変好評を得て、そのことが紅が今日あることにつながったのではないかなと思っております。そういう意味でも理事長からもありましたように、紅と「紅はこべ」の紅つながり、『スカーレット・ピンパーネル』のパーシー役というのは、紅の人生の中でも大きい役どころであると思っております。今ここで客席からパフォーマンスを観ていて、やっぱりその新人公演の頃のことを思い出しますと、本当によく成長したなという部分が多々ございました。星組のスターとして、星組らしい伝統というものが彼女の中にすごくあるのだなと感じました。それはおおらかなスター性と言ったらいいのでしょうか。でもまた今の彼女を観ていると、意外と憂いを秘めたような雰囲気もあって、そこがまた魅力として、お客様にアピールしていけるのではないかなという気持ちもございます。そういう意味で、新しいスターの誕生をこの作品を通じて観て頂けるというのを大変嬉しく思います。あとトップ娘役の綺咲愛里と、男役二番手の礼真琴という並びも大変フレッシュで、この陣容は面白いものになると思います。これも今後の星組を観る上で、とても楽しみになるのではないかなと思っております。このあとの質疑応答などでも、新生星組の魅力をひも解いて頂けたらと思います。よろしくお願いします。

紅ゆずる 本日はお寒い中足をお運びくださいましてありがとうございます。私が星組の主演男役としてお披露目公演で『スカーレット・ピンパーネル』をさせて頂けますことは、私にとりまして大変光栄であり、大変嬉しく思っております。15年間育って参りました星組で培ってきたものを、この『スカーレット・ピンパーネル』で、皆様の前でお披露目できたらなと思っております。そして、小池修一郎先生のもと、厳しくご指導して頂きまして、初日には皆様のご期待に添える舞台を是非お観せできるように、邁進したいと思いますので、皆様是非、是非、足をお運びください。本日はありがとうございます。

綺咲愛里 本日はお集り頂きありがとうございます。歴代素晴らしい上級生の方々が演じられたマルグリットという役に挑戦させて頂けるのは、本当に光栄なことだなと感じております。そしてこの大劇場から紅さんの相手役としてさせて頂けることをとても光栄に思います。初日までにお稽古を精一杯重ねて参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

礼真琴 本日はありがとうございます。今回は紅さん、そして綺咲のお披露目公演に『スカーレット・ピンパーネル』という超大作の上演、素晴らしい機会にショーヴランという役をさせて頂けますこと、本当に身の引き締まる思いと緊張でいっぱいでございます。『眠らない男・ナポレオン〜愛と栄光の涯に〜』ぶりとなりますが、また小池先生にたくさん学んで、勉強して、星組の戦力になれるように精進して参りますので、どうぞよろしくお願い致します。

──出演者の皆さんがそれぞれの役に取り組むにあたっての期待と、出演者の皆さんそれぞれの意気込みを教えてください。

綺咲はご存知の通り美形の娘役ですが、普段はちょっとギャル系の(笑)子なんですね。つまり紅とのコンビで『キャッチー・ミー・イフ・ユー・キャン』ですとか、先日の『オーム・シャンティ・オーム』でも可愛いらしい女の子を演じられるものが備わっている、トレンディだし、アイドル性みたいなものが売りだと思うのですが、今パフォーマンスを観て、彼女の歌声とか艶やかな雰囲気にちょっと驚きました。マルグリットは2人の男性それぞれに愛される役なのですが、この可憐な姿からそういうものは想像がつかないかも知れませんが、でも演技した時に彼女が持つ艶やかさという部分で補っていけるかなと観ていて感じました。ですから、この2人のコンビは普通のコンビからは少し逸脱したようなイメージがありますが、実際には意外と大人っぽいものができるのではないか?と今日は感じました。礼はキャリアとしても男役スターとしてもちょうど真ん中くらいだとは思いますが、大変実力があります。そして、ショーヴランという役は『レ・ミゼラブル』のジャベールをやった方の為に書かれた役なので、渋い大人の男という設定で、大変難しいのですが、私からすると少年漫画のヒーローのようなイメージです。彼女のショーヴランは(そこからすると)子供っぽくなるかなと思ったのですが、ここまで芸歴を積んでいますので、若さを活かしつつも、ショーヴランの内に滾る暗い情熱を大人っぽく表現できるだろうと感じております。とても楽しみにしています。


──前回、前々回、シマウマ柄のような奇抜な衣装がありましたが、今回衣装や装置などで何か仕掛けを考えていますか?



礼 今回の『スカーレット・ピンパーネル』も団体戦と言いますか、大勢のコーラスがあったり、群舞のところが本当に重要になってくる作品だと思いますので、紅さんと綺咲が心地良いと思ってもらえるような、そんな地盤をしっかり作って盛り上げていけるように、私も先陣を切って下級生をまとめていきたいなと思っております。

































































