えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

ミュージカルレビューKAKAI歌会2019

OG公演レビュー

東山義久&海宝直人 ダブルキャストで主演のミュージカル『イヴ・サンローラン』開幕レポ&ステージフォト!

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 イヴ・サンローランは、約40年に渡りトップデザイナーとしてファッション業界をリードし、 貴族や女優等にも多大な影響を及ぼした20世紀を代表する世界的デザイナー。 そのイヴ・サンローランの切なくも美しい人生を、ファンタジックに、そしてドラマチックに描き出す舞台だ。

鬼才荻田浩一の作・演出、音楽を斉藤恒芳、衣裳を朝月真次郎が担当。Wキャストでタイトルロールを演じるのは、類い稀なる身体能力で魅了する東山義久と、 圧倒的な歌唱力で人気の海宝直人。共演に上原理生、大山真志、川原一馬、神田恭兵、奥田 努、和田泰右といった男性俳優陣、伊東弘美、皆本麻帆、さらに安寿ミラと豪華な出演者陣による新作オリジナルミュージカルとして作り上げられた。
その舞台写真とレポート(東山義久バージョン)が到着した。

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【レポート】
イヴ・サンローランという名前は知っていても、彼の人となりや生き様を詳しく知る人はそれほど多くないだろう。この作品では、イヴの恋人かつビジネスパートナーであるピエール・ベルジェの回想から、彼の一生が歌と踊りに乗せて紐解かれてゆく。
生い立ちやパリで才能を認められた 17 歳の頃、クリスチャン・ディオールのメゾンに入った経緯や華麗なデザイナーデビュー、ピエールとの出会い…。今や「モードの帝王」と呼ばれる彼にも、繊細で圧倒的な美意識を持つ一人の青年として夢と希望に溢れた初々しい時代があったんだなぁと感じ入った。
面白いのは、イヴのいたずら書きに登場して後に絵本になったルル(後に彼のミューズとなったルル・ド・ラ・ファレーズを重ねている)、そしてクリスチャン・ディオール、エルザ・スキャパレリ、ココ・シャネルなどの有名デザイナーらが、入れ替わりでこの物語の案内役になること。様々な視点が時代を語るとともにイヴの多面性を見せてくれる。

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順風満帆だったデザイナー生活が歪み出すのは、フランス陸軍に入隊してから。精神を病んで 19日でドロップアウト。精神病院へと送られてディオールのメゾンを辞任。ピエールが奔走して彼を救い、メゾン「イヴ・サンローラン」が誕生する。イヴはプレタポルテを発表し、モンドリアン・ルックで大成功。今までにない概念、男物仕立てのパンツスーツやサファリルックなどで時代を切り拓いてゆく。
劇中でこういったモードやトレンドが見られるのは最高に楽しく、有名人が次々と登場するのも面白い。特に後半は、イヴの生み出した様々なモードがモデル役により紹介され、エレガンスと洗練の極致、ファッション界の空気感が味わえる。
印象的だったのは髪色を変えたアンディ・ウォーホルのナンバー。髪色を変えた何人ものウォーホルが歌い踊ることで、アメリカの大量生産という時代、そしてウォーホル自身の作風をも表す。こんなユニークな工夫は、ミュージカルという舞台芸術ならでは、だ。

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イヴが有名、大物になるにつれて、表舞台の華やかさと内面の闇のギャップがますます開き、ドラマの光と影が色濃くなる。アルコールに溺れて自堕落になるイヴに別れを告げるピエール。果たしてイヴは人生を終える時、幸せだったのかどうか。 
東山義久のイヴは優しげで繊細、どこか放っておけない魅力を放っている。イヴを支える上原理生のピエールがまた二枚目で、この二人がいちゃつく様子はあまりに幸せで微笑ましいとしか言いようがない。安寿ミラのココ・シャネルは強くカリスマ性に溢れて格好良い。皆本麻帆はキュートでチャーミング、伊東弘美は堂々たる風格でエルザを演じた。何役も演じるアンサンブルの活躍も目を引いた。
万華鏡で夢の世界を覗くように、立体で立ち上がり心に刺さるイヴの人生。必見だ。

(文:三浦真紀 写真:岩田えり)

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〈公演情報〉
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ミュージカル『イヴ・サンローラン』
作・演出◇荻田浩一 
音楽◇斉藤恒芳 
衣裳◇朝月真次郎
出演◇東山義久/海宝直人(Wキャスト) 
伊東弘美 皆本麻帆 
上原理生(Wキャスト※東京公演2/19まで出演) 大山真志(Wキャスト/役替り・全日程出演) 川原一馬(Wキャスト) 神田恭兵 奥田努 和田泰右 
青木謙 RIHITO 中塚皓平 橋田康 小野沢蛍 中岡あゆみ
安寿ミラ 
●2/15〜3/3◎よみうり大手町ホール
〈料金〉11,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードー東京 0570-550-799(平日 11 時〜18 時・土日祝 10 時〜18 時)
●3/26◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
〈お問い合わせ〉芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00〜17:00 月曜休み ※祝日の場合翌日) 
〈料金〉A席9,800円 B席6,800円(全席指定・税込)
〈公式サイト〉 https://www.yume-monsho.com/
 





ミュージカルレビューKAKAI歌会2019


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橋爪功の主演で、ある父を巡る哀しい喜劇『Le Pere 父』開幕!

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フランス演劇賞最高位のモリエール賞最優秀脚本賞ほかを受賞、ブロードウェイのトニー賞、英国のローレンス・オリビエ賞で主演男優賞を受賞した傑作『Le Pere 父』が、2月2日に東京芸術劇場 シアターイーストで初日を迎えた(24日まで。兵庫、上田、高知、名古屋、松本公演あり)
 
本作は、フランスの気鋭の演出家ラディスラス・ショラーによって2012年にパリで初演され、14年にはフランス最高位の演劇賞・モリエール賞最優秀脚本賞のほか数々の賞を受賞した。英語版に翻訳された後には、ウエストエンドやブロードウェイのほか世界30カ国以上で上演され、トニー賞、ローレンス・オリビエ賞の主演男優賞など各国の主要な賞を受賞、絶賛された。見逃せない注目作がフランスオリジナル版のラディスラス・ショラーの演出で、ついに日本初演となった。
 
本作の主人公、認知症の症状にある父親・アンドレは、これまでに各国の名だたる俳優たちが演じてきた。日本初演となる今作でアンドレを演じるのは橋爪功。その娘・アンヌを若村麻由美が、また2人の周辺の人々を、元宝塚歌劇団トップスターの壮一帆、進境著しい太田緑ロランス、実力派として定評のある今井朋彦と吉見一豊が演じている。

【ストーリー】
80歳のアンドレが1人で暮らすアパルトマンに、娘のアンヌが駆けつける。若い看護師が泣きながら彼女に電話をしてきたため、父に何らかの異変を感じ、行くはずだった旅行を急きょ取りやめてやって来たのだった。アンドレは看護師を自分の腕時計を盗んだ悪者呼ばわりし、自分は1人でやっていけるから看護師の助けなど必要ないと言いはる。しかし、アンヌに指摘されると、その腕時計はいつもの秘密の場所に隠してあった。なぜアンヌは誰も知らないはずの自分の隠し場所を知っているのか……。

その公演初日を迎えて、演出のラディスラス・ショラー、出演者代表として橋爪功、若村麻由美のコメントが届いた。 
 
【1】父_舞台ph

【コメント】
演出:ラディスラス・ショラー
私たちの仕事の成果を舞台で見ることに胸躍らせています。同時に、日本の観客がこの作品にどのように反応するのか、非常に興味があります。フランスのように笑うのか?それは同じ個所で?私の演出作品が母国からこんなに遠い場所で上演されるのは初めてなのです…。
稽古は、率直に言って、素晴らしくうまくいきました。言語の違いは、制作側が選んだ優秀な通訳のおかげで障壁とは感じませんでした。フランスと同じリズムで仕事をし、日本の俳優の傾聴力や、フランス人である登場人物を体現する能力に感銘を受けました。そして、橋爪さんと若村麻由美さんは、非常に違う種類の俳優だと思いました。麻由美さんは人の話を聞き、パフォーマンスの完璧さを追求しつつ、役に入り込むのに時間をかけます。橋爪さんは稽古のたび、私の提案の方向性に沿いながらも、何かしら違うことを編み出します。この2人のは俳優の共演は、間違いなくマジカルなものになるでしょう。
フランスの偉才フロリアン・ゼレールの戯曲の公演をぜひ観に来てください。彼のドラマティックな文体が、今回素晴らしいチームによって演じられます。もろく複雑で非常に人間的な登場人物たちに、皆さんは必ず自分自身を見出すことでしょう。時には笑うことでしょう。そして、私自身と同じく、皆さんがこの「父」に心揺さぶられることを願っています。

アンドレ役:橋爪功
日本の多くの俳優さんにラッド(ラディスラス・ショラー氏)の演出を経験してほしいと思うほど、明快で明晰な演出でした。ラッドは俳優への演技指導もとても的確で、演劇への愛に満ち溢れた素敵な演出家です。
ラッドと共演者と共に地道に稽古を積み重ねる事ができました。セリフが完全に入っていない時は共演の皆さんにはご迷惑をおかけしたこともあり、申し訳ありませんでした(なんてね、謙虚です)。
多くの方々に劇場にいらしていただき、この作品をお楽しみいただきたい。何かしらお持ち帰りになれるモノがあると思います。

アンヌ役:若村麻由美
初来日のラッドは、言語の壁を超え、演者の内面を見抜いて次々と具体的に解決する、作品と出演者への愛に溢れた演出家です。全稽古が終了した時、橋爪さんがおっしゃった「イイ稽古だった」の一言に思わず涙ぐんで声をつまらせたラッドを忘れられません。
共演の皆様は、演出家の言葉を即体現出来る実力派揃いで刺激的なお稽古場でした。橋爪さんのアンドレは卓越した技術と魂を刻む圧巻のJAZZ演奏のようです。胸をお借りして、娘アンヌの苦悩と選択を多彩に描きたいと思います。
この作品は、父親の錯綜する記憶の混乱を観客も同じように体験するスリリングな芝居です。人と時系列の辻褄が合わないのは当然なので、安心して笑って頂き涙して頂ければ、大きな物を持ち帰って頂けると思っております。

〈公演情報〉
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『Le Pere 父』
作◇フロリアン・ゼレール
演出◇ラディスラス・ショラー
出演◇橋爪功 若村麻由美 壮一帆 太田緑ロランス 吉見一豊 今井朋彦
●2/2〜24◎東京 東京芸術劇場 シアターイースト
〈お問い合わせ〉東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296 (休館日を除く10:00〜19:00) 
●3/16・17◎兵庫 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
〈お問い合わせ〉芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(休館日を除く10:00〜17:00)
●3/2・3◎上田 サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター) 小ホール
〈お問い合わせ〉上田市交流文化芸術センター 0268-27-2000(9:00〜19:00 火休館日)
●3/6◎高知 高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
〈お問い合わせ〉公益財団法人高知市文化振興事業団 088-883-5071
●3/9◎名古屋 ウィンクあいち
〈お問い合わせ〉中京テレビ事業 052-588-4477(10:00〜18:00/土・日・祝日休業)
●3/21◎松本 まつもと市民芸術館 小ホール
〈お問い合わせ〉まつもと市民芸術館チケットセンター 0263-33-2200(10:00〜18:00)
〈公演HP〉 https://www.father-stage.jp
〈公式ツイッター〉 @father_stage


【撮影/引地信彦】




音楽劇ライムライト


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幕末の動乱の中で活躍する五人の白浪! 音楽活劇『SHIRANAMI』上演中!

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河竹黙阿弥の名作『白浪五人男』を大胆にアレンジした音楽活劇『SHIRANAMI』が、1月11日から新国立劇場 中劇場で上演中だ。(29日まで)
この舞台は歌舞伎の人気演目「青砥稿花紅彩画」に描かれた白浪の世界を、尊皇だ攘夷だと混沌とする幕末の時代に移して、表の顔と裏の顔を持つ五人が出会い、この国を守るために立ち上がるという物語。 
 
出演者は、弁天小僧菊之助を早乙女太一、赤星十三郎には元月組トップスターの龍 真咲、南郷力丸は伊礼彼方、忠信利平はゴールデンボンバーの喜矢武豊、そして日本駄右衛門には松尾貴史と、豪華な顔ぶれが顔を揃えている。脚本・演出はG2、ショー場面の演出はショーデザイナーとして知られる市川訓由が手がけている。音楽活劇と銘打たれているように、殺陣やアクションの面白さに加えて、洋楽のショーもあり、和洋折衷で見どころ満載の一大エンターテインメントに仕上がっている。
 
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【物語】
時は幕末。諸外国との通商条約に反対する武士たちが、尊皇だ、攘夷だと喧しい中、古くから天皇家に仕えていた八瀬童子の菊霧(早乙女太一)は、徳川家茂に嫁ぐことになった和宮のお守役として江戸に下り、弁天小僧と名を変えて「ある密書を手に入れる」という密命を受けていた。そして、奉公所の同心を勤める南郷力丸(伊礼彼方)は、幕府を守るために密書を探している。また同時に、ある事情で姿を消した許嫁、小夜(龍 真咲)の行方も追っていた。
一方、武家屋敷ばかりを狙う泥棒・日本駄右衛門(松尾貴史)もまた、江戸の町を騒がせているが、ひょんなことから家茂の御庭番の忠信利平(喜矢武)と相まみえる。それぞれの忠義、思いを抱えて活動していた五人だが、やがて「この国を盗もうとしている」連中の企みに気づき、阻止するために力を合わせることに・・・。

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早乙女太一演じる弁天小僧菊之助は、実は皇女和宮を護りながら江戸にきた八瀬童子の菊霧。女性にも化けられる美剣士として活躍する。華麗な殺陣や鮮やかなアクションはもちろん、短い時間ながら艶やかな花魁姿も見せて、作品のエンターテインメント性に大きな力を発揮している。また菊霧役での抑えた演技の中に和宮に寄せる想いと献身をのぞかせるなど、魅力的な役に作り上げている。
 
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龍 真咲が演じるのは赤星十三郎で、宝塚の男役にも通じる凜々しさで美少年役がよく似合う。実は南郷の許嫁で、安政の大獄に巻き込まれた武家の娘という役どころだけに娘役姿でも登場。そちらでは楚々とした風情を見せる。激しい殺陣シーンも男性陣にまじってエネルギッシュにこなし、確かな実力と華はさすが。

ミュージカルを中心に翻訳劇や洋物舞台を演じてきた伊礼彼方にとって、初めての時代劇となる本作だが、思いがけないほど鬟も着物も似合って、和物にも馴染んでいる。同心・南郷力丸の熱くて真面目な人柄が伝わるだけに、時代に翻弄される許嫁の小夜との恋が切ない。ショー場面では歌とダンスに大活躍、その他にも心情を歌うナンバーなどで聴かせる。

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ゴールデンボンバーの喜矢武豊は、神出鬼没な盗人、実はお庭番の忠信利平役。軽いフットワークとクレバーさを持ち合わせた「出来る男」で、華やかな面差しが和物芝居に映え、台詞の声も良く、役者としても活躍しているだけに安定感がある。松尾貴史の日本駄右衛門とは出会いシーンも含めて良いコンビぶり。

五人のまとめ役とも言える日本駄右衛門には、演技派俳優として評価も高い松尾貴史。度胸と気っぷの良さで江戸の町を守る火消しの頭領らしい懐の深さと実直さがある。とくに後半に駄右衛門の誠実さを伝えるエピソードが登場するが、役柄に相応しい人間性が存在の中に滲み出る。

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まさにエンターテインメント時代劇というべき本作ならではの和洋折衷の真骨頂は、劇中に登場する横浜のホテルのショータイム。ポピュラーなジャズナンバーが次々に飛び出して、龍 真咲、伊礼彼方、鈴木壮麻がダンサーたちとともに歌い踊る。黒船来航を背景にした横浜の異国情緒あふれる場面は、楽しさ満点だ。

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出演者たちは、白浪五人以外も豪華な顔ぶれが揃っている。開国派商人の瑞帆屋卯三郎役には鈴木壮麻、大奥をとりまとめる天璋院など何役も演じわける加納幸和、老中や年寄・瀧山役の小林大介、老中の安藤信正や土御門藤子役の谷山知宏、攘夷浪人の高杉の安田桃太郎など、実力派が時代劇の重みを支える。また事件を伝える読売(瓦版)では、越塚学と谷水力という生きのいい2人が活躍している。
そして、将軍家茂役は若手俳優の小澤廉、和宮には入来茉里が扮し、政略結婚という形からやがて愛し合う若いカップルの姿を丁寧に演じていて、ある意味ではこの作品の大きなテーマを背負う役どころだけに、この2人の爽やかさは大きなポイントだ。

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ダイナミックな映像とジャズを主体にした音楽、スピーディにテンポ良く運ばれていく構成が心地よく、歴史上の事実を挟みながら、想像力をフルに羽ばたかせたストーリーは、痛快でありながらどこかアナーキーな危うさもあって、そこは原典となった「青砥稿花紅彩画」の破滅的な美しさにも通じる世界観と言えるだろう。
エピローグの「稲瀬川勢揃いの場」にあたる場面では、大白浪を背に五人男が居並んで黙阿弥の七五調の口上で見得をきり、大仕事を果たした清々しさのなかで、この先に待つ修羅場へと歩を進めていく。その姿は潔くも晴れやかで、どこまでも格好いい。

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【囲みインタビュー】

 
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G2 喜矢武豊 龍 真咲 早乙女太一 伊礼彼方 松尾貴史

初日を前に、囲みインタビューが行われ、脚本・演出のG2、出演者の早乙女太一、龍 真咲、伊礼彼方、喜矢武豊、松尾貴史が登壇した。

──まず驚いたのは音楽がジャズなんですね。
G2 ラテンに影響されているジャズに統一してみようと思いました。五人の盗賊たちがエネルギッシュに活躍するので、しかも時代劇なので、洋楽を取り入れてみようと。今までこういう取り組みはなかったのではないかと。でも悩みまくった結果この形になりました。けっこう面白いシーンができたと思います。特に霧菊の花魁のシーンでジャズをかけたところなど、いい効果が出たと自負しています。
──演じている皆さんは
喜矢武 基本、僕は音楽には関わりたくないので(笑)、また音楽かい!と思ったんですけど、でもジャズとか面白い試みだと思っています。
 とても難しかったんですが、日々、G2さんの愛情だったり、個性的な皆さんと一緒なので。実は全員B型なんですよね。
G2 だから五人が喋ってるとき、誰も人の話聞いてない(笑)。
早乙女 五人揃うシーンは息が合わないんです(笑)。
喜矢武 五人の話なのに五人のシーンが一番ヤバイ(笑)。
G2  その合わなさかげんをお楽しみください(笑)。
 私は活劇というのは初めてなんですが、皆さんと一緒に盗賊の物語とその裏側にある人情味とか、その時代とか大切にやれたらと思っています。
──宝塚時代と違って男性陣が沢山いますが。
 あまり性別は気にならない。
喜矢武 全員中性的ですからね(笑)。
松尾 いやいやいや。
龍 良い人たちばかりです。
松尾 今、棒読みじゃなかった?(笑)
 (笑)毎日楽しくやっております。
早乙女 本当に個性がバラバラで、こんなに異種の人がいっぱい集まってやるという機会はあまりないので、楽しいです。
──早乙女さんは久しぶりの女形はいかがですか?
早乙女 僕は女形では踊りばかりで、お芝居をしたことがあまりないんです。花魁で台詞を発するのも初めてで。
喜矢武 初めてなのにものすごくエロイ声を出すよね。
早乙女 やだ!(笑)
喜矢武 1回乾燥で喉をやられたとき、寂れたスナックのママかと(笑)。
早乙女 ありましたね(笑)。
──色気に参る?
喜矢武 参っちゃってますね〜。
早乙女   初めて言われた(笑)。
 美しいです。日々美しくなっている。
早乙女 (龍に対して)逆にカッコいいです。
 なんか懐かしい感じです。2年ぶりです。
早乙女 そんな前でもなかったんだ。

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──久しぶりに男役をやっていかがですか?
 男性の中で男役をやるのはどうなんだろう?と思ったんですが、やってみると難しいことはなかったです。
松尾 桜色の着物でお嬢さんの役のときも、舞台の途中まで出るとき男の歩き方をしてるんです。
 言わないで!(笑)
松尾 いや、後ろから見てて「かっこいい!」と思いながら。
伊礼 僕らのほうがめめしいですよね。
──伊礼さんはこの舞台はいかがですか。
伊礼 個人的には初の和物で、所作をすべて一から先生に教えていただいて、集まった役者たちも多ジャンルのプロが集まっていて、このデコボコ感がすごく魅力的なので、このデコボコ感を楽しんでいます。
松尾 すごいよね。同じ生物とは思えない(笑)。それはさておき、僕は音楽活劇『SHIRANAMI』に出るのが子どもの頃からの夢だったので(笑)。
全員 ない!ない!
──G2さんは厳しかったですか?
松尾 厳しいです。もともと立ち位置厳守の方なんですが、セリなどもあるし上からも降りてくるし,覚えきれない。
喜矢武 でも松尾さん「危ないから本当に緊張してやらないと」と言った数秒後にめちゃめちゃふざけてました。すぐ稽古場でふざけるんです(笑)。
早乙女 五人で均等に立つところで、俺の目の前に立ってましたからね(笑)。
松尾 後ろから笑い声が聞こえるから、なんだろうと思って振り向いたらかぶってた(笑)。

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──楽屋も賑やかですか?
松尾 基本的には楽屋はバラバラなので、劇場に入ってからは会わなくなりました。 
G2 稽古中はよく喋ってたよね。
喜矢武 台詞合わせしてる真面目な人もいれば、ゲームしてる人もいました。
──ゲームは誰が
喜矢武 早乙女太一です。
早乙女 おい!一緒だろ(笑)。今は喜矢武さんの楽屋にずっといます。
喜矢武 自分の楽屋みたいに入ってくるから、僕が集中できないから逃げるんです。僕の楽屋が早乙女太一の楽屋になってます(笑)。
──共演してみていかがですか?
喜矢武 やっぱり勉強になりますね。所作とか教えてくれるし、殺陣がもの凄いんです。僕の悪いところ見つけたりするとすぐ教えてくれる。それがちょっとだけ上から目線で(笑)。いや、1つ1つの動作が全部勉強になります。自分の衣裳すら体の一部みたいに、蹴るときわざわざバサッとやるんです。それがせこいなって(笑)。
早乙女 せこいって(笑)。
喜矢武 衣裳使ってまで派手に見せるという演出ができるので、凄いです。
早乙女 いやいや(笑)。なるべく皆さんに伝えられるものは伝えようと。
──殺陣は慣れていると思いますが、今回とくに大変なことは?
早乙女 五人で一緒に戦うところがけっこうあるのですが、なにせみんな息が合わないから(笑)、そこだけは注意してやりたいなと。千秋楽までにはなんとか(笑)。
G2 猛獣を5匹、檻に飼っているようなものなので、お互いに闘い合う中でなんとかなると思ってます(笑)。
──龍さん紅一点ですが。
 でもあまり女性として扱われないんです、G2さんからも皆さんからも。
松尾 いや、美しいですよ。
 でもそういうところで気をつかわれたりするのもいやなので。とにかく舞台の一瞬一瞬を楽しんでやりたいなと、今はそれだけです。
──早乙女さんから見て龍さんはいかがですか?
早乙女 いや、素敵です。
 噛みそうになってる(笑)。
松尾 ひどい男だな(笑)。
早乙女 素敵です!!(笑)
龍 もういいです(笑)。
──では最後に一言。
早乙女 色んな見せ場や魅力が沢山詰まっています。新年にふさわしく、賑やかに皆さんに元気を持って帰ってもらえるように、エネルギッシュにがんばっていきますので、是非よろしければ観に来て下さい!よろしくお願いします。
全員 観にきてねー!
 
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〈公演情報〉
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音楽活劇『SHIRANAMI』
脚本・演出◇G2
ショー演出◇市川訓由
出演◇早乙女太一 龍 真咲 伊礼彼方 喜矢武豊(ゴールデンボンバー) 松尾貴史 
鈴木壮麻 加納幸和 小澤 廉 入来茉里 
小林大介、谷山知宏、谷水力、安田桃太郎、幸田尚子、越塚学、熊倉功、伊藤教人、南誉士広、加藤学、高橋玲 ほか
●1/11〜29◎新国立劇場 中劇場
〈料金〉 S席11,000円 A席8,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉 公演事務局 0570-200-114(全日10:00〜18:00) 



【取材・文/佐藤栄子 撮影/山崎伸康】




えんぶ最新号


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シアタークリエへの見事な凱旋で輝くミュージカル『レベッカ』上演中!

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2018年に開場10周年を迎えた東京日比谷のシアタークリエで、10周年記念公演ファイナルとなるミュージカル『レベッカ』が上演中だ(2月5日まで)。

ミュージカル『レベッカ』は、20世紀前半から活躍した小説家ダフネ・デュ・モーリアが1938年に発表した長編小説「レベッカ」を、『エリザベート』『モーツァルト!』『マリー・アントワネット』『レディ・ベス』等々の大ヒットミュージカルを生み出したミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイのゴールデンコンビがミュージカル化した作品。サスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックによる映画版が殊の外有名だった作品を、全編歌で綴るミュージカルとしてサスペンスフルに、更にロマンの香りも高く創り上げた舞台は2006年のウィーン初演以来、大好評を博した。そんな作品を世界で2番目の上演国として発信したのが、2008年に開場したシアタークリエで、その後、10年間に海外の新作のいち早い上演や、埋もれていた幻の作品に光を当てるなどの様々なチャレンジを続け、演劇界に大きな足跡を残してきたシアタークリエの歩みを象徴する、記念碑的作品が、満を持して10周年記念ファイナル公演として帰ってきた。

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大塚千弘

【STORY】
天涯孤独の身の上で、アメリカ人富豪ヴァン・ホッパー夫人(森公美子)の世話係を務める「わたし」(大塚千弘/平野綾/桜井玲香 トリプルキャスト)は、モンテカルロのホテルで、イギリスのコーンウォールに大邸宅と広大な土地“マンダレイ”を所有する上流紳士マキシム(山口祐一郎)に出会う。先妻レベッカの事故死の影を引きずるマキシムは、忘れていた心の安らぎを与えてくれた「わたし」を見初め、「結婚して欲しい」とプロポーズする。身分も階級も異なるマキシムに惹かれる心を押し隠してきた「わたし」も、愛を信じマキシムのプロポーズを受け入れるが、ヴァン・ホッパー夫人はマキシムの先妻レベッカはイギリスでも評判のレディであり、「わたし」にマンダレイの女主人が務まるはずがないと警告する。果たして、ハネムーンも終わりマンダレイに着いた二人を出迎える召使いたちの中には、レベッカに幼少時から仕え、彼女亡き今も家政婦頭として屋敷を取り仕切るダンヴァース夫人(涼風真世/保坂知寿 ダブルキャスト)がいて、レベッカが生きていた時と何ひとつ変わらぬままに屋敷を維持していた。ダンヴァース夫人の威圧的な態度に気圧されながら、マンダレイの管理をするマキシムの友フランク(石川禅)、マキシムの姉ベアトリス(出雲綾)、その夫ジャイルズ(KENTARO)に温かく迎え入れられた「わたし」は懸命にマキシムの良き妻になろうとするが、マキシムに隠れて屋敷に出入りするレベッカの従兄弟ファヴェル(吉野圭吾)、入江のボートハウスで出会ったベン(tekkan)等の言動からも、屋敷の至るところ、更に人々の心の中にもレベッカの存在が色濃く残ることを意識せずにはいられなかった。やがてそんな今はいないはずのレベッカによって、二人の結婚生活にも次第に影がさしていき……。
 
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平野綾

ゴシック・ロマンとして名高い『レベッカ』は、やはりなんと言っても「サスペンス映画の神様」とも称されたアルフレッド・ヒッチコックの手による映画版が著名で、特にダンヴァース夫人を演じたジュディス・アンダーソンの怪演とも呼びたい強烈な演技が強い印象を残している。ヒロインに固有名詞がなく、観る者が「わたし」を通して物語に入っていく道筋がつけられていることもあって、ヒロインがマンダレイで追い詰められていくサスペンス感が強烈で、端的に言って夜1人で鑑賞するのは恐ろしいと思える世界観が広がっている。
そこからすると、このミュージカル版にはぐっと情緒的で、ロマンティックな色合いが濃い。それには恐怖感以上に、個々の人間心理に深く踏み入ったミヒャエル・クンツェの脚本・作詞と同時に、複雑でありながら耳に残る美しいメロディーを数多く書いたシルヴェスター・リーヴァイの音楽の力が大きく寄与している。冒頭に歌われる「夢に見るマンダレイ」が、特にその効果を発揮していて、レベッカというあまりにも強大な影に「わたし」が愛の力で対峙していく物語の、ロマンの香りを強く際立たせている。作品中最も有名な楽曲と言って間違いないだろう、ダンヴァース夫人のナンバー「レベッカ」が繰り返し歌われることによるサブリミナル効果や、マキシムの懊悩を描く「神よなぜ」「凍り付く微笑み」等のビッグナンバーと、ベアトリスとジャイルズの「親愛なる親戚!」ヴァン・ホッパー夫人の「アメリカン・ウーマン」等、軽やかでリズミカルなナンバーが共存することで、物語の色彩が格段に豊かになった。
このミュージカルならではの醍醐味は、アンサンブルメンバーが歌う数々の楽曲の面白さにもあふれていて、山田和也の演出が出演者1人1人の個性を丁寧にすくい取っているのも目に耳に愉しい。何よりサスペンスフルな物語展開の緊迫感に、シアタークリエの濃密な空間がピッタリで、クリエ発ミュージカルのスタートを切った作品が、栄えある10周年記念の掉尾を飾ったことの意義を改めて知らしめていた。

「レベッカ」桜井2
桜井玲香 

そんな作品を彩る出演者の多くが初演以来の持ち役を深めているのも、やはりこの企画の重みを感じさせるし、新たなメンバーが吹かせる風もまた更なる見どころを生んでいる中で、マキシム・ド・ウィンターを演じる山口祐一郎が、変わらずに作品の芯を担っている安定感には大きなものがある。スラリとした長身と甘いマスクとどこまでも伸びる歌声で、唯一無二というほどミュージカル界にとって貴重な存在だった山口が、経験と年輪を重ね、尚このマキシム役が無理なく演じられるだけでなく、役柄の苦悩や揺れ動く心情をよりリアルに表出する深みを加えた姿は圧巻。今回「わたし」役にトリプルキャストが組まれたことで、それぞれに対する山口のマキシムの表情が異なってくるのも、なんとも魅力的だった。

「レベッカ」山口&大塚2

そのトリプルキャストの「わたし」は、日本版オリジナルキャストの大塚千弘が、帝国劇場再演バージョンから8年の時を経て同じ役柄を演じ、瑞々しさを失わずにより感情の襞を深めているのが頼もしい。観客が彼女の目線で物語を観る「わたし」というヒロインの在り方に、当然でもあるだろうがやはり一日の長があり、緩急の豊かな歌唱力がマキシムやダンヴァース夫人との掛け合いのナンバーに際立った。

「レベッカ」山口&平野1

一方平野綾は「わたし」役そのものこそ初役だが、近年ミュージカル界で次々に大役に挑んできた経験値が生きて力強い。制作発表や囲み取材で見せるむしろおっとりした佇まいが、舞台に立つと燃えるようなパッショネイトに変換する、平野綾という表現者の魅力がそのまま「わたし」にも投影されていて、愛故に強さを兼ね備えていく「わたし」の変化に見応えがあった。

「レベッカ」山口&桜井

この二人に並んで、翻訳ミュージカル初挑戦の桜井玲香が「わたし」を演じるプレッシャーには、果てしもないものがあっただろうと思うが、それだけに役柄に体当たりする桜井の懸命さが、新たな人生に飛び込んだ「わたし」の心許なさと、怯え戸惑いながらも姿なきレベッカとの戦いに挑んでいく様にストレートにつながったのが、予想以上の効果を生んでいる。可憐な容姿も加わり無条件に応援したくなる「わたし」像はこの作品の本質を突いていて、発展途上の歌唱も美しい声質に伸びしろを感じさせた。経験を重ね花開いている同じ「乃木坂46」の生田絵梨花に続く、ミュージカル界での今後の活躍にも期待したい。

「レベッカ」保坂&桜井
 
そしてこの作品全体の色を決めていると言って間違いない存在であるダンヴァース夫人は、再演バージョンに続いての出演となる涼風真世が、亡きレベッカがそのまま憑依したかのような威厳と位取りの高さを示せば、初役の保坂知寿がレベッカへの狂信的な崇拝を緻密に表現して興味深い。片や元宝塚歌劇団のトップスター、片や元劇団四季のヒロイン女優と、日本のミュージカル界にとって欠かせないカンパニーを出自に持つ二人が、やはりそれぞれの生まれ育った場所を想起させる表現で役柄にアプローチしているのが、何よりの興趣を生んでいた。

他に初演からの続投キャストでは、マンダレイの管理を任されているフランクの石川禅が、この年月でより役柄に相応しい味わいを身にまとっているのが大きな効果を生んでいる。近年アクの強い役柄でもヒットが多い人だが、やはり本来の持ち味がひたすらに誠実なフランク役に合っていて、「わたし」を励ます「誠実さと信頼」の持ちナンバーが滋味深く耳に残った。レベッカの従兄弟ファヴェルの吉野圭吾は、逆にアクの強い役柄をどんなに色濃く演じても、徹底的に下品にはならない魅力が活きている。このミュージカル全体の色彩からも、吉野のファヴェルの匙加減は絶妙で、良いアクセントになっていた。非常に難しい役柄であるベンの動物的な判断を純粋に見せるtekkan、マキシムの義兄ジャイルズを軽妙洒脱に演じるKENTAROも味わい深い。

「レベッカ」平野2

また、初役の面々では、ジュリアン大佐の今拓哉が、マキシムへの友情と、冷静な裁判官であろうとする職業倫理の狭間で揺れ動く心情を巧みに表現しているし、マキシムの姉ベアトリスの出雲綾の、宝塚時代から定評ある歌唱力と共に、温かみのある声質そのものがマキシムと「わたし」の絶対的な味方である役柄をよく生かしている。更にヴァン・ホッパー夫人の森公美子が、この女性の世話係はどれほど大変だろうかと、冒頭「わたし」に観客が肩入れするに十分な居丈高さを表わして尚、どこかで憎めないものを残すのが森ならでは。これによってヴァン・ホッパー夫人の警告が、単に「わたし」への嫉妬から出たものではなく、作品にとって重要な一言になることに、説得力を与えていた。

他に前述したように、アンサンブルの面々の働き場も極めて多く、館の召使いたち、イギリスの上流階級の人々、群衆へと早変わりしていく様も鮮やかで、コーラスの魅力も満載。シアタークリエ10周年の掉尾であり、新たな10年への出発でもある作品を輝かせる力になっていた。改めて、折に触れて上演を重ねて欲しい作品だと感じさせたミュージカル『レベッカ』が、日本版誕生の舞台に見事な凱旋を果たしたことを喜びたい。

「レベッカ」桜井全景

〈公演情報〉
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ミュージカル『レベッカ』
脚本/歌詞◇ミヒャエル・クンツェ
音楽/編曲◇シルヴェスター・リーヴァイ
原作◇ダフネ・デュ・モーリア
演出◇山田和也
出演◇山口祐一郎、大塚千弘/平野綾/桜井玲香(トリプルキャスト)、石川 禅、吉野圭吾、今拓哉、tekkan、KENTARO、出雲綾、森公美子、涼風真世/保坂知寿ダブルキャストほか
●1/5〜2/5◎日比谷・シアタークリエ
〈料金〉12,500円全席指定・税込
〈問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-77779時半〜17時半
公式ホームページ https://www.tohostage.com/rebecca/




 【取材・文/橘涼香 舞台写真提供/東宝演劇部】




えんぶ最新号


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新たに広がるミュージカルの可能性!『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』開幕!

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その斬新で革新的な演劇スタイルでブロードウェイを席巻したミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』が、1月5日、東京池袋の東京芸術劇場プレイハウスで開幕した。(27日まで)

ミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』は、世界10大小説として名高い傑作トルストイの「戦争と平和」をミュージカル化した作品で、2012年にオフ・ブロードウェイで誕生。2016年にはブロードウェイへ進出し、翌年のトニー賞で最多となる12部門にノミネートされるなど、大きな話題を呼ぶヒット作品となった。劇場全体をロシアのナイトクラブのように見立て、幕もなく客席の中に花道のように伸びるステージを使って、ミュージカルナンバーと生演奏と激しいダンスが全編に渡って繰り広げられるスピーディな展開は、最も革新的なミュージカルとして大絶賛を集めた。

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今回の本邦初演は、貴族の私生児として生まれた出自から人付き合いを好まず、酒と思索にふける日々をおくるピエールに井上芳雄、若く美しく自分の感情に正直に生きる乙女ナターシャに生田絵梨花、そのほかに霧矢大夢、小西遼生、武田真治をはじめとした、ミュージカル界の人気スターが顔を揃え、個性的でアーティスティックな世界観で魅了する気鋭の演出家の小林香が演出を担当。本邦初演に相応しい、より進化した『グレート・コメット』の世界が繰り広げられている。

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【STORY】
19世紀初頭のモスクワ。貴族の私生児として生まれたピエール(井上芳雄)は、莫大な財産を相続したものの、その財産だけが目当てだったエレン(霧矢大夢)との愛のない結婚生活を続ける人生に虚しさを抱えながら、酒と思索に耽る毎日を送っていた。そんなピエールの親友アンドレイ(武田真治)の婚約者である、若く美しく天真爛漫な伯爵令嬢ナターシャ(生田絵梨花)は、戦争に従軍したアンドレイの不在に寂しさを募らせていた。折も折、エレンの兄で絵のように美しいが、享楽的な生活をしているアナトール(小西遼生)と出会ったナターシャは、アナトールからの熱烈な誘惑に抗えず遂には駆落ちを計画する。一方、ピエールは妻エレンの不倫を知り、不倫相手のドロホフ(水田航生)に決闘を申し込みかろうじて勝利するものの、意味の無い命を賭けた闘いに、ますます鬱屈した気持ちを募らせていく。そんな時、ナターシャがアナトールと駆け落ちの約束をしていたことを知ったピエールは義憤にかられ、アナトールを探し出し問い詰めるが……

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タイトルにある「コメット」=彗星は、実際に地球に近づき8ヶ月以上もの間肉眼で見ることができたという「1811年の大彗星」を意味している。ナポレオンが「この彗星は私にとって吉兆である」としてロシア侵攻を決断したことでも知られていて、幾多の戦闘に勝利しモスクワを制圧したフランス軍が、自然の脅威である厳寒の季節との戦いに敗れ、退却に追い込まれたロシア遠征のきっかけとなった大彗星とも言うことができる。そんな歴史的背景を軸に、ロシア貴族の三つの一族の興亡を描いた群像小説である「戦争と平和」の登場人物、つまりはこのミュージカルの登場人物すべての人生を左右した、彗星に導かれた物語が展開されていく。

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何しろ原作が超のつく大河小説で、主要な登場人物の関係性も非常に色濃く絡み合っているので、原作を知っているのに越したことはないが、実際にこの作品で描かれているのは第2巻第5部を中心とした、かなりシンプルにそぎ落とされたストーリーなので、観劇前に公式ホームページに掲載されている人物相関図を見ておくだけで理解しやすくなる。更にそうした各登場人物の関係性が仮にわからなかったとしても、この作品の革新的な面白さ、他に類を見ない劇空間の客席に座りさえすれば、爆発するようなエネルギーを体感し、その興奮のるつぼを楽しむことができる。

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と言うのも、東京芸術劇場プレイハウスに小林香の指揮のもと斬新な劇空間が創り出されているのだ。舞台エリアに設けられた6ブロックの「コメットシート」と呼ばれる、オーケストラピットよりは浅く、舞台上の目線により近いが、基本的には舞台を仰ぎ見る形になる客席。その周りに縦横に張り巡らされた通路と言える部分を含めて、動線が複雑に伸びたステージ。さらに本来の客席通路をも巻き込んで、舞台と客席の境のない劇場全体が作品世界という、既存の劇場でよくこれだけの作り込みができたなという空間で物語は展開されていく。

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登場人物たちは、その360度から見られているに等しいステージで演じ、歌い、時には自ら楽器も演奏し、激しく踊り、客席にも座り話しかける。今人生の空虚を嘆き、今灼熱の恋に身を焼いていた人々が、次の瞬間には駆け回り、踊り騒ぐ様はどこかシュールで、多分にショー的でもあって、だからこそ200年以上も前のロシア貴族の物語が、今目の前で起きていることに感じられる。人はどう生きるべきか?真の幸福とは何か?そんな根源的テーマを、ある意味で猥雑な描写とパワーと、ロックやエレクトリックなクラブミュージック等の現代の音楽に乗せて描くことを思いついた、オリジナルスタッフたちの慧眼に驚くし、それを更に突き詰めて徹底的に飾り込み、日本の観客に提示した小林香以下、日本版スタッフの奮闘にも大きな感動を覚えた。小林の良い意味で毒のある美意識が、この作品の世界観に相応しく人選の妙も感じる。

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そんなカーニバル状態の舞台の中から、主要な役柄をきちんと際立たせた出演者たちがまた素晴らしい。その筆頭の井上芳雄は、長く「ミュージカル界のプリンス」の名を欲しいままにしてきた、爽やかな二枚目像をメガネと猫背の姿勢の中に封印して、難しい役柄に見事に入り込んでいる。実際に、物語の展開の大きな流れを握っているのはナターシャだし、特に1幕は相当な長時間オーケストラピットの中で本に向かい、ペンを取り、ふと見ると楽器を鳴らしているという、作品世界の中にいながら孤独な出演場面が続くが、それでも尚、己の人生の苦悩を吐露するビッグナンバー「塵と灰」ただ1曲で、すべてを浚うのはまさに井上ここにあり!の離れ業。ストレートプレイを含めて、ソリッドな作品への挑戦を常に続けてきた井上の気概と蓄積がなければ、『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』と題されたこの作品の、ピーエルを支えることは難しかっただろう。余人に代えがたい存在であることを難役を務めたことで改めて示した好演に拍手を贈りたい。
 
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一方、ドラマとして作品を捉えた時「主人公」と言って間違いないだろうナターシャを演じた生田絵梨花は、『ロミオ&ジュリエット』のジュリエット、『レ・ミゼラブル』のコゼット、『モーツァルト!』のコンスタンツェと続いてきたミュージカル界でのキャリアに、ひと際輝く大役を手中に納めている。トップアイドルグループ「乃木坂46」のメンバーとして活躍している彼女の「アイドル」としての記号がもたらす、どこかこの世の者でない感が、混沌としたエネルギーが満ちる舞台の上で、ナターシャの特別な美しさを際立たせる決め手になった上に、感情表現がより豊かになっていて、激動の日々を過ごすヒロインの変転を表出している。歌も確実に進化し、日本のミュージカルブームの一端を支える人材として、ますますその貴重さが高まった。

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ピエールの妻エレンの霧矢大夢は、享楽的で計算高いが社交界の花形でもある女性像を、むしろ颯爽と演じているのが霧矢らしい。ピエールとナターシャを中心として見た時には所謂「悪女」と言うことになるが、その堂々とした立ち居振る舞いに接すると、己の欲望に忠実なだけの魅惑的な女性に見えてくるのが、いっそ清々しい。硬軟取り混ぜた演じぶりにも芝居巧者らしい自在さがあるし、何より元宝塚歌劇団の男役出身者が、女優になった時にほぼ必ずと言っていいほど通る、低音域と高音域の発声の切り換えを完全に克服したのが感じられ、ますますの活躍に期待が膨らんだ。

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その兄でナターシャに恋を仕掛けるアナトールの小西遼生は、光り輝くと言って構わないほどの美貌を、惜しみなく披露して強烈に目を引く。無垢な乙女であるナターシャが、後先も考えずこの男性にのめり込んでいくことに説得力があり、ヒロインを立たせるという意味に於いても重要な役割を十二分に果たした。複雑な心理描写もよく伝わり、霧矢と共に悪の華兄妹として舞台上に放つオーラは絶大。一部音域で難しい部分があるが、ここまで美しい軍服姿で、しかもダークな香りもにじませて舞台に登場してくれれば、すべては許容される想いがした。

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ナターシャの婚約者アンドレイと、アンドレイの父ボルコンスキー老公爵を二役で演じ分けた武田真治は、冒頭軍服姿で登場した刹那、スッキリとした二枚目感を自然に醸し出して強い印象を残すことに成功している。これがあるからカリカチュアされたボルコンスキー老公爵の描写との落差が笑わせるし、出番としてもポイントポイントでかなり飛んでいるアンドレイの存在を作品に通したのは、武田の存在感あってこそ。思えば現在井上が演じている『エリザベート』のトート役歴代キャストの1人でもあり、更にミュージカルの世界にも積極的に出て来て欲しい人材だ。

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また、ナターシャの駆け落ちを阻止する従姉妹ソーニャの松原凜子の高い歌唱力は、作品の華のひとつになったし、ピエールと決闘に及ぶドロホフの水田航生が見違えるほど骨太になり、歌唱の進化も著しく頼もしい。アンドレイの妹マリアのはいだしょうこが、「しょうこおねえさん」で知られる天然キャラを微塵も感じさせない慎み深い女性をしとやかに演じているし、ナターシャの名付け親マーリャD.の原田薫は、この作品の振付も担うダンサーだが、実は非常にパッショネイトな歌い手でもある持ち前の武器を披露。アナトールの御者バラガのメイリー・ムーの独特の個性が、この作品にベストマッチしたし、楽器演奏や開演前からの客席への練り歩きを含めて大活躍のアンサンブルの面々も、まさに八面六臂の活躍で作品を支えていた。井上のピアノとアコーディオン、小西のヴァイオリン、武田のソプラノサックスと役者たちが巧みに楽器を奏でる様にも特別感がある。
 
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総じて、ロシア文学を徹底的なエンターテインメントに仕上げつつ、普遍のテーマをきちんと残した「ミュージカル」の可能性を更に広げる作品で、今ここにしかない劇空間を是非多くの人に体験して欲しい仕上がりとなっている。

【囲み取材】


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初日を前日に控えた1月4日囲み取材が行われ、ピエール役の井上芳雄、ナターシャ役の生田絵梨花、エレン役の霧矢大夢、アナトール役の小西遼生、アンドレイ役の武田真治が公演への抱負を語った。

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武田真治、霧矢大夢、井上芳雄、生田絵梨花、小西遼生 

──日本初演のミュージカルということで、大変貴重な公演となりますが、明日の初日への意気込みをお願いします。
井上 劇場の作りも見たことのないものになっておりますし、日本のお客様に初めて観ていただくのでドキドキはしますけれども、すごく面白く出来上がっていると思うので、早くお見せしたいなという気持ちでもあります。これまでの稽古の道程がすごく幸せなものだったなと思います。
生田 私自身劇場に入った時にこんなにワクワクしたのが初めてで、それぐらい客席と一体型になっていたり、距離感もすごく近いので、お客様が入って作品がどう作り上げられていくのか、ここから更にとても楽しみに思っています。エンターテインメント性もそうなのですが、作品の内容もそれぞれのキャラクターの人間らしさや、生きることについて語っている作品なので、そのメッセージ性もきちんと皆様の心にお届けできたら良いなと思っています。
小西 作品自体日本のお客様があまり観たことがないような斬新な作品になっていますので、舞台というのは非日常に足を運ぶものでもありますから、新年最初に皆様に、初めてご覧になるという舞台を見せられるように頑張りたいと思います。
霧矢 私はブロードウェイで上演された舞台を拝見しているのですが、ブロードウェイでもすごく斬新で大きな感動を覚えたのですが、日本版は日本版としてとても誇らしい仕上がりになっていると思いますので、皆様たくさん劇場に足をお運びいただきたいなと思っております。
武田 この歳になるまで色々やらせていただいてきておりますが、その中で「こんなの初めて!」と思うような舞台のセットだったり内容だったりするんですね。これは本当に楽しんでいただけると思います。明日が楽しみです。

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──今回は筋肉は見せないのですか?
武田 今日は早めに(衣装を)着ました!(笑)まぁ、誰かが言ったらね(笑)。
井上 ないわけがない!(爆笑)
武田 あるんだ!?(笑)
井上 あるかも知れない(笑)。
武田 いや、そこハッキリしとかないとさ(笑)。
井上 僕もちょっと触れ合うシーンとかあるのですが(武田を示して)、この辺りの筋肉凄いですから!テンション上がってきたら出ることもあるかも知れない(笑)。
小西 日替わり!
武田 ちょっと井上さん!座長! 俺の感情で脱ぎ着可能なの!?(笑)
井上 ナターシャをびっくりさせるシーンとかがあるのですが、今は筋肉は出てませんけれども、調子が出て来たら筋肉でびっくりさせるみたいなことも(笑)。
武田 座長!すみません、これに関してはハッキリさせて下さい!ないです!
井上 はい、ないです!(笑)
武田 もうちょっと舞台に絡めて、オブラートにくるんで何か放り込んでいただい方が我々としては(一同笑)。
井上 待ちきれない感じだよね(笑)。

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──舞台と客席が近いということですが、お客様の顔も皆様からよく見えるのですか?
井上 「コメットシート」と言って普通なら舞台上のところに数十席の座席があるんですけれども、これについてはすべての席が最前列みたいな席なので、本当に僕たちも近くて。見られまくるからどうしたら良いのかわからないのですが、本当に出演者の1人というか、共に体験してもらう、作品の中に入り込んでいただけるのですごく楽しいんじゃないかな?と。まぁまだわからないのですが、初日開けていないから。でもすごい作りだと思います。
──井上さんは「メガネ男子」の役ということで。
井上 そうです。「メガネ男子」なのですが、僕すごく冴えない男の人という役で、原作だと太って頭も薄いみたいな描写なのですが、今回はメガネで猫背で冴えないというところで。本当にカッコいいところが出ないように(笑)、一生懸命冴えない男を頑張ろうとやっています。
武田 元々の手足が長いので、ちょっと肉襦袢が入った衣装を着てもファンシーで可愛らしいですよね。
井上 ありがとうございます。でもこれ何にも入っていないです(笑)。
武田 あら、失礼しました!(笑)
井上 姿勢だけでやっているのですが、でも僕はそうやっていますけれど、皆さん見目麗しい登場人物がたくさんいるので、この作品は見た目にも楽しいと思います。

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──その中で冴えない役というのは、役作りも大変だったのでは?
井上 どうしても冴えてしまうところはありますけど(笑)、そこはもうグッと抑えて(笑)。とは言いながらも実はすごくしっくりきますね。普段は冴えないと言いますか、皆普段からそんなに冴えてはいないと思いますが、仕事上では冴えるように頑張っているので、今回は仕事上でも冴えなくて良いという安心感が(笑)。もう冴える部分は小西君に全部任せて。
小西 来ちゃった!(笑)
井上 自分の役を全うしたいと思います(笑)。でもそれぞれがすごく魅力的です。

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──井上さんと生田さんは舞台では初共演だと言うことですが、お互いの印象は?
井上 とても才能豊かな人だなと思っていたのですが、今回の役は直接の絡みは少ないものの、どこかで見守っているというもので、ただただ眩しいです。綺麗なのはもちろんですが、今の生ちゃんの年齢だから出せるナターシャの輝きというのがね。もし何年後かにまたやれば違う輝きが出ると思うのですが、今しかないこの輝きは唯一無二です。僕が失ってしまったものを懐かしく思い出します。
武田 井上さん、まだある、まだある!
井上 まだありますか?(笑)まぁ、それぞれの年齢の輝きはありますけれども、この(生田の)年齢の輝きはまばゆいなとすごく思うくらい美しいです。
生田 芳雄さんは共演させていただく前は「プリンス」ということで緊張していたのですが、稽古場でもご自身のメガネでいらしていて、頭もボサボサで敢えてオフの感じに寄せていらっしゃっていたので、すごく安心感が大きくて。もちろんカンパニー全体のことも常に広い目で見守ってくださっているし、なんでも頼らせてもらえるような空気感なので、芳雄さんを信頼して皆でついていきたいなと思っています。

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──2019年を迎えましたけれども、皆さんの目標をお訊きしたいのですが。武田さんはやはり筋肉に関して。
武田 筋肉に関しての目標!?いやいや若干最近筋肉を取り上げていただくことが多くて、本業を何か見失いつつあるので(爆笑)。
井上 いやいや、俳優さんとしても凄いです!
武田 この作品でしっかりと演劇界に爪痕を残して、もう1度シフトを正しく戻したい(笑)、というのがあるかもしれません。
──年末の「紅白歌合戦」にもご出演されて。
武田 紅白は…あれは目障りでしたよね。
霧矢 そんなことない!
井上 目立ってらっしゃいました!
武田 まだ人とそんなには話していないのですが、多分人には志茂田景樹さんみたいに映ったのではないかと(笑)。シレッと紅組にいる感じとかも。
井上 素敵でしたよね!真治先輩やってくれるなと!
武田 いえ、本当に素敵だったのは生ちゃんですよ!
井上 生ちゃんね!そうですね!
生田 いえいえ!
武田 本当に素敵でした!

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──霧矢さんは、今年芸能生活25周年だそうで。
武田 えっ?そうなの?
霧矢 よく知っていらっしゃいますね!はい、そうです。
武田 そういうところから自分にも話していただければ(笑)、おめでとうございます!
全員 おめでとうございます!
霧矢 今年はその25周年ということと、この作品を含めて上半期は悪女続きで。私はわりと良い人の役が多かったので、今年は悪女で行くぞ!と思っております。
生田 すごーい!
──今回の役も悪女ということで。
霧矢 そうです。井上さん演じるピエールの妻の役で、愛がなくお金目当てで結婚した酷い悪妻の役でございます。でも悪い役というのは演じるのもすごく楽しいので、新年早々満喫したいと思います。
生田 私の目標はこのナターシャも、歌声もそうですし、感情的にもすごく幅の広い役柄なので、今年はこういう一面もあったんだ!とか、こういうイメージもあったんだ!と思っていただけるように、色々な活動ができたらなと思います。
──年末にも「レコード大賞」から「紅白」とご活躍でしたが。
生田 結構その場を共にするのが最後という(「乃木坂46」の)メンバーが多くなってきていて。すごく寂しい想いもあるのですが、その分新しい子たちもどんどん入ってくるので、私達先輩の方としては幅を広げたり、その子たちを見守ったり手助けしたり、という役割もできるように頑張りたいです。
小西 立派ですね! 
井上 もう先輩なんだね。
生田 そうですね、グループでは。

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小西 僕も先輩方に負けずに頑張ろうと思います。今回井上さんは冴えない男なので、冴えている井上さんファンをかっさらおうかな?と思います。
武田 すごい具体的な目標を!
井上 言ったな!(笑)
小西 (笑)1年はじまったばかりですけれども、1年が終わる頃には皆さんに負けないように頑張っていけていたらなと思っております。
井上 本当に今年もひとつひとつの舞台に一生懸命立たせていただくしかないんですけれども、ミュージカルが注目していただけるようになって、追い風というか、ここ2、3年ミュージカル映画がヒットしたりして、皆さんに観ていただけるようになって。すごく良い風が吹いていると思うので、そこに乗りつつ、日本の文化として更にミュージカルが定着するような1年になったらいいなと。「2.5次元」に負けないように、と言いますかもちろん共存して頑張りたいと思います。

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〈公演情報〉
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ミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』
音楽・詞・脚本・オーケストレーション◇デイブ・マロイ
訳詞・演出◇小林香
原作◇レフ・トルストイ(「戦争と平和」より)
出演◇井上芳雄、生田絵梨花、霧矢大夢、小西遼生、松原凜子、水田航生、はいだしょうこ、メイリー・ムー、原田薫、武田真治 ほか
●1/5〜27◎東京芸術劇場プレイハウス
〈料金〉コメットシートS(ドリンク券付)16,000円、コメットシートA(ドリンク券付)14,000円、S席13,000円、A席8,000円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9時半〜17時半)

【取材・文・撮影/橘涼香】








『暗くなるまで待って』


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