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OG公演レビュー

しりあがり寿の名作漫画の舞台化!おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん」双 上演中!

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カメラマン:鏡田伸幸

十返舎一九の『東海道中膝栗毛』から着想を得たしりあがり寿の漫画『真夜中の弥次さん喜多さん』の舞台版で、昨年1月に上演された「おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』」。その好評を受けて、続編にあたる「おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』双(ふたつ)」が、6月21日から全労済ホール/スペース・ゼロにて上演されている。(25日まで)

しりあがり寿ならではのシュールな世界感が描かれた漫画を、演出の川尻恵太が、歌、ダンス、パフォーマンスを絡めたエンターテインメントな「弥次喜多もの」に仕上げたこの舞台は、若い観客にも大きな支持を受けた。
出演者は、昨年に引き続き、弥次郎兵衛役の唐橋充と喜多八役の藤原祐規、そして共演に元宝塚雪組トップ娘役の愛原実花をはじめ、松本寛也、岡田あがさ、加藤良輔 米原幸佑など、幅広く舞台で活躍する俳優陣が顔を揃えている。
 
この作品の公開舞台稽古が6月21日の初日前に行われた。

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【あらすじ】
「いざ、お伊勢参りへ」。ドラッグ中毒に苦しみ死後の世界に憧れる喜多さんと、その優しき恋人・弥次(男)さんは喜多さんのドラッグ中毒を治すために伊勢への旅に出た。2人は曰く付きの愛し愛される恋人同士。当然のように、彼らの道中には、いくつもの困難が立ちはだかる。初演からのキャラクターの万ジョン次郎が登場すれば、シロ(犬)が飛び出し、今作オリジナルキャラクターのヒサオとアケミが入り乱れ、しりあがり的(?)カオスな世界が展開される。彼らの愛はどこに向かうのか?

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弥次さん(唐橋充)と喜多(藤原祐規)さんが長屋に現れ、「ふりだしに戻ってきた」と弥次さんが唐突に言う。どうやら何かを始める、あるいは何かを始めようとしていたのだが、どこかで間違いがあって戻ってきしまったことを暗にほのめかしているようだ。
それは、前作からの引き続きのようにも見えるし、まったく中断された場所からの突然のスタートのようにも見える。
そしてオリジナルキャラクターの引きこもりのヒサオ(松本寛也、米原幸佑、石田隼の3人が場面によってストーリーによって演じ分ける)とアケミ(愛原実花、岡田あがさ、古谷大和も同様)がなにやらゲームをしているのだが、弥次さん喜多さんとどんな関係があるのか…?ちょっとしたカオスな空間を作り出す川尻恵太のオリジナリティー溢れる演出だ。
 
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カメラマン:鏡田伸幸
 
そこから弥次さんと喜多さんは旅に出るのだが、ある町に辿り着く。
二人は旅を続けていくのだが、そこからは一気にシュールで夢魔的な光景が広がって、それぞれ愛を試されるような出来事に出会うことになる。そんな彼らの結末は? すべては夢か妄想なのだろうか?

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愛原実花はコメディセンスを発揮しながら何役かを演じ分けてみせる。男役の場面も凜々しくキュート。松本寛也は役柄ごとに見せる自在な変化が素晴らしい。岡田あがさは狂気に満ち、松本祐一は女装や動物までこなす。古谷大和、足立英昭、田代哲哉、福井将太、加藤良輔といった実力ある俳優たちが何役もで登場、物語を賑わし、それぞれ歌にダンスに芝居に大活躍だ。超常的な石田隼や、抽象的なある概念までこなす米原幸佑は見事というしかない。
 
そして、なんといっても主役の2人は当たり役。藤原祐規は、デカダンでありながら決してそこに堕していない喜多八の純粋さを、可愛ささえ感じさせながら演じる。また、良い意味で「受け」に徹して、周りの役者たちとの絶妙なバランスで、物語を膨らませる。
唐橋充は、どこまでもポジティブで、どこまでも愛を生き抜く弥次郎兵衛。己の信念を貫き、そして貫徹しようとする心意気がかっこよく、男らしさと優しさに溢れ、愛を信じ続けようとする良い男だ。

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カメラマン:鏡田伸幸
 
統制のとれたダンスもロックな歌もノリノリで、ストーリーを追わなくても笑って泣けて楽しめて、さらに、弥次喜多の愛のかたちに、他者に対する思いやりや優しさ、死者への慈しみまであらゆる愛を重ね、深く感動する。実に奥行きの深いエンターテインメントになっている。

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カメラマン:鏡田伸幸
 

【囲みインタビュー】

公開稽古後に出演者の囲みインタビューが行われ、唐橋充、藤原祐規、愛原実花、松本寛也、岡田あがさ、松本祐一、古谷大和、足立英昭、石田隼、田代哲哉、福井将太、加藤良輔、米原幸佑が登壇した。

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田代、足立、松本祐、岡田、古谷、石田、福井
松本寛、愛原、唐橋、藤原、米原、加藤 

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福井将太(添乗員役
ほか
最高のメンバーで弥次喜多の世界をみなさんに届けることができるのでワクワクしています。最後まで一つ一つ丁寧に演技を積み重ねていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

石田 隼_YK11553
石田隼(神様役ほか)
今回5役を演じさせていただきましたが、その全部を精一杯愛して、みなさんに弥次喜多の作品を端から端まで楽しんでいただけたらと思います。

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古谷大和(パメラ・マローン役
ほか
楽しみに観劇に来てくださった方のほっぺをぶん殴るような衝撃的な作品をお送りできるように吹っ飛ばしていきたいと思います。

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岡田あがさ(オミツ役
ほか
ジェットコースターに乗っているようなカオスがありますが、そこに精一杯しがみついて、一生懸命やらせていただこうと思います。

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松本祐一(リー・ファン役
ほか
カオスな世界に僕らも負けないように、舞台で生きてお客さんをカオスに引っ張り込んで、みんなで楽しめるような作品にしていきたいと思います。

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足立英昭(ローズ・ジャクソン役
ほか
この世界を素敵なメンバーと上演させていただけて光栄です。僕自身がまず楽しむということを忘れずに毎公演取り組んでいきたいと思っております。

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田代哲哉(添乗員役)
前回に引き続き弥次さん喜多さんのカオスな世界、何がリアルなのかわからない世界をお客さんとともに、楽しんでいきたいと思います。

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松本寛也(バーバラ・ブルック役ほか
前作から万ジョン次郎役もやらせていただきます。今回は新しいメンバーも加わり、お客様がきて完成する作品なので、ぜひ、足を運んでください。

DSC_6788撮影:竹下力
愛原実花(ジェームスボンド役ほか
はじめは緊張していましたが、今はとても楽しくて、かなり自由に演じさせていただきます。それから男役に初挑戦させていただくので、頑張りたいと思います。

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加藤良輔(ジョディー・マクガバン役)
弥次喜多の世界観はぶっ飛んでいますが、その世界観をみなさんに存分に楽しんでいただけるように演じたいと思います。

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米原幸佑(弥次さんの童貞役
ほか
生まれて31年間童貞を守って来てよかった(笑)。初めて当たり役に巡り会えたような気持ちです。本当にしっくり来ています。楽しんでください。

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藤原祐規(喜多八役)
カオスでシュールなしりあがり寿さんの『真夜中の弥次さん喜多さん』を舞台化するにあたって、僕ら弥次喜多はカオスなキャラクターをどう普通の人間のいられるようにするのかがテーマだと思っています。お客さんの先導者になれるように物語を面白く彩れたらと思います。

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唐橋充(弥次郎兵衛役)
今日を迎えるまで、いろいろ宣伝の機会をいただきましたが、役名やシーンが何も発表できず、ようやく発表できる喜びを噛み締めています。これからも弥次喜多の舞台版をずっと続けていきたいので、この作品が足がかりになればいいな。全員で一致団結して初日を迎えたいと思います。


〈公演情報〉
弥次喜多PR

おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』双(ふたつ)
原作◇しりあがり寿
作・演出◇川尻恵太(SUGARABOY)
出演◇唐橋充 藤原祐規 愛原実花/松本寛也 岡田あがさ
松本祐一 古谷大和 足立英昭 石田隼 田代哲哉
福井将太/加藤良輔 米原幸佑
●6/21〜25◎全労済ホール/スペースゼロ
〈料金〉グリーン席10,800円 指定席7,500円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉CLIE 03-6379-2051
http://www.clie.asia/on_yajikita/
(c︎) しりあがり寿/2017 おんすて弥次喜多



【取材・撮影・文/竹下力 ソロ写真カメラマン/鏡田伸幸】



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坂本昌行・野々すみ花・木場勝己らで、戦争の影が忍び寄る時代の人々を描くサローヤンの名作『君が人生の時』開幕!

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野々すみ花 橋本 淳 

新国立劇場でサローヤンの名作『君が人生の時』が6月13日、開幕した。
「日本の演劇がどのように西洋演劇と出会い進化してきたか」をテーマに、新翻訳で贈る「JAPAN MEETS...―現代劇の系譜をひもとく―」シリーズ。日本の近代演劇に大きな影響を与えた海外戯曲を新たに翻訳し、現在によみがえらせる。
 
その第11弾として、1939年ニューヨークにて初演され、ニューヨーク劇評家賞とピュリッツァー賞を受賞(本人は辞退)した、ウィリアム・サローヤンの『君が人生の時』を取り上げ、その舞台が初日を迎えた。
出演者は、近年、舞台でのめざましい活躍が高い評価を得ている坂本昌行、宝塚宙組トップ娘役だった野々すみ花、どんな作品でも登場するだけで場を引き締める木場勝己をはじめ、若手からベテランまで実力派俳優陣が、酒場に出入りする個性豊かなキャラクターとしてずらりと顔を並べている。
演出は演劇芸術監督である宮田慶子で、戯曲に寄り添う丁寧な演出も見どころだ。

【物語】
舞台はサンフランシスコの波止場の外れにある、安っぽいショーを見せるニック(丸山智己)が経営する場末の酒場。そこには様々な事情を抱えた客がやって来ては去っていく。ピアノの名手、ダンサー、港湾労働者、哲学者、警察官、娼婦......。誰もがそれぞれの想いを抱えながら酒を飲み、本音をポツリと語り、時の流れに身を委ねる。
若く美しい放浪者のジョー(坂本昌行)は、いつからかこの店にやって来て毎日朝から晩までシャンパンを飲んで過ごす不思議な男だった。この店で出会いジョーの弟分となったトム(橋本淳)は、客の一人、自称女優の魅惑的な女性キティ(野々すみ花)に恋しているが思いを打ち明けられずにいた。

戦争の影が忍び寄る時代の中、社会の周辺で生活を送り、逆境の中でも誠実であろうとする慎ましき人々の健気な姿を、奥底に人間存在への絶対的な信頼感と優しい眼差しを持って描いた作品だ。
 
s_4右から丸山智己、下総源太朗
丸山智己 下総源太朗 

本作の初日公演開幕前に行われたゲネプロの写真と、主演の坂本昌行のコメントが届いた。
 
【坂本昌行コメント】
主人公のジョーは非常にミステリアスな役です。作品も最初は難しくて捉えどころがないなと思いましたが、一つ一つ戯曲を紐解いていくととてもあたたかい作品だと気づきました。1939年という激動の時代の中、酒場に集まることで誰もが人間として触れ合える、そのあたたかさがこの作品の一つの魅力じゃないかと思います。
台本には書かれていないところも多く、なぜこういう台詞になるのか稽古中でのディスカッションや、自分なりに歴史をたどったりもして、一歩一歩紐解きました。今までになかった経験をさせてもらって勉強になっています。
心が通いあえるあたたかい作品です。ぜひ劇場までお運びください!

〈公演情報〉
新国立劇場2016/2017シーズン演劇
『君が人生の時』The Time of Your Life
作◇ウィリアム・サローヤン
翻訳◇浦辺千鶴
演出◇宮田慶子
美術◇伊藤雅子
照明◇沢田祐二
音楽◇かみむら周平
出演◇坂本昌行 野々すみ花
丸山智己 橋本 淳 下総源太朗 沢田冬樹 中山祐一朗 石橋徹郎 枝元 萌
瀬戸さおり 渋谷はるか RON×供,みむら周平 林田航平 野坂 弘 二木咲子
永澤 洋 寺内淳志 坂川慶成 永田 涼 澤山華凛 三浦涼音  
一柳みる 篠塚 勝 原 金太郎 木場勝己
●6/13〜7/2◎新国立劇場 中劇場
〈料金〉 S席8,640円 A席6,480円 B席3,240円
〈お問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10〜18時)
http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_007982.html


【資料提供/新国立劇場 撮影/谷古宇正彦】 



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誰の心にも届く美しい魔法の力 ミュージカル『魔女の宅急便』開幕!

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児童文学の傑作であり、スタジオジブリのアニメーションをはじめ、数々のメディアで取り上げられてきた『魔女の宅急便』が、装いも新たにミュージカルの舞台となって、新国立劇場・中劇場で開幕した(4日まで。のち8月31日〜9月3日まで大阪の梅田芸術劇場シアタードラマシティでも上演)。

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「魔女の宅急便」は、児童文学作家の角野栄子が1982年〜2009年の27年間に渡り執筆した全6巻の児童書。1989年に宮崎駿監督により、スタジオジブリが制作したアニメーション映画が大ヒットし、日本はもちろん、世界的に愛される作品となった。その後、1993年〜1996年には蜷川幸雄演出によりミュージカル化。2014年に実写映画化、そして2016年にはイギリス・ウェストエンドにて舞台化が行われるなど、様々なクリエーターの手によって、今尚大きな広がりを見せ続けている。

今回のミュージカル版は、そんな原作をもとに、新進気鋭の若手制作チームによる新脚本・新演出で繰り広げられる新生『魔女の宅急便』。ヒロインの魔女の女の子キキに「東宝シンデレラ」の上白石萌歌、空を飛ぶことに憧れる少年トンボにジャニーズJrの阿部顕嵐、キキの理解者となるパン屋のおかみさんおソノに宝塚で星組と雪組でトップ娘役を歴任した白羽ゆり、そのほか強力なキャスト陣が揃っての上演となっている。

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【STORY】
街の人々が皆家族同然で、人間と魔女が共に住むことを誰もが当然のこととして受け留めている小さな街で育った、魔女の女の子キキ(上白石萌歌)は、古くから伝わる魔女の世界の習わしにのっとり、13歳になった満月の夜、相棒の黒猫・ジジ(小林百合香、夏鈴・Wキャスト)と共に魔女のお母さんコキリ(岩崎ひろみ)、お父さんオキノ(横山だいすけ、中井智彦・Wキャスト)と暮らした家を離れて旅に出る。キキは自分で新しい町を見つけ、1年後には自力で暮らせるようにならなければならない。けれども、空を飛ぶ魔法しか知らないキキは、ようやく降り立った新しい町コリコで、故郷とは全く異なる大きな町での価値観の違いや、魔女であることに対する好奇の目や偏見に驚き、苦しむ。その中で、空を飛ぶことに憧れる少年トンボ(阿部顕嵐)との交流や、キキを家に迎え入れてくれたパン屋のおソノさん(白羽ゆり)に励まされながら、自立の道を探していく。

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そんなある日、キキは大急ぎで届けたいものがある、という女性から頼まれたプレゼントをなんとか約束した時間通りに届けられたことで、空を飛べることが人の役に立ったと喜ぶ。そんなキキを見ていたおソノさんの提案で、飛べることを生かしお届けもの屋さん「魔女の宅急便」を始めたキキは、次第にたくさんの依頼を引き受けるようになるが、それが仕事である以上、人の喜ぶ顔が見たいと願うキキの思い通りには、なかなかことは進まない。更に、何かとちょっかいを出してくるトンボへの淡い恋心も、まだまだ子どものキキには上手く咀嚼することができない。そうしたストレスが重なり、次第に体調を崩してしまったキキのもとへ、町長から町の1年で一番大きな行事に関わる、緊急の仕事が舞い込む。キキは無事にその依頼を果たせるのか。そしてトンボとの淡い恋の行方は……。

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まるで絵本を開くような美しいシルエットからはじまる舞台は、幕開きから音楽にのせて物語の世界観を実にスムーズによどみなく伝えてくれる。もちろんキキが空を飛び旅に出る幾多の場面では、ワイヤーアクションや、プロジェクションマッピングによる雄大な背景などが取り入れられているが、それ以上に印象的なのが、多くの重要な役どころを含めて多彩に活躍するアンサンブルの面々のレベルが非常に高いことで、彼、彼女たちが歌い踊り、ドラマを的確に運んでくれる様が心地よい。
それはつまり良質なミュージカルとしてのクオリティを、この作品が非常に高いレベルで保っている証でもあって、劇団四季で研鑽を積んだのちに、オリジナルミュージカルの制作に力を注いでいる演出・脚本・振付の岸本功喜、作曲・音楽監督・歌唱指導の小島良太の、ミュージカルのノウハウを知り尽くしている手腕が光った。
そのことが、スタジオジブリによるアニメーション版があまりにも広く認知されている作品を、今、改めて舞台化するという、相当な勇気がいっただろう企画を可能にする力になっているのは間違いない。この舞台には、魔法や、空を飛ぶ夢や、何よりも互いを思いやる心が生む奇跡を、素直に信じさせてくれる、ストレートに胸をうつ温かな煌めきが詰まっている。

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そんな作品の魅力を更に輝かせたのが、キキを演じる上白石萌歌の、なんとも愛らしい舞台姿だ。魔女の少女ならではの黒のワンピースに、頭には赤い大きなリボン。お馴染みの扮装が上白石の可憐な容姿と相まって、まるで童話の世界からそのまま飛び出してきたかのよう。笑顔はもちろん、悲しい顔も、寂しげな表情も、怒った顔でさえもなんとも可愛らしく、キキの故郷の街の人々のように、客席で彼女の成長と冒険の旅を心から応援したい気持ちにさせてくれる。よくぞ登場してくれた!と思うほど、魔女の少女キキに打ってつけで、この日の相棒、黒猫ジジ役の夏鈴との息もピッタリ。歌声も涼やかで、作品をその愛らしさと、懸命さで見事にリードしていた。

空を飛ぶことに憧れ、コリコの町で真っ先にキキと友達になろうとする学生トンボの阿部顕嵐は、爽やかな持ち味と、黒縁のメガネの奥からこぼれ出てくるような、アイドルらしい華やかさが魅力。キキとの交流に、初恋の少年少女の清真な香りが立ち上り、舞台にときめきともどかしさと、だからこその美しさを加味していた。ダンスシーンももちろん鮮やかに決めて、後半の盛り上がりに大きく寄与していた。

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コリコの町でキキに温かい手を差し伸べるおソノさんの白羽ゆりは、全編を通して妊婦姿での登場だから大きな動きこそないが、それでもなお白羽ならではの美しさと、優しさが際立つ。魔女が家にいるって素敵なことだ、と言ってくれるおソノさんは、観客の心に最も近い登場人物でもあり、ポイント、ポイントの出番を印象的に、更にちょっと気風の良い感覚で舞台を引き締めていて素晴らしかった。おソノさんの旦那さんのフクオさん(藤原一裕。なだぎ武とのWキャスト)が、無言の芝居で見守る姿も頼もしい。

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キキのお母さんコキリの岩崎ひろみは、ファミリーミュージカルの先駆的存在である『アニー』の歴代アニー役の1人だけに、お母さんを演じる立場になったのか、と感慨深いものがあるが、よく動く表情で舞台ならではの大きな表現を自然にこなしている力量はやはり確かなもの。また、お父さんのオキノの横山だいすけ(中井智彦とのWキャスト)は、今年3月まで歴代最長出演となる9年間、NHKEテレでうたのおにいさんを務めた人ならではの、子供の目線に寄り添った優しいお父さんの在り方が絶妙。キキを育んだ温かい家庭を、二人の雰囲気が醸し出していて秀逸だった。

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他に、幼いキキ、幼いジジが、現在のキキとジジと同時に舞台に出る構成も巧みだったし、前述したようにアンサンブルの面々の働き場も多く、原作にはないオリジナルなラストシーンも含めて、舞台ならではの魅力に溢れたミュージカル『魔女の宅急便』となっていて、公演期間があまりに短いのがもったいないと感じられる、優れた舞台に仕上がっている。

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【囲みインタビュー】

初日を前にした通し舞台稽古のあと囲み取材が行われ、上白石萌歌、阿部顕嵐、白羽ゆり、岩崎ひろみ、横山だいすけ、藤原一裕が公演への抱負を語った。

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横山だいすけ、岩崎ひろみ、上白石萌歌、白羽ゆり、藤原一裕
 
──いよいよ今日からはじまりますね!
上白石 そうですね。昨日から舞台稽古だったのですが、昨日はどちらかと言うと場当たりなので、今日はじめて全部の場面を通してお芝居したので、その分気持ちの部分もつながったし、私自身も舞台の上で成長しているような気がしました。6時半からの(本番の)公演では、もっと楽しめるんじゃないかなと思います。
──お二人は初共演ですよね?
上白石・阿部 はい。
──どうですか?普段のジャニーズの舞台とはかなり違いますが。
阿部 全く違うので、皆さんに支えてもらって、学ばせて頂いております。初めてのことだらけで、僕は戸惑ってもいますが、歌もお芝居も上手い皆さんなので、盗ませて頂いている感じです。
──お稽古していていかがでしたか?
阿部 僕は幕から見ているのですが、ここの動きいいなとか、このセリフ回しいいな、と思うところを自分流に取り入れて、真似させてもらったりもしています。
──ちなみにどなたの?
阿部 だいすけさんの一番最後のセリフがあるんですけど、すごく意識しています。
横山 あー、それは嬉しいですね。
──だいすけさんも「うたのおにいさん」を卒業してこのミュージカルに。
横山 そうですね。僕も新しい環境の中で、こうして素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんとご一緒することができて、毎日毎日が楽しい稽古でしたし、外ではこういう感じなんだな!という気持ちで、毎日新鮮な気持ちでやれていたのが自分としても楽しかったです。
──うたのおにいさん時代とはまるで違いますよね。
横山 そうですね。今回おにいさんから「お父さん」になったので、お父さんとしてどういう風に居ればいいのかな?というのをキキちゃんの演技を見ながら、舞台の中では表現していないところでもどういう風にキキちゃんと関わりをもっていたのかな?とか、コキリさんとの夫婦感もどうやって出していけばいいのかなと考えました。
──お二人で相談されたりも?
横山 相談と言うよりは感じることが多いかな?と。
岩崎 ずっと一緒のシーンなので、なるべく嘘のない関係と言いますか、仲の良い家族になるように普段から会話するようにしていました。

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──世のお母さんの中には「だいすけロス」が広がっているとも。
横山 そう言われると少し恥ずかしいのですが、世の中のお父さんとお母さんの気持ちを少しでもつかんで、娘を笑顔で送り出してあげられる存在になれたらいいなと思っていて、「だいすけロス」と感じてくれている、「子供との時間を大切にしています」というような皆さんの声を、自分の力にして臨ませて頂きました。夫婦感としては「今日の料理何食べたい?」みたいな。
岩崎 舞台でもずっと喋っていますね。今(舞台稽古では)3回噛みましたけど(笑)。
横山 反省会をします!
──上白石さんは原作の「魔女の宅急便」を読んだ印象は?
上白石 私はジブリ作品のアニメーションで知っていて、大好きなのですが、このお話を頂いた時からジブリの世界観のイメージが固まってしまうのを避けて、映画は敢えて観ずに小説を読んで役作りをしました。
──どんな印象でしたか?
上白石 原作のキキの絵は髪が長くて大人びた印象があったので、このショートヘアも新しいキキを感じて、アニメで観るよりも自分の中で絵を想像するようにしました。
──阿部さんはどうですか?とても有名な原作ですが。
阿部 僕も知ったのは同じくジブリ作品からなんですけれども、原作も読んで、僕は上白石さんとは違って逆にアニメを観て自分なりにトンボを自分の中に落とす、ジブリ作品とは全く同じにはならずに解釈する為に、1回見直してどうやったら自分のトンボができるかを考えたりしました。
──ジャニーズのメンバーとは違って女性も多い舞台ですね。
阿部 一番気にしたのは着替えで、僕普通に楽屋の前とかで脱いじゃうんですけど、それはなるべく控えようかなと(笑)。普段(男性ばかりなので)周りの目を気にせずに脱いでしまう癖がついているので。
──白羽さんそのあたりはどうですか?
白羽 私も宝塚出身なので、女性ばかりの世界で堂々と着替えていましたから、そこは敢えて見ないように(笑)。
──役柄については?
白羽 おソノさんは、私全編通して妊婦役という舞台は初めてなので、今回は本当に挑戦だなと思っているのですが、お稽古場から10代の萌歌ちゃんと顕君のセリフにキュンキュンしていて。一番最初に合わせたところから、少しずつ慣れてきて、舞台稽古、そして本番もきっと違う空気になる、その空気が全部正解だと思うんです。その空気を共有できることが、おソノさんとして2人を見守る、「頑張って!」という気持ちにお稽古場から自然になれたので、そういう意味ではおソノさんという役柄に巡り合えて本当に良かったなと思えますし、藤原さんの安心感もすごくあるので本番が楽しみです。

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──藤原さんは頼れる存在で?
藤原 喋っていいですか?(全員笑)ここでは喋っていいですか?劇中は一切喋ってないので(笑)。安心感を持っていただけているなら僕も良かったです。
──プライベートでもお子さんが生まれられて。
藤原 そうですね。ブライベーとでも劇中でも生まれて。お稽古期間中に、演出の岸本さんから「もし稽古の日に奥さんの陣痛が来たらうちの稽古はいいですからね」と言って頂いていて、本当に稽古の日に準備していたら陣痛が来まして、言ってもらえていたので休ませてもらって立ち会うことができました。劇中ではちょっと立ち会えなかったですが(笑)。
──それは役作りの上でも貴重な経験に。
藤原 そうですね。
白羽 色々教えて頂いたりしました。
藤原 ちょっと妊婦さんの立ち方とか、うちの奥さんだけかもしれませんが結構ガニ股になってたんでね(笑)。このお腹の大きさなら何ヶ月ですねとか。
──すごく良いタイミングでしたね。
白羽 本当に! こんなタイムリーなことって!と皆でお祝いもできて、それもまた温かくで良いなと思いました。
──舞台で全くセリフがないというのは。
藤原 正直初めてのことで、咳払い1回だけなんです。だから何パターンも咳払いの練習をしました(笑)。
岩崎 マイクチェックも咳払いでね(笑)。
藤原 そうこれ(ピンマイクを示して)嫌がらせなのかな?と思ったんですけど(笑)。
──では身体全体で演技するということで。
藤原 そうです。2時間通してボディランゲージをやっていますので、そこを見て欲しいてす。
──役作りの苦労などは?
藤原 なかったです。プライベートでもお父さんになりましたので。
──記念すべき舞台になりましたね。
藤原 本当にプライベートとこんなにシンクロすることがあるんだなとありがたいです。

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──さぁ、いよいよあと3時間でお客様が入られますが。
阿部 早いなというのが率直な感想ですが、僕的には今までやってきたことを信じてやっていくしかないですし、本番は楽しんでやることが一番だと言われ続けてきたので、僕はキキちゃんと「はじめまして」からスタートして、最後には告白されるという役なので、ちゃんと舞台上で心を揺さぶらないとなと思っています。
──心揺さぶられそうですか?
上白石 稽古をしていくと、トンボとキキって、最初キキは「ふん!」としていて、演出の岸本さんから二人はなるべくこのキキとトンボの状態でいたいと言われていて。でも稽古中に色々な相談をしていると仲良くなってしまうので、最初のシーンの初々しさをどうやって出そうか?ということをすごく自分なりに考えました。
阿部 「はじめまして」って言い合ってね。
上白石 そう、毎日「はじめまして、よろしくお願いします」から始めていました。でも最終的にはトンボを救うというところにつなげなければならないので、自分の中に色々な引き出しをもって、そのどの引き出しからも感情が出るように気持ちを創っているつもりです。
──阿部さんのファンの方も大勢いらっしゃると思いますが、その視線などは気になりますか?
上白石 たぶん舞台上に立っている時は私はキキでしかないし、トンボでしかないので、ステージには「魔女宅」の世界しか広がっていないので、緊張もしないし、私はキキとして息を吸うたけです。
阿部 僕も袖にいる時からずっとトンボです。トンボになりきって、周りの皆さんとの会話も公演中はトンボっぽく話すように意識しています。トンボのままっていうのは同じです。
──大阪公演もありますか、まだ皆さんで食事に行ったりなどは?
藤原 今のところ僕の知る限りまだないです。僕が誘われていない可能性もありますが(笑)。
岩崎 お稽古が大変だったので、とりあえず東京を終えて、大阪に行ったらどこかに連れていって頂こうかなと。ちょうど顕嵐君の誕生日がね。
阿部 そうなんです。僕大阪公演の前日に誕生日で20歳になります。
──じゃあ19から20歳になる時にこの公演が。
阿部 そこもすごく誕生日の次の日から公演ということは、20歳になった次の日からの舞台なので、今から思い入れがあります。
──10代最後の舞台をどんな舞台にしたいですか?
阿部 やっぱり10代ならではのフレッシュさを残しつつ、まぁ20歳になってもフレッシュですけど(笑)、大人と子供の狭間をトンボなりに表現したいと思います。
──では皆さんにメッセージを。
上白石・阿部 『魔女の宅急便』観に来てください!待ってます!!

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〈公演情報〉
ミュージカル『魔女の宅急便』
原作・監修◇角野栄子 
脚本・演出・振付◇岸本功喜 
作曲・音楽監督◇小島良太 
出演◇上白石萌歌、阿部顕嵐(ジャニーズJr)、白羽ゆり、岩崎ひろみ、横山だいすけ/中井智彦[Wキャスト]、藤原一裕(ライセンス)/なだぎ武 [Wキャスト]他 
●6/1〜4◎東京・新国立劇場 中劇場
〈料金〉S席10,500円 A席8,000円
●8/31日〜9/3◎大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシテイ
〈料金〉S席10,500円 A席8,000円
〈お問い合わせ〉アークスインターナショナル 0798-34-5377(平日13時〜18時) 
〈公式ホームページ〉http://www.musical-majotaku.jp/




【取材・文・撮影/橘涼香】




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原点に戻って、更にパワーアップしたノンストップステージ!『CLUB SEVEN ZERO』!

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ありとあらゆるエンターテイメントの要素をギュっと詰め込んで、ノンストップで走り続けるステージとして愛され続ける『CLUB SEVEN』シリーズの最新作『CLUB SEVEN ZERO』が、日比谷のシアタークリエでの開幕(6月8日〜22日まで。のち、5月26日〜28日◎シアター1010でプレビュー公演、6月3日、4日◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、6月23日◎刈谷市総合文化センターアイリス公演もあり)を前に、北千住のシアター1010でプレビュー公演を行った。

総合クリエーターである玉野和紀が手がける『CLUB SEVEN』は、ソング&ダンス、芝居、タップ、ミュージカル、スケッチと呼ばれるコントの要素を多く含んだ場面など、エンターテインメントのあらゆる要素を詰め込んだ、まさに怒涛のジェットコースターステージ。2015年に記念となる10作目の公演を大好評のうちに終えたあと、弟分的存在の若手主体による公演『GEM CLUB』がスタートするなど、新たな広がりも見せる中で、11作目となる今回は『CLUB SEVEN ZERO』と名付けられた、これまでの集大成であり、新たなスタートと位置付けられたステージとなっている。

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そんな舞台に集ったのは、玉野が『CLUB SEVEN』草創期に形を創ってくれたメンバーとして、絶大な信頼を寄せる吉野圭吾、東山義久、西村直人に加え、原田優一、蘭乃はな、香寿たつきが揃った男性5人、女性2人の、計7名。これはそもそも『CLUB SEVEN』がスタートした時と同じ、男女比率と人数によるメンバー構成で、近年の『CLUB SEVEN』としては、少人数、かつ、大人のメンバーだが、だからこそ『CLUB SEVEN』が原点に返り、更に大人のエンターテインメントショーであることを、改めて印象づける力になっている。

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ステージは、これまで『CLUB SEVEN』が築き上げてきた王道の形を踏襲している。1幕は、舞台奥に作られたドアを開けて登場してくる全員の、シャープなダンスからスタートして、趣向をこらした楽しさ満載のスケッチが続き、華やかな歌とダンスで締めくくられる。そして、1つの作品として成り立つほど密度の濃い「ミュージカル」から幕を開ける2幕は、メンバー紹介も兼ねたトーク、そしてお待ちかね、『CLUB SEVEN』の大名物「五十音メドレー」が展開されるという、たっぷり3時間超の内容。

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しかも今回は、集大成であり新たなスタートと銘打たれていることもあって、スケッチにはこれまで『CLUB SEVEN』で話題となった、名物キャラクターたちが数多く登場していて、A、B、2つのパターンが用意されている。何しろ早替わりに次ぐ、早替わりで展開される「五十音メドレー」だけで74曲を歌い踊る上に、スケッチがそっくり入れ替わるのだから、出演者の負担は相当なものだと思うが、そこは「一生懸命ってカッコいい」を掲げた『CLUB SEVEN』のこと。とにかく出演者全員が、フルパワーで舞台を駆け回り、踊り、飛び、歌い、芝居をするテンションの高さ、汗を飛び散らせ、時にゼーゼーと息切れしながらも、繰り広げられる全力のエンターテインメントに、感動せずにはいられない。

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特に、一生懸命さを前面に出すことが、オシャレじゃないと思われ勝ちの現代に、人が全力で頑張ることの感動を、愚直なまでに届けてくれるこの『CLUB SEVEN』の姿勢は、やはり何よりも貴重なもので、それが、ひいては生身の人間が目の前で展開する舞台芸術だけが持つ魅力、ライブの素晴らしさを伝えてくれるものになっている。それは、総指揮を執る玉野が人間の力を信じているからこそ生まれ、続いてきた『CLUB SEVEN』の神髄だろうし、そのことを誰よりも理解する盟友たちが集った『CLUB SEVEN ZERO』に、その精神が変わらずに輝いていることが何よりも嬉しかった。舞台芸術を、ライブを愛する人ならば、A、B、両パターンの『CLUB SEVEN ZERO』は見逃せない。とりわけ「五十音メドレー」などは各曲の展開が早いので、1回目には目が追い付かないシーンもあるから、なんとしても2回観なければ!と思えるこの上演形態は、観客にとってはかえってお得なことかもしれないと思わせられた。
 
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(注)ここから具体的な内容に触れている箇所があります。事前に情報を入れたくない方は、観劇後の閲覧をお勧め致します。

 

今回の『CLUB SEVEN ZERO』は、中でも2幕冒頭の「ミュージカル」が秀逸で、大人のメンバーが揃った『CLUB SEVEN ZERO』ならではの配置が、実に深い余韻を残すものとなっている。
なんとか劇場を守る為に、シビアな選択もせざるを得なかった支配人(西村直人)と、かつて劇場の華だったタップダンサーでありながら、時代の移り変わりと共に裏方に回っていた男性(玉野和紀)とが、互いに年老い、長年愛されてきた劇場に関わった人々を回想するところから、舞台ははじまる。
 
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そこにはタップダンサー(玉野)の相手役から1人立ちし、長く大スターとして君臨してきた女優(香寿たつき)、その相手役からやがて彼女を凌駕するスターとなっていく男優(吉野圭吾)、女優に憧れてこの世界を目指したが故に、人気が衰えていく彼女を案じるダンサー(東山義久)、この劇場のステージに立ちたいと、雑用係から舞台を目指す若いカップル(原田優一、蘭乃はな)が、それぞれの見せ場を持ちながら、時の流れと共に立場を変えていく姿が、流れるように描かれていく。
 
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分けても、苦渋の選択をする支配人を含め、すべての登場人物が劇場を愛し、ショーステージを愛していて、どんなに立場が異なろうとも、根底のところではその深い愛によって結ばれている、という姿には、胸にしみいる熱さがあった。この「愛」が、演じている、舞台にいる7人の出演者全員をつないでいることもまた明らかなのが、作品をより尊いものにしていて、スケッチや「五十音メドレー」の弾ける楽しさとの、実に効果的な対比を生むことに成功している。
そんな作品と、出演者全員を牽引する玉野が、いつもながら個々の持ち味を引き出す手腕が絶妙。それそれのメンバーを輝かせ、更に新たな面も提示して見せてくれるから、舞台がより軽快に弾む。特に「五十音メドレー」では、今回昭和の名曲が数多く選ばれているということで、実際にそうなのだが、それだけでではなく、ここ最近の大ヒットものもきちんと入れ込んできていて、その塩梅が巧みだ。

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玉野自身が演じる男性アイドルの名物シーンを、こう来たか!と思わせる発想で見せる場面など、アナログ感があるだけにその秀逸さに目を瞠るし、もちろんタップダンスも、今や出て来てくれないと『CLUB SEVEN』を観た気がしない「玉子ちゃん」も相変わらずパワフル。昨年末惜しまれつつ解散した某国民的アイドルグループのファンの方には、是非大判タオルハンカチを持参しての観劇をお勧めしたい、ツボを突きすぎるほど突いてくる選曲も含めて、充実の舞台を創り演じる姿には脱帽だった。

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その舞台で、二枚目スターぶりを発揮したのが吉野圭吾。このところミュージカルの舞台などでは、強烈なキャラクターアクターとしての顔を多く見せていただけに、本来の二枚目男優としてすっきりと立つ吉野がどこか新鮮に映ったのは、観客としても発見の思いがした。その意味で、「原点に戻るオトナの『CLUB SEVEN 』」というキャッチコピーを体現した存在で、ダンスやミュージカルでの二枚目ぶりが光る分、スケッチの思い切った各役の造形がより際立ち、中でも一斉を風靡したキャラクターに扮した時のおかしみが群を抜いていた。そういえば背格好が似ていたんだ、と感心したのも含めてこちらは観てのお楽しみといったところ。

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常にスターで、常に「カッコいい」東山義久が、大阪出身の人であることを強烈に想起させるのも、この『CLUB SEVEN』の醍醐味の1つ。踊ればもちろんだし、近年ますます進境著しい芝居の面でも、この人のカッコよさには常にため息が出るし、今回もそうした面が「ミュージカル」や、デュエットダンスなどで際立っているのだが、そこからスケッチや「五十音メドレー」で見せる完全に振り切れたコメディアンぶりに圧倒される。その全力投球がなんとも楽しそうなのが、根っこにある大阪人気質を感じさせ、だからこそ更に、持ち前の「カッコよさ」も引き立つという相乗効果を生んでいる。特に両性具有的な意味合いでない、可愛い女の子を演じている東山見られるのは『CLUB SEVEN』くらいのものだから、今後も是非このショーステージにも立ち続けて欲しい。

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『CLUB SEVEN 』シリーズの全てに参加していて、玉野と共に『CLUB SEVEN』の「顔」である西村直人は、玉野の「玉子」との名物コンビ「ニャンコ」をはじめとした、素晴らしく元気な老人役など、様々なキャラクターを瞬時に演じ分ける姿はもちろんのこととして、今回とりわけアイドルや、ひたすらにキメるダンスシーンなどで見せる、キリリとした二枚目の顔が印象に残った。年輪を重ねて肩の力が抜け、だからこそこれだけハードなステージでも、本人のキャパシティがいっぱいいっぱいにならないのだろう。「ミュージカル」での支配人役の滋味深さも含めて、進化する『CLUB SEVEN』と共に、西村の進化も大いに堪能できたのが嬉しい。

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男性陣の最年少メンバー原田優一は、近年こうした座組で最年少という立場が久しぶりだったそうで、定評ある美声を堪能できるだけでなく、若者に扮している原田も観られるのが目に耳に楽しい。特にこの人の女装と言う言葉さえ似つかわしくないと思える、本気の女の子ぶりは圧巻で、女性陣二人と共に三人で「女子アイドルグループ」の持ち歌を歌い踊る場面がいくつかあるが、もしかしたら最も曲に馴染んでいるのは原田かも知れない、と思わせる成り切りっぷりは必見。歌、タンス、芝居と三拍子揃った人ならではの多彩さを存分に発揮している。

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その女性陣は、いずれも宝塚OGで、元星組トップスターの香寿たつきは、「ミュージカル」で演じる大スター役の、いつ自分の時代が終わるのかを恐れ、崩れていく表現に、芝居巧者ぶりを存分に注ぎ込んだのをはじめ、スケッチのコメディセンスや、歌にダンスに大活躍。特に女性陣二人で、昭和を代表するアイドルデュオに扮するシーンが数回あるが、あの大スター役を演じた人と同じ人だとは思えないほどの愛らしさを醸し出していて、宝塚で獲得したスターオーラと、女優としての豊かな蓄積の全てがステージで輝いている。
 
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もう1人元花組トップ娘役の蘭乃はなは、今回のメンバーの中で唯一の『CLUB SEVEN』シリーズ初参加という人材だが、宝塚のショー作品などで培ってきた、場面に応じて瞬時に表情や色を変える術を、存分に発揮して『CLUB SEVEN』が求めるオールランドプレイヤーにきちんとなり得ているのが素晴らしい。自身の女優としてのキャリアのパロディ的シーンでの、ドレスの着こなしはさすがの一言だし、アイドルを演じるシーンなどで見せるどこか小悪魔的な顔も魅力的。踊れる強みも遺憾なく発揮して、『CLUB SEVEN ZERO』になくてはならない戦力となっていたのが何よりだった。

とりわけ、今回「シリーズ最高の平均年齢」だという「オトナ」が集まって創られた『CLUB SEVEN ZERO』が、シアター1010の『CLUB SEVEN』にはやや大きいのでは?とも思われた劇場空間を、楽々と埋めた様は見事なもので、原点に返った『CLUB SEVEN』シリーズの、大人が集まったからこその新たな可能性が拓かれたのが嬉しく、シアタークリエでの初日が待たれるステージとなっている。

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〈公演情報〉
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『CLUB SEVEN  ZERO』
脚本・構成・演出・振付・出演◇玉野和紀
出演◇吉野圭吾 東山義久 西村直人 原田優一 蘭乃はな 香寿たつき
●6/8〜22◎シアタークリエ 
〈料金〉10,000円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777
●5/26〜28◎シアター1010(プレビュー公演)
〈料金〉9,500円(全席指定・税込)
●6/3・4◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
●6/23◎刈谷市総合文化センターアイリス公演 




【取材・文・撮影/橘涼香】





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乃木坂46が挑む薙刀ガールズの青春物語! 舞台×映画連動プロジェクト 舞台『あさひなぐ』囲みインタビュー&舞台レポート

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第60回小学館漫画賞(一般向け部門)を受賞し、週刊ビッグコミックスピリッツ連載中の大人気コミック「あさひなぐ」(作:こざき亜衣)。武道「薙刀」に青春の全てを捧げた少女たちの成長物語として、絶賛を集めているコミックが、人気絶頂のアイドルグループ乃木坂46を迎えて、舞台化並びに映画化の連動プロジェクトが始動することになった。

その舞台版『あさひなぐ』が、5月20日、東京・EXシアター六本木で幕を開けた。脚本・演出を手がけるのは第三舞台出身で映像ディレクターとしても活躍する板垣恭一。出演者には元宝塚歌劇団トップスターの真琴つばさら実力派&個性派俳優陣が名を連ねる中、アイドルグループ乃木坂46のメンバーが体当たりで舞台に挑んでいる。薙刀経験はもちろん、演技経験も少ない彼女たちの本気は、まさに『あさひなぐ』の物語そのもの。ここにしかない、生の熱気が詰まったステージが展開されている。

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そんな舞台の開幕に先立つ5月19日、主人公東島旭役の斎藤飛鳥をはじめ、井上小百合、新内眞衣、若月佑美、生駒里奈、堀未央奈、衛藤美彩、北野日奈子といった乃木坂46のメンバー、そして元宝塚トップスターで舞台にまたバラエティーにと幅広く活躍している真琴つばさが、囲み取材に応えて、公演への抱負を語った。

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(後列)北野 新内 若月 井上
(前列)衛藤 堀 斎藤 生駒 真琴

【囲みインタビュー】

──皆さんの役どころと初日に向けての意気込みをお願いします。
 
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衛藤 主人公の東島旭たちの学校のライバル校の、強豪國陸高校のキャプテン、寒河江純役を演じます。(隣の堀を示して)一堂寧々のことをすごく気にかけていて、とても優しい性格のキャプテンです。今もずっと稽古していて、明日が初日という実感がまだわかないんですが…(周りを見て)最初(に話す)って緊張しますね(笑)。ライバル校という立ち位置ではありますが、二ツ坂高校の成長と同時に、私たちの高校もどういう風になっていくのかと言うのが見どころですし、真琴(つばさ)さんはじめ大勢のキャストの方がいらっしゃるので、みんなで最後まで頑張りたいなと思います。

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 私は同じ國陸高校の一堂寧々ちゃんという子を演じさせて頂くんですけれども、寧々ちゃんは1年生にしてすごく薙刀が強い役で、旭ちゃんのライバル役としてやらせてもらいます。でも実際は(隣の斎藤を示して)バチバチしていないと言うか、二人ともゆとり世代なので(笑)マイペースなんですよ。二人ともゆったりしてるので、ちょっとケンカっぽくなったりするシーンなども「ごめん!」と思いながらやっているのですが、日常のストレス発散じゃないですけど、ここでちょっと思い切って絡んで、寧々ちゃんを演じたいなと思います。

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斎藤 東島旭役の斎藤飛鳥です。私は薙刀を知らないところから入って、薙刀を握ったことがない状態から、みんなで一緒にはじめて、みんなでステップアップしてきたので、一緒にやってきたことを信じれば、きっと初日も上手くいくんだろうなと思っています。ただ何より私このメガネ姿がとうしてもドンくさいなと思って(笑)、それを見られるのがちょっと不安で緊張します。
──メガネが大きいんじゃないですか?
斎藤 いえ、そんなことはない…。
生駒 (斎藤が)小さいからメガネがデカく見えるんだよ!(笑)。

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生駒
 生駒里奈です。今回二ツ坂高校薙刀部の部長の野上えりを演じさせて頂きます。はじめて薙刀を触って、はじめての殺陣、乃木坂のメンバーに関しては、舞台経験豊富なメンバーもいれば、まだまだ演技経験も少ないメンバーもいる中で、初体験、初めてやるという苦労がたくさんあった稽古期間だったなと思います。今こうして、劇場に入ってお稽古をしているのですが、どんどん自分の中に野上えりが入ってきて、明日初日を迎えて、きっと皆さんに薙刀をお見せできるんじゃないかな?と思います。素敵なキャストの皆様に囲まれて初日を迎えられることが嬉しいので、明日は一生懸命精一杯頑張りたいと思います。

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──真琴さんどうぞ。
真琴 この流れおかしいでしょう?(全員笑いながら「大丈夫、大丈夫」と口々に言う)そう?じゃあ、白滝院の副住職の寿慶役をさせて頂いております。私のお寺に皆さんが合宿でくるんですけれども、二ツ坂の皆さんに薙刀の教士として精神を教えていますが、皆さんの頑張りに感銘を受け、強さとは何か?ということを改めて感じさせてもらっているお役を頂いています。
──明日の初日については?
真琴 明日ですか?「明日は明日の風が吹く」(全員笑)、頑張りたいと思います。すごく皆さん薙刀をゼロからはじめているので、そこからの成長ぶりを、役と自分が重なって感動しています。

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井上 八十村将子ちゃん役の井上小百合です。将子ちゃんは剣道の経験者で、そこから薙刀部に入るという子で、剣道をやってきたという面を持ちつつ、自分と日々戦っている子なので、その繊細なところと荒い口調のギャップを上手く表現できたらいいなと思います。この見た目からしても普段のアイドルとは全然違うので、最後まで乃木坂46とバレないように毎日頑張りたいです。よろしくお願いします。

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若月
 宮路真春役を演らせて頂きます若月佑美です。宮路真春先輩は、原作のこざき亜衣先生の憧れを全部詰めたキャラクターだというお話を頂いた時に、どうしよう頑張らなきゃと思ったのと、やっぱり主人公の東島旭を薙刀部に入れたのが宮路真春なので、そこのところをどう表現するかというのが、すごく大変だなと思いつつも、頑張らなければと思ってやってきました。明日の初日は、映画版の宮路真春役は白石麻衣と公表されているので、その時点でファンの方的に「麻衣だ!」という熱気が高まっているところをですね、逆に舞台の初日を迎えて「あ、若月もいけるじゃねぇか!」と言ってもらえるように、頑張らなければと思っています。
 
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新内
 紺野さくら役の新内眞衣です。さくらちゃんはですね、高校1年生でお嬢様で、ブラックな感じで、私と似ている部分は身長くらいしかないんですけれども(笑)、でもだからこそやりやすい役であって、こざき先生もナチュラルブラックと言っていて、本当にブラックなことしか言っていないのですが、でも真の部分では薙刀が大好きというところもちゃんと演じられたらいいなと思います。

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北野 的林つぐみ役の北野日奈子です。ライバル校なので、なかなか姿を現しづらいのですが、こざき先生が私の役を「気の良い不器用」と言っていらっしやって、気の良い不器用について三日間くらい考えたんですけれども、よくわからなかったんです(笑)。で、台本を読んでこんな感じかな?と思って演じています。試合は本当にしてるので、(防具の)中身は私たちなので、面かぶってやっているので、頑張ります!
──斎藤さん、メガネがちょっと…ということでしたが、皆さんのビジュアルや髪型については?
斎藤 触れざるを得ないのが(新内を示して)、この人26?
新内 25だよ!(全員笑)
斎藤 25歳が制服来て、私と同い年の役なんですよ。すげーなって(笑)。芸能人ってすごいことするよなって思います(笑)。
──斎藤さんは舞台は初めてですか?
斎藤 そうですね。あまりやったことがないです。
──どうですか実際、初めてやってみて。
斎藤 もともと感情表現が薄い方で、表情筋が動かないのがコンプレックスだったので、舞台って大きく見せなければいけないから、私には絶対向いてないんじゃないかな?と思っていたのですが、やっていく内に、だんだんステージで表現する楽しさですとか、舞台に立っている間はずっと気を抜けない緊張感もだんだんと楽しめるようになってきたので、きっとこの後もそれが増して、舞台が楽しめるようになるんじゃないかなという気がしています。
真琴 台詞にエネルギーがあります、彼女は。
斎藤 いえいえ、そうやってつばささんがハードルを上げると私は苦しいので(笑)。
──斎藤さんと堀さんは激しいシーンがあるんですか?
堀 ちょっとまだ初日を迎えていないのでネタバレになっちゃうのですが、アイドルらしからぬと言うか、人らしからぬ(笑)暴力的なシーンもあるので、そこはちょっと見どころかな?と思います。
──それがストレス解消に?
 いえいえ(笑)、でも声を張り上げるので、普段は声が小さめなのですが、そこでストレスが飛んでいくなと思って、お腹から声を出してます!

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まだまだ質問は続く気配だったが、残念ながら時間切れとなり、全員から「ありがとうございました!よろしくお願いします!」という気合いの入った挨拶があり、囲み取材は終了。引き続いて、公開舞台稽古として、2つの場面が披露された。

【公開稽古】

●1幕2場より
旭(斎藤飛鳥)、将子(井上小百合)、さくら(新内眞衣)が薙刀部の勧誘を受けるシーンから、抜粋して場面が展開された。
まず、中央に薙刀部部長のえり(生駒里奈)と、エースの真春(若月佑美)が薙刀を構えて背中合わせに立ち、えりの「ようこそ、薙刀の世界へ!」という台詞をきっかけに、迫力ある剣舞がはじまる。 

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希望にあふれる薙刀の世界がダイナミックに表現され、やがて寿慶(真琴つばさ)、二ツ坂高校薙刀部新監督に就任する福留やす子(則松亜海)、薙刀部顧問の小林先生(石井一彰)ら、全出演者が登場。華やかな舞台の幕開けを感じさせた。

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●1幕9場より
続いて、二ツ坂高校と國陸高校の練習試合のシーンがはじまる。
まず、審判員(則松亜海)と小林先生(石井)の、温度差のあるコミカルな会話から場面はスタート。試合がはじまり、本格的に防具をつけた各キャラクターの殺陣は真剣そのもの。その中で振り回される薙刀を、審判員と小林先生がジャンプしてかわすなど、如何にもコミック原作らしい流れもあって、引き付ける。

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やがて旭(斎藤)が1本を取りながら敗れ、二ツ坂高校の敗戦が決まってしまった中、試合に臨む緊張感を切らさない真春(若月)の雄姿、更に、旭と寧々(堀未央奈)のライバル同士が、思いをぶつけあう、会見でも話題になった激しいシーンの応酬があり、熱い場面が繰り広げられた。
最後に旭が、次こそは勝ちたいという思いを吐露して、旭のこれからの成長を予感させながら場面披露は終了。公演への期待が高まる時間となっていた。
 
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〈公演情報〉
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舞台『あさひなぐ』
原作◇こざき亜衣「あさひなぐ」小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中
脚本・演出◇板垣恭一
出演◇齋藤飛鳥 井上小百合 新内眞衣 若月佑美  生駒里奈 堀未央奈 衛藤美彩  北野日奈子 (以上、乃木坂46) 七瀬公  大音智海  下司尚実  白勢未生 小山雲母 萩原麻乃 石井一彰  則松亜海  真琴つばさ 
●5/20〜31◎東京・EXシアター六本木
〈料金〉7.800円
〈お問い合わせ〉日比谷シアタークリエ 03-3591-2400
●6/2〜5◎大阪・森ノ宮ピロティホール
〈料金〉指定席 7.800円 立見席 6.800円
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888
●6/9〜11◎名古屋・愛知県芸術劇場大ホール
〈料金〉全席指定 7,800円 追加席A 6,000円 追加席B 5,000円
〈お問い合わせ〉キョードー東海 052-972-7466
〈公式HP〉 http://asahinagu-proj.com/stage.html#!page1 

※東京公演全席完売につき、5月30日19時開演回のライブ・ビューイング開催。
全46館映画館にて。公演後、映画『あさひなぐ』全キャスト発表スペシャルイベント付き。
〈料金〉3.600円 ※映画館により特別シートなど追加料金が発生する場合あり。

c2017 舞台「あさひなぐ」製作委員会 c2011 こざき亜⾐/小学館



【取材・文・撮影/橘涼香】


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