宝塚ジャーナル

えんぶ4月号

インタビュー

『la vie d’amour2016 〜シャンソンに誘われて〜』 安寿ミラ・児玉明子 対談

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昨年11月、長いキャリアの中でも初めてというシャンソン・コンサート『la vie d’amour』に挑戦した安寿ミラ。好評を受けて、シリーズ2作目とも言うべき『la vie d’amour2016 〜シャンソンに誘われて〜』が、いよいよ明日、12月2日に幕を開ける。(4日まで。青山 草月ホール)
キャッチコピーの「錆色の魅惑の声」で、再び挑むシャンソンの世界。そのコンサートにかける想いを安寿ミラと演出を手がける児玉明子に話してもらった。

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 安寿ミラ・児玉明子

現実にお客さんが観たらという客観的な視点

──児玉さんは宝塚時代に安寿さんとの接点は?
児玉 私が歌劇団に入ったときは、もう退団されていたので、観客の立場でしか知らないんです。宝塚は子供時代に1度観ていて、それ以来初めてちゃんと観た公演が、『ヴェネチアの紋章/ジャンクション24』だったんです。そのとき、ヴェネチアで死んだ人が、幕間をはさんでショーになったらスーツ姿で出てきて(笑)。この繋がりはなんなんだろうと、ずっとわからないままでいたら、そのうちラインダンスになって、「ああ、意味はないんだ」と(笑)。
安寿 面白い(笑)。
──昨年の『la vie d’amour2016』を一緒に作られていかがでした?
児玉 とても楽しかったです。それにすごく勉強になりました。
安寿 えー? 
児玉 私にない想像力や、一番感じたのは、現実にこれをお客さんが観たらどうなんだろうという客観的な視点で。
安寿 客観視はすごくしますね。自分のショー(『ダンスアクトFEMALE』)をずっと作ってきましたし、出演者のほうがお客さんの立場とかわかる部分があるんですよね。
──第1部のほうのドラマですが、昨年の三角関係のアイデアも安寿さんからだったそうですね。
安寿 去年は洋介(佐藤)くんと、今年も出てくれる(中塚)皓平くんの2人を生かそうと思ったんです。せっかくこんな素敵な男性ダンサーが2人揃うのだから、私が絡むより2人を絡ませるほうが妖しさが出るかもしれないと。それが受けまして(笑)。
児玉 受けましたね(笑)。
安寿 男と女はありがちだし、その前の『FEMALE』でも洋介とはさんざん踊っていたので、私自身も男同士が見たいなと思って。
──素敵な男性2人のデュエットとかは、男役経験者ならではの発想でもありますね。
安寿 (笑)綺麗な2人でしたでしょ? それに私が嫉妬するというのは、自分でもすごく面白いなと思いました。
──それを受けて児玉さんが具体化していったのですね。
安寿 すごかったですよ。私がプロデューサーと音楽監督にそういう話をしているそばで、ここで椅子を使おうとか、ばーっとメモを書き出していって。早いんです! 
児玉 出ないときは出ないんですけど、そのときはどんどんイメージが溢れてきて、次々に出てくるので、書かないと忘れてしまうと思って(笑)。

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一緒にものを作っていくうえで面白い人

──具体的にどんなことを思いつくのですか?
児玉 あの話で一番大事なのは、男性2人は喋らないけれど物語を進めていかないといけない。ですから女性が不自然じゃなく喋りながら物語を進めていく。そのために女性のシチュエーションが重要だなと。お金持ちで年下の夫に不安があって、浮気されるんじゃないかと思っていて、そういう人ならどういう行動に出るのか、その人の生きている環境などが具体的に浮かんでくるんです。
安寿 最後の結末も、私が考えたのとはまったく違う結末を持ってこられて、「あ、そっちのほうが絶対いいですね!」と。私の考えは女性が死ぬ形だったんです。でも「いや、相手を殺すほうがいいと思います」と。確かにそのほうがフランス的なんです。
──イメージが共有しやすかったわけですね?
安寿 一緒にものを作っていくうえで、これだけ面白い人はそうはいないなと思いました。すごく触発されて楽しかったです。ずっとメールで歌詞などもやりとりして。そういう私の発想を否定する人だとやりにくいし、全部受け入れてくれるとまた逆につまらないし。有り難いことに、受け入れてくれたうえで、これはどうですかと提示してくれるので。
──そういう作業留学経験も大きいですか?
児玉 それはありますね。留学前は色々用意してしまうほうだったんです。先にイメージを作って、お願いしますとスタッフや出演者の方に頼んでいました。でもそのやり方だと、作品限界が自分の中で止まってしまうんです。せっかく沢山の方と一緒に作れて、初めましての方も沢山いるなかで作る。そして自分だけのものではないので。カナダに行ったとき、色々な人が長い時間をかけて作っているのを見て、ものを作ることは色々な可能性を取り入れることだと学びました。沢山の人がアイデアを持ち寄るから、演出としてそれをまとめるのにすごく大変なこともありますが、でもそのほうが可能性が広がるんです。
安寿 そう思います。人それぞれ考えを持っている。そういう作り方だったから前回は作る過程もとても楽しかったんです。

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好きなシチュエーションが病院とか裏切りとか(笑)

──今回はドラマの部分は、シャンソンの「100万本のバラ」をモチーフにするそうですが。
安寿 「100万本のバラ」は絵描きが女優に恋をして、100万本のバラを贈る。でも女優は次の街へ行って、絵描きは取り残されるという話ですけど、その続きで相当ブラックですし、フランス女性の良いところも悪いところも前回よりさらに入ってます(笑)。
児玉 前回よりヘビーな内容です。でもそれを唐突に感じさせないように、歌って演じる安寿さんはとても大変だと思います。 
──そういう女性像はフランス好きの安寿さんの実感だそうですね。
安寿 フランス女性って、恋愛にしても生き方にしても、とにかく半端ないですし、強さは世界一だと思います(笑)。欲しいものは絶対手に入れるし。
児玉 私は留学先がフランス語圏のカナダのケベック州だったんですけど、そこではそんな強い女性というイメージがないんです。でもパリに行くと安寿さんが言うイメージはあります。今回の女性は具体的に言うならピアフかな?
安寿 ピアフより強いかも。
──そのイメージは安寿さんと重なる部分は?
安寿 (笑)私はここまではしないと思う。
児玉 違うからやりたいんでしょうね。
安寿 そうかもしれない。できないからやってみたい。
児玉 好きなシチュエーションを伺ったら、病院とか裏切りとか出てきて(笑)。
安寿 暗いことばっかり言ってましたね(笑)。それでおまかせしていたらアル中の女性になったんです(笑)。でも、ファンの方たちからは、「とうとう来ましたね」「やりましたね」というリアクションが多くて。なんなんでしょうね(笑)。

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2部の最初の曲は王道でお客さまに乗ってもらう

──今回出てくる曲は前回と違うものになるそうですね。
安寿 全部新しい曲です。本当にシャンソンって素敵な曲が多いんです。選びきれないくらいあるので。
──児玉さんは、改めて今回シャンソンと向き合っている面白さは?
児玉 宝塚では出せないようなドロドロしたところを出せるのが面白いですね。それに2回目というので色々探していくと、「あ、こんな曲もある!」という発見がすごくあって。
安寿 こういう面白い曲があるというのを、おこがましいですけど、もっともっとお客さまに教えてさしあげたくなる。そのへんのセレクトが児玉さんとはうまく合うんです。
──シャンソンにとくに惹かれる部分というのは?
児玉 私はフランス語をずっと続けていて、わかってくるとシャンソンの原詞が読めるんです。そうすると余計深さとかに惹かれますね。
安寿 私もやろうかな。ちゃんと原語で歌えれば楽しいでしょうね。
児玉 今でも発音、綺麗ですよ。
安寿 「パリの空の下」を8小節くらいだけ去年歌ったんですよね。いつかそれを全部歌うのを目標にして。
児玉 「愛の讃歌」とか原詞も似合うと思いますよ。
安寿 すごく習いたくなってきた(笑)。

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──こういう作品を手がけると、ショーをもっと作りたくなりませんか?
児玉 なりますね。原作ものの舞台を多く作っていますと、とらわれないで自由に作れるものをやってみたくなります。自由と言ってももちろんテーマとか物語とか、ベースに流れるものはあるというような。
安寿 ストーリーのあるショーっていいですよね。私もそういうの好きだから。
──今回の第2部のテーマ的なものは?
安寿 今年はフランスのジタンのイメージです。そのテイストで、知らない曲から始めようと思っていたんですけど、あるテレビ番組のあるシャンソンのライブでお客さまが乗っている姿を見て、やっぱりお客さまが乗りやすいものがいいなと。ですから最初の曲は王道でいきたいと言って変えてもらったんです。格好はジタンですが王道のシャンソンからはじめたいと。
児玉 そういう意見をどんどん言ってもらうのは、私としてもウエルカムなんです。安寿さんの経験に助けられるというか、選択に迷ったとき選んでくれたり。
安寿 勘なんですけどね(笑)。お客さまありきで、お客さまの観たいもの、聞きたいものはなんだろうと考えるので。ショーの頭の曲は、絶対に聞き覚えのあるもので始めたほうがいいなと思ったんです。

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可愛さと厳しさが安寿さんの魅力

──歌手としての安寿さんの魅力というのは?
安寿 歌手なんて言わないでください。シャンソン協会に怒られますよ(笑)。
児玉 女優さんだからいいんだと思うんです。シャンソンの1曲に詰まっているドラマを表現できる。私は美輪明宏さんが好きで、高校生の頃、渋谷にあったジァンジァンへも聴きに行ってたんです。その時、美輪さんの前に、まだ有名じゃないシャンソン歌手の方が歌うのですが、声が良いとか歌がうまい歌手の方もいるんですけど、美輪さんとは説得力が違うんです。
安寿 そういう説得力の違いは、シャンソンははっきり出ますよね。年齢でもないし、歌のうまさとも違う。あれは不思議だなと思います。すごいなと思った人は他に何を歌っているのか気になるし、聴きたくなる。
──その人そのものに惹かれる感じになるのでしょうね。
安寿 個人的にも興味を持つような感じになりますね。
児玉 だからピアフには惹かれるんだと思います。それにジャンヌ・モローとか、フランスの女優といえばアヌーク・エーメとか、何とも言えない魅力ですよね。女優さんが歌うのも好きなんです。
安寿 アヌーク・エーメは「男と女」ですね。すごく綺麗で素敵ですよね。歌の中に匂いを感じます。

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──宝塚時代には接点のなかったお二人ですが、一緒に仕事して改めての感想は?
児玉 安寿さんは年上なのに可愛いらしい方だなと。仕事はとても厳しい方だと思うので、いい意味で緊張感もあるのですが、それだけだとしんどいので、とても可愛い部分があるのでリラックスできるというか。
安寿 「可愛い」だけ太字で書いてください(笑)。
──もの作りへの厳しさがあるから、ここまで続けてこられたのでしょうね。
安寿 『FEMALE』を13回も続けてこれたのは、それがあるからかもしれませんね。
児玉 そして、これは違うという場合に、ただの否定ではなく、だったらこうしようという、つねに前向きな提案があるんです。
──そんなお二人に最後に意気込みを。
児玉 幸せなことにまた2回目をさせていただけるのは、前回観てくださったお客さまのおかげです。その方たちに喜んでいただき、いい意味で裏切れるような舞台にしたいと思っています。
安寿 すごく楽しみにしてくださっているという声が沢山聞こえてきて、ちょっとプレッシャーなのですが(笑)。でも一番楽しみにしているのが私だと思いますので、去年同様、それ以上に面白い舞台を観ていただけると思います。楽しみにしていらしてください。
 

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 安寿ミラ・児玉明子

あんじゅみら○長崎県出身。1980年に宝塚歌劇団で初舞台を踏み、92年花組トップスターに。95年『哀しみのコルドバ』『メガヴィジョン』で退団。女優として舞台を中心に活躍中。「ANJU」の名で自身のダンスアクト『FEMALE』の構成・演出をはじめ、宝塚歌劇団など舞台の振付を数多く手がけている。主な出演舞台は『グリークス』『マクベス』『アルジャーノンに花束を』『タイタニック』『グランドホテル』など。

こだまあきこ○東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業。在学中から宝塚歌劇団の演出助手となり、98年に宝塚バウホール花組公演『Endless Love』で演出家デビュー。10年に文化庁の新進芸術家海外研修制度でカナダへ留学。13年5月に宝塚歌劇団を退団。以来、『女海賊ビアンカ』、『La Vie―彼女が描く、絵の世界』、ライブ・スペクタクル『NARUTO―ナルト―』、『la vie d’amour〜シャンソンに誘われて〜、舞台『GOKU』、ライブ・ファンタジー『FAIRY TAIL』、VOCE CONCERTO『GALAXY DREAM』など。



〈公演情報〉
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『la vie d’amour 2016』
〜シャンソンに誘われて〜
監修◇酒井澄夫 
構成・演出◇児玉明子
出演◇安寿ミラ/神谷直樹 中塚皓平
●12/2〜4◎草月ホール
〈料金〉8,800円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉キョードー東京 0570-550-799(平日11:00〜18:00、土日祝10:00〜18:00)
http://www.kyodotokyo.com/la_vie_d'_amour2016





【取材・文/榊原和子 撮影/岩田えり】




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シャンソン・コンサート第2弾『la vie d’amour2016 〜シャンソンに誘われて〜』安寿ミラ インタビュー

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昨年11月、長いキャリアの中でも初めてというシャンソン・コンサート『la vie d’amour』に挑戦した安寿ミラ。好評を受けて、シリーズ2作目とも言うべき『la vie d’amour2016 〜シャンソンに誘われて〜』を、今年12月2日から4日まで青山の草月ホールで上演することになった。

出身の宝塚歌劇団で身につけたパリの香りとエレガンスは、シャンソンに世界によく似合う。キャッチコピーの「錆色の魅惑の声」で、再び挑むシャンソンの世界。そのコンサートにかける想いを安寿ミラに聞いた「えんぶ」11月号の記事を別バージョンの写真とともにご紹介。

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人間のドラマが描かれている曲ばかり

──昨年のコンサートは、1部がドラマ仕立て、2部がショーという構成で変化もあり、観ごたえがありました。
嬉しいことに観てくださったお客様にも面白かったと言っていただきました。1部の物語もシャンソンの世界だからこそ出来上がったようなもので、ちょっと大人のドロドロの愛の話でしたが、演じていても楽しかったです。
──シャンソンならではの苦みもある話でしたね。
歌詞を変えたりせずに、そのまま全部あの話にあてはまったのがシャンソンのすごさですね。人間のドラマが描かれている曲ばかりで、まさにシャンソンの持つ魔力だなと思いました。
──そして2部のショーで一気に楽しく華やかな世界になりました。
お客様をドロドロのまま帰すわけにはいかないので(笑)。ダンスアクトの『FEMALE』シリーズもそうなのですが、お客様には最終的には笑顔になって帰っていただきたいという思いがあって。私が宝塚出身だからかもしれませんが、劇場では現実を忘れていただきたいと思っているんです。
──今年の劇中ドラマはどうなりますか?
演出の児玉(明子)さんが相当おもしろい物語を考えてくれています。フランス女性の強さとか激しさとか甘さとか、全部がミックスしたようなテイストなんですが、児玉さんはカナダに留学していた経験もあるので、それが生きていると思います。ドラマのモチーフになる曲は「百万本のバラ」で、あの曲だけでも十分に物語が成立するのですが、それを裏切って、最後に「そうなんだ!」というものになると思います。

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声だけで人間とか人生が演じられるすごさ

──今年は何曲くらい歌うことになりますか?
1部2部合わせて全部で22、23曲くらいになります。昨年と違う曲ばかりですからそれだけでも覚えるのに大変なのですが、シャンソンは1曲1曲にドラマがありますから、すごくエネルギーを取られるんです。いわば芝居を20何本やるようなもので、1公演終わるとぐったりという状態で、ダンス公演よりきついですね。
──色々な人生を生きるということですね。
でもそのぶん、シャンソン歌手の人って、すごく楽しい職業なんだろうなと思うんです。芝居ではなく声だけで人間とか人生が演じられる。聴く方はその3分間で世界を見るわけじゃないですか。私もこのシリーズのおかげで、声だけで歌だけで演じる面白さが、少しだけわかった気がするのでよかったなと思います。
──それだけに年輪とか経験がそのまま映し出される世界なのでしょうね。
ジュリエット・グレコさん、あの方の公演を聴きに行ったら、歌っているというより喋っているんです。ピアノにつかまってずっと喋っているだけなんですが、それが素晴らしくて、彼女の人生が伝わってきて、これがシャンソンなんだと思いました。私はエディット・ピアフを演じたことでシャンソンと出会ったのですが、あの公演がなかったら、多分出会っていなかった。でも今はこうしてコンサートで色々な曲に出会えて、大嫌いだった自分の声も(笑)シャンソンだったらそんなに悪くないじゃない?と思えるので、有り難いです。今年もまたこうして、シャンソンへの挑戦をさせていただけるのですから、素敵な世界をお届けできるようにがんばります。

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あんじゅみら○長崎県出身。1980年に宝塚歌劇団で初舞台を踏み、92年花組トップスターに。95年『哀しみのコルドバ』『メガヴィジョン』で退団。女優として舞台を中心に活躍中。「ANJU」の名で自身のダンスアクト『FEMALE』の構成・演出をはじめ、宝塚歌劇団など舞台の振付を数多く手がけている。主な出演舞台は『グリークス』『マクベス』『アルジャーノンに花束を』『タイタニック』『グランドホテル』など。

※構成・演出の児玉明子と安寿ミラの対談も近日公開します。お楽しみに! 


〈公演情報〉
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『la vie d’amour 2016』
〜シャンソンに誘われて〜
監修◇酒井澄夫 
構成・演出◇児玉明子
出演◇安寿ミラ/神谷直樹 中塚皓平
●12/2〜4◎草月ホール
〈料金〉8,800円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉キョードー東京 0570-550-799(平日11:00〜18:00、土日祝10:00〜18:00)
〈公式HP〉http://www.kyodotokyo.com/d-amore





【取材・文/吉田ユキ 撮影/安川啓太】




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明治座公演『祇園の姉妹』ただ今上演中! 檀れいインタビュー

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巨匠・溝口健二監督の名作映画『祇園の姉妹(きょうだい)』が、11月明治座公演として上演中である。(27日まで)
昭和11年の溝口監督のヒット映画を原作に、京都の花街、祇園で生きる梅吉とおもちゃという芸妓の姉妹を通して、華やかな花街で生きる女性たちの愛と生き方が描かれる作品だ。
姉の梅吉には初舞台から25周年を迎え、3年ぶりの舞台を務める檀れい。妹おもちゃにはこれが舞台初出演の剛力彩芽。さらに松平健、山本陽子をはじめ実力派共演陣が支える豪華顔合わせの作品だ。
この作品について、檀れいに語ってくれた「えんぶ」12月号の記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。
 

10年前に出会っていた溝口映画の世界
 

──明治座に初出演で、さらに檀さんにとって今年は25周年になるそうですね。
そうなんです。25周年のことは、自分の中でだけ何か記念になることができればと思っていたところに、このお話を頂いて。舞台は私の原点でもありますので、初心にかえってやらせて頂こうと思いました。
──『祇園の姉妹』は溝口監督の名作ですが、映画はご覧になりましたか?
たまたま観ていました。宝塚を退団して、まず映画のお仕事をさせていただいて、そこで映像、映画というものに今まで以上に興味をもったときに、溝口健二監督の映画特集が単館で上映されていて、勉強のために毎日、映画館に通っていたんです。そのとき『祇園の姉妹』も観ておりました。それから10年近く経って、自分が舞台で演じる機会を頂けたことは、本当に嬉しい驚きでした。
──映画の印象はいかがでしたか?
宝塚を退団するとき、銀幕の世界に行ってみたいと何かの取材でお話ししたことがあって、『祇園の姉妹』を観たとき、まさにその世界があると。女優さんが美しくて、姿かたちだけでなく生き方の凛とした美しさが、スクリーンを通して滲み出て、「素敵な映画だな、素敵な女優さんだな」と感動したのを覚えています。
――演じる梅吉という役についはどう捉えていますか?
たおやかで、情に篤く義理堅い、受けた恩はきちんと返す人。自分を押し出さないけれど、祇園で生きていく強さを持っていて、静かななかにも華やかさがある人だと思います。
──檀さんは日本女性の美しさと芯の強さを出せる女優さんとして定評がありますが、ご自身にもぶれない芯を感じます。
(笑)それはあるかもしれませんね。仕事に対してなのか、生き方なのか、自分の中に曲げられないものはあって、そこは梅吉と共通していますね(笑)。


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妹に振り回される姉、それがこの作品の面白さ

──妹のおもちゃ役の剛力彩芽さんとは初共演になりますね?
映像で見る印象は、元気で溌剌としているイメージが強い方なので、おもちゃのチャキチャキしたところがうまく出るのではないかと思います。おもちゃは現実主義で、梅吉にしたら想像を絶するような過激なことを考えていて、それに振り回されますが、でもそこが作品の面白さでもあると思います。
――そして相手役の新兵衛は松平健さんで、頼りない大店のご主人役という役は珍しいのですが、意外と似合いそうですね。
こういう松平さんは拝見したことがないですよね(笑)。新兵衛さんは優しい人で、義太夫ばかり唸っていたり、お汁粉屋さんをやろうかなとか呑気で(笑)、それが作品をほっこりもさせてくれます。世話になった恩というのもありますが、彼のそういう可愛らしさが、放っておけない理由なのかなと思います。
──80年前の作品ですが、女性の生き方や姉妹の関係など、現代に通じる部分も多いですね。改めてお客さまに伝えたいことはありますか?
以前は「こういうメッセージを」という思いもありましたが、今はせっかく来てくださるのだから、劇場にいる間、日常を忘れて夢見心地の時間を楽しんで頂きたいという気持ちが大きいです。25周年のグッズなども考えたりと私自身この公演を楽しみにしていて、舞台も幕間も、丸ごと楽しんで頂けるものにしていきたいと思っています。ぜひお運びください。


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だんれい〇92年に宝塚歌劇団入団。99年より月組トップ娘役、03年より星組トップ娘役を務め、05年に『長崎しぐれ坂/ソウル・オブ・シバ!』で退団。06年に映画『武士の一分』のヒロイン役で鮮烈なデビューを果たし、第30回日本アカデミー優秀主演女優賞・新人俳優賞、第44回ゴールデンアロー賞ほか受賞多数。以後、映像・舞台を問わず活躍中。

※この公演の舞台レビューはこちら
http://takarazuka-j.blog.jp/archives/1872214.html

〈公演情報〉
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原作◇溝口健二
脚本◇依田義賢
潤色◇堀越真
演出◇丹野郁弓
出演◇檀れい、剛力彩芽、松平健、葛山信吾、山本陽子 他
●11/4〜27◎明治座
〈料金〉 S席12,000円 A席8,500円 B席6,000円(全席指定・税込)
〈お問い合せ〉明治座チケットセンター 03-3666-6666(10:00〜17:00)



【文/内河 文 撮影/岩田えり】




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エンデの絵本を小野寺修二が舞台化!『オフェリアと影の一座』 彩吹真央・彩乃かなみ インタビュー

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ドイツの児童文学作家で、『モモ』や『はてしない物語』などで日本でもよく知られているミヒャエル・エンデ。そのエンデの絵本『オフェリアと影の一座』をもとにした同名の舞台が、11月から12月にかけて新潟、東京、兵庫で上演される。
主人公は小さな声で囁くプロンプターのオフェリア。劇場が閉鎖になってしまったことから、オフェリアは集まってきた「影」たちと一座を組んで旅をする──。
演出は新たな身体表現で演劇の可能性を切り拓いている小野寺修二、オフェリア役には白石加代子が扮する。また「影」たちに、旺なつき、彩吹真央、彩乃かなみ、真瀬はるかなど、宝塚OGたちが出演するのも大きな話題だ。そんな多彩なキャストの中から、彩吹真央と彩乃かなみに、作品のこと、宝塚で一緒だった時代などを語り合ってもらった。

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小野寺さんのワークショップを経験して

──エンデの『オフェリアと影の一座』をもとに作られる舞台ですが、この絵本については?
彩吹 こういう本があるということは知っていたのですが、内容については詳しく知らなかったんです。今回出演させていただくことになって改めて読んでみましたら、劇場とか演劇が出てくるお話で、哲学的で、人生についてすごく深く書いてあって、こんな面白い本だったんだと思いました。
彩乃 私は今回初めて知りました。どんなふうにも解釈できるし、読む人によって映る世界も違うような、そしてどこを切り取っても考えさせられる本だなと思います。今回は身体表現で見せる部分も多いと伺っていますので、どのように小野寺(修二)さんが演出してくださるのか楽しみです。
──小野寺さんの世界についてはどんな印象が?
彩吹 すでに1度、ワークショップを受けさせていただいて、とても面白かったのですが、難しくもあって。動きが表現する世界観には引き込まれましたし、それが何を表しているのか理解しようとするために、すごく集中力が必要だなと思いました。たとえば空とか海とかわかりやすいものを表現しているのなら簡単なのですが、もっと抽象的な世界なので。私たちもあるテーマを与えられて、「自由に動いてください」「自由にやってください」と言われたのですが、その自由がこんなに怖いものかと。
彩乃 怖かったですねえ(笑)。
彩吹 でも、宝塚時代から稽古場でしかチャレンジはできないと思っていましたし、恥をかけるのは稽古場だけなので、間違ってもいいから思い切りやろうと。とくに今回のようなワークショップは、私たちはゼロからの出発でしたから、恥ずかしいとか言っている場合ではないので、直感で感じたままを素直に出すことを心がけました。
彩乃 私もまったくゼロのわからないところからでしたから、戸惑いながらもとにかくやらねばという感じで。台詞があってそれをもとに何かを生み出すのでしたら、それまで培ったものが生かせるのですが、本当に自由な発想で動いていくので。でもそのギリギリのひりひり感も含めて、ユミコさん(彩吹)と「おもしろいー!」と。
彩吹 楽しいねーって。
彩乃 もっとやってほしい!と(笑)。

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「相手を思いやる気持ち」が基本だから

──ワークショップから沢山刺激を得たようですね。
彩吹 新しい作品とか新しい役とかに出会う楽しさと一緒で、自分の知らない自分に会えるので。
彩乃 会えましたね。それから、長くレッスンをしていらっしゃる方も交えて、ペアになっての動きもあって、それも面白かったです。
彩吹 1対1で鏡に映っている状態で、初めは同じ動きをしていて、パンと手を叩いたらお互いの動きを逆にするとか。要は相手を感じながら動きをシンクロさせていくわけです。とても根本的な「相手を思いやる気持ち」という、踊りにしろ歌にしろ芝居にしろ一番大事なことに繋がる、基本的な部分を教えていただいたと思います。
彩乃 本当にそうです。お芝居をしてきた経験から、つい顔とか表情で感情表現してしまおうとするのですが、体の動きだけでそれを伝えるという、基本的なことを教えていただきました。
彩吹 面白かったのは、2人とか3人ずつで動きを見せていく中で、動いている人の舞台上でのクセみたいなものも見えるんです。たとえば歩き方とか、体のどこに力が入るとか、それは欠点ということではなく、メリットになることもあると思いますが、そういうクセみたいなものは、きっと自分にもあるだろうなと。そういうふうに自分自身をブラッシュアップできる機会がそうはないので、この作品で小野寺さんと出会えたことは、私にとっても、ミホコ(彩乃)や真瀬にとって大きな意味があると思います。

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オフェリアという老女の中にある神聖なもの

──この作品は宝塚OGの方たちも含めて、とても多彩なメンバーですね。
彩吹 まず白石加代子さんという素晴らしい女優さん、そして旺なつきさんという宝塚の大先輩とご一緒にできることが光栄ですし、さらに舘形(比呂一)さんやフィリップ・エマールさんという優れたパフォーマーの方々とご一緒できることに、とてもワクワクしています。
彩乃 私はそういう方々の中に、自分が入らせていただけることが信じられないくらい幸せで、とても光栄ですし、この公演は自分にとって宝になると思っています。
──設定もとても面白くて、白石加代子さんのオフェリアは、声が小さくてプロンプターにならざるを得なかった女性で、演劇好きなら引き込まれますね。
彩吹 まさに大人の絵本ですよね。もちろんお子さんたちにも読んでほしいと思いますが、大人が向き合わなくてはいけない人生についての話が深く書かれていて、オフェリアという長く生きてきた女性の想いや感情は、きっと観ている方々の心に届くのではないかと思います。
彩乃 そのオフェリアの中にある神聖なもの、それをわかっている存在が「影」なんですよね。「影」というとついネガティブなイメージに捉えがちですが、追いやられてしまうものの中にある大事なもの、みんなが美しいと思っていないものの中にある輝いているもの、そういうものを表しているのかなと。表面だけでは判断できないそういうものは、大人になるほどに理解できるもので、まだ私もそんなに理解しきれていないのですが、そういう深さをこの絵本から感じます。

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劇中劇で演じる『トゥーランドット』

──オフェリアの物語を外枠に劇中劇が演じられますが、その1つが『トゥーランドット』で、彩吹さんと彩乃さんが演じるのですね。
彩乃 私は『トゥーランドット』とはご縁があって、宝塚時代に有り難いことに3人の女性を演じさせていただきました。最初はタマラ、オペラではリューという名で、今回は真瀬さんがやる召使の役、新人公演ではトゥーランドットを、そして博多座公演ではアデルマという他国の王女を演じたんです。そんなに色々な役を演じさせていただいた作品と、またここにきて出会えるというのは本当に不思議ですし、目に見えない力に導かれている想いさえします。
──彩吹さんはカラフ役ということで、男役を久しぶりに演じますね。
彩吹 男役の前に音符をどうにかしないといけなくて(笑)。
彩乃 音符が本当に難しいんですよね!
彩吹 いわば劇中でオペラをやるようなものですから。もちろん劇中劇で「影」たちが演じるということで多少ファンタジーにはなっていますが、やはり原作オペラの素晴らしさはきちんと伝えないといけないので。しかもあの有名な曲を歌うんです。
──彩吹さんの「誰も寝てはならぬ」が聴けるんですね?
彩吹 そうなんです。でも本当に難しい曲で、宝塚時代もけっこう難しい歌を歌わせていただいていたのですが、音取りの苦労が蘇ります(笑)。
彩乃 大抵の曲は譜面を何回か見たらなんとかなるのに、このオペラは本当に難しいですよね。
彩吹 プッチーニさんはなぜこんなに難しい曲を書いたのかと(笑)。でも素晴らしい曲ばかりなので、ミホコと真瀬と一緒にがんばります。

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密度の濃い時間を過ごしてきた仲

──このへんで宝塚時代のお話も伺いたいのですが、花組で1999年から2001年の半ばまで、約2年半一緒でしたね。
彩乃 そんなに短い期間とは思えないくらい、ユミコさんは沢山お世話になった記憶があるんです。新人公演とかバウ公演とか、とにかくさんざんご迷惑をおかけしたことしか覚えてなくて(笑)。
彩吹 ミホコは初舞台の時から知ってて。
彩乃 そうなんですよね! 雪組の『仮面のロマネスク』が初舞台でした。
彩吹 私は当時雪組で、そのときから注目していたし、私が花組に組替えで行ったらもうどんどん抜擢されてて、でも当然だなと。
彩乃 ユミコさんこそ本当の意味での優等生で、何でもお出来になる方で、組のその学年で成績が良い方は、同期だけでなく下級生もまとめなくてはいけないのですが、ユミコさんは意見をきちんと厳しく言われる中にも優しさが滲み出ていて、お人柄を感じました。
彩吹 私はミホコのジュリエットが大好きだった。
彩乃 えーっ!あのジュリエットですか?(笑)
彩吹 確かに丸かったけど(笑)、それは若さの良さでもあるので。花組では本当に色々な役をさせていただいたし、それぞれに思い出があるけれど、『ロミオとジュリエット’99』は本当に大好きな作品で、曲も役柄もそれぞれ出演者にマッチしていたし、マーキューシオもすごく好きな役だったので、自分にとっても印象深い作品なんです。
彩乃 あの作品は稽古場でもみんなの集中度がすごかったので、長い期間一緒にいたという感覚があるのかもしれませんね。それも含めてユミコさんとはすごく密度の濃い時間をご一緒したんだなと思います。でも、その集約された時間を振り返って思うのは、やっぱりユミコさんのすごさで、いつも相手のことや全体を俯瞰して見ていらっしゃって、さりげなくポンと大事なことを言ってくださったり、相手に負担にならないようにサッと手を差し伸べてくださったり。
彩吹 さっきからポンとかサッとか擬音が多いんだけど(笑)。
彩乃 (笑)でも本当に助けていただいたという記憶ばっかりです。
──そんなお二人が退団後はじめて共演するわけですが、最後にお互いにエールを。
彩吹 宝塚をやめて、もう7年目になるんです。辞めたばかりの頃は、まだ女性になって何年目でーす(笑)とか、新人ぶっていられたのですが、もうそんなことも言っていられませんので、今回共演するのを良い機会に、彩乃かなみさんからいっぱい女性らしさを学ばせていただこうと思っています。
彩乃 やめてください!(笑)
彩吹 それから、宝塚のOGが普通の公演でこんなに揃うことは珍しいと思いますので、お客さまもぜひそこをお楽しみにいらしてください。
彩乃 ユミコさんとは退団後、オフではお会いする機会もあったのですが、お仕事をご一緒にできるのは初めてで、本当に嬉しいです。とくにこんな素敵な作品でご一緒できることは光栄ですので、この機会を大切に。そしてエンデの絵本の素晴らしい世界を皆様にお届けできるようにしっかり務めたいと思っています。

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彩乃かなみ・彩吹真央

あやぶきまお○大阪府出身。94年宝塚歌劇団に入団、10年に同歌劇団を退団。退団後も女優としてミュージカルを中心に活動。最近の主な舞台は『ラブ・ネバー・ダイ』、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』、『Argentango  DANCE LEGEND vol.2』、ミュージカル『道化の瞳』、SHOW-ism 次悒罐ぅ奪函拑命畤娠LIVE 2015『The woman Y』、舞台『アドルフに告ぐ』、『End of the RAINBOW』(初演・再演)、『THE Sparkling Voice ー10人の貴公子たちー』、〜崩壊シリーズ〜『九条丸家の殺人事件』、ミュージカル『キム・ジョンウク探し〜あなたの初恋探します〜』、映像はフジテレビ『女性作家ミステリーズ美しき三つの嘘』第1話「ムーンストーン」など。


あやのかなみ○群馬県出身。97年宝塚歌劇団に入団、05年に月組のトップ娘役に就任、08年『MEAND MY GIRL』で退団。以降、女優として活躍中。最近の主な舞台は、ミュージカル『天翔ける風に』、ミュージカル『ひめゆり』、TAKARAZUKA WAY TO 100th ANNIVERSARY『DREAM, A DREAM』、『ONE-HEART MUSICAL FESTIVAL 2013夏』、ミュージカル『何処へ行く』、『セレブレーション100! 宝塚』、『マホロバ』、『SUPER GIFT』、『クリエンターレ!』、『夜の姉妹』、ロシア文化フェスティバル2016『バレエ ガラ 夢 コンサート 2016』 など。


〈公演情報〉

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りゅーとぴあプロデュース
『オフェリアと影の一座』
原作◇ミヒャエル・エンデ(岩波書店刊)
上演台本◇笹部博司
演出◇小野寺修二
出演◇白石加代子/旺なつき、彩吹真央、彩乃かなみ、真瀬はるか、舘形比呂一、フィリップ・エマール 他
●11/26、27◎りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
〈料金〉7,000円 U25シート2,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉りゅーとぴあチケット専用ダイヤル 025-224-5521(11:00〜19:00 休館日を除く)
●11/30〜12/4◎東京芸術劇場 プレイハウス
〈料金〉S席7,500円  A席6,500円  U25シート2,500円  高校生割引1,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296(10:00〜19:00 休館日を除く) 
●12/6、7◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール 
〈料金〉A席5,500円 B席3,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255(10:00〜17:00/月曜休み)




【取材・文/榊原和子 撮影/アラカワヤスコ 彩乃かなみ衣装:Hanako】

 


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ダンサーを通り越したエンターテイナーたちの新たな挑戦の舞台! Entertainment Dance Performance Show『BOLERO』東山義久・風花舞・星奈優里・原田薫 座談会

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2013年のシリーズ第1作に続き、第2作Entertainment Dance Performance Show『BOLERO 2016 −モザイクの夢−』が、11月2日から6日まで銀河劇場で上演される。BOLERO シリーズを熱い思いで立ち上げた東山義久と、初参加の風花舞、星奈優里、振付も担当する原田薫の4人の楽しく熱い座談会を、稽古場写真とともにお届けする。

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東山義久、原田薫、星奈優里、風花舞
 
BAR BOLEROに集まる人々の人間模様

──東山さんは女性メンバーの皆さんにどんなことを期待していますか?
東山 星奈さんとは『シェルブールの雨傘』『CLUB SEVEN』に続いて3回目の共演です。宝塚を卒業されてからも精力的にダンス公演にも出演されているんだなと拝見していました。今回は、風花舞さん、星奈さん、原田さんと、辻本(知彦)くん、島地(保武)くん、僕の6人が中心メンバーで、星奈さんは僕の相手役と言いますか。
星奈 関係が濃いというか、関わり合うことが多いんです。
東山 この作品は、お互いの夢や、超えていけない壁がテーマ。BAR BOLEROに集まってくる人々の人間模様が色々と交錯していきます。それぞれがそれぞれの壁を乗り越えるために助けてくれたり、助けなかったり…という感じです。僕の役どころは人を愛すことが出来なくなっていて、「好きな人をなくすことが怖いから」という壁があり、「好きな人を得て一緒に暮らしたい」という夢がある。その僕の相手役「Y」が星奈さんです。
──「Y」という役名なのですか?
東山 女性メンバーの役名は名前のイニシャルで、星奈さんが「Y」、風花さんが「M」、原田さんが「K」です。星奈さんとは何年ぶりかに共演させて頂くので、緊張していたんですが、僕にとってのキーパーソンのひとりなんです。普段、僕はあまり女性と組んで踊ることがないので、そこは少しリードしてもらいながら(笑)。
──星奈さんがリードするのですか!?
星奈 しません(笑)。無理です(笑)。
東山 女性だから細いし、力がないから、乱暴になってしまうんじゃないかと心配ですが、優しくできるように頑張ります。
星奈 振り回していただけるように頑張ります。  

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東山 風花さんとも3回目の共演です。『CLUB SEVEN』と『夏の夜のロミオとジュリエット』以来、本当に久しぶりで、10年近く経つんじゃないでしょうか。風花さんは全部出来るんですよね。
風花 え!?
東山 歌も、お芝居も。そのなかでもダンスに特化している方なのかなと思っています。『CLUB SEVEN』のときも、妖怪と町娘のような役で。
風花 ロミジュリのような悲恋だったんですよ。
東山 結ばれないという役が多かったですね。
──今回はどんな?
風花 全く関係がない…。
全員 (笑)。
東山 関係がないことはないんだけれどね(笑)。お花畑が咲いているような感じの役なんですよ。
風花 私自身が誰とも関係がない役なんですよ。一応恋人はいて、相手役は島地さんなのですが、私は違う世界に生きているので、本当に他の人のことを見ていないですし、自分のことだけを考えていていい役なんです。
東山 風花さんはご自分で教えもされていたり、精力的に色々なことを、舞台人ではないところでもされていると伺っています。稽古場で見ても、僕がいうのも恐縮ですが、お上手になっていて、すごくラインが美しくて。まだ成長されるんだと刺激を受けています。
風花 ありがとうございます。

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東山 薫さんとはダンスを始めた頃からの付き合いですよね。23歳だったかな、『DECADANCE』でご一緒しました。今回振付で入ってくれる木下菜津子さんとふたりで銀河劇場の上手袖に体育座りをして、薫さんとYOUYAさんがふたりで「ハバネラ」を踊るのを見ていたんです。あれから共演はしていなかったですよね?
原田 そうですね。
東山 その後、『DANCE SYMPHONY』という企画があり、ほぼ毎回参加して頂きました。僕のソロの振付をして頂いたりしましたね。前回の『BOLERO』でも最後の大団円のところのBOLEROの振付をしてくださいました。振付としての関わりはたくさんあったのですが、今回まさか一緒にやらせて頂けるとは思っていなかったので、頼もしいというか、大丈夫だなと思っています。
──満を持してという感じですね。
東山 そうですね!また勉強させて頂いています。
原田 いやいやいや…。
東山 すごく楽しみにしています。

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どちらかというといつもとは逆の役

──前回の『BOLERO』は皆さんご覧になっていますか?
原田 私は振付で入らせて頂きました。
風花・星奈 残念ながら拝見していないんです。
──今回キャストとして参加されてどんな印象を持っていますか?
原田 前回とは全く違う作品になっています。それぞれに役があり、風花さん、星奈さんとは、振付で関わったことはあるんですが、共演させて頂くのははじめてです。色んな曲や役で踊っていらっしゃるのを拝見していましたが、台本を見て、すごくぴったりの役だなと思いました。演出の小林(香)さんもおふたりのことを思って書いた役なんだろうなと思います。 風花さんが、最初のナンバーのときに、居方がもうすでにその役になりきっていて本当にびっくりして!
全員 (笑)。
星奈 いっちゃってるのね(笑)。
原田 座っている姿が、もう完全に入りきっちゃってるなって。ぴったりだなと思いました。星奈さんは、いつもは組んで踊るときも、一歩引いて踊っていらっしゃる感じで、今回の役は逆。新しい感じが見れるんじゃないかなと。
星奈 そうですね。今までにはあまりなかったかもしれないですね。(小林)香さんが「やったことないですよね」という楽しそうな目で見てくるんですよ。どういう風に仕上がるだろうかと楽しみです。

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風花
 私は台本を読んだときにこれは大変だと思いました。妄想の国でずっと生きていたいという心疾患を煩っている役なんです。ところが、私自身が目の前の現実をみて、常にその先を考えて生きるようなタイプなんです(笑)。
全員 (笑)。
風花 だから「しまった!この気持ちが理解できない」って。(星奈さんに)「ね!?」
星奈 私に振られても(笑)。今まででも一緒に出ることが多かったですが、確かにいつもはどちらかというと、逆の役が多いよね。
風花 求められるのが逆だよね。私が強くて、ゆりちゃん(星奈)がふわっとしてる。
星奈 最初は逆にしようと言っていても、作っているうちに結局そうなってしまうことが多かったですね。
風花 香さんがそれを変えてくださろうとしていて、「実は内面は逆なのではないか」とおっしゃって。でも、私の内面とは違うしどうしようと…。今まで自分の意志をすごく強く持っている人や、意思を見せる役柄ばかりやってきたので、出さないという人の感情の切り替えが難しくて。ダンスのダメ出しではなく、芝居のダメだしばかりされています。「その目の動きはそうじゃなくて」「入っていく感じがそうではなくて」とか、自分が思っていることと真逆のことを言われるので、真逆でやればいいのかと。もう、すごく頑張っているんです。 
全員 (笑)。
原田 私は素晴らしいと思って感心しました。

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風花 ダンス公演なのに、全然踊りのことを考えられないです(苦笑)。役柄で踊らないといけないので、同じ振りを踊っても、同じように踊る人は多分いない。そこが確立しないといけないですね。きちんと自分の内面を自分でわかっていないと、いつもの踊りになってしまうなと。
──また強い方に行ってしまう?
風花 そうなんです。だから、振りもちゃんとやらなければいけないんですが、私の今回の仕事は、内面を振りに通せるようにしたいと思っています。
──いつもと反対の役柄という点で、星奈さんはうまくいっていますか?
東山 ダメ出しで「人が良さげ、おおらかすぎる」と言われてましたよね。
星奈 「元々の雰囲気がおおらかな感じなので、もうちょっと違う方向で」と、絶妙なタイミングで言われて、しばらく笑いが止まらなかったんです。さすが演出家、すごいところに来るなと思いました。すぐに東山さんに言ったら大爆笑して(笑)。
──東山さんは感じていましたか?
東山 (笑)。
星奈 「不思議ちゃんやもんな」と(笑)。
東山 まだ作りながらやっている最中だから、振りも覚えなければいけないですし、役のことはとりあえず家に帰って…と思ったりするじゃないですか。とりあえずスケッチで動きだけ作ろうよという風にやるのかなと思っていたら、同時進行でやらなければいけなくて。結局そういう風にやらないと、スケッチも作れないんですよね。自分もダンス公演をやっているつもりはなかったんですが、歌と芝居がないということではどちらかというとダンス公演だという感覚でしたが、僕らが作りたい、目指したいものは違ったなと。前回の『BOLERO』とも違いますね。

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スペインの女性になってしまった!

──原田さんはどういう役ですか?
原田 ジプシーで、3姉弟の長女です。一番下の弟が病気で、今にも死にそうな弟を抱え、その弟の手術代を稼ぐために踊っているんです。
──上の弟は?
原田 元気です!
全員 (爆笑)。
東山 ピンピンしてます!稽古場で一番ピンピンしてます(笑)。
──それはどなたがされるんですか?
原田 辻本くん。
──病気の方は?
原田 (長澤)風海くんですね。
──なるほど。とてもイメージが湧きました。
原田 私たちは姉弟の絆がテーマになっています。
 
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──ジプシーで踊っているというのは、BAR BOLEROで踊っていて、集った皆さんがご覧になっているんですね?
原田 そうです。でも、なかなか相手にされないんですよね。ジプシーは下の下の人間なので。
東山 普段はトップオブトップでいらっしゃいます。そのギャップは女優心をくすぐるんじゃない?
原田 もう必死ですよ!
風花 ちょっとスカートをさばいただけで、後ろに背景が見えるというか。
東山 スペインの女性になってしまってます。 
──『FLAMENCO CAFE DEL GATO』から続いていますね。
原田 役に立ったかなと思います。

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男性ダンサーは本当に美しい

──お話を伺っていて、皆さんがリスペクトし合っていると感じますが、今回ご一緒されるにあたって、特に楽しみにしていることや、期待していることはありますか?
星奈 稽古場で見ているだけで楽しくてワクワクします。自分が出ているシーンでも、他の人が動いている空気感や躍動感がものすごいなと。DIAMOND☆DOGSの公演でも拝見しているんですが、客席でみるのと、稽古場で空気を感じるのは全然違いますね。お客様にもあの空気感を感じて頂けるだろうなと。すごく楽しいです。
原田 ダンス公演ですが、お芝居がメインになっていて、それぞれの役柄があるので、同じ躍りでもそれぞれの役を通して踊ると、全く違う踊り方になってくるだろうし、どうやって色づけされていくのかすごく楽しみです。振りがついてから気持ちと擦り合わせる作業も出てきて、ナンバーが出来上がってから、そこからの色づけが大変な作業になってくると思いますので、皆さんがどういう風に作っていくのか楽しみですね。相手によって変わることもあるでしょうし、皆で作っていけたらと思います。
風花 場面ごとにはそのつもりでやっていても、最後までやってみるとがらっと変わる部分が自分の中にも、皆さんとやる中にもあると思います。練り直す作業が楽しみですね。今回初めてご一緒させて頂く方も多くて、辻本さんと島地さんが2人でずっと踊っているんですよ。組体操みたいな感じでずーっと何かしているんです。なぜずっと動いているのか聞いてみたら、辻本さんが「動きのなかで新たな、誰もやったことがない体の動きが見えたりする」と。ただ遊んでいるんじゃないんだなと。
全員 (笑)。

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風花 ずっと見ていようと思って。そういうことをやってきた経験がないんですね。宝塚は時間も決められていますし、振りもすべて先生方が作って、この時間で覚えてという感じなので。時間がないから直しもしない。でも、ちゃんとパターンがあるから、完璧に一度で出来てしまうんです。オリジナルで一からいろんなジャンルの方が集まったカンパニーでは、一度やってみたけれどこっちの方がいいということもたくさんあるので、そういう時間が持てるのもすごく楽しいなと思います。宝塚には宝塚の良さと、作っていくシステムの素晴らしさがありますが、外に出てみるとまた違った稽古場が見れるというのも、すごく楽しいです。
──星奈さんはそういう感覚ありますか?
星奈 感じますね。音も私たちは決まった音のなかでやるのですが、伸ばそう、縮めよう、新しいものを加えようとする。さらに、もしかしたら踊っていて、ここにいるはずの人がいないかもしれないという事態とか、考えられないんですけれど自由だなと。自分は小心者だから、同じように出来る気はしないのですが、自由っていいなと思いながら、そういう人を見ているだけで自分も自由になれそうな気がして楽しいです。美しい動物たちみたいだなと思って見ています。私は女性とばかり踊ることが多いですが、今回、男の人って美しいなと思いました。筋肉や呼吸などが綺麗だなと。日常生活で男の人の美しさを再認識することってあまりないので、やっぱり男性ダンサーは本当に美しいなと。その美しい動物たちが、まるでお互いの匂いを嗅ぎ合うかのようにどんどん変化していくのが、すごく面白いです。
──今のお話を聞いて、東山さんいかがですか?
東山 僕のことじゃないと思いますが…。
星奈 僕のことですよ!
全員 (笑)。

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東山
 今回は色々な面がありまして、もちろん1回目に初めてやった『BOLERO』もすごく大変な作品でしたが、2回目を出来るという喜びと挑戦があります。DIAMOND☆DOGSが今年で丸14年経つんですが、森新吾が振付にも参加してくれたり、今のメンバーもひとり参加していたり、ずっと大事にしている(長澤)風海が参加していたり。島地とも知彦ともダンスをやっていたからまた集まれました。あの2人もじゃれ合っているけれど、今までやってきたことを、お互いがお互いを観察し合っているというか。僕はダンスの他にお芝居や歌を好きでやっていたんですが、自分の表現の手段としてはダンスが一番早く失われていくであろう言語だと思っていて、毎回最後かもしれないと思いながらやっています。でも、色んなことがあっても、色んなことを与えてくれているのがダンスだなと思うと、ダンスをやっていて良かったと思います。この舞台のリハーサルで、他のメンバーがバーレッスンしてたり、ストレッチしたり、走り回っているのを見ていて、誰ひとり欠ける人がいてもこの舞台がなかったと思うと本当に嬉しい。アンサンブルがいなくて皆で作る公演ってあまりないんですよね。普通は演者とクリエイターに別れています。具現するために踊りや芝居をやるという意味では、その方が今のオーソドックスな形だと思うんですが、今回の『BOLERO』に関しては、それぞれのキャストが振付もしますし、それぞれがその動きは僕の役では出来ないとか考えるんです。そういうダンサーってあまりいないじゃないですか? 皆さんがダンサーを通り越したエンターテイナーとして、パフォーマーとしてここに集ってくれている。皆の挑戦に毎回のリハーサルが不安でドキドキしますが、終わった後に「やった!」と感動しています。香さんを筆頭とした『BOLERO 2016 −モザイクの夢−』という作品で、リハーサルで日々受けている感動を、お客さんに届けられるんじゃないかと思います。

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BOLEROカンパニーの礎にしなければ

──最後に、この作品で挑戦したいことをお聞かせください。
星奈 すべてですね。ダンスも、お芝居でも新しい私が出てくるといいなと思いますし、自分でも見たことがない自分を出したいと思います。
風花 今回、皆に役があり、その人の夢とそれを乗り越えるための壁を持っているんですが、私の役が担っているのは「何が幸せかというのはその人にしかわからない」という。端から見たらおかしい人なんですが、根本的には多分一番幸せな人だなと思っています。そういう役の持っているものを、言葉がないから伝えるのが難しいなと思うんですね。言葉がないから伝えやすいこともあるけれど、結構複雑なので、見る方がこういう情報を知らないで見にきたら、どこまで伝えられるのだろうかと思うと、ある程度わかりやすく、底辺はちゃんと伝えなければいけないと思っています。それをいかにお客様に伝えられるのかが挑戦。特にひとりでいることが多く、いつもはあまり困ることがないので、壁ですね。
星奈 私もよくわかります(笑)。
原田 今回出演と振付をさせて頂きますが、踊り手としては、テーマがなく音で普通に踊るよりは、テーマや役があって踊る方が好きなので、すごく楽しみでしかたないです。振付に関しては、香さんの台本が難しくて、それをどう表現するのか色々考えながら、いいものが出るのを願うだけです。

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東山
 こうやって4人でお話して、それぞれの思いを聞けたのが良かったです。今までのダンサーとしての時間も濃かったと思いますし、ミュージカル俳優としての時間も濃かったと思います。本当にすべてのことをやりきってきたプロフェッショナルな方々が集まっていると思うので、僕も広く浅く色んなことをやってきましたが、演者としての経験をフル動員して向っていきたいです。ダンスだけの公演がなかなかないというのが、BOLEROを作ったきっかけでしたが、他のダンサーメンバーから「次は俺が作る」という声が中からも外からも出てくるように、僕たちがやってきた2回が、3回、4回と続けるようなBOLEROカンパニーの礎にしなければと思っています。DIAMOND☆DOGSを14年間やってきたことの力や我慢強さなど、色んなことを動員して、絶対に成功させようと思っています。

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〈公演情報〉
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Entertainment Dance Performance Show
『BOLERO 2016−モザイクの夢−』
構成・演出◇小林香
出演◇東山義久/辻本知彦、島地保武/穴井豪、橋田康、神谷直樹、田極翼、長澤風海、中塚皓平、畠山翔太 、NAOKI/風花舞、星奈優里/原田薫/Shiho(Fried pride)
●11/2〜6◎銀河劇場
〈料金〉S席9.000円 A席6.500円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉公演事務局 03-3492-5300(平日14:00〜18:00)
http://www.gingeki.jp/archives/2910 
 

【取材・文・撮影/岩村美佳】


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