えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

『不徳の伴侶 infelicity』

稽古場レポート

柚希礼音、西川貴教ら豪華キャストが集結!地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15『ZEROTOPIA』公開稽古レポート!

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岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット「地球ゴージャス」の最新作ダイワハウスSpecial地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15『ZEROTOPIA』が、東京赤坂のTBS赤坂ACTシアターで4月9日から上演される(5月22日まで。のち、愛知、新潟、福岡、広島、大阪でも上演)。

「地球ゴージャス」は1994年の結成以来、劇団というスタイルを取らず、岸谷五朗と寺脇康文以外のメンバーは固定せずに、新鮮なゲストを迎えてのプロデュース公演を続け、常に新作、再演はしないという方針のもと、これまで14作品が上演されてきた。近年の公演では全国で10万人以上の観客動員を記録し続けていて、日本でも有数の人気カンパニーとしての地位を確立している。

そんな地球ゴージャスの第15弾『ZEROTOPIA』は、沈没した豪華客船から必然的に生き残った男女が、地図に載っていない島に辿り着き、その島を起点(ゼロ)として、ユートピア(理想郷)へ向かうのか、ディストピア(地獄郷)に向かうのか、という普遍的な「生きる」ことをテーマに、彼らを待ち受ける運命と巨大な陰謀を描く物語となっている。

今回W主演として登場するのは元宝塚歌劇団星組トップスターで、現在女優として活躍中の柚希礼音と、日本の音楽シーンを牽引してきただけでなく、多方面のジャンルでも活躍する西川貴教という、豪華な組み合わせが実現。
更に共演に、若手実力派俳優の新田真剣佑。地球ゴージャス初となるWキャストでの出演を果たす宮澤佐江と花澤香菜。これまで地球ゴージャスならではのダイナミックな振付を支えてきた藤林美沙、原田 薫、大村俊介(SHUN)の3人も、今回は揃って出演。舞台を中心に活躍している若手人気俳優の水田航生、植原卓也がメインキャストとして名を連ね、岸谷五朗、寺脇康文と共にゴージャス流エンターテインメントを盛り上げる。

その期待新作『ZEROTOPIA』の公開稽古が3月7日都内の稽古場で行われ、メインキャストが揃ってのフォトセッションのあと、岸谷五朗と寺脇康文から意気込みが語られた。

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【岸谷五朗・寺脇康文挨拶】

岸谷 お忙しいところ、また寒い中をこのようにたくさんお集まり頂きましてありがとうございます。ダイワハウスSpecial地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15でございます。『ZEROTOPIA』今稽古に入りまして、稽古期間が長いのですが2ヶ月ちょっと経ちました。いつも言っておりますが地球ゴージャスの代表作は最新作です。まさに今回も素晴らしいキャストが集まってくれました。それぞれに特別な能力を持っていて、今回の作品になくてはならないキャストの皆さんが揃ってくれました。4月9日からTBS赤坂ACTシアターで初日を迎えます。愛知公演、新潟公演、福岡公演、広島公演、そして最後の大阪公演の7月15日まで、4ヶ月の公演となります。今回は12万人のお客様を動員しようと思っております。まだまだ未熟な地球ゴージャスでございます。皆様のお力添えを得て、この『ZEROTOPIA』という作品を、本当に幸せな作品にして頂けたらと思います。是非お力をお貸しください。本日はお忙しい中を本当にありがとうございました。
寺脇 寺脇でございます。
岸谷 ありがとうございました。
寺脇 おい!終わってないから!(爆笑)喋らせなさいよ(笑)。地球ゴージャスも結成して24年経ちまして、それだけ歳をとる訳ですが、僕は遂この間56才になりました。いつの間にかカンパニーの中で最年長です。でも良い数字なんですよ。56才ということは「ゴロー」ですから。(岸谷五朗と二人で)「Wゴローイヤー」ここ使いどころですよ!(爆笑)
岸谷 全然使えないから!
寺脇 いや、ここは使える!明日の新聞の見出しは「Wゴローイヤー」(爆笑)。今回も、僕らも、皆さんも、様々な年代の方々が元気になるような、そして今の地球を一緒に考えて行こうということも含めて、素晴らしいエンターテインメントに仕上がるよう、歌、ダンス、アクション、芝居、そして今回はミステリーになっていますからね。極上のエンターテインメントになるよう今、一同頑張っております。是非皆様のお力をお貸しください。よろしくお願い致します。

続いて、公開稽古の準備に入る間にも「Wゴローイヤー」と寺脇が言い続けて和やかな笑いを誘う中、4つの場面が公開された。

【公開稽古・1】
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まず始めに披露されたのは、西川貴教を中心としたオープニングナンバー「Dynamic Dynamite Extreme」。ダンサーたちを従えて、西川がフルパワーで歌いまくる、迫力満点のナンバーだ。常にステージに立つと、大柄な人ではないことが信じられないほど、大きな存在感を放つ西川の魅力が早くも炸裂。本番の舞台でのヒートアップが予見される導入に心躍る。


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【公開稽古・2】
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次に、柚希礼音演じるジュンの過去の出来事が描かれるナンバー「Jun's past2」が柚希と水田航生により演じられる。ジュンは意識不明になった大切な人を見守る日々の中で、共に励ましあっていた男性(水田)と、互いに惹かれ合ってしまった。だが、大切な人の意識が戻った時二人は…?という、次はどうなる?という余韻が強く残る絶妙な場面公開。柚希が切ない心情を表出して、女優として確かな地歩を固めている様がはっきりと観て取れ、水田の爽やかな二枚目ぶりも際立った。

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公開稽古・3】
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ガラリと趣が変わって、次の場面は新田真剣佑演じるアトラスが、過去に特殊工作員だった時代を描いたナンバー「特殊工作員アトラス」。素で話す時にはかなりシャイな一面を覗かせる新田の、優れた身体能力と演技力が発揮される、アクションが満載だ。この場面は2幕の場面の為、遂先ほど甘い二枚目だった水田が厳しい上官を演じるのが新鮮。植原卓也のキリリとした身のこなしにもキレがある。

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【公開稽古・4】
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最後はメインキャストが全員登場しての「Jun's Dream」無人島に流れ着いた面々が夢を語り合う中で、ジュンは幼い頃からエンターテイナーになりたかったと語り、岸谷とのダンス、そしてメインキャストが全員登場してのラインダンスも含めた、華やかな歌とダンスが展開される。ある意味で、最も地球ゴージャスらしいナンバーで、本番の舞台の華やかさに想像が膨らみ、この日は宮澤佐江の出演だったが、Wキャストの花澤香菜の出演にも興趣がわく。

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こうして迫力の場面公開は終了。無人島に流れ着いた人々の運命が、地球ゴージャス得意のエンターテインメント作品として、どう表出されるのか、本番の舞台に期待が高まる時間となっていた。

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〈公演情報〉
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ダイワハウスSpecial 地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15
『ZEROTOPIA』
作・演出◇岸谷五朗
出演◇柚希礼音、西川貴教
新田真剣佑、宮澤佐江・花澤香菜(Wキャスト)
藤林美沙、原田 薫、大村俊介(SHUN)
水田航生、植原卓也
岸谷五朗・寺脇康文 他
●4/9〜5/22◎東京・TBS赤坂ACTシアター
〈料金〉S席 12,000円 A席 9,500円 B席8,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットスペース 03-3234-9999
●5/29〜6/2◎刈谷市総合文化センター
〈料金〉S席 12,000円 A席 9,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
●6/9〜10◎新潟テルサ
〈料金〉SS席 12,000円 S席 9,500円 A席8,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードー北陸チケットセンター 052-245-5100
●6/22〜24◎福岡サンパレス
〈料金〉S席 12,000円 A席  10,000円 B席8,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードー西日本 092-714-0159
●6/30〜7/1◎広島文化学園HBGホール
〈料金〉S席 12,000円 A席  10,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードー西日本 092-714-0159
●7/6〜7/15◎大阪・フェスティバルホール
〈料金〉S席 12,000円 A席  10,000円 B席8,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888
〈公式サイト〉 https://www.chikyu-gorgeous.jp/vol_15/


 
【取材・文・撮影/橘涼香】

帝劇『1789』


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人気ミュージカルが待望の再演『HEADS UP!』稽古場公開レポート!

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 KAAT 神奈川芸術劇場で、2015年11月に初演された日本生まれのオリジナルミュージカル「HEADS  UP!」。その待望の再演が、いよいよ12月14日、KAAT 神奈川芸術劇場からスタートする。その後、富山、上田、大阪、名古屋を経て、3月の赤坂ACTシアターまで続く大規模上演となっている。
その舞台の公開稽古が、11月27日、KAAT神奈川芸術劇場の稽古場でプレスに公開された。
 
原案・作詞・演出は、1986年から舞台創作に活動の場を広げ、様々な作品を多数手がけてきたラサール石井。かねてより石井は、舞台作品に携わるたびに、スタッフワークの厳しさや苦労、そして何よりスタッフたちのプロフェッショナルとしての矜持に感じ入り、いつかこのスタッフワークを中心にした物語を創りたい、と構想を10年以上温め続けてきた。そして、舞台『英国王のスピーチ』(2012年)に自身が出演した際、脚本を担当した倉持裕の才知に惚れ込んで、構想の脚本化をオファー。2015年、ついに本作のミュージカル化が実現した。

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【あらすじ】
ミュージカルファンなら誰もが知る“あの名作“が 1000 回目の公演を迎え、華々しく終了したはず…だった。が、ベテラン主演俳優は、某地方都市の古い劇場で 1001 回目を上演することを要求。誰も鶴の一声には逆らえず、上演することになったが、舞台美術は廃棄済み、キャストのスケジュールも押さえていない、スタッフも人手不足、演出家は理想のプランを頑として譲らず…しかも、舞台監督はメインをはるのが初めての新人!
それでも、スタッフたちは、幕を開けようと必死に知恵を絞って奔走する。幸か不幸か、チケットは完売! 観劇のために都合をつけた観客たちが、期待に胸ふくらませて待っている!果たして幕は開けられるのか…。そして、主演俳優が「1001 回目」にこだわった理由とは…?

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あるミュージカルの仕込みから閉幕後のバラシまでを描いた、一風変わったこのバックステージエンターテイメントは、初日が開くやいなや口コミで評判は広がり、大盛況のなか幕を閉じた。
芝居・楽曲・ダンスと三拍子揃ったオリジナルミュージカルで、その質の高さにも注目が集まり、ラサール石井は、第23回読売演劇大賞演出家部門優秀賞を受賞。心に染み入る歌の数々、爆笑を呼ぶ劇中劇、そして劇場を出るころには思わず口ずさみたくなるナンバーなど、もう一度観たいと惹きつけられたファンの熱望に応える形で、この度の再演が決定した。

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キャストも奇跡的にほとんどの初演メンバーが揃った。
前回、初ミュージカルながら男気溢れる魅力で、ベテラン舞台監督役を見事に演じ切った哀川翔。
新人舞台監督には、30 周年記念公演のミュージカル『レ・ミゼラブル』などで大活躍の相葉裕樹。
ベテラン演出部のリーダー役は、劇団☆新感線の看板役者で映像作品でも活躍する橋本じゅん。
ベテラン舞監の元妻の女優役には、宝塚トップから本格舞台女優への階段を昇り続ける大空ゆうひ。
劇場付雑用係は、ミュージカル『ジャージーボーイズ』で第24回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞、ミュージカルの世界に君臨する中川晃教。
制作として踏ん張る女性には、今や女優として進境著しい青木さやか。
彼らを振り回す老名優には、ミュージカル界のベテラン今拓哉が扮し、さらに芋洗坂係長や陰山泰らが脇を固めている。

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そして今回が初参加となるキャストも、それぞれ実力派の顔ぶれだ、
やる気のないバイトには、注目の若手俳優で、声優や作・演出としても活躍する池田純矢。
演出部スタッフに、「劇団鹿殺し」のメインキャストで音楽にも才能を発揮するオレノグラフィティ。
衣裳部の若手には、元アイドリング!!!の外岡えりが扮している。

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この日の稽古場面は、名優が主演するミュージカル『ドルガンチェの馬』が、ハプニング続出の中で、ついに開幕してしまうというシーン。有名ミュージカルをパロった劇中劇の面白さ、また劇中で「馬!馬!」と歌い上げる主題歌は、笑いを誘う。初演でも抱腹絶倒だった場面が、さらに練り上げられ、パワーアップして展開する。再演にかけるキャストたちの熱い思いが伝わる稽古風景となった。

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【囲みインタビュー】

稽古風景のフォトセッションのあと、原案・作詞・演出のラサール石井と主演の哀川翔の囲みインタビューが行われた。

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ラサール石井 
気づかないぐらいのカットや、付け加えたシーンがあって、結構早いペースで稽古しているので、再演からのキャストの方々にとっては大変だと思いますが、チームワークはバッチリです。ステージングがガラッと変わるところもあったり、笑えるシーンも増やしているので、初演とはまた違う印象になると思います。全体の構成に秘密があって、2回観ても楽しめる舞台です。翔さんのお仲間の方が、差し入れを買って持ってきてくれるのではなく、稽古場に来て、作り立てを食べさせてくれるので、とても差し入れが充実しています!

哀川翔
稽古は順調です。初演から2年が空いて、皆はこの2年の間に色々な作品を経験してきているけど、俺のミュージカルの引き出しは『HEADS UP!』だけだから、すぐに思い出したよ(笑)。とはいえ、覚えているようで覚えていない所も結構あって、また新鮮な気持ちで稽古に臨んでいます。初演でやり切れなかったところを作り直したり、ミックスさせながら構成しています。初めてミュージカルを観る人でも、スッと入ってこれて、いつ観ても楽しめる舞台です。ぜひ劇場にお越しください。

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〈公演情報〉
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KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
ミュージカル『HEADS UP!(ヘッズアップ)』
脚本◇倉持裕
演出◇ラサール石井
作曲◇玉麻尚一
振付◇川崎悦子
出演◇哀川 翔、相葉裕樹、橋本じゅん、青木さやか、池田純矢、大空ゆうひ、中川晃教 ほか 
12/14〜17◎KAAT神奈川芸術劇場
2018/3/2〜12◎TBS赤坂ACTシアター
2018/1/20◎富山  オーバード・ホール 
2018/1/26・27◎上田 サントミューゼ 大ホール 
2018/2/2〜4◎大阪 新歌舞伎座
2018/2/15/16◎愛知 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
〈公式ホームページ〉http://www.m-headsup.com/


【取材・撮影/友澤綾乃】




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宝塚OG&気鋭のミュージカル俳優とダンサーが紡ぐ新感覚オリジナルショー『Pukul』公開稽古レポート!

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斬新な振付と深い人間愛で数多くの話題作を発信し続ける謝珠栄が、全幅の信頼を置く後輩たち=宝塚OGと、歌唱力に優れたミュージカル俳優と、気鋭のダンサーという刺激的なキャスティングで紡ぐ、新感覚オリジナルショー Cosmos Symphony『Pukul』〜時を刻む愛の鼓動〜が、12月9日〜16日、東京・日本青年館ホールで上演される(のち、12月21日〜25日、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでも上演)。

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『Pukul』とは内面が活力を得て動き出す「鼓動」に、時を知らせる意味も持ち合わせたマレー語で、歌×ダンス×プロジェクションマッピングによって、壮大な時間の旅が描かれる。ACT1では、インド舞踊やグルジニアンダンス等、アジアをはじめ各国の音楽や民族舞踊の要素を取り入れつつ、星たちの誕生と、美しくも時に脅威ともなる自然を神秘的に描く。また、ACT2では、馴染みあるジャズやポップスで、この地球で命を授かった人々の人生をスタイリッシュにたどっていく。

そんな作品の公開稽古が、11月都内稽古場で行われた。宝塚OGで全日程出演の湖月わたる、水夏希、蘭乃はな、舞羽美海、男性キャストの坂元健児、大貫勇輔、島地保武、岡幸二郎、ダンサーの千田真司、神谷直樹、田極翼、舞城のどか、鶴美舞夕、そして、日替わりで出演する宝塚OGのスペシャルキャスト姿月あさと、春野寿美礼、彩吹真央の、出演者全員が登場。本来は日替わりで出演する、姿月、春野、彩吹が、入れ替わって各場面に登場など、この公開稽古だけのスペシャルバージョンによる、作品のオープニング場面が披露された。 

【謝珠栄挨拶】
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今日はお忙しい中お集りくださいましてありがとうございました。『Pukul』とは何ですか?とよく訊かれるのですけれども、まずは人間の内なる秘めたものが、活力を得て動き出すことという意味の「鼓動」と、もう1つ時間が動き出すという意味の言葉をずっと探していました。その中でマレー語の「Pukul」という言葉の中に、鼓動と、時刻を表すのに太鼓を打って報せるもの、という両方の意味があることがわかって「あぁ、これはこのショーのテーマにピッタリだ!」ということで『Pukul』を選びました。1幕は地球の誕生から生命の誕生までを、アジアの民族音楽舞踊で。2幕は人間の一生についての時間の流れを現しています。今日は本当にさわりの部分なので、まだまだたくさん楽しいことがあるのですけれども、今日はお見せしませんので(笑)、劇場の方に是非いらして頂ければと思います。よろしくお願いします。

【公開稽古】

M2 宇宙の鼓動〜M3星たちの鼓動

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アジアのエキゾチックで神秘的な音楽が流れ、青い、人力で回転する象徴的なセットの前に、過去(岡幸二郎)、現在(スペシャルキャスト・姿月あさと)、未来(坂元健児)を司る三神が現われ、止まらずに流れる時の中で、宇宙に星々が誕生していくと歌う。時の矢である大貫勇輔が神々から託された矢を手に踊り、やがて次々に出演者が登場。星が生まれ、銀河となっていく様が踊られる。

M3a 星の一生

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星たちはぶつかりあいながら、ある者は消滅し、ある者は重なりあって、更に大きな星となっていく。現在の神がスペシャルキャストの春野寿美礼に交代。火星、木星、水星、更に多くの名もなき星たちの誕生と消滅、悠久の宇宙の神秘が歌われる。

M4 銀河の回転

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現代の神がスペシャルキャストの彩吹真央に交代。星々の中で最も偉大な力を持った太陽(湖月わたる)が、銀河の頂点に立つことになると語る。岡が歌い、地球の水夏希、月の蘭乃はな、舞羽美海ら、星々が太陽の周りを回りながら、自らを形成していく様が、美しい光と輝きで煌めく小道具も効果的に示されていく。

一気呵成に進んだ約15分に渡る公開稽古は終了。メインキャストの宝塚OGたちも、ダンサーたちと変わらなく踊るのが印象的で、謝珠栄ならではの、神秘的でエキゾチックなムードが広がり、作品の壮大な世界観を彷彿とさせた。

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続いて、全キャストによるフォトセッションが行われた後、謝珠栄、姿月あさと、湖月わたる、水夏希が、囲み取材に応えて公演への抱負を語った。

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【囲みインタビュー】

──まず一言ずつ意気込みをお願いします。
 このショー創るにあたって、色々な方たちにアジアの民族舞踊を知ってもらいたい、楽しんで欲しいという気持ちが最初にあったのですけれども、それを叶えてくれるのは、宝塚の後輩しかいないのではないかな?というところから、作品の企画がはじまりました。思い通りに色々な民族舞踊、とても難しいのですけれども、皆、果敢にトライしてくれていて、やはり私が信頼していたタカラジェンヌだけはあるなと思って喜んでいます。
姿月 私は今回歌の方の担当をさせて頂いて出演しているのですが、謝先生の本質というものは、人々が忘れてはいけない地球の根源を現しています。天変地異など色々なことがある中で、私たちなりに今伝えられる素晴らしいショーができていると思いますので、是非劇場の方に足を運んで頂いて、本番で何かを感じて頂きたいと切に願っています。

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湖月 謝先生とは宝塚時代からご一緒させて頂いていて、本当にエネルギッシュで心を打つ先生の作品や場面が大好きで、今回このショーに参加させて頂いて、とても光栄なんですけれども、まさしく先生の中からあふれ出るエネルギーを受け取って、今、色々な民族舞踊がある中で、私は韓国の「三面太鼓」に挑戦させて頂いています。
 すごいですよ!皆さん、韓国の先生も驚かれて「こんなに短時間でここまでできるとは」と言っていらっしゃいます。
湖月 心をこめてさせて頂きますし、本当に男性陣のエネルギッシュなダンスと、タカラジェンヌ、卒業生ならではの神秘的で優雅なダンスをお見せできるのではないかなと。そして昨日ちょっと映像の打ち合わせもされていたのですが、その映像があまりにも綺麗で、この映像の中に今私たちが創っている世界が入るのか!と思うと、今からワクワクしておりますので、1人でも多くのお客様にいらして頂いて、この『Pukul』を体感して頂きたいなと思います。

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 宝塚時代も先生の作品は自分との闘いだなと思ってはいましたが、退団しても尚かつ(笑)。謝先生の作品なのですごい闘いになるだろうなと想像はしておりましたが、想像を絶する闘いの日々で、まだまだ完成形に近づくにはほど遠いのですが、キャストの1人1人が自分と闘って、作品と向き合っていて、初日にはその1人1人の闘いが舞台で大きく花開くだろうと思っています。そのエネルギーが、生きているって素晴らしい!ということをお客様に伝えてくれるような作品になると思うので、一緒にこの生命賛歌を味わいにいらして頂きたいなと思います。
 宝塚OGに混じって、男性キャストも素晴らしいので。
 本当にすごいですよね。やっぱり女性ではできない、男役でもできないことをやってくれているので。
姿月 この人数でやっているとは思えないパワーですよね。
湖月 私たちもふんだんにリフトして頂いてね。この大きな私たちを…私か(笑)。そしてスペシャルキャストの皆様と、岡幸二郎さんと坂元健児さんの歌声が神々しくて、一気に『Pukul』の世界に連れていってくださるので、本当にありがたいです。
 皆、素晴らしいキャストです!

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──民族舞踊は具体的にどの国のものが使われるのですか?
 バリ、韓国、中国、インド、グルジア、ロシア、中近東もちょっと入って、6〜7でしょうか。それぞれの先生に来て頂いて、その部分だけをかっちりと作って頂いて、私はそのエッセンスを入れてという感じになっています。
 もう大変なんです、とっても大変!
湖月 うん、だからきっと外国の方が日本舞踊を踊るのが難しいのと一緒でね。
 あー、そうですよね!
湖月 身体の根本の使い方が違うからね。でも、色々なダンスを踊らせて頂く中での共通点もあって。ただ、手が難しいかな。
 本当に少しずつ違うんですよね。
 20数種類あるので、そこはもう先生たちに厳しく見て頂いてね。1幕の振付をやっている間は、皆、頭が固まってしまってね。
湖月 今までになかったところが筋肉痛になって。
 でもだんだん今、皆さん自分のものになっています。

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──謝先生が特にこだわられた部分は?
 こだわったのは、やはり民族舞踊を取り入れるからには、自分自身も民族舞踊を習得しないといけなかったので、その下ごしらえを作るのに時間がかかりました。またショーの台本を書くのは、歌詞も書かなければならないので、久々に大変でしたが、刺激的でした。今はもう稽古場に来たら皆と楽しくやりたいなと思ってやっています。
──日替わりのスペシャルキャストと伺っていたので、もう少しゲスト的な出演を想像していたのですが、公開稽古から、物語に深く組み込まれているんだと感じましたが。
姿月 まさしくその通りで、台詞と歌詞も多く、先生が書かれているメッセージ、歌詞の意味がちゃんとお客様に伝わらないと、皆さんがどんなに踊られても、その意味と融合した解釈がつながらないといけないなと。時の矢ということで大貫勇輔さんが存在していらっしゃるなど、1人1人が与えられた役名と意味を持って存在しないと、ただ歌って、ただ出ていくのではいけないので、語り部としての役割をちゃんとしたいと思います。先生の大きなメッセージ性がおありなので、そこをきちんとね。
 地球の誕生を知った時に、人間の一生と同じくらい地球も苦労していたんだなと、地球かすごく愛おしく思えてね。
姿月 2017年を締めくくるに相応しい『Pukul』です。

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──またスペシャルキャストの方たちが入れ替わることによって、雰囲気も変わるのでは?
湖月 本当に今までのスペシャルキャストの概念を覆す出演をされているので。
 皆、毎日稽古場に来てくれるから、もう「皆で出たら?」と言いたいくらい(笑)。
湖月 今日のように、ABCとバージョンを作って入れ替わって、毎日出て頂いたらと思うくらいなんですが。それくらい贅沢な出演をして頂いています。
 私はゲストのお三方それぞれとの、宝塚時代の思い出があるので、日替わりでその中に入れることが、すごくすごく楽しみです。
──名だたるダンサーさんが出演されていますが、振付にはダンサーさんからのアイディアなども?
 ここは自由に使っていいよ!と言ったところもあります。ここは自由に自分の見せ場にしてください、というお願いもしています。
湖月 「ポーンっと飛んで!」と言ったら本当にポーン!と飛んでくださいますものね。
 そうそう、そのポーンの意味がわかっていらして、ピョーンとポーンにも違いがあるので(笑)。
 その謝先生の表現の違い、今のでOKか否かというのが、すごくハッキリしていらっしゃるので、皆さん、「あ、これは違うんだな」って(笑)。
湖月 すぐ、別のをやってくださいますよね!すごく一緒に創りあげられている感じがします。

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──本当に迫力あるダンスでしたが。
 この後がもっとすごいんです!今お見せしたのは本当にさわり、オープニングですから(笑)。わたるの太鼓もすごいしね。
湖月 女の子たちもすごいいですよね!2部はまた雰囲気が変わりますし。
 そうそう、カッコよくね。
──過去、現在、未来の三人の神が登場しますが、託した思いは?
 時というのは、過去なのか、未来なのか。砂時計を裏返したら過去が未来になってしまう、という仕組みが、時の流れとはどういうものなんだろう?と私は感じるので、三人で1つの時を現しています。語り部として歌を歌って、表現して頂くという意味では、歌唱力のある三人の方たちにお願いして、皆にはそれを舞踊で表現してもらう、良い役割分担かなと思っています。でも、湖月さんにも、水さんにも歌もあります。
──これまでの宝塚OGショーとは一線を画した、オリジナルのショーですが、特にダンサーとして活躍している方たちと共に踊ることについては?
湖月 宝塚OG公演のショーは、それならではの華やかさがあったり、懐かしい音楽や顔ぶれでというものがありました。でも、退団してから私は水ちゃんと一緒に何作か、ダンス公演もご一緒させて頂いていて、宝塚時代からダンスが好きで、退団してからもダンスと向き合ってきた私たちにとって、こうしてオリジナルのショーに参加できることは本当に嬉しいです。また、女性陣が宝塚卒業生ということでね。
 心強いです。
湖月 そう、心強いし、一緒にいつでも助け合っていけるし、そこに男性ダンサーの方がいてくださることによって、本当に引っ張りあげてもらえるし、皆さんが先生クラスの方たちなので、色々な身体の使い方を教えてもらったり、助けてもらいながら、こんな貴重な経験はないなと、謝先生に感謝しています。

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 本当に退団してからも色々なダンスをやらせて頂いてきたのですが、まだやったことがないジャンルがあったんだなということを、すごく実感しますし、普段ダンサーとか、振付家として活動される方に混じって、私が「ダンサー」という看板を出していいんだろうかと。
湖月 そうそう、それは思う!
 ですから、本当に色々と教えてもらいながら、新しい筋肉の開発にいそしんでいます。
湖月 日々すごいんですよ!筋肉痛が重なって!
 本当にすごいですよね!
湖月 なんの筋肉痛なのかわからないんだけど。
 毎日筋肉痛なんです。
湖月 それが嬉しいの(笑)。
 生きる喜びでしょう?(笑)
湖月 そうなの!生きてる!って思う。こんなに体中が痛くなる公演って他ではなかなかないから。挑戦できている自分がすごく幸せです。

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──では最後に皆様へメッセージを。
 まさしく鼓動という、自分の内なる、秘めたるエネルギーが動き出す作品ですので、この皆の頑張りを楽しみに劇場に足をお運びくださればと思います。
姿月 先ほども申しましたけれども、2017年の締めくくりにお客様の普段動かない心のどこかが動き出す、私たちの心が動くことも伝わるような作品だと思いますので、心を動かしに是非劇場にいらしてください。
湖月 かつてない壮大でエネルギッシュなショーになると思いますので、是非劇場に足をお運びください。お待ちしております!
 年末に、パワーあふれる舞台で、1部と2部で全然違う世界でありつつ、1つのストーリーになっているので、それそれを感じて楽しんで頂けたらいいなと思っています。

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〈公演情報〉
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Cosmos Symphony『Pukul(プクル)』—時を刻む愛の鼓動—
構成・演出・振付◇謝珠栄
出演◇Regular Cast 湖月わたる、水 夏希、蘭乃はな、舞羽美海、坂元健児、大貫勇輔、島地保武/岡 幸二郎
千田真司、神谷直樹、田極翼、舞城のどか、鶴美舞夕
Special Cast  姿月あさと、春野寿美礼、彩吹真央(日程別出演)
●東京公演 12/9〜16◎日本青年館ホール
●大阪公演 12/21〜25日◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈料金〉東京公演/S席11,000円  A席7,000円
    大阪公演/11,000円
〈お問い合わせ〉
東京公演 0570-077−039(梅田芸術劇場) 
大阪公演 06-6377-3888(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)
〈公式ホームページ〉http://www.umegei.com/schedule/654/



【取材・文・撮影/橘涼香】




『HEADS UP!』
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いよいよ初日間近! 明治座11月公演『京の螢火』稽古場公開&囲みレポート!

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後列/深沢敦、沢田亜矢子、河相我聞、伊藤正之
前列/桜乃彩音、藤木隆宏、 黒木瞳、筧利夫、渡辺大輔、田村芽実

幕末の動乱に揺れる京都・伏見を舞台に、維新の嵐が吹き荒れる激動の時代を生き抜いた寺田屋お登勢とその夫伊助を描いた物語、『京の螢火』が、11月3日〜26日まで、日本橋浜町の明治座で上演される。

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『京の螢火』は1971年に明治座にて上演された『京の螢火〜お登勢と竜馬〜』を元に、脚本家・演出家として活躍するわかぎゑふが、初演の舞台の良さは残しつつ、2017年に相応しい幕末ものとして新たに書き下ろした新作。黒木瞳演じる伏見の船宿「寺田屋」の女主人お登勢と、筧利夫演じるその夫伊助を中心とした夫婦の物語を軸に、藤本隆宏演じる坂本龍馬、のちにその妻となる、田村芽実演じる若き日のおりょう、渡辺大輔演じる幕末の志士ら、多彩な登場人物たちが織りなす、スピード感と華やかさを備えた人間味あふれるドラマが展開されていく。

そんな舞台の公開稽古と囲み会見が、10月都内稽古場で行われ、黒木、筧をはじめ、主要メンバーが勢ぞろい。白熱した稽古の様子が公開された。

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演じられたのは、劇中の二つの場面の抜粋。最初に一幕第三場から、寺田屋に嫁いできたお登勢が、沢田亜矢子演じる姑のお定、桜乃彩音演じる義妹のお椙に辛く当たられる日々の中で、絶対に開けてはならないと言い含められて預かった箱を、勝手に開けて中を見たという嫌疑をかけられるシーンが披露される。
河相我聞演じる五十吉が、この箱には仕掛けがしてあった、開けたのは明白だとお登勢に迫り、中の人形が証人だと攻め立て、お定もお椙も嵩にかかってお登勢を責めるが、伊藤正之演じる医者玄庵が、これとそっくりのゆすりたかりの話を聞いたことがあると話し、やがて五十吉はお椙の思い人だということがわかってくる。

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潔白を主張するお登勢の黒木に、凜とした中の可憐さがきちんとあり、お定の沢田、お椙の桜乃もこの場に必要な権高さを出していて、女性たちの対比が鮮やか。そんな中で、ひたすらあっちもこっちも汚いと掃除を続けている伊助の筧の、飄々とした演技が絶妙だ。

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場面転換の間に、演出のわかぎゑふが細かい指示を出し、続く場面は二幕第三場。
寺田屋の女将として立派に成長したお登勢が、渡辺大輔演じる薩摩藩士・中村藤次郎と談笑していると、新撰組のご用改めが踏み込んでくる。

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藤次郎を奥の間に隠したお登勢は、怪しい者など誰もいない、奥の間には夫がいるだけだと新撰組をあしらおうとするが、納得のいかない新撰組の面々は奥の間に踏み込む。と、そこにいたのは確かに夫の伊助。

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変わらぬ飄々とした態度の伊助に肩すかしを食った新撰組は、お登勢に憤懣をぶつけようとし、その理不尽な態度に憤った田村芽実演じるおりょうが飛び出してくるのを、またお登勢がかばい、ようやく事なきを得る。

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駆けつけた藤木隆宏演じる坂本龍馬、お登勢、伊助、おりょう、中村藤次郎、それぞれの思いが交錯して、立場を異にする登場人物たちが幕末の嵐の中でどう生きるか、この後の展開に期待が高まる中、公開稽古は終了。新撰組や、坂本龍馬といった幕末の著名人を登場させながら、市井の人々を中心として描かれる新たな物語の、全容が待たれる時間となった。
 
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続いて囲み取材が行われ、黒木瞳、筧利夫、藤木隆宏、渡辺大輔、桜乃彩音、田村芽実、深沢敦、伊藤正之、河相我聞、沢田亜矢子が登場。黒木、筧を中心に公演への抱負を語った。

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【囲み取材】

──報道陣の前で稽古を公開していかがでしたか?
黒木 初日が近いのだなと、緊張感が高まって参りました。
 良い本番の予行練習ができたなと。皆さんのおかげでございます。ありがとうございます。
黒木 ありがとうございます。

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──今回の舞台の見どころは?
 見どころですか?見どころは黒木さんです!黒木さんを観て頂ければそれでいいんです。今自分が喋ってますけれども、あまり喋らなくてもいい、出てなくてもいいくらいで(爆笑)黒木さんを観てちょうだい!(黒木を示してポーズを決めるので、全員爆笑)
黒木 こうおっしゃっていますが、本当に私を支えてくれている旦那様なので、頼もしく思っております。皆が織りなす物語なので、全員それぞれに見どころがあります。(沢田に)嫁イジメもありますし、(桜乃と我聞に)駆け落ちもしますし、(藤本に)坂本龍馬もおりますし、(田村に)おりょうもいますし、(渡辺に)「寺田屋騒動」であなたは大活躍をしますね。
渡辺
 はい!そうですね。
黒木 その寺田屋騒動のあと、日本の夜明けの前に、女たちが見動きの取れないもどかしさを男たちが支えてくれるという、見どころ満載でございます。

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──黒木さんと筧さんは夫婦役で、初顔合わせでしょうか?
 「初」ではないです。ドラマも映画も一緒にやっていますので。
黒木 舞台が初めてということです。
──黒木さんから見て夫役の筧さんは?
黒木 返答に困るくらい(笑)、まだお稽古の量が少ない状態で、夫婦の愛が深まるのはこれからなんですが…。
 でも私は色々とテクニックを持っておりますので、喜ばせ方はよく知っております(爆笑)。もちろんお客様にお見せできる上のことで、という意味ですが(笑)。
黒木 衣装のことなど「こういう風にしたらどうですか?」と、ものを作っていく上での親密な話もしております。
 私は本番の衣装は黒木さんに選んで頂いていますし、(黒木を示して)今日はこれは稽古用ですけれども、この人の本番の衣装はすごいですよ!はい、見どころは黒木さんです!(再びポーズ)。
黒木 見どころは皆です!(笑)
 はい、そうですね(笑)。

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──大変和気藹々とした雰囲気ですが、皆さんで食事に行かれたりなども?
 いや、まだそういう時間はね。
黒木 追い込みなので。今こうやって皆笑顔でおりますけれども、心の中は闘っていると思いますので。
──では、これから筧さんがお食事に誘ったりなどは?
 特に予定はないです(笑)、というか、本当にまだ今日よくやれたもんだ!というくらいなので(爆笑)。皆さん本番に強いです!びっくりしました。カメラの前でやると皆すごいから!
田村 本当に皆さんすごいです。
 ねぇ、本番もカメラが回っている方がいいんじゃないのかって(笑)。

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──黒木さんは昨年映画監督もなさいましたが、監督を経験してまた舞台に戻られて何か変化などは?
黒木 舞台はやはり私が育ったところですので、初心に戻りますね。宝塚時代を思い出します。(桜乃を示し)後輩もおりますので。新鮮な気持ちで板の上に立ちたいと思います。
──時代劇の舞台で、宝塚の先輩後輩で共演することについては?
黒木 頼もしいです。
桜乃 私は黒木さんの何気ない仕草ですとか、目線の使い方ひとつひとつに私自身がとりこになっていて、何かひとつでも今回勉強させて頂こうと思って、いつも前のめりで稽古を拝見しております。頑張ります。
 いいですね。ですから皆ね、見どころは黒木さんです!(ポーズ・笑)

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黒木
 見どころはラストにもありますね!
 あります、あります!
黒木 演出のわかぎ先生の了解を得て、カーテンコールを演出させて頂きましたので、カーテンコールも見どころのひとつなので、お楽しみになさってください。
──ネタバレにならない程度に、どんなカーテンコールなのかを教えてもらえませんか?
黒木 ここは筧さんでしょう!
 派手で和風でありながら、ちょっと洋風感のあるカーテンコールで「歌手・黒木瞳」でございますね、すべては。
黒木 ちょっと宝塚みたいなカーテンコールです。
 そうですね(周りを見て)皆、うなづいております。
黒木 羽根は背負わないですけどね(笑)。楽しんで頂ければと思います。

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──桜乃さんはご出産後の舞台復帰作ということですが
全員 (拍手)。
桜乃 でも黒木さんに伺ったら(出産後)1ヶ月半で復帰なさったとお聞きしまして、私は1ヶ月半の時はまだ(横になる仕草をして)こんな感じでしたし、体力もなかったのですが、今は子供も10ヶ月になりまして、頼もしく成長してくれているので、心置きなく稽古に集中させて頂いております。
──黒木さんに舞台のことだけでなく子育ての面での相談なども?
桜乃 今は舞台の稽古に集中していて、あまり私生活のお話をする時間もないですし、役作りを深めていきたいので、子育てのことよりも勉強したいところがいっぱいありますので、まずはそちらからと思っております。

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──では黒木さんから舞台を楽しみにされている方達にメッセージを。
黒木 11月3日初日の明治座公演『京の螢火』です。是非皆さん明治座にお越しください!よろしくお願いします!
全員 よろしくお願いします!


〈公演情報〉

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明治座11月公演『京の螢火』
原作◇織田作之助「螢」司馬遼太郎「竜馬がゆく」脚本 北條誠より
脚本・演出◇わかぎゑふ
出演◇黒木 瞳、筧 利夫、藤木隆宏、渡辺大輔、桜乃彩音、田村芽実/深沢 敦、伊藤正之、河相我聞、沢田亜矢子   ほか
●11/3〜26◎明治座
〈料金〉 S席(1階席・2階前方席)12,000円 A席(2階後方席・車椅子スペース)8,500円  B席(3階席)6,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉明治座チケットセンター 03-3666-6666(10時〜17時)



【取材・文・撮影/橘涼香】




誰か席に着いて
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珠玉のミュージカルナンバーが溢れるステージ!「『I Love Musical』公開稽古レポート

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ミュージカルを愛するキャストたちが集い、歴史に名を刻むミュージカルナンバーを聴かせるコンサート『I Love Musical』の第4弾が、東京グローブ座で9月2日から開催される(9月3日まで)。
今回は〜History〜をテーマに、往年の名ミュージカルナンバーの数々を、ダンスや芝居を交え、メドレーやキャスト全員のナンバー、ソロなどで披露する。
出演陣は、泉見洋平、岡田浩暉、カン・テウル、坂元健児、渡辺大輔、井上智恵、貴城けい、増田有華、莉奈など、劇団四季から宝塚歌劇、さらにかつてはロックバンドのボーカルを務め、さらに話題のミュージカルに出演した役者など、9名の強者の歌手たち。
 
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今年の構成・演出は、hicobae×project 主宰の永野拓也。「若手演出家コンクール2016」で、最優秀賞・ 観客賞をダブル受賞した今話題の演出家だ。音楽監督は鎌田雅人、逗子録音所主宰で、3人組人気バンド「いきものがかり」や、常に音楽チャートを賑わす藍井エイルなどのプロデュースでも知られている。振付は、演出家の宮本亜門に「日本の5指に入るダンサー」と評される岡千絵。
約36曲のミュージカルナンバーを歌と踊りと演技で披露する、夢のような約2時間のステージ。8月29日に行われた『I Love Musical』の公開稽古の模様をレポートする。

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稽古場のスタジオはすでに熱気に満ちていて、アンサンブルが岡千絵の指導のもと、ダンスの練習をしている。演出の永野拓也は鎌田雅人と曲だしのタイミングを入念に打ち合わせしている。出演陣は、それぞれストレッチを繰り返し、台本を熱心に読み込む姿が勇ましい。楽器は、ドラム、ベース、ギター(エレキも含む)、ヴァイオリン、キーボード。それぞれが音合わせをすれば、すでにあの名曲が耳に聞こえてくる。あの名曲のシーンが脳裏に蘇ってくる。

永野拓也の合図とともに最初に披露されるナンバーは、メンバー全員のレビューショーといった趣があり、その場は幸福感に満たされ、まさに奇跡のようなショーの始まりを予感させるダイナミズムをひしひしと感じる。岡千絵のキレのある振付を先導に、9人の歌手と4人のアンサンブルが歌とダンスで会場を盛り上げる。永野拓也は、誰よりもわかりやすく、誰よりもミュージカルを愛している演出家で、歌の魅せ方を熟知している。

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続いてソロのナンバーが披露される。まず、『南太平洋』の「春よりも若く」を渡辺大輔が朗々と歌う。初演は1949年のブロードウェイ。作曲はリチャード・ロジャース、脚本・作詞はオスカー・ハマースタイン2世、ミュージカル好きなら知らぬ人はいない名曲だ。ストーリーは、第二次世界大戦の渦中、南太平洋のとある島を舞台に、農園主エミールと島の海軍の看護婦ネリー、海兵隊のケーブル中尉と島の娘リアットという2組の恋を描いている。
神秘の島バリ・ハイを訪れたケーブル中尉は、リアットと恋に落ちるのだが、その恋心を歌った名ナンバーだ。編曲は、甘く時に苦しい恋の表現をキーボードとヴァイオリン、シンバルで引っ張って行く。渡辺は、2016年に同作でケーブル中尉の役を務めただけあって、中尉という身分に隠さなければならなかった激しい情熱を押し殺して、甘く潔い声で歌い、原曲をリアルに再現していた。

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次は『ミー・アンド・マイガール』の「顎で受け止めて」を貴城けいが歌う。『ミー・アンド・マイガール』は、1937年に英ロンドンで初演され、『マイ・フェア・レディ』の男性版とも言われる作品で、1987年から幾度となく上演されてきた宝塚バージョンがよく知られている。1930年代後半、英国の名門貴族ヘアフォード伯爵家の跡継ぎ問題をテーマにしたミュージカルで、貧困な家庭に育ったビルが爵位を受けることになり、一家は大混乱に陥る。彼の恋人サリーは、恋人のビルが伯爵家の世継ぎだと知り、身分が不釣り合いだから別れることを決意、わざとビルに嫌われることを口走ってしまうのだが…。
この曲は、複雑な感情の機微を表現する歌詞を、現代版ポップスといってもいい耳触りの良い楽曲に仕上げている。編曲もギター、キーボードとドラム、ベース、ヴァイオリン、それぞれの楽器が軽やかなメロディーを奏でていた。貴城も宝塚出身で、この楽曲の良さを熟知している様子で、感情豊かに歌いきる。タイトルに表現されているような強い意志、泣いていても報われないから笑ってみせようという健気さに泣かされる。

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そのあとは、初心者でもわかるメドレーが披露されていき、続いてのソロは、岡田浩暉の『レ・ミゼラブル』の「カフェ・ソング」。原作は、ヴィクトル・ユーゴーが1862年に書いたフランスの大河小説で、英国でミュージカル化、日本でも何度も上演されている。
この曲は主人公ジャン・バルジャンの娘として育ったコゼットの恋人、マリウスが歌うナンバーで、貧乏な弁護士であるマリウスは、仲間たちと六月暴動に参加するが敗れて、彼だけ一命をとりとめる。その戦いで死んでいった仲間たちと過ごしたABC cafeでの熱い日々。岡田自身もマリウスを務めていただけに、悲しみや別れ、自信の喪失、そして再び自らを奮い立たせるこの曲を、芝居心いっぱいに歌い上げる。エレキギターがグイグイ引っ張り、ドラムの怒涛のスネアの音が、マリウスの心臓の高まりを象徴しているようだ。
 
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そのほかのどの曲も名ミュージカルからの名ナンバーで、実際に舞台でそのナンバーを歌った俳優たちも多く、観客はノスタルジーとともに作品世界を甦らせることができるし、もちろん原曲や舞台を知らなくても、歌唱力と表現力を持つ歌い手たちによって、楽曲の持つ美しさと楽しさに浸ることができる。
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この日の公開稽古はここまでだったが、古今東西の名曲が、これでもかと並ぶコンサートの魅力は十分に伝わってきた。そしてダンスや芝居を含め、ミュージカル愛に染められた役者たちによって、素晴らしいミュージカルナンバーが次々に披露される『I Love Musical』のステージに期待がますます高まった。
 
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〈公演情報〉
『I Love Musical』
構成・演出◇永野拓也
音楽監督◇鎌田雅人
振付◇岡千絵
出演◇泉見洋平、岡田浩暉、カン・テウル、坂元健児、渡辺大輔
井上智恵、貴城けい、増田有華、莉奈 (男女別五十音順)
松谷嵐、Marcelino一色、石毛美帆、吉元美里衣(アンサンブル)
●9/2〜9/3◎東京グローブ座
〈料金〉 S席9,800円 A席7,800円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00〜18:00)



【取材・文・撮影/竹下力】




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