宝塚ジャーナル : 『MOON SAGA ー義経秘伝　第二章』製作発表会レポート

2012年に延べ５万人を動員し、全国４大公演を成功させたGACKTの舞台『MOON SAGA ー義経秘伝ー』が、新たな物語『MOON SAGA ー義経秘伝　第二章』として本年８月の東京・明治座を皮切りに、10月まで全国７カ所で上演される。

この作品は、人間にはない超能力を持つ「物ノ怪(もののけ)」と人の形をした「物ノ不(もののふ)」、そして「人間」。この三者の生きる世界を描くスケール大きな舞台で、脚本・演出・主演をGACKTがつとめる。また今回は共演者として、川崎麻世と、宝塚を昨年12月に退団したばかりの悠未ひろが決まっている。（川崎さんの崎は略字になっています）

その作品の製作発表が３月31日、都内で開催され、GACKT、川崎麻世、悠未ひろが出席した。また、ヒロイン「陽和（ひより）」役をオーディションで公募するという発表も同時に行われた。

悠未ひろ

【挨拶】

悠未　悠未ひろでございます。平教経を演じさせていただきます。GACKTさんの作られるスケール大きな世界観の中に、こうして一員として参加できることを嬉しく思っております。精一杯がんばりますので、よろしくお願いいたします。

川崎麻世

川崎　平知盛役を演じさせていただきます川崎麻世です。GACKTとは以前から友人でございまして、いろいろとこれまでの舞台やライブなどを拝見させていただき、いつか麻世さんとできたらいいなと言ってもらったことが、今回実現されるということで、大好きなGACKTワールドで、精一杯がんばっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

GACKT

GACKT　この『義経秘伝　第二章』をやるにあたって、かなり面白い舞台になると思います、素敵なキャストたちと、素敵な最高の演出、感動のドラマを届けられるように、せいいっぱいがんばりますので、楽しみにしていてください。

ここで弁慶役の古本新乃輔が飛び込んでくる。何かと思えば、「ヒロインの陽和（ひより）役オーディション」のお知らせ。第一章では弁慶の周りでひらひらしていた物ノ怪の陽和が、第二章では妖艶な美女に成長して重要な役割りを担うという。陽和は物ノ怪で女性か男性かわからない存在なので、募集には「年齢、国籍、性別　経験有無すべて不問」となっている。

GACKT　世の中にはどんな才能が眠っているかがいるかわからないので、そういう人たちに一同に集まってもらって、才能を発見する機会があればと。妖艶ということは大事ですけど、性別にはこだわってないです。ただ、誰が見ても美しい、人を魅了するような、人と思えないような人であればいいなと思っています。そういう存在が見つかればと。

悠未　せっかくこのような幅広いオーディションなので、ぜひたくさんの方にきていただければいいなと思います。ぜひ一緒に舞台を作りましょう。

川崎　国籍関係なくて美しいならうちのカイヤとか（笑）、でもあまり一緒に長い時間いるとつらいかな（笑）。いい人が見つかって出てくださればいいですね。

GACKT　埋もれている才能がこういう形で開花する機会になればいいし、そういう方と一緒に舞台を作れればいいなと思います。僕はこれから物語を書かなくてはいけないので、今はプレッシャーがすごいんですが（笑）、いい舞台を作りたいと思っています。

【質疑応答】

──オーディションにはGACKTさんも立ち合うのですか？　またどこに重点をおきますか？　物ノ怪ということですがどんな美女なのですか？

GACKT　オーディションには立ち合おうと思っています。単純なオーディションではなくて、何を頭に思っているか、どんなことに自信があるか、などということを含めて聞きたいと思っています。美しさということですが、美しさは千差万別ですし、ああこの人だなというのは見ればわかると思うんです。おそらく審査していても、この人だとわかる。言葉には言えないんですが、なぜか人を魅了してしまう部分、そこをいちばん大切にしようと思っています。

──親交のある川崎さん、宝塚を退団したばかりの悠未さん、お２人の印象と期待していることを。

GACKT　麻世さんはプライベートでも兄貴みたいな存在で昔から非常に仲良くしてもらってます。ずっと以前から、こうやって同じ舞台に立てればいいなと思っていたので、タイミングが合って嬉しく思っていますし、どんな化学変化が起きるかなと楽しみにと思っています。ひろに関しては今日、初めてお会いしたんですが、思ったより背が高くて（笑）、いちばん大きいんじゃないかと（笑）。舞台でどういう男役になるのかといろいろ想像しています。アクションシーンもかなり激しくなるので、ツアーが終わるまでみんなと一緒に無事でいてくれたらいいなという気持ちです。

川崎　友だちとしては仲良くしてもらって、ボランティアも一緒にやったり親しくしていたのですが、やはりこうやって同じ板の上で一緒に仕事するのは初めてなので楽しみです。とにかくGACKTワールドが大好きで、あそこまで表現するということで、かなりストイックな部分があるのを見ているので、そのストイックな部分で、僕は俳優として30年以上やってきて、やっぱり凝り固められている部分があると思うので、そこを新しいことにどんどんチャレンジするGACKTに身を預けて、この稽古中はGACKTのことを「先生」と思って、学びながら新しい自分を改革していきたいなと思っています。

GACKT　勘弁してくださいよ（笑）。

悠未　私も初めてお会いして、すごいオーラにぼーっとしているのですが、私は宝塚で女性としか舞台に立ったことがないのですが、男性と舞台に立つのは初めてなので、立ち廻りもアクションも本物の男性と絡むので、しっかり身体を作って、自分の役割りをしっかり果たせるように精進するのみかなと。いま痛感しております。

──前回は戦乱の中での木曾義仲や巴との友情や愛が描かれていましたが、今回は平家の２人と義経はどんなふうになりますか？　またメッセージはどういうものになりそうですか？

GACKT　史実にはなっていない、表になっていない部分を今回は表現したいなと思っています。本当にこんな物語があるのではないか？史実なのではないか？というようなものを作っていきます。そしてこの物語のなかで言いたいことは、「未来は己の力で切り拓いていくもの」「未来は変えていけるもの」、これが今回のテーマになっています。