えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

『暗くなるまで待って』

OG公演レビュー

一層彩りを深めた迷宮への誘い『ダンスカンタービレ2018』上演中!

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DIAMOND☆DOGS(D☆D)のメンバーとして活躍するかたわら、優れたクリエーターとして構成・演出・振付のジャンルでも才能を発揮している森新吾が中心になって繰り広げる、ショーアクト『ダンスカンタービレ2018』Mori Shingo & 8 Foxy Girlsが銀座の博品館劇場で上演中だ(16日まで)

『ダンスカンタービレ』は、昨年5月に森新吾初の主演作品として発信したショーアクトで、19世紀末のロンドンを震撼させた「切り裂きジャック」をモチーフに、森と風花舞をはじめとした女性陣だけで紡がれた作品。そのダークでミステリアスな、感性を刺激するステージは大好評を博し、D☆D充電期間中の2018年、森はこの作品を核に「カンタービレシリーズ」と銘打った新プロジェクトを始動。11月にサイエンスホールで上演された男優だけのストーレートプレイ『アクトカンタービレscene1 〜 Smoky Dog 〜』が喝采を集めたのち、1年半ぶりの再演となる、今作品『ダンスカンタービレ2018』の幕が開いた。

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とは言っても『ダンスカンタービレ2018』は、昨年春の初演バージョンから更に深化を遂げ、作品の持つ物語性の骨子こそ変わらないものの、一層深い彩りと夢とうつつの狭間の迷宮を立ち上らせている。初演を観た方にも「そう来たか!」という驚きや発見があるだろうし、今回の上演で初めて作品に接する方、特に『アクトカンタービレscene1 〜 Smoky Dog 〜』から続いてこの作品の扉を開けた方には、森新吾というクリエーターの振り幅の広さが実感できるに違いない。

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実際、初演時はゲストだった町田慎吾が、森演じる男の良心とも、影とも、はたまた現実の姿とも見える役柄を演じることで、木野村温子と共に創り出す異空間の意図するところが明確になっていたり、そのゲストが日替わりで演じていた刑事役を、初参加の田野優花が女刑事として通して演じることで、更に大きな仕掛けが用意される等、作品の見え方がより鮮明になった部分は大きい。だがそれでいて、敢えて正解を求めようとしていない、理解するのではなく感じて欲しい、見た人の数だけ感じかたがあって良いという余白があるのもこのショーアクトの豊かさで、それが森新吾その人のものづくりに対する懐の深さを感じさせていた。

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何より構成・演出・振付・主演を務める森の、確実に増したセンターを務める力が作品に芯を通している。それは初主演の機会だったこの作品の初演時よりも、この2018年バージョンが深みを増した最も大きな理由のひとつで、物語の中心にいることに森自身が格段に馴染んできたのを感じる。やはりライトの中で、舞台の上でこそ表現者は育っていくのだなと深い感慨を覚えた。クリエーターの森が、表現者の森に求めるものも、この後もっと深くなっていくに違いない。そう実感できる主演ぶりに拍手を贈りたい。

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同じく初演からの続投組では、もはや別格の感さえある風花舞の表現力が更に凄味を増していて目が離せない。謂わば物語の円の最も外側から周り続けなから、やがて核心へと迫ってくる役柄だが、持ち前の男前なダンスの切れ味と、元宝塚月組トップ娘役という出自から放つ無垢なものが、並び立って作品を底支えした力は絶大だった。

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また、森を取り巻く女性たちの中でも大きなパートを担っている藤田奈那の表現力が格段の進歩を遂げているのも大きく、初演時に残っていた固さが完全に払拭され、しなやかに舞台に位置していたのが、役割りをより鮮やかにする効果になった長岡美紅、PSYCHE、橋本由希子もそれぞれの表現がより豊かになり、舞台上での個性が更に明確になって、持ち場を固めているのが頼もしい。

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他方、初参加のメンバーでは、舞羽美海の宝塚雪組でトップ娘役を務めていた当時から群を抜いていた愛らしさ、可憐さがジャンルの異なるダンサーの中でひと際輝いただけでなく、退団後育んできた妖艶さや女性美が相まって何とも蠱惑的。優れたダンサーでもある一面も存分に発揮されていて、舞台をより高みへ引き上げる一翼を担っている。

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女性刑事役も務める田野優花は、『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』のサリー役が打ってつけだった姿を思うと、同じ女性かと見まごうほどのシャープな表現で魅了する。この人が新たに刑事役に扮したことが作中大きな意味を持つが、その展開を唐突に感じさせない存在感が際立った。伊藤佳耶芽もこの個性溢れる陣容の中で、きちんと自分自身を魅せているのが才能を感じさせた。

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そして町田慎吾が加わったことが前述したように、作品の骨格をより鮮明にしていて、元々憑依型の表現者である町田の、突き詰めた役柄の造形が強烈なインパクトを放っている。時にただ通り過ぎるだけという出番もある中にも、必然と意味を感じさせるのは流石の一言。ダンスと表現が全く浮かずに融合しているのも素晴らしい。この町田が対照にいることによって、木野村温子が誘う背徳の香りもよりくっきりと立ちあがる効果になっていて、初演時に比して一層役柄の必要性が高まり、木野村の身体表現はもちろん、怖さのある笑顔が印象的だった。

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これら新しい組み立て方によって日替わりゲストの出番が集約されたからこそ、その日替わり感が強まっていて、「悪の華」を思わせた初日の東山義久がもたらした残像がなんとも強烈。 中塚皓平、植木豪、長澤風海が刻むアクセントも、それぞれに鋭いものがあるだろう。
 
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総じて、クリエーターとしてはもちろん表現者としての森新吾の確かな進化が感じられる舞台になったことが嬉しく、「カンタービレシリーズ」の発展に更なる期待の高まる舞台となっている。 

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〈公演情報〉
『ダンスカンタービレ2018』Mori Shingo & 8 Foxy Girls
構成・演出・振付◇森新吾  
出演◇森新吾/風花舞 舞羽美海 藤田奈那/長岡美紅 PSYCHE 伊藤佳耶芽 橋本由希子 木野村温子/田野優花  町田慎吾 
日替りゲスト◇東山義久(12日) 中塚皓平(13日) 植木豪(13日夜・15日夜・16日) 長澤風海(13日夜・14日・15日昼) 
●12/12〜16◎博品館劇場 
〈お問い合わせ〉博品館劇場 03-3571-1003



【取材・文・撮影/橘涼香】



『暗くなるまで待って』


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ピアフそのものと感じさせる大竹しのぶ渾身の熱演と絶唱『ピアフ』上演中!

ピアフ()「私の回転木馬」

フランスが最も愛したと言われる歌手エディット・ピアフの愛と歌と波乱に満ちた人生を、大竹しのぶが歌い演じる舞台『ピアフ』が、日比谷のシアタークリエで上演中だ(12月1日まで。のち、広島、香川、大阪でも上演)。

ブロードウェイ、ウエストエンドで歴代の名女優によって演じ継がれてきたパム・ジェムスの傑作戯曲『ピアフ』を大竹しのぶが初めて演じたのは2011年のこと。2008年ジェムス自身がロンドンのドンマーウェアハウスでの上演の為に決定版として書き下ろしたものの日本初演で、大竹の熱演、熱唱、栗山民也の演出と共に瞬く間に大評判となり、大竹は読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞。その後、2013年、2016年の再演も大好評で、2016年大晦日の第67回NHK紅白歌合戦で「愛の讃歌」を大竹が熱唱。ピアフが憑依したと絶賛される大竹の歌唱が更に注目を集め、2018年4演目となる今回の公演も、発売わずか3日間で約18.000席が全席完売という熱狂を巻き起こしている。

【STORY】
エディット・ピアフ──本名エディット・ガシオン(大竹しのぶ)は、フランスの貧民街で生まれ、路上で歌いながら命をつないでいた。ある日、ナイトクラブのオーナーがエディットに声をかける。
「そのでかい声、どこで手に入れた」
「騒がしい通りで歌っても、歌をきいてもらうためだよ!」
オーナーに気に入られたエディットの歌声は「ピアフ──小さな雀」の愛称と共に、たちまちにして大評判となる。だが、彼女の心は常に愛を求め、孤独を恐れ続け、歌手としての成功がその渇望を埋めることはなかった。戦争、そして数々の恋、別れ。すべてがエディットを追い詰め、アルコール、やがてはドラッグへと手を染め、心と身体が蝕まれてゆく。それでもそれらすべてを糧にしたようにエディットはマイクの前に立ち、「愛」を歌い続ける……。

ピアフ(ぶ)とシャルル(宮原浩暢)

この作品の特徴は、ピアフの47年間の人生を数々の短いシーンの連続で表現していることだ。もちろん字幕などで年代や場所は提示されるものの、全体の流れとしては謂わばエピソードの畳みかける羅列で、短い場面が移る毎にピアフの置かれた状況や、直面している問題が変化しているから、観る者にも演劇的なイマジネーションの喚起を要求してくる。それでいて、観ていて全く混乱がないのは、劇中に差し挟まれた「愛の讃歌」「私の回転木馬」「バラ色の人生」「水に流して」等々の、ピアフの歌の数々が場面の飛翔を効果的につないでいるからに他ならない。歌手エディット・ピアフが劇中で役として歌っている設定、つまり音楽がドラマを進めるミュージカルとは異なる手法でありながら、紛れもなく音楽によってドラマが運ばれていく鮮やかさは、この作品にしかない醍醐味だ。演出の栗山民也が4演目にして更にスピーディに作品をブラッシュアップしていることも、この効果を高める要因になっている。

そして何よりも大竹しのぶのピアフの見事さが、作品に太く確かな芯を通していることが、すべての根幹を握っている。「ピアフが舞い降りた」とも、「ピアフが憑依した」とも称される大竹の渾身の熱演には、最早畏敬の念を覚えるほどの凄味がある。実際幕が下りて、いったいどの瞬間に大竹は、自分自身を取り戻すのだろう…と、想像しようとしても全く見当がつかないほど、劇中の大竹は愛を求め、苦しみにのたうちながらも、歌うことをやめなかったピアフその人にしか見えない。魂の歌声の数々も胸を打ち、決して品が良いと言えないピアフの数多の言動が、歌っている時だけは神々しさを湛えるのも、すでに演技の域を超えているのではないか?と思わされ、終幕の「水に流して」の絶唱にはただ涙を禁じえない。チケットが売り切れなのに、こんなことを書くのも憚られる想いがするが、それでもこの「ピアフ=大竹」の歌唱は、やはりこの劇中で『ピアフ』が上演されている劇場の客席でなんとしても聴いて欲しい、そんな想いが湧き上がる舞台だ。

ピアフ(大竹しのぶ)「愛の讃歌」
 
また共演者が主な役柄だけでなく、様々な時代と立場でピアフと関わった人々を演じていくのもこの作品の特徴で、全員で歌われる「リリー・マルレーン」の力感など、大竹を囲む面々の力も作品にしっかりと寄与している。
中でも、大竹と共に初演からこの作品への出演を続けている梅沢昌代、彩輝なお、辻萬長が舞台『ピアフ』に欠かせないピースとして果たす役割が大きい。
ピアフの生涯の親友トワーヌの梅沢は、ピアフの環境がどう変わろうと友人であり続けるという、稀有な人物設定に真実味を与える地に足のついた演技で魅了する。粗野でちゃっかりしたところもありながら、心根は真摯なこの友がいたことが、劇中のピアフのひいては観客の救いにもなる存在としての梅沢の功績が、2016年菊田一夫演劇賞受賞につながったのも当然とうなづける。
また、マレーネ・デートリッヒの彩輝は、誰に対しても自我を貫き通すピアフに対等にものが言える、ほぼ唯一アドヴァイスができる人物として強い印象を残している。元宝塚歌劇のトップスターだった人ならではの男装の美しさ、ゴージャスなドレスの着こなしも鮮やかで、演じ歌うことに抑制を利かせられるマレーネをピアフの対照として描き出し、出番の長さ以上に劇中に屹立させた様には、女優・彩輝の成長も感じさせた。もう一役これも大きな役柄で、ピアフの秘書を務める極度の近眼の女性を演じるが、マレーネとの出番が相当な早替わりであるはずなのに、ちゃんと全く別の人物として登場してくるのも見応えがある。
もうひとり、そもそもピアフを見出すナイトクラブのオーナーなどを演じる辻も、ここからピアフの運命が変わっていく人物を、大きな造形で演じて抜群の安定感。最早この人が「そのでっかい声、どこで手に入れた」という台詞を発してくれることが、この作品が動き出す合図とも感じられて、ワクワクさせられる。

ピアフ()とシャルル(宮原浩暢)薔薇

そんな初演からのメンバーに、前回公演から続投の川久保拓司がピアフを支え続けるマネージャーを、出番の度に年齢をきちんと重ねていることを巧みに表現した演技で魅了すれば、イブ・モンタンの大田翔が伸びやかな美声を響かせるカンツォーネの魅力で強いアクセントを残している。
更に、今回公演から新たに加わったメンバーがまた豪華で、シャルル・アズナブールの宮原浩暢が持ち前の歌唱力だけでなく、演技力も長足の進歩を遂げていることを鮮やかに示してくれる。アズナブールは、奇しくもこの9月に来日コンサートを果たし、僅かひと月後の10月に94歳で帰らぬ人となったが、文字通り生涯をシャンソン歌手として全うした偉大なる歌手アズナブールを、きちんと造形して頼もしい。

ピアフ()とマルセル・セルダン(駿河太郎)

ピアフが生涯で最も愛し、その事故死から精神のバランスを崩してゆくマルセル・セルダンの駿河太郎にある温かいぬくもりを感じさせる持ち味と、ピアフ最後の恋人テオの上遠野太洸のカットガラスのような繊細な美しさが、それぞれの役柄に生きていて作品の彩りを深めている。
もう1人、冒頭の司会者をはじめ様々な役柄を演じる上原理生の参加がなんとも贅沢で、ミュージカル界の大きな存在である上原が、歌手ではない役どころで作品を支えた姿に『ピアフ』が演劇界で如何に大きな演目になっているかを改めて感じさせた。

ピアフ()とテオ・サラボ(上遠野太洸)

またこの公演に先立ち、ピアフの命日である10月10日、大竹しのぶによるピアフ楽曲初の音源化であるアルバム「SHINOBU avec PIAF」が発売。このアルバム曲を中心に、2019年1月には大竹しのぶ初のピアフコンサートが兵庫、東京、名古屋で開催されるなど、「大竹=ピアフWORLD」が更なる広がりを見せていて、舞台『ピアフ』が生み出した熱量の大きさを実感する時間になっている。

【囲み取材】
 
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彩輝なお、大竹しのぶ、梅沢昌代

この公演の初日を翌日に控えた11月3日、囲み取材が行われ、大竹しのぶ、梅沢昌代、彩輝なおが公演への抱負を語った。

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──いよいよ明日から初日ということですが
大竹 さえちゃん(彩輝)、梅ちゃん(梅沢)はじめ初演からのメンバーと新しいメンバーと、まだ少し緊張があります。でももうはじまっちゃうので皆と力を合わせてまた新しい気持ちで頑張りたいなと思います。
梅沢 「全員野球」で頑張りたいと思います!
彩輝 皆で力を合わせて頑張ります。
──4度目の再演ということですけれども、4度目ともなると気持ちはいかがですか?
大竹 やはり4回目という方がどんどんプレッシャーが大きくなってきているかな?と思います。初めてご覧になる方もたくさんいらっしゃると思いますが、やはり1回目から2回目、3回目、といらしてくださって、4回目はどんなものになるのだろう?と楽しみにしてくださる方も多くて、ということは前よりは絶対に良いものも出さなければならない。二人とも話していたのですが「前の方が良かったね」ではなく、前はあの時のベストであった、今は今がベストなんだなと思えるようにしたいなとは思っています。
──すでにチケットは完売ということなのですが。
大竹 とてもありがたいなとは思いますが、当日券をちょっとは残さないと劇場としてはいけないんじゃないかなって(爆笑)。でもありがたいですし、あまりそういうことは考えないようにとも思っています。

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──チームワークはバッチリですか?
大竹 はい! 女三人で男共に「しっかりしろ〜!」みたいな感じで声をかけます(笑)。
──今回、CDも出されたということで。
大竹 ピアフの曲のCDとコンサートがあるんですが、CDはCDで音楽として1曲、1曲なので、やっぱりこの舞台(で歌うの)とは違う感じです。でも梅ちゃんも聞いてくれて。
梅沢 とっても良かったです。違っていてね。
大竹 そう、舞台とは違う歌い方で。でもピアフの歌というのはそれだけ皆に愛されるんだなというのをすごく思います。何十年も前の歌なんだけれども全然古くないし、悲しい歌でも力強いので聞いていて勇気をもらえるのを感じます。
──コンサートツアーは兵庫で追加公演も出たということで。
大竹 そうなんです。ありがとうございます(拍手)。でも今はこの舞台のことで頭がいっぱいで、1日、1日をね、梅ちゃんが言った言葉で「舞台に命を懸けるまではできないけれども、命を削るくらいのことは毎日」ってね。
梅沢 お芝居って完成はないから、だから毎日頑張らないといけないですし、新しい発見もありますから。


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──4演目をご一緒なさって大竹さんとはいかがですか?
梅沢 毎日毎日ライブ感がある方なんで楽しいです。決めておかなくてもその場で起こることもあって、毎日新しい場面ができていると思います。
──親友役ですよね?
梅沢 売れない娼婦なので、こんなに汚い恰好で申し訳ないのですが(笑)。
──大竹さんの魅力は?
梅沢 本当に命懸けですよ、いつも。だから悩むし、疲れるし、でも頑張るという熱があります。「まぁいいか」(※大竹が朝日新聞紙上で連載中のエッセイのタイトル)ではなくて、頑張るって言ってますね。

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──彩輝さんからご覧になっては?
彩輝 芝居は、おこがましいかも知れませんがとてもチャーミングで、魅力的で惹きこまれる部分があって、それは魂から演じられているところと、普段からの可愛らしさというところがあると思います。
──彩輝さんご自身は4演目でいかがですか?
彩輝 今回改めて自分の中で構築してきた部分もありますから、今はちょっと緊張しています。
──さっきおっしゃった女三人でコミュニケーションなどは?食事会なども?
梅沢 やったわね。
大竹 結構行ったね。あとは男共も連れていってあげたり(笑)。最初はやっぱり初めての人などは、女三人が怖いみたいで近寄れない感じがありましたが(笑)、今は大丈夫になりました。

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──笑福亭鶴瓶さんの息子さん(駿河太郎)が初めて参加されましたが、上達ぶりは?
大竹 それは皆一緒なんです。皆そうやって一生悩む仕事なので。
梅沢 色々な役をやるシーンがありますから、それを楽しんでねとは言いましたね。
──舞台の上でのラブシーン、裸になるシーンもあるそうですが。
大竹 彼にはね。私は裸になりません(笑)。
──キスシーンについては?
大竹 私は別に…向こうはどう思っているかわかりませんが(笑)。でも綺麗なシーンですから、私は大好きなシーンです。
──製作発表会見以降お父様の鶴瓶さんとお話されたりはしましたか?
大竹 別件でお会いしたことはありましたが、舞台に関してのお話はしませんでした。でも「観にいかなければ」という風にはおっしゃってくれていました。

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──改めて見どころは?
大竹 ピアフの時代、戦前と戦後、また人を愛するということ、愛の物語など、人として基本的なものがいっぱい詰まった話しです。やっぱりあとはエネルギーでしょうか。1場面、1場面本当に短いんですけれども、それを役者が創り上げていくエネルギーを観て頂きたいです。
梅沢 今までご覧になったお客様が「エネルギーをもらった」とおっしゃってくださるので、今回ももっと渡せたらなと思います。
彩輝 演出の栗山(民也)さんが「動物的な人間の生き様、人生をそれぞれが鮮烈に生きているということを皆で感じたら、魂が伝わる」とおっしゃっていらしたので。
大竹 「全てが電子化されていって、何も感じなくなっている若い人が多いから」と話されていて、そうじゃないものを作品から感じて「動物的に生きろ」とよくおっしゃいますね。
──素敵なナンバーが多いですが、どの曲がお好きですか?
大竹 「私の神様」とか「水に流して」が好きですね。

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公演情報〉
『ピアフ』
作◇パム・ジェムス
演出◇栗山民也 
出演◇大竹しのぶ、梅沢昌代、彩輝なお、宮原浩暢(LE VELVETS)、上遠野太洸、川久保拓司、大田翔、上原理生、駿河太郎、辻萬長、万里紗
●11/4〜12/1◎シアタークリエ(東京)
〈料金〉11,500円(全席指定・税込)
〈キャンセル待ち受付〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9時半〜17時半)

全国ツアースケジュール
●12/4◎JMSアステールプラザ大ホール(広島)
〈お問い合わせ〉TSS事業部 082-253-1010
●12/11〜12◎レクザムホール(香川県県民ホール)小ホール(香川)
〈お問い合わせ〉県民ホールチケットセンター 087-823-5023
●12/15〜17◎森ノ宮ピロティホール(大阪)
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888





【取材・文・撮影/橘涼香】



えんぶ最新号


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食べることの大切さと心の交流の美しさ ミュージカル『深夜食堂』上演中!

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国境を超えて世界中で愛され、第39回日本漫画家協会賞大賞を受賞した安倍夜郎の『深夜食堂』。ドラマ、映画も大ヒットを記録したこの人気作品が心温まるミュージカル作品となって、新宿シアターサンモールで10月26日から上演中だ(11日まで)。

日本で生まれ、メディアミックスの人気作品となった『深夜食堂』はお隣の国韓国で初ミュージカル化がなされた。脚本は第2回「韓国ミュージカル・アワーズ」で脚本賞を受賞したジョン・ヨンが担当。作曲は、日本でも話題となった『キム・ジョンウク探し( 『Finding Mr.DESTINY)』『オー!あなたが眠っている間に』など韓国ヒット作の常連となっているキム・ヘソンが担当。今回の公演は謂わばその逆輸入となる上演で、演出は重層的でミステリアスな作風と同時に、人間模様を細やかに描き分ける荻田浩一が手がけ、マスター役の筧利夫をはじめ、多彩なジャンルから集まったキャスト陣が、深夜にひっそりと開店する「めしや」に集う人々を、ユーモアとペーソスを加えて演じている。

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【STORY】 
深夜0時、看板もないその食堂は静かに店を開ける。メニューは豚汁定食だけだが、勝手に注文すれば出来るものは出してくれる。タネも仕掛けもないそんなマスターの素朴な料理を求めて、今日も「めしや(深夜食堂)」には、大勢の常連客が、それぞれの想いの中で、心の拠り所になるメニューを注文していく……
 
舞台は上手に「めしや(深夜食堂)」の店内。下手に夜の街のネオンというワンシチュエーションの中で進んでいく。様々な人の出入りはあるし、そこではケンカも、恋も、親子の情も、悲しい思い出も語られるが、決して派手なことは起こらない。それでも登場人物それぞれが抱える孤独、人のぬくもりを求める心が、大笑いしながら客席に共振していく様が見事だ。およそミュージカルらしからぬ筋立てだと思うのに、不思議なほどどのナンバーも世界観から浮くことなく、場面を飛翔させ、また何事もなかったかのように「深夜食堂」の店内に収れんされていく様は、ミュージカルならではの喜びに満ちている。原作はもちろん、様々なメディアで展開されているこの作品がミュージカルとして成立すると信じた、韓国のクリエーターたちの慧眼に驚かされるし、その「翻案ミュージカル」を生まれ故郷の日本の感覚に親和させた、荻田浩一の丁寧な仕事ぶりも光った。

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そんな「深夜食堂」で常連客を迎えるマスターを演じる筧利夫は、過去に何か大きな傷を負っていることが明らかで、だからこそ誰がどんな事情を抱えていても、黙々と料理を差し出すマスターを、飄々とした佇まいの中で演じている。台詞の声に独特の味わいと軽やかさがあり、それがミュージカルナンバーのソロで声を張った時のパワフルさとのよい対比を生んでいて、マスターの奥深い人物像がより一層表現されていた。動きの決して多くない中で、筧が放つ存在感が作品の要になっている。
 
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マザコンで、ストリッパーのマリリンにぞっこんの忠の藤重政孝は、一見およそ頼り甲斐がないようでいて、芯に揺るぎないものを持つ男を巧みに表出している。外見がカッコ良くなってしまうと違ってしまう忠を、思い切りよく具現化していて尚、母親に向ける眼差し、マスターに敢えて過去を尋ねる心根が実にカッコいい。歌唱力にも秀で、本人はもちろんキャスティングの妙に喝采だった。

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ゲイバーのママ小寿々の田村良太は、正直に言うとはじめにキャスティング表を見た時に、歌唱力抜群の若々しい田村が初老のゲイバーのママ役?と、二度見したほど驚きがあったのだが、初老という設定こそややぼかしていたが、舞台では実にしっとりとした落ち着きと、恋に一途な想いを表現した小寿々になりきっていて、これはもう脱帽もの。もちろん持ち前の歌唱力も活かされ、自分からは距離のあっただろう役柄に果敢に挑戦し、大きな成果を納めた田村に敬意を表したい。

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小寿々が恋するヤクザ剣崎竜の小林タカ鹿は、甘いマスクと抜群のプロポーションを駆使して、仁義を守り、強面だが心優しいヤクザをキリリと決めて演じている。こういう人物が突然歌い踊るのがミュージカルならではの可笑しみで、小林が大真面目だからこそ面白い効果を生んでいる。他にも多彩な役柄を演じ、時にはしばらく小林だと気づかなかったことさえあるので、是非注目して欲しい。

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剣崎の舎弟のゲンの碓井将大は、こういう役柄にありがちの虎の威を借る狐の小物さをふんだんに出しつつ、決して嫌味にならない可笑しみを醸し出して楽しめる。この人も他にもかなり印象的なキャラクターを演じ分けていて、その早替わり、変身の妙も楽しい。

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忠の永遠のマドンナ、マリリン松嶋のエリアンナは、ストリッパーという職業を天職だと信じ、プライドも実力も持ち合わせている女性を堂々と活写している。好きな人が変わる毎に本人の食べ物の嗜好も変わるという一途さもあって、エリアンナのパワフルボイスとチャーミングさが共に活かされた好演だった。

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路上で歌うシンガーソングライター千鳥みゆきのAMI(アミ)は、この役柄に必要不可欠な透明感が全身から感じられるのが何よりの魅力。ねこまんまが食べたいという彼女の思い出の味が、胸に迫る展開をよく支えていた。
 
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深夜食堂にいつも三人でやってきてお茶漬けを注文する「お茶漬けシスターズ」の「鮭」の谷口ゆうなは、ダイエットしなければ!という強迫観念に常にかられながら、美味しいものの誘惑に勝てないという役柄を、なんとも愛らしく演じている。豊かな歌唱力で食べることの幸福と誘惑を歌う姿は感動ものだった。

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同じくお茶漬けシスターズの「明太子」の愛加あゆは、この人が運命の人を待ち続けていて行き遅れているということは、よっぽど理想が高いに違いない!と見た傍から思わせるキュートさで、ドライな物言いとのギャップが面白い。宝塚時代に相手役だった壮一帆と、大げんかのシーンもあり、女優同士としての二人の相性の良さも再確認できるのが嬉しい。

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その「お茶漬けシスターズ」の「梅」の壮 一帆が、三人の中でも特に強烈な「いつか王子様が」思考を持ち合わせた女性を、嫌味なく思いっきりよく演じていて清々しい。愛加との言い合いでむしろ受け手になっているのも面白いし、二人が仲直りにいつも互いが頼んでいたお茶漬けを頼み合う姿にもグッとくる。元トップコンビが信頼感のある女優同士として互いにぶつかり合っている姿には、こちらも幸福にしてもらえる力があった。

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全体に、都会の片隅にそれぞれの生活には立ち入らず、でも1人ではない場所「深夜食堂」の存在が温かく、ミュージカルという演劇形態の懐深さと、人間賛歌が感じられる舞台になっている。尚、観劇中にお腹が空くこと請け合いの仕掛けもあるので、観劇帰りに大切な誰かと飲んだり食べたりもとても素敵だと思う。そんな食と心のふれあいを感じられる素敵なミュージカルだ。
 
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〈公演情報〉
AD深夜食堂
 
ミュージカル『深夜食堂』
原作著作◇安倍夜郎「深夜食堂」(小学館)
Book&Lyrics by JEONG, YOUNG 
Music by KIM, HAESUNG
演出◇荻田浩一
日本語上演台本・訳詞◇高橋亜子
出演◇筧利夫 
藤重政孝 田村良太 小林タカ鹿 碓井将大 エリアンナ AMI(アミ) 谷口ゆうな 愛加あゆ 壮 一帆
演奏◇熊谷絵梨(Pf)、相川瞳(Perc.)、中村康彦(Gt.)、中村潤(Vc.)
●10/26〜11/11◎新宿シアターサンモール
〈料金〉8,200円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉info@meshiya-musical.com
〈公式HP〉http://meshiya-musical.com
〈公式ツイッター〉@meshiya_musical



【取材・文・撮影/橘涼香】





チケット半額セール実施中


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タイタニック号の悲劇を人間ドラマとして描く傑作ミュージカル『タイタニック』上演中!

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ミュージカル『タイタニック』が3年ぶりに帰ってきた。
現在、東京公演を10月1日から開幕、13日まで日本青年館ホールにて上演中だ。(10月17日〜22 日まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで公演)
その舞台の観劇レポートを、プレスコールの写真(オープニング場面のみ)とともにお届けする。

ミュージカル『タイタニック』は、豪華客船タイタニック号の沈没という歴史上の出来事をベースに、乗船していた人々の人生にスポットを当て、船の沈没という状況の中で描き出していく群像ミュージカルの傑作だ。1997年にピーター・ストーン原作、『NINE』『グランドホテル』『ファントム』など数々のヒットミュージカルを手がけたモーリー・イエストンの音楽・作詞で、ブロードウェイで上演され、1997年度トニー賞、最優秀ミュージカル作品賞、最優秀ミュージカル脚本賞、最優秀作詞作曲賞、最優秀ミュージカル装置デザイン賞、最優秀絹曲賞の5部門受賞の快挙を果たした。
 
その作品をもとにトム・サザーランドの新演出で、タイタニック号沈没後100年を迎えた2013年、ロンドンで上演されて大評判となり、2015年には日本版が初演、こちらも大人気を博した。今回はその再演となる。

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トム・サザーランドの演出の大きな特徴は、「船の悲劇ではなく、実際にそこに生きた人々の物語である」という考えで解釈、新たに作り直されたところにある。  
その具体的な例では、もとの台本では冒頭は設計者アンドリュースがタイタニックの偉大さを語るシーンだったが、沈没事故の責任を問う裁判の場面に変更され、被告席に立つ船主イスメイがタイタニックに託した人類の夢を語るという形になっている。 
また舞台美術に関しても、装置を絢燭に大掛かりに作ってしまうことで、「船」そのものに必要以上に観客の注意が向いてしてしまうことを避けるために、基本的に舞台奥のバルコニーと可動式の階段のみというシンプルなものにしている。

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さらに、ブロードウェイ版の台本では30人程だったキャスト数を20人程に減らし、これにより1人の役者が演じる人物の数が多くなり、例えば1人のキャストが一等客から三等客まで、早替えをしながら演じ分けていく。これは「タイタニック号の沈没は階扱社会の終焉である」という演出家の解釈に基づいたシステムで、「着ている服が違うだけで、一等客も三等客も、中身は皆同じ1人の人間なのだ」というメッセージが込められている。

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そのほかにも氷山衝突事故及び沈没の責任の所在を問う場面なども変更され、人間を尊重するトム演出の信念があらゆる場面で生きて、壮大な人間ドラマを構築することに成功している。

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キヤストには、初演に続き同じ役で出演する加藤和樹、藤岡正明、戸井勝海、薄田英佑、上口耕平、小野田鶴之介、栗原英雄、安寿ミラ、佐山陽規。初演とは別の役に挑戦する鈴木壮麻と菊地美香。新キャストとして加わる相葉裕樹、渡辺大輔、木内建人、百名ヒロキ、吉田広大、小南満佑子、屋比久知奈、豊原江理佳と、多彩な顔ぶれでの今回の上演となった。

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オープニング「出航」の場面、舞台上にタイタニック号の内部と甲板の風景が広がる。
次々と乗り込んでくる関係者、乗り組み員、そして船の客たち。 
M1の序曲では全キャスト22人が次々とタイタニック号への希望と夢を歌い上げるハーモニーが美しく迫力がある。

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船の関係者は、設計士アンドリュース(加藤和樹)、オーナーのイスメイ(石川禅)、スミス船長(鈴木壮麻)、そして一等航海士マードック(津田英佑)、二等航海士ライトーラー(小野田龍之介)、見張り係フリート(吉田広大)、通信士ブライド(上口耕平)、一等客の客室係エッチス(戸井勝海)、機関士バレット(藤岡正明)、さらにバンドマスターのハートリー(木内健人)やベルボーイ(百名ヒロキ)らが乗船している。

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乗船客は一等から三等まで分かれていて、豪華な待遇の一等客、富裕層と貧しい階級の中間にいる二等客、船底に押し込まれる三等客。タイタニック号に乗り合わせたそれらの人々が、それぞれの価値観や人生観、夢、愛を歌い上げ、その中に英国の階級社会や新天地アメリカへの期待などが浮かび上がる。

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初出航の希望に満ちて進むタイタニック号だが、一刻も早くニューヨークに到着して、この船の素晴らしさを宣伝したいオーナーのイスメイ(石川禅)は、スミス船長(鈴木壮麻)にスピードを上げるように指令を出す。 
設計士のアンドリュース(加藤和樹)は安全に進むべきだと主張するが、スミス船長は通信士ブライド(上口耕平)が伝えた氷山の情報を軽視。イスメイの指令通りにスピードを上げたタイタニック号は、氷山へ衝突する。 

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難破したタイタニック号、乗船していた人々の悲劇が始まる。
一等客室のためスペースを取られ、救命ボートは乗客者全員の分は用意されていなかった。そのために振り分けられる船客たち。一等客の女子供から順に優先的に避難することになり、三等客は出てこられないように鍵をかけられてしまう。改めて浮き彫りになる階級格差や人間の卑しさ。だが同時にそんな中で人としての尊厳を保つ人々もいて、その美しさと気高さには胸を打たれる。

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約2時間30分の上演時間に、全29曲もの歌がふんだんに散りばめられ、それぞれの登場人物の感情や思いが丁寧に紡ぎ出され、どれも聴き応えがある。
なかでも暗示的なのは、1幕終わりに見張り役のフリート(吉田広大)、船内の船長(鈴木壮麻)とマードック(津田英佑)とライトーラー(小野田龍之介)たちが歌い上げる「月無夜」、また、そこに流れるバンドマスター・ハートリー(木内健人)の「秋」。どちらもメロディが美しいが、これからの航海の不安を感じさせるような曲調になっている。 

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機関士のバレット(藤岡正明)のソロも印象的で、苛酷な労働への怒りを歌う「バレットの歌」、そして恋人への無線の電文を歌う「プロポーズ」のリプライズも含めて、その人間らしさが心に残る。
 
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階級が違うことでアメリカに駆け落ちするカップル、チャールズ・クラーク(相葉裕樹)とキャロライン・ネビル(菊地美香)のデュエット曲「この手をあなたに」は、階級を超える2人の愛を力強く優しく伝える。
また、二等客室のビーン夫妻の妻のアリス(霧矢大夢)は、上流社会への憧れがあるが、そんな妻に夫のエドガー(栗原英雄)は「人間に上下はない」と歌う。含蓄に富んだ歌だ。

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三等客の中にいる3人のケイト、ケイト・マクゴーワン(小南満佑子)、ケイト・マーフィー(屋比久知奈)、ケイト・ムリンズ(豊原江里佳)。アイルランド出身の3人が、新天地アメリカでの夢を他の移民たちとともに歌う合唱曲「なりたい メイドに」は、彼らの夢と希望が溢れている。

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避難場面では、一等客室のストラウス夫妻が歌うデュエット「今でも」が心に沁みる。夫のイシドール(佐山陽規)を残して自分だけ避難することを拒むアイダ(安寿ミラ)、長年連れ添った夫婦の絆を感じさせる歌だ。

そして最後のシーンで歌われる船を離れていく人々との別れの合唱「また明日、きっと」が、切なさを掻き立て、出航前に歌われた「いつの世も」と主題歌「征け、タイタニック」が、フィナーレでレクイエムのようにリプライズされる。どの曲も名曲揃いで、だからこそこのタイタニック号の悲劇が、ことさら胸に迫る。
登場人物たちそれぞれの人生の重みを感じる作品だけに、もし複数回の観劇が可能であれば、さまざまな人物の生き方を通して、また作品世界を見直してみたくなる、そんな奥の深い傑作ミュージカルだ。

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〈公演情報〉
ミュージカル『タイタニック』
脚本ピーター・ストーン
作調・作曲モーリー・イエストン
演出トム・サザーランド
出演◇ 加藤和樹、石川禅、藤岡正明、戸井勝海、相葉裕樹、津田英佑、渡辺大輔、上口耕平、小野田龍之介、木内健人、百名ヒロキ、吉田広大、栗原英雄/
霧矢大夢、菊地美香、小南満佑子、屋比久知奈、豊原江理佳、須藤香菜/
安寿ミラ 佐山陽規 鈴木壮麻
● 10月1日(月)-- 10月13日(土) 日本青年館ホール
 ●10月17日(水)-- 10月22 日(月)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 (東京) 0570-077-039  (大阪)06-6377-3888
公式twitter〉@MusicalTitanic



【文/佐藤栄子 撮影/友澤綾乃 】


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乃木坂46×けやき坂46による手塚治虫の不朽の名作『七色いんこ』上演中!

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漫画界の巨匠・手塚治虫の不朽の名作「七色いんこ」を原作とした舞台『七色いんこ』が、10月4日、 AiiA 2.5 Theater Tokyo にて開幕した。(10月8日まで)
その初日、4日の昼に公開ゲネプロが行われた。
 
舞台『七色いんこ』原作は、1981年から1983年まで週刊少年チャンピオン(秋田書店)に連載された手塚治虫の漫画作品。代役専門の天才役者にして泥棒という異色のキャラクター「七色いんこ」を主人公にした犯罪活劇となっている。
七色いんこは、観客から盗みを働くのを劇場と劇団が見逃すことを条件に、どんな代役でも引き受けて見事に演じのける。そんな彼に恋心を抱きつつも、彼を捕えようとしつこく追い回す女刑事の千里万里子。世界を舞台に、数々の演劇を下敷きにしたストーリーが展開する。 
 
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この作品では「乃木坂46」と「けやき坂46」が、坂道シリーズの垣根を越え初共演する。
軽妙洒脱な主人公、七色いんこを演じるのは乃木坂 46 の伊藤純奈、恋心を抱きつつも七色いんこを追う警視庁の刑事でヒロイン役の千里万里子は、けやき坂 46 の松田好花。

また今回は女性だけのカンパニーでの上演となっている。主人公を囲む個性溢れるキャラクターたちに扮するのは、豊島美優、今村美歩、岡村さやか、さらに柿丸美智恵や宝塚出身の悠未ひろなど実力派女優たちが脇を固めている。

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【コメント】
この公演で七色いんこと千里万里子を演じる伊藤純奈と松田好花からコメントが届いた

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伊藤純奈(乃木坂46)/七色いんこ役
今日、初日を迎えますが、今回、稽古中に私と好花ちゃんが揃う時間がちょっと少ないなか、演出家の三浦(香)さんをはじめ、キャストの皆さんがすごく優しく、いろいろなことを教えて下さったので、なんの心配なく初日を迎えられそうです!セットや衣裳が今までにない感じで、そのあたりもすごく楽しんでいただけるのではないかと思います。特にセットは大きく動くので、1人1人をフォーカスして観るだけでなく、全体の絵を意識して観ていただけたらいいなと思っています。

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松田好花(けやき坂46)/千里万里子   
本格的な舞台への出演が 2 回目なので、純奈さんとは逆で、初日を迎えるにあたってとても緊張していて、どうなってしまうんだろうという気持ちがあるのですが、演出家の三浦さんも共演者の皆さんも、たくさんアドバイスをくださったので、それをしっかりと本番の舞台で活かせるように頑張りたいと思います。今回、衣裳もセットも全体におしゃれで、美術館を見ているような気持になっていただけるのではないかと思うので、そのあたりにも注目して観ていただけたらと思います。

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〈公演情報〉
舞台『七色いんこ』
原作◇手塚治虫
脚本◇畑 雅文
演出◇三浦 香
出演◇伊藤純奈(乃木坂46) 松田好花(けやき坂46) /
豊島美優 今村美歩 岡村さやか 高橋紗妃 蘭舞ゆう 後藤紗亜弥 山紫生 清水 彩 藤山由依 伊藤菜実子 雄賀多あや 内藤由利子 亀岡菜花 久保田真理 /
柿丸美智恵 /悠未ひろ
●10/4〜8◎AiiA 2.5 Theater Tokyo
〈公式twitter〉https://twitter.com/s_nanairoinko
〈お問い合わせ〉東京音協 03-5774-3030(平日 11:00〜17:00)

(c) Tezuka Productions (c) 舞台「七色いんこ」製作委員会



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