宝塚ジャーナル

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インタビュー

ピアフの人生を朗読とシャンソンで演じる『パンク・シャンソン〜エディット・ピアフの生涯〜』 水夏希インタビュー

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水夏希が、ドラマティカルシリーズリーディングvol.1と銘打ち、新しい企画を立ち上げた。
これまで『サンタ・エビータ〜タンゴの調べに蘇る魂』(2015年)のエヴァ・ペロン、『サラ・ベルナール〜命が命を生む時〜』(2016年)のサラ・ベルナールと、伝説的な女性の一生にチャレンジしてきた彼女が、今回の企画で取り上げるのは、世界中で愛されているシャンソン歌手、エディット・ピアフ。朗読と彼女の名曲の数々で波乱に富んだその人生を歌い上げる。
よみうり大手町ホールで、5月2日に幕を開けるこの公演を前に意欲に燃える水夏希に、本作の内容や最近の活動についても話してもらった。 

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表現が千差万別で可能性が無限にある
 
──これまでエヴァ・ペロンやサラ・ベルナールなど、ドラマティックな女性を演じてきましたが、今度はピアフということで、女性の一生を演じるのは、水さんのライフワークになりつつありますね。
そうなればいいですね。どの女性の人生もドラマティックで、自分の人生では体験できないようなことを、演劇で追体験していけるという意味では、毎回得るものが大きいので。これからも色々な女性と出会いたいです。
──ピアフといえばシャンソンですが、先日、越路吹雪 三十七回忌特別追悼公演『越路吹雪に捧ぐ』に参加されたばかりで、シャンソンを歌う機会が続きます。
巡り合わせというか、たまたまなんです。ただ、毎年やらせていただいていたコンサートの代わりにこのリーディングシリーズが始まり、まずは歌うこととじっくり向き合おうと思っていたところなので、良いタイミングで続いた感じです。
──『越路吹雪に捧ぐ』では3曲歌って、ピアフの「水に流して」も見事に歌いこなしていました。なかなか難しい曲だったのでは?
楽曲的には、シャンソンはそれほど難しくはないんです。音域も広くないし、リズムとか音程もそんなに複雑ではない。ですから曲としては簡単なのですが、簡単だからこそ、その表現が千差万別で、いかようにも歌えるし、可能性が無限大にあるんです。たとえば「水に流して」の中に「もういいの」というフレーズがありますが、その人にとって何が「もうよくて」、どういうふうに「もういいのか」、その言葉をどう捉えるか、そして自分はどう表現するかは、人によって違ってくる。覚えて歌うこと自体は難しいことではないのですが、それを自分の歌として聞かせるというのがものすごく難しい。
──確かに1曲1曲、ドラマを演じるのがシャンソンだと言われますね。
ドラマがないと歌い流す感じになってしまうんです。とくにこの作品はピアフの人生を追いながら曲が入ってきて、しかもピアフの曲は出会った男性によって生まれるので、その時のドラマとともに曲を歌うことになります。そんなふうにピアフの人生を綴りながら歌っていく形なので、よりドラマチックに1曲1曲を歌うことが必要ですし、そのことで作品自体も盛り上がると思います。
──歌う曲は何曲くらいですか?
全体では7曲です。鼻歌やワンフレーズだけ歌うものもあります。
──その中で好きな曲は?
「群衆」ですね。リズミカルだしドラマティックで、情景が目に浮かびます。ドラマがあると言われるシャンソンの中でも代表のような曲だと思います。ほかの曲も有名なものばかりですが、どれも歌うのは大変で、「愛の讃歌」なども音程はそれほど難しくないんですが、そのシンプルな曲をどれだけ色彩豊かに、丁寧に、繊細な表現で歌えるかで。私はなんて恐ろしいことにチャレンジしようとしているのかと(笑)。
──歌をもっと詰めていきたいという話が出ましたが、3月のミュージカル『アルジャーノンに花束を』は、難易度の高い曲ばかりでしたね。
あの作品の音楽は本当に難しかったです。作曲された斉藤恒芳さんならではの、良い意味で凝った楽曲が多かったので。例えば3度で降りる音程だと思っていたら4度で降りるとか。そういう単純ではないメロディがたくさんありました。
──その難曲をクリアしてのピアフですから、さらに高みを目指すチャンスですね。
エベレストです。そびえ立つ遥かなる山みたいな(笑)。でもそういう、「登るのが絶対無理!」みたいなチャレンジをしなくてはいけない時期は、やっぱり必要ですし、このタイミングでピアフがきたというのは、今、この山に登りなさいということで。
──とにかく登り続けなさいと。
果てしないですが(笑)。シャンソンも知れば知るほど深くて、この深い底はどこにたどり着くのか、誰か教えてくださいというような世界ですが、今できる精一杯をやるしかないので。

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相手役とその日のセッションで作っていく


──今回の演出は鈴木勝秀さんすが、とても演劇的な演出家ですね。
スズカツ(鈴木勝秀)さんとは、『7DOORS〜青ひげ公の城〜』(12年)でご一緒させていただいて以来になります。いつかまたご一緒にと思っていましたが、念願叶って今回実現しました。いろいろ話し合って、それこそセッションをしながら作っていくことが出来る方なんです。
──スズカツさんは音楽マニアでもありますね。
そうなんです! 音楽が好きでいらっしゃるから「朗読も音楽だと思ってるんです」とおっしゃって、「セリフも音楽です」と。セリフという音楽が流れている中に、歌がドーンと立ち上がるようにしたいそうです。
──共演の方は日替わりで、それぞれ実力派や若手演技派の方ばかりですね。『サンタ・エビータ』もそうでしたが、朗読劇も相手役と息を合わせて芝居することが大事なのでしょうね。
ただ、スズカツさんは何度も何度も稽古をする方ではないんです。とくにリーディングは2回ほど合わせたら本番になります。だからこそ、その日のキャストの皆さんのセリフをよく聞いて、その場の空気を共有しながら会話することが必要で。その日その日のセッションが生まれてくるところに面白さがあるし、スズカツさんはそれをものすごく信じていらっしゃるんです。
──セッションするためには、台本を体に入れておかないといけないのでしょうね?
それがスズカツさんは、「自分でもそんなに稽古しないでください」とおっしゃるんです(笑)。そうは言っても、ピアフの人生を演じるわけですから、ちゃんと作り上げていかないとできないのですが。大事なのはその場で相手役の方と会話することで、基本的に「見る」とか「聞く」というのは、視界に入っているだけではなく「しっかり見る」ことであり、聞こえているではなく「ちゃんと聞く」ことなので、まずは相手役さんがおっしゃっていることを、よく聞くことが一番必要だと思います。
──台本を読みつつ、その場で感情を表現するわけですから、なかなか難しい作業ですね。
でも、動きがないことでセリフに集中できるというのはあります。動きで助けられることも沢山ありますが、たとえば立った瞬間にさっきまで覚えていたセリフが言えなくなるとか、そういうこともありますから。それに、お客様も目に入る情報が少ないぶん、想像力で補ったり、自分の中で世界観をふくらませていただける部分もあって、そういう意味では、本当にお客様との共同作業だなと思います。

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夢みたいな愛を最後まで求め続けたピアフ

──ピアフという人そのものについては、どんな印象が?
本当に歌と愛に生きた人だと思います。次々に男性を変えていった女性が、時代や国を超えて何故これだけ愛されるのかというと、彼女の歌の素晴らしさはもちろん、根本に愛を求めていたということが共感を呼ぶのではないかと。自分も惜しみなく愛を与えるし、相手にもそれを要求していく。そういう生き方は簡単にはできないですよね。
──台本にも「結婚ぐらいでは彼女の愛は満足しなかった」という台詞が出てきますね。
たぶん彼女にとって結婚は本当はどうでもよくて、自分のことを自分が要求する形で愛してくれる人を求めていたのではないかと。彼女は出生を祝福されなかった人で、愛を知らないまま人生がスタートしてしまった。知らないから、「そんな夢みたいなこと」と言われるような愛を、真摯に純粋に求め続けて、でも最後まで「夢」だったから得られなかったのかなと。彼女が求める愛の正解は、どこにもなかったのかもしれないという気がします。
──愛に苦しんだピアフですが、歌だけはいつも身近にありましたね。
そうですね。お酒と薬と病に侵されても歌い続けられたのは、彼女に与えられた才能だと思います。歌をやめることも選べたけれど、選ばない、そんなことは選べやしない。彼女には当たり前のことだったんだろうなと思います。
──表現をすることを知ってしまった人は、やめることができなくなる。そこは水さんも同じでは?
興味が尽きないんですよね。シャンソンでもダンスでも、もっとこんな表現ができるのかなとか、こんなこともできる、あんなこともしたい、あんな世界を見てみたいとか。私はどちらかと言えば飽きっぽいんですけど(笑)、こんなにも続けられる仕事があったのだと。いつのまにか続けていたし、たぶんやめる選択肢もゼロではなかったと思いますが、他の仕事だったらこんなに続けられたかどうか。
──興味が尽きないというのは幸せですね。また新しい課題が生まれるわけですから。
少し前までは、たとえば観劇するのも仕事のためという部分が大きかったんです。でも今は知りたいんですよね。私以外の人がどんな発声をするのか、どんな動きをするのか、総じて、どんな表現をするのか知りたいんです。
──演じることも、どんどん面白くなっているのでは?
今は、自分の感情を解放するのが課題で。宝塚では自分の感情に蓋をして生きることが当たり前で、それで別に苦しくもなかったし、そうすることが大事だったと思っています。でも今は、色々なワークショップなどを経験する中で、自分の感情にちゃんとフォーカスすること、自分は今どう思っているのか、どんな感情なのか、そこの制約を解除していくことが、これからお芝居を続けていくためにすごく必要だなと。それがないと自分の感情を使えないんです。とくに今回はそれができないとピアフを演じられないと思うので。
──また新しい水夏希が見られそうですね。最後に改めて意気込みを。
私というよりピアフの人生を見てほしいです。今回はとくにそう思います。もちろん私が演じるので自分以外の何者でもないのですけど、でも私の体を使って、声を使って、ピアフをお届けしたいなと。お客様が、ピアフの人生を一緒に体感できるような時間になればいいなと思うんです。客観的に「そういう人だったんだ」というのではなく、ともに生きていただいて、ともに感情を揺さぶられるような時間になればいいなと思います。
 
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みずなつき○93年宝塚歌劇団入団。07年『エリザベート』のトート役で雪組トップスターに就任、10年に宝塚を退団。最近の舞台は、リーディングドラマ『サンタ・エビータ〜タンゴの調べに蘇る魂』、音楽朗読劇『幸せは蒼穹の果てに』、DANCE OPERA『マスカレード2015 〜 FINAL』、30-DLUX『新版 義経千本桜』、『Honganji』、ENTERTAINMENT ORIGINAL MUSICAL SHOW『RHYTHM RHYTHM RHYTHM』、DANCE LEGEND vol.3 BAD GIRLS meets FLAMENCO BOYS『FLAMENCO CAFE DEL GATO』、ブロードウェイミュージカル 『CHICAGO 宝塚歌劇OGバージョン』、プレミア音楽朗読劇『VOICARION〜女王がいた客室〜』、『サラ・ベルナール』〜命が命を生む時〜、『エリザベートTAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』、ミュージカル『アルジャーノンに花束を』、越路吹雪三十七回忌特別追悼公演『越路吹雪に捧ぐ』など。7月にはミュージカル・コメディ『キス・ミー・ケイト』への出演が控えている。
 
〈公演情報〉
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ドラマティカルシリーズ リーディングvol.1
『パンク・シャンソン〜エディット・ピアフの生涯〜』
構成・演出◇鈴木勝秀
アコーディオン◇アラン・パットン
出演◇水夏希/福井貴一・山路和弘・石橋祐
日替わりゲスト◇辻本祐樹・牧田哲也・渡辺大輔(五十音順)
※5/6  14時回は出演者4名での特別バージョンとなります。
●5/2〜6◎よみうり大手町ホール
〈料金〉8,900円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京音協 03-5774-3030(平日 11:00〜17:00/土日祝休)

 



【取材/榊原和子 文・撮影/竹下力】





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ミュージカル『アニー』が新しく生まれ変わって開幕! マルシア&彩乃かなみ インタビュー

アニー本データ

演出もキャストも一新されたミュージカル『アニー』が、4月22日から新国立劇場 中劇場でいよいよ開幕する!
人気ミュージカル『アニー』も今回で32年目、演出を16年間担当してきたジョエル・ビショッフに代わり、日本のミュージカル界で次々にヒット作を手がけている山田和也が演出を手がける。それとともにオーディションで選ばれた2人のアニーはもちろん、大人キャストも全員新しくなり、フレッシュな新生『アニー』の誕生となる。

【ものがたり】
舞台は1933年のニューヨーク。世界大恐慌直後の街は、仕事も住む家もない人であふれていました。誰もが希望を失っているなか、11歳の女の子アニーだけは元気いっぱい。11年前、孤児院の前に置き去りにされたというのに、いつか両親が迎えに来ると信じて、逆境にひるむことなく前向きに生きています。
そんなある日、大富豪オリバー・ウォーバックスの秘書グレースに気に入られたアニーは、クリスマスの2週間をウォーバックスのもとで過ごすことに。明るいアニーに孤独な心をなぐさめられたウォーバックスは、アニーを養女にしたいと思うようになります。しかしアニーは、本当の両親と暮らすという夢をあきらめきれません。その強い気持ちに打たれたウォーバックスは、懸賞金をかけて彼女の両親を捜すことにします。
ところが、それを知った孤児院の院長ミス・ハニガンと弟ルースター、その恋人のリリーは、懸賞金目当てに悪だくみを始めて……。アニーの夢はかなうのでしょうか?
 
この舞台で、孤児院院長のミス・ハニガン役を演じるのはミュージカル界きっての実力派マルシア、そして秘書グレース役は元宝塚月組トップ娘役で舞台を中心に活躍する彩乃やかなみが扮する。まさに適役であり、ともに圧倒的な歌唱力を持つ2人の参加で、ひときわパワーアップしたミュージカル『アニー』。2人に初参加の抱負を聞いた「えんぶ4月号」の記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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必死になればなるほど面白いミス・ハニガン

──この作品についてはどんな形でご存じでしたか?
マルシア 映画版を観ているので物語はよく知っています。でも舞台はまだ拝見したことがないんです。今回、出演できるのでとても楽しみです。
彩乃 私は昨年、宝塚で同じ組にいた遼河(はるひ)さんが、ハニガン役で出演したので、初めて拝見して感動しました。テレビなどでオーディション風景は見ていて、泣きながら「トゥモロー」を歌っている子供たちの姿が印象的でした。
──お2人の役ですが、マルシアさんは孤児院長のミス・ハニガンですね。
マルシア 怖い女性みたいに言われますけど、ハニガンなりにがむしゃらに生きてきただけなんです。1930年代のアメリカは荒廃した時代だったので、みんなが必死で生きている中で、ハニガンも強くなってしまったのかなと。でも男性には愛想がよかったり(笑)、そういうギャップも面白いですね。
彩乃 チャーミングな部分がありますよね。子供たちにからかわれたり、厳しいけれど、ただ怖いだけではないという気がします。
マルシア 映画版を観たとき、ハニガンがおかしくてずっと笑ってました(笑)。必死になればなるほどどこか抜けている部分もあるのかなと。グレースとの掛け合いも、そういう感じで面白くなればいいですね。
彩乃 そうですね。
──グレースはどう演じたいですか?
彩乃 ウォーバックスさんの秘書でアニーを支える女性ですが、キャラクターとしてはあまり強い個性ではないので、周りの個性的な皆さんの中で、どう存在感を出していくかが大事かなと。アニーを見つけ出す先見の明や直感力に優れた、知的な女性を素敵に演じたいと思います。

良い時代に生きていることをアニーで確認してほしい

──ダブルキャストのアニーと共演することはいかがですか?
マルシア 私は『レ・ミゼラブル』でトリプルキャストを演じましたが、相手がダブルというのは初めてです。でも今回のアニーたちは、背の高さとか見た目が違っていて、それぞれ魅力があるので楽しみです。
彩乃 私もダブルの方とお芝居するのは初めてです。製作発表のときなど、2人とも話すことがしっかりしていて、それだけ『アニー』に出演するという夢を持って、ここまで頑張ってきたのだなと感動しました。私のほうが貰えるものがありそうです。
──歌声には定評のあるお2人ですが、ミュージカルの魅力、『アニー』の魅力を語っていただきたいのですが。
マルシア 私はほとんどミュージカルしかやっていないので、音楽があって当たり前と思っていますし、劇中の音楽は心を語る時間だと思っているんです。この『アニー』は楽曲もとても素晴らしくて、だから31年間も愛されてきたわけだし、その魅力をきちんと伝えて、ミュージカルを好きな人にとっても、たまらない『アニー』を作りたいですね。
彩乃 これだけ長く続いている理由の1つに、お子さんが主役で、親子で観られるミュージカルだということもあると思います。一生懸命生きているアニーや孤児たちの姿に、大人も力をもらえるんです。
マルシア 本当にそう! お子さんも大人も、どれだけ今平和で良い時代に生きているかを、アニーで確認してほしいです。アニーは必死で親を探します。その姿に自分の今の幸福を感じていただければ。そういう意味でも、これはとても優れたミュージカルだと思います。

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マルシア、彩乃かなみ

まるしあ○ブラジルサンパウロ出身。日系3世として生まれる。1989年「ふりむけばヨコハマ」で歌手デビュー。女優・タレントとしてミュージカル、ドラマ、バラエティなど幅広く活躍中。01年、ミュージカル『ジキル&ハイド』で01年度第56回文化庁芸術祭演劇部門新人賞、05年度第31回菊田一夫演劇賞を受賞。最近の出演舞台は『青い種子は太陽のなかにある』『マハゴニー市の興亡』など。

あやのかなみ○群馬県出身。97年宝塚歌劇団に入団、05年に月組のトップ娘役に就任、08年退団。以後は、女優として幅広く舞台で活躍中。最近の主な作品は、ミュージカル『何処へ行く』『セレブレーション100! 宝塚』『マホロバ』『SUPER GIFT』『クリエンターレ!』『夜の姉妹』ロシア文化フェスティバル2016『バレエ ガラ 夢 コンサート 2016』『オフェリアと影の一座』など。

〈公演情報〉
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丸美屋食品ミュージカル『アニー』
脚本◇トーマス・ミーハン 
作曲◇チャールズ・ストラウス 
作詞◇マーティン・チャーニン 
演出◇山田和也 
出演◇野村里桜/会百花(ダブルキャスト)  藤本隆宏  マルシア 彩乃かなみ  青柳塁斗 山本紗也加  ほか 
●4/22〜5/8◎新国立劇場 中劇場
8/10〜15◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
8/19・20◎仙台・東京エレクトロンホール宮城
8/25〜27◎愛知・愛知県芸術劇場大ホール
9/3◎上田・サントミューゼ大ホール 
〈お問い合わせ〉東京公演/キョードー東京 0570-550-799 
http://www.ntv.co.jp/annie/



【取材・文/吉田ユキ 撮影/岩田えり】




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市村正親が8役を熱演!『紳士のための愛と殺人の手引き』ついに開幕! 囲みインタビューレポート

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トニー賞の作品賞・脚本賞ほか4冠を達成した傑作ミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』の日本初演が、4月8日、ついに開幕した。

舞台はエドワード朝時代のイギリス。伯爵継承順位8番目の男が、継承順位上位の邪魔者たちを次々と殺していく。といっても、殺人手段があまりにバカバカしく、笑いあり涙あり間違いなしのコメディなのだ。
殺されるダイスクイス家の現伯爵と継承権メンバーという8人を演じ分けるのは、日本演劇界の生きる伝説、歌も演技も優れた技術と才能で魅せる市村正親。
爵位継承者たちを、あれこれ馬鹿馬鹿しい手段で手にかけていくモンティ役はWキャストで、元・WaTで抜群の歌唱力を誇るウエンツ瑛士と、ミュージカル界の若き旗手として次々に話題作に出演している柿澤勇人。
モンティの恋人シベラを演じるのは、しなやかでキレのある歌と演技を見せるシルビア・グラブ。
殺される継承者ヘンリー・ダイスクイスの妹役で、モンティが恋をしてしまうフィービー役には、テレビ・映画で活躍し、ミュージカルでは美しい歌声を披露する宮澤エマ。
モンティの亡き母の友人であるミス・シングルを演じるのは、宝塚出身で紀伊國屋演劇賞も受賞した演技派女優・春風ひとみ。
笑わずにはいられないコメディシーンとポップで軽快な音楽と歌が全編を彩る、この舞台のゲネプロと囲みインタビューが、初日を前に行われた。

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春風ひとみ、宮澤エマ、シルビア・グラブ、市村正親、ウエンツ瑛士、柿澤勇人

【あらすじ】
優しい母に突然亡くなられてどん底に沈んでいるモンティ(ウエンツ瑛士/柿澤勇人)。そこに亡き母の古い友人であるミス・シングル(春風ひとみ)がとあるニュースを持ってくる。モンティの母は、実は大富豪の貴族「ダイスクイス・ファミリー」の血を引いており、モンティにも爵位継承権があるというのだ。とはいっても8番目の継承者。つまり現伯爵(市村正親)を含め、ダイスクイスのメンバー7人(市村正親)が死ななくては伯爵になれない。
そこでモンティは決意する。「7人+現伯爵=8人」を抹殺して、自分が伯爵に!莫大な財産と城をこの手に!」モンティは、一人、また一人、奇妙キテレツな方法で殺人を重ね、ついに全員を殺害するのだが、8人目の殺人でヘマをして捕まってしまい、投獄されるはめに。最後には恋敵同士のフィービー(宮澤エマ)とシベラ(シルビア・グラブ)が愛しのモンティを救おうと、彼の無実を証明するために奔走するのだが…。
 
【囲みインタビュー】

ゲネプロと囲みインタビューには、市村正親(ダイスクイス家のメンバー8人役)、ウエンツ瑛士(モンティ役/Wキャスト)、柿澤勇人(モンティ役/Wキャスト)、シルビア・グラブ(シベラ役)、宮澤エマ(フィービー役)、春風ひとみ(ミス・シングル役)が登壇した。

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──いよいよ明後日に開演します。
市村 ハッハッハッハ。やってきたよ、ウエンツ!
ウエンツ どうして僕なんですか! 稽古中はそんな感じじゃなかったじゃないですか。
市村 長い間、みんなと稽古をしてきて、いい初日を迎えられるところまで出来上がっています。急に森繁久彌さんになっちゃったみたいな気分ですね。君! 最高ですよ!
ウエンツ まあまあ、いろんな役をやられていますから。テンションマックスですね。
市村 森繁さんはいらなかったか?
ウエンツ 時にはそんなテンションも必要です。

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──この作品にかける意気込みを。
春風 昨日、劇場に入りました。稽古場では、一番笑っていたのは私だと思います。なので、みなさんにも早く劇場で味わっていただきたい。最後の方の私が出るシーンで涙が出そうなところがあります。私の大好きなシーンですね。
宮澤 日本版オリジナル、そして初演ということで、海外版の演出とは違って、よりドラマチックにエモーショナルな部分がたくさんあって…市村さんなんで笑っているんですか?
市村 エモーショナルってかっこいいんだもん。
エマ はいはい。とにかく、みなさんそれぞれ個性があって、その個性に負けないように演じられたらと思っています。
シルビア みんなで力を合わせて作り上げたチームワークが見どころです。
市村 意気込み?(ポーズを決めて)ハッ! 何と言ってもエモーショナル(笑)。そして演技にパッションやヴァイタリティが溢れています。ちなみに、私は8役で初役ではないですよ。
ウエンツ わかってますよ。
市村 あらゆる手を使い尽くして笑いを生み出します。今回は、完全に僕は芸人ですので、お笑い系でやっております。みなさんにそんな僕を楽しんでもらいたいね。今まで稽古で吸収してきた笑いのパワーを全部出し切りますよ!

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ウエンツ
 海外では劇場も小さく、セットも小さい中でお芝居をしていたそうですが、日本では大きな会場でやらせていただきますので、空間を埋め尽くすような笑いのパワーと音楽で面白い作品を届けられたらと思っています。何より、市村さんとはプライベートで仲良くさせてもらっているのですが、この作品で初めての共演で楽しみです。今までにもたくさん学ばしてもらいましたけれども、本番になると…。
市村 やったね。今回は弱音を吐いてないね。初めての日生劇場の舞台『天才執事 ジーヴス』の時は、弱音ばかり吐いて、本当に戻しちゃったもんね。
ウエンツ はい。日比谷公園の花畑に戻してしまいました。そこだけ花が異常に育ったという(笑)。
市村 俺がアドバイスしたんだ。楽しんでやれよって。今、すごく不安だから、ウエンツ、アドバイスちょうだい。
ウエンツ がんばれよ!
市村 なんだよ、がんばれよかよ!
ウエンツ はいはい。今回のパンフレットにも、自分が影響を受けた言葉を書く欄があったのですが、日生劇場に市村さんが観にきてくださって、その時にかけてもらったアドバイスを引用しています。その言葉を胸に刻んで頑張りたいですね。
市村 ねえねえ、俺にもちょうだい。
ウエンツ そろそろ柿澤さんにフリましょうよ。
市村 こいつは俺の後輩だからいいんだ!
ウエンツ ああ、もう、柿澤さんどうぞ。

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柿澤 
(笑)ストーリーも難しくないですし、とにかく、劇場に来て楽しんでもらえると思います。市村さんの8役以外にも僕とウエンツくんのWキャストが見どころです。キャラクターや動きや歌、どれも違うと思います。そのあたりの違いを楽しんでいただけたらいいですね。
──柿澤さんがおっしゃったように市村さんは8役を演じます。
市村 コスチュームもカツラも変えての8役だからね。『クリスマスキャロル』の時は54役やったけれど、キャラを変えただけだから。衣装もカツラも変えるのは大変ですよ。一歩間違えると出とちりになるからね。
ウエンツ 稽古の時、1ヵ所でて来れないことがありましたね。
市村 そう。服が脱げなくて、痛い!痛い!って叫んでた。
ウエンツ 早替えも見どころですね。
市村 出てこなくなっちゃうかもしれないよ。
ウエンツ 市村さんが出てくる時間をわざわざ作っているわけではないので、作品が流れる中でパッと出てくるから大変ですね。
市村 そうそう、慰めてよ。何か忘れちゃったりとかね。女性役なのに髭をつけたまま出て来たりとかね。そういうことがないようにしなくちゃね。
──早替えの最短記録は32秒だということです。
市村 そんなこと調べてたの!?
ウエンツ 僕とカッキーがセリフを巻きに言うと30秒ぐらいになっちゃうかも。
市村 やめてよ(笑)。
──日本初上陸の作品です。
市村 新作ですからね。楽しみであるのと同時に怖いですね。だから、さきほどウエンツにアドバイスをちょうだいって言ったの。僕は先輩として彼に言った言葉は、自分が楽しまなくちゃ、お客様も楽しまないっていうことですね。だから怖いのを乗り越えて楽しまなくちゃいけない。ただ、トニー賞まで獲っていますからね。演じるのは怖いところもありますが、見所は満載ですよ。音楽もいろいろな曲がかかって、楽しめると思います。

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──市村さんが8役をやられることに関して。
シルビア 面白いですよ。私は出てこないところは客席で観ていたいぐらい。あんなキャラやこんなキャラは、ひょっとしたらこの人がモデルかなと考えるのも楽しいですね。
市村 シルビア、わかってるねー。
宮澤 稽古場でも、1回と同じ役作りをしていなくて、毎回新鮮なんです。だから笑っちゃうんですね。笑うのはやめようと思うのに。引き出しが多いなと感心するんです。
市村 エマ、ありがとう。
宮澤 どういたしまして! 自分が出ていて、必死に歌っている場面で、真後ろで笑わそうとしているんです。
市村 演出なんだからさ。
宮澤 わかってますよ。でも、わざとですよね。
市村 まあ、ちょっとね(笑)。

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──今回はWキャストですが、柿澤さんとウエンツさんはライバル心があるんですか。
ウエンツ Wキャストは初めてですが、ライバル心はあまりないですね。だって、真似すると自分じゃなくなるから真似しないってカッコつけても、尊敬する大先輩ですからね。
柿澤 言ったことねえじゃねえか!
ウエンツ 靴を磨かせてもらって(笑)。
柿澤 お前、とか言ってくるくせに(笑)。
市村 楽だからいいよね!昼か夜の違いだもん。
ウエンツ 役作りの違いを聞きたいんですよ!
市村 僕なんか8役でギャラは1人分だよ。1人分を8つに分けてるんだから。
ウエンツ リアルだからやめてください。
──再演の可能性は。
市村 ノーコメント!僕は忙しいからね。みんなも忙しいし、実際やってみたら8役が7役になって、最後に1役しかないかもしれない(笑)。体調やお客様の反応をみて考えていきたいですね。
──お客様に向けて一言。
市村 じゃあ、みんなでタイトル言おう!
一同 『紳士のための愛と殺人の手引き』、8日からお待ちしております!

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〈公演情報〉
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ミュージカル『紳士のための愛と殺人の手引き』
脚本・歌詞◇ロバート・L・フリードマン
作曲◇スティーブン・ルトバク
演出◇寺秀臣
出演◇市村正親、ウエンツ瑛士/柿澤勇人(Wキャスト)、シルビア・グラブ、宮澤エマ、春風ひとみ、阿部裕、小原和彦、香取新一、神田恭兵、照井裕隆、安福毅、彩橋みゆ、折井理子、可知寛子、伽藍琳、高谷あゆみ、RiRiKA
●4/8〜30◎日生劇場
〈料金〉S席13,000円、A席8,000円、B席4,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9:30〜17:30)
 
 

 
【取材・文・撮影/竹下力】




水夏希主演!リーディング「パンク・シャンソン」〜エディット・ピアフの生涯〜 




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『エジソン最後の発明』明日から開幕! 瀬奈じゅん・青木豪インタビュー

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歴史劇から漫画まで幅広く脚本化するかと思えば、シェイクスピアから日本の若手作家の注目作まで演出してしまう、幅広い才能で活躍する青木豪。彼が久々にオリジナル脚本を自ら演出する新作、『エジソン最後の発明』が4月2日からの東京公演を皮切りに、名古屋、大阪で上演される。
主演は元宝塚月組トップスターで女優として活躍中の瀬奈じゅん。下町の小さな工場を背景に描かれる、「かなりおかしくて、ちょっぴりせつなくて、相当ハッピーな、大人たちのお話」。この作品について青木豪と瀬奈じゅんに話してもらったえんぶ4月号の記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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ラジオのパーソナリティーが似合う声

──お二人の並びが新鮮です。
青木 今日で3回目でしたね?
瀬奈 そうですね。打ち合わせを含めて。
青木 僕は当て書きしかできないので、まずお会いしたいと言って、東山(義久)さんと3人で食事したのが最初でした。最初に声を聞いたとき、ラジオのパーソナリティーが似合いそうだなと直感して、そこから今回の作品全体の着想を得ました。
瀬奈 私は自分の声にコンプレックスを持っていたんです。でも、青木さんがおっしゃってくださったように、声が印象的だと他の方にもよく言われるので、自分のコンプレックスと人の印象とは違っているんだな、紙一重だなと。このお芝居で自分の声が好きになれるかもしれません。
──『エジソン最後の発明』というタイトルはどこから?
青木 エジソンのことを調べたことがあって、最後に発明していた機械が「死者と話せる機械」だと知って、印象に残っていたんです。そして町工場の話にしたいと思ったとき、エジソン・工場・ラジオと3つが結びついたんです。落語のお題を出されたように(笑)、それをつないで台本を膨らませました。
瀬奈 私は「死者と話せる機械」のことは知らなかったし、そんなことありえないでしょう! というタイプの人間なので、どう町工場とつながって、どうラジオパーソナリティーが出てくるのか、青木さんの思考を覗いてみたいと思いました(笑)。その中で自分の心がどう変化していくのか、とても楽しみです。
 
セナ・青木

自分の常識でも人から見ると非常識!?

──この舞台はコメディなんですね。
青木 そうです。みんなが勝手なことを思って、勝手なことを言って、噛み合わない人たちの話です。軸は、瀬奈さんと東山さんが結婚しようとしていて、小野武彦さん演じる瀬奈さんのお父さんが反対するんです。
瀬奈 でも、ものすごく反対するわけではなくて、無理難題を出して、それが可能なら結婚していいよという、反対しているんだか賛成しているんだか、よくわからない(笑)、そういう日常会話がごく面白いんです。実は台本の台詞と同じようなことを、私も父から言われたことがあって。
青木 えーっ?(笑)
瀬奈 小野さんの台詞で、「だったらお前を育てるのにかかったお金を返してくれ」というのがあって、あ、似たような言葉を聞いたことがある! と(笑)
──父親が言いがちな台詞ですね。
瀬奈 きっとお客様も色々な台詞に、「あるある!」と思っていただけるのではないかと。
青木 どこの家庭でもあることが出てきますからね。みんなそれぞれに自分を貫こうとするけど、自分の常識って人から見ると非常識だったりしますからね。ケーキは絶対にフォークで食べるものと思っている人もいるけど、スプーンの人やお箸の人だっている。とくに家庭を新たに持とうとすると違う常識が入ってくるんです。
──コメディということで、演じるうえで心がけることは?
瀬奈 私はコメディとつくものに関しては、逆に大真面目にやろうと思っているんです。面白いことをやろうと絶対に思わないように。
青木 書く側も同じです。狙うと外します(笑)。ちょっと話はそれますが、この間、瀬奈さんに「書くの恥ずかしくないですか」と聞かれて、確かに自分の意見を書くのは恥ずかしいんですが、この人だったらこんなこと言うだろうなと思って書いているから、恥ずかしくないんです。
──青木さんはシェイクスピアの喜劇も演出していますが、書くうえで影響を受けたりしますか?
青木 影響というより、これは翻訳家の松岡和子さんがおっしゃったんですが、「シェイクスピアの悲劇は結婚で始まり、喜劇は結婚で終わる」と。喜劇は恋人同士から始まって結婚でハッピーエンド、悲劇は結婚から物語が始まるそうです。
──ではこの作品は、結婚しようとする2人が出てきますから、ハッピーエンドですね?
青木 さあ、どうなるでしょう(笑)。
 
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客席まで息づかいが届くくらいの距離感で
 
 
──瀬奈さんは、ミュージカルだけでなくストレートプレイでも活躍していますが、作品のスタイルで意識することは?
瀬奈 ストレートプレイもミュージカルも、フラットにその人を演じるという点ではなにも変わりないと思っています。ただその表現方法が歌になったり、劇場の大きさに合ったものになったり、日本ものだったら所作とか、技術的なことに違いがあるだけですね。今回のようなお芝居は、あまり大きくない劇場の方が楽しい気がします。
青木 客席まで息づかいが届くくらいの距離がいいですよね。その意味でシアタートラムはとてもいい劇場だと思います。
──観客と近い場合、役になりきるのが難しいとかいうことはありませんか?
瀬奈 私はいつも頭の近くにもう1人の自分がいて、役に入りきらないんです。逆に入りきっている人のお芝居を見ると引いてしまうタイプで。もっと陶酔できたらいいな、ナルシストになれたらなと思う時もあります。でも、あまり入り込みすぎない方が、観ている方に考える隙間があっていいのではないかと。
青木 僕もそういう役者さんの方が好きですね。物書きや演出もそうで、俯瞰して作っていないと壊れちゃう気がするんです。
──最後にこの作品の意気込みをぜひ。
青木 今、僕が書きたいものを精一杯書きました。書きあがったら演出家スイッチが入るので、稽古場で台本を共有しながら、ライブなものをお客さんに届けるために、全員で突っ走ろうと思っています。
瀬奈 台本を読ませていただいて、色々な役の台詞を想像しながら楽しんでいました。その台詞を、自在に受けて返すことができる自分でいたいし、稽古場でキャッチボールするのが楽しみです。青木さんの脚本の日常会話の面白さを、しっかり表現できるように、皆さんと一緒にしっかり作っていきたいと思っています。

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あおきごう○神奈川県出身。97年に劇団グリングを旗揚げ、09年の活動休止まで作・演出をつとめる。以後は多くの公演に脚本を提供、演出家としても活躍中。最近の主な舞台作品は、『ガラスの仮面』『八犬伝』『断色』『鉈切り丸』『9days Queen』『天鼓』『ブルームーン』『花より男子The Musical』(以上脚本)『往転─オウテン─』『The River』Dステ19th『お気に召すまま』(以上演出)など。

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せなじゅん○東京都出身。92年に宝塚歌劇団入団、05年から月組トップスターとして絶大な人気を誇る。09年に退団。以後は女優として活躍中。退団後の主な出演作品は『エリザベート』『アンナ・カレーニナ』『今度は愛妻家』『シスター・アクト〜天使にラブソングを〜』『ア・フュー・グッドメン』『貴婦人の訪問』など。第37回菊田一夫演劇賞、第3回岩谷時子賞などを受賞。

〈公演情報〉
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『エジソン最後の発明』
作・演出◇青木豪
出演◇瀬奈じゅん 東山義久 岡部たかし まりゑ
安田カナ 武谷公雄 八十田勇一 小野武彦
●4/2〜23◎東京 シアタートラム
〈料金〉7,500円 学生券3,500円(全席指定・税込) 
5/1◎名古屋 青少年センター アートピアホール
5/2・3◎大阪 サンケイホールブリーゼ
〈お問い合わせ〉キューブ 03-5485-2252(平日12:00〜18:00)




【文◇竹下力 撮影◇岩村美佳】

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オリジナルミュージカル『花・虞美人』間もなく開幕! 凰稀かなめインタビュー

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元宝塚宙組トップスターで女優としての歩みを着実に進めている凰稀かなめ。退団後初主演となるミュージカル『花・虞美人』が、3月26日に赤坂ACTシアターで開幕する。(31日まで。名古屋・大阪公演あり)
「四面楚歌」の語源ともなった楚の項羽と漢の劉邦の物語に基づき、美貌の持ち主としてのみ語り継がれている1人の女性、「虞美人=虞姫」にスポットを当て、新たな物語を紡ぐオリジナルミュージカルだ。この舞台で主人公虞姫役として熱い気持ちで臨む彼女に、公演への意気込み、そして年頭に行われた宝塚OGによる『エリザベートTAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』での発見などを語ってもらった「えんぶ4月号」の記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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美しさの中にある悲しさにきちんと感情をつないで
 
──退団後初主演舞台の『花・虞美人』ですが、今の段階で作品についてどう感じているか教えてください。
台本を読んで、まず人間模様がとても複雑にからみ合っているなと思いました。私と誰かということだけではなくて、例えば男同士ですとか、大将と軍師ですとか、役同士の人間関係が事細かに描かれている台本でした。それぞれの心理描写がよく練られているので、これをどういう風に演じていくかが課題だなと思っています。
──演じる虞美人、虞姫についてはどのように?
まず多くを語らない役どころなんですね。劉邦との結婚前夜に始皇帝の軍に父親を殺され、自らも連れ去られてしまい、父の仇の始皇帝を討とうとする。その思いを遂げてくれた項羽への新たな思いも生まれてくるですが、劉邦への愛もずっと続いている。そういう葛藤を言葉にすることがあまりないので、心の揺れ具合や、女性としての優しさ、器の大きさ、真実の愛を、台詞で訴えるのではなく、違う部分で表現していかなければいけないだろうと感じました。このあたりはセットや音楽が固まって、立ち稽古でどのようになっていくかですが、多くの思いを秘めている女性なので心して挑みたいです。私は元々お稽古に行くまでは、なるべくフラットでいたいと思っていて、しかも実在の人物とは言っても、今回の虞姫についてはほとんど資料らしい資料が残っていないので、お稽古の中で周りの人たちの芝居を感じながら、受け留めていく作業を特に心がけたいです。
──では稽古の中で様々な発見がありそうですね。
初めてご一緒させて頂く方々ばかりで、ベテランの方も多いので、とても楽しみです。退団後『1789ーバスティーユの恋人たちー』のマリー・アントワネット役をやらせて頂きましたが、音楽をスペクタクルで見せるフレンチミュージカルだったこともあって、芝居の要素は少なめでしたから、これだけじっくり芝居をするのは本当に久しぶりになります。もちろん今回も歌も踊りも入るミュージカルなのですが、芝居部分で見せていく部分が濃いので、「お芝居ができる!」という期待でうずうずしています。
──何よりもお芝居が好きな人だと言われていた凰稀さんですから、それは気持ちも高まっていることでしょうね。
はい、すごく気合いが入っているのですが、台本を読んで、どんな声でどんな風に話したらいいのかを、今試行錯誤しています。時代物なので、普通に話したのでは伝わらないし、でも感情を伝えるには心のままに話した方がいいので、そのバランスをどう取っていくかも、これから創り上げていく大切なポイントだと思います。何よりも台本の流れが美しくて、読んでいるだけで最後には涙が止まらなくなってしまったほどだったので、その美しさの中の悲しさに、きちんと感情をつなげられるようにしたいです。

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今だからこそ感じられた新たなルドルフ像

──そんな新しい舞台に期待が高まるのですが、直近には宝塚OGによる『エリザベートTAKARAZUKA 20周年スペシャル・ガラ・コンサート』への出演もありました。女優として歩んでいる今、改めて演じた男役はいかがでしたか?
実は、はじめは出演すべきかどうか悩みました。自分のコンサートなどでは、ファンの方が喜んでくださることもあって、男役の場面も取り入れさせてもらったりしましたが、基本的には宝塚を退団して、現役生ではなくなった時点で男役も続けていこうとは思っていなかったので。でも『エリザベート』20周年という歴史の中に、自分が関われたということも奇跡ですし、宝塚にいても作品との縁がなければ出られないわけですから、久しぶりの軍服姿をファンの方にも喜んで頂けるだろうと思って出させて頂きました。コンサートでは当時のことをありありと思い出しました。まだ下級生で何番手という立場でもない時に、ルドルフ皇太子という役を頂いて、葛藤していたことなどが蘇りました。同時に、ガラコンサートならではの現役時代に共演することはできなかった方々、トート役の姿月あさとさんや瀬奈じゅんさんとご一緒できたのは光栄でしたし、当時の雪組トップスターだった水夏希さんと、トートとルドルフとしてまた共演させて頂けたのも、本当に嬉しいことでした。
──今の凰稀さんがルドルフを演じて、新たな発見などはありましたか?
当時は『エリザベート』という作品の中のルドルフとしてしか考えていなかったのですが、今回はその後宙組のトップをさせて頂いている間にやらせて頂いた『うたかたの恋』のルドルフの感覚が鮮明に残っていたんです。ですから『エリザベート』でのルドルフの15分間という凝縮された出番でも、家族との関係や、新しい国への思い、マリーとの恋など、『うたかたの恋』の経験で得た、『エリザベート』には描かれていないルドルフのバックボーンが私の中にあったので、満たされた気持ちで死ねました。自殺するのですが、辛い、哀しい、絶望したというだけではない、自由な魂として旅立てるというような。ですから、最期の場面で笑っているルドルフというのはあまりいないと思いますが、私は笑って死んでいけました。それは『うたかたの恋』を経たからこそ出てきたものだと思うので、自分でもとても面白い経験になりました。
──他にテレビドラマへの出演もあり、また『花・虞美人』へと向かう中で、更にやりたいことなども増えているのでは?
やりたいことはたくさんありますし、それが必ず実現しているので幸せです。今回も、お芝居とじっくり向き合いたいと思っていたところに『花・虞美人』に出会えました。虞姫のように内に秘めた強さを持った女性を演じるのも初めてですし、私だけでなくそれぞれの役どころにたくさんの見せ場がある作品なので、皆さんと切磋琢磨しながら創っていきたいと思います。踊りも多く、殺陣もふんだんにあって、私自身が立ち回りに関われないのは少し寂しいですが(笑)、全員で団結して素敵な舞台にしていきたいと思っています。

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おうきかなめ○神奈川県出身。2000年に宝塚歌劇団で初舞台。12年、宙組トップスターに就任、数々の作品で活躍、15年に退団。16年『1789−バスティーユの恋人たち−』マリー・アントワネット役で女優デビュー。コンサート、またドラマ『家売るオンナ』への出演など活躍の幅を広げている。17年1月の宝塚OGによる『エリザベートTAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』では、久々に男役として美しい軍服姿を披露した。

【アフタートーク開催】
東京公演
3月27日(月)13:00公演:黒川拓哉、松田凌、今井ゆうぞう
3月28日(火)16:30公演:凰稀かなめ、大澄賢也、松田凌
3月29日(水)13:00公演:ユナク(超新星)、池田努、岡田亮輔、石橋直也
3月30日(木)13:00公演:凰稀かなめ、小野健斗、桑野晃輔
名古屋公演
4月16日(日)11:30公演:凰稀かなめ、ユナク(超新星)、黒川拓哉
大阪公演
4月22日(土)13:00公演:凰稀かなめ、池田努、松田凌


〈公演情報〉
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ミュージカル『花・虞美人』
脚本・演出◇岡本貴也 
音楽◇鎌田雅人
出演◇凰稀かなめ ユナク(超新星) 黒川拓哉(LE VELVETS)・池田努(Wキャスト)  松田凌 岡田亮輔 石橋直也 桑野晃輔 今井ゆうぞう 小野健斗 奥田圭悟 高橋由美子 大澄賢也 他
3/26〜31◎東京・赤坂ACTシアター
4/15〜16◎名古屋・愛知県芸術劇場大ホール
4/22〜23◎大阪・森ノ宮ピロティホール
〈料金〉プレミアムシート 13,000 S席 11,000 A席 7,000円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉(株)ジェイロック 03-5485-5555
http://www.hana-gubijin.jp/




【取材・文/橘涼香 撮影/岩田えり】 






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