えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

宝塚ジャーナルは2019年2月20日に引っ越しました。
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宝塚公演会見

ヘミングウェイの名作画再び! 宙組公演『誰がために鐘は鳴る』製作発表

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10日、宙組公演『誰がために鐘は鳴る』の製作発表が行われた。原作はアーネスト・ヘミングウェイによる長編小説で、1943年にはゲーリー・クーパーとイングリッド・バーグマンの主演によって映画化。また宝塚では1978年に星組、鳳蘭と遥くららのトップコンビが上演して好評を博した。今回の再演は柴田侑宏が脚本・演出をつとめた初演を元に、木村信司が現代に合わせた新演出を加えていく形となる。

制作発表は、寺田瀧雄作曲による「幸せの鐘の鳴る日」を大空祐飛が歌うパフォーマンスから始まり、2曲目は大空と相手役の野々すみ花のデュエットで長谷川雅大作曲の「胸の高鳴り」が披露された。

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白いシャツに皮のジャケット、ブーツといういでたちの大空は格好よく、野々は髪型はショートカットでパンツスタイルで登場。映画や初演のイメージに近づけている。
物語は、国際義勇兵に志願し内乱中のスペインに赴くアメリカの大学講師、ロバート・ジョーダン(大空祐飛)。任務のために訪れた山中のゲリラの拠点で戦争で傷ついた娘マリア(野々すみ花)に出会う。極限での4日間の中で生まれる恋。トップコンビとしても、また新たな魅力を発掘していく作品となりそうだ。

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【挨拶】

木村信司 今回、アーネスト・ヘミングウェイの傑作を、柴田先生の脚本で演出することができて、とても嬉しく思っております。ご存じの通り、主人公のロバート・ジョーダンは最後、ゲリラを逃がして、とりわけ、愛したマリアを逃がして死んでしまうのですが、それは悲劇でも悲恋でもなく、その先が重要で、死んでしまっても思いが繋がっていく、生きてきた証になっていく。そういう人間の絆が、この作品の一番の特質ではないかと、今、演出家として思っております。
最初に曲を聴いていただきましたが、1曲目は初演でも演奏されました曲で、2曲目の方は新曲になります。また演出の美術的なことに関しては、初演から変えていこうと思っています。もっとスペインを感じられるような演出ができたらいいなと思っています。力を尽くして頑張りたいと思いますので、みなさんどうぞよろしくお願いします。

大空祐飛 鳳蘭さんと遥くららさんの初演を私もビデオで拝見いたしまして、本当に素晴らしい作品だと思いました。この素晴らしい作品、素晴らしい役に挑ませていただけるという幸せと共に、緊張で実際に私の胸も高鳴っております(笑)。私が感じたこの感動をより一人でも多くのお客様にお伝えできるように、柴田先生の脚本と木村先生の新しい演出で、また私たちなりに、新しい役作りをしていきたいと思いますが、どう役を作るかは今はあまり考えておりません。
素直に台本に入り込めるような、そんな素晴らしさをもった作品だと思いますので、ゲリラとして山にこもる4日間をどれだけ充実して生きられるか。そういうところに重点を置いて、私なりの役作りをしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

野々すみ花 初めてこの作品を見たとき、マリアという人物は純粋s_RIMG1820で汚れのない、清い心の持ち主だと感じました。その女性に私自身もとても魅力を感じ、憧れた女性だったので、今回、このような役に挑戦させていただけることを本当に心から幸せに思っております。
私自身としましては、みなさま今ご覧の通り、白いブラウスにパンツスタイルで、そして短く刈上げられたこの髪の毛初めて鏡で自分の姿を見たときに少し恥ずかしくなってしまいましたが、それは今まで娘役として綺麗なお衣装であったり、髪の毛であったり、色々な外見で取り繕っていた部分が多かったからだと痛感いたしました。今回は飾る部分が外見ではなにもないので、飾らない心で、穏やかな心で、ロバートを愛し続けたいと思います。よろしくお願いいたします。

【質疑応答】

ーートップお披露目公演の「カサブランカ」に続き、今回も大変有名な映画の舞台版で、しかも宝塚の名作の再演となりますが、その辺の意気込みをお願いします。

大空 私はビデオで初演を見た時に、最初にマリアが飛び出てくるシーンでもうなぜか号泣してしまったんですね(笑)。作品の中に、ものすごく純粋なものが流れているなと思って。当時の宝塚で、娘役さんがあの姿で出てくるのは衝撃的だったと思いますね。でも、その新しさというものは、きっと今でも感じられるのではないかと思っています。
あと映画を見たときは、最後ロバートが立ち向かうシーンで号泣してしまったんですが、とにかく人間の心の中みたいなものが全て勝負になってくる作品だと思いました。
あまりプレッシャーや、前作のことを考えずに、まずは真っ直ぐに役と作品と向き合って、真っ白な状態から挑みたいと今は本当にそんな気持ちしかないんですけれどs_RIMG1814

野々 私も、大空さんが今おっしゃった通りのことを思いまして、本当にみなさまによく知られている作品で、プレッシャーはありますけれども、それ以上にこの作品に挑戦させていただけることを、幸せに感じて無心に取り組みたいと思っております。

ーー木村先生にお伺いします。スペイン内戦の話ですし、戦闘場面も多くなると思うのですが、そこから宝塚の華やかさや、ミュージカル部分をどのように出そうと思っていらっしゃいますか?またフィナーレの有無は?

木村 フィナーレはあります(笑)! フィナーレはきちんとつけようと思っております。是非華やかにしようと。それから、先ほどスペインを感じられる舞台にしたいと言いましたが、岩場が舞台になってくるんですが、日本人の感覚ですと、岩はグレーじゃないですか。でも、スペインはやはり乾いているイメージがありますので、暖かい白であるとか、グリーンそういう岩の色が展開される中で、演出していけたらいいかなと思っています。それと今、主演二人の真っ直ぐに、真っ白にという話を聞いていて余計に思ったんですが、そういう演技が、できるだけストレートな形で伝わるような舞台にしていけたらいいなと思います。
衣装に関しては、きちんとある種のリアリティを追求してく。リアリティを追求していけばいくほど、かえってファンタジーが生まれてくるんじゃないか、スペインにみなさんをお連れすることができるんじゃないか、ということを、今考えてます。

ーー木村先生から見た大空さんと、野々さん、お二人の魅力やお二人に対する期待をお聞かせください。

木村 祐飛の中にはある種の憂いがあると思うんですが、それが戦s_RIMG1808場に来たロバート・ジョーダンとして考えると、色気として舞台に現れてくれるんじゃないかなと。祐飛の憂いのある色気で全体まで覆っていけると良いかなと思っています。
野々に関しては、今、真っ直ぐにということがありましたけれど、台詞を一つ一つ負っていくと、マリアという役から性格のパワフルさを感じるんです。先に先に、前へと生きていくパワフルさを感じるので、そういうところを演じてもらえたらいいかなと思ってます。

ーー先ほど「胸の高鳴り」という新曲を披露されましたが、どのくらい新曲が増えるんでしょうか?

木村 昔の名曲は数多く使っていきたいと思っています。その上で、台詞から感情が高まってそれが歌になる、これがミュージカルなんだと僕はつくづく思いますので、そういう形で台詞から歌に繋がっていくことが増えるのではないかと思っています。

ーー全体としてはどのように演出されるのですが?

木村 80人生徒がいますので、ゲリラとして芝居に絡んでいくというだけではなくて、これは元の構成からあったんですけど、素の芝居をしていた後で幻想の方にぐっと入っていく。明るい場面もありますし、楽しい昔の回想もありますから、そういうところで大きく舞台を使って生徒を動かして行けたらいいかなと思っています。s_RIMG1769

ーーちょうどコンビを組まれて1年になりますが、実際舞台に立って、演技をされて、改めて発見したお互いの素敵なところを教えてください。

大空 じゃあ、野々さんからどうぞ(笑)。

野々 はい。去年の8月の博多座公演のお披露目から1年が経ちましたが、本当に私にとっては、濃く、充実した1年でした。公演を毎日務める中で大空さんから色んなことを教えていただき、勉強させていただきました。大空さんは常に全力で舞台に賭けられていて、その思いは私自身、お隣に立たせていただいて、本当に強く感じまして、さらに宙組全体を大きな心で見渡していらっしゃる、大空さんの広い心に私は本当に毎日助けて、支えていただいております。感謝しております。

大空 本当に初めて一緒に仕事をした時は全て新鮮ですし、ただただ毎日楽しく一緒にやっていたという感じでした。1年間じっくり一緒に仕事をしてみて、さらに彼女の魅力であったりだとか、私のまだ知らない部分っていうのもたくさん見せてくれましたし、常に舞台の上で刺激をくれる、お互いを高めあえるパートナーだと、再認識しております。
私が男役として、宝塚でやってきたこと、自分のやりたい演技の方向性、表現の方向性というものを感じ取って一緒にやってくれる相手と言うのは今、野々しかいないと思うので、そういう最高のパートナーに出会えたことをとても嬉しく思っていますけれど、まだまだ、ここからお互い高めあって、もっともっと素晴らしいものをお見せできるように、二人で頑張っていきたいと思っております。
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ミュージカル
『誰ために鐘は鳴る』
原作◇アーネスト・ヘミングウェイ
脚色◇柴田侑宏
演出◇木村信司
出演◇大空祐飛、野々すみ花、蘭寿とむ、他宙組

●11/12〜12/13◎宝塚大劇場
●2011/1/1〜1/30◎東京宝塚劇場
問合せ 
宝塚大劇場/宝塚歌劇インフォメーションセンター  0570-00-5100
東京宝塚劇場/劇場 03-5251-2001 


【取材・文/岩見那津子】 

パワフルに宙組東京公演が開幕。大空祐飛インタビュー

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ソーラーパワー全開の、宙組公演が東京で7月9日、開幕した。
大空祐飛が率いる宙組の東京公演は、齋藤吉正作・演出のグラン・ステージ『TRAFALGAR(トラファルガー)ーネルソン、その愛と奇跡−』と、石田昌也作・演出のショー『ファンキー・サンシャイン』の2本立て。

『TRAFALGAR』は、海洋冒険活劇のミュージカルで、18世紀のイギリス海軍の名将で、ナポレオンと対峙したことでも有名な隻眼隻腕の英雄、ホレイショ・ネルソン提督の愛と戦いを描いている。齋藤とは何度もコンビを組んでいる『ゲド戦記』などの作曲家、寺嶋民哉の主題歌がドラマティックで、ネルソンの英雄としての姿だけでなく、ナポリ大使の妻エンマ(野乃すみ花)との許されない恋なども描き込まれている。
また、『ファンキー・サンシャイン』は、太陽をテーマに多角的な視点から場面を作り上げた明るさが弾けるショー。太陽からイメージされるものを次々に展開していく。美空ひばり、加山雄三の昭和メロディなども織り込まれ、太陽族やアマテラスも登場するなど、石田らしいなんでもありのバラエティ・ショーになっている。
この公演で、宙組の娘役として長く活躍してきた花影アリスが退団。最後の舞台とあって芝居でもショーでも活躍している。

そんな熱気あふれる通し舞台稽古の後、トップスターの大空祐飛が初日を前に記者団の会見に応じた。

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【挨拶と一問一答】

皆様、本日は通し舞台稽古をご覧いただきありがとうございました。今回は夏にぴったりのお芝居とショーの2本立てとなっております。そして私が宙組で主演となりまして、初めての全員揃ってのショーとなっております。皆様には、もりだくさんでお楽しみいただける作品となっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

ーー作品ですが宙組のソーラーパワーが弾けてますが、見どころなどを。

『TRAFALGAR』のほうは、ひじょうに宝塚的なコスチュームもので、ストーリーも宝塚的なドラマもありつつ、齋藤先生の新しいものを取り入れ、映像など斬新さも取り入れた、宝塚の古きよきものと、今の時代に合わせた物をミックスさせた作品になっております。
ショーのほうは幅広い年代の方にお楽しみいただける、少し昭和の香りもしますけども(笑)、皆さんがリズムに乗りやすい、帰りには歌って帰っていただけるショーになっています。前半の少しコミカルな部分と、後半のドラマチックな部分と、バランスいい石田先生の味付けになっていますので、その辺が見どころだと思います」

ーーちょうど博多座から1年で、トップになってのご自分と宙組の変化は?

s_RIMG1519そうですね。船に例えるならば、最初はやっぱりどんな航海になるかという感じで、行く先がまだ分からないけれどもワクワクしつつ、興奮状態でなんかこう荒波に乗っている感じでしたが、今の心境で言うと、穏やかな海をいい風で渡っているような感じです。ちょうどこのお芝居も海の話しなんですけど、ちょうどいい波に乗れているのではないでしょうか。それはきっと、私自身もひじょうに充実した仕事をさせていただけたことと、宙組全体がいい作品に巡り合って成長しつつ、組の団体力みたいな、チームワークみたいなものも、ひじょうに今いい状態にあるのではないかと感じています。

ーー今回、寺嶋民哉さんの曲もあったりと、見どころが多いのですが、大空さんのお気に入りの曲やシーンがりましたら。

お芝居でいったら、ちょうどオープニングが、『ゲド戦記』の寺嶋先生の曲で、私は初めてでなんですが、ひじょうにパワーのいる曲で、最初は本当に大変でした。1曲歌いきるのにひじょうにエネルギーを使いました。でも今までにない曲にチャレンジすることで、自分もテンションがあがるというか、いいテンションでお芝居が始められるので、とても新鮮な毎日を送らせていただいてます。衣装で言いますと、今回は私が宝塚に入りまして、初めてカッパで、雨ガッパで銀橋を渡っていて(笑)、この着こなしっぷりをぜひ、ご覧いただきたいなと(笑)自信を持って思います(笑)」

ーー最後に東京公演をご覧になるファンのかたに。

皆様、宝塚大劇場での公演の一カ月を経て、『TRAFALGAR』も『ファンキー・サンシャイン』もひじょうに充実しております。また新鮮な気持ちで東京の皆様にお送りしたいと思っております。皆様、ソーラーパワーを受け取りにいらしてください。


元気よく宙組のパワーをアピールした大空祐飛は、記者たちの笑顔と拍手に送られて初日の楽屋に戻っていいった。

(宙組舞台写真は、後日掲載します) 

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宙組東京宝塚劇場公演

『TRAFALGARーネルソン、その愛と奇跡−』

『ファンキー・サンシャイン』

●7/9〜8/8◎東京宝塚劇場

〈問合せ〉 東京宝塚劇場 03-5251-2001


【取材・文/榊原和子 撮影/岩見那津子】

幻想的な美しいミュージカル『ロミオとジュリエット』制作発表インタビュー

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この夏、星組が梅田芸術劇場と博多座で上演するミュージカル『ロミオとジュリエット』の制作発表が、6月8日、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティに、マスコミ各社と200人のオーディエンスを迎え入れて開催された。

この作品はタイトル通り、シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」をもとにしてあり、作詞・作曲・演出を手がけるジェラール・プレスギュルヴィックによってミュージカル化、2001年にフランス「パレ・デ・コングレ・ドゥ・パリ大劇場」で初演。以来、スイス、ベルギー、カナダ、イギリス、ロシア、ハンガリー、オーストリア、韓国など世界各地で上演され、全世界で500万人以上の観客動員を記録するヒット・ミュージカルとなっている。

今回の日本初演は、大作ミュージカルの演出家としては日本でトップクラスの小池修一郎が潤色・演出。スペクタクルで現代的要素を持ち合わせ、詩的な楽曲や幻想性に富んだこの舞台を、さらにエンターティメントとして優れたものにしてくれるはずと期待は大きい。
この日の制作発表の出演者は、星組から英真なおき星組組長が司会で出席、ロミオ役の柚希礼音、ジュリエット役の夢咲ねね、ティボルト役の凰稀かなめは劇中でのナンバーを披露するなど、公演の片鱗を感じさせる歌唱で会場を盛り上げた。

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【キャストによる歌唱】

柚希礼音、夢咲ねね「いつか」

柚希礼音「僕は怖い」

凰稀かなめ「ティボルト」

柚希礼音、夢咲ねね「エメ(Aimer)愛」

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【メッセージ】

フランス版作詞・作曲のジェラール・プレスギュルヴィック氏からのメッセージ。

「親愛なる、日本のみなさまへ。
私が待ちかねております、ロミオとジュリエット宝塚バージョンの、初日公演を見に、あなたがたの元へ参ります。宝塚歌劇団という名高い劇団によって上演されますことは、私にとって大変名誉あることでございます。
と、言いますのも、宝塚歌劇団は女性のみで演じると言う独創性に富み、舞台美術、衣装、照明技術への多大なる名声はもはや説明する必要がないからです。
宝塚歌劇版、ロミオとジュリエットを拝見できますこと、また日本のお客様とお会いできますことを、心より楽しみにしております。
小池修一郎氏を始めとする、非常に熱心な関係者の皆様方の幸運をお祈りしております。
そして、他の宝塚歌劇団の作品同様に、大成功をおさめることを信じております。
それではまた、近いうちに。
敬意を込めて。

ジェラール・プレスギュルヴィック」

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【出席者挨拶】

小池 みなさま本当に本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。そして、梅芸の会員さんですか?ちょっと見えないですけど、ありがとうございます。
この作品は今、多々ご紹介にあり、皆様もフランスの舞台の断片とか、見に行った彼女達の様子とか、色々見ていただいてたけた思うんですけど、そして今社長の、ご紹介もありましたように、本当に現代的にアレンジされた、『ロミオとジュリエット』でございます。
そしてフランスのミュージカル、これは、フランスではスペクタキュルと呼ばれておりますけれども、そういうジャンルのモノが、日本で、日本人によって上演されるのは、たぶん今回が初めてであると思います。
だいぶ前に『十戒』という作品が、ツアー日本で上演されましたが、それ以来だと思います。それはフランス人のツアーでございました。
今回こうして、星組のメンバー、大変、本当に今も熱い歌唱を聞かせてくれた柚希礼音、そして、可憐な夢咲ねね、そして、ちょっと妖しいっていうとあれかな、ま、悩ましいというか、妖しい凰稀かなめという、この3人の大変魅力的なトリオでこの作品が上演されると言うことを、とても私も面白く思っております。
真夏の暑い時期に、大阪、そして博多と上演されるんですけど、たくさんの方にご覧いただいて、そして、このフランス製のミュージカルを、宝塚歌劇で上演するとどういう感じかというのを見ていただけるとありがたいなと思います。

柚希 みなさま本日はお集まりいただき、まことにありがとうございます。宝塚歌劇団星組の柚希礼音でございます。
えー、先ほど映像にもありましたように、私たちは今年三月にフランスに行かせていただき、フランス版を見させていただきました。本当に現代的で、ダンスシーンも激しく、音楽も素晴らしく、あの『ロミオとジュリエット』をこんな風に作った。これを作られた方は凄いなと感動いたしました。
この素晴らしい作品を今の星組で上演できることを、光栄に感じつつ、それと同時に日本初演を担う責任を感じております。
小池先生を信じて、お客様に楽しんでいただける舞台をお届けできるよう、お稽古に励んでまいります。みなさまどうぞ、よろしくお願いします。

夢咲 本日はお集まりいただき、本当にありがとうございます。夢咲ねねでございます。
私は4年ほど前に、ウィーンで『このロミオとジュリエット』のウィーン版を見させていただいたんですけれども、そのときに、終演後に熱が出てしまうほど、本当に魅了された作品でした。ずっとそのときから、この作品をさせていただきたいな、と夢を見ていたんですけど、させていただくことが決まり、本当に今でも夢のようです。
ですが、お稽古が始まってみますと、本当に難しい曲ばかりで、とても大変だなぁと思うのと同時に、この素晴らしい作品を、ちゃんとお伝えできるよう、お稽古に頑張っていかなければいけないなと、そういう責任もとても感じております。
これからも頑張ってまいりますので、どうぞみなさんよろしくお願いいたします。

凰稀 みなさま、本日はお集まりいただき本当にありがとうございました。凰稀かなめでございます。
私もこの3月にフランスに行かせていただき、フランス版を見させていただいたんですけど、今までの『ロミオとジュリエット』のイメージとは全く違い、現代的で、格好良いミュージカルで、この作品を見て私も魅了させられてしまいました。日本で小池先生がどのように演出してくださるか、本当に楽しみにしてました。
えーー(笑)えっと、まだお稽古も始まって、まだ全貌もわからないのですが、小池先生と一緒に、役を突き詰めて、そして自分自身たくさん勉強していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


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【一問一答】

記者 フランスで公演をご覧になって、自分が演じる役の方を見たと思うんですが、どんな感想をお持ちになったか。格好良かったところとか、どんなところを参考にしたいとか、ありましたら。

柚希 私はロミオと言えば白いタイツみたいな、イメージがあったんですが、すごく男らしい、ロミオでした。なので、ロミオだからこうしなきゃっていうのじゃないんだなって思いまして、自分で自分らしいロミオを役として作っていこうと思いました。

夢咲 私はやはり、海外のミュージカルですので、まず言葉がわからないんですけれども、でも、それをも超える、気持ちが伝わってくるっていうか、やはり気持ちが一番大切なんだなと感じたのと同時に、フランスのその曲調というか、あの、現代的なアレンジの仕方とかを、とても素晴らしく歌ってらっしゃったので、すごく参考にしたいなと思いました。

凰稀 私は、フランス版とあと他にウィーン版とか色々見させていただいたんですけど、その中でティボルトさんっていうのは、男性がやられてきて、すごくガッチリした方がやってたので、それをどうやっていこうかっていう部分は、もうちょっと考えていかないといけないな、と思ってるんですけど、イメージ的に凄く熱いとか、見た目的に、暴れるってなってるっていうイメージが凄く強いんですけど、凄くフランス版をみて感じたのは、ティボルトの中の切なさとか、孤独とかっていうのが、すごくこの歌に表されてるなと思っていたので、そういう部分、内面的な部分を大切に演じていきたいなと思っております。

記者 小池先生へ。みなさん今回のロミオとジュリエット、現代的ってキーワードをおっしゃってる方が多かったですが、どの辺りに現代的なところがあるのか?小池先生ならではの強調されたいこと、特筆されたいことをお願いします。

小池 現代的という理由は音楽です、やっぱり。ロックミュージカルというか、さっきもお聞きいただいたもののリズムが、全部テイストであるということが違うんだと思います。
逆に言うと、お話はむしろ非常に原点というか、オリジナル、元のシェイクスピアの原作に非常にのっとってると思います。つまり、演出された物語が、その時代の現代のNYだったということと比べると、そういうことにはなっておりませんので、やっぱり、時代の世界観みたいなものは、中世の原作に近いと思います。
ただビジュアルの、衣装やなんかのコンセプトであるとか、音楽であるとか、そういった所はものすごく今のモノに、洗いなおしてると。
あと、お話の構築として、非常に独特なのは、ティボルトという役が、ジュリエットの従兄弟なんですけど、ロミオに殺されるというのは、それは決まっている筋なんですけど、そのティボルトが従兄弟であるジュリエットにずっと密かに恋をしているという設定が、ものすごく強調されていて、先ほど歌った歌もティボルトのジュリエットへの思いを歌っているんですけど、争いになる一つのキッカケというか、動機が、ティボルトのジュリエットへの愛であり、それがロミオとジュリエットが結婚したことを知って、ティボルトが逆上するという作りは、このフランス版の、今のこのミュージカルの非常に特徴的なところであると思います。
そして、やはり強調されているところは、最終的に争う人たち、広げてみると世界の紛争ということに繋がると思うんですけど、そういったものが、愛の力で乗り越えることができるのではないか。というメッセージがこの作品の根幹にあると思います。
宝塚版でもやはりそこのところは、ちょっとお客さまに表現してまいりたいなと思っております。宝塚でも大劇場公演ではないので、選抜メンバーですから、その意味では、梅田芸術劇場でやる『ロミオとジュリエット』という形に、ミュージカル作品として、つくるといいますかね、そこにもっと、焦点を合わせていく感じになると思います。
でも、この今の柚希礼音、夢咲ねね、凰稀かなめといった彼女達の、今が盛りの星組の花たちが競って競演していくわけですから、そこにこの物語のロマンティズムっていうのが、上手く噛み合って、「ロミオとジュリエットって昔のたるい恋物語でしょ?」ってイメージじゃなくて、もっとスリリングでエキサイティングなドラマとして、お見せできればなと思っております。

記者(以下しばらく浜村淳氏) イタリア映画の『ロミオとジュリエット』は、シェイクスピア文学の香り、古典文学の香りをそのまんま残しながら、小池先生のおっしゃいました、大変エキサイティングな若い人のキビキビとした颯爽とした物語に仕上げました、一方アメリカ映画の『ロミオとジュリエット』は、ディカプリオが車ぶっ飛ばしたりして、もの凄い現代的な『ロミオとジュリエット』をやりました。どっちも面白かったんですが、どちらに期待をおいて拝見すればいいでしょうか?

小池 えーっとですね、どちらかというと、どちらでもないと思うんですね。というのは、現代だからといって、マフィアというか、ヤクザもの系に置き換えられていたと思いますし、イタリア映画のは当時こうだっただろうっていうのを、再現しているところが、ロケーションや、時代考証みたいなものを、もの凄く正確にやったというのが魅力であって、したがって、出演者たちがあの物語の設定の16歳とか、本当にその年齢の人がやることで新鮮だったと思います。この作品の場合は21世紀のミュージカルであるというところなので、そこに期待をしていただくといいかもしれません。映画のどちらも、私もどうかな?と思ったんですが、どちらとも違うように思います。
筋の運びが原点にあって、基本的には近いと思うんですけど、ティボルトのあり方が違ったりもしてますし、ヴィジュアルも今の最先端のファッションみたいなものを、上手くアレンジしている形ですし、というところで、宝塚ならではのこういうヴィジュアルの面白さとか、美しさもあると思うのでそこに期待していただければと思います。

記者 映画ではロミオが始めてジュリエットと喋るパーティーの場面がありますね。とってもロマンチックでした。一方チャンバラもあれば、オリビア・ハッセーのヌードもありました。そのうちのチャンバラはありますか?

小池 これはですね、ダンスで全部表現されておりますのと、あの、あと、ピストルもまだこの物語に出てこないので、従いまして、どちらかと言うと素手と短剣とかでしょうね。あの、ちゃんと、星組はファイティング強いんで(笑)、だからちゃんと柚希さん鍛えてますから、楽しみにしてください。

記者 夢咲さんのヌードはないですね?

観客 (笑)。

小池 あの(笑)、今日ちょっと、映像出なかったんですけど…。

記者 あるんですか?

小池 いやいやいや、あのですね、これフランスではDVDとか、初演の2001年か2000年のやつは、DVDで売り出されてますし、たぶん今やってるバージョンのものも出たりすると思うんですけど、ウエストサイドと一緒でロミオは脱ぐんですよ、上半身ね、で、女の子の方は、シーツを巻いているというよくあるパターン。ですから、宝塚の場合も柚希さんどうしましょう?というのが(笑)、あの、女の方の人は、残念ながらといいますが、なんか巻いてますね。

記者 柚希さんはあるんですか?

観客 (笑)

小池 まだちょっと本人と相談してないんですけど、

観客 (笑)

小池 肩甲骨とかそういうところは大丈夫なのか、ちょっと聞こうと思ってます。

記者 柚希さんはどうですか?

小池 あの組長さんがOKとおっしゃれば。

英真 肩甲骨、鎖骨OKです。

小池 男性に見えますでしょうか。

英真 見えます大丈夫です。

記者 組長の許可が出た以上やりますよね?迷ってますか。

観客 (笑)。

小池 後ろ向きが裸で男だっていうのも嬉しいんだか、男役の芸のウチに入るんですかね?

記者 夢咲さんはチラっとも出しませんか?

小池 娘役さんは衣装で、肩甲骨ぐらい出てるときがありますから、どうでしょうね?

これから相談させていただきます。

記者 本番まで楽しみにしております。ありがとうございました。

記者 あの、スペクタキュルですか?ということが、日本で日本人がやるのは初めてということですが、その辺を少しわかり易く説明していただけませんでしょうか?

小池 スペクタキュルというカテゴリーは、つまりあちらの「ぴあ」のようなものを見ますと、演劇はテアトロとなっていて、ミュージカルっていうのは、スペキュタクルに…今、思い出しました、すみません。最近フランスの『ノートルダム・ド・パリ』という公演が大ヒットしてから、大きい劇場の5000人とか入る、劇場とか、体育館のようなところで、たくさん何十人も人が出て、ほとんど歌ですね。そして踊りを常に誰かが踊っている形の、ちょっとショーみたいなミュージカルの公演というのが、ヒットというか、ちょっとジャンルが出来てるんですね。
古いところで思い出したんですが、『シェルブールの雨傘』とかがありましたから、あの辺のものもフランスの方はスペクタキュルと呼んでいらしたのかもしれません。
ちょっと私が勉強不足でそれをどう呼ぶかはちょっと把握してないんですが、スペクタキュルというと、いわゆるスペクタクルですよね、英語で言うなら、ダイナミックな設定のあるものを呼んでると思うんで、サーカスがスペクタキュルというところに入っていたりして、ちょっと演劇と言うより、ちょっと派手なパフォーマンスという、音楽とか、歌の多い、でもコンサートというよりは、筋とか、ダンスがついているものという、そういう概念なんだと思います。
ある意味宝塚とすごく近いなと思います、たぶんフランスの方がご覧になると、宝塚の名作であります、『ノバ・ボサ・ノバ』というのがありまして、柚希礼音の初舞台でですね、その作品とか、筋の伴ったショーで、僕なんかこれミュージカルとして面白いなぁ、とすごく思ったんですが、たぶん宝塚だとショーというカテゴリーに入っていて、やっぱりスペクタキュルというのはそういうものを指してると思いますね。

記者 この作品はウィーン版もパリ版もフランス版も、ずいぶん見た人によるとイメージが違うと聞いているのですが、宝塚版で、小池先生は海外ミュージカルとかなり大胆に、潤色されますので、宝塚版ならではのシーンとか、ウィーン版とか、パリ版と違う部分があるのかということをお願いします。

小池 いわゆるナンバーとして、宝塚用に、お書きいただいたということはありません。なぜかというと、たくさん曲がもうありまして、ありすぎるぐらい入ってまして、今回、今年フランスでリバイバルしたんですね。10年ぶりのリバイバル版、さっき歌ったティボルトもそれで書かれた新曲でした。
いっぱいあって、宝塚歌劇にするにはちょっと長いので、そういうったところは整理して、向うも使いやすいように再構成してくださってかまいませんよ。と言ってくださてます。
なんといっても宝塚歌劇の強みというのは、みなさんご存知のように、歌踊り演技という三拍子をバランスよくやるので、これらの作品はちょっとビデオみておわかりかどうか、基本的には、歌の方がおやりになるんですね。これは近年、英米でも『レ・ミゼラブル』とか、『エリザベート』もそうだと思うんですけど、みなさん歌のミュージカルのスターなんだけれども、映画出たりとか、普通のお芝居に出たりとかあまりなさらないし、ダンスはあまり得意じゃない人の方が多いと思います。
基本的に音楽畑の方がやることに、なんかなってるんですけど、宝塚の場合は、そこが3つのバランスをとった生徒達、スターたちが演じますので、ちょっと踊る要素とか増やしていきたい。それから、2コーラス、1番2番とある歌が、歌だけで、ちょっとコンサートのように盛り上げてしまうのではなく、やはりお芝居をともなって、ナンバー、場面と言うのを盛り上げていくようにしたいと思っております。
それによっておのずと、宝塚のミュージカルなんだなとお客様は感じてくださるんじゃないかと思います。逆に言うとダンサーはダンスだけなんです。お芝居もあまりしないし。
どっちかというと、キャピュレット家の人というのが、バンバン踊り狂っているという、そこにそれ以上に、芝居的な要素が少し薄いので、そういったところも加味していく。もう少しドラマ的な要素は強くなるかなと思っております。
あとごめんなさい、1個言い忘れておりましたが、昨日宝塚で稽古、初めて振付したんです。凰稀さんは除いていますがね。このミュージカルは大変特徴的なのが、死という役がありまして、これが、女性のすごくおっかない女の人が踊るんですね。
それはフランスのオリジナル版ですと、黒髪のなんかすごい死神の女性がいるんです。近年は白髪というかメイクキャップも変えて、全身白で出たりだとか、ロシアでは男性がやっておりました。
これを宝塚でやると考えたんですが、死という役を私が演出すると、エリザベートを転用したんではないかと思う方が多いんじゃないかなと思い、あ、トートって言われるなと思い。で、それだけがテーマじゃなくて、『ロミオとジュリエット』という物語に「死」という影がよっているんだけど、でも二人は結ばれて、愛が、最終的にはベローナに平和をもたらすという意味では、愛が勝つと言うお話だと思いますので、愛という役を作っております。
従いまして、死という女性のダンサーが踊っているパートがあるんですけど、役があるんですけど、それに愛という役をつくり、愛と死。死を男、愛を女役、女のダンサーとして、使っております。演じるのはどちらも男役なんですけど、そういった形で、そこが宝塚の一番のそれまでの、海外で上演されたものの、一番違うところだと思います。
ちなみに先ほど夢咲が見たともうしましたウィーンのバージョンでは、その死のダンサーが出てこない。出てこないバージョンもありました。でもほとんどの国で、これ今世界、二十何カ国かで上演されたんですね、私たちが一番、今のところ後なんですけど、そのたぶん、ウィーン版以外ではほとんど全部死のダンサーが出てると思います。
で、愛と言うのは今回初めて宝塚で登場させます。この物語が一方でさっき怖いと歌った、死の影が、忍び寄ると言うことをダンスで表現しますし、そこらで宝塚の魅力と言うのが別の形で出てくるかなと思ったんです。

記者 一言だけ、教えていただきます。凰稀さんは、ロミオによって命が失われた、命を奪われて、殺されたわけですが、その後は一度も出てこないんですか?

小池 あのね、今ね、彼女はまだ知らないんで(笑)すみません。
外国のモノを日本語に、マキューシオというのが死んで、そのあとに色々、ロミオとどうするってところの場面を今直してるものですから、オリジナルとちょっと変えようかと思ってるんですが、それから舞台はたぶん30分以上続くので、そこで楽をさせてはいけない(笑)。楽屋でもう一人マキューシオは紅ゆずるですか、二人でなんか喋ったりね、みんな汗かいて踊ってるのに、食べたりしてるといけないと思いまして、ちょっと復活させようと思っております(笑)。

凰稀 ティボルトで?

小池 だから踊ろうかななんて。ティボルトとか、マキューシオとか、ちょっと霊になって踊るとか、それは。絶望っていう、全員のコーラスなんですけど、そこの時に、ちょっと出ると良いなというのを、実はここにくる阪急電車の中で思いましてですね(笑)阪急宝塚線に乗りますと、なんか大変良い案が浮かぶと(笑)。あ、そこの辺、もう少しと思いまして、色々な試行錯誤、色々考えてたんですが、宝塚版としては、盛り上がりになるかなぁと思ってますし、彼女も二幕の後半の一人、町を追放されたこととかに、歌もありますし、ちょっと踊ろうと思っております。

記者 凰稀さんよかったですね。

凰稀 よかったです。はいー。

司会 あそこで殺されてあと全然出ないとしたらフィナーレまでの時間が余ってしかたないですからね。

凰稀 袖で見ようと思ってました。

司会 楽しみにしてます。再びの登場を。最後に小池先生から締めの挨拶を。

小池 あの本当にこの海外の作品というのは、私たちのために作られたものではないので、毎回やるたびに、宝塚という場で上手く移殖させて上手く花を咲かすことができるかどうかと、毎回非常に不安と期待に満ちて、やっております。
今回も今日お聞きいただいたように、とても綺麗で良い曲ばかりなんですが、やはりそれをこなしていくのは、とても大変ですね。一番は音域の問題で、彼女たちは女性なので、男性用に書かれた曲というのを変えたときに、色々と無理が出てまいります。
そういったところの調整を、音楽監督の太田先生や、歌唱指導の先生と、もう力をお借りしてなんとか、宝塚でもちゃんと上演できるような形にもっていき、そしてお客様が最終的に、ご覧になられたときに、納得がいくというか、そこに、あ、こういう物語になったんだ、こういう作品なんだと、楽しんでいただける形にまとめたいなと思っておりますが、なにぶんにも時間が迫っておりますので、大変なんですけど、たぶんその分熱い柚希礼音ですので、ロミオといえども、とてもホットなロミオだと思います。
そうすると、その熱は、できあてほやほやの時の方が、より熱くて美味しいかなと思いますので、是非みなさん梅田芸術劇場の方へお越しになってください。よろしくお願いいたします。

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宝塚歌劇星組公演

ミュージカル

『ロミオとジュリエット』

原作◇W・シェイクスピア

作詞・作曲・演出◇ジェラール・プレスギュルヴィック

潤色・演出◇小池修一郎

出演◇柚希礼音、夢咲ねね、凰稀かなめ 他宝塚歌劇団星組

●7/10〜26◎梅田芸術劇場 メインホール

〈料金〉S席¥8500、A席¥6000 B席¥3000

〈問い合わせ〉 06-6377-3800 梅田芸術劇場

http://www.umegei.com/

●8/2〜24◎博多座

〈料金〉S席¥8500、A席¥7500 B席¥6000 C席¥4000

〈問い合わせ〉博多座/TEL.092-263-5555

http://www.hakataza.co.jp/

http://www.hakataza.co.jp/keitai/

【取材・撮影/岸隆子 文/榊原和子】

 


人気のミュージカルが開幕『スカーレット ピンパーネル」』の初日インタビュー

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6月4日、東京宝塚劇場で月組公演、『スカーレット ピンパーネル」』の初日が開いた。

原作はオルツィの小説「紅はこべ」で、フランス革命の時代に罪無くギロチンにかけられる貴族を救出する義賊紅はこべの活躍を描いたもの。1997年にブロードウェイで上演されたものを宝塚流にアレンジ、08年に星組が初演している。作曲はフランク・ワイルドホーンで演出は小池修一郎というヒットメーカーたちのコラボにより、優れたエンターティメントに仕上がり、09年には数々の演劇賞を受賞して話題を呼んだ。今回はその人気作の2年ぶりの再演となる。主演は、今年から月組トップコンビとしてスタートを切った霧矢大夢と蒼乃夕妃で、これが初の東京公演でお披露目作品となる。

舞台はパリとロンドン、おとぼけ風のイギリス貴族パーシー・ブレイクニーが実は義賊で、仲間の貴族たちとともにピンパーネル団としてアクションや変装などして大活躍するという物語の爽快感。また、パーシーと妻で女優のマルグリット、彼女を愛しているフランス革命派のショーヴランという、愛のトライアングルも見どころだ。
そして、ワイルドホーンの作曲した数々の名曲が、パワフルに、ときにはしみじみと歌われるとともに、宝塚のミュージカルらしい華麗な美しさ、この作品ならではの群衆の迫力などで舞台は盛り上がる。トップの霧矢は素晴らしい歌唱とともに得意のコメディセンスを発揮、星組版とはまた違った陽のテイストを持つ月組版『スカーレット ピンパーネル』の牽引者となっている。なおこの作品は、ショーヴランが龍真咲と明日海りおの役替わりになっていて、それぞれ成長著しい男役スターの競い合いも、作品人気の要因となっている。

初日の午前中に、通し稽古を終了した霧矢と蒼乃が、東京宝塚劇場ロビーで報道陣の質問に答えた。

_MG_5443霧矢大夢・蒼乃夕妃 挨拶と一問一答】

霧矢「皆様、本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。月組版『スカーレット ピンパーネル』が、今日より開幕いたします。どうぞよろしくお願いいたします」
蒼乃「お披露目公演ということで、この作品に携われることを本当に光栄に思っております。千秋楽までがんばりたいと思いますので、よろしくお願いします」

ーー2年前に大評判となった作品ですが、大劇場を終えてこの東京公演に挑む意気込みを聞かせてください。

霧矢「そうですね、宝塚大劇場で1ヵ月公演してまいりまして、そのなかで月組ならではの『スカーレット ピンパーネル』になったであろうと自負しておりますので、みんなで自信をもって東京に挑みたいなと思っておりましたので。もう、何の気負いもないですね。楽しんで、このエンターテインメント性の高い、冒険活劇を皆さまにお伝えしたいな、と思っております」
蒼乃「今の月組にしか出せない色がたくさん見られる作品で、大劇場公演を通してどんどん成長してきたと思うので、それを楽しみに、月組の『スカーレット ピンパーネル』を楽しみにしていただきたいと思っています」

ーーその月組ならではというのは、どんなところですか?_MG_5445

霧矢「やはり月組は、代々“芝居の月組”と呼ばれておりまして、スカーレット ピンパーネルはパーシーとマルグリット、ショーヴランの人間関係が主軸なんですが、パリの人々であったりとか、貴族の人々であったりとか、民衆の場面というのがとても大きなポイントを占める作品です。ま、その中で、本当に下級生の一人ひとりが、それぞれの役を、名前のない役でも作り上げて、一生懸命お芝居しながらやっているっていうのは、やはり月組らしいなと思いますし。どんな小さな役でも、本当に全身全霊を込めてやっている姿などが、メインキャストの私たちも、そういう下からの“押し上げ”というのを、感じてやらせていただいております」

ーーそれぞれの役づくりの工夫、またアピールしたいところがあれば。

蒼乃「マルグリットというのは、元女闘士ということで、すごく芯の強い女性なんですけど、パーシーと出会ったことで、女性らしい一面も出て来たり、新婚であったりとか、私はそういう部分を大切に。でもショーヴランと向き合ったときは、本来の自分というか強い部分を出す。いろんな面を持った女性でいられたらなと思いながらやっています」
霧矢「パーシーは、冒険活劇のヒーローらしいヒーローで、まあ、世間的には浮ついた貴族を演じておりますが、他国の貴族を助けるという正義感も持ち合わせておりますし、ま、ちょっとした茶目っ気であったりとか、パーシーも本当にいろんな面を出せる役だなと思いますし。皆様が一番楽しみにしていらっしゃる(笑)グラパンの役作り等々、みなさまの期待が大きくて、どうしようかなと一番悩んだところではありますけれども。それを宝塚大劇場でやってきて、いろいろ自分の中でも切り替えがうまくできるようになってきたので、そういったヒーローの部分と、マルグリットとの恋愛関係のロマンスの部分というバランスをうまくとりながら、自分なりのパーシー、今言葉にして表すのは難しいのですけど、霧矢のパーシーを感じていただけたらと思っております」_MG_5464

ーー新生月組はどんな感じですが。

霧矢「大劇場のときは、初舞台生も一緒で、何か初めての、初のっていうことがいっぱい重なった公演だったんですけれど、東京のほうは、その初舞台生の中から月組の組子が配属されまして、本当に新生月組の完全版といいますか、もうこの月組でこれからやっていきますっていう形なので、それはそれで気持ちも新たに、また、月組みんなで力を合わせて、毎日の舞台を、元気に楽しくやっていく、という意気込みでございます。そして、また、それが次の、次回作次回作と、つながっていけばいいなと思っております」

ーー今回は、龍真咲さんと明日海りおさんがショーヴランを役替わりしますが。

霧矢「ベースに流れてる役づくり等々はそんなに変わらなくて、龍と明日海自身は違うので、その都度も、本当に2人とも微妙に、芝居をかけてくるというか、ぶつけてくるタイミングといいますか、場面がポイント、ポイント違ったりとかするので、そういったものは柔軟にね、対処していきたいと思います。私に関しては、そんなに、こっちのショーヴランだからこうするとか、そういうふうな違いをつけているつもりはないです」
蒼乃「私もあまりベースに流れてるマルグリットの役は変わらないので、ショーヴランの人が変わったからといって、自分で変えようとは思ってないんですけど、人が変わることによって新鮮に、お芝居ができるようにっていうのは、自分ですごく心がけたいなと思いながらやっています」

霧矢が話しながらそばの蒼乃に同意を求める場面もあったり、東京お披露目とはいえ、今年初めからすでに5カ月という信頼関係を感じさせるトップコンビ。最後に霧矢が「千秋楽まで、どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶、大きな拍手に送られ初日の楽屋に戻って行った。

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月組東京宝塚劇場公演『スカーレット ピンパーネル』

6/4〜7/4

当日券等の問い合わせ/東京宝塚劇場 03-5251-2001

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写真が第二幕のみになっていることをお詫びします
【取材・文/榊原和子】

華やかに幕を開けた花組『虞美人』(舞台稽古&真飛・桜乃インタビュー)

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4月30日、東京宝塚劇場で花組公演、『虞美人ー新たなる伝説ー』の初日が開いた。

1951年に白井鐵造の作・演出で大ヒット、今もなお語り継がれる名作を、今回は木村信司が担当、脚本・演出・音楽・装置・衣装とすべて刷新し、ミュージカル宝塚ならでは大きな舞台の機構を生かした、ダイナミックなミュージカル『虞美人』として作り直した。

背景となるのは紀元前3世紀、絶大な力を誇った秦の始皇帝が亡くなり、再び戦乱の世となった時代。皇帝の座を争う武将たちの1人、楚の武将・項羽とその妻である美しい虞妃がたどった悲しい運命を、宿敵である漢の劉邦との覇権争いなどを絡めながら描き出している。

この日、朝早くからの舞台稽古では、中国の華麗な衣装をまとった花組生たちによって、熱の入った稽古が繰り広げられた。

真飛聖の項羽は、桜乃扮する虞妃をひたすら愛し抜く男性として愛の世界を築き上げつつ、覇王として天下をとるための戦いを激しさ見せながら演じる。彼と義兄弟の契りを交わしながら、のちにライバルとなる劉邦に扮するのは二番手男役スターの壮一帆。劉邦のしたたかな生き様を、時折り笑いを誘う演技を交えながら描き出す。
彼らを取り巻く武将の韓信・愛音羽麗や軍師の張良・未涼亜希といった男役スターたちの活躍も見どころの1つだし、若手たちにも数多く役が与えられていて、戦いと政略のドラマのなかで、それぞれ盛り上げる役割りを担っている。1本立てでショーがないかわりに、フィナーレは洋風に仕上げてあって、宝塚らしい華やかなダンスシーンも楽しめるという中身豊富な公演になっている。

また、この公演は花組トップ娘役として、さまざまな役柄で活躍してきた桜乃彩音の退団公演で、千秋楽には本公演に加えて「桜乃彩音サヨナラシヨー」が上演される。

その大作の舞台稽古を終えて、真飛聖と桜乃彩音が晴れやかな表情で記者団の前に登場した。

 

【真飛聖・桜乃彩音 挨拶と一問一答】

_MG_6960真飛「本日は朝早くからありがとうございます。千秋楽まで項羽と虞美人コンビで精一杯つとめて参りますので、よろしくお願いいたします」

桜乃「本日は本当にありがとうございます。この公演で宝塚を卒業させていただきます。長い間本当にお世話になりありがとうございました。最後まで精一杯頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします」

ーー桜乃さんが卒業されるというのでたいへん残念なのですが、今回とくに、お互いにこういうところが素敵だなと思うところがあれば。

真飛「すべて可愛いです。どれというのではなくて、もう集大成ということが彼女の中ではあるからかもしれないんですけど。今回は、初めて最初から夫婦という役で、今までは兄妹とかが多く、恋愛は少なかったので、久しぶりの2人の恋愛物というのでとても嬉しいんですけど。彼女の幸せオーラというのが、見ていてこちらに伝わってくるので、すべて愛しいと思いますし。でも、やはり最後に自害する前の剣舞の踊りなど、なんとも言えない彼女の表情とかに、あれはもうたまらない愛おしさを感じてます」_MG_6958

桜乃「ありがとうございます」

真飛「はは、のろけ対談みたいだね(笑)」

桜乃「本当に今まで強く私のことを引っ張ってきてくださって。芝居の中でも、ゆうさん(真飛)とご一緒してると安心感があって、すべてを預けていられます」

真飛「真似しないでよ(笑)」

桜乃「本当に最後の公演で、こうやって夫婦の役をさせていただけることが本当に幸せですので、最後までゆうさんのおそばでついていって、幸せでいられるように、心を込めて役を作っていけたらと思っております」

ーー今回は名作のタイトルを背負ってるわけですが、そのうえで役に取り組んだ工夫があれば。

真飛「そうですね、以前上演された作品とはいっても、曲も「赤いけしの花」とあと1曲以外は全部新曲ですので。昔ご覧になっていたかたも「赤いけしの花」は懐かしいと思われても、ほかはリメイクされているので、新作という思いで観てくださっていると思うんですが。でもやはり以前されていた方々が魂を込めて演じられていた、そして「あれは名作だったよね」と語り継がれている『虞美人』というものを、今回観ていただき、「こんなお話だったんだ」とか、新たなる伝説と今回は付いているんですけど、「こういう形で再演してるんだね」というふうに観ていただけたら嬉しいです。項羽に関しては本当に真っ直ぐでウソが無い人物ですので、やっていて心が洗われるほど真っ直すぎるので、(桜乃に)ごめんね、心配になっちゃうよね(笑)。誤解を招きかねないくらい真っ直ぐに生きてる人物なので、やっていて気持ちがいいです」

桜乃「私も、初演をご覧になっていたお客様もいらっしゃって、「観たんですよ」とかお話をうかがって、そういう方たちのためにも、美しい思い出を壊さないように演じたいと思っておりますので。あと虞妃に関しては、真っ直ぐすぎる項羽様を愛する虞妃も、清らかで、実在していた人物ですので、誠意を込めて心を込めて、素直な気持ちのまま、この役を演じることができたらと思っております」

_MG_6946時々顔を見合わせて、項羽と虞妃そのままに微笑み合いながら、記者たちの質問に答える真飛聖と桜乃彩音。最後に「皆様、どうぞよろしくお願いいたします」と真飛が挨拶、会見を終えて、大きな拍手に送られ楽屋に戻って行った。

 




花組東京宝塚劇場公演『虞美人ー新たなる伝説ー』

4/30〜5/30

当日券等の問い合わせ/東京宝塚劇場 03-5251-2001

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 【取材・文/榊原和子】

 

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