えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

帝劇ミュージカル『1789』

OG公演レビュー

『ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代劇祭』明日開幕! 公開舞台稽古フォト&コメント

最前センター:安西慎太郎

明治座にて恒例の年末エンタテインメントが、今年も12月28日から31日まで上演される。(来年1月13日には大阪公演あり)
 
歴史的にも有名な人物や物語を、小劇場・ミュージカル・映像など様々な畑から集結した【つわもの】俳優たちが、笑いあり、歌あり、踊りあり、涙ありの歴史エンターテイメントとして上演。さらに、舞台上でそれぞれの代表作や特技を持ちネタ化したようなパロディなど、盛りだくさんで届ける時代劇版・異種格闘技戦舞台。今年は『ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代劇祭』というタイトルで、安西慎太郎・辻󠄀本祐樹がW主演をつとめる。また若い演者たちに加えて、キャリア十分の大山真志、原田優一、松村雄基、紫吹淳が場を引き締める。

左:林剛史_センター:永田崇人_右:紫吹淳
林剛志 永田崇人 紫吹淳

構成は、伝統ある商業演劇スタイルにそって、第1部ではお芝居、そして第2部ではオリジナルユニットによるショーの2部構成となっている。第1部の演目は『SANADAMA・る』。真田幸村及び真田十勇士たちが戦う「大坂夏の陣」を、仙台藩伊達氏家臣の片倉重長(安西慎太郎)と、隻眼の仙台藩藩主、伊達政宗(辻󠄀本祐樹)目線で送る。また第2部は、出演者がユニットを組み、オリジナル曲を歌って踊るショー「プロデュース1615」。
脚本ほか全てを完全オリジナルにこだわって製作。総勢27人の出演者と会場の観客が一体となって創る「るとしまつり」となる。

センター:松村雄基
中央/松村雄基

この公演の初日前日となる12月27日、公開舞台稽古が行われ、その舞台写真と W 主演の安西慎太郎、辻󠄀本祐樹の開幕直前のコメントが届いた。

左:辻本祐樹_右:安西慎太郎
辻本祐樹 安西慎太郎  

【安西慎太郎コメント】
まずは明治座に辻󠄀本さんと共に座長として立たせて頂けることを心より感謝しています。
とにかくお客様に楽しんで頂ける作品を届けられるよう、キャスト、スタッフ一丸となり作品作りをしてきました。あとはお客様に観て頂くのみ。楽しみにしていて下さい。

【辻󠄀本祐樹コメント】
皆様、年末のお忙しい中お運びくださり誠にありがとうございます。
僕は2013年から、る・ひまわりさんのこの祭シリーズに出演させて頂き、大久保利通、源頼朝、羽柴秀吉、母礼とその都度素敵な役を頂戴してきました。そしてこの度、念願!の明治座さんでの座長公演、しかも独眼竜の異名を持つ伊達政宗役、本当に嬉しく思っています。お客様の応援と期待に応えれるよう皆で全力で稽古に励みました。楽しく、最後には何か心に残るような作品になっていると思います。どうぞ気楽にお楽しみください。

センター:佐奈宏紀
中央/佐奈宏紀

〈公演情報〉
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『ゆく年く・る年冬の陣 師走明治座時代劇祭』
構成・演出◇板垣恭一  
脚本
赤澤ムック
出  演安西慎太郎、辻󠄀本祐樹(W主演)
佐奈宏紀、永田崇人、杉江大志、小沼将太、碕理人、白又敦
田中涼星、蒼木陣、滝川広大、小原悠輝、佐藤貴史、宮下雄也、井深克彦、中村龍介、二瓶拓也、加藤啓
滝口幸広、林剛史、兼崎健太郎/内藤大希、木ノ本嶺浩/大山真志、原田優一、松村雄基/紫吹淳
●2017/12/28〜31@明治座 
●2018/1/13@梅田芸術劇場メインホール
〈お問い合わせ〉
【東京公演】明治座TEL:03-3666-6666 
【大阪公演】梅田芸術劇場TEL:06-6377-3800
〈公式HP〉http://www.rutoshi.com




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黒木瞳の圧巻のヒロインぶりが光る、明治座11月公演『京の螢火』上演中!

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幕末の動乱に揺れる京都・伏見を舞台に、維新の嵐が吹き荒れる激動の時代を生き抜いた寺田屋お登勢とその夫伊助を描いた物語『京の螢火』が、日本橋浜町の明治座で上演中だ(26日まで)。

『京の螢火』は1971年に明治座で上演された『京の螢火〜お登勢と竜馬〜』を、脚本家・演出家として活躍するわかぎゑふが、初演の良さを残しつつも、2017年に相応しい幕末ものとして新たに書き下ろした。黒木瞳演じる伏見の船宿「寺田屋」の女将お登勢と、筧利夫演じるその夫伊助を中心とした夫婦の物語を軸に、藤本隆宏演じる坂本龍馬、のちにその妻となる、田村芽実演じる若き日のおりょう、渡辺大輔演じる幕末の志士ら、多彩な登場人物たちが織りなす、動乱の時代の中にあってもひたむきに生きる市井の人々の、人間味あふれるドラマが展開されている。

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【物語】
安政の末、初夏の京都、伏見。
蛍の光が美しい夕刻、伏見の船宿「寺田屋」の跡取り息子・伊助(筧利夫)の元に、彦根から1人の娘が嫁いでくる。彼女の名はお登勢(黒木瞳)。白無垢姿も美しい彼女は、寺田屋に骨を埋める覚悟で婚礼に臨もうとしていたが、伊助の母お定(沢田亜矢子)は、この縁組が気に入らず祝言の席には出ないと言い張り、姿を見せようともしない。更に肝心の伊助も箒を手に掃除をし続けている有様で、お登勢に付き添ってきた叔父、叔母は立腹。お登勢を連れ帰ろうとするが、お登勢は「ひとたび嫁ぎ先の敷居をまたいだからには、自分は寺田屋の人間。戻る実家はありません」とその場を動こうとしない。そんなお登勢の健気さに打たれた寺田屋の親戚筋に当たる医者・玄庵(伊藤正之)のとりなしで、ようやく祝言があげられることになり、お登勢は晴れて寺田屋の若女将となる。

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だが、姑のお定だけでなく、伊助の妹お椙(桜乃彩音)もお登勢が気に入らず、恋仲の五十吉(河相我聞)と計ってお登勢を追い出そうと画策するが、やはり玄庵の機転で図り事が露見し、ここが潮時と伏見を後にした五十吉を追って、お椙は駆け落ち。老いには勝てなくなってきたお定、商売には全く身が入らない伊助に代わって、お登勢が店を切り盛りするようになり、番頭の佐市(深沢敦)をはじめ、奉公人たちも女将としてのお登勢を認めていく。
嫁入りから四年後の文久二年の春、お登勢は店の前に捨てられていた赤ん坊を拾い、居合わせた討幕派の薩摩藩士・有馬新七(渡辺大輔)は、この赤ん坊の為にも自分たちが良い世の中に変えていく、と語りかけるが、直後に穏健派の薩摩藩士の一党が現われ、味方同士のはずの薩摩藩士が互いに斬り合いとなり、新七は壮絶な最期を遂げる。心優しい青年が目の前で命を落としたことに、お登勢はただ慄然と立ち尽くす。

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事件から更に四年。捨てられた子供を我が子として育てていたお登勢の前に、変わり果てたお椙が現われ、思いもかけぬ真実を語り、祭りの喧噪の中に走り去ってしまう。必死で後を追ったお登勢は、元土佐藩の浪士・坂本龍馬(藤本隆宏)と、おりょう(田村芽実)という若い娘に出会い、龍馬からおりょうを養女として預かって欲しいと託される。新七の死から、新しい時代の胎動に目を向けるようになったお登勢は、おりょうを預かることにする。
そんなある日、龍馬を訪ねて薩摩から中村藤次郎(渡辺・二役)がやってくる。新七に面差しがそっくりの藤次郎にお登勢は驚きを隠せなかったが、薩摩と長州が手を結ぶことに奔走する龍馬と志を同じくする藤次郎を、快く迎え入れる。そんな寺田屋に、幕府守護職の新選組の一団が御用改めだと踏みこみ、藤次郎をかくまったお登勢と新選組の間で、押し問答が続いているのを、とっさの機転で伊助が助け、難を逃れる。だが伊助は、寺田屋が討幕派の隠れ家になることを好まず、天下国家がどうなろうと、自分たちはここで生きていくしかないのだと語るが、維新へと向かう時代の嵐は、確実にお登勢と伊助の夫婦を巻き込んでいき……

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作品の原作の1つである司馬遼太郎の『竜馬がゆく』は、やはり司馬の作品である新選組副長・土方歳三の生涯を描いた『燃えよ剣』と並ぶ、幕末ものの揺るぎない最高傑作として読み継がれている小説だ。特に坂本龍馬、土方歳三、沖田総司など、幕末の永遠のヒーローたちの人となりや、性格を、日本人のほとんどが、司馬の小説の造形そのままに信じ、認知しているのは思えば驚異的な話で、司馬遼太郎という作家の鬼才ぶりは、この一事だけでも揺るぎようのないものだろう。

だがその一方で、2017年に没後20年を数えた時代小説家・藤沢周平の、歴史上のヒーローを扱うのではなく、架空の小藩の名もなき武士や、市井の人々がただひたすら真摯に、懸命に生きる姿を描いた時代小説群が、空前の大ヒットとなり愛され続けているのも、現代の確かな潮流となっている。それは、この作品の元になった『京の螢火〜お登勢と竜馬〜』が上演された1971年当時からの大きな変化で、実在したヒーローたちだけではなく、歴史に名を残してはいないが、確かに生きていた市井の人々に、今、現在の日本人の心が共振している証でもあった。

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今回、『京の螢火』を新たに書き下ろしたわかぎゑふは、その時代が求めている風を確実にとらえている。ここには、「寺田屋事件」の現場となったことで後世に知られる「寺田屋」を舞台にし、坂本龍馬をはじめとした実在の幕末の志士たちを多く登場させながらも、主人公はあくまでも「寺田屋」に嫁いだお登勢という女性であり、その夫の伊助であるという、市井の人々を中心にした視点がある。そのため舞台には、非常にわかりやすい嫁姑の確執や、小姑の駆け落ち騒動などの、人間ドラマが内包されつつ、登場人物たちが逃れ難く歴史の荒波にもまれる様と、だからこそ拠り所になる夫婦愛が描かれていて胸をうつ。そうした視点を持ったことで、この作品は、こんな人たちが確かにいたかもしれないと思え、絵空事にならずに共感できる、時代ものの芝居の在り方としての、ひとつの形を指し示したものとなった。明治座初登場という演出家わかぎゑふの力が、2017年ならではの時代劇を生み出しているのが素晴らしい。

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そんな舞台の中心、ヒロインお登勢に扮した黒木瞳の力量が、作品の陰影を深めている。白無垢姿で登場する初々しい花嫁姿から、姑、小姑との軋轢に耐え、幕末の志士に共感し、やがて度量の深い大女将として成長していく。まるで絵に描いたような女優芝居を、十二分に支える黒木の演技力に、持ち前の愛らしさ、美しさが加わり、押しも押されもせぬ主演ぶりだ。こうした女優芝居が、減少の一途をたどる時代にあって尚、黒木瞳が女優芝居の華を咲かすことのできる、数少ない大女優だと改めて示した快演となっている。

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その夫伊助の筧利夫が、飄々と舞台に位置しているのも、作品のカラーを助けている。あっちもこっちも汚いと、いつも掃除ばかりしている伊助が、つまりは世の中が汚いと言っていることを、きちんとわからせた上で決して説教臭くならないのは、筧の軽やかさあったればこそ。それでいていざとなると頼りになる夫の造形が見事。

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この夫婦に関わる歴史上の有名人たちでは、坂本龍馬の藤本隆宏の骨太な造形が面白かった。これまでの龍馬像からすると、もう少し軽みのある人物を想像し勝ちだが、それは前述した通り司馬史観が生み出した龍馬像であって、こうしたどっしりした人物が坂本龍馬でも何も間違っていないし、むしろ新鮮だ。
特に藤本の持ち味に鷹揚な温かさがあるのが、おりょうと結婚する前の作中の流れに相応しく、明治座初登場となった田村芽実のおりょうの、真っ直ぐに体当たりの演技を包み込んでいて、田村の清新さも生き、良い並びだった。田村にとっても女優としての大きなステップになるはずの、この舞台は長く記憶に残るものとなることだろう。

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また、有馬新七と中村藤次郎の二役を演じた渡辺大輔の美丈夫ぶりが、なんとも爽やかで強烈に目を引く。寺田屋騒動で、自分が盾になる形になった為に、敵を倒せない同志に「おい(俺)ごと刺せ!」と叫び、敵方と共に串刺しになって命を落としたというエピソードが、あまりにも有名な有馬新七なだけに、せっかく当代の若手人気俳優である渡辺の出番が、これだけなのかと案じられたが、そこはさすがのわかぎゑふが、有馬に面差しがそっくりという設定の薩摩藩士・中村藤次郎として2幕にも登場させ、お登勢との芝居も実に効果的。殺陣も美しく決まり、ミュージカルでの活躍が顕著な渡辺の、和物の芝居での可能性も、さらに広がっていくのを感じさせた。

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また、黒木と同じ元宝塚歌劇団トップ娘役だった桜乃彩音が、出産後の復帰舞台として伊助の妹お椙を演じ、ただ綺麗な小姑ではない、ドラマチックに変化していく役柄を巧みに魅せている。お登勢に辛くあたっている時でも、徹底的に嫌な女にならないのが、桜乃のたおやかな美しさならではで、やはりこの人の華は貴重。今後も是非様々な舞台で活躍して欲しいものだ。

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そのお椙と恋仲の五十吉の河相我聞は、ヤクザ者の持つ危ない魅力を発揮。寺田屋の姑お定の沢田亜矢子の権高さも当を得ている。一方、番頭・佐市の深沢敦と医者・玄庵の伊藤正之は、お登勢の味方になり、観客から見て親近感がわく役柄を、温かく造形して舞台に人情の香りを立ち上らせた。

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演出面でも、回り舞台や幕前、花道の芝居を絡ませながら、適度にスピード感がありつつも、明治座ならではのゆったりとした芝居の流れを上手く残したわかぎの功績が光り、黒木を中心に全員が歌い踊るカーテンコールの趣向も洒落ていて、2017年の、更に明治座ならではの、親しみやすく楽しく、心に沁みる時代ものの舞台となっている。

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〈公演情報〉

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明治座11月公演『京の螢火』
原作◇織田作之助「螢」司馬遼太郎「竜馬がゆく」脚本 北條誠より
脚本・演出◇わかぎゑふ
出演◇黒木 瞳、筧 利夫、藤木隆宏、渡辺大輔、桜乃彩音、田村芽実/深沢 敦、伊藤正之、河相我聞、沢田亜矢子   ほか
●11/3〜26◎明治座
〈料金〉 S席(1階席・2階前方席)12,000円 A席(2階後方席・車椅子スペース)8,500円  B席(3階席)6,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉明治座チケットセンター 03-3666-6666(10時〜17時)





【取材・文・/橘涼香 写真提供/明治座】



『えんぶ8号』
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浅丘ルリ子、香寿たつきの出演する話題作『プライムたちの夜』開幕!

s_1.(右から)浅丘ルリ子、香寿たつき

新国立劇場では、人工知能と人間の幸福をめぐる注目の舞台『プライムたちの夜』が、11月7日に開幕した。
 
この作品『プライムたちの夜』は、現代欧米戯曲を日本で初演する企画の第5弾で、アメリカの新進作家ジョーダン・ハリソンによる戯曲。2014年、ロサンゼルスでの初演直後から反響を巻き起こし、2015年にピュリッツァー賞の最終候補作品となり、オフ・ブロードウェイでの再演、さらには映画化され、2017年サンダンス映画祭でプルミエ公開され高い評価を得ている。
 
演出を手がけるのは、新国立劇場芸術監督の宮田慶子。出演は、宮田の熱望により新国立劇場初登場となる浅丘ルリ子、さらに香寿たつき、相島一之、佐川和正という演出家の信頼あついメンバーが顔を揃えている。

s_2.(右から)浅丘ルリ子、相島一之、香寿たつき

【ものがたり】
とある家の居間、85歳のマージョリー(浅丘ルリ子)が、30代のハンサムな男性(佐川和正)と会話している。だが、昔の二人の思い出に話が及ぶと、その内容に少しずつ齟齬が生まれる。戸惑うマージョリー。実はその話し相手は、亡き夫の若き日の姿に似せたアンドロイドだった。薄れゆくマージョリーの記憶を何とかとどめようとする娘夫婦(香寿たつき、相島一之)。愛する人を失いたくない家族の愛をテクノロジーはどこまで補えるのだろうか......。

愛した故人をアンドロイド ―プライム― としてもう一度蘇らせる。だが、「この人はこういう人だった」と、データをインプットするのはもちろん人間である。これは近未来を舞台に、人の記憶と永遠の愛をテーマにした、少し切なく、胸が暖かくなる物語。 
 

フォトコールと囲み取材映像はこちら

〈公演情報〉
開場20周年記念公演
『プライムたちの夜』
作◇ジョーダン・ハリソン 翻訳:常田景子
演出◇宮田慶子
出演◇浅丘ルリ子 香寿たつき 佐川和正 相島一之
●11/7〜26◎新国立劇場 小劇場
〈料金〉A席 6,480円円 B席 3,240円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999




【資料提供/新国立劇場 撮影/谷古宇正彦】



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大地真央と中村梅雀が演じる史上最強のおもろい夫婦の物語『夫婦漫才』開幕!

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“日本最高のコメディエンヌ”大地真央と、歌舞伎からコメディまで芸達者でドラマでも活躍中の中村梅雀。2人が史上最強のおもろい夫婦を演じる舞台『夫婦漫才』が、11月6日に福岡・博多座で開幕した。(18日まで。その後、大阪・新歌舞伎座、東京・シアター1010で上演)
この作品は俳優・豊川悦司が2001年に脚本・監督を務めたテレビドラマを原作に、ラサール石井が演出、脚本は俳優・池田鉄洋としても活躍する池田テツヒロが担当している。

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【あらすじ】
“あんたの横にはいつもうちがおる だから行こう、一緒に行こう”
大阪の長屋で、まるで兄妹のように育ってきた信子(大地真央)と伸郎(中村梅雀)。器量よしで美人な信子とぱっとしない伸郎の“のぶ”コンビは長屋の人気者だったが、ついに伸郎に赤紙が届く。
戦後、夫婦となり3人の子宝に恵まれたが、定職にもつかずふらふらしている伸郎に信子は腹を立て、毎晩長屋に響きわたる夫婦喧嘩の声。ところが、この喧嘩が掛け合い漫才のようで面白いと評判を呼び、プロの漫才師としてデビューすることになる。家族を、長屋の人々を、お客さんを笑顔にすることが皆を幸せにすることだと仕事に打ち込む二人だが、突然悲劇はやってきて…。

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戦争、貧困、高度成長、テレビ黄金期、漫才ブーム。激動の昭和から現代を、夫と家族を支えながら、前向きかつ豪快に突き進む信子。伸郎と共に二人手を取り、夫婦で歩む笑いと涙の珍道中の行く先は・・・。

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初日公演の終演後には、出演の大地真央・中村梅雀・川麻世・正司花江、そして演出のラサール石井が登壇し、囲み取材が行われた。

主演の大地真央は、ひょんなことから夫と夫婦漫才コンビを結成し、激動の昭和から現代を明るくたくましく生きた女性を演じている。「実は、現代を生きた普通の日本人女性の役を舞台で演じることも、関西弁をしゃべるのも宝塚のトップお披露目公演以来初めてだったので、とても新鮮でした。でもお客様の反応がとても温かくてホッとしています」と初日を迎えた感想を大地が語る。
その大地を「王女とかそういう役ばかり演じてきた真央さんが、ごく普通の庶民の役を演じるというのも見どころです」と演出のラサール石井。
また、大地の夫役を演じる中村梅雀が「関西弁の役は苦手でこれまで封印してきたのですが、真央さんのおかげでスッとその世界観に入ることができました」と安堵の表情を見せると、息もピッタリに大地から「せやろ!」と関西弁で相の手が。そんな二人に、川麻世が「何があっても支え合う、夫婦のあるべき姿を舞台で勉強させていただいています(笑)」と感想を語り、笑いを誘う一幕も。 
劇中では、戦争、貧困、高度成長、テレビ黄金期、漫才ブーム、オリンピックなど昭和を象徴する事柄が多く登場。ラサール石井は「真央さんの劇中でのファッションも、それぞれの時代にあったものを揃え、コートも含めると全部で20着、着てもらっています。それだけ見ても昭和女性ファッション史として楽しんでいただけると思います」と見どころを語る。 
音楽も「東京五輪音頭」「世界の国からこんにちは」など、昭和を彩った名曲が多数登場。なんと芸歴80年(!)を迎えるという正司も「共演したことのある方の曲も多く、本当に懐かしくて涙が出そうです。皆さんにも懐かしく観ていただけると思います」と語った。
最後に大地より「本当に笑いあり涙ありの面白いお芝居に仕上がったと思います。是非劇場お越しいただき、この時間と空間を共有していただけたらと思います。」と締めくくった。

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〈公演情報〉
『夫婦漫才』 
原作◇豊川悦司
脚本◇池田テツヒロ
演出◇ラサール石井
出演◇大地真央、中村梅雀
川麻世、村上ショージ、竹内都子、上杉祥三
朝倉伸二、福本伸一、弘中麻紀、未沙のえる、南翔太
吉沢京子、正司花江 ほか
●11/6〜18◎博多座
〈料金〉A席13,000円 特B席10,000円 B席7,000円 C席4,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉博多座電話予約センター 092−263−5555(10:00〜18:00)
●11/22・23◎新歌舞伎座 
〈料金〉1階席10,000円 2階席5,000円 3階席3,000円 特別席12,000円
(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉新歌舞伎座テレホン予約センター 06-7730-2222(10:00〜18:00) 
 http://www.shinkabukiza.co.jp
●11/29〜12/4◎シアター1010 
〈料金〉全席指定9,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉TEATRE1010 03-5244-1010







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「Discover Nelly Arcan」プロジェクトの掉尾を飾る舞台『この熱き私の激情〜それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌』上演中。

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6人の女優と1人のダンサーが、1人の女性の人生を描く舞台『この熱き私の激情〜それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌』が、天王洲銀河劇場で上演中だ(19日まで。そののち、広島、北九州、京都、豊橋で公演)

わずか8年間に、心の内側に秘めた怒りを爆発させ、熾烈で思わず目をそらしたくなるほどの作品を執筆し、36歳の若さで自ら命を絶ったカナダ・ケベック州生まれの女性作家ネリー・アルカン。
この作品は、彼女の世界を、本、映画、舞台で紹介するビッグプロジェクト「Discover Nelly Arcan」の最後を飾る一編で、ネリー・アルカンが残した4編の小説をコラージュし、カナダ人演出家マリー・ブラッサールが舞台化したもの。出演する松雪泰子、小島聖、初音映莉子、宮本裕子、芦那すみれ、霧矢大夢の女優6名が、それぞれガラスで閉じられたキューブ体の部屋に入り、お互いに顔も見えないまま、イヤーモニターから聞こえる音、共演者の台詞だけを頼りに、ネリーの孤独、慟哭、女性であることの苦悩を演じ、台詞のセッションを奏で、ダンサーの奥野美和が、象徴的に各部屋を行き交うという、非常に斬新で、官能的で、かつ難度の高い舞台となっている。

そんな作品の初日を前に、出演の松雪泰子、小島聖、初音映莉子、宮本裕子、芦那すみれ、奥野美和、霧矢大夢と、演出のマリー・ブラッサールが、開幕直前会見に臨み、娼館の飾り窓とも、ショーウィンドウとも取れる、舞台上に置かれた10個のキューブを前に、新たな挑戦となる公演への抱負を語った。
 
【登壇者挨拶】

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マリー・ブラッサール
 
皆様、本日はお集り頂きどうもありがとうございます。こうして素晴らしい皆様とご一緒に初日を迎えることができて、光栄に思っております。少し作品についてお話しさせてください。ネリー・アルカンはとても知性あふれる若い女性で、作家でした。彼女は自分の作品の中でも描いていますが、自分を生きているには相応しくない人間だと感じることがとても多かったんです。ネリー・アルカンは皆様ご存知の通り、36歳という若さで自殺をしてしまいました。私は今こうして日本の皆さんに、彼女の深み、また知性を共有できることを嬉しく思っておりますし、自分自身とても感動しています。こうして素晴らしい女優の皆さん、そしてダンサーの奥野美和さんと、ネリー・アルカンが表現してきた作品を皆様にお見せできる、彼女へのオマージュを皆様にお届けできることをとても嬉しく思います。
 
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松雪泰子
 
今日までマリーさんと稽古を重ねてきて、どこまでこの作品を表現できるのか、今、とても緊張感を持っておりますが、良い初日を迎えられるようにと思っております。

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小島聖 
ここにいる皆様とご一緒させて頂いているのですが、全く顔が見えず、声だけの交流しかないというのは、なかなかセクシーで良いものだなと思っております。マリーさんには言葉と身体がつながっているようにと言われているので、それを胸に今日の初日を迎えたいと思います。
 
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初音映莉子
 
ネリーの36年の人生がなかったら、今、自分はここにいないんだなと。ネリーの人生が私に与えてくれた、マリーや、日本人のスタッフ、素晴らしい共演者の方達との出会いに感謝しながら、ネリーの魂を自分の中にグッとこめて演じたいと思います。

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宮本裕子 
本当にあっという間の5週間で、稽古場を去りたくないという思いがとても強く、マリーをはじめスタッフ、キャストの方達とすごく楽しい、でも俳優としての自分としてはこんなに苦しく、久々にガツンときたネリーの人生でした。製作発表の時には「真綿で首を絞められるような感じだ」と言ったのですが、いざ稽古が進んでいくと真綿が水を含んでいた感じで、自分の役者人生を破壊されかねないと思うほど、衝撃的な稽古でした。ネリーを感じながら、本番をやっていきたいと思います。
 
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芦那すみれ
 
今回の舞台を通して、この素敵な先輩たちと一緒に、またマリーと海外のクルーと一緒に過ごした時間が、自分の中ですごく楽しかったです。でも楽しいだけで終わってはいけなくて、今日からが本番だという気持ちの中に、楽しい気持ちもちょっと忘れないでやっていけたらいいのではないか?と思っています。皆さんにも楽しんで頂けて、何かを感じて帰って頂けたら、それが一番いいなと思っています。
 
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奥野美和
 
私は失われた部屋の女というキャラクターを演じさせて頂くのですが、私にとって演劇作品に出演するのは初めてのことで、今日初日を迎えるまで皆さんにアドヴァイスを頂いて、出来立てほやほやの状態でもあります。ですから本番1回、1回を集中した濃い時間を過ごして、私にはとても難しいことだった演劇と、ダンスの身体表現をしっかり習得して、1日1日を過ごしたいと思います。
 
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霧矢大夢
 
ネリーの心の闇、怒りや苦しみ悲しみを表現するということは、自分自身の闇に向き合うことでした。稽古中苦しかったり、今、初日を迎える瞬間が怖い気も致しますけれども、皆様の前で、客席からの力をパワーに変えて、素晴らしいキャストの皆様とネリーを伝えていきたいと思います。

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【質疑応答】

──マリーさんはご自身も女優として活動されていますが、この1ヶ月間日本の女優たちとの仕事はいかがでしたか?
マリー 日本の女優の皆様とお仕事ができるということで、謙虚な気持ちで楽しくお稽古をさせて頂いてきました。皆様1人1人素晴らしい女優さんで、深い知性と才能をお持ちの方達とご一緒できて本当に嬉しかったです。今回演出をする上でわかったことは、演出家というのは台詞の話し方を1つ1つ指導する訳ではなくて、パフォーマーが言葉の真実により深く近づける為のお手伝いをする、そういう仕事なんだということを改めて実感致しました。そして私が気づいたのは、どこの国の人間であっても、知性的な意味で近づくことができれば、言語の違いは壁にはならないということを感じました。
──作品から感じ取って欲しいメッセージなどは?
マリー この作品は、正確なメッセージをお客様に届けたいという訳ではありませんが、この作品を観ることによって、ネリー・アルカンというアーティストの作品をまた深く見直し、現代の女性が置かれている状況、立場を皆で一緒に見直せればなと思っております。それとこの作品は現代社会におけるプレッシャーというものも提示しています。メディアから与えられるプレッシャー、また自分以上の何かにならなければならないという、概念によるプレッシャーが表されています。それは世界共通のものだと思いますし、男女共にあるプレッシャーだと思います。この作品を観た後で、ネリー・アルカンの詩的な言葉に感動すると共に、そういうことについても内省して頂き、お客様に考えて頂ければと思っています。なので、観て頂くお客様には是非感動して頂きたいです。それは詩的な表現であったり、インスピレーションであったり、是非、闇ではなく光を持ち帰って頂きたいと思います。

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──この5ヶ月間、心を引き裂かれるようなテキストと向き合い、テクニカルを含めて大変な稽古だったと思いますが、この稽古中に最も苦労した点や、また新しい発見などありましたら教えてください。
霧矢 この部屋の中から出ないで皆様の呼吸を感じながら、それぞれが個々のようでいて、同じ空気を感じなければいけない、という演劇手法がまず初めてで難しくて、それは未だに課題でもあります。先ほども言いましたように、ネリーの闇を深く深く探求していくと、本当に自分もズンと落ちそうになるところを、今マリーがおっしゃったように光に変える、そのパワーに持っていくことが難しくもあり楽しくもあります。
奥野 さっき言ったことと重複してしまうかも知れませんが、私は演劇作品が初めて、デビューの作品だということでした。でも私も演技の手法が初めてでしたが、今回の作品では皆様にも演技だけではなく、身体表現もあったり、後はこの美術と、歌もあり、色々なジャンルが混ざったような作品ですので、自分がどのように作品の一部として溶け込めるか?というのが、わかっているつもりでやはり理解に時間がかかります。これは公演中もずっと考えてパフォーマンスをしないと、なかなか身体に入っていかないと思うので、そこを頑張っていきたいと思っています。
芦那 ネリーは大人の女性なので、大人の女性であって欲しいというところが、自分にとって一番ネックでした。
宮本 私がいるのが死の部屋で、ネリーが死んだあとの部屋なんですけれども、死というものとすごく向き合わなければいけないので、ここに今ネリーがいるのかも知れない、天国にも地獄にもまだ行っていないのでは?ネリーってまだいるのかな?と思ったり、自分が死んだらどこに行くのだろう?と思ったり、死をすごく考えさせられています。これは本番が終わるまでずっと向き合うことなので、体力がいるなと思っています。
初音 台本を読んでいて、ネリーの言葉がグサッと刺さってきて泣いてしまったりもしました。彼女の思いと対峙することが最初はすごく辛かったです。あとは、部屋に入っているので、皆の声を聞きながら芝居をしたり、実際に舞台に来て照明が入って初めてわかることもあって。部屋の前にあるガラスなんですが、中に入るとまるで鏡のように見えて、客席はいっさい見えない状態なんです。鏡に対峙して話している感覚なので、ネリーもこういう経験をしたんだろうな、と感じています。
小島 言葉を単純に覚えた方が楽なのですが、シンプルに捉えてそれをしないということが、とても大変でした…いえ、大変です(笑)。

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松雪 私もまず「ピュタン」という小説を読みまして、あまりにもネリーの痛みが深すぎて。とにかく死に向かっていく彼女の精神状態を考察し、読み進めていくと、自分の中にある潜在的な痛みが、彼女の持っている痛みとフィットする瞬間がありまして、その度にかなり苦しくて身動きが取れなくなる時間が相当ありました。本当に怖くて、死に向かっていく精神状態を捕まえるのが、とても困難でしたし、自分が台詞を通して体現していくという段階になってからは、苦労の連続でした。でも言葉自体というものはとても美しいので、それをまず皆様にしっかりお伝えしたいなということのみで、稽古場でやっておりました。あとはマリーさんと皆さんと稽古をしていく中で、本当にこの劇自体が全体で1つなんだということがハッキリとわかりますし、私達はイヤーモニターを通してしかお互いの言葉が聞こえないのですけれども、そこからエネルギーが積み重なってすべて、最後の私の死に至るまでの時間が、個々でありながら全体として1つだということがすごく大事だと思いました。美術、照明、マリーさんの演出を含めて、すべて計算されているこの劇構造に圧倒されつつも、皆様にお伝えできたらという思いでいます。
──それぞれ、ズバリ見どころを一言でお願いします。
松雪 この劇全体を通して、見事に調和が取れた瞬間だと思っているので、見どころはすべてという感じです。
小島 女性っていいなと思います。
初音 自分の人生を振り返ることができるところだと思います。
宮本 日本で観たことのない手法、演劇表現が見られることだと思います。
奥野 美術と演出と身体表現すべてが融合した、コンセプトに沿ったジャンルが、融合された瞬間が見どころだと思います。
芦那 私は稽古場で皆様のお芝居を観させて頂いて感じていたことなのですが、松雪さんが演じられる、自殺するところに向けて皆のお芝居が少しずつ重ねられていくので、影の女のところが見どころだと思いますし、そこから死んだ女の(宮本)裕子さんが出てくる、2人が変わる瞬間が曲もおどろおどろしくて、是非注目して観て頂きたいです。
霧矢 女はしなやかで、美しくて、強いというところを感じて頂きたいです。
──代表して松雪さんにお伺いします。女性の心情を描いた作品ですが、男性が観る上で何かアドヴァイスはありますか?
松雪 霧矢さんがおっしゃったように女性は強く、美しいと感じて頂ければと思います。

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続いて、舞台上で3つの場面が公開され、それぞれ、演出のマリー・ブラッサールからシーンの説明があり、この斬新な舞台の一端が立ち現れた。

【公開場面1】

マリー まず皆さんにお見せするのが「悲しみの仮面」というシーンです。このテキストの中で、ネリー・アルカンは「自分は美しくもなく、醜くもない」という言葉を繰り返し言っています。自分は生きるに値しない人間だという思いが籠められています。なので、結論として自分で自分の人生を終わらせるという方向に向かっていきます。これは作品の中で「失われた女、失われた歌」という場面ですね。

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前衛的な音楽が流れ出し、それぞれの部屋に入った女たちが台詞のセッションを奏ではじめる。「私は美しくない、醜くもない」「どっちつかずで上手くいかない」「身体」「まなざし」「時と共に私は醜くなる。事態は好転しない」「悲しみに飲みこまれていく私の顔」等々の言葉が、連なり、重なって発せられる。各部屋が完全に仕切られている為に、徐々に誰が今言葉を発しているのかも、定かではなくなる眩惑感がなんとも独特だ。

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【公開場面2&3】

マリー 次に皆様にお見せ致しますのは「娼婦たちは自殺を宣告される」という歌です。この歌の中でネリー・アルカンが話しているのは「娼婦というのは消えた後、長い間消えたことを周りに気づいてもらえない。それはまるで消滅した星のようだ」という言葉です。そこに続いて「影の部屋」のシーンの「影の歌」に今日は続けます。これは「影の部屋の女」を演じている松雪泰子さんが歌います。この歌の中では、ネリー・アルカンが死について語り、やがて首つりについて歌います。一部を抜粋してお見せします。

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リズムが強く響き、各部屋の女たちは「娼婦は自ら命を絶つと宣告されている」「自分を殺す!」「死んだ星が光る」「娼婦たちは死んだ星の光」などと、ある者は語り、ある者は叫びながら、激しく動く。「天文学者は言う、死んだ星の光はどんなに遠くても1番眩しい」「1番眩しいのは死ぬ時」「自分の1番いいものを手放すのは死ぬ時」女たちの動きはますます激しくなり、天空の部屋ではこの部屋の女小島聖と、現実的には部屋にいない「失われた女」の奥野美和が絡み合う。やがて言葉をリズムがかき消していき、部屋の灯りが1つ1つ消えていく。

闇の中から「影の部屋の女」松雪泰子が浮かび上がる。幼少時に言い含められた父からの警句、それに応えて「私がお父さんに愛される、良い子でいますように」という祈りのような台詞が消えると、影の部屋の女は首つりについての歌を語るように、つぶやくように歌い、それがいつか祈りの言葉となっていく。
 
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ステージが闇に包まれて、約15分弱の場面公開が終了。ただ、実際に舞台を目にしている時間は、もっと極端に短いように感じられ、このあまりにも刺激的な舞台の世界観の鋭さが伝わってくるようだった。この作品は、2017年の演劇界にとって、1つの「事件」ともなりうる舞台と言えそうだ。


〈公演情報〉
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PARCO Production
『この熱き私の激情〜それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌』
原作◇ネリー・アルカン 
翻案・演出◇マリー・ブラッサール    
翻訳◇岩切正一郎
出演◇松雪泰子 小島聖 初音映莉子 宮本裕子 芦那すみれ 奥野美和 霧矢大夢
●11/4〜19◎天王洲 銀河劇場
他、広島、北九州、京都、愛知にて上演
〈お問い合わせ〉パルコステージ 03-3477-5858 
                



【取材・文・撮影/橘涼香】




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