えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

帝劇ミュージカル『1789』

OG公演会見

歴代キャストが集結して華やかに『エリザベート』TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラコンサート 制作発表記者会見レポート

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宝塚歌劇団で1996年に初演され、宝塚のみならず日本のミュージカル界の大きな財産演目となったミュージカル『エリザベート』の初演から数えて20周年を記念し、宝塚の歴代キャストが華々しく集っての夢の祭典、三井住友VISAカードpresents『エリザベート』TAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラコンサートが、12月9日〜18日大阪・梅田芸術劇場メインホールで、また2017年1月8日〜20日、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて開催される。

このガラコンサートは、これまで『エリザベート』の歴史を創ってきた宝塚歌劇版の歴代キャストによって、96年の雪組初演メンバーによる【モニュメントバージョン】、扮装でのコンサート形式の【フルコスチュームバージョン】、歴代出演者が競演の【アニヴァーサリーバージョン】と、それぞれ異なる3つのバージョンが上演され、それぞれに夢を描いたファンと共に、ミュージカル『エリザベート』の20周年を祝おうという、盛りだくさんな内容だ。

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そんな作品の制作発表記者会見が、11月4日都内で行われ、トート役を代表して一路真輝、麻路さき、姿月あさと、彩輝なお、春野寿美礼、水夏希、エリザベート役を代表して大鳥れい、白羽ゆり、このガラコンサートで初めてエリザベート役に挑戦する龍真咲(大阪公演のみ。東京公演ではルキーニ役での出演)、宝塚歌劇団専科の現役生・凪七瑠海という、豪華10名の出演者と、演出の小池修一郎、中村一徳、そして協賛会社の三井住友カード久保健社長、主宰者の梅田芸術劇場大塚順一社長が登壇。作品への思いや、コンサートへの意気込みを語った。

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まず、主催の梅田芸術劇場代表取締役社長大塚順一氏から、ミュージカル『エリザベート』の宝塚初演から20周年、作品は宝塚歌劇団のみならず日本を代表するミュージカルとなったと言っても過言ではない。その『エリザベート』20周年を記念して、06年、12年に続きガラコンサートを宝塚歌劇団の協力のもと、開催できることを喜んでいる。是非ご期待頂きたい。また協賛会社の三井住友カード株式会社代表取締役社長久保健氏より、『エリザベート』は初演から9演目までの宝塚歌劇団でのすべての公演、またガラコンサートを協賛してきた思い入れの強い作品で、20年の成長が感慨深い。それぞれの演者の個性によって新たな魅力が生まれる作品なので、20年と言わず30年、50年と続いてもらいたい。今回は歴代の素晴らしいスターが集まっての公演で、一ファンとしても大いに期待している。また新たな『エリザベート』のファンが生まれることと思う。大成功を祈念していると語られた。
更に、演出の小池修一郎氏から、梅田芸術劇場主催になる前の、97年に行われた初回を含めたこれまでの『エリザベートガラコンサート』の歴史が語られ、『エリザベート』がミュージカル版だけでなく、ガラコンサート版としても年月を重ね、ますます厚みを増して盛り上がってきている。『エリザベート』に取り組んだ出演者たちが男役として、また娘役として青春をかけて思いを込めてくれたからこその20年であり、当時の思いに更に年輪を重ねた今、このガラコンサートも円熟味を増した、色々な発見のあるものになると期待している。スケジュールの都合もあり、演出に中村一徳さんのご協力を頂くが、フォーマットは残しているのでディテールに工夫をこらしてくれると思う。よろしくお願いしたいという言葉がある。
それを受けて演出の中村一徳氏からは、宝塚初演の20年前に演出助手として参加して以来、02年の花組公演版までスタッフとして関わらせて頂いた。そのあと10年以上遠ざかっていた『エリザベート』に、20周年の今回小池先生から声をかけて頂いて、ガラコンサートに携われることは光栄の一言だ。初演に賭けた情熱を思い出すし、それから今までキャストの方々の熱意があって、日本で1番愛されるミュージカルになっていった。その経緯に関われたことを誇りに思う。ガラコンサートも歴史あるものになり、すでに稽古も始まっているが、トート役、エリザベート役ばかりでなくアンサンブルの面々までとても華やかなものになっているので、お客様には当時を懐かしんで頂くと同時に今のメンバーの魅力あふれるものとして楽しんで頂けると思う。初日まで稽古に励んでいくので、ご期待頂きたい。と、それぞれの立場からの挨拶があり、出演者の挨拶へと引き継がれた。

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【出演者挨拶】

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一路真輝
 今回トート役をさせて頂きます。今、この記者会見の席で小池先生や皆さんのお話を聞いていて、96年の初演の記者会見のことを思い出しておりました。トートの扮装をして私が出て参りました時に、ほとんどの皆様から、宝塚の男役トップスターが死神をやるのか?という恐ろしいほどの殺気を感じました。いらっしゃっている皆様方のです。私も小池先生も何としても良いものを創らなければという思いが、その記者会見の日から始まったような気がします。おかげで本当に命がけで、雪組全員が『エリザベート』という作品を創ったということを今思い出して、20年経った今、また皆様の前でこうやってお話をさせて頂けていることにすごく感謝しております。愛される『エリザベート』になったことを、本当に嬉しく思っています。これからもずっと『エリザベート』が愛されていって、小池先生が長生きしてくれれば良いなと思っております(笑)。どうぞよろしくお願い致します。

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麻路さき
 私は一路さんの後に2作目のトートという形で宝塚歌劇団でさせて頂いたのですけれども、20年前は正直やるのが嫌でした。小池先生に若気のいたりで「嫌です。やりたくありません」と言って、トート役をお断りさせて頂いた経験があります。雪組さんのバージョンを観て本当に素晴らしかったので、これを次に自分がやるというのは、あまりにもプレッシャーで耐えられないという性格だったので、本当にあの時は辛かった記憶が今でもあります。でも歌劇団員なのでやることになりまして、一生懸命あの時の力を振り絞ってやって、今、本当にあの時にトートをさせて頂いていたからこそ、今ここに居させて頂けるのだなと思うと、自分のワガママを振り払ってださったことに感謝しております。私は10年目の時のガラコンサートに参加させて頂いたのですが、なんて素晴らしい作品に参加できたんだろうという喜びと同時に、10年経った自分がまた違う気持ちでトートに取り組めているという喜びも感じながらやらせて頂きました。それから今回20周年で、また10年ぶりにトートをさせて頂くということで、生きていてまたトートがやれて良かったというのが実感です。回数は少ないのですが、ほとんど昔のメンバーでできる星組バージョンに出させて頂きますし、自分の大好きなトートを頑張って演じたいと思います。よろしくお願い致します。

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姿月あさと 一路さんの雪組の初演、麻路さんの星組と観させて頂いて、本当に大好きな作品で、まさか自分が出させて頂けるとは思っていなかったのですが、宙組でさせて頂きました。その時の千秋楽の時に、鬘を脱いでお衣装を脱いだ時に、もう二度とトート役はしないんだろうなという感極まる思いで、大変難しかった役とのお別れをしたものの、退団してから2006年、そして2012年、そしてまた今回で3度目になります。こんなにも退団してからトートという役、また『エリザベート』という作品に、まさか出会えるとは思っていませんでした。昨日も衣装合わせがあったのですが、当時のままのお衣装がそのまま残っていて、それが残っていることにも宝塚の歴史と言いますか、本当にすごい作品なんだなとしみじみ思っています。観ているのと、演じるのとは大変違っていて、観ていて素晴らしいと思うところと、演じていての難しさ、自分にとっての新たな試練と言いますか、挑戦の時がまたやってきたんだなという思いで、ひと公演、ひと公演、1回1回のお稽古を大事にして、2度と戻らない時間を大事に過ごしたいと思っております。そして一路さんと同じで、小池先生にはいつまでもお元気で頂いて(笑)、小池先生に見て頂けたら嬉しいなと思います。見てくださいね。

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彩輝なお
 私はこの作品には麻路さんの星組公演の時に革命家の1人として、そして新人公演でトートをさせて頂きました。そして5組目となります05年の月組公演の時に、退団公演としてトートをやらせて頂きました。当時退団公演に『エリザベート』というお話を頂いた時に、最後まで試練なんだと深く心に感じたことを思い出します。ですが私の中で今思いましても、この作品、この役は大変思い入れの深い役となりました。再びこのような形でトートをさせて頂くことになるとは私も思ってもいなかったのですが、2012年に再び出会い、そして今回もこのお話を頂いて、トートと改めて向き合いいつもいつも自分を思い知らされると言いますか、成長を感じさせられると言いますか、そういった役と機会を与えて頂けたと思っています。それだけ作品の大きさ素晴らしさを感じています。今回また新たに一役者として、宝塚を愛する、『エリザベート』を愛する者として、役に向き合い掘り下げてまだまだ課題もあるのですが、向き合って大切にしたいと思います。よろしくお願い致します。

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春野寿美礼
 私は2002年の花組公演でトートを演じさせて頂きました。雪組の初演からすでに6年が経っておりまして、その間に星組さん、宙組さんの『エリザベート』があり、その次にやらせて頂きましたが、ひと公演ひと公演ごとに『エリザベート』は皆様からの大変なご支持を頂き、魅力を増して知名度も上がりという中で、トートを演じさせて頂く機会を与えてくださいました。でもそれは本当に大変なことで、毎日押しつぶされていました。当時は、何故自分がこんなに押しつぶされているのかがわからないくらい必死に舞台に立っていたのですが、今思えばやはり『エリザベート』という作品の魅力が大きすぎて、魅力に押しつぶされていたのかなぁと思っています。そして今回20周年を迎えたということで、私もそのひとコマになれたというのは、とても幸せなことだと感じていまして、先輩や先生方が苦労して創られた土台というものを大切にしながら、今自分が表現できることを歌に包み込んでお聞かせすることができたらいいなと思っております。どうぞよろしくお願い致します。

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水夏希 ガラコンサートに初参加させて頂きます。私は2007年に『エリザベート』をやらせて頂いたのですけれども、それはお披露目公演でしたので、本当に無我夢中で。今、稽古が進んでおりますが、当時は本当に何も見えなくて、周りの方に助けて頂いて公演が出来たんだなぁという、改めてこの作品の難しさと魅力をしみじみと感じております。私は元々宝塚に入ろうと思ったのは、自分ではない自分になれる、すごく濃いメイクをして変身できるというのが、宝塚を目指した一番のきっかけでした。ですからこのトートというのは、人間ではない死神ですので、自分の中ではある種の特殊メイクをさせて頂けたのがとても楽しくて。退団してからはなかなかそういう特殊メイクをする機会はないので、今回退団して7年目になりますが、また特殊メイクができる、そして『エリザベート』の男役の衣装を着ることができるというのはすごく嬉しいです。と言いながら本当に難しくて苦戦しておりますけれども、宝塚の男役として過ごした20年間と、退団してからの、性転換してからの6年間、全てを費やして精一杯命がけでトートを演じたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

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大鳥れい
 私は2002年の春野さんのお披露目公演の『エリザベート』で退団をさせて頂きました。エリザベートいう大きな役をさせて頂けるということで、退団を決めたのですけれども、その時は、先ほどの春野さんのお話とは真逆で、私は本当にこの役ができることが幸せで、体力も気力もすべて充実している時にさせて頂けたこともあり、楽しくて仕方がなかったです。女性の生涯を演じられるという役柄はなかなか宝塚にはなくて、この役で退団しようという思いでエリザベートを演じたので本当に楽しかったのですが、その後退団して、このガラコンサートは2度目なのですが、その度毎にこの役の大きさを感じるようになりまして、当時はなんて怖いもの知らずだったのだろうと。役が大きくてやることがたくさんあったこともありますが、今は色々な経験をして人生を経て、深く感じることが多い役だなと、今回は一番プレッシャーと言いますか、難しい役柄だと感じながらお稽古をしております。そして、今回新たに加入する龍真咲さんがエリザベートを演じられるのですけれども、今お稽古場で一緒にお稽古させて頂いていて、彼女のこの若さとキラキラには敵わないな、とそればかり思ってしまっていて(笑)。これに敵うには経験と哀愁だなと(笑)そこで演じるしかないなと思っております。また一から脚本を読み、哀愁と経験で演じきりたいなと思います。よろしくお願い致します。

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白羽ゆり
 私は入団1年目の時に、宙組の姿月さん花總さんの『エリザベート』に出演させて頂いています。その時はまだ下級生で後ろの方で司祭役で男役をやったりしていました。稽古場ではナイフの小道具を花總さんにお渡ししたり、その数年後に自分がエリザベートを演じるとは夢にも思っていなかったのですけれども、今こうして改めて、宝塚時代にこの作品とエリザベート役にめぐり会えたことは、本当に自分にとって財産となる幸せなことだったのだなと実感しています。私は宝塚が大好きで入団して、本当に青春でした。その頃の懐かしさと新鮮さはそのまま大切にしたいですし、今は卒業したからこその深みと思いが出たらいいなと思っております。頑張ります。どうぞよろしくお願い致します。

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龍真咲
 この度私は大阪ではエリザベート役を、そして東京ではルキーニ役をさせて頂きます。エリザベート役に初めて挑戦させて頂くのですが、麻路さんの大きな愛と大きな包容力と、そして彩輝さんの繊細な愛と妖艶な光という胸を借りてエリザベートの波乱万丈な人生を歩んで参りたいと思います。そして東京のルキーニ役では宝塚歌劇を卒業したはずなのに、すぐに男役を演じるということは、ちょっと女性に戻ろうと覚悟をしていたのに、1歩を踏み出して1歩戻るような感じなのですけれども(笑)、またここでルキーニという役にめぐり会えたことにご縁を感じて、しっかりと両役共に楽曲のエネルギーに負けないように演じたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

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凪七瑠海
 まさかもう1度再びこの役にめぐり会えるとは思っていなかったので、大変光栄に思っております。そして現役生という立場でありながら、宝塚の素晴らしい卒業生の方達とご一緒できる、本当に幸せだと感じております。少しでも吸収して帰りたいと思っています。当時私は宙組の男役としてやっていたのですが、特別出演という形で月組に出させて頂きました。その時のことは、私にも衝撃的だったのですが、皆様にとっても衝撃的だったと思います。どうなるんだろうと思われたことと思います。私は歌の面はもちろん、精神面でも鍛えて頂きましたので、今思えばエリザベートを乗り越えられたから、今なんでも乗り越えられると思えるほどでございます。あれから7年ほど経ちましたけれども、また新たな気持ちで挑戦したいと思っております。

【質疑応答】

──20周年を迎えた『エリザベート』ですが、初演当時にこの日が来ると予想しておられたでしょうか?また、なぜ20年続けることができたのか、改めて『エリザベート』の魅力を教えてください。
小池 当初は全くこんな日がくるとは思っておりませんでした。初演の時には、さっき一路さんがおっしゃいましたが、幕が開いてからの反響は大きかったですが、まず一路さんの退団公演であるとということが一番大きな課題でした。一路さんのファン、また雪組を愛する方達が最後の公演で、毛色の変わった役をしたことに対してエールを送って頂いたという印象が強かったです。その後星組でやり、また宙組でやったところで、再演を重ねていける演目になったかな?というのが実感でございます。思い出しますのは、初演の幕を開けてから1週間経っていなかったと思うのですけれども、当時阪急電鉄株式会社の会長さんでいらした小林公平さんが私たちを集めまして、このまま続けて4組でやりなさいという指示をお出しになって、まず次は星組でという指定をなさったので、麻路さんの話にもありましたが、小林公平さんは素晴らしいプロデューサーでらしたのだなと、今更にして改めて思う次第です。そして、なぜここまで続いたかですが、音楽が素晴らしく、そして、日本人がハプスブルク家が好きなど、この作品が長く愛されている要因はたくさんあると思いますが、作者のクンツェさんとリーヴァイさんが20周年の記念本で回想録として語っておられるのを読んで思ったのは、制作過程では暗いシーンばかりが続いていたのだけれども、エリザベートが焦がれる「死」を具体的な役としてを登場させることによって、この作品がラブストーリーであり、逆説的にハッーエンドになると閃いたと書いていらして、その閃きこそが宝塚という存在にベクトルが向いた、矢印の針が宝塚という方向を向いたのだと思います。もちろんその時クンツェさんは宝塚をご存知なかったと思いますし、また宝塚で上演されるとも思っていなかったと思いますが、そのクンツェさんの発想が、宝塚歌劇にピッタリであったということだと思います。あとは宝塚のヒットした作品と言いますと『虞美人』と『ベルサイユのばら』とそして『エリザベート』と言えるかなと思うのですが、その共通点はある国の王朝が滅びる時に、そこに至る軌跡に王妃や美女が関わるというそのパターンにピタリとハマっていたというところではないかと思っております。

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──『エリザベート』に初めて携わった時の印象や、最も苦労した点は?
一路 私は先ほども申し上げたように、宝塚で男役がする役柄としてはまずとてもハードルが高いなと思ったのと同時に、先ほど小池先生がおっしゃったように、宝塚の男役の魅力が一番出る役柄がトートではないかなと、ウィーンで初めて観た時に男性が演じていたのを観て、これは絶対に宝塚の男役がやると非常に魅力がアップされるだろうと思いましたので、まずそこを皆様にお伝えしたいなと思ってやりました。ですがやはり最初でしたので、「死」というものの表現に何が一番相応しいのかがわからなくて、私の初演バージョンで小池先生と話したのは、「愛と死の輪舞」という宝塚バージョンに創って頂いた歌詞にある、「蒼い血が流れている」というのをメインに、私はやらせて頂いたので、氷のように冷たいトートを私は目指しました。

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麻路
 私はやはり歌が中心のミュージカルということで、そこで一番苦労しました。私はどちらかと言うと動いたりですとか、色々な表現をする中で、ガッチリしたタイプの男役だと言われていたので、蒼い血が流れている線の細いトートはできないだろうと自分の中では思ったので、じゃあ私は、もし人間じゃない人が人間っぽくなってしまったとき、人間じゃないはずなのにという迷いのような部分を創りたいなと思いました。どちらかというとエリザベートを好きになってしまって、人間の男性でもそうだと思うのですけれども、いつもの自分ではなくなってしまった部分を、全体的に表現したいなと。ちょうどその時に、(エリザベート役の)白城あやかちゃんが退団公演だったので、感情的に似た部分があったんですね。先に相手役を送り出すという。それがちょうどダブっていたので、精神的にはすごく入りやすく、自分の役作りが出来たのですが、何しろ楽曲が多いことでダンスなど他の部分で見せられない分、ちよっとした間奏や前奏の中で自分が舞台に立っている居場所を創りたいと思って、表現させて頂きました。

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姿月
 この作品はやればやるほど大変難しい作品で、リーヴァイさんが5年もかかって作曲をなさったということで、1音1音を無駄にすることなく読みこんでいくという難しさと、楽しさと、私は黄泉の帝王ということで、現役時代は中性的な黄泉の帝王感と、クラシックの中にロックテイストが入っているのを意識しながら演じていました。音楽からも中性的な帝王感を感じています。

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彩輝
 私も楽曲の大きさ、繊細さ、歌で表現しなければならないという、表現が限られる、芝居で歌うだけでは済まされない曲の大きさには、大変苦労しました。自分の中では今でも課題が残っていると感じるくらい難しいと感じています。自分の役作りとしましては、もちろん歴代のトートさんも観ていますし、作品と音楽の中から素直に感じる感覚を大切にしました結果、たぶん、というのは自分で演じていておかしいですが(笑)、その繊細な部分であったり、冷たさ、怖さ、人間でない部分を大切に、そして大きさを心がけていたと思います。

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春野
 私は『エリザベート』というミュージカルのお客様がイメージするものと、自分が先輩方が演じてこられたものを観て描いた理想と、自分の本当の気持ちとのギャップが少しあったようで、そのイメージにとらわれてしまってなかなか自分の本当の気持ちが出せなかったので、そこが一番苦労した点でした。黄泉の帝王とか、死といったものが、気持ちというものを強く表現するのはどうなんだろうか?と思ったのですが、自分自身の気持ちを大切にトートを演じさせて頂きました。

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 楽曲の難しさはもちろんなのですが、この作品をさせて頂くにあたって、白羽ゆりちゃんと彩吹真央ちゃんと3人でウィーンに行かせてもらった時に、2人の役は実在の人物でしたので、シェーンプルン宮殿ですとか、あちこちを見る度にどんどん役が膨らんでいって、「イメージが膨らんだ!ああ来て良かった」と言っていたのに、私1人どこにもイメージを助けてくれるものがなくて(笑)。じゃあ役作りをどうしたらいいんだろう?と思っていたのですが、その後にプライベートでイタリアに旅行した時に、宗教画を見て、「受胎告知」ですとか「ピエタ」とかそういう美術品を見て、天と地、人の命、天使、神など、そういうものからイメージできたので、その役作りが難しかった点であるとともに、それらに助けられてトートを創っていきました。

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大鳥
 エリザベートというのは実在の人物で皇族ということで、バイエルンの田舎の活発な少女がどうしてこんな数奇な運命をたどってしまったんだろう、というところが難しかったです。資料などを読ませて頂いたり、シェーンプルン宮殿にも行かせて頂いのですが、これはなかなか経験がないので、苦しんだところです。日々エリザベートの気持ちに寄り添うことが難しかったです。

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白羽
 私も実在の人物を演じることがずっと夢でもありましたので、まず色々な資料を読んで実在のエリザベートに近づくことができたらなという思いでした。あとはウィーンに行かせて頂いて、ウィーン版のミュージカルがちょうど日本に来たときでもありましたので、ウィーンのスタッフの方達と色々お話させて頂いたんです。その時にエリザベートは決してシンデレラとか、悲劇のヒロインとして演じて欲しくないと言われたのがすごく印象に残っていて、野性的な部分とか強さも自分の中で意識して演じることができたらと思って、その時は演じていました。でもまた少し年齢を重ねているので、深みとかも少し変わってきているので、その部分も今回新たな発見として挑戦していきたいと思っています。
 
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 私はただいま絶賛楽曲と奮闘中でございますが、今のところこれは言えるなと思うことは、余計なものをつけずに、そのメロディが流してくれる歌詞であったり感情をしっかりつかんでいくということが、私の中で一番の課題だと思っております。

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凪七
 当時は私は女役としてどうやって立ったらいいのかも、また大劇場で1人で歌うことも初めてでしたので、その技術的なものにとらわれ、費やす時間が最初は多くなってしまったのですが、そこから役作りを同時進行で考えた時に、歴代の方達を拝見したイメージに、なかなかたどり着けないもどかしさがたくさんありまして、こういうエリザベートをやりたいけれどもなかなかできない。ではそのイメージをまずは取り払って、エリザベートとはどういう人なのだろうという根本のところから、創り上げなければダメだと、行ったり来たりを繰り返しだったのですが。また今回は繊細な部分も、もう年月も経ちましたし、大切に内面を深く追求していきたいと思っています。


〈公演情報〉
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三井住友VISAカードpresents
『エリザベート TAKARAZUKA 20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』 
脚本・歌詞◇ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲◇シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナル・プロダクション◇ウィーン劇場協会
構成・演出・訳詞◇小池修一郎
演出◇中村一徳
●2016/12/9〜18◎梅田芸術劇場メインホール 
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3800
●2017/1/8〜20(金)◎Bunkamura オーチャードホール
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場(東京)  0570-077-039



【取材・文・撮影/橘涼香】




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真田佑馬と水田航生が主演する音楽劇『ダニー・ボーイズ』製作発表

ダニーボー未ひろ
前列/柄本時生、水田航生、ベンガル 後列/AKANE LIV、剣 幸、悠未ひろ

ミュージカル主演初挑戦の真田佑馬と数々の舞台で注目の水田航生がタッグを組む音楽劇『ダニー・ボーイズ』の製作発表が9月12日、都内で行われた。

本作品は、08 年に手塚治虫文化賞を受賞した島田虎之介による漫画『ダニー・ボーイ』(09年発行)を原作に初の舞台化となる音楽劇作品で、1976年1月11 日、ニューヨーク・ブロードウェイのウィンター・ガーデン・シアターに初めて日本人俳優として出演した実在の人物、「サトウ・イサオ」らの活躍をモチーフに、主人公の「伊藤幸男」が、音楽を通じて周りとの絆を深めていく物語。デューク・エリントンの名曲「極東組曲」や当時のブロードウェイ・ミュージカル作品の珠玉のナンバーの数々を散りばめ、ストーリー展開する。
 
【あらすじ】
彼らには夢があった 歌は生きる力だった。
誰よりも大きな産声を上げた赤ん坊、その名も Lucky Man=伊藤幸男。08年手塚治虫文化賞受賞の島田虎之介の傑作漫画「ダニー・ボーイ」のモデルは、ブロードウェイでトニー賞の候補になりながら、飛行機事故で夭折した実在の日本人。彼はその歌声だけを携えて海を渡り、夢を追い、仲間を愛し、ルーツに葛藤し、挫折を味わった。それでも、彼は歌を愛することを止めなかった。「僕はラッキーマンだもの、どんな時でも、歌っていれば幸せなんだ」と、明るい笑顔を見せて。
ダニー・ボーイズ……「極東組曲」の俳優たちと、サチオが結成した幻のコーラスグループ。彼らと仲間たちにとって、歌は生きる力だった。言葉の壁、肌の色、どんな苦難に阻まれても、身体いっぱいに歌う喜びだけを信じていた。サチオの産声、歌声から、その消息をたどるツネの記憶を軸に、彼らダニー・ボーイズの絆と彼らを愛した仲間たち、抱いた夢と挫折、生きた軌跡を、その歌声と共に描く音楽劇。
 
今回の配役では、ミュージカル主演初挑戦となる真田佑馬と数々の舞台で注目を集めている水田航生がタッグを組む。そして、新進気鋭の柄本時生を加えて、「ダニー・ボーイズ」を構成。さらに、悠未ひろ、AKANE LIV、戸井勝海、金 すんら、ベンガル、剣 幸など、実力派俳優陣が舞台に彩りを加える。演出はオリジナル・ミュージカル『Color of Life』で高い評価を受けた石丸さち子が、演出は『ファウスト〜愛の戦士たち〜』を演出した元生茂樹が手がける。

この音楽劇『ダニー・ボーイズ』〜いつも笑顔で歌を〜』の製作発表記者会見には、真田佑馬、水田航生、柄本時生、悠未ひろ、AKANE LIV、ベンガル、剣 幸が登壇した。

【出演者コメント】
 
真田佑馬/伊藤幸男(DB 極東組曲:官僚を目指す青年、高橋)
出演が決まったときにすごく緊張して、今もプレッシャーで眠れない日々が続いています。毎日、伊藤幸男という役をどう演じればいいかを考えています。この役のキャラクターは、すごくポジティブで、明るくて、ハッピーに生きているので、普段と自分とは全く真逆です。そこから入っていき、自分自身も幸男と同じように前向きで、ハッピーにこの役を演じられるように頑張ります。

水田航生/田上英喜(DB 極東組曲:帰還兵、倉田)
真田くんとは『オーシャンズ11』という舞台以来の共演で、再びタッグを組んで舞台に立つことができて、本当にうれしく思っています。真田くん演じる幸男の親友役を演じますが、この役は笑顔が絶えない<スマイリー>というような役で、僕にぴったりだと思っています(笑)。稽古から共演者の皆さんといろいろとお話しやディスカッションを重ねて、素敵な『ダニー・ボーイズ』を作っていきたいと思います。

柄本時生/ミッキー・岡田(DB 極東組曲:狂言回し)
出演のオファーを受けたので、しっかり頑張りたいと思います。まだ、台本を読み込んでいないので、内容をすべて把握していませんが、稽古になったら、共演者の皆さんと協力しながら、楽しく芝居を作れたらと思っています

悠未ひろ/湖島みちる(極東組曲:女優) 
共演者の方々のキャラクター、個性が合わさって、演出が加わって、私のイメージ以上のものが繰り広げられるのではないかと、今からワクワクしています。自分の役割をしっかり果たして、楽しめたらと思っています。個人的には、舞台上で女性としてお芝居することが初めてなので、そのあたりは頑張りたいと思います。

AKANE LIV/エイミー・城戸(極東組曲:アシスタントディレクター)
私の演じるエイミー・城戸は、真田さん、水田さん、柄本さんたちと一緒に登場するキャラクターで、アメリカ人と日本人のハーフの役です。自分自身もハーフなので、共感する部分もあるので、そのあたりを深くお芝居できたらと思っています。とてもハードな時代のお話なので、エネルギーをもって臨みたいと思います。 
 
ベンガル/桃山 周、関根富男(三春うららの夫)
とても熱のある若い人たちの話です。昔は、自分が前へ前へ出ようとばかり思ってエネルギーがありましたが、最近ではどこの現場に行っても最年長になることが増えてきたので、若い人たちの動きを見ながら、楽しんでやっていきたいと思います。

剣 幸/桃山ツネ、三春うらら
台本を読んで歌うことの素晴らしさ、幸せ感がたくさん感じられる物語だと思いました。私は、5千人の赤ん坊を取り上げた産婆ツネ70歳という役を演じます。こうした役は初めてです。ベンガルさんと同じで若い人たちを見守る立場なのですが、ベンガルさんにも助けてもらい、一緒に夫婦役で温かい夫婦像が演じられればと思います。
 

〈公演情報〉

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音楽劇 『ダニー・ボーイズ』〜いつも笑顔で歌を〜
原作◇島田虎之介「ダニー・ボーイ」より
脚本◇石丸さち子
演出◇元生茂樹
出演◇真田佑馬/水田航生/柄本時生
悠未ひろ、AKANE LIV、柴 小聖
黒田こらん、小野妃香里、園山晴子、伊地知玲奈/藤井びん、白石拓也、萩原 悠、優志
戸井勝海、金 すんら、梅垣義明/ベンガル/剣 幸
●10/26〜29◎東京国際フォーラム ホールC
〈料金〉 S 席8,800 円  A 席7,800 円 (全席指定・税込)
一般発売日: 10 月9 日(日)午前10 時より
〈お問い合わせ〉 サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10:00〜18:00)
●11 /5〜6 ◎新歌舞伎座 
〈料金〉 S 席8,800 円  A 席7,800 円 (全席指定・税込)
一般発売日: 10 月9 日(日)午前10 時より
〈お問い合わせ〉 キョードーインフォメーション 0570-200-888(10:00〜18:00)
オフィシャルHP http://www.danny-boys.com/


【資料提供:『ダニー・ボーイズ』公演実行委員会 】





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大ヒットミュージカルが新キャスト、新演出で4年ぶりに上演!『ロミオ&ジュリエット』制作発表記者会見レポート

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フレンチミュージカルの金字塔として日本でも愛され続けている大ヒットミュージカル『ロミオ&ジュリエット』が、新キャストと新演出で、2017年1月15日〜2月14日まで東京・赤坂ACTシアターで、2月22日〜3月5日まで、大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演されることになった。

シェイクスピアの不朽の名作が、ジェラール・プレスギュルヴィックの神が宿ったとしか思えない、数々の名曲に彩られたミュージカル『ロミオ&ジュリエット』としてパリのパレ・デ・コングレで初演されたのは2001年のこと。たちまちにして熱狂によって迎えられた作品は世界を席巻。全世界で500万人以上を動員し、CD&DVD売り上げ700万枚以上という、大ヒットミュージカルとなった。
日本では、2010年に宝塚歌劇団星組が本邦初演。その後、雪組、月組、再び星組で上演される宝塚歌劇団にとっても財産と言えるレパートリーに成長している。この宝塚バージョンの潤色・演出を担当した小池修一郎が2011年と2013年、新たに日本オリジナルバージョンとして男女版の公演も担当。こちらも計16万人を動員する大ヒットを記録した。今回の上演は、その日本オリジナルバージョンの演出プラン、振付、美術、衣装を一新。オーディションによって選ばれた新鮮なキャストも得て、生まれ変わる『ロミオ&ジュリエット』に大きな期待が集まっている。
  
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そんな作品の制作発表記者会見が、9月5日都内で行われ、ロミオ役の古川雄大、大野拓朗、ジュリエット役の生田絵梨花(乃木坂46)、木下晴香ら、出演者12名と、潤色・演出の小池修一郎が登壇。作品への抱負を語った。

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会見は、抽選で選ばれたオーディエンスと、多くの報道陣が見守る中、出演者によるミニライブからスタート。ロミオ役の古川と大野、ベンヴォーリオ役の馬場徹と矢崎広、マーキューシオ役の平間壮一と小野賢章が「世界の王」。ティボルト役の渡辺大輔と広瀬友祐が「本当の俺じゃない」。ジュリエット役の生田と木下が「バルコニー」。そして古川と大野が「僕は怖い」。古川と大野、生田と木下が「エメ」をメドレーで披露。本番の衣装とは異なる、この制作発表記者会見の為のいわば役柄をイメージした衣装に身を包んだ出演者たちは、それぞれの楽曲を熱唱。本番では同じ舞台には立たないWキャストの面々が、1つのナンバーに集う実現、これもこの会見だけの夢のコラボレーションで会場を沸かせた。
 
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続いて、小池修一郎、死のダンサー役の大貫勇輔、宮尾俊太郎(Kバレエカンパニー)も檀上に揃い、それぞれから公演に向ける意気込みが語られた。

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小池修一郎
 本日は残暑厳しい中お運び頂きましてありがとうございます。私自身今回のメンバーでのパフォーマンスは今日初めて観ましたが、なかなかいけるのではないかと思いました。今回のコンセプトは、2011年日本オリジナルキャスト初演版の時に、ですから2009年、2010年というところで考えていたものです。宝塚版はロマンティックな作品だったので、それに比べてリアリティがあるものを作ろうと思い、誰もが知っているロミオとジュリエットの物語を 今の21世紀の中でも一遍のリアリティを感じてもらえたらと、やや近未来的、例えて言うなら80年代に一斉を風靡しました大友克広さんの「アキラ」「ドーム」などの漫画のような、崩壊、破壊された世界のなかで起こる出来事を想定して準備致しておりました。ですが、東日本大震災が起こりまして、私自身20年以上前、阪神・淡路大震災の被災者だったものですから、その記憶がありまして、そんな時に破壊された世界を観るのは人の心として辛いものがあるだろう、これはやめた方が良いと思い、2011年版はロマンティックに、おしゃれなものを作ることにしました。おかげ様でたくさんのお客様に観て頂けて感謝致しておりますが、今回は、初心に返るというか、そもそもやってみたかった失われた世界での両家の争い、2つの勢力が争う中でのロミオとジュリエットの悲劇を描きたいなと思っております。だからといって楽曲が変わったりはしませんので、与えられた1つの条件で、そうした要素をどこまで反映させることができるかが課題であると思っております。
時代というのは移るもので、この4年半の中で世界はテロの時代を迎えてしまってもいます。そのように世の中が移り変わっていく中でも作品は生き続けていく、それがシェイクスピアのすごいところ。「人間の理」というか、どの時代でも人が共感出来る部分が描かれている。ですので、今、2016年、そして上演する2017年の「今」を生きている私たちが、時事ネタを入れるというようなことではなくて、どこか現代と共通した体験と感じて頂けるものに出来ればと思っています。衣装の方とも相談しておりますが、ちょっと辛口な、日常的なリアリズムを持ったものとして『ロミオ&ジュリエット』が成立するのか?と考えながら今日のライブを観ていたんですが、このメンバーはできるのではないかと。今日のパフォーマンスを観て勇気と自信をもらえたかなと思っております。前回ご覧になった方はもちろん、新しいお客様にもたくさんご覧頂きたいです。来年1月から赤坂ACTシアター、そして梅田芸術劇場でお待ち致しております。

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古川雄大 前回に続き、ロミオ役をやれることを本当に嬉しく思っています。ですが、新演出、キャストもほぼ入れ替わり、セットも衣装も振付も変わります。なので、僕自身も新作に臨む気持ちです。1から台本とロミオと向き合っていけたらと思っています。この話はとても悲しいお話ではあるのですが、僕は最後に希望が残ると思っています。なので観て頂く方に希望が残せるよう、僕自身ロミオとして目の前のひとつひとつに純粋に真っ正面からぶつかって、ピュアなロミオを作っていきたいと思っています。そして、ここにいらっしゃる素晴らしいキャストの皆様と良いチームワークを築いて、小池先生ご指導のもと今までにない『ロミオ&ジュリエット』を作れるように努めていきたいと思います。ご期待ください。

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大野拓朗 僕自身小池先生演出の『ロミオ&ジュリエット』が世界で一番好きな公演です。初めて観させて頂いた時から、更に初めてミュージカルに出演させて頂いてから4年間、ずっとこの舞台に立つことを夢みて、レッスンに精進してきました。そして今、ロミオとして舞台に立てることを大変嬉しく思っております。雄大さんもおっしゃっていましたが、素晴らしいキャストの皆様とご一緒させて頂いて、チーム一丸となって、これまでの『ロミオ&ジュリエット』の舞台に並べるくらいの、歴史に残るような素敵な舞台にできたらと思っています。観てくださった皆さんの人生にとって、最高級の良い思い出になるような舞台にしますので、是非ご期待ください。

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生田絵梨花
(乃木坂46) 私は3年前にこの作品を観たとき、本当に感動と衝撃を受けまして、いつかジュリエットをやりたいと思い続けてきたので、今ここに立てていることが嬉しいと同時に、まだ不思議な感じもしています。この緊張に負けないくらいたくさんこれから努力をして精一杯頑張っていきたいと思います。

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木下晴香
 私は小さい頃からミュージカルが大好きだったので、今回ジュリエット役でいつも観客として憧れて観ていたキャストの皆さんと、同じ舞台に立たせて頂くことが本当に夢のようですごく嬉しいです。まだまだ不安でいっぱいですが、全力でジュリエットを演じたいと思います。

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馬場徹
 今のミニライブをやってみて、本番が楽しみになりました。ベンヴォーリオという役は、色々できると思いますので、どんどんかき乱していけたらと思います。小池先生の熱いご指導を頂きまして、素敵な舞台の一員として頑張れたらと思っています。

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矢崎広 
『ロミオ&ジュリエット』という、愛されている作品であり、これからも愛され続けていくだろう作品に参加出来ることをとても嬉しく、また光栄に思っています。前回の公演に参加している古川雄大くんから前回の魂を受け継ぎつつ、ここにいる新生『ロミオ&ジュリエット』の皆で一丸となって、小池先生、2人のロミオを中心に新しいものを一生懸命作っていければなと思っています。是非観にいらしてください。劇場でお待ちしています。

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平間壮一
 これまでの『ロミオ&ジュリエット』が大好きで、楽曲含め、演出もすごく素敵な作品だなと思って観させて頂いていました。そして、今回新演出版で自分が今こうやって関われてこの舞台に立っていることをすごく嬉しく思っています。さきほど小池先生のお話を聞いて、小池先生の頭の中で新しい演出がふくらんでるんだなと思いました。その世界観を僕たちが広げて行って、これから先この新しい演出版で皆さんに愛され続けて何度も再演していけるような作品になればと思います。

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小野賢章
 僕自身初めてのシェイクスピアの作品で、『ロミオ&ジュリエット』に出させて頂けて本当に光栄です。精一杯舞台上でマーキューシオの人生を生きられたらいいなと思います。キャストの皆さんと力を合わせて素敵な舞台になるよう頑張りますので皆さん楽しみにしていてください。

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渡辺大輔
 またまた小池先生の作品に出演できて光栄であり、すごく嬉しく思います。今年『1789』という作品で、小池先生からいろんなことを学ばせて頂き、自分自身の力のなさも感じました。ここでまた小池先生に1から鍛えて頂いて、素敵なキャストの皆さん、諸先輩方に学びながら大きなものを皆さんに届けたいと思っております。余談になりますが、先ほどこのメンバーの中では自分が一番年上だと気づきました。いつの間にかそういう歳になったんだな、もっとしっかりしなければと思っています。よろしくお願いします。

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広瀬友祐
 この作品に出られることが嬉しく、幸せに思っていますし、この役を演じられることを楽しみにしています。『ロミオ&ジュリエット』という誰もが知っている作品、世界中で愛され上演され続けているこの作品の、日本オリジナルバージョンとしては3回目の上演になりますが、このタイミングでこの作品と出会った素晴らしいキャストの皆さんと一緒に、僕たちにしかできない『ロミオ&ジュリエット』ができればなと思っています。

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大貫勇輔
(死のダンサー役は)この作品ではセリフを喋ったり、歌を歌ったりすることは一切ありませんが、キャストの中で僕は初演から3回死のダンサーをやらせてもらっていて、気づけば一番の古株になりました。こうしてまた呼んで頂けたことに感謝して新演出ということで、新しい気持ちで素晴らしいキャストとともに、素晴らしい作品を作り上げられたらと思っております。劇場でお待ちしております。

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宮尾俊太郎
(Kバレエカンパニー) 僕はこの作品には2回目の公演から参加させて頂いたのですが、死のダンサーというのはとても難しくて、時としてキャラクターの感情を映し出す鏡のようであったり、死を運ぶ恐怖の存在であったり、全体を包み込む自然の摂理であったりを考えながら演じてきました。今回は新演出ということで、小池先生の演出に柔軟に対応しながら演じていけたらと思っています。この『ロミオ&ジュリエット』という作品は、死のダンサーの演じ方ひとつによって作品の色が大きく変わるような感じが僕はしているので、間違ってもこの作品を殺してしまわないようにしていきたいと思います。

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ここから、演出の小池修一郎による各キャストへのコメントが披露され、再びロミオを演じる古川雄大には、ディフェンディグチャンピオンとして大いに期待をしている。前回は最後まで歌いきれるかが心配だったほどだったが、聞き違えるほどの長足な進歩を感じるので、楽しみにしている。大野拓朗は『エリザベート』以来になるが、映像で大活躍していたので、ミュージカルからは離れてしまうのかな?と思っていたところ、オーディションに挑戦してくれて、送ってもらったテープが吹替えではないのか!?と思うほどの成長ぶりに驚いた。彼がこの間に勉強を重ねてくれていたことが本当に伝わったので、皆さんにも楽しみに観て頂きたい。

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ジュリエットの生田絵梨花(乃木坂46)はアイドルとして活躍している人なので、もっとステージに慣れていると思ったが、とても緊張しているのに驚いた。でもそれがジュリエットの初々しさ、良い意味の頑なさにつながるだろう。ラブシーンもあるが、舞台の上はかりそめのものなので、ファンの方には、そこは安心して観て頂きたい。木下晴香は現役女子高校生で、謂わばアマチュアだけれども、カラオケ番組で歌っているのを見て、ジュリエットの音域をカバーしているのに注目して出て頂くことになった。今日のライブでも意外に落ち着いているので、期待している。
 馬場、矢崎のベンヴォーリオは、ロミオに対して兄貴的な気持ちを持って接する役どころだが、2人とも舞台経験豊富な人たちなので、全く心配がない。ティボルトの2人、渡辺、広瀬は、彼らにずっとからむ役どころなので、大きな存在感に期待している。

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マーキューシオの平間は、とても達者な人できっと面白くやってくれるだろう。小野は14年ぶりで、子役で『エリザベート』に出てくれて、その後『モーツァルト!』のオーディションも受けてくれたのだが、肩車などもある役柄には大きくなり過ぎていたので、無理だと思ってお断りしたところ号泣して、泣きじゃくりながらエレベーターを降りていくのを見送って案じていたが、その後そうとは知らずに『ハリーポッター』を観ていた。舞台もどんどんやっているので、更に続けて欲しい。大貫、宮尾には今回コンテンポラリーなダンスへも挑戦してもらうのだが、引き続き出てくれることを嬉しく思っている。
と、それぞれへの期待が語られ、新生『ロミオ&ジュリエット』が、大きく動き出したことを実感する時間となっていた。

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〈公演情報〉
index
 
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』
原作◇ウィリアム・シェイクスピア 
作◇ジェラール・プレスギュルヴィック 
潤色・演出◇小池修一郎(宝塚歌劇団) 
出演◇古川雄大・大野拓朗(Wキャスト)/生田絵梨花(乃木坂46)・木下晴香(Wキャスト)/馬場徹・矢崎広(Wキャスト)/平間壮一・小野賢章(Wキャスト)/渡辺大輔・広瀬友祐(Wキャスト)/大貫勇輔・宮尾俊太郎(Kバレエカンパニー)(Wキャスト)/ 
香寿たつき/シルビア・グラブ/坂元健児/阿部裕/秋園美緒/川久保拓司/岸祐二/岡幸二郎/他 
●2017/1/15〜/2/14◎赤坂ACTシアター (東京)
 〈料金〉S席13,00円、A席9,000円、B席5,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 0570-077-039(10時〜18時)
●2017/2/22〜3/5◎梅田芸術劇場 メインホール (大阪)
〈料金〉S席13,00円、A席9,000円、B席5,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3800(10時〜18時)
〈公式ホームページ〉http://romeo-juliette.com

 



【取材・文・撮影/橘涼香】
 


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少女漫画界の金字塔が初ミュージカル化!『王家の紋章』製作発表記者会見レポート

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「月刊プリンセス」(秋田書店)にて1976年から現在まで連載を続け、累計発行部数4000万部を誇り、今尚新刊の待たれる細川智栄子あんど芙〜みん作、『王家の紋章』が、初めてミュージカルとして舞台化されることになった。
音楽を担当するのは、『エリザベート』、『モーツァルト!』など、日本でも愛され続けている傑作ミュージカルを手掛けた巨匠シルヴェスター・リーヴァイ。脚本・作詞・演出には眩惑的で美しく耽美な「荻田ワールド」とも呼ばれる世界観を創り出す荻田浩一が揃い、現代と古代エジプトの世界を駈ける、時空を超えた愛とロマンの物語の表出に、大きな期待が集まっている。

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そんな作品の製作発表記者会見が、5月中旬都内で行われ、 原作の細川智栄子と芙〜みん、脚本・作詞・演出の荻田浩一。そして、主演のメンフィス役浦井健治、ヒロイン・キャロルをWキャストで演じる宮澤佐江、新妻聖子、ヒッタイトの王子イズミル役をWキャストで演じる、宮野真守、平方元基、キャロルの兄ライアン役の伊礼彼方、メンフィスの異母姉アイシス役の濱田めぐみ、エジプトの宰相イムホテップ役の山口祐一郎、の出演者が華麗な衣装を身にまとって登壇。作品への抱負を語った。

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会見はまず、7000人以上の応募者から選ばれた一般オーディエンス約230人も見守る中、シルヴェスター・リーヴァイ作曲、荻田浩一作詞の、ミュージカルナンバー2曲の世界初披露からスタート。まず、浦井と新妻による、反発しあっていたキャロルとメンフィスがいつしかひかれ合い、自分自身の本心に気づく「Where I Belong」のデュエットが、思いを込めて届けられる。続いて、浦井、宮澤、宮野、平方、濱田というこの会見だけの特別な組み合わせで、「Unrequited Love」が歌われる。それぞれの思いが交錯する、ミュージカルらしい展開を予感させるナンバーに、作品への期待が高まる中、登壇者の挨拶となった。

【登壇者挨拶】

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細川智栄子
 皆様、はじめまして。細川智栄子です。私たちは、読者の皆様、特に少女の皆様の為に、愛や思いやりや優しい心、そして勇気を作品の中に入れて皆様にお送りしたいと思い、生涯をかけて描いて参りました。『王家の紋章』も連載40年になりました。この度たくさんの方にお力添えを頂きまして、東宝ミュージカルにして頂くことになりまして、私たちもとても喜んでおります。皆さんのお衣裳を見て、古代の世界に入ったようにワクワクしております。雄々しい王のメンフィス、古代に迷い込んだ「ナイルの姫」キャロル、ヒッタイトの英明なイズミル王子、艶やかな美しいアイシス女王、偉大なるイムホテップ宰相、そして妹を想っていつも案じている優しいライアン。その方々が動き出して本当に『王家の紋章』の世界に入ったような、とても楽しい気分になりました。私たちもこれから、皆さんの創られるミュージカルを楽しみにお待ちしたいと思っております。皆さまどうぞご覧になってくださいますよう、よろしくお願い致します。
芙〜みん 永年、姉と共に連載漫画を描き続けて参りまして、今年連載40周年となりました。この作品をミュージカルにして頂けますことになりまして、大変幸せに思っております。最高のキャストの方達、そしてまたスタッフの方達に恵まれてこの8月に上演となります。是非8月、帝国劇場にお越し頂き、国を超え、3000年の刻と空間を超えて、古代のエジプトの王国へお越し頂ければと思います。歴史の中、エジプトとヒッタイトを舞台に、素晴らしい音楽にのせて愛が夢が、そして嫉妬心や欲望がゆらめいて、皆様のお心も満足して頂けることと存じます。どうぞ真夏のひと時、帝国劇場へおいで頂いてて、古代エジプトの夢の世界を楽しんで頂ければと思います。よろしくお願い致します。

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荻田浩一
 細川先生と芙〜みん先生が大切に産み育てていらっしゃる『王家の紋章』を初めて舞台化する、初めて生きている人間が歌い踊り演じるという、奇跡のような瞬間に携わらせて頂くことに本当に感謝しております。先生方の描かれる物語というのは少女漫画の王道と言いましょうか、金字塔と言いましょうか、愛と夢に溢れております。8月の帝劇を甘〜い夢でいっぱいにしたいと思います。その夢を、この錚々たるキャストが紡いでいってくれると思います。先生方の様な愛らしい純真無垢な乙女心を観客の皆様1人1人にもきっと抱いて頂けると思います。皆様、どうぞよろしくお願い致します。

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浦井健治 
メンフィスを演じさせて頂きます浦井健治です。今、先生方のお話を聞いていてちょっと感極まったものがあって。生涯を掛けて紡いでこられた作品が帝劇で初めてミュージカルになるという、これこそがロマンであり奇跡だなと思います。連載40周年、そして累計では4000万部発行という、本当に少女漫画の金字塔であるこの作品が、荻田さんとシルヴェスター・リーヴァイさんの黄金タッグでこの度ミュージカル化されるということで、しかもまさかそこで僕が初の帝劇単独主演で、0番(センター)に立たせて頂くことになろうとは。嬉しいのですが、今、とても緊張もしております。そういう場を与えてくださったたくさんの方々、そしてファンの皆さんの愛や支えにしっかり応えていけるようにやっていけたらと思います。同時に僕が初めてミュージカルを観たと言っても過言ではない、『レ・ミゼラブル』を観せて頂いた時や『エリザベート』で帝国劇場に立たせて頂いた時に、いつもそばで優しく見守ってくださった祐さん(山口祐一郎)がここに居てくださることも、すごく光栄に思っております。本当に幸せです!(笑)出演者が各ジャンルから集結しているので、しっかりと荻田さんに束ねて頂いて、やっていけたらと思います。よろしくお願い致します。

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宮澤佐江
 キャロルを演じさせて頂きます宮澤佐江です。素晴らしい『王家の紋章』という作品のヒロインに選んで頂いて、本当に光栄に思っております。それと同時に今、とてもとても緊張しています。頑張ることは当たり前だと思うのですが、私は今回ご一緒させて頂くキャストの皆様の中でも、特に1番頑張らなきゃいけないと心に強く思っております。帝国劇場という、夢にも思わなかったくらい素晴らしい場所に自分が立てることに感謝して、キャロルという可愛らしい女の子をしっかり私らしく演じたいと思っております。一生懸命頑張りますので、よろしくお願い致します。

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新妻聖子
 キャロル役を演じさせて頂きます。私は幼い頃から『王家の紋章』が大好きで、こうして細川先生と芙〜みん先生の生声が聞けただけで武者震いがしています。本当に、子供の頃から夢と感動を頂いてきた作品の初の舞台化で、キャロル役を頂けたというのは私にとっては奇跡です。作品に、お客様に失礼の無いように全身全霊でキャロルと向き合って、ひと夏『王家の紋章』に命を捧げたいと思います。よろしくお願い致します。

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宮野真守
 イズミル役の宮野真守です。皆さんのお話しにもあったように、すごく歴史的瞬間なんだなということを改めて感じさせてもらっています。僕自身、イズミル役で出演するということが発表された時、周りの皆、特に女性スタッフがすごく喜んでくれて、「あの王家の紋章に出るんだ」「イズミルなんだ」と言われました。それだけ多くの人に愛されている作品で、その中にいられるというのはすごく幸せなことなんだと思います。そして、とても個人的なことですが、僕は子供の頃から劇団ひまわりに入っているのですが、この年になって帝国劇場に立てるという、本当に感無量です。やっぱり夢見ていた舞台ですし、どんな挑戦が出来るのかはこれから現場で切磋琢磨してやっていくことだと思いますが、今はとにかく楽しみで仕方ないですし、最後にはメンフィスに勝ってやろうと思っています(笑)。それくらいの気持ちで戦っていきたいなと思っておりますので、皆様、ぜひ応援よろしくお願い致します。」

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平方元基
 イズミル王子役を演じさせて頂きます平方元基です。本当に緊張してしまいまして、今ここに立っている瞬間も汗が噴き出しています。最初にこの『王家の紋章』を読ませて頂いた時に、とても五感をくすぐる漫画だなという印象がありました。その時に感じた温度だったり質感だったりというものを丁寧に表現していけたらいいなと思っています。皆様、最後まで応援よろしくお願い致します。

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伊礼彼方
 1人だけ(現代の人間なので)不思議な格好をしています(笑)。この作品は非常に帝国劇場にふさわしい題材だと思いますし、これだけのキャストが集まって帝劇を『王家の紋章』色に染めるわけですから僕も非常に楽しみです。原作を読んでくださっている方はわかると思うのですが、私の役は現代の人間で、現代代表は私1人だけですか?(「私も!」と手を挙げる新妻に)あなたはすぐエジプトに行っちゃうじゃない!(会場笑)彼女がエジプトに行っってしまったら、僕は孤独にかられるんでしょう。だから、キャロルとメンフィスがラブラブしている時に、僕は(舞台の)袖でアイシスに求愛したいと思います。新しいドラマが生まれることでしょう!(爆笑)。ありがとうございます。

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濱田めぐみ
 アイシス役を演じさせて頂きます濱田めぐみです。私は古代エジプトを舞台にした作品に携わることが多くて、今回もこのアイシスという役を頂いた時に、とても運命的なものを感じました。彼女の中に宿る神性、スピチュアリティな、この作品に不可欠なパートを受け持っているのがアイシスだと思うんです。その部分を大切にし、そして1人の人間として、女性としての想い、苦しみという、生々しい彼女の生き様を舞台上で演じて生き抜けたらと感じております。今まで色々な役を演じさせて頂きましたが、全ての役の良い所をアイシスに投影し、そして尚かつバージョンアップして、原作のファンの方々そしてミュージカルファンの方々の期待を裏切らないように誠心誠意、心を込めて演じさせて頂きます。どうぞ今年の夏は帝国劇場で素敵な夢を見て下さい。よろしくお願いします。

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山口祐一郎
 今、皆様の、今年の夏は愛とロマンスの溢れる夢のような舞台でひと時を過ごしましょう、というお話を聞いていて、うわぁ、素敵だなぁと思っておりましたが、ふと我に返ってみると、僕は何も関係ない(爆笑)。あ、そういう役なんだなと今改めて再発見したところでございます。それでも、きっと楽しめる素敵な作品が出来ると願っております。皆様方と本当にワクワクしながら作品の誕生を待っていたいと思います。

【質疑応答】

──細川さん、芙〜みんさん、今まで実写化などされてこなかったこの『王家の紋章』が、今回、ミュージカル化される、そおの話を受けられた決め手は?
細川 若い頃に(別の作品で)テレビドラマ化があった時に、ドラマのお話と原作のスピードが違っていてすごく苦労したことがありました。それで妹(芙〜みん)と相談致しまして、『王家の紋章』だけはそういうお話があっても、申し訳ないけれどお断りしましょうと言っていたんです。そして誠心誠意、漫画の方に力を入れました。ですから、これだけ長く40年も続いたんだと思います。今回申し込んで頂いた時に提示して頂いたのは物語の序盤、4巻までだということでしたので、それなら無理ないかと思い、お受けすることに致しました。それからお話を持ってきてくださった方がとても素敵な方で、ちょっとそっちの方に参ってしまったりもしまして(笑)お話をお受け致しました。
芙〜みん 漫画は今単行本が60巻まで出ていますので、姉の申しましたように、4巻までだったら舞台化して頂いても大丈夫かと思いました。いざ、こうしてキャストの方が揃われたところを見ますと、なんだかこちらも出演するようなドキドキ感があります(笑)。とても嬉しく幸せに思っております。

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──荻田さん、古代エジプトと現代を股にかける壮大な物語ですが、この世界観をどうミュージカル化されようとしているか、現在の構想をお聞かせください。
荻田 古代と現代を行き来する物語なんですが、現代が伊礼さんしかおりませんので、現代のパートがいかに端折られるか想像に難くないと思われるんですが(爆笑)、やっぱり原作の設定の通りキャロルは現代から古代エジプトに彷徨いこんでくる旅人ですので、いなくなった妹を探し求めるライアンさんが、現代の寂しい気持ちをお1人で背負ってくださるんじゃないかなと。もちろん、時代を行き来するSF的な要素は、『王家の紋章』が持っている大きな魅力の1つではありますけれども、やっぱり1番はものすごくロマンチックな夢物語であること。キャロルはありとあらゆる所を旅していますよね。キャロルとメンフィスはお互いを求めて広い世界を巡り歩く物語ですので、2人が求め合う姿というのはファンタジックで神話的ですよね。そのロマンチックでファンタジックなものを、リーヴァイさんがとてもたくさん書いてくださっていますので、音楽が2人の愛の世界へ、観客の皆様を無理なく連れて行ってくれるのではないでしょうか、と思っております。ロマンチックな曲をロマンチックなシチュエーションで聞いて味わって頂くというのが、この作品の醍醐味のような気が致します。

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──出演者の皆さんは、それぞれ原作の魅力をどう感じていらっしゃいますか?
浦井 少女漫画に触れる機会が少なかったのですが、この『王家の紋章』は各キャラクターが活き活きと描かれていて、それはきっと先生たちが生涯を掛けて挑まれてきた結果だと、自分の中では一読者として思いました。その場に生きているような臨場感で傷付いたり愛を語らったり、出会いや別れが壮大なロマンとして描かれているのが、ストーリー的にも人物造形的にも素敵な作品だなと思います。その全てが魅力的です。
宮澤 キャラクターの1人1人に共感できる部分があって、原作のページをめくればめくる程、「そうだよね、そういう感情になっちゃうよね」とすべてのキャラクターに対して共感できるところがあるというのは、すごく魅力だなと思います。
新妻 『王家の紋章』を語りだすと止まらないので、いかに手短にお話しできるかに困っています(笑)。私はキュンキュンするポイントに的を絞ってお話します。女子目線で話させていただくとメンフィスと(隣の浦井を見て)あ、隣にメンフィスがいる!(爆笑)メンフィスですとかイズミルですとか、世界イケメン図鑑のエジプ&トルコ代表みたいな人が出てくるお話です。私思うんです、メンフィスというのは、少女漫画の歴史における「元祖オレ様男子」なんです!強引で、でもちょっと優しくて、そして王で美しい男子という女性の理想が全部詰まっています。昨今「壁ドン」とか「顎クイ」とかありますけど、メンフィスは腕を折っちゃいますからね!「壁ドン、顎クイ、腕ポキ」という(爆笑)。スゴいんですよね!好きすぎてまとまらない、どうしよう、まとめてきます、今度!
宮野 (新妻の後で)喋りづらいったらありゃしない(笑)。でも素晴らしく愛の溢れるコメントで聞き入っちゃいましたね。僕は読ませて頂いた時に、物語の構成にいきなりグッと引き込まれました。どうなるんだろうと思わせる仕掛けが、ものすごく細かく計算されているなと思いながら夢中で読みました。でも新妻さんがおっしゃったように、麗しい男性がたくさん出てくるじゃないですか。今の草食男子にはない「オラオラ感」を皆持っていて、少女漫画の原点みたいなものがここにあるんだと感じました。「オラオラ」担当の2人として頑張って「オラオラ」していきたいなと思います(笑)。
平方「オラオラ」担当の平方です(笑)。皆さんおっしゃったように、どのキャラクターに目線を置いても物語が進んで行くんじゃないかというくらい丁寧に書かれていいますし、各人が運命に翻弄されている、逃れられない運命を背負って生き続けています。少女漫画を読んだことの無いようなうちの父親にも見せたのですが、ハマってしまいました。男性も冒険心をくすぐられるところがあったので、そういうところも魅力的だなと思います。

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伊礼 男性には夢想ランキングがあって、空を飛びたいとか、色々あるのですが、その第1位が過去や未来にタイムスリップしたいなということです。男は小さい時からこんなことばかり考えていますが、そんな男性目線もこの漫画には入っています。そして時空を超えた愛!(魅力は)これに尽きるんじゃないでしょうか。
濱田 私が言おうとしたことを、皆さんが言ってくださったのですが、読んだ時に、まずそれぞれのキャラクターがとにかく魅力的で、プラス発する言葉が生々しいというか実感がこもっていると感じました。どのキャラクターにも心が動くし、どの目線から見ても納得出来るんです。それぞれのキャラクターにファン方がいらっしゃると思うのですが、次の展開が気になる、気になると。そして古代エジプトと現代を行き来しながら、2つの時代が並走して存在しているということが凄く面白くて。古代の話に移ってそこが本筋だろうと思って読んでいたら、実は現代でも同時に動いていて、一方では現代が本筋だと思っていたら古代でも話が動いていて、人がもしもタイムスリップするならこういう状態になるんだなという想像を掻き立てられます。その部分に引き込まれましたね。当時、発売していた巻数を一気に読んだ覚えがあります。ですからシチュエーションと言いますか、その設定に引き込まれました。
山口 ただいま私の娘たち、そして息子たちは、今現在そういう人生の中で生きてるんだろうな、と思いながら話を伺っておりました。そういう話が全部終わってしまったおじいちゃんとしては(爆笑)先ほどから、ファンタジーとかSFとか色々話がありましたが、愛とロマンスの為なら、時代を超えて空間を超えて、そしてあらゆる犠牲を超えて達成するというのはなんと素晴らしい作品なんでしょうか。そして女性の方から先程話がありましたが、愛しているんだから相手の腕を折ろうが何をしようが自分のものになれという、そういう愛され方をいったん知ってしまうと、現代社会の普通の愛情で足りるんでしょうかね(爆笑)。そんなことをお父さんとしては心配しながら、それでも、現代社会の中で、色々な規制の中で忘れられてしまった人間の素直な愛情表現を、舞台の中でこっそり垣間見られれば良いなと思っています。
──荻田さん、演出する上でここを大切に作り上げていこうという肝のようなところがあれば教えてください。
荻田 キャラクターの魅力を、限られた上演時間でどれだけ盛り込めるかというのが1番の課題です。この物語が40年間も読者の皆さんに愛されているというのは、美しい、綺麗、甘いというだけではなく、そこにうごめいている人間関係の業というか、性というか、その強さが描かれているからだと思います。ただ、そこを全面に出してしまうと、絵の印象から受ける美しさを損なってしまうので、美しさを損なわない程度に皆がいかに荒々しく生きていけるか。特に古代の皆様は現代のひ弱な人間ではなく、それぞれが人間としての生命力に満ち溢れたキャラクターであって欲しい。原作の魅力もそこだと思います。皆運命に翻弄されるんですが、運命に抗って戦っている、その雄々しさが美しいと思いますので、ゆめゆめしいロマンチックなキャラクター1人1人の力強さというものを、皆さんと一緒に構築していけたら良いなと思います。

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──シルヴェスター・リーヴァイさんの音楽の魅力はどこにあると思いますか?
浦井 世界中で愛されるたくさんのミュージカルを作曲されている方で、聞いていると心にたくさん響いてくる宝物のような楽曲が多いのですが、歌うとなるとものすごく体力が必要で、ちゃんと役の心情を掴んでいないと、すべての感情を音楽に持っていかれてしまう、音楽が素晴らしいゆえに流されてしまう怖さもあります。今日の(歌唱披露)も、とにかく相手の目をみて歌うようにしていました。その場で起こることにちゃんと反応していかないと、音楽に流されて、本来の役のもっているメッセージが失われてしまうくらいに楽曲が素晴らしいんです。役者としては怖さもあるというのが、自分の感想です。
宮澤 音楽を聞くだけで物語が頭に浮かんでくるところが、リーヴァイさんの楽曲って素晴らしいなと私が感じたところです。私は今回初めてリーヴァイさんの曲を歌わせて頂くので、歌えることに感謝をして、1曲、1曲、気持ちを込めて歌えたらいいなと思います。
新妻 非常にメロディアスであるということと、我々日本人の風土にも合うどこか湿度と情緒がある旋律が多くて、お客様に覚えて頂ける旋律が多いと思います。そして今回『王家の紋章』のデモ音源を聞かせて頂いた最初の印象は、「リーヴァイさんの作品の中で一番ポップかも」と思いました。特にキャロルは唯一現代の人間が古代に迷い込む役割ですので、冒頭なんて『ヘアスプレー』の音楽のようなアメリカンな旋律だったりするんです。でも、古代に飛び込んでいったら、キャロルもその時代にちゃんと染まる。音楽で時代をも飛び越える手法は素晴らしいと思いました。
宮野 リーヴァイさんの曲を歌えるというのが、僕にとってはただただ感謝で、これまで歌のレッスンですとか、ミュージカルの舞台を観て接してきた曲を書いた方の、書下ろしの曲を今回自分が歌えるという喜びを噛みしめています。デモ音源を聞かせて頂いただけで、色々な感情が押し寄せてきて、早くこれをステージで皆と一緒に表現したいなという気持ちになりました。
平方 リーヴァイさんの曲には心に寄り添ってくれるような魅力があるなと感じます。僕も今回の音源を聞かせて頂いたのですが、リーヴァイさんの曲でも、今まで聴いたことのないようなテイストの曲がてんこもりで、お客様も期待して頂いていいんじゃないかなと思います。この『王家の紋章』という作品の質感が、リーヴァイさん、日本語わかるんじゃないかというくらい丁寧に表現されていたので、そうした心情が丁寧に表現されているところが魅力だと思います。

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伊礼 1人、1人の話を聞いているととても面白いのですが、僕は『エリザベート』でリーヴァイさんの曲を歌わせて頂きましたが、新妻さんがおっしゃったように日本人の生理に合うんです。僕自身リーヴァイさんの曲を聞くと、自分の中の細胞が動き出す、とても気持ちよく感極まるものがあります。色々な歌い方をしてもそれぞれの魅力になるのが、リーヴァイさんの曲のすごく素敵なところだなと思います。
濱田 リーヴァイさんの音楽はすごく人間の感情の動きに沿っているなと感じられます。たとえば楽しい曲、嬉しい曲というのは、一般的に楽しいまんまで終わる曲も多いのですが、例えばアイシスの歌うナンバーでは、人って、すごく楽しいことを考えているときに、悲しい瞬間や苦しい瞬間がよぎったりするじゃないですか。それがちゃんと音に表れているんですよ。歌う側はその微妙な音に最初戸惑うのですが、よくよく全体像を通してみると、人の思考、感情、心の流れは実にそういう風にできているなと、人間の発想のリアリティを音で表現されているところがすごく大きいと感じます。そして1曲ずつ粒だっているのですが、その曲たちが全部でまとまってひとつの作品になった時に、リーヴァイさんの楽曲は完成する、ひとつの宇宙のような、嬉しい、楽しい、喜びも悲しみも1曲の中にすべてが網羅されていると感じますので、自分もその表現にチャレンジしてみたいです。
山口 色々な話の中で、リーヴァイさんの作品には宇宙があると。その宇宙の先にもしかしたら神様がいるかも知れないとしたら、リーヴァイさんが音楽の神様なのかなと。また日本語がわかるのかな?という話もありましたが、リーヴァイさんは日本語はわかりませんが、喋っている人の気持ちはわかる。ですから一緒に仕事をしていて驚いたのは、日本語で歌っている役者さんが日本語で歌いやすいように、日本語の特性に合わせてすぐ譜面を変えられることです。これがどうしてなのかは、学者の方の分析に任せますが、そういう才能のある方が現代にいて、その方が日本という国に興味を持ってくださって、共感してくださっていることが、僕たちにとって本当に幸運なことです。
細川 私はリーヴァイさんがお書きになった「エアー・ウルフ」という曲が好きで、いつも絵を描きながら聞いていました。ですから『王家の紋章』もどんな風な曲になるかとても楽しみにしていました。私の手元にも音楽を送ってくださって、まだメロディだけで歌詞が入っていないので、これで言葉が入ったらどんなにロマンチックになるのかしらねと、と昨日妹と話したところです。徹夜で全曲聞きまして、今日はちょっと寝不足です(笑)。とても繊細な音楽ですので、妹も私もとても楽しみにしております。

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──では最後に、浦井さんからメッセージをお願い致します。
浦井 世界初演として花開く、『王家の紋章』のミュージカル、帝国劇場にてこの夏、大きな花火のように打ち上がります。今、先生方がおっしゃったこと、各役者のみなさんがおっしゃったことがすべてだと思いますし、関わるたくさんのキャスト、スタッフ、製作さん、皆さんの熱い思いがこもった、熱い熱い作品になると思います。お客様、1人1人の心の中に素敵なメッセージが届いてこの夏素敵な経験となるよう、一丸となってやっていけたらと思っています。このカンパニーならではのミュージカルを目指していけたらと思っておりますので、ぜひとも劇場に足をお運びください。

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〈公演情報〉
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ミュージカル『王家の紋章』
原作◇細川智栄子 あんど芙〜みん『王家の紋章』(秋田書店「月刊プリンセス」連載)
脚本・作詞・演出◇荻田浩一
作曲・編曲◇シルヴェスター・リーヴァイ
出演◇浦井健治、宮澤佐江/新妻聖子(Wキャスト)、宮野真守/平方元基(Wキャスト)、伊礼彼方、愛加あゆ、出雲綾、矢田悠祐、木暮真一郎、濱田めぐみ、山口祐一郎 ほか 
●8/5〜27◎帝国劇場
〈料金〉S席 13,500円、A席 9,000円、B席 4,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777



【取材・文・撮影/橘涼香】


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粟根まこと、松永玲子ほか、キーポイントQ&A【演劇人の活力源】など連載中!
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内博貴主演・錦織一清演出、ミュージカル『グレイト・ギャツビー』製作発表レポート

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狂騒の20年代に咲いた純愛を、豪華キャスト&スタッフで描くミュージカル『グレイト・ギャツビー』が、7月2日〜10日、池袋のサンシャイン劇場で上演される(その後、名古屋、京都、神戸公演もあり)。

原作は、F・スコット・フィッツジェラルドの代表作であると同時に、アメリカ文学をも代表すると称される傑作同名小説。経済、文化が大きく発展し、大バブル時代を迎えていた1920年代のニューヨークで、毎週末、絢爛豪華なパーティを繰り返す謎の大富豪、ジェイ・ギャツビー。彼の行動の裏にある秘められた思い、真実の愛を求め続けた男が、破滅へと向かう悲しくも美しい物語は、時を超え今も輝き続けている。1974年にロバート・レッドフォード、2013年にはレオナルド・ディカプリオ主演による映画化がされているほか、1991年、2008年に小池修一郎の作・演出による舞台版が宝塚歌劇団でも上演されていて、今回はそれ以来の新たなミュージカル作品としての登場となる。

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山口馬木也、愛原実花、相葉裕樹、大湖せしる

そんな期待の作品の製作発表記者会見が5月20日に都内で行なわれ、主人公のジェイ・ギャツビーを演じる内博貴、語り手でギャツビーの友ともなるニック・キャラウェイ役の相葉裕樹、ギャツビーの永遠の想い人デイジー・ブキャナン役の愛原実花、20年代ならではの進歩的で野心的な女性ジョーダン・ベイカー役の大湖せしる、デイジーの夫トム・ブキャナン役の山口馬木也のメインキャスト陣、更に演出の錦織一清、脚本の羽原大介、音楽と共にギャツビーの父ヘンリー・ギャッツ役で出演も果たす岸田敏志、振付の川崎悦子が登壇。公演への抱負を語った。

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会見は内博貴と愛原実花の歌唱披露からスタート。1幕の後半、5年ぶりに再会したかつての恋人同士、ギャツビーとデイジーが会えなかった日々の空白を埋めるように歌うデュエットソング「Oh デイジー」が披露され、甘くポップなメロディが会場に広がった。

続いて、松竹株式会社副社長、演劇本部長安孫子正氏から、2014年に上演され好評を博した『ザ・オダサク』に続いて、内博貴主演、錦織一清演出による第二弾として、この『グレイト・ギャツビー』を上演できることとなり大変嬉しく思う。スタッフに『ザ・オダサク』でもお馴染みの、音楽・岸田敏志、振付・川崎悦子、更に新たに脚本に羽原大介を迎えられたことも、大きな喜びだ。出演者も豪華なメンバーが揃い、つかこうへい作品を次々に手掛けてくれている錦織演出の元、新たな演劇を創造できることと確信している。映画版が有名な作品だが、舞台のミュージカル化は、宝塚歌劇団が手がけて以来になるので、新しい芝居が必ず作れると思う。ご期待を頂きたい、との力強い挨拶があり、登壇者の挨拶へと引き継がれた。

【登壇者挨拶】

錦織 演出を担当させて頂きます錦織です。このところ演出をさせて頂く度に思うのですが、キャストもスタッフもどんどんグレードが上がっている喜びと同時に重圧も感じております。演出家というのはそういった重圧にも耐えなければいけないんだなと思ったりも致します。僕自身は25年前に『スティング』という作品で、映画版でロバート・レッドフォードが演じたジョニー・フッカー役をさせて頂いているのですが、今回事務所の後輩の内が、やはりロバート・レッドフォードが演じた『グレイト・ギャツビー』をやらせて頂くということで、もし25年前だったら、このギャツビーも僕が演じられたのではないかな?と、ちょっと嫉妬もあるのですが(笑)、1920年代から30年代に向けて希望に満ちていたアメリカを皆さんのお力をお借りして描けたらと思います。どうぞよろしくお願い致します。

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羽原
 映画はもちろん観ていたのですが、宝塚さんの舞台は観ていなくて、設定が1920年代のアメリカということで、1920年代のアメリカというのはどんなものだったのか?との勉強をし直しました。簡単に言いますと第1次世界大戦が終わって、無傷のアメリカが大変なバブル期を迎えるという時代だったんです。僕は2年くらい前にNHKの朝の連続テレビ小説『マッサン』をやらせて頂きましたが、ほぼ同じ時代だったので、当時のアメリカと日本はここまで違ったのかと愕然としまして、今日本はよくここまで来たなという感想を持ちながら、1920年代のアメリカを2016年の日本のお客様に観に来て頂けるものに如何に落とし込めるのか?が最大の課題だったように思います。1920年代のアメリカの常識だけではどうしても通じないところを、頑張って日本の皆さんが観てもわかる『グレイト・ギャツビー』になるように作業してみました。あらかたの音楽はできましたので、後は演出の錦織さんと出演者の皆さんに託していきたいと思っています。よろしくお願い致します。

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岸田
 前回の『ザ・オダサク』でも音楽を担当させて頂き、大変楽しい舞台になりました。今回は、僕は今年歌手デビュー40周年で、今コンサートツアー中なので、音楽制作はその前に、2月〜3月頃にと思っていたのですが、ピッタリと現在制作中でございます(笑)。今パニくっておりますが、なんとか間に合うように、そしてミュージカルの中で皆さんに楽しんで頂ける音楽になるように、またこういうチャンスを頂けたので、頑張ってやっていきたいと思います。よろしくお願いします。

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川崎 私はロバート・レッドフォードのファンだった時期が幼い頃ありまして、更に、レオナルド・ディカプリオの映画も数年前に観まして、DVDも購入して持っておりますものですから、今日ここにくる前にもう1回見直したりしていたのですが、バブリーで華麗でクレージーな感じの世界観というのは、ものすごく興味があるし大好きな作品だなと改めて思いました。今こうやって皆様のお姿を拝見して、人形のようにイケメンと美女とが集まった舞台なので、さぞや素晴らしい舞台になるであろうと。少しでもその力になれればと思います。よろしくお願いします。

 この『グレイト・ギャツビー』4、5年くらい前に、レオナルド・ディカプリオの映画で観させて頂きまして、観終わった時にこれをミュージカルにしたらすごく面白いんじゃないかと、ビビッと来ました。それ以来「ギャツビーがやりたい」と言い続けてきて、夢が叶った、言い続ければ夢は叶うんだと、すごく嬉しく思いました。演出に僕の大先輩の錦織さんがいてくださることがとても頼もしいですし、久しぶりにニシキ(錦織)さんの演出を受けられることが今からとても楽しみです。『ザ・オダサク』チームとも言えるメンバーでまた新しいものができるのではないか、この素晴らしいカンパニーで最高の作品を作りたいなと思っています。よろしくお願いします。

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相葉
 ニック・キャラウェイ役をさせて頂きます相葉裕樹です。僕はロバート・レッドフォード版、レオナルド・ディカプリオ版の映画、そして宝塚版も観させて頂きまして、どれも受ける印象が全然違って、今は小説を再度読ませて頂いて、どこを切るかで本当に表情の違う作品なんだなと思っています。ニックというキャラクターはストーリーテラーなのですが、尚かつ作品の中にも登場する、僕自身初めてやらせて頂く役回りなのですごく楽しみにしています。よろしくお願いします。

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愛原
 デイジー役をさせて頂きます愛原実花です。こんなに素晴らしいキャスト、スタッフの皆様とご一緒させて頂くことを本当に幸せに思います。今回は与えられた課題をこなすだけではなく、自発的に自分できちんとデイジー像を作り上げながら、取り組みたいと思いますので、皆様よろしくお願い致します。

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大湖
 原作を見させて頂いた時に、この物語の人間の心の奥深いところであったりとか、人と人とのつながりがすごくキーポイントになっていると感じました。そのことを大切に演じていけたらいいなと思いますし、今日いらっしゃる皆さんと、スタッフの皆さんと共に華麗なる世界を作りあげていけたらと思っております。よろしくお願い致します。

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山口
 自分は人前で歌ったことがありません。ミュージカルも初めてです。どうしましょう(笑)。このお話を頂いて楽しみはとても楽しみなのですが、歌ったことがないということで、パニくっていて地に足がつかない状態です。岸田先生と川崎先生にお会いして、踊ったこともないのでそれが頭から離れません。ただ、こんなに素晴らしいキャストとこんなに素晴らしい作品なので、なんとか皆さんの期待を裏切らないように、皆様に協力して頂いて頑張りたいと思います。本当によろしくお願いします。

【質疑応答】

──羽原さん、1920年代の作品をどのようにまとめられるのか教えてください。
羽原 1920年代のアメリカの富裕層が中心になって展開していくお話で、衣装もこんな感じなんですね。方や着物に下駄ばきの日本という、まずそこにカルチャーショックを受けて、そのギャップを100年経った今どう表現するかを考えました。そこに男女の出会いであったり、理想の親子像であったり、また今世界中にある貧富の格差など、普遍的なものをできるだけ凝縮して、今の日本でやってもなるたけ価値観が当てはまるものを意識して構成してみました。
──内さん、映画に出会ってビビッときたということですが、具体的にはどんなところに?
 ギャツビーという人に惚れました。この人をいつか演じてみたいと率直に思いましたし、1人の人に対する熱い思い、デイジーに対する思い「僕はデイジーに出会う為に、恋をする為に生まれてきたんだ」という、僕自身はそんな経験をしたことがありませんので、そんなに人を愛せる?と思いながらも惹かれました。演じる上でもそこを大切に、デイジーに対するそこまでの思いをどう表現すれば皆さんに伝わるかをこれから研究していきたいと思います。
──出演者の皆さん、ご自身が演じる役と、自分自身に似ているところがあったら教えてください。
 似ているところ……は、今はちょっと思いつかないです。すみません。

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相葉 ニックというキャラクターは真面目なんですけれども、真実を言わないところがありまして、本当は好きじゃない人に対しても当たり前のように接することができる人で、そういう一面は人間誰しもが持っていると思うので、そういう部分では共感できる人物だと思います。
愛原 1920年代のアメリカンドリーム、本当にバブルを象徴したものがデイジーなのではないかなと思っているのですが、その根底には暗い部分も持っていて。私自身にも暗いところがありますので、そういった部分を重ね合わせていけたらと思います。

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大湖 ジョーダンは謎めいた女性だなと感じていまして、私自身も「何考えてるかわからない」とよく言われますので(笑)その部分が似ているかな?と今質問して頂いて思いましたが、ただ謎めいているだけでなく、芯のある女性を演じて行きたいと思っているので、そこにミステリアスな部分も醸し出しつつ演じていけたらいいなと思います。

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山口 僕の演じる役はトム・ブキャナンというのですが、傲慢で好色な男という設定なので、まぁ似ているところがあるのかも知れませんけれども(笑)、そこは、あまりですね(笑)。
岸田 (岸田さんからも是非と振られて)あ、僕も出演することを忘れておりました(笑)。僕はギャツビーの父親役で、ギャツビーが亡くなってから最後の最後に「息子よ」と1曲歌いに出るという役なのですが、親子の愛情というのは本当に大切なものだと思っておりますので、そこに1番良い曲を書いて(笑)臨みたいと思います。

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──錦織さん、内さんとタッグを組むのは5回目ということですが、この作品で内さんのどんなところを引き出したいでしょうか?
錦織 甘いマスクなのですが、腹が据わっていて男っぽいところもいっぱいあるのを僕は知っているので、ギャツビーを演じるに当たっても、女性に対して一途であったりとか、1人の人に愛を貫く男を良い男が演じるのは、なかなか日本では受け入れられないのですが、内の内面が出れば、もっとギャツビーがカッコいい男になるのではないかと思います。女性に一途な役をいっぱい演じている男が私生活で女性にだらしない方が、マスコミにも受けるので(爆笑)そんな大俳優になって欲しいです。
──逆に内さんから見た錦織演出の魅力は?
 本当に信頼できる人です。事務所の先輩ということもありますし、一番最初にニシキさんとやらせて頂いたの『PLAYZONE』の時で、それからずっとご一緒させて頂いて、『ガイズ&ドールズ』という作品では、ニシキさんも出演して共演させて頂き、その後演出ということで、ご一緒させて頂いてきました。正直最初にはニシキさんの演出は厳しいと思いました。やはり台詞が多いと不安なのですが、でも台本を離してよしやるぞとなった時に、ニシキさんは口でバーッとおっしゃるんですね。でも書くものもないし、どうしよう?と思って、覚えるしかないという集中力が必要です。でも愛もありますし、適度に休憩も取ってくれますし(爆笑)、愛にあふれているので、『グレイト・ギャツビー』僕も良いものを作りたいですから、すごく楽しみです。ニシキさんに任せればいいやと思えるくらい信頼しています。

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それぞれの熱い思いがこもった発言の続いた会見のあとには、囲み取材も行われ、この作品が20代最後の作品となる内が「先輩のニシキさんの演出で、自分の念願の作品と役どころで20代最後の舞台を締め括れるのが嬉しい」と語り、美しいデュエットソングを披露した愛原が「少しずつ歌の練習もはじめていて『グレイト・ギャツビー』の世界に染まっていきたい」と述べると「でもいきなり見つめ合って歌うのはこっぱずかしかったよね!」と明るく内が返して爆笑を呼ぶ1コマも。更に、初ミュージカル出演に対して「鼻歌しか歌ったことがないのに」と不安がる山口には「大丈夫、植草(克秀)だってできたんだから!」と錦織がジョークを飛ばしながら励まして、笑いの渦が広がった。
また相葉が「20代最後の内さんの舞台にご一緒できるのが光栄なので、楽しみながら『グレイト・ギャツビー』の世界を堪能したい」と語れば、この作品が宝塚退団後の女優デビュー作品となる大湖が「宝塚の舞台にしか立ったことのない自分がどこまでできるのかという不安も大きかったのですが、今は喜びが勝っていて、わからないことも多いと思うけれども、色々教えて頂きたいです。宝塚時代に2学年違いで同じ組で、いつもおしゃべりしていた愛原さんがいることが何より心強いです」と話すと、全員から「同じ組だったの?それは良かったね」という感想が口々に。

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最後に、90年の『PLAYZONE』で12日に死去した演出家、蜷川幸雄の演出を受けた錦織が故人を追悼。少年時代に蜷川作品の子役オーディションに落ちたことがあるというエピソードも明かし、「厳しいけれど、その中に温かさがある方。身体を預けられる、守ってもらえる方だった。演劇の火種がひとり消えてしまうのは淋しい。とても残念です」と故人を悼んだ。


〈公演情報〉
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ミュージカル 『グレイト・ギャツビー』
原作◇F・スコット・フィッツジェラルド
演出◇錦織一清   
脚本◇羽原大介    
音楽◇岸田敏志   
振付◇川崎悦子 
出演◇内博貴
相葉裕樹、愛原実花、大湖せしる、山口馬木也
高田翔(ジャニーズJr.)、岡本悠紀、RiRiKA   
木村花代、コング桑田   
岸田敏志  ほか 
●7/2〜10◎サンシャイン劇場
〈料金〉S席 10,000円 A席 5,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489(10時〜18時)
●7/13◎名古屋市芸術創造センター
〈料金〉S席 10,000円 A席 5,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉鵜飼興行 052-221-1166
●7/15〜17◎ロームシアター京都 サウスホール 
〈料金〉S席 10,000円 A席 6,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉ロームシアター京都チケットカウンター 075-746-3201
●7/23〜24◎新神戸オリエンタル劇場
〈料金〉S席 10,000円 A席 6,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉新神戸オリエンタル劇場チケットセンター 078-291-9999(10時〜18時)
〈松竹ホームページ〉 http://www.shochiku.co.jp/play/others/


【取材・文・撮影/橘涼香】



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