えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

『大人のけんかが終わるまで』

OG公演レビュー

北乃きい・佐藤アツヒロらが繰り広げる「愛」。イプセンの名作『人形の家』東京公演上演中!

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イプセンの名作『人形の家』が、5月14日から東京芸術劇場シアターウエストで東京公演を上演中だ(20日まで。5月23日・24日は兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで上演)
この舞台は、主人公ノラに北乃きいが扮し、その夫に佐藤アツヒロ、ノラの友人を大空ゆうひ、さらに松田賢二、淵上泰史、大浦千佳という、たった6人で演じる密度の濃い作品だ。

【あらすじ】
弁護士ヘルメル(佐藤アツヒロ)の妻ノラ(北乃きい)は、純粋で無垢な女性だった。若くして結婚し三人の子供も授かり、夫に守られ生きている。だがその幸せだったはずの生活に、あることから歪みが生じ始める。友人のリンデ夫人(大空ゆうひ)や、ヘルメルの部下クロクスタ(松田賢二)、ヘルメルの友人であり医師であるランク(淵上泰史)、それぞれの人々の運命も、同時に思わぬ方向へと動き始める…。決断を迫られたノラが最後に選んだものとは。

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ヘンリック・イプセンによって1879年に書かれた『人形の家』は、日本でも明治末の初演から幾度となく上演されてきた。三人の子を持つ幸福な家庭の若妻が、ある日、すべてを投げ捨てて家を出ていく。その行動は、おそらくこの戯曲が発表された19世紀末から21世紀の今日にいたるまで、男性にとって、いや女性にとってもどこか不可解だったり、理解しきれないものがあるにちがいない。それゆえに、いや、だからこそ何度も上演され、その意味を時代時代の社会と照らし合わせながら、読み解こうとしてきたのだろう。
 
今回の『人形の家』は、その意味では、女性の自立劇や社会劇としての側面よりも「愛」の物語として読み解いたことで成功している。どこの夫婦にもあるお互いへの幻想と期待、それが破られたときになお夫婦でいられるか、綻びの見えた相手でも丸ごと受け入れ、愛し続けることができるのか。現代の人間にもそのまま通用するそんな問いかけが、観終わったあとに観客の胸に残される。
 
とくに友人同士であるノラとリンデ夫人という2人に、女性としての対比が明確に打ち出されていることで、この作品のテーマが見えやすくなっている。
リンデ夫人はかつて銀行員のクロクスタと恋仲だったが、親の面倒をみるために政略結婚をして、恋人を捨てた。クロクスタはそれがきっかけで退廃的な生活を送るようになる。だがリンデ夫人は、自分の罪を自覚していて、またその後の暮らしの変化の中で自立した女性として生きている。そしてノラの事件をきっかけにクロクスタと再会したあとは、彼との愛を手に入れようと行動し、それに成功する。
一方、ノラは世間知らずであり、本能的に生きていて、純粋さや優しさはあるものの行動には無自覚で、夫の病気で大金を工面したときも罪を犯しているのだが、ノラはそれが罪だとは思っていない。いわば無知な人間なのだが、その無知ゆえに夫に愛されていると気づいたとき、ノラも覚醒する。人間として目覚めてしまったノラは、その自分を受け入れてもらえないなら出ていくしか道はない。もう無知なお人形さんには戻れないのだから。
 
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そんな主人公のノラに北乃きいを起用したことが、今回の成功の大きなファクターになっていて、まだ20代後半という若さでありながら、ドメスティックな女性性や母性を感じさせ、そこが夫だけでなく周りの人間からも愛されるノラの魅力にもつながっている。また、1日の中で大きく変化していくノラの状況や心境を、豊かな感情表現で伝えるとともに、ラストシーンにして最大の見せ場「ノラの自立」を、説得力をもって、力強ささえ感じさせながら演じきる。
佐藤アツヒロのヘルメルは、若くして銀行の頭取まで駆け上がるだけのクレバーな能力を感じさせるとともに、惜しみなく妻に注ぐヘルメルの無邪気な愛情を嫌味なく表現する。それがあるゆえに借金の件を知ったあとの卑小さへの豹変が効果的で、もともと役者としては定評のある人だが、この難しい役をリアリティをもって演じている。
リンデ夫人は大空ゆうひが扮していて、社会性を持った女性ならでの視野の広さと冷静さと行動力をみせる。クロクスタへの思いも、贖罪ではなく彼女自身の孤独と飢えを満たすために必要だと語るところにリンデの誠実があり、その愛の告白は聞く者にカタルシスさえ感じさせてくれる。
クロクスタは松田賢二で、ヘルメルへの対抗心やコンプレックスからノラを執拗に追い詰める男の歪んだ内面を、不気味ささえ醸しだしながら表現する。それだけに失ったはずのリンデ夫人の愛を得て、男としてのプライドを取り戻したあとのクロクスタは魅力が際立つ。
淵上泰史はノラの家に出入りしているランク医師。ランクは病を抱えているのだが、彼の憂鬱な日々を温かな光で照らしてくれるのがノラであり、そのノラが苦しみを抱えていると知って思わず愛を告白してしまう。そんなランクの情熱と苦悩、さらに哀愁まで漂わせて、淵上ランクは深い印象を残す。
ヘルメル家の女中ヘレーネは大浦千佳。ノラからの篤い信頼で子供たちの面倒を任せられている。主人であるヘルメルへの忠誠心も持ち合わせているだけに、夫婦の決裂を哀しく見守るしかない。大浦のヘレーネは善き使用人ならではの忠実と沈黙を表現する。
 
舞台美術は応接間のテーブルと椅子だけでシンプルなのだが、客席の通路に設けられたヘルメル家の郵便受けが大きな役割りを担っていて、ヘルメル家で起きているドラマに観客を巻き込む臨場感がある。また衣裳が秀逸で、ノラが着替える3着はそれぞれ彼女のそのときの内面を表現、リンデ夫人の地味な装いも、趣味の編み物ともども彼女の生き方を伝える効果を出している。それらのプランを含め、演出の一色隆司の「愛」によって読み解かれた名作『人形の家』の世界が、みごとに立ち上がっている。

【囲みインタビュー】

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佐藤アツヒロ、北乃きい、一色隆司

東京初日の5月14日の昼に、ノラ役の北乃きいと夫ヘルメル役の佐藤アツヒロ、そして演出の一色隆司への囲み会見が行われた。

──10日に新潟で初日を迎えましたが、いかがでした?
北乃 すごくドキドキしながらでしたが、皆さんがスタンディングオベーションをしてくださったので、嬉しくて涙が止まらなかったです。床が涙でビショビショになってました。
佐藤 僕もつられてちょっと泣きそうになりました。やはりこの名作『人形の家』を作る稽古はかなりハードでしたので、その思いは同じでした。ハードというのは、会話劇なのでその瞬間に起きることへの思いを台詞にのせるので、すごくたいへんな作業なんです。簡単に言うとノラはずっと喋ってますから(笑)。
北乃 (笑)ヘルメルもずっと喋ってます。ほとんど誰かと誰かの2人のシーンで、どちらかが絶対に喋ってるので、それで台詞が多くなるのと、ノラは出てないところがほとんどないので。
一色 ワンシーンだけ出てないけど、それ以外は出てるからね。
佐藤 ノラをやるということはそういうことなんです!
北乃 (爆笑)。
佐藤 つまりこの仕事を引き受けたときの決意は相当だったろうな。
北乃 そうです!恐かったです。
──取り組むために何か特別なことは?
北乃 いえ、とにかく成功することしか考えないで、失敗することは考えないで、自分を信じて一色さんを信じて、キャストの皆さんを信じて、それだけでここまできました。

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──佐藤さん、北乃さんのノラはいかがですか?
佐藤 稽古の後半からはノラの台詞に感情を乗せていたし、僕もこれだけ愛を表現することはないくらい「愛してる」ばかり言っていて、惜しむことなく愛情を表現しています(笑)。
北乃 (笑)「愛してる」と「可愛い」を、いっぱい言いますよね。
──それを言われてどうですか?
北乃 でもヘルメルからの「愛してる」は挨拶みたいなものですから、「おはよう」みたいな感覚です。
佐藤 僕は違いますよ(笑)。ヘルメルとしては「今日も愛してる」という気持ちですから。それが『人形の家』という作品なんですから。
一色 頼もしいです。2人ともすごいです。北乃さんは、日々ノラへと人格が変わっていって、今日のノラはどういうノラか?みたいな。アツヒロさんは、台本を一からプロデューサーと3人で何日もかけて、ヘルメルをどう作り上げるかというの話し合って。
──アツヒロさんは役になるためには?
佐藤 僕は台詞の裏を探すというか、どうしてこんな台詞を言うのかなと探しているうちにヘルメルになる感じです。とにかくこの作品のヘルメルは愛を伝えることしかないので。
──いつもと雰囲気違いますね。
佐藤 役が入ってるのかな(笑)。あとヘルメルは紳士なので、そうなってるかなと。
一色 みんな顔つき変わってますから。稽古に入ったときとは違ってる。

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──北乃さんから見てアツヒロさんは?
北乃 真っ直ぐな方ですね。このままで二面性がない。真っ直ぐで熱くて、すっっっごく真面目な方だと思います(笑)。
佐藤 まあ、そう言われることが多いですね。
一色 役に必要な繊細さを持ち合わせてますし。
北乃 本当にピュアですよね。
佐藤 愛を表現する中で、繊細さを出していく部分もあるので、ちょっと僕自身の繊細な引き出しも開けてます(笑)。
──北乃さんについてはいかがですか?
佐藤 これまで画面でしか見てなかったんですが、女優として華やかですし、天才的というか台詞覚えも早いし、それを自分のものにして表現するから、すごいです。
北乃 恐縮です(笑)。
──では最後に意気込みを。
北乃 色々な形の愛が描かれている作品で、女性の自立の物語でもあるのですが、今回、私たちが作り上げた『人形の家』は、やはり愛のお話で、さまざまな形の愛を届けられたらいいなと思っています。
佐藤 これほどまでの愛を、舞台でこれまで演じたことがありません。ぜひ観にいらしてください。

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〈公演情報〉
りゅーとぴあプロデュース『人形の家』
作◇ヘンリック・イプセン 
訳◇楠山正雄訳『人形の家』より 
上演台本◇笹部博司 
演出◇一色隆司 
出演◇北乃きい 大空ゆうひ  松田賢二 淵上泰史 大浦千佳 佐藤アツヒロ 
●5/14〜20◎東京芸術劇場シアターウエスト
〈料金〉7,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉エムティーピー 03-6380-6299 
●5/23・24◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
〈料金〉A 7,000円 B 5,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00〜17:00/月曜休 祝日の場合翌日)


【取材・文・撮影(会見)/榊原和子 舞台写真提供/りゅーとぴあ 撮影/石川純】

 

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ファッション業界を舞台に檀れいと高橋惠子が女の闘いを繰り広げる!明治座5月公演『仮縫』上演中!

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昭和を代表する女流小説家であり劇作家としても活躍、日本の歴史から古典芸能、あるいは社会派の作品まで、その才能を多彩にきらめかせた有吉佐和子。舞台化された作品では『華岡清州の妻』がとくに知られているが、同じく女の闘いを描いた『仮縫』が、5月明治座公演として上演中だ。(28日まで)
 
華やかなファッションの世界を背景に描かれた小説『仮縫』は、1963年に発表され、69年には内藤洋子、岸惠子らの出演で『華麗なる闘い』というタイトルで映画化、「絢爛豪華な女性大作」として好評を博した。今回の明治座公演は、ヒロイン清家隆子(せいけりゅうこ)に檀れい、オートクチュール界の女王として君臨するデザイナー松平ユキに高橋惠子、そして2人をめぐる人物たちに古谷一行、山本陽子、葛山信吾という実力派俳優たちが顔を揃えている。

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【あらすじ】
洋裁学校で学んでいた清家隆子(檀れい)にとってオートクチュール「パルファン」は華やかな別世界であり、そこで働くことなど想像もしていなかった。しかも日本で唯一のオートクチュールの店を経営し、デザイナーとしても高名な松平ユキ(高橋惠子)にスカウトされるなんて――。
「パルファン」の顧客は裕福な家の婦人や有名女優、いわゆる上流階級の人達で占められ、この店でドレスをつくることが彼女たちのステイタスになっていた。ユキの自宅を兼ねている「パルファン」には、運転手兼ドアボーイでユキの弟と称する信彦(葛山信吾)と、謎めいた家政婦たつ(山本陽子)も暮らしていた。初々しいが凜とした美しい隆子は、長身で整った容姿の信彦に度々誘いをかけられるも興味を示さなかった。それよりも、ユキの恋人ではないかと思われる、銀座で画廊を経営する相島昌平(古谷一行)のどこか影のある大人の男に魅力を感じていた。
二年が経った。隆子はユキの経営術や上流階級の人達を引きつける技、オートクチュールの技量を吸収していた。自分に反旗を翻す弟子に対しての、残酷とも思われる仕打ち、ユキのそんな一面も隆子は知った。いつか自分もそんな目に遭うかもしれない。隆子の心の中には予感があった。そしてある時が来たら独立するかもしれない、いや、いつか自分の店を持ちたい。時々そんな夢をみるようになっていた。もともと隆子の才能を認めていたユキは隆子をチーフアシスタントに抜擢した。隆子の夢は一歩ずつ近づいてくる。
一方、ユキはデザイナーとしての才能の枯渇を感じ始めていた。幸いこの店を切り盛りできる隆子が育った。ユキはもう一度新しい感覚を求めてパリへいくことを決心した。日本を留守にしたユキの代行になった隆子の活躍は凄まじいものだった。これからはオートクチュールではない、プレタポルテが時代の先端を行く。そう信じた隆子は相島に相談をしながら着々と準備を進めてゆくうちに二人は愛し合うように──。
いよいよ隆子が企画・デザインしたプレタポルテのショーが三日後に迫った時、突然ユキが帰国し隆子の前にあらわれた。しかもショーはパリですべて準備しデザインした衣裳を持ってきたというのだ。唖然とする隆子にユキはさらなる追い打ちを掛ける。隆子の未来に待っているものは――。

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舞台上には貴族の館のサロンのようなゴージャスな応接間、そこがオートクチュール「パルファン」の仮縫室。「○○様、仮縫でございます」という声とともに、2階の縫製室から一斉に降りてくるグレーのユニフォームを着た縫い子たち。そこから始まる「仮縫」の作業や顧客とのやりとり、それ自体がワクワクするような眺めで、ファッション業界の裏側という非日常的な世界を覗き見る感覚があり、一気に惹きつけられる。

この豪華な邸宅の女主人である松平ユキは、戦後日本の新興成金や戦中を生き延びた上流階級の女性たち、また芸能人や文化人を相手に、オートクチュールつまり「高級注文服」を仕立てて名声を得ている。本名かどうかわからない「松平」という由緒ありげな名字も、彼女をカリスマ化するファクターの1つで、存在に謎めいた魅力を加えている。そんなユキを演じる高橋惠子が、気品としなやかな強さがあって適役だ。ユキは生きるうえで身に着けてきた非情さもあるのだが、それがただの冷酷ではなく、実業家としての判断力と行動力を感じさせてくれる。
 
そのユキの目にとまって縫い子として雇われ、やがて「パルファン」の経営者への野望を抱くデザイナー志望の清家隆子。素朴な洋裁学校の学生が、贅沢で洗練されたユキの世界に出会って、憧れ、染まっていく中で、彼女自身も気づいていなかった野心に目覚め、打算や裏切りを覚えながら、大胆にしたたかに生きていく。隆子という若い女性の成長と変化、その生命力の華やぎと若さゆえの脆さを、檀れいは瑞々しい演技で伝えてくる。

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この2人の女性の闘いが物語の核になっているが、周辺の人間たちにもそれぞれ背景があって、それがこの作品を単なる女の闘いのドラマに終わらせず、人間の生き様そのものを問うスケールまで引き上げている。
その代表的な1人が語り部も兼ねて登場する家政婦のたつ。ユキや信彦との関係は後半になって明かされるのだが、原作より大きく膨らんだという彼女の存在が、高度成長の掛け声にかき消され、忘れ去られようとするあの戦争の傷痕を突きつけてくる。そんなたつ役の陰影を、山本陽子が抑制のきいた存在感と台詞で見事に表現する。
信彦を演じる葛山信吾は、遊び人の青年として振る舞う中に、有名デザイナーを姉に持つことの屈折や、秘められた愛を切なく滲ませる。
ユキの恋人であり、隆子にも想いを寄せられる画廊のオーナー相島昌平は古谷一行。かつて画家を志し挫折した男の哀愁や諦観があり、2人の女性に愛されるに相応しい大人の男の色気を漂わせる。
そのほか、縫い子やドレスを誂えに来るセレブ役を演じる女優たちが、「パルファン」という店の格や優雅な雰囲気、また東京オリンピックに浮き立つ1960年代の日本の空気などを巧みに伝える。
ファッションが題材の舞台だけに、檀れいと高橋惠子が次々に着替える衣裳の豪華さ華やかさに加えて、ユキと隆子がそれぞれデザインした「オートクチュール」と「プレタポルテ」のファッションショーも楽しめる。さらにカーテンコールまで粋なドラマ仕立てになっているなど遊び心満載で、見どころも見応えも十分の娯楽大作に仕上がった。

〈公演情報〉
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明治座5月公演『仮縫』
原作◇有吉佐和子『仮縫』(集英社文庫) 
脚本◇堀越 真 
演出◇西川信廣
出演◇檀 れい 高橋惠子 葛山信吾 山本陽子 古谷一行 ほか
●5/6〜28◎明治座
〈料金〉S席(1階席・2階前方席)12,000円 A席(2階後方席)8,500円 B席(3階席)6,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉明治座チケットセンター 03-3666-6666
〈チケット予約〉http://www.meijiza.co.jp/ticket/
〈HP〉http://www.meijiza.co.jp/lineup/2018/05/

 

【文/榊原和子 写真提供/明治座】



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「綺麗になるまで帰さない…」美しき美容師たちの熱い舞台『クレスト☆シザーズ』開幕!

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有名ヘアサロンを舞台に、美しき美容師たちが「カリスマの紋章(クレスト)」を懸けて、激しくも熱い競争の日々を駆け抜ける姿を描いた、舞台『クレスト☆シザーズ』が、5月10日池袋のサンシャイン劇場で開幕した(5月13日まで。のち、5月17日〜19日、大阪・サンケイホールブリーゼでも上演)。

舞台『クレスト☆シザーズ』は、連載型新作マンガ配信アプリ「GANMA!」にて2016年1月より好評連載中の、イケメン美容師たちの日々の戦いと成長を描くwebコミック、hekiyu『クレスト☆シザーズ』の初舞台化作品。脚本・演出の山本こうきによる、舞台オリジナルキャラクターも登場し、客席をもしばしば巻き込んでの、熱い青春ドラマが展開されている。

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【STORY】
家庭環境に恵まれず、人生に夢も希望もない元ホストの青年・新田勇希(赤澤遼太郎)は、ヤクザに追われているところを、伝説の美容師・白波高正(吉岡佑)に助けられ、白波がオーナーの美容室で働くことになる。だが、入店した美容室『ハイクレスト』は、美容師たちが日々激しい競争を繰り広げている超有名店。モデルやタレントの来店も多く、雑誌等メディアにも数多く取り上げられる一方で、小さなミスひとつで、即刻クビを言い渡される美容師もまた、後を絶たない。
その『ハイクレスト』で、雑用の見習いから美容師への道を歩みはじめた勇希は、自分の人生に夢と希望を取り戻す為に、店のトップの証である紋章を持つ、ハイフロアのトップスタイリスト「クレスター」を目指す決意をする。だが勇希の前には「クレスター」の座に最も近いスタイリスト戸川那智(松田岳)、彼と凌ぎを削る美堂律(金井成大)、競馬が趣味で豪放磊落な松原洋平(小南光司)、カードで未来を占える吉田ケイ(櫻井圭登)ら、技術にもセンスにも長けたスタイリストたちと、彼らのサポートをする咲野緑(松本ひなた)、岡昭彦(川村玲央)、中嶋基(佐藤信長)ら、多くの先輩たちが立ちふさがっていた。
そんな厳しい環境の中、勇希は修行を続けていたが、ある日『ハイクレスト』のビジネス展開に常日頃高い関心を寄せている実業家・一葉蘭(蒼乃夕妃)から、キュートなアイドル花谷夢(大原優乃)と、モード系モデル水桐アサ(出口亜梨沙)のヘアメイクを戸川と美堂に競わせ、多くの支持を得た方が雑誌の表紙を飾る、という企画が持ち込まれ、フロアを取り仕切る真季エミリアン(井深克彦)の号令一下、店全体は対決ムード一色になる。その渦中で戸川の補佐をすることを命じられた勇希は、戸川がヘアメイクを担当する水桐が抱えていたある秘密を偶然知ってしまい……

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病院と美容院は1度馴染みになってしまうと、なかなか他に目を向けられない、という時代はさほど遠くない過去に確かに存在していた。やはり自分の身体のどの部分であるにせよ、人にすべてを委ねるというのは、かなりデリケートなものだから、ある意味のお得意様になってしまって、細かい注文をするまでもなくこちらの要望を理解してくれている相手がいる安心感には、大きなものがあったからだ。
けれども、今や病院はセカンドオピニオンを患者の側が常に権利として持っておく必要があるし、ヘアサロンと呼ばれるのが一般的になった美容院は、美容師たちにランクがあり、そのランクに従って高額になっていく指名料がある、非常にオープンに可視化された競争社会になっている。
そんなヘアサロンを「昼間のホストクラブ」と称して、そこに集う美容師たちの切磋琢磨と、追いつ追われつの弱肉強食の人間模様を描こう、というこの作品の着眼点は非常に面白く、その原作世界を更にイケメン俳優たちが集う舞台作品にした仕掛けは、実に巧みなものだった。実際こうしたコミックや、アニメを原作の舞台化作品に接する度に、日本の若手俳優たちの美しさ、カッコよさ、個性の輝きには驚嘆させられる。
 
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しかも、この舞台がとても良いのは、かなりドロドロとした人間模様を描きながらも、登場人物たちの誰もが、一面的でわかりやすい悪役になっていないことだ。もちろん物語の展開上足を掬い、また掬われる決してフェアではない駆け引きも繰り広げられるのだが、その仕掛けた人間がいつしか因果応報のように失墜しているかと思うと、また一方ではちゃんと手を差し伸べられる展開も待っていて、最後には清々しい、胸にしみる感動が立ち現れる。特にただヘアカットの技術力や、接客のプロフェッショナルぶりだけを賛美するのではなく、最も卓越した美容師であり、美容室は「なりたい自分になれる場所」だと提起しているのが素晴らしい。これによって、ハラハラドキドキの展開と共に、心を温めてくれる舞台が成立したのは感動的だった。

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そんな舞台で、主人公の新米美容師・新田勇希を演じた赤澤遼太郎の、人懐っこく信じたものに懸命な持ち味が、役柄のキャラクターと絶妙にリンクしているのが、作品の色を決めたと言ってもいいほどの効果を生んでいる。冒頭からほぼ出ずっぱり。しかも刻々と変化する状況のストーリーテラーの役割も担っている赤澤演じる勇希が、どんなに傷ついても尚、人を信じようとする力が、いつしか人の輪を作り、ぬくもりを生んでいく様が、こうだったら良いな…という夢や希望を舞台に具現してくれる、見事な主演ぶりとなっていた。

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戸川那智の松田岳は、孤高のスタイリストでありつつ、己の才能に自ら疑問も持つ「天才が天才を知る」故の苦悩を、シャープなビジュアルの中にある、松田ならではの人間味ある表現で表わしていて見応えがある。彼とトップの座を争う美堂律の金井成大は、ある意味カリカチュアされたカッコよさ、コームを持つ手が必ず綺麗なポーズの位置に決まる立ち姿が絶妙で、強い印象を残している。

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この二人に続く立場でありながら、常に飄々としている松原洋平の小南光司は、長髪のビジュアルが抜群に似合い、競争心を敢えて露わにしない男の芯の強さを巧みに表出。吉田ケイの櫻井圭登も、優しい台詞回しと声のトーンが、未来が見えるという役柄のミステリアスな部分を、個性的に際立たせた。

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彼らのサポートをする咲野緑の松本ひなた、岡昭彦の川村玲央、中嶋基の佐藤信長は、物語の展開上それぞれ重要な局面を動かす為、詳細には書きにくいのだが、前述したようにそれぞれが役柄の人間味、誰もが持っている善い面とダークな面という複雑さを各々個性的に表現していて、彼ら1人1人のドラマにも興味がわく造形で物語を回していく好演揃いなのが頼もしい。

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フロアマネージャーであり、オーナーの白波の片腕的存在、真季エミリアンの井深克彦は、客席を巻き込んだ展開が随所にあるこの作品の、観客と舞台との距離を縮める役割を一手に握って堂々たるもの。更にそもそも勇希を見出す伝説の美容師・白波高正の吉岡佑は、歩き方、立ち方などの一挙手一投足が、コミックから抜け出したとしか言いようのない完璧なフォルムなのにまず目を奪われる。そのフォルムが一見ラフな雰囲気を纏っているが故に、やはり一見ぶっきらぼうだが、人を見抜く目と真の温かさを持った人物が見事に立ち現れるのに舌を巻いた。

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また、こうした所謂イケメン俳優大集合の舞台でありつつ、女性陣も充実しているのがこの舞台の厚みを増していて、花谷夢の大原優乃が非常にわかりやすい記号としてのアイドルを演じれば、水桐アサの出口亜梨沙が複雑な心理描写のある役柄をきちんと表現して、彼女たちがヘアメイクによって「なりたい自分」を見出す様が鮮やか。

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その姿勢は、舞台オリジナルキャラクターである一葉蘭の蒼乃夕妃にも貫かれていて、元宝塚月組のトップ娘役として、シャープなダンスを大きな武器としていた蒼乃が、芝居一本のこの舞台でも、巧みな演技力で役柄の変化を的確に届けてくれるのが、物語全体を底支えしていた。

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総じて、美容室を出て、綺麗になった自分、なりたい自分を手に入れた時の幸福感と、そこから生まれる笑顔と同じものを、客席で得られる舞台となったのが素晴らしく、実際にヘアカットをするシーンもある役者たちの奮闘も相まって、エンターテイメントでありつつ深い余韻も残る作品となっている。

〈公演情報〉 
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舞台『クレスト☆シザーズ』
原作◇hekiyu「クレスト☆シザーズ」(コミックスマート「GANMA!」所載)
監修◇GANMA! (c)hekiyu/COMICSMART INC.
脚本◇演出:山本こうき
出演◇赤澤遼太郎 / 松田岳、小南光司、松本ひなた(Candy Boy)、櫻井圭登、川村玲央、佐藤信長 / 大原優乃 / 吉岡佑、井深克彦 / 蒼乃夕妃 ほか
●5/10〜13◎東京・サンシャイン劇場
〈料金〉7.800円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10時〜18時)
●5/17〜19◎大阪・サンケイホールブリーゼ
〈料金〉7.800円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888(10時〜18時)
http://www.crestscissors-stage.com


【取材・文/橘涼香 撮影/友澤綾乃】




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フレンチロックに乗せた自由、平等、博愛への切なる願い『1789─バスティーユの恋人たち─』

ロナン(小池徹平)&オランプ(神田沙也加)
ロナン(加藤和樹)&オランプ(夢咲ねね)

帝国劇場での東宝版初演時、完売の熱狂の嵐を巻き起こしたミュージカル『1789─バスティーユの恋人たち─』待望の再演舞台が、有楽町の帝国劇場で上演中だ(5月12日まで。のち、6月2日〜25日大阪・新歌舞伎座、7月3日〜30日福岡・博多座でも上演)。

『1789─バスティーユの恋人たち─』は、『太陽王』『ロックオペラ モーツァルト』等の話題作を次々と世に送り出してきたプロデューサー、ドーヴ・アチアとアルベール・コーエンの手によって2012年にフランスで開幕した、フランス人がフランス革命を描いたミュージカル。作品はたちまちにして大評判を呼ぶメガヒット作品となり、日本では2015年に小池修一郎潤色・演出により宝塚歌劇団月組で初演。更に、2016年男女版としての上演となった帝国劇場での東宝版初演も、鮮烈な音楽と演出、魅力的なキャスト陣の好演が熱狂を生み、開幕するや否やチケットが全日程ソールドアウトするという伝説的な舞台となった。
今回は、そんな作品が2年ぶりに帰ってきた待望の再演で、主人公ロナン・マズリエ役の小池徹平・加藤和樹のWキャストをはじめとした多くの続投キャストに加え、新キャストとして、フランス王妃マリー・アントワネット役に宝塚版『1789─バスティーユの恋人たち─』でロナン役を演じた龍真咲、革命家ロペスピエールに三浦涼介、革命を阻止するべく奔走する財務大臣ネッケルに磯部勉、アントワネットの取り巻きの貴婦人ポリニャック夫人に渚あき、等の新キャストを加え、更にパワーアップした舞台が展開されている。

2幕「武器をとれ」革命家たち

【STORY】
貧困に喘ぐ民衆を他所に、王族・貴族といった極一部の特権階級が贅沢に溺れる18世紀末のフランス。ボース地方では干ばつが続き、税金を払うことのできなかった農民たちが、ペイロール(岡幸二郎)のもたらした国王の名のもとの命により、土地を没収された上投獄されようとしていた。その場に駆け付けた農夫ロナン・マズリエ(小池徹平・加藤和樹Wキャスト)は、連行されかかる父親を助けようとするが、ペイロールの指示で放たれた銃弾はロナンをかばった父親に命中し、父は言葉もなく息絶えてしまう。父を殺され、土地も奪われたロナンは復讐を誓ってパリに向かい、残された妹のソレーヌ(ソニン)も兄の後を追って故郷を去る。
だがパリでも民衆はパンもなく飢えに苦しみ、助けを求めていた。そんなパリ市民を前に、今こそ救いの手を待つのではなく、革命を起こし世の中を変えるべきだと訴える代議士のロベスピエール(三浦涼介)、弁護士のデムーラン(渡辺大輔)と出会ったロナンは、はじめは反発していた彼らの語る「すべての人民は自由であり平等であるべきだ。革命によってそんな世界を手に入れよう」という理想の世界に目を開かれ、彼らの紹介で印刷工として働きながら、革命がもたらす未来に希望を抱くようになる。
一方、ヴェルサイユ宮殿では王妃マリー・アントワネット(凰稀かなめ・龍真咲Wキャスト)が、夜を徹してギャンブルに興じる仮装舞踏会が盛大に開かれていた。政略結婚でオーストリアから嫁ぎ、国王ルイ16世(増澤ノゾム)との間に3人の子供をもうけたアントワネットだったが、錠前作りを趣味とする内気な王の誠実さだけでは、生きている実感を覚えることができず、スウェーデンの貴族フェルゼン(広瀬友祐)との愛に溺れていた。しかも二人の関係は、最早公然の秘密となっていて、密かに王位簒奪を狙う王弟アルトワ(吉野圭吾)は、手先としている秘密警察のラマール(坂元健児)と、その部下トゥルマン(岡田良輔)、ロワゼル(加藤潤一)に、王妃のスキャンダルの確たる証拠をつかんでこいと命じ、革命を阻止すべく財政立て直しに奔走する財務長官ネッケル(磯部勉)の進言にも、王が耳を貸さぬよう画策していた。そんなラマールの動きを察知していた、アントワネットの取り巻きの貴族ポリニャック夫人(渚あき)は、王太子ルイ・ジョセフの養育係オランプ(神田沙也加・夢咲ねねWキャスト)に案内役を命じ、アントワネットとフェルゼンの密会を、大胆にも革命家や娼婦のたまり場となっているパレ・ロワイヤルで果たそうと図る。
そのパレ・ロワイヤルでは、ロナンがデムーランの「人民に自由を!」と訴えた論文を密かにビラとして印刷し、デムーラン、彼の婚約者のリュシル(則松亜海)、仲間の革命家ダントン(上原理生)らと、更に友情の輪を広げていたが、ダントンから「商売女だが本気で惚れている」と紹介された女性を見て愕然とする。それは娼婦となっていた妹のソレーヌだった。「革命による未来なんて絵空事で、理想だけでは生きていけない」と言い放つソレーヌ。妹の境遇を変えたのは彼女を故郷に1人置き去りにした自分だ、との後悔の念にかられたロナンは、更にアントワネットとフェルゼンの密会現場に遭遇し、やり場のない怒りからフェルゼンと争いになったばかりか、アントワネットを守る為にオランプがついた苦し紛れの嘘の為にラマールに囚われ、「人民に自由を!」とのビラを持っていたことを理由に、危険思想の政治犯としてバスティーユ監獄に送られてしまう。
ロナンを監獄で待ち受けていたのは父の敵ペイロールだった。「革命家をきどってるのはブルジョワの子息たちで、彼らは貴族に嫉妬しているだけだ。お前たち貧しい農民のことなど考えてはいない」激しい拷問の中でペイロールに投げつけられた言葉に、ロナンの心は乱れる。だが、そんなロナンを命賭けで助け出しに来たのは、なんとロナンを窮地に落としたはずのオランプで……

2幕ラストシーン全景

1789年という年がフランスにとって、引いては世界にとってどれほど重要な意味を持つかは計り知れない。ここには生まれながらにして階級による差別をうけ、あらゆる不正、不平等が渦巻く社会をただ諦観し嘆くのではなく、そんな世界を根底から覆そうとして闘い、自由と平等を人民1人1人が勝ち取った輝かしい瞬間が存在しているのだ。もちろん「自由、平等、博愛」を目指したフランス革命が、のちにたどった苦難の道程もまた、歴史の事実が厳然と示してはいる。この作品の中で、高らかに革命の理想を謳った「革命の兄弟」たちは、やがて対立し、決裂し、粛清の嵐の中で友の手によって次々に断頭台へと送られ、また送った側もクーデターにより、同じく断頭台の露と消えていく。繰り返される革命と独裁。ことはフランスのみではなく、世界中でこの不幸な輪廻は終わりを見せようとはしない。主権人民を定めた民主主義をもってしても、それを遂行する人民の、民度の高さに見合った社会しか形成することができないのは、否定しようがない悲しい現実だ。「愛と平和に満ちた輝く世界」は、人類にとってあまりにも遠い彼方に霞んでいる。
けれどもだからこそ、理想の世界を信じることを決して諦めてはならない、ひとつひとつの命が、理想を信じる心が明日の歴史を創るのだ、と歌い上げる終幕のナンバー「悲しみの報い」に至るこの作品、『1789─バスティーユの恋人たち─』が訴える想いの深さ、尊さに胸が震えるのを止められない。理想を諦めない勇気を忘れない限り、希望はきっと潰えはしない。その「希望」をこの作品は舞台上に鮮やかに描き出してくれる。
何よりも素晴らしいのは、その理想と希望を追い求める舞台が、完璧なエンターティンメントの中で繰り広げられることだ。フレンチロックで奏でられるあらゆるテイストが詰まった、魅力的でキャッチーな音楽。ミュージカルの舞台としては、極めて革新的なそのデジタルサウンドに乗せた、迫力あるダンスシーン。良い意味でのケレン味にあふれた豪華な衣装とセット。更に、激動の世界で燃え上がる恋人たちのロマン。育まれる友情と渦巻く人間模様。それらが創り出す醍醐味に身を委ねていれば、決して何を難しく考えることもないまま、立場を異にしていた全ての登場人物が等しく列をなす終幕に、人が人として持つべき理想と尊厳が心に深く満ちてくる。この見事さ、美しさは何ものにも代えがたい。
 
群像劇である『1789─バスティーユの恋人たち─』が、あらゆるジャンルから集まったいくつかの世代の男女で演じられることに、より親和性があったのも一助となったし、「革命の兄弟」「武器をとれ」等、秀逸な佳曲が加えられたこの東宝版の舞台が帝国劇場に、ミュージカル界に革命を起こし、熱狂を巻き起こしたあの2年前の季節が、決して偶発的なものではなかったことを、この再演の舞台は証明して見せている。そればかりか、潤色・演出の小池修一郎以下、優れたスタッフとキャストが2年間に蓄えた力と、新たな力による化学反応がもたらしたものには、より深く大きな輝きがあった。

ロナン・小池徹平

そんな作品で主人公ロナンを演じた小池徹平は、これまでのキャリアでも舞台芸術への意欲的な取り組みを見せていた人だが、この主演舞台を経て、更に多くの優れた作品への登場機会が増し、その経験がワイルドな力強さとなって表れている。どちらかと言えば上背のある方ではなく、男性に使う褒め言葉ではないかも知れないが、それでもキュートと表現したくなるような整った顔立ちに精悍さが加わり、舞台のセンターを務める姿が飛躍的に大きくなったことに感嘆した。歌唱力にもますます磨きがかかっていて、ミュージカルスターとしても頼もしい存在になっている。

ロナン・加藤和樹

一方の加藤和樹も、帝国劇場初主演だったこの作品以降、やはり数々の大作に出演してきたことである意味の力みがほぐれ、どこか朴訥としたロナンを造形したのが印象的だった。それによってロナンのピュアな面が強調され、オランプとの恋に落ちる様にロマンティックな香りが強くなっているのも発見で、そう単純ではないものの、初演の小池と加藤の持っていた雰囲気が、互いに逆転したような面白さが生まれている。やはり歌唱力も格段に向上していて、見応えがある。

神田沙也加オランプ・
 
ロナンと恋に落ちるオランプは、神田沙也加が勝気で気丈な女性としての表現をストレートに届けていながら、決して強すぎる印象にならないのは、彼女の持つ天性の愛らしさとの絶妙な塩梅故だろう。菊田一夫演劇賞を受賞した『キューティ・ブロンド』をはじめこの2年間も、そして今後も『マイ・フェア・レディ』等、大きな舞台の仕事が続くが、その重用に得心がいくヒロインぶりで、更なる飛躍を楽しみにしている。

オランプ・夢咲ねね

もう1人のオランプ夢咲ねねは、王太子の養育係という己の役割に誇りを持った、毅然とした女性の雰囲気が前に出るようになったのが新鮮。宝塚で培ったドレスさばきや、美しい立ち居振る舞いはそのままに、恋する乙女というよりは恋する女性と呼びたい雰囲気が立ち上ったのは、宝塚独特の娘役芝居が彼女の中で、良い意味で消化された故だろう。女優としての進化を感じさせるオランプの造形が美しい。

アントワネット・凰稀かなめ(「神の裁き」)

王妃マリー・アントワネットの凰稀かなめは、フェルゼンへの恋に心を占められている初登場時点から、王太子を失い、革命の嵐の前で、妻として、母として、何よりフランス王妃としての自覚に目覚めていく過程が、鮮やかに浮かび上がる芝居面の深化が顕著。ギロチンが落ちる未来を暗示したシーンで、毅然と振り返り舞台奥へと歩み去っていく場の位取りの高さは、さすがに大舞台でトップスターを務めた人ならでは。歌唱面が充実すると更に役幅が広がるだろう。期待したい。

アントワネット・龍真咲(「すべて賭ける」)

一方、初登場のアントワネット龍真咲は、宝塚退団後シンガーとしての活動に軸足を置いていた経験が生きて、高音の楽曲も安定しているのが強み。芝居面でのアントワネットの変化は緩やかだが、基本的にソフィア・コッポラが描いたアントワネット像に近く、プログラムで役柄の解釈を「時代を象徴したお人形」と語っていた役作りの方向性がよく出ていた。宝塚版ロナンのオリジナルキャストの彼女が、アントワネットをこう解釈したのも面白い。

ロナン、オランプ、そしてアントワネット。それぞれのWキャストが非常に個性的で、見比べる妙味も大きく、更に、何を重視するかで組み合わせを選べる楽しみもあり、『1789─バスティーユの恋人たち─』をリピートしたくなる大きな要因のひとつになっている。

ロベスピエール・三浦涼介

革命家ロベスピエールに新たに扮した三浦涼介は、1幕の初登場時には常に志を同じくする人々と共にある、という柔らかな雰囲気をまとっているところから、事態が進むに連れてエキセントリックさが加わっていく様が、この人物がのちに独裁者となり、恐怖政治の時代をフランスに招くことの片鱗を感じさせて目を引く。適度にシャウトが混ざる歌い方がソロをとるナンバー「誰の為に踊らされているのか?」にベストマッチしたのも大きな効果になっていて、大任を見事に果たしている。劇中ロベスピエールにのみ特定の恋人との描写がなく、初演時には恋人たちの叫びを歌った「サ・イラ・モナムール」でだけ、突然アンサンブルの女性とペアになるのにかなりの唐突感があったが、今回は台詞こそないものの、細かい恋人との描写が加えられていて、三浦が優しい瞳を投げかける様にも革命家たちといる時とは別の魅力があり、良い改変になった。

ダントン・上原理生

ダントンの上原理生は、豪放磊落で登場しただけで舞台に明るさをもたらす人物像が、本人の持つ熱い個性とよくあっていて伸びやか。それでいて革命家としての信念には揺るぎないもののある男の造形がしっかりしていて、意外にも完全なソロナンバーがなかったり、革命家としての登場も遅いことを忘れさせるほどの存在感が、更に骨太になっている。人情に厚く、娼婦であるソレーヌを本気で愛する、職業や立場になんら頓着せず、人間を愛する魅力的な男である上原のダントンがいることが、革命家にも、革命思想そのものにも厚みを与えていて、作品の重要なピースになっている。

デムーラン・渡辺大輔

デムーランの渡辺大輔は、まず何よりも他者の目線に立ち、相手を慮ろうとするデムーランの心根の優しさが、温かい笑顔にこぼれでるのが魅力。更に、初演時は豊かな声量に任せている面があった歌唱力に長足の進歩があり、非常に安定したのが大収穫。こうなると元々の声質の良さも俄然生きてきて、東宝版で加えられた革命が最後の一線を越える重要なナンバー「武器をとれ」のソロが高らかに響き渡り、これは再演版全体の質を高めたと言えるほど大きな力になっていた。2年間でこれだけの進歩を示してくれていることが嬉しく、今後への期待が膨らんだ。

ロナン(加藤和樹)&ソレーヌ(ソニン)

ロナンの妹ソレーヌのソニンは、「夜のプリンセス」「世界を我が手に」というビッグナンバーを持つ役柄を、渾身の演技と歌唱力で支えている。ソレーヌの出番は非常にポイント、ポイントで飛んでいて、しかも出てくる度に本人の置かれている境遇や心境が変わっているという、大変難しい役柄だが、そんなソレーヌを1人の女性として筋を通したのは、ソニンの存在感の賜物。この役柄こそWキャストが望ましいのでは?と思うほどのパワーを必要とするが、では誰が?と考えるとソニンしか思い浮かばない。例えば中川晃教にも言える「ソニンというジャンル」とも呼べる存在で、『1789─バスティーユの恋人たち─』大成功に寄与した大きさを改めて感じさせていた。

アントワネット(凰稀かなめ)&フェルゼン(広瀬友祐)

アントワネットの恋人フェルゼンの広瀬友祐は、この再演の舞台に接して「フェルゼンってこんなに出番が少なかったのか?」と思わせられたことに、まず大きな感動を覚えた。初演時にはよくぞこれだけ美しく、軍服の似合う日本人の俳優がいたものだ、という事実に感動したことを思い出すと、この2年間で役者広瀬友祐が培い、高めて来た実力と存在感に感服する。恋に一途な姿に切なさがあり、歌唱力も格段の進歩を示していて、この貴族の青年にアントワネットが恋に落ちることを、至極当然だと納得できる美丈夫ぶりだった。

ペイロール伯爵(岡幸二郎)&ロナン(たぶん小池)

彼らと対峙する人物に、ミュージカル界の大物が揃っているのもこの座組の大きな魅力で、ドラマのすべてのはじまりを作るペイロールの岡幸二郎は、あのどこまでも伸びていく美しい歌声を完全に封印した、ほとんどダミ声に近い歌い出しで驚かされる冒頭のソロ「マズリエの逮捕」からパワー全開。実はロナンの敵ばかりでなく、民衆の完全な敵として立ちふさがっているのはペイロール1人という、負担の大きな役柄を憎々しい大きさで描ききっていて、この人もまた余人に代えがたい存在。突然「本気だぜ」という歌詞が出てくるのが、本来なら違和感があって良いはずのところを、パワフルな歌唱でねじ伏せたばかりか、尚、立ち居振る舞いが優雅なのが貴族としての誇りも感じさせる。喉は大丈夫なのかと案じられるほどだが、終幕一節だけ美しい声も聞かせ、作品を底支えする力は絶大だった。

王位簒奪を狙う王弟アルトワの吉野圭吾の妖しさが群を抜いていて、ブルボンの血をひくものは神と同じだ、と、すべての者を見下している様に、どこか狂信的な香りがある。それが鼻持ちならない王族ではなく、得体の知れない狂気紙一重の人物像を的確に示していて、催眠術や媚薬、果てはマジックまで披露する役柄に、コケティッシュな軽やかさも加えたのは吉野ならでは。作品の大きなアクセントとして、更に磨きがかかっている。

アルトワ伯爵(吉野圭吾)ラマール(坂元健児)他秘密警察

アルトワに仕える秘密警察のラマールの坂元健児は、初演時よりもコメディリリーフ的な色合いをやや薄めていて、鋭さもありつつ、作品が求める適度に抜けている感とのバランスが絶妙になった。この人もソロナンバーがほとんどないのが如何にももったいない歌唱力の持ち主だが、それだけに彼が加わったコーラスの厚みは絶品。部下トゥルマンの岡田良輔、ロワゼルの加藤潤一とのコンビネーションも相変わらず快調だ。

また、ルイ16世の増澤ノゾムは誠実で情け深いが故に、讒言に惑わされ選択を誤っていく王の不幸の表現により深みが増し「私は国民を愛している」という言葉が、決して嘘ではなかったことを感じさせる。財務長官ネッケルで初登場の磯部勉が、耳に痛いことを敢えて言う忠臣の悲劇を滋味深く描き出して、王族側から見れば世界が崩れていく哀れさをよく示している。もう1人の初参加、ポリニャック夫人の渚あきは、アントワネットに面と向かった時と、背を向けた時の表情の変化が巧みで、我が身が危ないと悟った刹那、王妃を捨て去ることに何のためらいもない利に敏い女性を、決して品位を落とさずに表現して再演に一層の花を添えていた。また、デムーランの恋人リュシルの則松亜海は、クレジットの扱いよりも実は相当に出番の多い重要な役どころを、初演よりも遥かに大人びた、自らも革命思想を持った女性として描きだすことに成功している。踊りのキレも見事で、女優として着実にステップアップを重ねているのが見て取れた。オランプの父デュ・ピュジェ中尉の松澤重雄は、娘を無条件に信じる父親の懐の大きさを巧みに表現して、終幕に至る重要な人物としての記憶をきちんと作品に残している。もうひと役貴族でありながら平民議員として三部会に臨むミラボー伯爵も演じているが、こちらの造形にはちゃんとあざとさがあるのも面白く、ダンス場面にも果敢に加わって気を吐いた。
他に、長丁場の公演故か、パリの下町の娘シャルロットを演じる子役勢に、東京公演時点ではやや幼さが感じられるが、少女の成長は驚くばかりなので、これは公演を重ねるごとにこなれてくるだろう。
また、半数が入れ替わったアンサンブルの面々の熱演も素晴らしく、ダンスシーンもシャープに整理され、特に2階席から観るとフォーメーションや照明の効果が絶妙なことが如実にわかり、非常にエキサイティング。機会があれば是非2階からの観劇もお勧めしたいが、何よりも作品の持つ圧倒的なパワーが、優れたキャストとスタッフの手で余すところなく表現された感動は大きく、この人類の「希望」を描いた尊い作品が、帝国劇場の、東宝の長いレパートリーとなってくれることを願ってやまない舞台となっている。


【囲み会見】 

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初日を前に囲み取材が行われ、ロナン役の小池徹平と加藤和樹、オランプ役の神田沙也加と夢咲ねね、マリー・アントワネット役の凰稀かなめと龍真咲が作品への抱負を語った。

──小池さん、神田さん、凰稀さん、代表して役柄について教えてください。
小池 ロナン・マズリエは、ボース地方という田舎で暮らしている農民という設定なのですけれども、父親を殺されたことをきっかけにパリに出て行くことを決意し、そこで出会った仲間と共に自由や平等、愛を知りまして、それを求めて革命を起こそうと奮闘する、真っ直ぐな熱い青年です。
神田 オランプ・ドゥ・ピュジェという役で、マリー・アントワネット様のご子息であらせられる、ルイ・ジョセフ王太子様の養育係として王室に仕えております。その中でロナン・マズリエと出会って、色々な気持ちや葛藤が芽生えていき、成長していく女性の役です。
凰稀 フランスの王妃でございます。簡潔!(笑)
──続投キャストである皆さんの感じている手応えは?
小池 そうですね、手応えと言うか、まずはやっぱりお客様の前に立たないとわからない部分もあると思うのですが、やはりその続投組と言いますか、新しい風を吹かせてくださる方もいらっしゃる中で、前回やっている分、より今回各々が2年前に演ったものよりも更にブラッシュアップしている感じは、稽古場からすごく出ていると思っています。非常にこのWキャストの、和樹との良い意味での違いもより感じながら、お客様に楽しんで頂けるのではないかなと思っていて。良い感じだと思います!
加藤 稽古を重ねてきてですね、初演にはなかった熱というものをすごく感じております。それはやっぱり(演出の)小池(修一郎)先生を筆頭に、僕ら続投組、そして新しく加わったメンバーからも色々な化学反応が起きて、初演よりも熱い熱を皆様に届けられるのではないかなと思っております。小池徹平君も今言ったんですが、それぞれのWキャストで全然違う色が見えるので、それも楽しみにして頂ければと思います。
神田 もう初演から2年もたったのかということに本当にびっくりしています。2年たったからといって、何かを変えていかなきゃとか、新しいことを絶対やらなきゃということではなく、2年間の間に勉強させて頂いたこと、経験したことが私自身の中にあると自分で信じて、役により真摯に向き合うということだけを考えて最後までやっていきたいなと思っております。
夢咲 1度経験している作品なのに、初めて通した時にすごい息切れや疲労感があって、こんなにも大変なものだったのかなと改めて実感しています。それと共に、毎回本当に新しいものが生まれているなと思っているので、新鮮な気持ちで公演が出来るのではないかなと思っております。
凰稀 皆さんが言った通りなのですけれども、1日1日この役をやるごとに、全然違う感情が生まれてきたりしていますので、お客さまの前にまず立ってみて、お客さまと一緒にこの作品をもっともっと作り上げていきたいと思っております。
──新キャストの龍真咲さんは、宝塚版ではロナン役を演じられましたが、今回マリー・アントワネット役で初参加にあたって感じていることは?
 やはりこの『1789』という作品に対して、ロナンからの視点の先入観というものが大きかったので、最初この役をやらせて頂くことが決まった時には、それを取り払うことが大変だったのですけれども、今、こうしてお稽古して、生々しいリアルな男性のロナンを間近で感じることが出来て、すごく興奮するし、この作品が愛される意味というのを良い意味で感じられるな、と思いながらお稽古しておりました。色々お話して、私がロナンを演じた3年前に、もしこのお二人のロナンと出会っていたら、もっとこうだよ、ああだよと自分に言いたいな、思いたいなということが多々ありましたが、時間を経てこの作品が自分の中ですごく大きな存在感を持っているんだなということを日々実感しております。
──男性キャストのお二人にお伺いします。大変アクションの多い作品ですが、体力には自信がおありですか?
小池 体力ですか?(笑)2年前よりは身体の節々はちょっと痛いかなというのは本当にあるんですよ。ダンスも激しいですし、足腰にくるので、2年前より身体のケアを意識して、終わったらちょっと冷やしたりとか、色々しないとだめだなと感じていますね。肺がね…(ね、と加藤を見る)
加藤 そうだね。
小池 重いです(周りが笑うので)。いや、本当に!(笑)大変だよね。
加藤 初めてダンスナンバーを稽古であたった時に、「あ、意外と身体が覚えてるし、スムーズにいけたな」って思ったんですよ。そうしたら結構翌日に来まして、やっぱり2年という時間を自分の中でしっかりと感じながら、今、徹平ちゃんも言いましたが、身体のケアというものを十分に気をつけてやらないといけないと思います。何分長い公演なので、1人1人がそういうところを気をつけてやっていければなと思っております。
──女性キャストの方々、この公演はお衣装がとても素敵だとお客様からの声も多いのですが、皆さんがお衣装を着られての気持ち、またご苦労などは?
神田 本当にお客様と同じで、『1789』の再演をやらせて頂くにあたって、この美しいドレスたちを着させて頂けるということも、楽しみにしていたんです。なので毎日舞台稽古などで着させて頂いて、こんなにディテールが綺麗だったなとか、袖なども薔薇になっていたりして、こういうところに見惚れているので、普段着とは着心地やフィット感も違いますが、そんなすべてを楽しんでいますから苦労はありません。全部好きです。
夢咲 私もこんなに豪華な衣装たちが並んでいるものを見るだけでテンションがあがります。アクセサリーのひとつひとつもとても可愛いくて。オランプは同じデザインにもかかわらず、(Wキャストの二人で)生地が違っていたり、色味が少し違っていたりするので、そういうところも見て楽しんで頂けるのではと思います。
凰稀 そうですね。多分この作品の中で一番豪華なのがマリー・アントワネットだと思います。一番最初のゴンドラで登場するシーンの白いドレスが一番重くてですね。
 ね〜。
凰稀 2年ぶりに着ても、やっぱり腰にくるなと(笑)。
 わたくしは、いつも着ておりますので、苦労点などはございません(一同が爆笑するのにも涼しい顔で)。いつもどおりです(一同笑)。
──小池さん「WaT」でずっとユニットを組んでいらしたウエンツ瑛士さんが出演する日生劇場公演『リトル・ナイト・ミュージック』も開幕するのですが、エールがあれば。
小池 すみません、僕らも明日初日なのでそちらにかまっていられる余裕はあんまりないんですけれども(笑)。まあ劇場も近いですし、和樹が頑張っている間に観にいこうかなと思っておりますので、はい(笑)。頑張って欲しいなと思います。
──神田さんは菊田一夫演劇賞を受賞されましたが。一言。
神田 どうもありがとうございます(会場全体から拍手)。個人的に長年、ひとつの目標としていた賞でしたので、本当に知らせを聞いた時は泣きましたし、すごく嬉しかったですけれども、舞い上がらずに地に足を付け、その受賞に自信や誇りを持ち、みんなと調和するパワーに変えて『1789』に貢献していけたらと思います。ありがとうございます。私事ですみません。
──では、小池さん、加藤さん改めて意気込みをお願いします。
小池 いよいよ明日から始まりますけれども、全員が胸を張ってお客さまにお贈りできる作品になっていると思います。本当に皆で一体となってこの『1789』という作品を盛り上げていきたいと思いますので、一緒に熱くなりたいなと思っております!よろしくお願いします。
加藤 2年前に「ミュージカル界に革命を起こす」と銘打って上演された作品でしたが、また新たな革命を皆さまにお届けすることが出来ると思っておりますので、是非ご期待ください。ありがとうございます。

〈公演情報〉
1789チラシ
 
『1789─バスティーユの恋人たち─』
潤色・演出◇小池修一郎
出演◇小池徹平/加藤和樹(Wキャスト)、神田沙也加/夢咲ねね(Wキャスト)、凰稀かなめ/龍真咲(Wキャスト)
三浦涼介、上原理生、渡辺大輔、ソニン、吉野圭吾、坂元健児、広瀬友祐、岡幸二郎 ほか
●4/9〜5/12◎帝国劇場
〈料金〉S席13,500円  A席9,000円  B席4,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9時半〜17時半)
●6/2〜25◎大阪・新歌舞伎座
●7/3〜30◎福岡・博多座
〈公式サイト〉www.tohostage.com/1789/


【取材・文・撮影/橘涼香 舞台写真提供/東宝演劇部】



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2018年の丸美屋食品ミュージカル『アニー』開幕!

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今年も丸美屋食品ミュージカル『アニー』が、4月21日に新国立劇場 中劇場で開幕した。(5月7日まで。8月には、福岡・大阪・新潟・名古屋公演)
 
本作は、1977年にブロードウェイのアルヴィン劇場(現ニール・サイモン劇場)で誕生したミュージカルで、同年のトニー賞作品賞をはじめ7部門を受賞し、現在も世界各国で上演され続けている。
日本では1986年にスタート。初演以来、全国で約172万人もの人たちに深い感動を与え続け、今回は33年目となる。2017年の公演からは、『ラ・カージュ・オ・フォール』『天使にラブ・ソングを〜シスター・アクト〜』などの演出で知られる山田和也を演出に迎え、翻訳台本、振付・舞台美術・衣裳なども一新。新演出版『アニー』となり、好評を博している。

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今回の主人公のアニー役に選ばれた新井夢乃(あらいゆめの)、宮城弥榮 (みやぎやえ) や、孤児役、ダンスキッズら個性豊かな子役たちが大活躍。大人キャストには、2017年公演で歴代最年少の大富豪ウォーバックス役が好評だった藤本隆宏、同じくルースター役の歌やダンスで観客を魅了した青柳塁斗、リリー役で見事な存在感を与えた山本紗也加が続投。孤児院長のハニガン役には、母・辺見マリも2006年に同役を演じ、母娘二代の出演となる辺見えみり、グレース役に元宝塚娘役トップで女優として活躍中の白羽ゆりが新たに参加、人気と実力を備えたメンバーが揃った。

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この公演の初日前日、公開ゲネプロが行われ、ダブルキャストでチーム・バケツの新井夢乃、チーム・モップの宮城弥榮、ウォーバックス役の藤本隆宏、ハニガン役の辺見えみりが、舞台衣装で囲み取材に登場した。

【囲み取材 コメント】

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──いよいよ明日から初日ですが、今のお気持ちはいかがでしょうか?
宮城 始まる前は緊張したけど、始まって終わってからはあっという間でした。
新井 優しくて元気いっぱいのアニーになるようにがんばってきた稽古は楽しくてあっという間に終わったけど、一回一回を大切にしたいです。
藤本 お客様に感動をしていただいていますが、私自身も感動をいただいた作品なので、自信を持って昨年以上に精一杯やりたいと思います。
辺見 稽古場で皆でやってきたものを、やっとようやく見せられるので、勿論緊張するけど、お客様と触れ合って、どんなふうな役になっていくか楽しみです。とにかく精一杯演じたいです。
──憧れのアニーを実際に演じてみて、いかがですか?
新井 台本の中でもアニーはかしこくて、たまに涙を見せるけど、ほとんど笑顔で元気いっぱいだと思います。
宮城 いつも元気で明るくて、たまに泣くけど、そこも含めてアニーは良い子だと思います。
──2年連続の出演している藤本さんは前回と比べて変化はありますか?
藤本 よりパワーアップしている。アニー二人は元気よく、やるたびにどんどん成長が見えます。辺見さんの歌・ハーモニーが素晴らしいです。役は怖いけどプライベートはとても優しい、みんな舞台袖で子供たちは、辺見さんの元に集まっているんですよ。

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──辺見さんは親子二代で同じ役を演じますが、念願の役をいま演じていて、いかがですか?
辺見 母の時と衣装も違うし演出も違いますが、せりふや歌は、母親が演じているのを見ていたものを、今、自分が演じているということに対し、うるっとくるときがあります。
──アニーの二人から見て、大人のお二人の印象は?
宮城 藤本さんは、思っていたよりも優しいです。辺見さんは、稽古場で「おはよう」と声をかけてくれて、とても楽しい人だと思います。
新井 藤本さんは、優しくてふんわりしてていいなと思います。辺見さんは、芝居の時はハニガン役なので怖いけど、普段は声をかけてくれて面白くていいなと思います。
──反対に藤本さんと辺見さんから見た、アニーのお二人の印象は?
藤本 二人ともとても度胸があって、子役じゃなくて1人の女優として見えています。稽古を失敗しても前向きで、それは俳優として素晴らしいと思います。
辺見 子供だけど子供に見えない。貫禄があるなと思います。物怖じしない感じが稽古場からあって、私も遠慮しないでガンガンいけます。
──ちなみに辺見さん。今年は、お子さんは観に来ますか?
辺見 娘は、私がずっと家で練習していたのを聞いていて少し色っぽい歌も、意味もわからず歌っています(笑)。(アニー役の挑戦は)娘は難しいと思います(笑)。照れ屋なので。二人のアニーを見ていてそう思いますし、本当に二人はすごいと思います。
──最後に意気込みをお願いします。
新井 緊張しているけど、稽古から楽しくて、皆で力を合わせて頑張ってきたので、明日からも、稽古で頑張ってきたものをお客さんに伝えられるように頑張りたいです。
宮城 明日から5月7日まで、今日ゲネプロでうまくいったとおもうので、それを本番でも出し切っていきたいすです。
藤本 昨年16年ぶりに新演出版となりましたが、また今年もパワーアップしたので、新『アニー』と言えると思います。是非見に来ていただきたいです。特に辺見さんのハニガンが素敵です。辺見さんの歌が素晴らしい。ハーモニーが美しい曲だなと改めて思わせてくれます。
辺見 とにかく観に来ていただいたお客様に、元気になっていただいたり、大人同士でも、ああだったねというよう話しながら楽しみながら帰っていただけるような作品だと思います。自分も去年観客としてみた印象と、今年演じてみての印象は違うので、すごく新鮮な感じに仕上がっていると思います。去年観た方も、新しい発見があると思いますので、是非、劇場までお越しください。

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2018年アニー役のオーディション合格発表記事はこちら
http://kangekiyoho.blog.jp/archives/52039478.html?ref=popular_article&id=3298893-174702


〈公演情報〉
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丸美屋食品ミュージカル『アニー』  
演出◇山田和也
出演◇新井夢乃、宮城弥榮(アニー役)、孤児たち(12名)、ダンスキッズ(12名)
藤本隆宏、辺見えみり、白羽ゆり、青柳塁斗、山本紗也加 ほか
●4/21〜5/7◎新国立劇場 中劇場
〈料金〉8,500円(全席指定・税込) 
※4歳未満のお子様のご入場はできません。チケットはお1人様1枚必要です。
※わくわくDAY 4月25日(水)13:00公演/17:00公演(観客全員に「アニーのくるくるウィッグ」「オリジナルエプロン」他をもれなくプレゼント)
※スマイルDAY 4月23日(月)24日(火)各17:00公演 \6,500(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードー東京 0570-550-799
【地方公演】     
●8/4・5◎福岡 福岡市民会館 大ホール
●8/10〜15◎大阪 シアター・ドラマシティ
●8/26◎新潟 新潟テルサ
●8/31〜9/2◎名古屋 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
〈公演HP〉http://www.ntv.co.jp/annie/





『不徳の伴侶 infelicity』


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