えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

舞台『刀使ノ巫女』

OG公演会見

新演出、新曲を多数加え新たに生まれ変わるミュージカル『マリー・アントワネット』製作発表記者会見レポート

IMG_9588

ミュージカル界のヒットメイカー、ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイがフランス大革命の時代を、二人の“MA”を通して描いた歴史ロマン大作ミュージカル『マリー・アントワネット』が、装いも新たに9月14日〜30日福岡・博多座、10月8日〜11月25日東京・帝国劇場、12月10日〜21日名古屋・御園座、2019年1月1日〜15日大阪・梅田芸術劇場で上演される。

ミュージカル『マリー・アントワネット』は、遠藤周作の「王妃マリー・アントワネット」を原作に『エリザベート』『モーツァルト!』など数々の傑作ミュージカルを生み出したミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイが、2006年帝国劇場で世界初演を果たしたミュージカル。その後、ヨーロッパ各国、韓国での上演を経て、ロバート・ヨハンソンの演出のもと、よりゴージャスにドラマティックな「新演出版」として、2018年日本に再上陸を果たすことになった。
王妃マリー・アントワネットと、庶民の娘マルグリット・アルノー、二人の“MA”の運命がフランス革命の嵐の中で交錯する物語をベースに、マリーとフェルセンの悲恋が美しくロマンティックに描かれ、絢爛豪華な衣裳、新たな楽曲の追加、そして選りすぐりのキャスト競演による新たな『マリー・アントワネット』に、今大きな期待が集まっている。

そんな作品の製作発表記者会見が9月2日都内で開かれ、多くのメディアと、1万通の応募の中から当選した幸運な約400人のオーディエンスが見守る中、フランス王妃マリー・アントワネットの花總まりと笹本玲奈(Wキャスト)、貧困に喘ぐ庶民の娘マルグリット・アルノーのソニンと昆夏美(Wキャスト)、王妃の恋人フェルセン伯爵の田代万里生と古川雄大(Wキャスト)、王位簒奪を狙うオルレアン公の吉原光夫が登壇。作品への抱負を語った。

IMG_8952

まずこの作品の製作を担当するプロデューサーの岡本義次からキャスティングに関する思いが語られ、マリー・アントワネット役にはこの作品の初演当時、クンツェ&リーヴァイから花總まりの名前が挙がったが、宝塚在団中であった花總への出演交渉は当然ながらできなかったので、今回の上演に際して花總アントワネットが実現したことが感無量である。その花總アントワネットと共にWキャストで同役を演じるのが、初演でマルグリット・アルノーを演じている笹本玲奈であることは、女優としての笹本の成長とそれ自体にドラマを感じる。またマルグリット・アルノーのソニンは、アグレッシブで繊細な女優であり『1789』でもフランス革命に身を投じたソレーヌを演じている、行動力のある女性を演じるには打ってつけだと思う。またWキャストの同役の昆夏美の東宝デビュー作品が『ハムレット』のオフィーリアであり、その『ハムレット』の韓国版の演出を担当したのが今回の演出のロバート・ヨハンソンであることに縁を感じる。フェルセン役の田代万里生と古川雄大は、まず日本ではフェルセンという役柄に『ベルサイユのばら』の強烈なイメージがあり、二枚目であることが必須の役柄になる。田代は『グレート・ギャツビー』でニックを演じていて、演出の小池修一郎が「知性を感じる役者でないといけない役」と述べた通りの知性と貴公子の雰囲気と歌唱力がある。また古川は先日まで『モーツァルト!』のタイトルロールを演じていて、帝国劇場の初日から名古屋御園座の千秋楽までに飛躍的に歌唱力が伸びたと絶賛を浴びている、真面目な勉強熱心な人物で貴公子の雰囲気も申し分ない。そしてオルレアン公の吉原光夫は『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンとジャベールを演じていて、特にジャベールの背後に真っ赤な炎が燃えているのを感じるので、韓国版を観にいった時から、オルレアン公は吉原しかいないと思っていた。登場だけで演劇を感じる吉原のオルレアン公に大いに期待している。他にも今日は登壇していないが、ルイ16世の佐藤隆紀と原田優一(Wキャスト)、レオナールの駒田一、ローズ・ベルタンの彩吹真央、ランバル公爵夫人の彩乃かなみ、ジャック・エベールの坂元健児と多彩な俳優たちが揃い、プロデューサーとしては渾身のキャスティングだと思っているので是非ご期待頂きたい。という挨拶があったのち、登壇者挨拶へと引き継がれた。

【登壇者挨拶】

IMG_8994
花總
 皆様本日はお忙しい中おこし下さりありがとうございます。マリー・アントワネット役をさせて頂きます花總まりです。先ほど岡本さんから初演の時に名前を挙げて頂いたということをお聞きして、更に今回新演出版でこの役を与えて頂いたことがすごく光栄ですし、身の引き締まる思いです。最後まで一生懸命頑張りたいと思います。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 
IMG_9009
笹本
 皆様こんにちは、笹本玲奈です。私は先ほど岡本さんがおっしゃったように、初演でマリー・アントワネットとは正反対の役どころマルグリット・アルノーで舞台に出演させて頂いていて、再びマリー・アントワネット役でこの作品に戻ってくることができとても嬉しく思っています。私は小さい頃からいつか帝国劇場で、大きなドレスを着てお芝居をしたいというのが夢でした。その夢を叶えてくださった皆様に感謝しております。(出産を経て)体形も戻りましたし、ドレスを着てマリー・アントワネットとして最後まで生きることができるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
IMG_9035
ソニン
 皆様本日はお忙しい中、またお足元のお悪い中お集まりくださりありがとうございます。マルグリット・アルノーを演じさせて頂きます。もう一人の“MA”ということで、とても大役ですごく光栄だと思いながら稽古場にいて、今ここに立って改めてそれを痛感しております。マルグリットという役はこの作品の中で唯一の架空の人物で、だからこそこの作品の持つメッセージを現代の皆様に伝える役割があると思っています。今稽古場でやっている中で、すごく心が病んでいっていて(笑)、そこに負けじとしているところもマルグリットっぽいのですが、メンタルも含めて、出番もすごく多いし、曲もとてもパワーのいるものばかりです。そこに立ち向かってカンパニーの皆様のお力を借りつつ、来年の1月までこの上質な作品をお届けできればと思っていますので、皆様是非応援してください。
 
IMG_9067
 昆夏美です。こんなにたくさんの方々にお集まり頂いて、12年ぶりに上演されるということで楽しみにされている方が大勢いらっしゃるんだ、ということ今改めて感じています。私自身も12年前にこの作品に出会って以来、いつまた上演されるのかな?とずっと思っていて。そして今この機会に自分が出演させて頂ける驚きと感謝を感じながら日々稽古をしています。マルグリット・アルノーという役はひとつの信念を持ってこの作品に登場していくんですけれども、物語が進むにつれて彼女の心の動きだったり、色々な感情の変化が見られる役なので、ダイナミックさと繊細さが必要な役であり、女性だと思っています。開幕までもがきながらそんなマルグリット像を見つけていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
 
IMG_9070
田代
 皆さんこんにちは。アクセル・フォン・フェルセン伯爵役の田代万里生です。とても素敵なお役をいただきまして、しっかりとこの責任を果たしていかなければと思いながら日々稽古を務めさせて頂いております。日本初演の折には自分はまだミュージカルデビューをしていなかったので、本当にゼロからの作品との出会いとなりました。12年前の初演とは脚本も楽曲も大幅に改められておりまして、幕が開きますとフェルセンがマリー・アントワネットを想って回想していくような歌からはじまります。そしてまたプロローグとエピローグがある形になっております。初演でフェルセン役を演じた井上芳雄さんが先日お稽古場にいらして見学されて、お帰りになる際「どうでしたか?」とお伺いしたら「ほとんど知らない曲だった」と(笑)。それくらい新鮮に観てくださったようです。また実際にあった事件だったり、人生だったり、目を覆いたくなるような場面もありますけれども、ただの歴史大河ドラマのミュージカルではなくて、この時代だからこそ届けたいメッセージというものが最後のエピローグのシーンでしっかりと色濃く描かれた脚本、演出になっているのではないかなと思っています。出演者に子役の小学生の男の子と女の子、トリプルキャストで合計6人稽古場にいるのですが、昨日までの通し稽古で2日連続子供たちの涙が止まらなくなってしまいました。きっとフランス革命のことや、国のこととか、宮廷のこととか、大人の「愛人」とか(笑)、おそらくそういう事情はわからないだろうし、難しい言葉もたくさん出てくるのに、何かを感じとってくれるということに、「あ、この作品は今しっかりと育っているんだな」というのを実感しております。早く劇場で皆様にお会いしたい、お会いできることを楽しみにしております。よろしくお願いいたします。
 
IMG_9102
古川
 フェルセン役をやらせていただきます古川雄大です。本日はありがとうございます。先ほどこの衣装を着て袖の中で待っていましたら、光夫さんに「『花より男子』の道明寺みたいだね」と言われまして(爆笑)。「いえ、僕はフェルセンです」と言いまして、僕も光夫さんの衣装を見てびっくりしたんですけれども(笑)、この衣装のように違いがあるので、それを演じて頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
IMG_9112
吉原 
最後なんでちゃんと喋らなくちゃいけないなと思って色々考えたのですが思い付かず(笑)、思いのままに喋りますので失礼があったらすみません(笑)。僕は本当はフェルセンをやりたかったのですが(会場笑)、全然遠い役だなと思って今稽古を見ていて、やはり遠いなと思って今の役の方がしっくりきている感じでございます。稽古場で本当に子役が泣いているんですが、泣かれれば泣かれるほど僕が傷つく(笑)、そういう役になっております。僕は遠藤周作さんのファンで、そのこともあって岡本さんからオファーして頂いてすごく期待していたのですが、遠藤周作さんのテイストというのは、逆に12年前よりも少し飛び越えて、作品がちゃんと現代のお客様に伝わるように、届けられるように構成されているんだなと思っています。『マリー・アントワネット』は12年前にやった時にすごく暗い話として捉えられたのですが、今も暗い話です。それを何故今やるのか?と考えた時に、マリー・アントワネットというのはこの世の中ではじめて、今でいうメディア、SNSなど、当時は新聞とかですが、そこで中傷され、嘘偽りによって殺されていった人なんですね。現代にもそういうことはとてもたくさんあって。そういう時代の中で人が1人アイデンティティを持って生きていく為には、マリー・アントワネットは最後に当然ですが首を切られる訳ですが、そこに切なさよりも芯の通った強さ、生きるに値する力強さを二人から感じるんです。それに接すると、今メディアが右だと言えば皆が右に行く時代に、批判していないですよ!僕メディア大好きですよ(笑)、でもそういう時代に、マリー・アントワネットもマルグリットもフェルセンも皆自分を持って、オルレアン公だけが潰れていくという、そういう作品になっています(笑)。怖い役なんですけれども、彼も野心を持った、何かを目指した男としてやっていきたいと思います。あとは座組が素晴らしいので、稽古場でも痺れるものが多く、長い公演ですがこのチームでやれることを感謝しています。ありがとうございました。

【質疑応答】
 
IMG_8986

──日本では「フランス革命」はとても人気のあるテーマですが、なぜ人気があるのか、演じる側として感じることはあるでしょうか?
花總 今回私がこの作品を演じるにあたって、是非色々なことを考えて欲しいなと思うのは、市民の人たちの想い、王族の想い、大きな激動の時代を生きた人たちのそれぞれの想いというのが、あまりにも複雑に絡み合って革命というものが起きたと思っています。それはこの時代だけのものではなくて、今の時代の皆様にも何かしら心を揺さぶられる、絶対に胸に響くものがある。それは観た方によって決してひとつではない想いで、深く考えさせられるのは、どの時代の人にとっても同じではないかと思います。
笹本 花總さんがおっしゃったことがすべてだと思いますが、まずひとつには漫画になっている『ベルサイユのばら』という作品が日本で何十年も前からヒットしていることが、この時代に関心が集まるきっかけなのではないかな?と思っています。そしてマリー・アントワネット自身も歴史上の人物としてとても有名な方ですし、ルイ16世、ロペスピエールなど、小学生で習う歴史の時間にも必ず取り上げられる人物なので、1人ひとりの認知度が高いということ。特にマリー・アントワネットの生きた時代には韓国ドラマにも通じるような、様々な人間ドラマがあるので、人の興味を引くポイントがたくさんあることなどなのかなと思います。あとはやはりドレスが素敵で、『1789』もそうですし、宝塚歌劇の『ベルサイユのばら』もそうですし、観ていて華やかなところも魅力のひとつかなと思っています。
 
IMG_9123

ソニン
 私はこの前の作品でもフランス革命をやっていたので、しかも『1789』は革命家たちが英雄的に描かれている作品で、私もそちら側に立っていました。それが今回の『マリー・アントワネット』では、フランス革命後半の「恐怖政治」に入っているところがかなり色濃く描かれていて。ですからフランス革命の中の狂気だったり、残虐性だったり、怖さというものが強く出ていて、演出のロバート・ヨハンソンさんが「フランス革命は世界で一番最悪だった革命だと言われている」とおっしゃったのに「私、この間までその革命を信じて戦っていたのに!」と衝撃的でした。自分を否定されたような気がしたのですが、やはり今回は先ほど言ったようにフランス革命の後半が描かれているので、革命という名のもとに人々が酔いしれていって、自分を見失う狂気じみた行為がたくさん出てくるんです。それがつまり「恐怖政治」と言われるところで。そういう意味では私も今回全然違うフランス革命を体験していて、たぶんこの後の時代の『レ・ミゼラブル』などもそうですが、切り取り方によって全く違ってくるし、日本のお客様はすごく奥深くご覧になる方ばかりなので、そこに面白みを感じていらっしゃるのではないかな?と思います。私もこれだけ勉強しましたけれども、まだまだ奥があるような気がして参考書を読んだりもしているので、そういうところではないかと思います。
 人気の理由と言いますか、私は今稽古場で、貧困ですとか、そういうひとつの想いの中で固まっていくことの怖さをすごく感じています。お稽古場で暴徒のシーンがあって、1人ひとりは信念を持って進んでいるのですが、傍から見ていると狂気でしかないように見えてしまってすごく怖いです。それが本当にあったんだということを稽古を通して学んでいて。今私は貧困という環境とは、ありがたいことに違う世界にいさせて頂いていますけれども、貧困ではなくても、ひとつのコミュニティーの中でひとつの想いで進んでいくということは、どんな職種でもあることだと思って。それがフランス革命を、遠いようで近いと感じるものにしている、だからこそ本当にこういうことがあったということを、作品を通して学ばせて頂いているので、私はフランス革命に対して恐ろしさと同時に、でも見てみたいという想いを感じています。
 
IMG_9122

田代
 フランス革命を改めて調べていく中で、こんなにもお互いのことを知らないまま向き合っていって、自分が正義と信じていたものが、違う視点から見たらとんでもないものなのに、それを知らずに人を殺してしまったりしていたのかと。先ほどのロバートさんがおっしゃった「最悪の革命」ということ、現代でもそうですがたくさんの戦争や争いがあった中で、もっと違う道があったのではないかな?ときっと誰もが思う、とてもわかりやすい題材だと思います。大変ドラマチックなので、物語性も強いですけれども、それを通して決して遠い外の世界の話しではなくて、今の日本の自分達、自分がこの状況に置かれたらどういう判断をするのか?ということを考える、良い機会になる物語だと思います。
古川 とてもドラマチックに変化していく物語で、登場人物の誰にスポットを当ててもどれもドラマになるということに魅力があるのかな?と思いました。僕も前回『1789』でロペスピエールをやらせていただいて、あれだけ革命を目指していたのですが、今回マリーがされている仕打ちを見ると、本当に心が苦しくなるので、誰に感情移入して観ても心に残るものが違うし、市民たちのエネルギーというものに、お客様の心を動かすものがあるんじゃないかな?と思いました。フェルセンの立場から言いますと「禁断の愛」に魅力があるのではないかと(笑)。以上です(笑)。
 
IMG_9177

吉原
 最後なので、何か締めなければならない気持ちになるのが(笑)。難しい質問ですね。でも今の時代も皆革命をしているんですよ。絶対にしない革命だけれども、居酒屋などでも「あの上司いつか殺してやる」とか(会場笑)、SNSでの発言とか、実は結構革命に近いですよね。人々というのは常に自分が制圧された立場や場所から脱するべく闘っている、そのうねりというものと今のお客様が見ているものとが重なる。でも、実際に生きていくことは別で、革命は応援するけれども私たちの生活、その革命で人生がブレることはない。それは『レ・ミゼラブル』もそうですけれども、学生たちの革命が敗れたあとも、女性たちは繰り返し変わらない日々を生きていくと言っている。僕は常々時代は女性が作っていると思っていて、そういう浅はかに、青春を熱く生きた男に対して、女性は憧れの涙を流すけれども生活は別、というところが、フランス革命では両方がエネルギッシュに描かれているから愛されるのではないかなと。でもこれは韓国でも愛されていて、フランス革命は別に日本だけで愛されている訳ではなくて、世界のどこでも愛されていると考えると、こういう想いは普遍なのかなと思います。 
──お稽古が佳境に入られている時期かと思いますが、ご自身の役で「ここがポイント」「ここを是非見て欲しい」というシーンなどがあれば教えてください。
吉原 (司会から「では逆回りにしましょう」と言われて)ありがとうございます。非常に嬉しいです(会場笑)。見て欲しいところというと、オルレアン公にはすごく野心があって、自分が王になることにこだわり、権謀術数を企てるところがクローズアップされていて、演出的にも手法的にも黒かったり、この時代の王族を束ねていこうというエネルギーを感じるのですが、今自分が考えているのは幕が開いてからすぐそればかりが見えているのでは面白くないなと。彼が何故それをやろうとしたのか、どういう視点で世の中を見ていたのか?がちゃんとバックグラウンドにあるように見えたらいいなと思っています。それはとても難しいのですが、もしそれが舞台上に二重のエネルギーとして客席に見えて、オルレアン公が天下を懸けるというところで、お客様がうなづいてくれたら。役をリスペクトしてやっているので、その辺も観て頂けたら嬉しいなと思います。

IMG_9169

古川 フェルセンはマリー・アントワネットの愛人なのですが、この作品に登場する時には彼女を守ろう、救い出そうという想いで登場していて。彼女と接する時にはそういう想いで常にいるのですが、実際に彼女を目の前にすると気持ちのタガが外れてしまって、常に葛藤している人物だなと思います。そこから醸し出される憂いなどを表現して作っていけたらと思っています。この作品の中では彼女の成長を引き出す存在だと思うので、そう演じられたらと思います。
田代 フェルセンは時代の先を見ていて、マリー・アントワネットを支えていくんですけれども、その中でフェルセンというのは愛人という立場なので、それをわきまえながら、抑制させながらいるんですね。「愛人」という言葉になりますが、皆様が思っている愛人とはちょっと違います。と言って皆様がどんな愛人と思っていらっしゃるのかわかりませんが(笑)、日本のメロドラマ的な愛人というよりは、ロバートさんとお話した中では、きっとプラトニックな関係なのではないか。もしかしたらシーンによっては、ちょっと度を超えた兄妹のような愛情に見えるシーンもあるかもしれないよ、とおっしゃっていました。そんななんとも言えないマリーとフェルセンとのつながり。それに対するマルグリットとフェルセンのシーンも2、3ヶ所ありまして、とても短い言葉では説明できない距離感や通じ合うものがあるというのを、是非観て頂きたいなと思います。オルレアン公とはたぶん2回くらいしか目が合わないと思いますが(笑)、対立した立場になりますので、その短い目線も見逃さずに注目して頂きたいと思います。 

IMG_9141
 
 マルグリットという役からパッと思いつくものは「正義」という言葉なのですが、彼女自身が言葉としても「正義」と発していて「正義とは何か?」というのが、この作品のひとつのテーマではないかと思います。彼女はひとつの信念を持って進んでいきますが、悩み葛藤し、色々な人と接していく中で様々なものに気づき、自分の信じていたものはなんなのか?ということさえ揺らいでしまうと言いますか、難しいんですね。最初と終わりでは彼女の心情にとても変化がある役なので、そこを上手く構築していけば伝わるはずだと信じて、稽古をしています。でも先ほども言いましたようにまだまだあがいて、マルグリットという人を肉付けしていきたいなと思います。 
ソニン 今回の二人の“MA”ということで、マルグリットがどういう位置に立つかというのをひたすら稽古場で考えながら進めてきました。私がふっと浮かんだのは、フランス王妃と貧困層の更に一番下にいるストリートガールということで、もちろん対照的なのですが、何よりも圧倒的に違うなと思っているのは、マリー・アントワネットはベルサイユ宮殿というとても小さい世界でしか世の中を見てきていない女性で、マルグリットはたぶん色々なものをいっぱい見てきた女性だと思っています。その中で彼女がマリー・アントワネットに出会うことによって、自分に欠けているものに気づきはじめるんですね。その出会いから成長していくマルグリットをとても繊細に描いていけたらいいなと思いますし、逆にマルグリットによってマリー・アントワネットがどう成長していくかも丁寧に描いていけたらいいなと思っています。

IMG_9127

笹本 今回マリー・アントワネットを演じるにあたって一番大切にしたいと思っているのは、彼女が14歳でフランスに嫁いでギロチン台で命を落とすまで、最後まで捨てなかったのは誇り高さだと思うんです。その中でも今回演じるにあたって色々な資料を読んでいて、これはヒントになると思ったのは、彼女は自分が産んだ子供たちを母乳で育てていたんです。当時王族というのは子供が産まれたらすぐに養育係に預けて、ミルクも乳母が与えるというのが普通だったんです。でも彼女は自分の意志で自分の力で子供を育てようとした、そのこだわりに芯の強さを感じました。またソニンちゃんが言ったように、本当に小さなベルサイユ宮殿という世界の中にあったたくさんの決まり事の中で、そこに囚われずに生きようとした。自分らしい生き方を常に模索していった女性だなと思ったので、フェルセンが台詞の中で「無邪気な」という言葉を使うのですが、彼女の無邪気な姿や、母親らしい姿を、「三大悪女」と言われるイメージがありますが、実はすごくお人好しで、人に優しくてという部分も持ち合わせていて、今回のマリー・アントワネットは、すごく人間らしい部分が様々に描かれているので、そこも大切にしつつ最後まで誇り高さを保ったマリー・アントワネットを目指していきたいと思います。
花總 私はフェルセンの歌う歌詞の中で「何故神は彼女に全てを与え、最後に地獄を見せたのか」という歌詞が頭を離れなくて。そういう人生の中でもマリー・アントワネットは、この作品では3時間ほどですが、どんどん成長していく。1人の女性として、母親として、フランス王妃として、ものすごく成長を遂げていく、常に前向きな女性だと思います。この作品の中で彼女がどんどん変わっていく生き様を、自分なりに追求して、皆様に色々なことを感じて頂けたらいいなと思って頑張りたいです。

キャストの熱い言葉が詰まった質疑応答が終わったあと、歌唱披露が行われた。

IMG_9265
IMG_9225
IMG_9230

まずコーラスを務めるアンサンブルキャスト、小原和彦、中西勝之、榎本成志、杉山有大、真記子、今込楓、遠山さやかが紹介され、昆夏美マルグリットによる、初演からの名曲として知られる「100万のキャンドル」が歌われる。

IMG_9251

飢えに苦しむ市民たちに目もくれず、贅を尽くす王族、貴族たちにマルグリットが助けを求めるナンバーで、100万のキャンドルと衣擦れの音の中で踊り続ける人たち、市民の苦しみに早く気づいて、この世界を変えるのはあなたたちでしょう、目を逸らし続けるなら許さない、と昆の切々とした歌声で訴える様が心に染みた。

IMG_9308

続いて田代万里生フェルセンが、夢見勝ちで現実逃避をしているマリー・アントワネットに現実を見るようにと諭すナンバー「遠い稲妻」を歌う、新演出版の新曲で、フェルセンが激動の波が迫っている、遠くから稲妻が光り、黒い雲が覆うことに早く気づいて、偽善者たちに騙されてはならない、時代が変わることに気づいて、とマリー・アントワネットに説く言葉が、非常に現代のミュージカルナンバーらしい壮大なメロディーで綴られ、田代の豊かな歌唱力が際立ち、新たな『マリー・アントワネット』への期待を更に大きなものにした。

IMG_9354

次に吉原光夫オレルアン公が、フランス国王ルイ16世を失脚させ、自分こそが王になるべきだと歌う「私こそがふさわしい」。ロック感が強いナンバーが、吉原の迫力ある歌唱によって更に個性的に聞こえ、野心こそがすべてだ!と言い切る、ラストのシャウト唱法まで圧倒的な存在感を放った。

IMG_9370
IMG_9392

ここで笹本玲奈が披露する、マリー・アントワネットの新曲「孤独のドレス」の為に、ビックサプライズで作曲家のシルヴェスター・リーヴァイが登場。リーヴァイのピアノ伴奏で、自由に生きられないもどかしさから、フェルセンと言い争いをしてしまい、嘆き悲しむマリー・アントワネットの心情を笹本が歌い上げる。自分が王妃でさえなければ、二人は許し合い共に歩けるのに、王妃であるばかりにフェルセンのあとを追うこともできず、孤独のドレスを纏って立ちすくむしかない、というマリー・アントワネットの、1人の恋する女性としての想いが伝わり、ハイトーンも豊かに響き渡る笹本の歌唱が光った。
 
IMG_9479
IMG_9441

そしてソニンのマルグリットとアンサンブルメンバーによる「もう許さない」。どんなに願っても市民たちに手を差し伸べない王族、貴族たちにマルグリットが怒りをぶつけ、革命に突き進むナンバー。日本初演では「心の声」というタイトルだったが、今回の上演にあたって更にブラッシュアップされ、決して許さない、力を合わせて戦おう、この地獄に光を当てる為に、今立ち上がろう、とマルグリットが世の中を変えようと決意を歌うナンバーが、ソニンのエネルギッシュでパッショネイトな歌唱によって響き渡り、初演とは確かに一線を画す作品の新たな顔が立ち上った。

IMG_9532
IMG_9555

最後は花總まりアントワネットと古川雄大フェルセンによる、初演からのデュエットナンバー「あなたへ続く道」。どんなに遠く離れていても心は傍に、と歌う2人の美しさが、流麗なメロディーによく似合い、ビジュアル面でも相性の良いこのコンビの全編通した芝居も是非観たい、もちろん様々な組み合わせもという気持ちが高まった。

IMG_9594

最後にシルヴェスター・リーヴァイが「いつも日本に参ります時には、私の作品が上演される機会でもあり、皆様にお会いできる機会でもあるので、大変楽しみに日本に伺っています。『マリー・アントワネット』という作品は2006年に東京で世界初演を迎え、その後ドイツ、ソウル、ブタペストなど世界各地を周り、再びこの日本の地で上演されることになりました。その間に私は新曲も作りましたし、新たな要素を加えて皆様にお見せすることができるのを大変嬉しく思っております。今回の再演に当たっては最初に公演を行います博多の方に伺う予定でおりますし、その後10月に東京に戻ってきて帝劇で上演される時にも私は伺うことになっています。是非今日お越しの皆様にも公演に足を運んで頂きたいですし、またプレスの皆様ご自身にも是非公演をご覧頂けたら幸いに思っています」と挨拶。
「ありがとうございました!」と日本語で締めくくり、登壇キャストと腕を組んでのフォトセッションなど、和やかな時間が公演への期待を増す場となっていた。

IMG_9619

〈公演情報〉
ミュージカル『マリー・アントワネット』
脚本・歌詞◇ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲◇シルヴェスター・リーヴァイ
演出◇ロバート・ヨハンソン
遠藤周作原作「王妃マリー・アントワネット」より
出演◇花總まり/笹本玲奈(Wキャスト)、ソニン/昆夏美(Wキャスト)、田代万里生/古川雄大(Wキャスト)、佐藤
隆紀/原田優一(Wキャスト)、駒田一、彩吹真央、彩乃かなみ、坂元健児 吉原光夫 ほか

〈東京公演〉
●10/8〜11/25◎東京・帝国劇場
〈料金〉S席13,500円、A席9,000円、B席4,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9時半〜17時半)
公式ホームページ https://www.tohostage.com/ma/

〈全国ツアー公演〉
●9/14〜30◎福岡・博多座
〈料金〉A席 15,500円 特B席 12,500円 B席 9,500円 C席 5,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉博多座予約センター 092-263-5555(10時〜18時)
●12/10〜21◎名古屋・御園座
〈料金〉A席15,000円 B席10,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉御園座チケットセンター 052-308-8899(10時〜18時)
●2019/1/1〜15◎大阪・梅田芸術劇場メインホール
〈料金〉S席 13,500円 A席 9,000円 B席 5,000円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場メインホール 06-6377-3800



【取材・文・撮影/橘涼香】




ミュージカル『深夜食堂』
kick shop nikkan engeki

観月ありさ&湖月わたる&春野寿美礼が松任谷由実の「Anniversary」披露! 座・ALISA Reading Concert vol.ll『キセキのうた』〜私たちの「今」を歌おう〜製作発表レポート

IMG_7585

歌やドラマや舞台で様々な挑戦を重ねてきた観月ありさが発起人となり、昨年12月に誕生した“座・ALISA”。名作や名曲を軸に、今を生きる女性たちに勇気と感動を伝えたいという思いのもと、歌・ドラマ仕立ての構成で綴られるシリーズだ。その第2弾となる『キセキのうた』〜私たちの「今」を歌おう〜が、8月26日〜9月3日渋谷のセルリアンタワー能楽堂で上演される(のち、大阪、愛知での公演もあり)。
今回は「40代女性にエールを贈りたい」という構想で、松任谷由実の楽曲を全体に散りばめ、かつてボーカルグループとして歌い、それぞれの人生を歩んでいた3人の女性たちが、共通の友人の死をきっかけに再び出会い、新たな1歩を踏み出すまでが、歌、Reading、ダンスを交えたエンターティメントのステージで描かれていく。
その舞台を観月ありさと共に務めるのが、元宝塚歌劇団トップスターの湖月わたると春野寿美礼。共に40代の女性である3人が、同年代の女性たち、更に幅広い世代の女性たちに元気を届ける舞台が誕生する。
そんな 座・ALISA  Reading Concert vol.II 『キセキのうた』〜私たちの「今」を歌おう〜の、製作発表記者会見が8月1日セルリアンタワー能楽堂で開かれ、生島ヒロシの司会進行のもと、トークショー形式で3人が新たなステージへの抱負と意気込みを語った。

IMG_7430

まず会見は、松任谷由実の名曲を歌うべく結成された観月ありさ、湖月わたる、春野寿美礼によるボーカルユニットの歌唱披露からスタート。劇中でも歌われる松任谷由実の「Anniversary」が、ゴールドの衣装に身を包んだ3人によって歌われる。ステージが能楽堂ということから舞台にヒールのある靴で立つことができない為、ゴールドのドレスにゴールドの足袋という珍しい出で立ちとなったが、プロポーション抜群の3人はヒールがなくても全くスタイルが損なわれないことに驚愕させられる。それぞれのソロ、またハモリ、振りもあり、声質の相性もよく、早くも3人のコンビネーションの良さが感じれる歌唱披露となった。
 
IMG_7495

そこから生島の司会進行でのトーク、フォトセッション、更に囲み取材へと会見は続いた。

生島 今日は能楽堂さんということで足袋を履いての登場になりましたね。
観月 そうなんです。ドレスは靴を履くつもりで作って頂いたのですが、能楽堂さんなのでヒールは履けないということで、足袋も革のようにしてちょっとゴールドにして、ドレスに合うような足袋をデザインしてみました。
生島 お三方ともヒールなしでも見事なプロポーションでね!
観月 大きいでしょう?(笑)
生島 本当に感動致しました。では春野さんからご挨拶をお願いします。

IMG_7368

春野
 本日はお忙しい中製作発表にお越しくださり本当にありがとうございます。『座・ALISA Reading Concert vol II「キセキのうた」』はReadingのみならずこうして歌、ダンスも盛り込まれたステージとなっておりますので、華やかで且つストーリーも40代の女性にエールを贈るというものなので、それを表現していきたいなと思っております。どうぞよろしくお願い致します。
湖月 本日は大変お暑い中本当にありがとうございます。今こうして格式高い能楽堂の舞台で、大好きなユーミンさんの「Anniversary」を歌わせて頂いて、まさにこの空間だからこそ生まれる奇跡のようなステージになるのではないかな?と今とても胸がときめいております。私は観月さんの『ナースのお仕事』の大ファンで2年前の『シェークスピア物語〜真実の恋〜』で初めて生の観月さんを拝見した時に、絵画から抜け出してきたような美しさに感動して、終演後図々しくも楽屋でご挨拶させて頂いたのが出会いでした。その後コンサートにも出演させて頂き、一緒に歌わせて頂きました。その観月さんが発起人になった舞台の第2弾にこうしてお声をかけて頂けて本当に光栄です。私と春野さんは宝塚のトップスターとして同じ時代を駆け抜けてきた間柄なので、作品に共感できる部分もたくさんありますので、是非私たち3人で素敵なユニットができたらと思います。どうぞよろしくお願い致します。
観月 タカラジェンヌのスターお2人の間にこうして立てるということは本当に光栄なことです。お2人に参加して頂けて心からありがたいなと思っております。ありがとうございます。今回の『座・ALISA』の趣旨は40代の女性にエールを贈るというテーマですが、何故ユーミンさんの曲にしたかといいますと、私自身10代の頃に2曲ほどユーミンさんに曲を書いて頂いていて。そういうご縁もありユーミンさんと交流があって、40代になった私がユーミンさんのコンサートに行った時にバイタリティと勇気を与えられたんですね。それで今度は逆に私たちの年代、40代の方達、更に50代、30代、20代の方達にも「元気で頑張ろう!」というエールを贈れたらいいなと思いました。まだまだ頑張れるよ40代、50代、という気持ちを観にきてくださる方々に贈っていけたらと思います。きっと観にきてくださる方には同年代の方達、ちょっと上の方、下の方もいらっしゃると思います。そんな方達に私達の頑張っている姿、現役でやっている姿を観て頂いて、自分たちもまだまだ頑張れる!頑張ろう!という風に思ってもらえるステージになれば良いなと思い、この『座・ALISA』を旗揚げして、今回はユーミンさんの曲でやっていきたいと思います。本番はこのステージの上にバンドさんも入って、歌を歌ったりお芝居をしたり時にはダンスもしたりしながら楽しくやっていこうと思っておりますので、是非皆様応援のほどよろしくお願い致します。

IMG_7461

生島
 今回の衣装ですけれど、映画にもなりました『Dream Girls』の衣装ということですよね?
観月 そうですね。やはり3人ですから華やかにやっていきたいと思いまして、『Dream Girls』はゴールドで光ったイメージを持っていたので光らせて、お2人にも着て頂きました。
生島 光り物似合ってますよ!
観月 ありがとうございます。東京公演はこの能楽堂さんでやらせて頂くので、わりと歌舞伎や能ってゴールドや赤が主体になっているお衣装がとても多いと思うんですね。なので今回はこのゴールドの衣装をメインにさせて頂きました。
生島 タカラジェンヌのお2人は歌もダンスも基礎がしっかりできている方達ですが、刺激も受けますか?
観月 それはすごいですね!この3人で今回「Anniversary」を歌うということになって、ポッと3人で集まって歌ったのですが、その時には当然振りもついていず、ハモリもなかったのですが「なんだか寂しいね」ということになり「振りでもつけてみる?」と湖月さんが手振りを全部考えてくださって。「ここでちょっと誰かがズレてみる?」とか、「ここで手をあげてみる?」などすべて振りを決めていただけて、今日のご披露となりました。
生島 今日はマスコミの方達もすごく近くてね。
観月 そうなんですよね。とてもアットホームな感じがして、皆さんのお顔もよく見えるので嬉しく思っています。
生島 当然バンドの皆様にもすべて足袋を履いて頂いてのステージになる訳ですね。
観月 そうですね。足袋を履いて頂いて演奏して頂く形になります。
生島 湖月さんは色々な踊りを経験されていると思いますが、今回足袋で踊ることについては?
湖月 ついつい足袋を履くと膝を曲げて腰を入れたくなってしまって(笑)。
春野 すり足したくなりますよね! 
湖月 そうなんです!でも床を感じられるというのは、自分の心がさらけ出せるような気がします。
春野 等身大の役ですしね。
湖月 逆に足袋が活かせるんじゃないかと思います。

IMG_7377
 
生島 春野さんは観月さんとの共演については?
春野 私は今回初めてお会いし共演させて頂く訳ですが、最初にお会いした時に「なんて美しい方なんだろう!」と。
観月 いえいえ!
春野 皆さんおっしゃっていることだと思いますが、本当に目の前にお人形さんのように現れるので、良い表現がなかなか見つからないのですが、美しいばかりでなく可愛らしくてスマートな方だという印象を受けました。
観月 ありがとうございます。こんなに褒めて頂いていいのでしょうか?
春野 そんな言葉しか出てきません!
観月 ありがとうございます。
生島 でもありさちゃん、公演中は暑いですけれど冷房をかけ過ぎても喉に悪いだろうし、体調管理はどういう風に?
観月 私はいつもどんなに暑くてもマスクをして首にタオルを巻いて寝ます。ですから寝ている時にはあんまり美しい感じではありません(笑)。
生島 健康一番ですよね!
観月 本当にそうで、歌う時もステージもやっている時には毎日発声練習をして、「あ。声が出た」と思う時が一番ホッとします。ターザンみたいな声を出したりもします。
生島 さっきリハーサルで「誰の声なんだ?」と思ったのはありさちゃんだったんですね(笑)。そして、是非皆さんユーミンさんの歌で一番好きなものは何かを教えてください。
春野 1曲ですよね?
生島 難しいでしょうが、1曲でお願いします。
春野 どうしようかな。色々な意味があるのですが「ルージュの伝言」が好きです。
湖月 今回歌いますね!
春野 歌います!楽しみです。
湖月 私は宝塚在団中から実はユーミンさんとは交流がありまして、舞台を観にきてくださったり、私がコンサートを観に行かせて頂いたりしていたのですが、退団公演前の自分のリサイタルでこの「Anniversary」を歌わせて頂いたんです。
観月 そうなんだ!
湖月 そうなの。ですから12年という時を経て、またこうして今回こういう形で「Anniversary」を歌わせて頂けるのは本当に光栄なことだと思っていますので「Anniversary」が1番好きです。
観月 ユーミンさんの曲は私の青春のどの場面にもかかっていた名曲ばかりなのですが、「真夏の夜の夢」が好きです。ちょうど私が曲を頂いた時に、デモテープの中に「真夏の夜の夢」が入っていて。その時「あぁ、素敵な曲だな」とは思いながらも、今のアレンジでは全くなくユーミンさんがピアノ1本で歌っているものだったんです。その時私はまだ若かった、10代だったので「今年1番風の強い午後」というポップな方の曲を選んだのですが、のちにユーミンさんが「真夏の夜の夢」という名曲をああいうアレンジにして発売されたのを聞いて、あのピアノ1本で聞いた曲が、こんなに華やかな曲になるんだ!と衝撃を受けて。ですから「真夏の夜の夢」は思い出のある曲です。
生島 今回の公演でも歌われるのですか?
観月 今回歌うかどうかはまだちょっと考えています。まだ全部は決まっていないので、これから皆で決めて行こうと思っています。
生島 楽しみです。皆さんのチームワークの良い感じが伝わってきますが、ではこの公演に懸ける意気込みを春野さんからお願いします。
春野 今回は本当に等身大の役でもありますので、自分自身を投影しつつ、40代の皆様にエールを贈るということを大切に演じ、作品を創っていきたいと思います。そして初共演させて頂きます観月ありささんと、宝塚の先輩でもある湖月わたるさんと、共に楽しいユニットでやっていけたらいいなと思っております。皆様どうぞよろしくお願い致します。 
湖月 ありささんが40代を迎えられて『座・ALISA』を結成されて、きっと第3弾、10弾、50弾と続いていく為には、この第2弾がとても大切な公演になると思って、責任を持ち心をこめて歌い踊りReadingさせて頂きたいと思っています。私、今とってもこの場に立たせて頂いて胸のときめきとやり甲斐が湧き上がってきていますので、お客様にもこのときめきをお届けできるように精一杯務めさせて頂きたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

IMG_7380
 
観月 この能楽堂で1週間公演をやりますので、色々な年代の方にこの『座・ALISA』を観て頂いて、楽しんで頂けたらいいなと思います。このワクワクドキドキキラキラを観にきてくださる皆様に伝えていけたらと思っています。是非皆様観にいらしてください。よろしくお願い致します。
生島 今何しろ人生100年時代ですからね!40代なんてまだまだ洟垂れ小僧ですよ!
観月 そうですよ!折り返し地点くらいですから!
生島 その通りです!ガンガン行ってください!応援しています!
観月 ありがとうございました!

【囲み取材】

──まず皆さん能楽堂はいかがですか?
観月 以前狂言をこの能楽堂に観にこさせて頂いたのですが、まさか自分がここに立つ日がくるとは思いませんでした。やはり立たせて頂くととてもシャキッとした気持ちになります。足袋を履いているということもあるのですが、本当にこのステージに立てて光栄だなと思います。
春野 最初は私はイメージがつかめなかったんです。日頃私はどちらかと言うとこのホテルに宿泊して違う劇場に公演に行く、という感じだったのですが、今日はこの能楽堂に行くということで。でも実際にここに立つとありささんもおっしゃったように、こういうゴールドの衣装や赤の衣装ってとてもよく使うものなので、ここにしっくりくる自分を感じながらやらせて頂きました。こういった衣装に足袋というのはどうなのかな?と思う部分もあったのですが、妙に落ち着くと言うか。
観月 そうですね!安心感がありましたね。

IMG_7636

春野
 それはそれで新しい感覚で、初めて立たせて頂く能楽堂で、新鮮な気持ちで作品を創れるのではないかな?と思っております。
湖月 私もここには観にこさせて頂く側で、まさかここに…
観月 そうですよね!
湖月 あの幕を開けて頂いて出てこさせて頂く日が来ようとは!と。でもどうしてもステージに立つ時というのは役を纏っている、演じるという形で立つことが多いのですが、今回等身大の役ということもありますし、この能楽堂さんならではの、心を丸裸にしてくださる空間のような気がしていますので、新しい自分に出会えるような感じを覚えています。
──客席とのこの近さはどうですか?
観月 とても近いですね!でも本当にお客様お1人、お1人のお顔が確認できるので、これは安心感がありますね。皆さんの反応がすごく見えるので。ただ失敗とかをした時はちょっとね(笑)。
湖月 丸見えですね!(笑)
──劇中でユーミンさんの曲は何曲くらい使う予定なのですか?
観月 今そこも含めて考え中なのですが、10曲くらいは歌うと思います。
──ソロや、デュエットなども?
観月 それぞれのソロもあり、色々な組み合わせでも歌います。
──「Anniversary」は3人で歌うのですよね?
観月 はい、歌います!
──せっかくですから新譜で出すといいですよね!
観月 それは良いですね!そうしましょう(笑)。
──グループ名はどうしますか?
観月 どうしますか?
湖月 どうしましよう?「Dream Girls」?
春野 「ALISAS」とか?
観月 考えましょうね。本番までにはできていると思うので(笑)、それも含めて楽しみに観にきてくださったら良いなと思います。
──40代にエールを贈るということですが、皆さん40代はいかがですか?
観月 なってみると内面的には何も変わらないんです。ただ年齢が40代になったというだけで。でも最近は女性の結婚や出産もだんだん遅くなってきているので、ちょっと前までは20代、30代が女性の変化の年代でしたが、女性が結婚や出産をして変化していくメジャーな年代が40代になっていく、これからの時代は40代が女性の転換期になっていくと思いますから、まだまだ私たちやればできるんだ!まだまだ頑張れる!というエールを贈りたいです。

IMG_7645
 
──春野さんは双子のお子さんを育てていらして。
春野 そうですね。私は本当に40代で色々な転機がありましたので、40代は落ち着く年代なのかと思っていましたが、実際には40代で妊娠、出産というのがあって、これからやることがたくさんある!ここでのんびりしてはいられない、今からスタートするんだ!という気持ちにさせられたことは事実です。今の社会で40代の女性で活躍している方も多いし、私のように妊娠、出産を経験される方もたくさんいらっしゃるので、私たちは奮起しないといけませんから、同年代の方、上の方、若い方にも私たちの姿を見て頂いて、頑張るって素敵なことなんだなと。もっともっと輝けるという気持ちになって頂ける自分や作品をお観せしていきたいです。
──湖月さんはいかがですか?
湖月 今回の作品の中では、結婚という道を選ばずに歌い続けている役を演じますし、私自身もそうなのですが、私の周りには同じ40代、50代でも独身の人が多いので結婚に対して焦る気持ちは全くありません。もちろん良い出会いは大歓迎でございますけれども(笑)、私は本当にお稽古好きで、色々なダンスのレッスンなどに行かせて頂きますと、まだまだ学ぶべきことがたくさんありますし、自分の身体の中でも発見が多くあって。先輩方の中に入ると「まだ若いわよ!」と言われますし「はい若いです!」と言って(笑)、先輩方について行きたい、そんな輝く50代を迎える為の意欲でいっぱいです。そんな中にこの『キセキのうた』、本当に素敵なときめきをありがとうございます!
──観月さんも結婚3年目で。
観月 私も自分が結婚するなんていうことは全く思っていなかったので。
湖月 そうなんですか?
観月 そうなんです。結婚願望も全くなくて。偶然結婚したみたいなもので(笑)。
湖月 そういうこともあるんですね!
観月 ええ。でも結婚してみると結婚生活もなかなか良いなということで、30代後半で結婚したので逆に40代を落ち着いて過ごせていることもあります。主人もこの仕事を応援してくれているので、色々なことができる、冒険できるのは家庭があるのも大事なんだなと最近は思っていたりもしています。
──先ほどの発声練習は自宅でもやっているのですか?
観月 やっています。オランウータンがいると言われます(笑)。
湖月 そのスタイルはどうやって維持しているんですか?
観月 最近はすごくトレーニングしています。
春野 あぁ、やっぱり!
観月 知らないうちにちょっと太っていたんですね。結婚して幸せ太りということもあるのか(笑)、ちょっといっちゃっていて。でも素敵な50代を迎える為にはここで引き締めておかなければ!と思って最近ジムに必死で通って今、なんと体脂肪6%です!20代の時の体脂肪に戻したんです!
春野 すごい!
観月 皆年齢と共に痩せにくくなる、肉のつくところが変わってくると言うじやありませんか。私もそうなんです。これを今の内に改善しなければ!と思ってこの3ヶ月絞って改善しました。体幹トレーニングをしていて、この体形を維持しています!
湖月 素晴らしい!(拍手)
観月 このパワーで舞台も頑張りましょう!

IMG_7460

3人の歌声はこちらで聴けます 
https://www.youtube.com/watch?v=9OJ5RWXgt8o 

〈公演情報〉
HK-061_0718b
 
座・ALISA Reading Concert vol.1
『キセキのうた』〜私たちの「今」を歌おう〜
原作◇松任谷由実 楽曲集
上演台本・演出◇モトイキシゲキ
音楽監督◇鎌田雅人
出演◇観月ありさ 湖月わたる 春野寿美礼
●8/26〜29、9/1〜3◎セルリアンタワー能楽堂
●9/22・23◎サンケイホールブリーゼ 
●9/29・30◎ウインクあいち大ホール
〈料金〉東京 10,000円(全席指定・税込)
〈料金〉大阪・愛知 8,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉
東京/サンライズプロモーション東京  0570-00-3337(全日10:00〜18:00)
大阪/キョードーインフォメーション  0570-200-888(全日10:00〜18:00)
愛知/中京テレビ事業:052-588-4477(平日10:00〜17:00)
〈公式twitter〉@za_alisa_info




【取材・文・撮影/橘涼香】 



凰稀かなめ『The Beginning Final』
kick shop nikkan engeki

早霧せいなの剣心が和の殿堂で蘇る!浪漫活劇『るろうに剣心』製作発表記者会見レポート!

IMG_4312

2016年早霧せいなトップスター時代の宝塚歌劇雪組で上演され、大きな話題と壮絶なチケット難公演となった浪漫活劇『るろうに剣心』が、宝塚退団後の早霧せいなが再び主演の緋村剣心を務める、ビッグサプライズと共に10月11日〜11月7日東京・新橋演舞場、11月15日〜24日大阪・大阪松竹座という、和の殿堂で上演されることになった。

浪漫活劇『るろうに剣心』は、シリーズ累計6000万部という途方もない人気を誇る和月伸宏の大河漫画「るろうに剣心〜明治剣客浪漫譚〜」(集英社ジャンプコミックス刊)を原作に、小池修一郎が宝塚バージョンとして初舞台化を果たした作品。すでにテレビアニメ化、実写映画化と多彩なメディアミックスが繰り広げられていたが、生身の人間がライブで客席と一体となる劇場空間で人気キャラクターを演じる醍醐味が、宝塚ファン、原作ファンのみならが更に大きな
広がりを示し、早霧せいなの緋村剣心をはじめとした雪組スターたちの見事なキャラクター再現率と、宝塚版だけに新登場した望海風斗の加納惣三郎が繰り広げる浪漫活劇として、熱狂を巻き起こす作品となった。
そんな作品が、新たに男女が演じる一般舞台として蘇るばかりか、主演を1年まえに宝塚歌劇団を卒業し、つい先日まで退団後初主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』でヒロイン、テス。ハーディングを美しく演じていた早霧せいなが、再び男性役である緋村剣心を演じるという、驚きと興奮に満ちた企画は、発表されるや否や話題を独占。この秋最も期待される舞台として大きな注目を集めている。

IMG_4321

この公演の製作発表記者会見が23日都内で開かれ、緋村剣心役の早霧せいな、神谷薫役の上白石萌歌、加納惣三郎役の松岡充、斎藤一役の廣瀬友祐、四乃森蒼紫役の三浦涼介、相良左之助役の植原卓也、高荷恵役の愛原実花、緋村抜刀斎(剣心の影)役の松岡広大、脚本・演出の小池修一郎、主催者側を代表して松竹株式会社取締役副社長・演劇本部長の安孫子正、株式会社梅田芸術劇場代表取締役社長の木村有裕登壇。驚きの企画の実現に至る経緯、また公演への抱負を語った。

IMG_4332

会見はまず出演者によるパフォーマンスからスタート。この会見への出席がスケジュールの都合で直前まで未定だった高荷恵役の愛原実花を除く、キャストたちがそれぞれの扮装で次々と登場。短い時間の中にキャラクターの個性をくっきりと浮かび上がらせるパフォーマンスで盛り上げる。

IMG_4315

そしていよいよ緋村剣心の早霧せいなが登場。ついこの間まで凛々しくも美しいテス・ハーディングだった早霧が、懐かしい衣装とヘアメイクで逆刃刀を手にセンターに立った途端、一気にこちらまで2年前の熱狂に引き戻されるかのよう。加納惣三郎の松岡充と剣を交える鮮やかな殺陣に続いて、キャラクターが勢ぞろいした時には、新たに生まれる『るろうに剣心』への期待で、満員の場内の空気が更にヒートアップ。10月の上演への期待がいやがうえにも高まるパフォーマンスになった。

IMG_4339

その熱気覚めやらぬステージが会見場となり、登壇者全員が登場。それぞれからまず挨拶があった。

IMG_4488
松岡広大、植原卓也、廣瀬友祐、三浦涼介、愛原実花 
梅田芸術劇場・木村有裕、上白石萌歌、小池修一郎、早霧せいな、松岡充、松竹・安孫子

はじめに主催の松竹株式会社取締役副社長・演劇本部長の安孫子正から、「松竹も時代に合った作品をとの思いで様々な企画を実現してきたが、中でもまだ足を踏み入れていなかった世界に、多くの名作を製作なさっていることに感銘を受けていた梅田芸術劇場さんとのご縁を頂きはじめの一歩を踏み出せることになった。梅田芸術劇場さんとの話し合いを重ねる中で、これからの時代を担って頂くに相応しい小池修一郎さんによる『るろうに剣心』という企画が実現した。宝塚歌劇でこの役を演じられた早霧せいなさんを中心に、一新されたキャストで新しい作品創りができると思っている。演劇界に一石を投じるような作品として『るろうに剣心』を楽しみにして頂きたい」との気概溢れる挨拶があった。

IMG_4342

続いて、企画・製作・主催株式会社梅田芸術劇場代表取締役社長の木村有裕から、「この公演は歴史と
伝統ある松竹さんの胸を借りて、同じく歴史と伝統ある新橋演舞場と大阪松竹座での『るろうに剣心』上演という機会に恵まれた。発行元の集英社、原作者の和月伸宏先生、脚本・演出の小池修一郎先生のご理解と、何より宝塚上演時に主演を務めた早霧せいなの、改めてこの公演に向き合ってくれるという決意があってこそ実現した企画だと思っている。宝塚在団時も卒業後も日々挑戦を続けてきた彼女であれば“男役”を再びというばかりでなく、新たな役者として緋村剣心に取り組んでくれると思う。宝塚で上演した作品の数々を男女版として再構築して、成功を納めてきた小池先生のこれまでの実績を考えればこの『るろうに剣心』もきっと更にパワーアップしたエンターテインメント性の高いものになると確信している。キャストの皆さんの活躍にも期待しているので、今回も是非作品を盛り上げて頂きたい」という企画に至るまでの想いを含めた挨拶があった。

IMG_4354
脚本・演出の小池修一郎は「今こうして早霧せいなさんの剣心を見ていると、2年半前に宝塚歌劇で初演する際の製作発表記者会見を思い出すが、あの時にまさかこんな日が来ようとは誰1人想像もできなかった。まして1年前に宝塚を退団し、つい1ヶ月前に『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で素敵な女優さんとして舞台に立っていた早霧に、再び男役をやってもらってよいものか?も考えた。けれども私にとっては初めての新橋演舞場と大阪松竹座での仕事というお話を頂いた時に、もう一度早霧せいなの緋村剣心に会ってみたい、僕自身が客席から観たい、もう一度蘇って欲しいという願いがあった。新橋演舞場と大阪松竹座に早霧せいなの緋村剣心が再び現れるのは素敵なことだと思っている。

IMG_4318

作品の話を先にすると原作にはない加納惣三郎というキャラクターが登場するが、それは宝塚歌劇のスターシステムの中で、男役二番手と呼ばれるポジションの人に原作のどのキャラクターを膨らませたら相応しいだろうか?というご相談を集英社と和月先生にしたところ、原作のキャラクターを膨らませるより新たなキャラクターを創って頂いた方が良いと思います、という逆提案を頂いた。これにはとても驚いたが、物語が幕末に“人斬り抜刀斎”と恐れられた剣客が、維新のあと世の為人の為に剣で戦う人間に生まれ変わる、というもので、登場人物は皆幕末から明治維新という激動の時代に迷い悩みながら生き、成長する姿が描かれている。そこから幕末と明治維新の時代に生きた人物が誰か?ということで、これまで色々な方が創作されてきた“加納惣三郎”に行き当たり、宝塚版のゲストスターとして登場してもらった。これが非常に面白い効果になったと思っているので、それを今回も踏襲して、歌えて、ミステリアスで、年齢不詳の役者さんということを探して松岡充さんに出て頂けることになり、そこから次々と他のキャストの皆さんが決まっていった。

IMG_4332

また、早霧剣心についても“宝塚を退団した人が男性に混じってまた男役をやるのはどうなのか?”と思われる方もいると思うが、かつて60年代の宝塚の大スターの内重のぼるが、宝塚時代の代表作『霧深きエルベのほとり』を、退団後『カール物語』というタイトルでリメイクして、彼女だけが男役で男女の役者さんと共に上演したという記録もある。その時に“男役芸”という美学はやはり確かなものがあると確信していたし、現在2018年の日本の芸能には、歌舞伎から今最も勢いのある“2.5次元”と呼ばれる舞台までを観ても、女性が男性を演じる、男性が女性を演じるということの垣根がなくなっているのを感じる。元々日本には歌舞伎があり宝塚があり、男性が女性を、女性が男性を演じる文化があって、それぞれが長い歴史を誇っている。宝塚も100年の歴史を数えて、昔のようにレビュー団という認識ではなく、単一の性が両性を演じてミュージカルやショーを上演する、ひとつのジャンルとして確立されていると思う。だからこそ、日本が世界に誇る文化であるアニメーションや、漫画の世界を、その文化と融合させて一体化していこうというのは当然の流れだと思うし、そこから新たなエンターテインメントが生まれればよいものになると思う。こう言うと難しい挑戦をするようだが、あくまでも歌舞伎座ではなく新橋演舞場と大阪松竹座なので、楽しいエンターティメントにしたい。花道も使おうと思っているので、早霧せいなの剣心をはじめとした役者たちがその舞台で、明るく躍動してくれることに期待している」というこの作品の成り立ちや、今回の企画に込められた想いが語られた。

そこからいよいよ出演者がそれぞれの意気込みを飾る挨拶、更に質疑応答へと引き継がれた。

【出演者挨拶】
(※文中松岡充は「松岡」松岡広大は「広大」と表記)

IMG_4369
早霧
 本日はお忙しい中お集まりくださいましてありがとうございます。緋村剣心役の早霧せいなです。宝塚在団中、約2年前の2016年に緋村剣心役と出会い、それは私にとってとても大切な役と作品との出会いとなりました。そこから2年経って、私はもう男役ではない(笑)。本当に男性キャストのいる中で男性役を演じるというのは果たしてどうなのか?とここに漕ぎつくまでは正直悩みました。ですが男性でも女性でも「人」を演じるということに変わりはないのではないか?という境地に行きついて、今ここに立っております。宝塚版とはまた違ったキャストの皆様と心をひとつに、小池先生の演出と新橋演舞場と大阪松竹座という新しい劇場で、新しい『るろうに剣心』を皆様にお届けできたらなと思います。よろしくお願いします。

IMG_4375
 松岡 皆様ありがとうございます。加納惣三郎を演じさせて頂きます松岡充です。小池先生のお話にもあった通り、加納惣三郎という人物は原作にはいない。その加納惣三郎に並々ならぬ愛情をもって先生が書き上げたものを演じさせて頂くことを、本当に光栄に思っています。先生の演出される作品にはずっと憧れておりました。僕は芝居に出るようになってまだ浅く15年になるのですが、そのはじめた当初、先生はもうお忘れになっていらっしゃると思いますが、一度お声がけ頂いたことがありました。その時はスケジュール等があって断念せざるを得なかったのですが、それを超えて今回お声をかけて頂けたことをすごく嬉しく思って稽古場に行きました。その初めて先生とお会いした時の一言が忘れられません。「松岡君、結構歳いってるんだね!」(爆笑)。
早霧 失礼な〜!(笑)
松岡 「先生僕も歳をとるんです!」と言いました。よろしくお願いします(平謝る小池とお辞儀し合う)。
IMG_4384

 
IMG_4392
上白石
 皆さん今日はお集まり頂きありがとうございます。神谷薫役を演じます上白石萌歌です。こんな歴史のある『るろうに剣心』という作品を素晴らしいキャストの皆さん、そして以前から憧れていた小池修一郎先生と新たに創っていけることをとても光栄に思います。私の演じる神谷薫は全世界から愛されていて、そんな役を演じるのはとてもプレッシャーを感じるのですが、凛と大胆に、そして揺れ動く気持ちを繊細に演じていければ良いなと思っています。是非楽しみに待っていてください。よろしくお願いします。
 
IMG_4399
廣瀬
 斎藤一役をさせて頂きます廣瀬友祐です。今日はありがとうございます。漫画、アニメ、映画、ミュージカルと様々な形でたくさんの人に愛され続けている『るろうに剣心』という作品に出演できることをとても嬉しく思いますし、斎藤一という役が演じられることを光栄に思っております。すごい人気のある作品ですので、各キャラクターも色々な愛し方をされているファンの人が方が大勢いらしっゃる中で、僕も斎藤一という役を愛して、『るろうに剣心』という作品を愛して、廣瀬友祐なりの斎藤一を演じられたらなと思っております。どうぞよろしくお願いします。

IMG_4412
三浦
 四乃森蒼紫役の三浦涼介です。僕は実写版の映画で沢下条張という役を演じまして、その役はすごく力強い役でした。今回の四乃森蒼紫はとてもクールで、無表情が印象的だと思いますが、実は情に厚く、熱い芯を持っている男だということは変わらないのかなと思っています。公演時間が限られていますが、その中で小池先生のご指導のもと、四乃森青紫を一生懸命演じたいと思いますので、是非お越しください。よろしくお願いします。
 
IMG_4419
植原
 相楽左之助をやらせて頂きます植原卓也です。自分がまさに子供の頃ど真ん中にいたと言っても過言ではない作品に、自分の身を投じることになって本当に光栄だと思っています。演じさせて頂く相楽左之助というキャラクターは、本当に男らしい芯のある真っ直ぐなキャラクターです。しっかりとそんな左之助の持ち味を出せるように向き合って、稽古を一生懸命頑張っていきたいと思います。皆様よろしくお願いします。

IMG_4424
愛原 高荷恵役をやらせて頂きます愛原実花です。よろしくお願いします。原作の漫画も、アニメも舞台も大好きだったので、参加させて頂けることを本当に幸せに思います。また宝塚現役時代に早霧さんとは雪組でご一緒させて頂いていたので、改めてこうして同じ舞台に立たせて頂けるのを本当に嬉しく思います。小池先生のご指導を頂けますこと、そして素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんとご一緒できますことを幸せに思います。自分の持っているすべてを出し切って頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

IMG_4530
広大 本日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございます。緋村抜刀斎を演じます松岡広大です。個人的に『るろうに剣心』が大好きで、やるなら剣心がやりたいなと思っていて(笑)、それがまさか緋村抜刀斎、幕末に暗躍した時代の緋村剣心をやって欲しいと言って頂けて、恐悦至極に感じるというかすごく嬉しかったです。もちろん今回新橋演舞場と大阪松竹座という歴史ある劇場に皆様に足を運んで頂ける、そして僕らも板の上に立たせて頂けるということが役者として幸せです。何より抜刀斎として早霧さんが演じられる剣心の、その影が嘘にならないように、しっかりと現在の剣心とリンクするように本番に向けて学んでいきたいと思いますので、皆様どうか応援よろしくお願いします。

【質疑応答】

IMG_4435

──小池先生、今回新橋演舞場と大阪松竹座版の新演出ということで、どういう変更を考えていらっしゃるのか教えてください。
小池 それはまず見てのお楽しみと言いたいです(笑)。基本的な作りは変わりません。これからキャストそれぞれの持ち味で改めて調整していくところはあると思いますし、新しい劇場ならではのこともできればとは思っています。早霧せいなが本物の男性たちと刃を交わすというのが、なかなかスゴイことだなと思っております。
──そのあたり早霧さんはどうですか?
早霧 体力が持つか?ということはあるのですが(笑)。やはり女性だけが演じていた宝塚とは違って大きな方達なので、迫力も全然違うとは思うのですが、女性ならではのしなやかさと甘やかさと、一度剣心をやっているという経験値が皆様よりはあると思っているので、そこを踏まえて皆さんに負けないように、自分にとっても外部の作品で男性を演じるという挑戦になりますので、思いっきり暴れまわりたいと思います。

IMG_4445

──キャストの方々、現時点でご自身の演じる役柄の見せどころをどう考えていらっしゃいますか?
早霧 剣心という役は「人斬り抜刀斎」だったという過去を持っていて、その彼が十字傷を負って、逆刃刀を持つことになる。そこに至る彼の過去を踏まえた上で、その中にある明るさ、そして優しさをメリハリを持って、そこは宝塚時代もすごく意識したところではあるのですが、ミュージカルナンバーに負けないくらいの緩急を持って演じたいと思います。

IMG_4305
松岡 加納惣三郎は原作にないということもあって、先生がお創りになった宝塚版はあるのですが、ある意味ここからまた創ることができるなという期待がありますので、先生と相談しながら僕にしかできない惣三郎にできれば。悪なんですけれども愛を持つ、ちゃんと愛を持った彼の側から見た正義を持った悪役を演じたいなと思います。

IMG_4297
上白石 神谷薫はとても活発で怖いもの知らずなところがあると思うのですが、剣心に抱く淡い恋心で、少し女性らしく心が揺れたりですとか、繊細な部分もきっと持っていると思うので、そうした色々な顔を持っている神谷薫を私なりに解釈して演じられたらいいなと思います。
──今日剣心にお会いして、薫としてはどうでしたか?
上白石 好きになってしまいそうです(笑。早霧が剣心そのもののように頭をかくので会場からも笑)。それくらい素敵です。

IMG_4282
廣瀬 斎藤一というキャラクターの印象としては冷徹で不愛想なものを持ってしまうのですが、「悪・即・斬」という彼の中では正義感があって、強い信念を持って生きているカッコ良い男だと思いますので、そういったところも自分なりに精一杯舞台の上で表現できたらなと思っています。

IMG_4290
三浦 四乃森蒼紫の限られた出番の中で、僕なりに歴史を知った上で表現していきたいなと思っています。イメージはすごくあると思うのですが、三浦涼介が演じたことでこうなったねという部分をお客様にも、先生にも「それで良いね」と言ってもらえるような蒼紫を演じたいと思います。

IMG_4276
植原 左之助にはやはりなくてはならない武器「斬馬刀」を、新橋演舞場と大阪松竹座で振りかざすことができるのが自分でもとても楽しみなので、お芝居と併せてその部分も楽しんで頂けたら嬉しいなと思っています。

IMG_4534
愛原 高荷恵という役は魅力のひとつとして妖艶の「妖」という字がピッタリだと思うのですが、10年以上前に宝塚の『エリザベート』という作品で、皇帝を誘惑する色気が必要な役を頂いたのに、色気が全くなくて小池先生に「魅力が全然ない!」と怒られたことを覚えていて(笑)。あの時から10年以上経っていますので、少しはそういった面でも成長した姿を、先生にもお客様にもお見せできたら良いなと思っています。

IMG_4269
 広大 抜刀斎ってきっと殺陣がすごく多いと思いますし、伝説の人斬りと言われた人なので、個人的には刀を使った殺陣は初めてなので、役者としてすごく成長できる機会だと思うので、芝居を汲み取った殺陣を見て頂けたらと思います。
 
──早霧さん久しぶりに剣心の扮装をなさって蘇るものがありますか?また、他のキャストの方々もそれぞれの扮装をされた感想を教えてください。
早霧 やはり懐かしいという想いが湧き上がってきて、自分でも不思議な感覚だったのですが、宝塚を退団してもう男役はやらないと思っていた中で、こうやって男物の袴を着て堂々と足を広げて座っていられるのはやっぱり楽だなと(笑)。沁みついた感覚というのはなかなか抜けないんだなと思って、それが男役を17年間続けてきた自分としては喜びでもありました。そしてこの赤い着物と赤い髪で逆刃刀を持って舞台に立てる。こんな機会は二度とないと思っていますので、この高まった気持ちのままで本番を迎えたいと思います。

IMG_4360

松岡 オリジナルなのでまだ目指すものがそんなにないので、今は扮装に着られている感じもありますが、おそらく本番が近づくにつれてもっとロック色が出てくる(笑)、もう少しロックな惣三郎になると思います。
上白石 私は役として袴を履くのは初めての経験なので、本番はまだ先ですが今の段階から自分が神谷薫を演じる想像ができて、背筋が伸びる感覚と言いますか、見える景色が違うような気がしています。ここに竹刀が加わり、スポットライトがあたり、色々なものが組み合わさるとまた新しい景色が広がるのではないかなと思います。

IMG_4405
 
廣瀬 とりあえずこの前髪をどうしようかな?と思っているのが正直なところですが(笑)、すごく原作に忠実に皆さんが作ってくださって、まず軍服という本来カッチリ着るものを敢えて着崩している、前を開けている姿がだらしなく見えるか、色っぽく見えるかは役者の力によるのかな?と思いますので、それがちやんとお見せできたらなと思っています。

IMG_4416

三浦 やはり衣装やヘアメイクは、スタッフの方々がこだわり抜いてくださった力によって、僕たち役者が役を演じる大きな一歩として近づけてくださるというのをすごく感じています。先ほどもリハーサル中に小池先生もそれぞれの役者さんに「もっとこうした方が良い」というアドヴァイスをされていて、そうしたこだわりに僕たち役者も命を注いで演じていかなければならないな、といつも思いながら演じていますので、僕らにとってとても大事なアイテムだと思います。

IMG_4477
 
植原 左之助は喧嘩屋で強く逞しく見えないといけないキャラクターだということで、小池先生にも最初に「もっと大きくなってこい」という指摘を頂きました。もちろん筋トレも少しずつしているのですが、ご飯もいっぱい食べて(笑)今人生における自分の今の体重が1番重い状態まできているので、ここから稽古を重ねてどうなるのかが自分でもドキドキワクワクしています。心身ともに鍛えながら本番に挑めたらなと思います。

IMG_4460

愛原 宝塚雪組の『るろうに剣心』が大好きだったので、すごく印象に残っていて今も思い出すところがあるのですが、きっと早霧さんも2018年版、今やるからこそのものになさることでしょうし、新演出版でもありますので、私も宝塚を退団してもう8年経っておりますので、そこで得たものも出しつつ挑戦できたら良いなと思います。
広大 個人的には着られちゃっていると思うくらい、衣装の力を僕自身すごく感じています。自分の芝居だったり、眼光なども纏うものから意識しないといけないなと、皆さんのとても似合っている扮装を見ながら思いました。全てに妥協せずしっかりやっていきたいなと思います。

IMG_4500

【囲みインタビュー】

熱気溢れる会見が終了したあと、早霧せいな、松岡充、上白石萌歌による囲み取材も行われ、三人が更なる想いを語ってくれた。
 
──今、製作発表会見を終わられて、改めて意気込みをお願いします。
早霧 やはり自分としては同じ剣心という役に取り組むのですけれども、周りのキャストの皆さんが全員違うというところが、自分にとってポイントなので、独りよがりにならずに、皆さんと新たに創りたいとすごく思います。
──今日皆さんと集ってみて感じることはありましたか?
早霧 皆さん漫画から飛び出したようで、加納さんは違うけれども(笑)。
松岡 はい(笑)。
早霧 松岡さんらしい惣三郎ができるということが実証されたんじゃないかな、と思いますので、皆さんと一緒にお稽古をするのがとても楽しみです。
松岡 いよいよだなと。変な言い方ですが、このご時世にこんなに豪華な記者発表ができて、皆さんがこういう風に集まってくださる。作品に対する期待値が高いんだなということを今日実感させて頂けましたので、今まで以上に気合いを入れて臨みたいなと思っています。
上白石 本番は10月ですが、こうしてひと足先に本番の扮装をして皆さんのパフォーマンスもあって、やっとこの舞台に立たせて頂く実感を、今持たせて頂けた気がしています。まだお稽古がはじまるまでに時間がありますが、ここでいただいたイメージをもとに、脱皮を繰り返していけたら良いなと思います。
──新橋演舞場と大阪松竹座でこの作品をやることへの期待は?
早霧 和物の作品だけにピッタリな劇場だなと思います。今までは自分が観る側として足を運んでいた劇場に、今度は立てるんだなと思うととても楽しみです。宝塚時代も花道は使ったことはあるのですが、今度は縦に伸びる花道ということで、それを小池先生がどう演出なさって走り回れるのかな?と思うとそれもとても楽しみです。
松岡 やっぱり伝統があり格式があるので、今まで観る側としても背筋がピッと伸びるような劇場だったのですが、そうあまり考え過ぎるとダメかな?と思っていますので、普段通りの感じを出したいなと思っています。でも改めて考えるとやはり「新橋演舞場か!大阪松竹座か!」と思いますので頑張ります!
上白石 もちろん両劇場共に立たせて頂くことは初めてで、ずっとスーッと伸びる花道に憧れがあったんです。お客様との距離も近くて、休憩の間の皆さんがお弁当を広げて食べる感じ、提灯などにも、新橋演舞場と大阪松竹座ならではの空気感ありますね。そんな中でパフォーマンスさせて頂くのが楽しみです。

IMG_4545

──累計6000万部という途方もない人気を誇っている原作漫画ですが、その魅力をどう感じますか?
早霧 私は2016年に宝塚で上演することが決まって『るろうに剣心』という漫画に出会ったのですが、引き込まれました。漫画ということでお子さんが夢中になって読むものなのかな?と思っていたのですが、これはお子さん以上に生きて来た年数が多い人ほど、色々なものを感じる作品なのではないかな?と私は思っています。なので、新たな気持ちで原作を読んでこの2018年版の舞台に挑戦したいと思っているのですが、2年前には感じなかったことが発見できたりしていて。やはり『るろうに剣心』という作品と、役のファンの方がたくさんいらしゃいますから、その方々の期待を裏切りたくないですし、私も一剣心ファンとして誰よりも深い愛で挑んでいきたいなと思っています。
松岡 『るろうに剣心』が週刊少年ジャンプに連載されはじめたのが1994年で、僕がデビューしたのが1995年なんです。その翌年の1996年にテレビアニメになって。その主題歌をやりたくてやりたくて仕方がなかったんですが、SOPHIAが出来なかったんです!同期のJUDY AND MARYが歌って。それがこんな形で出られるとは!原作にはないキャラクターなんですが、逆に和月先生がこれを観て「加納惣三郎入れようかな?」と思ってくださるくらいのものにしたいと思っています。
上白石 やはり日本のみならず、世界中の方に愛されている漫画原作を今読んでいる途中なのですが、改めて絵柄の迫力や、ページをめくるごとに生まれる迫力などを、原作ファンの方もすごくお好きなのだろうと感じます。今回伝える手段は舞台なので原作とは違いますが、舞台ってお客様と密に同じ空間にいられる、その場の空気で感じる臨場感があると思うので、是非原作ファンの方にもお越し頂きたいです。
──では早霧さん最後にご挨拶をお願いします。
早霧 多くの方々に愛されている『るろうに剣心』という作品をまた舞台化できることを大きな喜びに感じております。キャスト、スタッフ心をひとつにお客様に喜んで頂ける舞台にしたいと思いますので、是非新橋演舞場と大阪松竹座にお越しください。お待ちしております。ありがとうございました。

IMG_4522


〈公演情報〉
浪漫活劇『るろうに剣心』
原作◇和月伸宏「るろうに剣心〜明治剣客浪漫譚〜」(集英社ジャンプコミックス刊)
脚本・演出◇小池修一郎
出演◇早霧せいな、松岡充、上白石萌歌、廣瀬友祐、三浦涼介、上山竜治、植原卓也、愛原実花、松岡広大 ほか
●10/11〜11/7◎東京・新橋演舞場
〈料金〉一等席1,3000円、二等A席8,500円、二等B席6,500円、三階A席5.000円、三階B席3,500円、桟敷席14,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 0570-077-039(10時〜18時)
●11/15〜24◎大阪・大阪松竹座
〈料金〉一等席(1.2階)13,000円 二等席(3階)8,500円(全席指定・税込み)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3800(10時〜18時)
公式サイト https://ruroken-stage.com/



【取材・文・撮影/橘涼香】



Todos del Tango Verano 2018
kick shop nikkan engeki 

人間国宝・梅若実玄祥、野村萬斎、大空ゆうひが出演する現代能『陰陽師 安倍晴明』9月に上演!

DownloadedFile
 
野村萬斎の演出・出演による現代能『陰陽師  安倍晴明』が、9月に東京・新宿文化センター 大ホールにて上演される。
 
現代能『陰陽師  安倍晴明』は、2001年の東京・サントリーホールでの初演以来、海外公演を含め20 回以上の公演が行われている。現代劇や映画に用いられる手法、また、イリュージョンなどスペクタクルな仕掛けを起用した演出で、能の可能性を広げる作品として注目を集めてきた。
 
この度、藤間勘十郎の脚本補綴、野村萬斎の演出による新たな『陰陽師  安倍晴明』が誕生。野村萬斎の安倍晴明を中心に、大空ゆうひの葛葉姫、梅若実玄祥の葦屋道満との対決など、迫力ある三者の絡み合いを展開する。
 
onmyoji__cast_fixw_640_hq
梅若実 玄祥・野村萬斎・大空ゆうひ

その合同取材会が、6月11日に東京・国立能楽堂 研修能舞台で行われ、人間国宝の梅若実玄祥、演出と晴明役を務める野村萬斎が登壇した。

【コメント】

梅若実 玄祥(うめわかみのる げんしょう)
本作はフランス、オランダなど海外でも上演いたしました。初演の頃、ちょうど萬斎さんが映画版に出られて、その萬斎さん人気にあやかって数多く上演させていただきました。今回は新しい視点、角度から見直したいということで、萬斎さんに全面的に演出をお願いしました。能では考えられないような趣向もあり、かなり面白い作品になると思います。

野村萬斎(のむらまんさい)
映画で私が晴明を演じたのはずいぶん前になります。晴明というキャラクターが、あまりにも私自身とセット感があって、自分と晴明の距離感を模索して、あえて避けていました。ただ、羽生弓弦選手がフリープログラムで「SEIMEI」をやり始めたのも、「映画版を観て触発された」とのことで、彼が晴明を演じたことで、私も呪縛から抜け出せたところがあります。そこに先生から趣向を変えてやってみたいという声をかけていただきました。本作は古典芸能、日本舞踊、歌舞伎的な表現が詰まった、非常に“ジャパニーズアイデンティティ”を醸しだすパフォーミングアーツです。今回は能ではあまり使われないような照明、音楽、マジカルな演出、そして、梅若実玄祥先生、私、元宝塚トップスターの大空ゆうひさんという「異形なる3人」が集まって『陰陽師』の世界をお見せします。大空さんには、我々の様式美に入ってこられる大きな勇気を感じます。デジタル技術と能をただ組み合わせるのではなく、その兼ね合いや塩梅を見極めながら、私も勉強するつもりで挑みます。音楽、舞踊、戦いのシーンもありますので、ミュージカルに負けない伝統芸能の深さを感じ取っていただきたいと思っています。
50歳を過ぎて晴明をやっていいのかということも考えましたが、舞台ならいいのではないか。魑魅魍魎が跋扈する平安の時代、百鬼夜行の怖さを出せるのはお能だからこそです。時代の闇を表現できるというところに、今、能として上演する意味を感じております。

〈公演情報〉
現代能『陰陽師  安倍晴明』〜晴明  隠された謎…〜
原作:吉田喜重
脚本補綴:藤間勘十郎
演出: 野村萬斎
出演:
葦屋道満(あしやどうまん)/梅若実 玄祥(能楽シテ方観世流・人間国宝)
安倍晴明(あべのせいめい)/野村萬斎(能楽狂言方和泉流)
葛葉姫(くずのはひめ)/大空ゆうひ(女優)
語り部 /桂 南光(上方落語家)
晴明の武神 / 綾月せり、初姫さあや、琴音和葉、花柳まり草、花陽みら、西尾萌 ほか
● 9/6・7◎新宿文化センター  大ホール
〈料金〉S 席 ¥10,000 A 席 ¥8,000円 B 席¥6,000(全席指定・税込) 
〈発売日〉 6 月 30 日(土)10:00〜(変更の可能性あり)
〈お問い合わせ〉 サンライズプロモーション東京  0570-00-3337(全日 10:00〜18:00)



【取材・文・撮影/佐藤栄子】


『大人のけんかが終わるまで』
kick shop nikkan engeki

堂本光一&井上芳雄、二大プリンス夢の共演が実現! ミュージカル『ナイツ・テイル〜騎士物語〜』製作発表記者会見レポート

IMG_9234

帝国劇場での『SHOCK』でミュージカル単独主演記録を更新し続けているKinKi Kidsの堂本光一と、ミュージカル界のプリンスとして活躍する井上芳雄が初共演を果たす、ミュージカル『ナイツ・テイル〜騎士物語〜』が、7月27日〜8月29日(7月25、26日プレビュー公演あり)、有楽町の帝国劇場で世界初演の幕を開ける(のち、9月18日〜10月15日大阪・梅田芸術劇場 メインホールで上演)。

ミュージカル『ナイツ・テイル〜騎士物語〜』は、ジョヴァンニ・ボッカッチョの「Teseida」、ジェフリー・チョーサー作「騎士の物語」、ジョン・フレッチャーとウィリアム・シェイクスピアによる「二人の貴公子」をモチーフとして、『レ・ミゼラブル』『ベガーズオペラ』『ダディ・ロング・レッグス』等で、日本でも高い評価を得ているシェイクスピアの権威ジョン・ケアードが、堂本光一と井上芳雄の初共演の為に用意した新作ダンスミュージカル。王女エミーリアに恋をした二人の騎士を中心とした物語が展開され、国内外の才能あふれるクリエイティブスタッフが集結して創られるオリジナルミュージカルとなっている。

そんな大型話題作の製作発表記者会見が、5月31日都内で開かれた。騎士アーサイト役の堂本光一、同じく騎士パラモン役の井上芳雄、二人が愛するアテネ大公の妹エミーリア役の音月桂、大公シーシアス役の岸祐二、森の楽団のダンス指導者ジェロルド役の大澄賢也、アマゾンの女王ヒポリタ役の島田歌穂。また脚本・演出のジョン・ケアード、振付のデヴィット・パーソンズ、ケアードの妻で日本語脚本・歌詞の今井麻緒子、東宝株式会社取締役演劇担当・池田篤郎が登壇、公演への抱負を語った。

IMG_8700
会見の冒頭に、稽古初日の和やかな映像がスクリーンに映し出されたあと、池田篤郎から、「2000年に『SHOCK』で帝劇に鮮烈デビューを果たして以来、全公演全席即日完売の公演は18年間で1630回を超え、日本のミュージカル単独主演記録1位を更新し続けている堂本光一さんの新たな作品に、同じく2000年にミュージカル『エリザベート』東宝版初演での皇太子ルドルフ役で、ミュージカル界に彗星の如く現れて以来、舞台を中心に大活躍を続けている井上芳雄さんがご一緒されるというのは、2000年というミレニアムというご縁で二人が結ばれていたのかも知れないと思う。新たなことをしたいというお二人の新作に、名匠ジョン・ケアードさんが力を発揮してくださり、二人に相応しい二人ならではのミュージカルの新時代を拓く作品が出来上がることを確信している。ご期待頂きたい」という挨拶があった。

IMG_8707
続いて脚本・演出のジョン・ケアードから、「東宝から光一さんと芳雄さんの二人に相応しい作品が作れないか、というオファーを頂いた。共にカリスマ性を持つこの二人が一緒に仕事をしたいという素晴らしい機会なので、二人が同等の活躍をする作品にしたいと思ったが、『ロミオとロミオ』という作品はなかなか見つからず難しかった」と笑わせ、「そこからボッカッチョの「Teseida」チョーサーの「騎士の物語」そしてフレッチャーとシェイクスピアの「二人の貴公子」にたどり着いた。三つの作品に共通するのは、友情で結ばれた二人が一人の女性に恋をし、決闘をするという筋立てだが、これらの原典には敬意を払いつつ現代にも通用するものを入れて脚色しようと思った。全体の中に三つのラブストーリーが入っているので、それを広げることによって、シェイクスピアの名だたる傑作に匹敵するものにできると考えた。様々な作品を演出してきたが、日本初演のミュージカルを創るのは初めての経験なので、だからこそ日本ならではの演出を考えている。物語を台詞と歌で伝えるのはもちろんだが、今回の作品ではダンスがとても重要になる。ストーリーを伝えるダンスシーンがふんだんにある。世界初演の作品を素晴らしいキャストとスタッフとで創っていきたい」と意気込みが語られた。

IMG_8738
夫君のケアードの挨拶の通訳も務めていた日本語脚本・歌詞の今井麻緒子は、「これまではどこかの国で上演された作品を訳す作業をしていたが、今回は日本初演なので、この仕事を引き受けた時点では台本も出来ていなかったので、どうなるかという想いもあったが、ダンスのワークショップにも参加する等、作品の立ち上がりから参加したことで、オリジナル作品を創る難しさと同時に楽しさを感じている。稽古場でも役者さんに合わせてどんどん脚本を変えていくので、ブロードウェイで初演の出演者を"オリジナルキャスト"と呼ぶのはこういうことだったのかと、彼らも作者の一部として、インスピレーションを与えていくのだと実感している。そういう意味ではもちろん今は脚本も出来上がっているのだけれども、私の仕事も初日までなくなりそうにない。ジョンのシェイクスピアらしい韻を踏んだ台詞もたくさんあるので、日本語に訳す作業は難しくもあるけれども、初日の幕が開くのを楽しみにしている」と現場にいるならでのエピソードが明かされた。

IMG_8748
振付のデヴィッド・パーソンズは、「日本初演の作品、尊敬するジョン・ケアードの演出する作品に携われることを光栄に思っている。この作品はダンスによって物語が進んでいくので、私にとっても大きなチャレンジがたくさんある。楽しいダンスミュージカルを創り上げていきたいと思う。素晴らしいキャストに期待している」と、ダンスが重要な作品の振付を担当することに意欲たっぷりの挨拶があった。
 
ここから会見はいよいよ出演キャストの挨拶、そして質疑応答へと引き継がれた。

【キャスト挨拶】

IMG_8775 
堂本 堂本光一です。いや〜ここまでの空気が…、ここどこの国だったっけ?と(笑)。
井上 ちょっと流れがね(笑)。
堂本 こうして多くの方にお集まり頂きありがとうございます。本当に自分にとってはずっと芳雄君と一緒にやれるのが夢だと話していたのがこうして現実になったこと。そしてジョンがそれを稽古してくださって、少しずつ形になっていっているのを今、まだ信じられないような感じもしております。正直、自分で飛び込んでしまったものの、これは大変なことだな、できれば客席で観たかった(笑)、と言ったら怒られますけど、こうして右を見ても、左を見ても、本当に素晴らしい方たちと共演できるということを、嬉しいと同時に恐れ多く、そして怖いという気持ちもあります。先日から少しずつ稽古に入っているのですが、芳雄君はこの仕事よりも素敵な仕事を今やっているらしく…(笑)
井上 いや!もう口が悪いから…(笑)
堂本 (笑)でも稽古はまだだよね?
井上 まだだね(笑)。 
堂本 でも、明日から遂に一緒に稽古ができるというのも、楽しみのひとつだなと思っております。先ほどジョンさんもおっしゃっていましたけれども、この『ナイツ・テイル』という作品は、非常に形にするのが難しい作品だと最初から聞いておりました。アーサイトという役をさせて頂きますが、ポスターも新しく撮影したものがありますけれども、ステージ上でもああやって脱ぐ姿があるのか(笑)、芳雄君はそういうシーンがあれば降りるという風におっしゃっていました(笑)。でも本当に数日だけの稽古の間でも、ジョンがサジェスションしてくれることによって、今まで本当に遠い存在だったシェイクスピアの作品が、今まるでシェイクスピアがそこにいるかのような作品になるという想いがします。ジョンが色々教えてくださるのでそこについて行って、お忙しい役者の皆さんにもついて行って、なんとか食らいついていきたいなと思っております。どうか皆様の支えもよろしくお願い致します。

IMG_8813
井上
 井上芳雄です。この作品は24日に顔合わせがあったのですが、僕はその足でニューヨークに飛びまして、トニー賞をレポートしてくるという仕事がありまして、まだ全く稽古に参加できておらず、帰ってきたばかりなので、皆さんにも馴染めておらず、非常に感じの悪い人になっています(笑)。なので、これからだなと思っているのですが、でも今こうやって製作発表の場を設けて頂き、こうして皆さんとご一緒させて頂いて、本当にやるんだな、現実になるんだなということを感じております。僕はパラモンという騎士の役をやりますけれども、光一君とは従兄弟同士の騎士で、二人は親友でありライバルであるという役柄です。色々なことが起こってくるのですが、僕が唯一稽古に出られた顔合わせの日にジョンが言ったのは「彼らはお互いに、お互いのことを羨んでお互いになりたいと思っている。だからこそ信頼もするし、いがみ合うこともある」というのを聞いた時に、僕は光一君になりたいとか、そんな大それたことは思ったことがないですけれども、どこかではスゴイな、良いなって思っていたのは事実で。僕らが仕事で交わることがあるとは思っていなかったのですが、それが色々な方の力により、こうした形で交わることができたのを、まず第一に嬉しいなと思います。光一君は『SHOCK』を長年続けてきて、これからも現状の活動を続けていかれても何の問題もない成果を納めている方なのですが、そうじゃなくて、1歩新しい、どうなるかわからないところに踏み出してみようと、光一君が思ってくれた、それがすごいことだとなと思います。そこにはリスクもあるだろうし…。
堂本 後悔も…。
井上 後悔?もう遅いよ!(笑)、もう引けない、今日この場で引けない!(笑) そんな心意気にすごく共感するし、尊敬します。でももっと言えば、そうでなければ人生って面白くないし、生きている意味もないんじゃないかと僕は思うので、光一君がひとつ飛び出して良かったなと思えるように、僕も力のひとつになりたいなと思います。やっぱり踏み出すんじゃなかったという結果にならないようにしたいと思います。僕はどちらかと言えばホームグラウンドのミュージカルで光一君を迎え入れる立場で、今回は余裕でできるのかな?と思っていたら、ダンスミュージカルだと聞きまして。「ちょっとそれ聞いてないよ?」と思って(笑)。僕はダンスは得意分野ではないですし、今日見て頂いた新しいポスターですが、この素敵なポスターの裸、完全に僕の筋肉は盛って頂いているので(爆笑)、光一君はこのままの肉体ですけど、ちょっと今からそこはスタッフと話し合いをしないといけないと思うんですが(笑)。
堂本 いや、僕にとってもそんなに簡単じゃない!
ケアード 芳雄にもこのくらい筋肉つけさせますので。
井上 僕、筋肉つかないんです(笑)。
堂本 筋トレのことだけは俺に訊いて!
井上 じゃあ、お互い助け合いながら(笑)。とにかく新しいものを、苦しいこともあると思いますが楽しみながら創りたいと思います。ジョンと、またデヴィッドさんという新しい出会いもありますから、このカンパニーで、皆が何かしら新しいリスクを背負っているので、それを楽しんでやっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 
IMG_8880
 音月 音月桂です、よろしくお願いします。今回は新作ミュージカルでアテネ大公シーシアスの妹のエミーリア役をさせて頂くことになりました。当時女性が結婚相手を自分で決めるということはなかなか難しい時代。特に位の高い女性であればあるほど、家の為、国の為に政略結婚という形を取らざるを得ないという状況の中で、今回演じさせて頂くエミーリアという女性は、すごく独立心の強い、自立したいと願っている女性という印象を、初めて台本を読ませて頂いた時に感じました。そして演出のジョンさんとお話させて頂いた時にも、まさにその通りで、そういう女性が二人の騎士に出会ったことによって変化をしていく。気持ちがどんどん豊かになっていく女性像だ、というお話を頂きまして、「あぁなるほど」と。現代の女性も皆さんどんどん自立しているので、観ている方々に共感して頂ける役なんじゃないかな?と楽しみにしております。私個人と致しましては、帝国劇場に立たせて頂くのが初めての経験ですので、今までは一観客として拝見する、客席にいた立場でしたので、憧れの劇場に立たせて頂くというのが今からとても楽しみでもありますし、不安でもあります。国民の王子様、国民のプリンスのお二人と共演させて頂ける、私は今までは、宝塚で王子様を演じて舞台に立つことが多かったので、女性でいいんだ!と。
堂本 音月さんもナイトやった方がいいんじゃない?(笑)
音月 いえいえ!(笑)
井上 三人でナイト!(笑)
音月 いえ(女性でいいことが)幸せなことだなと思いますので(笑)、その辺りを噛みしめながら、初日に向けて良い作品を創っていけるように、パズルのひとつのピースになれるように頑張っていきたいと思います。よろしくお願い致します。

IMG_8922
 アテネ大公シーシアス役をやらせて頂きます岸祐二です。できれば僕の名前を憶えて帰って頂きたいと思います(笑)。2003年の『レ・ミゼラブル』で帝国劇場にアンサンブルとして立たせて頂いて、今、15年経って、同じジョン・ケアードさんの作品で、メインキャストとしてこういうところに立たせて頂くことを本当に光栄に思っています。この私のシーシアスという役が、国を倒し、光一君と芳雄君、二人の騎士を捕虜にします。そして妹に素晴らしい音月桂さんを迎え、そして世界的な歌姫、僕にとっても伝説的な歌姫の(島田))歌穂さんを嫁にするという、こんな興奮する出来事は人生でもそうないのではないか?と思うくらいで、毎日稽古場で興奮しております。そして2007年の『レ・ミゼラブル』以来のジョン・ケアードさんとご一緒させて頂けるということで、ジョンさんの世界に、演出に飛び込めることをありがたく思っています。また先輩である大澄賢也さんとは、今年やった舞台でご一緒させて頂いて、すごく仲良くして頂いて、僕にとってお兄さんのような存在の方ですので、また共演できることを楽しみにしています。この作品は和洋折衷というか、色々な要素があると思いますので、楽しめること間違いないと思います。是非よろしくお願い致します。
 
IMG_8953
 大澄 大澄賢也です。今ここにいて、縁をすごく感じています。堂本光一君とは二十数年前に、まだ光一君が中学生でしたが「家なき子」というドラマで、僕が学校の先生という役で共演をして以来の舞台での初共演。そして井上芳雄君とは『ウェディング・シンガー』というミュージカルで共演させて頂き、その後もドラマ等でも共演させて頂いたご縁があります。今や1人1人が帝国劇場を1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月ソールドアウトにするような人同士が合わさった舞台というのは、いったいどんな風になるのだろうか?というほど、贅沢な作品だと思っています。そこに世界的な演出家のジョンさん、振付のデヴィッドさんに来て頂き、僕も三十数年舞台をやってきましたけれども、新人のつもりで、吸収するつもりで、精一杯務めたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 
IMG_8965
島田
 アマゾンの女王ヒポリタを演じさせて頂きます島田歌穂です。アマゾンと言いますと、皆様アマゾン川を連想されると思うのですが、今回のアマゾンというのはギリシャ神話に出てくる「アマゾン族」です。女性だけで構成された女戦士たちの一族で、その女王、アマゾネスです。シーシアス率いるアテネ軍と戦い、負けてしまいまして、妃になれと求婚されます。女王としてのプライドもありますし、女性としての揺れ動く心と、非常にエネルギーと威厳が求められる役です。私はジョン・ケアードさんに初めてお会いしたのが、32年前『レ・ミゼラブル』初演のオーディションでした。私の人生を大きく拓いてくださった、心から慕い、尊敬している、一生の恩人だと思っています。その後『ベガーズ・オペラ』という作品でご一緒させて頂きましたが、また時を経て、この度、大人が求められる女性役をやらせて頂けることになりました。新たなチャンスを頂けたことにすごく感謝しつつ、堂本さん、井上さんをはじめキャストの皆さん、そして素晴らしいクリエイティブスタッフの皆さんとご一緒に、新作ミュージカルが生まれる瞬間、瞬間を味わっていけることにワクワクします。全身全霊で臨ませて頂きます。よろしくお願いします。

IMG_9002
キャストの挨拶に続いて、この日スケジュールの都合で欠席となったもう1人のメインキャスト、牢番の娘役の上白石萌音からの、映像メッセージがスクリーンで写し出された。

上白石 (映像メッセージ)皆さんこんにちは。ミュージカル『ナイツ・テイル─騎士物語─』で牢番の娘役を演じます上白石萌音です。本日は製作発表に参加できずとてもとても残念に思っております。申し訳ありません。私は小さい頃からミュージカルが大好きで、ずっとミュージカルを観て、自分自身も楽しんで育ってきました。このお仕事をはじめるきっかけもミュージカルがあったからです。なので、その私にとって憧れの大先輩方と今回ご一緒させて頂けること。そしてジョン・ケアードさん、デヴィッド・パーソンズさんはじめ、世界的なスタッフの皆様とご一緒できること、大変光栄にそして楽しみに思っています。私にとって初めての帝国劇場ということもあり、今から緊張しているのですが、皆様の背中を見て追いかけて、たくさん学んで初日を迎えられるよう精進したいと思います。是非皆さんも作品にご期待ください。

【質疑応答】

IMG_9025

──ご出演の方々の中に邦楽の方たちがいらっしゃいますが、どのような音楽になるのでしょうか?
ケアード とても良い質問をありがとう。彼らに対して何も言わなかったですね。古典的なヨーロッパのものを、21世紀の日本でやる、しかも世界初演でミュージカルの手法でやるにあたって、何か日本の文化を入れられないかと思い、日本の和楽器の方たちが演奏しながら踊りに混じっていたら面白いのではないかと思いました。4人の和楽器奏者が常に舞台上にいます。西洋と東洋の二つの文化が出会うことは興味深いですし、非常に効果的になるのではないかと期待しています。
──ジョンさんから観た堂本さん、井上さんの舞台人としての魅力は?
ケアード 芳雄の魅力は『キャンディード』『ダディ・ロング・レッグス』の仕事を通じてよく知っていましたが、光一の『SHOCK』を観に行った時には驚きました。3時間あれだけ様々な仕掛けのある舞台を1日に2回やっていて、今生きていることが奇跡だと思います(会場、そして堂本も爆笑)。二人に共通している魅力は、舞台の真ん中に立った時に圧倒的なカリスマ性があることです。それが二人の騎士に存分に生きると思います。帝劇という大劇場に相応しい大きな力を出してくださる、二人だけでなくここにいる全員がそうです。
──堂本さん、井上さんからジョン・ケアードさんの演出の魅力は?
堂本 この企画が本格的にスタートする前に何度かお会いして、食事をご一緒させて頂いたりしたのですが、その時からジョンは何か僕の心の奥底を見ているな、という、そんな緊張感がありました。まだ稽古がはじまってそんなに経っていないのですが、実は出演者の僕らにとってはこのストーリーがまだ、すごく漠然としている部分がありまして、そういうところをジョンが紐解いていってくれるのです。そこから感じるのは、シェイクスピアが完璧に書ききれなかったものをジョンが完成させてくれていると、そう思います。芳雄君と僕の魅力をカリスマ性だと言ってくださり、僕が「生きているのが信じられない」という風におっしゃって頂きましたが、僕は身体を張るしかなかったので(笑)、違う意味で今回生きることが大変だなと思いますね。ですからそういう緊張感をもってやらせて頂かないと、ジョンの期待を裏切らないようにしないといけないなと思っています。

IMG_9137

井上 この物語の説明を聞いていても、ジョンはシェイクスピアと友達だったのかな?今何歳なの?ジョンは?(笑)というくらい、今、シェイクスピアから見て、聞いてきたというように話してくれるんです。ジョンは演劇の魔法を教えてくれる、魔法を使える人です。演出家は皆それぞれ魔法を使える人ではありますが、ジョンは例えば山があるシーンで、舞台に本物の山を出すわけにはいかない。そこで小さな山を皆で作ることが表現の全てではなくて、箱を積み重ねてその上に乗った時に、本当に山に登ったんだなと感じられる。その豊かさをはじめとして、色々なことを教えてもらって体感してきたので、今回大きなカンパニーで、大きな作品になると思いますが、その中にもたくさんの演劇の魔法がジョンによって施されるのではないかと楽しみにしています。シェイクスピアの作品を今の時代でやる意味というのを考えておられると思いますし、結末はネタバレになってしまうので言えないのですが、僕はすごく良い話、面白い話、今の時代にピッタリな作品だと思います。結局男が愚かだということなんですが、でもそれはすごく正しいんですよ。女性はいつも正しいなぁと!(笑)『ナイツ・テイル』って良い意味で帝劇のイメージと違うよね?
堂本 全然違う!
井上 帝劇でやるミュージカルでこの結末って革命だと思うし、それがすごく皆さんの心にフィットするんじゃないかと思って、その新しさにもすごく期待しています。

IMG_9106

──音月さん、島田さん、岸さん、大澄さん、ジョンさんとのエピソードや思い出を教えてください。
音月 私は『十二夜』というシェイクスピア作品でジョン・ケアードさんとご一緒させて頂いたのですけれども、今回の稽古場でもすごく思うのですが、今まで色々なお芝居を創らせて頂いてきた中で、稽古場の雰囲気ってどちらかと言うと自分の課題と取り組んだり、できなくて悔しいとかいう負の想いとの戦いも多くて、皆で一緒に切磋琢磨していく過程の全てが楽しいわけではないんですね。苦しいこともあるんです。でも『十二夜』の時も、今回もまるで一緒にお料理をしているような「お腹が空いたね、美味しいご飯が食べたいね」という、きっと皆さんがポジティブな気持ちでお料理を作られる時と同じに、稽古場の雰囲気が本当に楽しくて。私も初めて共演させて頂く方ばかりなのですが、初めての方同士が多くて、打ち解けるまでには時間がかかるかと思いきや、あっという間に、芳雄さんのおっしゃった「ジョンさんの魔法」がかかりまして、稽古場の皆がすごく仲良く、楽しいものになっています。もちろん曲の譜面と向き合う時間には「大変だな」と思う時もありますが、稽古場がすごく楽しいので、今日はどんな刺激がもらえるだろうか?というポジティブな気持ちで稽古場に向かえるというのが、私の印象です。
 2007年の『レ・ミゼラブル』で僕がアンジョルラス役をやっていた時、芳雄さんの言ったようにジョンさんの魔法にかかりました。役者に何かを指示するというよりは、話を聞いているうちにフワッと自分が役に変わってしまっているというか、役者がその世界に入り込めるように誘導してくださる。そういう大きな力があって。しかも最後の最後まで照明や、演出を作り変える勇気をお持ちで。良い意味で完成形を持たないと言うか、最後の最後まで良いものを創ろうとされるお力があるので、本当に信頼して毎日稽古をしていますし、これが絶対に良いのに仕上がると思って楽しみです。

IMG_9127

大澄 非常に女性にモテるんだろうなと思います(爆笑)。女性がこの人ならとついていきたくなっちゃうだろう、という方ですね。
島田 今回は井上さんと同じに稽古初日に参加できただけで、もうすぐ合流できるのですが、初日にジョンと再会した時には嬉しくてなりませんでしたけれど、今回の思い出はこれから紡がれると思っています。ですのでこれまでの思い出と言いますと『レ・ミゼラブル』の初演の初日の前に「歌穂、良かったよ!」と言ってくれるのですが、自分ではダメなような気がして「ダメ、ダメ」と首を傾げてばかりいましたら「歌穂いい加減にしなさい!歌穂は完璧主義者過ぎる。演出家の僕が良かったと言っているんだからそれを信じなさい!」と言ってくれて。それでやっと「ありがとう」と言えましたので、今回もたくさん「ありがとう」が言えるように頑張ります。
──堂本さん、今回の作品には演出には関わらずに一役者として稽古に入られていますが、いかがですか?
堂本 ジョンをはじめとして素晴らしいスタッフがいてくれるので、自分はただそこに飛び込んでいます。これから大変な戦いが待っていると思いますが、とにかくジョンについていかなければと思います。ここ1週間くらいでやった歌稽古、またその歌稽古の前に皆とちょっとしたワークショップ的なこともやりながら、コミュニケーションをはかっていって、顔を見て皆でやることで結果的に皆でステージに立つことにつながっていく、ということをやっています。もちろん先ほど皆さんもおっしゃっていたように譜面との戦いもあって、今回の曲は非常に難解な曲が多いんですね。それが稽古の中でアレンジされていく、それを見ていることもすごく楽しいです。こうやって物事がひとつずつ完成に向けて創り上げられていくんだなと。もちろん楽しいだけじゃなくやっていかなければならないですし、僕たちだけではなくてアンサンブルの方たち一人ひとりも、それぞれ輝きながら稽古をやっていて、この稽古の中ではアンサンブルもプリンシパルも関係ないという感覚があります。皆で創り上げていくということを、これだけ短い間に共有できたのは、芳雄君が言った通りジョンがかけてくれた魔法かな?と思っています。真面目に取り組みつつ、とても楽しみです。

IMG_9159

長時間に渡る熱のこもった会見が終了し、フォトセッションが行われたあと、キャストだけが登場しての囲み取材となった。

【囲み取材】

IMG_9237

──光一さんヤバいですね!

堂本 ヤバいですよ!この並びヤバいでしょう?
──実感が押し寄せているんじゃないですか?
堂本 本当にすごく学ぶことがたくさんあるでしょうし、ワクワクはもちろんあるのですが、それ以上に今は恐怖が勝っています。
──井上さんとの共演は初めてだと思いますが、存在を知ったのはいつ頃ですか?
堂本 僕が帝劇で2000年からやらせて頂いて、同世代で芳雄君が東宝の作品で素晴らしい爆発をしているというのは、その時から知っていました。
──井上さんは?
井上 僕はもちろん小さい頃からテレビでも拝見していましたし、それこそヤバいなというのが『SHOCK』がはじまって、お客様がいっぱいで最初から完売で、このままいくと僕たちいらなくなるんじゃないか?(笑)という危機感、ミュージカル俳優には皆、ジャニーズの方があそこまで芝居をしていたらヤバいぞという、戦々恐々としたものがありました。でもそれが敵ではなくて、一緒にやれる味方になれる、もちろんそうなれば良いなとは思っていましたけれど、それが本当に実現するなんて夢のようです。
──そもそもどういう形でこの話が実現に至ったんですか?
堂本 最初は東宝のスタッフの方に引き合わせて頂いて。
──それはいつぐらいに?
堂本 いつだった?
井上 3年前くらい?
堂本 そう、そのくらい前だったと思うんですが、僕は一方的に客席から観ていたりはしていたんですね。それでちゃんとお会いしても最初から知らない人ではない、という不思議な感覚があって。お話をしていても舞台というものを専門としてやってらっしゃる方ですから、そういう方の話を聞くのはすごく楽しいし、話しをするとおこがましいですけれど、何か共通点のようなものも見えてきて。だからやってきたことはお互いに違うかも知れないけれど、何か二人が一緒になったらすごく面白いんじゃないか?を周りの方も、そして僕らも自然に感じていったという形です。
──見えてきた共通点というのはどういうところですか?
堂本 ステージに立つ姿勢であったり、どう?(笑)
井上 これから更に深まると思いますが、僕もずっと東宝の方やファンの方から「光一さんと芳雄さん似てるんじゃないですか?」と言われていて。「言っていることが似てます、ファンの人のイジリ方が似てます」とかと(笑)。
──毒舌なところですか?!
堂本 そこか!(笑)
井上 そういう話を聞いて、キャラクターとしてはどちらかと言うと「王子様」とか言ってもらいがちなのですが、もう年齢的にそれだけじゃないぞ、それだけじゃダメだなと自分でも思っていたので、光一さんの話を聞いて「あ、光一君もそんな毒づいたりするんだ」(笑)と親近感を。話していても同年代でもありますしね。
 僕らの中では「腹黒王子」と呼んでいて(爆笑)。

IMG_9253
 
──その「腹黒王子」と(笑)、共演される皆さんはいかがですか?
音月 先ほど会見でジョンさんが「圧倒的なカリスマ性」とおっしゃっていて、やっぱり吸い込まれてしまうようなところがあります。芳雄さんとはまだお稽古していないのですが、お稽古場に光一さんが現れると皆ヒュッって。
堂本 嘘!
音月 いえ、ホントですよ! 
堂本 すごくボヨーンとしていて。
音月 違います!ボヨーンとしてない!
堂本 僕、すごくスロースターターなんです。
音月 えっ?そうなんですか?
堂本 今回の稽古が11時にスタートなんですが、皆さんにとっては違うんでしょうが、僕にとっては早いんです!
音月 あ、そっち?(笑)
堂本 「早ぇ〜」って思っていて、時差ボケで。芳雄君は本当に時差ボケだろうけど。
井上 うん、今、時差ボケ(笑)。
堂本 僕は毎日、時差ボケ状態でボヨーンとしてる(笑)。
音月 そうなんですね!(笑)でもお二人のご活躍は今まで一方的に観る側として楽しませて頂いたところに、今回共演させて頂けるというお話を頂いて「私で大丈夫ですか?」と言ったくらいなので、この幸せを噛みしめて頑張ります。
 
IMG_9271

──それも二人を虜にする訳ですよね?
音月 私は……ええと、頑張ります!(笑)
──島田さんはどうですか?
島田 そんなにぼんやりとしてお稽古場に入ってらしていたなんて今初めて伺いました(笑)。でもこの両プリンスとご一緒させて頂けるという、毎日色々なエネルギーを頂きながらやっていきたいと思います。
──大澄さんはお久しぶりということで。
大澄 そうですね。光一君は中学生でしたからね。本当に素晴らしく成長して。芳雄君もね、すごいじゃないですか。もう飛ぶ鳥落とす勢いの二人が合わさる訳ですからね。
井上 今愕然とした。心がこもってない(爆笑)。
大澄 いやいや!(笑)
堂本 でも、稽古場では賢也さんと岸さんが癒しなんです。皆、椅子に座っているんですけど、賢也さんと岸さんがチャッチャ、チャッチャしてるんですよ。
大澄 光一君の方が早いじゃない!
──ヤバいとか言いながら余裕な感じですね?
堂本 いえ、素晴らしい方たちの中にいさせて頂けるからです。
 それは僕らも同じ!
──ポスターでも皆さん、見事な裸体に注目されていると思いますが。
井上 僕のは盛ってるんで(笑)。光一君のはほぼほぼ現実のものと一緒らしいです。
──絵画のようですね?
井上 写真を元にね。
堂本 絵にしています。
──舞台上でも裸になるんですか?
井上 光一君はずっと裸らしいです(爆笑)。
大澄 あ、でも僕もちょっとね。森の一座はそんな感じで。女性もね?
島田 私はアマゾネスですので、かなり衝撃的な衣装で。ちょっと今は言えませんが(笑)。

IMG_9262
 
──では身体作りも?
井上 いや、光一君はできてるんで!
堂本 ずっと言うんですよ「これ以上鍛えないでくれ」って(笑)。
井上 『SHOCK』を観る度に「なんか大きくなってるな」って(笑)。
──じゃあ光一君はあまりガチガチにはせず?
堂本 この歌稽古が始まってから1週間、ちょっとサボってますよね。それどころじゃなくて。
井上 それくらいでちょうど良い!
──お互いを見てプリンスっぽいなと思うところは?
井上 見た目はもちろんですが、キャラクター的にも、スロースターターと言ってましたが、最初からウェルカムで「イェイ!」という感じでは全然ないんです。でもちょっとずつ心を開いてくれて、その「あ、俺に心を開いていってくれている」というのにキュンとするというか(笑)。ちょっとずつね「ツンデレ」とは言わないけど(笑)、僕も人見知りなところがあるので、このちょっとずつ開くという感じがたまらない。
堂本 芳雄君は立っているだけでもうね。この身長差ですからね。
井上 関係ないじゃない、王子と(笑)。

IMG_9250
 
堂本 声も素晴らしいし。だから腹黒い部分だけは共通しながら(笑)。でも今回の役としてもどっちが腹黒いのか?って感じだよね?
井上 そうそう、友情で本当に愛し合ってると思った次の瞬間には「お前を殺してやる!」みたいな。本当に情緒不安定ですよね(爆笑)。
堂本 音月さんがそうさせるんだよね。
井上 どっちが抜け出るか?という腹黒さかな。
──ジャニーズの皆さんとではなく、これだけの顔触れと共演することについては?
堂本 皆さんから受けるエネルギーがすごく勉強になります。本当に日々勉強です。
──では最後にお二人から皆さんへメッセージを。
堂本 『ナイツ・テイル』いよいよ始動します。芳雄君は明日から初稽古?
井上 そう、僕は明日から始動します!
堂本 1週間くらいフライングしてます。
井上 そう、皆さんに遅れを取ってますが。
堂本 本当にこうして始動したことがまだ信じられないような気持ちがありますが。
井上 そうですね。
堂本 今まで夢見ていたことが少しずつ形になっていくのを楽しみながら、本番へ…いつ?
井上 7月27日!
堂本 そこに向かって、日本初演…
井上 世界初演ね。このしどろもどろになっている感じから、皆さん色々察して頂ければ!(笑)
堂本 どうぞ皆さん、楽しみにしていて下さい!

〈公演情報〉
ミュージカル『ナイツ・テイル─騎士物語─』
原作◇ジョヴァンニ・ボッカッチョ「Teseida」、ジェフリー・チョーサー「騎士の物語」、ジョン・フレッチャー / ウィリアム・シェイクスピア「二人の貴公子」
脚本・演出◇ジョン・ケアード
作詞・作曲◇ポール・ゴードン
日本語脚本・歌詞◇今井麻緒子
振付◇デヴィッド・パーソンズ
出演◇堂本光一、井上芳雄、音月桂、上白石萌音、岸祐二、大澄賢也、島田歌穂 ほか
●7/27〜8/29◎東京・帝国劇場
〈料金〉S席 13,500円 A席 9,000円
※7/25〜26 プレビュー公演あり(料金同じ)。
●9/18〜10/15日◎大阪・ 梅田芸術劇場 メインホール
〈公式ホームページ〉http://www.tohostage.com/kt2018/


 
【取材・文・撮影/橘涼香】




『大人のけんかが終わるまで』
kick shop nikkan engeki 

記事検索
演劇キックラインナップ

演劇キック

観劇予報

宝塚ジャーナル

演劇人の活力源

日刊えんぶ

えんぶ情報館

えんぶショップ

えんぶミロクル

えんぶfacebook

広告について