えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

座・ALISA『キセキのうた』

稽古場レポート

早霧せいな宝塚退団後の初主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』公開稽古レポート

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元宝塚雪組トップスター早霧せいなの、宝塚退団後初主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』が、5月19日〜27日大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマ・シティで、6月1日〜10日東京・TBS赤坂ACTシアターで上演される。

『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』は『シカゴ』『キャバレー』等、数多くの傑作ミュージカルを手がけたジョン・カンダ—&フレッド・エッブの華やかな楽曲で綴られたミュージカル・コメディ—。人気ニュースキャスターのテス(早霧せいな)が、風刺漫画家のサム(相葉裕樹)と一目惚れによる電撃結婚をしたことから「仕事と家庭の両立」という問題に直面して、悩み、ぶつかりながら新たな人生を切り開いていく物語。1981年にブロードウェイで初演され、トニー賞4冠に輝いた作品だが、むしろ女性の社会進出が進んだ現代の方がよりリアルに、ヒロインの葛藤が理解できる今日性を持っている。

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そんな作品の公開稽古が、5月7日都内の稽古場で行われ、主演の早霧せいなをはじめとしたキャストが大集合。白熱した場面が披露され、公演の魅力の一端が浮かび上がった。
 
♪公開稽古1「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」

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まず演じられたのは作品の冒頭場面。その年最も輝いた女性に贈られる「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたテス(早霧)が授賞式を迎えている。だが、表向きは満面の笑顔のテスの心中は、ケンカしたばかりの夫のサム(相葉)への恨み節でいっぱい。私がどんな女なのかわかっていない!という怒りを込めて歌うテスを演じる早霧は、美しいフォルムのスタイルと、豊かな表情が魅力的で、早くも新たな顔を見せてくれる。

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♪公開稽古2「戻らない時間」

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続いて、家庭よりも仕事優先のテスとの結婚生活がすれ違うばかりで、互いの心が離れていってしまう。と嘆くサム(相葉裕樹)が切々と歌う「戻らない時間」が披露される。サムは自分の心情を、彼が描く漫画のキャラクターカッツに語りかけるのだが、この日はカッツがどう登場するのかはシークレット。こちらは本番の仕掛けに注目だが、相葉の優しく切ない歌声が、サムの心情を十分伝えてくれていて、その思いに胸が詰まった。

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♪公開稽古3「女だけど男」

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そして、実際の上演では時系列が異なるが、風刺漫画の題材にされてきたテスと、サムの仲間の漫画家たちが理解しあい、仲間として歌い踊る「女だけど男」のナンバーへ。「男なんかには負けない!私は女だけど男なの!」と歌うテスのガッツとハートが、早霧のキレの良い動きにピッタリ。やがて全員が登場する大ダンスナンバーに発展し、ラインダンスも含めた、弾ける楽しさに満ちたシーンが展開され、衣装とセットが揃った公演本番への期待が膨らんだ。

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続いて囲み取材が行われ、早霧せいな、相葉裕樹、宮尾俊太郎が公演への抱負を語った。

【囲み取材】

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宮尾俊太郎早霧せいな、相葉裕樹

早霧 今日はお忙しい中いらしてくださりありがとうございます。こういう場を設けて頂くと、いよいよはじまるんだなという実感を持ちました。宝塚を退団して初のミュージカルに挑戦ということで、自分が今持っているものをすべて出し切って、果敢に挑戦することがテス役につながると信じているので、その信念を失わず初日に向けてこれからもお稽古に励みたいと思います。
相葉 本日はお越しくださりありがとうございます。残りの稽古が1週間となりました。まだまだやらなければならないこともたくさんあるのですが、本当に普遍的なテーマで、皆さんに共感して頂ける作品になるのではないかな?と思っています。劇場に足を運んでくださる皆様に楽しんで頂けたらなと思いますので、ラスト1週間全力で稽古して、初日に臨みたいと思います。よろしくお願いします。
宮尾 今日はありがとうございます。僕は普段はバレエダンサーとしていっさい声帯を使っていないのですけれども、今回は台詞もあるし、歌もあるということで、そこは本当に皆様に一から助けて頂きながらやらせて頂いています。本当に現役のバレエダンサーがこうしたミュージカルの舞台に、バレエダンサー役で出るというのは、なかなか他にないと思いますので、是非その辺りも楽しみにして頂けたらと思っています。

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──ご自分の役柄について教えてください。
早霧 テス・ハーディングという、1度結婚して離婚していて、テレビのニュースキャスター、アンカーウーマンとして全米で大活躍中の彼女が、サム・クレッグという1人の男性に電撃的に出会い、そこから仕事と家庭との両立をはかりながら…というところがポイントとなる作品です。なのでそこを全部説明してしまうと、観に来て頂く楽しみがなくなりますから(笑)、そこは是非観劇して頂いて楽しみにして頂きたいのですが、そこでテスがどう変わっていくか?が自分にとっても大きな見せ場になるなと思っているので、その変化を是非見て下さい。
相葉 サム・クレッグという風刺漫画家です。はじめはテスをものすごく敵対視しているのですが、ひょんなことから一目惚れをしてしまいまして、そこからなんやかんやがあり、お付き合い、そして結婚という、そこまではよくあることなのですが、そこからがすごく大変で。お互いの育ちが違い、生活環境が違い、なかなかうまくいかないんですね。それに対してサムが抱く不満というのが、一般的な男性だったら誰しもが不満に思うだろうな、というラインなんですね。本当に庶民代表と言うか、一般的な感覚を持っている男性なんじゃないかな?と思うので、劇場に足を運んでくださるお客様も、きっとサムに共感して頂けるのではないかと。テスや、テスの周りの人間にとても振り回されるので、そこは「あぁ、わかる、わかる」という感じで観て頂けると思いますので、是非劇場で確認して頂けたらなと思います。
宮尾 僕はロシアから亡命したバレエダンサー・アレクセイ・ぺトルコフです。彼は亡命はしたのですけれども、結局ロシアに帰るんです。なぜならそこには愛する奥さんがいるから、ということをテスに伝えます。それにテスは衝撃を受けて、キャリアを全部捨てて、愛する人の為に国に帰るというところで、テスに影響を与える人物です。本当にアレクセイ・ぺトルコフはそういった意味では、愛したものに突き進んでいく、とてもハッピーな男です。僕自身も元々ハッピーな男なのですが、色々人生経験を積んでハッピーだけではなくなったところもあるのですが(笑)根っこはハッピーなので、そこがとても役とリンクしているところです。

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──早霧さんとご一緒されて、稽古場の雰囲気はいかがですか?
宮尾 早霧さんは飾らずに真っ直ぐに役に向き合っていて、良い意味でプライドを捨ててやっていらっしゃるので、とても清々しいです。
早霧 ありがとうございます。
相葉 早霧さんめちゃくちゃストイックですよね。
宮尾 あぁ、そうだね。
早霧 ストイック?
相葉 そう、アスリートなんじゃないか?と思うくらい。本当にガッとやっていく感じが男らしい。
早霧 それは褒め言葉?(笑)
相葉 褒め言葉です!ものすごい褒め言葉!ガッとなった時の集中力がすさまじいので、そこに僕たちも引っ張られてね。
宮尾 なのに酔っ払うシーンとか、すごく可愛いんですよね。
相葉 そう!そこも大きな見どころですよね!
早霧 私自身は男性の皆様とこうやってお芝居をするのが初めての経験なので。
相葉 そうか!
宮尾 どうですか?
早霧 やっぱり色々なこと、小さなことから大きなことまでドギマギします。手を取られて触れた感覚が違うとか。やっぱり女性と手をつなぐ感覚とは全然違うから。
相葉 違います?
宮尾 汚らわしいとか?(笑)
早霧 そこは言えない(笑)。
相葉 それショックですよ(笑)、手をつなぐから。
早霧 いやいや、全然そんなことないです!
相葉 それこそキスシーンもありますものね。
早霧 宝塚の時よりもリアル感をすごく感じます。
相葉 あー、男女だからね。 
早霧 そう、だからそのリアルな気持ちを、作品に詰め込みたいなと思います。そこが宝塚との大きな違いだなと思っていて、やっぱり当たり前だけれど本物の男性は力強いんです。聞こえてくる声の質感も違うし、私をリフトしてくださる方たちが力強いから、自然と女子になれてます(笑)。
宮尾 早霧さんもリフトされている上で力強いですよ!(笑)絶対に上でピシっとしているから。
相葉 体幹がものすごく強い。
早霧 そうやって日々、皆さんに助けられながらの稽古場です(笑)。
──作品の音楽的な魅力はどうですか?
早霧 楽しいナンバーがいっぱいあるので、自分が出ていない場面を見ているのもものすごく楽しいし、聞き応えもあるので、全部座ってゆっくり堪能できるお客様が羨ましいです。

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相葉 どれも素晴らしいのですが、僕が特に好きなのは「こりゃダメだ」というアップテンポのショーナンバーです。本当に言っている歌詞はネガティブなんですけれども、やたら明るい!そのギャップが面白くて素敵だなと思います。
宮尾 これが70年代、80年代のミュージカルの楽曲なんだと思うと、不思議な気持ちです。突然音楽に乗って情景が浮かんでくるので、感情移入しやすいですし、ラブコメの楽しさがあって。ただ、僕の曲は難しい!どう思います?僕はすごく難しいと感じるんですが。
相葉 難しいですね。正直どれも難しいんです。だから、ラスト1週間で追い上げていかないといけないなと思ってます。
宮尾 早霧さんも難しいと思います?
早霧 思います。
宮尾 特にどういったところが?
早霧 感情が爆発した時に、歌になったり踊りになったりするので、そこの気持ちからのナンバーの導入とか、ナンバーが終わったあとお芝居に戻る時の気持ちをちゃんと歌に乗せたいな、と思うと、楽曲の素晴らしさに自分の気持ちが追いついているのかな?という難しさがあります。
宮尾 つながりとか、離脱していくところですね。
相葉 そうそう、離脱!
宮尾 曲から離脱していくところが辛い?
早霧 あぁ、でもね、誰よりも、一番踊りながら歌っているのが宮尾君だと思う。
相葉 あれだけクルクル回りながらって、普通できないですものね!
宮尾 僕もこんなに踊るとは思っていなかった(笑)。ミュージカルってこんなに歌いながら踊るんだ!って。
相葉 必要以上に踊らされている感はありますよね(笑)。
宮尾 あぁ、やっぱり?(笑)
早霧 せっかくだから踊って欲しいって皆さん思ってるからね。これは見応えありですよね。

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──早霧さんはこれまで男性役がほとんどだったと思いますが、女性役の難しさはありますか?
早霧 元々男性を演じようが、女性を演じようが、自分とは別人格を演じるという時点でやっぱり私には簡単にできることではないんです。それは、毎回違う作品で違う役を演じる度に感じるところなので、それがやり慣れていない女性となると、勝手が違うことが多々ありまして(笑)。どうしてもスカートを履いて歩くとか、右肩にショルダーバッグをかけて歩くとかが板につかないんですよ!
相葉 そんなことないですよ!
宮尾 本当にそんなことない!
早霧 そう?(笑)
相葉 はい。
早霧 ありがとう!
──ヒールの靴はどうですか?
早霧 宝塚の時もヒールはついていましたが、男性用のブーツだったので、足の甲が見えるということはなかったので。そういう意味では露出も増えますし、無駄な動きがない方がよりエレガントに、より美しく見えるんだろうなと思うと、その辺りには気を遣いつつ、やはり役として呼吸していかないといけないので。頭で演じていてもダメなので、心から動けるエレガントな女性になれたらなと思います。
──男性お二人から見てその辺りは?
相葉 めちゃくちゃエレガントですね。エレガントの塊。
宮尾 そう、エレガンス。
早霧 そこまで言うとちょっと嘘っぽい(笑)。
相葉 いえ、やっぱり見せ方などを教えて頂くことが多くて。「この時はこっちの角度の方が良いよ」とか結構言ってくださるので「あぁ、そうなんですね」と(笑)。
宮尾 その様子を僕が遠くから見ていて、もうその様がすでにテスとサムになっているので、ピッタリだなと思います。
相葉 心強いし、エレガンスに関してはプロフェッショナルなので、頼ろうかなと思っています。
早霧 任せて!(笑)

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──早霧さんご本人とテスの共通点は?
早霧 たまに猪突猛進しちゃうところがあって、周囲の人たちを忘れて突っ走ちゃう時があるんです。でもそうしないように心がけているのですが、テスはそれが常になので、私が猪突猛進しているところをずっとやり続けたらテスになるのかな?(笑)とも思ったりしています。
──男性陣から見てはどうですか?
宮尾 宝塚でトップになって、ひとつの偉業を成し遂げているキャリアをお持ちの方が、新しい作品と出会い、新しい男性と出会うところはリンクしているかな?と思いますが、猪突猛進は全然思わないですね。いつも皆さんを気遣っていらっしゃるから。
早霧 ありがとうございます。いつもこうやって優しい言葉をかけてくださる方々がお二人だけでなく、皆さん多いので、裸の王様にならないようにしないと(笑)。
宮尾 裸のお姫様でしょう?
早霧 お姫様? ほら、こうやってね(笑)。
──早霧さん新たな現場で勝手が違うことや、とまどったことなどは?
早霧 実はこのミュージカルをやる前に『SECRET SPLENDOUR』というショーもやっていて、そこでもだったのですが、不思議と男性といる時の方がリラックスできるんです。舞台上ではなく、こういう稽古場などでの時に。なんでなのか?がその時も今もよくわからないのですが、もしかしたらまだ男役だった時の感覚が抜けないのかな?と思って、その辺りは自分でも分析しかねています。あとは、テスとサムの場面をやっている時に、演出家の板垣恭一さんから「テスは…」「サムは…」というアドヴァイスを頂いていて、どうしても男側で考えちゃう時があって。結構お稽古の前半の段階では「いけない!テス側なんだ!」と思った時がありました。それはちょっと自分でも無意識の行動だったので、もう解き放たれて良いのに、どうしても男性側の心情を考えたりしていました。
──今はその辺りは?
早霧 サムの心情を考えたりもしますが、それはテスから見たサムの心情なので、そこは捉え方が変わってきました。あとはやっぱりすごい高い位置のリフトの、その眺めたるや!スカイツリーもびっくりという!(笑)
宮尾 スカイツリーもびっくり?(笑)
早霧 新感覚でした!
宮尾 いつもリフトしてたからね(笑)。

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三人のトークの和やかさから、稽古場の雰囲気がよく伝わってきた公開稽古はこれで終了となり、まだまだ楽しいシーン、大爆笑のシーン満載のミュージカルで、観て頂きたいシーンはたくさんありますが、それは本番のお楽しみということで、是非劇場に足をお運びください!という締めくくりの言葉があり、公演への期待が膨らむ時間となっていた。
 
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〈公演情報〉
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ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』
作曲◇ジョン・カンダ—
作詞◇フレッド・エッブ
上演台本・演出・訳詞◇板垣恭一
キャスト◇早霧せいな、相葉裕樹、今井朋彦、春風ひとみ、原田優一、樹里咲穂、宮尾俊太郎(Kバレエ カンパニー) ほか
●5/19〜27◎大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈料金〉12.500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3888(10時〜18時)
●6/1〜10◎東京・TBS赤坂ACTシアター
〈料金〉S席12.500円 A席8.500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 0570-077-039(10時〜18時)
〈公式ホームページ〉 http://www.umegei.com/womanoftheyear/



【取材・文・撮影/橘涼香】




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霧矢大夢&鈴木壮麻、新コンビの魅力にあふれるミュージカル『I DO! I DO!』公開稽古レポート

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霧矢大夢が2014年に主演し、読売演劇大賞優秀女優賞を受賞するなど高い評価を得たブロードウェイ・ミュージカル『I DO!I DO!』が、新たに鈴木壮麻とのコンビで、5月11日〜20日まで銀座の博品館劇場、5月26日に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演される。

ミュージカル『I DO! I DO!』は、1966年にニューヨークで初演されたブロードウェイ・ミュージカル。登場人物はアグネスとマイケルという一組の夫婦だけ。その夫婦がたどる50年間の日々を二人芝居で描いた作品で、オフ・ブロードウェイで世界最長となる42年間というロングラン記録を持つ『ファンタスティックス』の名コンビ、ハーヴィー・シュミット(作曲)とトム・ジョーンズ(脚本・作詞)が手がけている。日本では、1969年に越路吹雪と平幹二朗コンビで初演され、ミュージカル女優としての越路の代表作のひとつとなっている。その後も、越路吹雪と細川俊之、草笛光子と細川俊之、平みちと村井国夫、久野綾希子と細川俊之、高嶺ふぶきと川崎真世、春風ひとみと村井国夫など、さまざまなキャストで上演されてきた、傑作ミュージカルとして親しまれている。

2014年版では、蜷川幸雄のもとで演出助手をつとめてきた大河内直子が演出を手がけ、翻訳は小田島雄志翻訳戯曲賞を受賞した広田敦郎、音楽監修は島健、振付は前田清実と、この名作に相応しいスタッフ陣が集結。今回もスタッフ陣は続投となり、引き続いてアグネスを務める霧矢大夢と、マイケルで初参加の鈴木壮麻という実力派同士の魅力的な組み合わせが実現。公開されたフォトビジュアルの素晴らしさも大きな話題を呼び、新コンビが2018年に生み出す新たな『I DO! I DO!』への期待が高まっている。

そんな注目の作品の公開稽古が5月3日、都内の稽古場で行われ、作品の一端が披露された。

♪公開稽古1「プロローグ」

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はじめに演じられたのは二人がオープニングで歌うナンバー。マイケルとアグネスの結婚式の当日。二人は未知なる世界への不安もどこかでは感じながらも、幸せいっぱい。稽古場の端と端で、結婚式の支度をしながらときめきと不安が交互に表われて、気もそぞろな二人を演じる鈴木壮麻と霧矢大夢が初々しい。
やがて結婚式が始まり、二人は家族や友人の前で「喜びの時も悲しみの時もいつまでも共に」という愛の誓いに「I DO! 」と答え、新居の寝室にやってくるまでが軽やかに歌われる。
鈴木の馥郁たる美声と、霧矢のリリカルな声がよく合い、このコンビの相性の良さが早くも伝わるデュエットが耳に、目に楽しい。


♪公開稽古2「この胸にあふれる」

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続いて演じられたのは、パジャマ姿に着替えた二人が遥かに年齢を重ねてからのシーン。子供たちが成長し、二人きりで年越しを祝った夜。16歳に成長した息子はニューイヤーパーティから夜遅くに帰宅。子供たちの成長を実感したマイケルに、アグネスは「思い描いた人生とは違ったわね?がっかりした?」と問いかける。「いいや、ちっとも」とマイケルは答え、二人は共に過ごし、積み重ねて来た時間を慈しむように歌う。
ミュージカルナンバーとしてだけではなく、作品の発表当時からスタンダードナンバーとしてもヒットした、『I DO! I DO!』の中でも、特に著名なナンバーが、演じる二人によって美しく届けられる。鈴木も霧矢も共に、舞台姿に凛とした気品があるのが、この夫婦の物語を更に味わい深いものにするだろう予感に満ちた、公開稽古となった。

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そんな場面公開を終えた鈴木壮麻と霧矢大夢に、演出の大河内直子が加わり囲み取材が行われ、三人が作品への抱負を語った。

【囲み会見】

──お稽古たけなわのところですが、手応えはいかがですか?
霧矢 私は2014年に続いて2度目の『I DO! I DO!』アグネス役でございます。この度は鈴木壮麻様という…
鈴木 様つける?(笑)
霧矢 大変頼もしい旦那様がいらっしゃって、新たな発見が毎日あり色々な解釈があるんだなと。また4年前とは自分の感じ方が変わっているのも感じますし、より密度の濃くなった『I DO! I DO!』のアグネスができれば良いなと思っております。やっぱりとても深い可能性がある作品で、脚本も演出によって変わってきたり、曲の入り方も少し変わったりですとか、今回のメンバーのオリジナル作品としての作業を改めてしていることが楽しいです。
鈴木 鈴木壮麻です。(霧矢と大河内の)二人は4年前にやっていらしっゃるという中に入って、どうやって追いつけば良いんだろう…とずっと思いなから、気が付いたら後1週間ほどで初日というところにいます。僕はこの作品の作曲ハーヴィー・シュミット、脚本・作詞トム・ジョーンズ、コンビの『ファンタスティックス』という作品がとても好きで、そのメロディーを醸し出してくれる様々な音が、この作品の曲にもいっぱい詰め込まれていて、着替えの練習等を袖でしながら、ピアニストの松田眞樹さんが弾いているピアノを聴いていて泣きそうになるんです。リチャード・ロジャースの『サウンド・オブ・ミュージック』に参加した時に「あぁ音のゆりかごにいるみたいだな」と袖で思いながら舞台に出て行ったのを、今回も体感できるのがすごく嬉しい、掛け値なしにそう思います。しかもそれがダブルピアノで実現されていくということが、なんて幸せなことなんだと思いながら、まるでご褒美もらったような気持ちでやっています。もちろんそのご褒美がご褒美たらんとするものとなるべく、演出家筆頭に三人でごちゃごちゃ悩みながらやっていますが、悩み甲斐のある作品だなと思っています。夫婦の話なので、お客様が「あ、そうだよね」と共感してくださったり「あ、これなら私はやめておこう」と思わせるのもひとつの手かも知れないし(笑)、色々な受け取りかたをしてもらえる作品だと思うので、そうしてもらう為には、エンターテイメントに終わらずに、リアルなものを持っていければ良いなと格闘している日々です。
大河内 二人に日々私が引っ張られながら、刺激を受けながら過ごしている毎日です。現実に夫婦の在り方って千人千様で、再演をやっていると壮麻さんはおっしゃるんですけれども、壮麻さんが入られることで、また夫婦の在り方というのが前回とは違っていて。千人千様だなとしみじみ感じる日々であり、逆に脚本から私たちが受け取った夫婦の在り方であるとか、愛の形であるとか、時には亀裂が入ったりなど、瞬間、瞬間に、二人でないと出てこない味わい深さが魅力なんだなと思っています。そこに注目してご覧頂けると嬉しいです。

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──お二人が演じるマイケルとアグネスがどんな人物なのか、紹介してください。
鈴木 「僕は作家です。本を書いています」という台詞があるんです。『熱い雪』とか言って、文庫版で出ている、読みやすいけれども内容が薄い恋愛小説(笑)、そういうものを書いて生計を立てています。ただ時にはそれが当たったりもして、映画になったらいいなぁ等と思いながらね。
霧矢 40万部売れたというね。
鈴木 それを馬鹿にするんですよ(と、霧矢を示して笑う)。たぶん僕はアーチスト系の人で、それが成り上がった感と言うか、往々にしてあり勝ちなアメリカン・ドリームみたいなところにいるのを、支えてくれたのもこの人(霧矢)なんですけど。まぁ、夫に持ったら面倒くさい男ですよ、ほぼほぼ(笑)。そう思う。
霧矢 そうです、苦労が絶えません(笑)。本当にアーチストの夫を持つ妻という感じで、大きく受け止めているところと、やっぱり彼の作品に多少なりとも刺激になれるような、ミューズ的な存在?
鈴木 あ〜。
霧矢 でもない?そういうことにしておいて貰ってよいですか?(笑)
鈴木 どうぞ、どうぞ(笑)。
霧矢 一応内助の功として家庭を守るという立場にはいるんですけれども、同じように楽しむことも好きですし。
鈴木 胡坐をかくのも好きだしね(笑)。
霧矢 そうそう(笑)。富と名声を手に入れた夫に対して、支えている自分という存在もありつつ、どこの夫婦にもあることかも知れませんが、心に距離感が出てきて。それを散財することによって埋めようとするけれども、そんなことでは埋まらないのよ!という寂しさもにじませつつ、おおらかで明るい女性です。
鈴木 彼女の逞しさと明るさが男にとっては救いなんだな、とすごく思ったりした。今日電車に乗っていたら、17〜18歳くらいの男の子三人とお父さんとお母さんという家族が、たぶんスカイツリーか何かに行くのかな?という姿を見たんだけれど、すっごく逞しいお母さんで、お父さんも甘えているのがわかって。あー、これか、男ってこうか!と思って。
霧矢 大きい子供みたいなんでしょ?(笑)
鈴木 家の中に五人で、男四人で女子ひとりというお母さんって、どんな日々を過ごしているんだろう?と思ったんだけど、やっぱり男子は女子に甘えてるんだなって。四人共お母さんに甘えてたから!
霧矢 壮麻さんのマイケルもすごく甘え上手な感じですよ!
鈴木 本当に?
霧矢 はい、大先輩ですけれども「よしよし」ってしたくなる瞬間があります(笑)。壮麻さん今回初参加で不安な面もおありになったと思いますが、でもやはり引っ張ってくださる部分も大きくて「さすが!」って思います。
鈴木 「さ・す・が」ですよ!(笑) 
霧矢 私はだから自分も初演だったら壮麻さんのペースについていけなかったかも?と思うくらいです。1回やっているからこそ、なんとかついていけてるのかも知れないと思います。
鈴木 とんでもないです!
霧矢 いえいえ、ですから二度目と言っても全く余裕がないですし、それが夫婦の間の火花というか、良いバランスになっていければ良いなと思います。 

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──演出家から見たお二人の魅力は?
大河内 お二人共言葉に深みがあるんですよね。だからこそスッと入ってくる。「あぁ、コミュニケーションって言葉なんだな」と思いますし、そこから音楽が沸き起こってくると思わせてくれるお二人が、とても素敵だなと思います。
──演じるお二人が、お互いに感じている魅力は?
鈴木 とても脚本が良く書けているんです。ここに音楽が入ってくるんだ!と思わせてくれるし、ハーヴィー・シュミットお得意のリズムの刻みがワクワク感を醸し出してくれるビートなので、そこに上手く自分をのせていくことに、この人(霧矢)はとても長けています。それでまた見せ方が身についていてカッコよいの!なんでそんなにカッコよいの?って思う。男前だし!僕なんかグジグジしているのに(笑)。 
霧矢 ええと、そうですね!
鈴木 ほら(笑)。
霧矢 いやいや、グジグジしてるとは思わないですけど(笑)、すごく繊細なインテリジェンスで、とても色々なことをご存知です。ハーヴィー・シュミットとトム・ジョーンズに対する造詣がとても深くて、色々教えて頂いているのですが、でもちょっとグジグジ言うこともあったりして(笑)、それに対して私が「そんなことどっちでもいいじゃないですか!」ってすぐ言っちゃうところがあって(笑)。でもこれがアグネスとマイケルのバランスなんだろうな、と思ったので。
鈴木 そうだね。
霧矢 そこで一緒に私もグジグジ言ってしまうと、ドツボにハマった夫婦になってしまうので(笑)、このめぐり合わせがね!
鈴木 じゃあアテガキってこと?(笑)
霧矢 それに近いものがあると!
大河内 そう、本当に相性が良いですね。
霧矢 それで、色々な引き出しをお持ちなので。どう出ても対応してくださるので、頼もしいなと。
鈴木 それはあなただって!すごくそうですよ!振付なんかは全部この人におんぶに抱っこですから。「はい、こうこう、こうです!」と操られまくってますから!
霧矢 いえいえ、あぁ、まぁ、そうなんですけど(爆笑)
鈴木 ほら、そうでしょう?(笑)
霧矢 いえ、だから、私はいつもそうなんですが、リードし過ぎているように見えないようにしなきゃなと(笑)。あ、でもそれがアグネスがマイケルを掌で泳がせている感じかな?とも思うので、変に可愛らしい奥様みたいなのを演じ過ぎずに、私も自分の自然体を入れる方がいいのかな、と思ったりしています。だからちょっとウェットになり過ぎてしまったりした時には、もちろん指摘して頂きますし、もっと肝っ玉母さん的な、日本のではなくアメリカのですけれど、そういうお母さんでいないと、とは思います。 
鈴木 でも相手役だから、相手役に対して「このお芝居はどうなんだろう?」「こうなんじゃない?」とか、「そこの踊りはどうなんだろう?」「それはこうなんじゃない」と言うのは、結構デリケートな部分なんですけれども、そこを敢えて踏み込んで、試行錯誤しているプロセス自体も二人の夫婦像を作っていく上で、良い糧になっているんじゃないかな?と。「もしかしたらこういうのもいいんじゃない?」「あぁ、そうなんでしょうか?」みたいな、ソフトランディングをせずに、荒療治的なことの、ヒリヒリする感じもリアルでいいんじゃないかな?と思ってはいるんだけど、どうなの?
霧矢 いや、いいんじゃないですか?(笑)板の上ではフェアな感じでね。
鈴木 そうだね!

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──とても良い雰囲気が伝わります。では改めて楽しみにしてくださっている方々にメッセージを。
大河内 この作品はヤン・ハルトクという作家が、ナチスの占領下で追っ手に追われながら、身を隠しつつ書いた小さな物語が原点なんです。その思いを引き継いだハーヴィー・シュミットとトムジョーンズによって現代に蘇った物語で、小さな愛と夫婦の物語なのですが、その向こうに脈々と受け継がれてきた命の物語があるのを感じながら作っています。そんな思いを受け取って頂ければ嬉しいなと思っております。
鈴木 素敵です!僕にとって霧矢さんがとっても大事だなと思える作品で、夫にとって、男にとって、妻、女性というパートナーが必ず必要なんだなと。この人がいてくれてよかったなと、すごく感じるんです。そこを観てくださる方たちにとっても、その対象が別に人間ではなくても、動物でも植物でも大好きな本でも、何か心を通わせられるものを愛おしく思える、そんな気持ちをふっと持ってもらえたら良いなと思いながら、この舞台を皆さんにお届けできたらと思っております。是非いらしてください!
霧矢 もったいなすぎるお言葉を鈴木さんから頂戴しました。
鈴木 ちょっと返して(笑)。
霧矢 はい(笑)。私ももちろん壮麻さんじゃなかったら、今回のアグネスはできなかったんだろうなと、本当に思っております。作品の素晴らしさはもうこのミュージカル界で皆様ご存知だと思いますが、今を生きる私たちがお届けして、皆様が劇場の中でマイケルとアグネスの50年間を一緒に駆け抜けて頂きたい、体感して頂きたいと思っております。是非、是非、劇場へ何度でも足をお運びください。
鈴木 きっとまた観たくなるよね。
霧矢 そう1回ではね、情報量が多いので!
大河内 何回も観て頂きたいですよね。
鈴木 そうですね。アグネスって呼ばなきゃいけないのに…
霧矢 他の女の名を呼ぶことが!(笑)
鈴木 なんだったんだ?今の?って(笑)
霧矢 と、言うような楽しい雰囲気で(笑)、稽古場は進んでおりますので、是非いらしてください!

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〈公演情報〉

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ミュージカル
『I DO! I DO!』 A Musical About Marriage
脚本・作詞◇トム・ジョーンズ
作曲◇ハーヴィー・シュミット
演出◇大河内直子
翻訳◇広田敦郎
音楽監修◇島健
出演◇霧矢大夢 鈴木壮麻
ピアノ演奏◇江草啓太 松田眞樹
●5/11〜20◎銀座 博品館劇場
●5/26◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
〈料金〉8,800円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉アン・ラト info@ae-on.co.jp

 
【取材・文・撮影/橘涼香】  




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柚希礼音、西川貴教ら豪華キャストが集結!地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15『ZEROTOPIA』公開稽古レポート!

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岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット「地球ゴージャス」の最新作ダイワハウスSpecial地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15『ZEROTOPIA』が、東京赤坂のTBS赤坂ACTシアターで4月9日から上演される(5月22日まで。のち、愛知、新潟、福岡、広島、大阪でも上演)。

「地球ゴージャス」は1994年の結成以来、劇団というスタイルを取らず、岸谷五朗と寺脇康文以外のメンバーは固定せずに、新鮮なゲストを迎えてのプロデュース公演を続け、常に新作、再演はしないという方針のもと、これまで14作品が上演されてきた。近年の公演では全国で10万人以上の観客動員を記録し続けていて、日本でも有数の人気カンパニーとしての地位を確立している。

そんな地球ゴージャスの第15弾『ZEROTOPIA』は、沈没した豪華客船から必然的に生き残った男女が、地図に載っていない島に辿り着き、その島を起点(ゼロ)として、ユートピア(理想郷)へ向かうのか、ディストピア(地獄郷)に向かうのか、という普遍的な「生きる」ことをテーマに、彼らを待ち受ける運命と巨大な陰謀を描く物語となっている。

今回W主演として登場するのは元宝塚歌劇団星組トップスターで、現在女優として活躍中の柚希礼音と、日本の音楽シーンを牽引してきただけでなく、多方面のジャンルでも活躍する西川貴教という、豪華な組み合わせが実現。
更に共演に、若手実力派俳優の新田真剣佑。地球ゴージャス初となるWキャストでの出演を果たす宮澤佐江と花澤香菜。これまで地球ゴージャスならではのダイナミックな振付を支えてきた藤林美沙、原田 薫、大村俊介(SHUN)の3人も、今回は揃って出演。舞台を中心に活躍している若手人気俳優の水田航生、植原卓也がメインキャストとして名を連ね、岸谷五朗、寺脇康文と共にゴージャス流エンターテインメントを盛り上げる。

その期待新作『ZEROTOPIA』の公開稽古が3月7日都内の稽古場で行われ、メインキャストが揃ってのフォトセッションのあと、岸谷五朗と寺脇康文から意気込みが語られた。

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【岸谷五朗・寺脇康文挨拶】

岸谷 お忙しいところ、また寒い中をこのようにたくさんお集まり頂きましてありがとうございます。ダイワハウスSpecial地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15でございます。『ZEROTOPIA』今稽古に入りまして、稽古期間が長いのですが2ヶ月ちょっと経ちました。いつも言っておりますが地球ゴージャスの代表作は最新作です。まさに今回も素晴らしいキャストが集まってくれました。それぞれに特別な能力を持っていて、今回の作品になくてはならないキャストの皆さんが揃ってくれました。4月9日からTBS赤坂ACTシアターで初日を迎えます。愛知公演、新潟公演、福岡公演、広島公演、そして最後の大阪公演の7月15日まで、4ヶ月の公演となります。今回は12万人のお客様を動員しようと思っております。まだまだ未熟な地球ゴージャスでございます。皆様のお力添えを得て、この『ZEROTOPIA』という作品を、本当に幸せな作品にして頂けたらと思います。是非お力をお貸しください。本日はお忙しい中を本当にありがとうございました。
寺脇 寺脇でございます。
岸谷 ありがとうございました。
寺脇 おい!終わってないから!(爆笑)喋らせなさいよ(笑)。地球ゴージャスも結成して24年経ちまして、それだけ歳をとる訳ですが、僕は遂この間56才になりました。いつの間にかカンパニーの中で最年長です。でも良い数字なんですよ。56才ということは「ゴロー」ですから。(岸谷五朗と二人で)「Wゴローイヤー」ここ使いどころですよ!(爆笑)
岸谷 全然使えないから!
寺脇 いや、ここは使える!明日の新聞の見出しは「Wゴローイヤー」(爆笑)。今回も、僕らも、皆さんも、様々な年代の方々が元気になるような、そして今の地球を一緒に考えて行こうということも含めて、素晴らしいエンターテインメントに仕上がるよう、歌、ダンス、アクション、芝居、そして今回はミステリーになっていますからね。極上のエンターテインメントになるよう今、一同頑張っております。是非皆様のお力をお貸しください。よろしくお願い致します。

続いて、公開稽古の準備に入る間にも「Wゴローイヤー」と寺脇が言い続けて和やかな笑いを誘う中、4つの場面が公開された。

【公開稽古・1】
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まず始めに披露されたのは、西川貴教を中心としたオープニングナンバー「Dynamic Dynamite Extreme」。ダンサーたちを従えて、西川がフルパワーで歌いまくる、迫力満点のナンバーだ。常にステージに立つと、大柄な人ではないことが信じられないほど、大きな存在感を放つ西川の魅力が早くも炸裂。本番の舞台でのヒートアップが予見される導入に心躍る。


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【公開稽古・2】
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次に、柚希礼音演じるジュンの過去の出来事が描かれるナンバー「Jun's past2」が柚希と水田航生により演じられる。ジュンは意識不明になった大切な人を見守る日々の中で、共に励ましあっていた男性(水田)と、互いに惹かれ合ってしまった。だが、大切な人の意識が戻った時二人は…?という、次はどうなる?という余韻が強く残る絶妙な場面公開。柚希が切ない心情を表出して、女優として確かな地歩を固めている様がはっきりと観て取れ、水田の爽やかな二枚目ぶりも際立った。

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公開稽古・3】
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ガラリと趣が変わって、次の場面は新田真剣佑演じるアトラスが、過去に特殊工作員だった時代を描いたナンバー「特殊工作員アトラス」。素で話す時にはかなりシャイな一面を覗かせる新田の、優れた身体能力と演技力が発揮される、アクションが満載だ。この場面は2幕の場面の為、遂先ほど甘い二枚目だった水田が厳しい上官を演じるのが新鮮。植原卓也のキリリとした身のこなしにもキレがある。

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【公開稽古・4】
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最後はメインキャストが全員登場しての「Jun's Dream」無人島に流れ着いた面々が夢を語り合う中で、ジュンは幼い頃からエンターテイナーになりたかったと語り、岸谷とのダンス、そしてメインキャストが全員登場してのラインダンスも含めた、華やかな歌とダンスが展開される。ある意味で、最も地球ゴージャスらしいナンバーで、本番の舞台の華やかさに想像が膨らみ、この日は宮澤佐江の出演だったが、Wキャストの花澤香菜の出演にも興趣がわく。

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こうして迫力の場面公開は終了。無人島に流れ着いた人々の運命が、地球ゴージャス得意のエンターテインメント作品として、どう表出されるのか、本番の舞台に期待が高まる時間となっていた。

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〈公演情報〉
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ダイワハウスSpecial 地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15
『ZEROTOPIA』
作・演出◇岸谷五朗
出演◇柚希礼音、西川貴教
新田真剣佑、宮澤佐江・花澤香菜(Wキャスト)
藤林美沙、原田 薫、大村俊介(SHUN)
水田航生、植原卓也
岸谷五朗・寺脇康文 他
●4/9〜5/22◎東京・TBS赤坂ACTシアター
〈料金〉S席 12,000円 A席 9,500円 B席8,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットスペース 03-3234-9999
●5/29〜6/2◎刈谷市総合文化センター
〈料金〉S席 12,000円 A席 9,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
●6/9〜10◎新潟テルサ
〈料金〉SS席 12,000円 S席 9,500円 A席8,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードー北陸チケットセンター 052-245-5100
●6/22〜24◎福岡サンパレス
〈料金〉S席 12,000円 A席  10,000円 B席8,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードー西日本 092-714-0159
●6/30〜7/1◎広島文化学園HBGホール
〈料金〉S席 12,000円 A席  10,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードー西日本 092-714-0159
●7/6〜7/15◎大阪・フェスティバルホール
〈料金〉S席 12,000円 A席  10,000円 B席8,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888
〈公式サイト〉 https://www.chikyu-gorgeous.jp/vol_15/


 
【取材・文・撮影/橘涼香】

帝劇『1789』


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人気ミュージカルが待望の再演『HEADS UP!』稽古場公開レポート!

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 KAAT 神奈川芸術劇場で、2015年11月に初演された日本生まれのオリジナルミュージカル「HEADS  UP!」。その待望の再演が、いよいよ12月14日、KAAT 神奈川芸術劇場からスタートする。その後、富山、上田、大阪、名古屋を経て、3月の赤坂ACTシアターまで続く大規模上演となっている。
その舞台の公開稽古が、11月27日、KAAT神奈川芸術劇場の稽古場でプレスに公開された。
 
原案・作詞・演出は、1986年から舞台創作に活動の場を広げ、様々な作品を多数手がけてきたラサール石井。かねてより石井は、舞台作品に携わるたびに、スタッフワークの厳しさや苦労、そして何よりスタッフたちのプロフェッショナルとしての矜持に感じ入り、いつかこのスタッフワークを中心にした物語を創りたい、と構想を10年以上温め続けてきた。そして、舞台『英国王のスピーチ』(2012年)に自身が出演した際、脚本を担当した倉持裕の才知に惚れ込んで、構想の脚本化をオファー。2015年、ついに本作のミュージカル化が実現した。

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【あらすじ】
ミュージカルファンなら誰もが知る“あの名作“が 1000 回目の公演を迎え、華々しく終了したはず…だった。が、ベテラン主演俳優は、某地方都市の古い劇場で 1001 回目を上演することを要求。誰も鶴の一声には逆らえず、上演することになったが、舞台美術は廃棄済み、キャストのスケジュールも押さえていない、スタッフも人手不足、演出家は理想のプランを頑として譲らず…しかも、舞台監督はメインをはるのが初めての新人!
それでも、スタッフたちは、幕を開けようと必死に知恵を絞って奔走する。幸か不幸か、チケットは完売! 観劇のために都合をつけた観客たちが、期待に胸ふくらませて待っている!果たして幕は開けられるのか…。そして、主演俳優が「1001 回目」にこだわった理由とは…?

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あるミュージカルの仕込みから閉幕後のバラシまでを描いた、一風変わったこのバックステージエンターテイメントは、初日が開くやいなや口コミで評判は広がり、大盛況のなか幕を閉じた。
芝居・楽曲・ダンスと三拍子揃ったオリジナルミュージカルで、その質の高さにも注目が集まり、ラサール石井は、第23回読売演劇大賞演出家部門優秀賞を受賞。心に染み入る歌の数々、爆笑を呼ぶ劇中劇、そして劇場を出るころには思わず口ずさみたくなるナンバーなど、もう一度観たいと惹きつけられたファンの熱望に応える形で、この度の再演が決定した。

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キャストも奇跡的にほとんどの初演メンバーが揃った。
前回、初ミュージカルながら男気溢れる魅力で、ベテラン舞台監督役を見事に演じ切った哀川翔。
新人舞台監督には、30 周年記念公演のミュージカル『レ・ミゼラブル』などで大活躍の相葉裕樹。
ベテラン演出部のリーダー役は、劇団☆新感線の看板役者で映像作品でも活躍する橋本じゅん。
ベテラン舞監の元妻の女優役には、宝塚トップから本格舞台女優への階段を昇り続ける大空ゆうひ。
劇場付雑用係は、ミュージカル『ジャージーボーイズ』で第24回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞、ミュージカルの世界に君臨する中川晃教。
制作として踏ん張る女性には、今や女優として進境著しい青木さやか。
彼らを振り回す老名優には、ミュージカル界のベテラン今拓哉が扮し、さらに芋洗坂係長や陰山泰らが脇を固めている。

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そして今回が初参加となるキャストも、それぞれ実力派の顔ぶれだ、
やる気のないバイトには、注目の若手俳優で、声優や作・演出としても活躍する池田純矢。
演出部スタッフに、「劇団鹿殺し」のメインキャストで音楽にも才能を発揮するオレノグラフィティ。
衣裳部の若手には、元アイドリング!!!の外岡えりが扮している。

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この日の稽古場面は、名優が主演するミュージカル『ドルガンチェの馬』が、ハプニング続出の中で、ついに開幕してしまうというシーン。有名ミュージカルをパロった劇中劇の面白さ、また劇中で「馬!馬!」と歌い上げる主題歌は、笑いを誘う。初演でも抱腹絶倒だった場面が、さらに練り上げられ、パワーアップして展開する。再演にかけるキャストたちの熱い思いが伝わる稽古風景となった。

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【囲みインタビュー】

稽古風景のフォトセッションのあと、原案・作詞・演出のラサール石井と主演の哀川翔の囲みインタビューが行われた。

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ラサール石井 
気づかないぐらいのカットや、付け加えたシーンがあって、結構早いペースで稽古しているので、再演からのキャストの方々にとっては大変だと思いますが、チームワークはバッチリです。ステージングがガラッと変わるところもあったり、笑えるシーンも増やしているので、初演とはまた違う印象になると思います。全体の構成に秘密があって、2回観ても楽しめる舞台です。翔さんのお仲間の方が、差し入れを買って持ってきてくれるのではなく、稽古場に来て、作り立てを食べさせてくれるので、とても差し入れが充実しています!

哀川翔
稽古は順調です。初演から2年が空いて、皆はこの2年の間に色々な作品を経験してきているけど、俺のミュージカルの引き出しは『HEADS UP!』だけだから、すぐに思い出したよ(笑)。とはいえ、覚えているようで覚えていない所も結構あって、また新鮮な気持ちで稽古に臨んでいます。初演でやり切れなかったところを作り直したり、ミックスさせながら構成しています。初めてミュージカルを観る人でも、スッと入ってこれて、いつ観ても楽しめる舞台です。ぜひ劇場にお越しください。

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〈公演情報〉
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KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
ミュージカル『HEADS UP!(ヘッズアップ)』
脚本◇倉持裕
演出◇ラサール石井
作曲◇玉麻尚一
振付◇川崎悦子
出演◇哀川 翔、相葉裕樹、橋本じゅん、青木さやか、池田純矢、大空ゆうひ、中川晃教 ほか 
12/14〜17◎KAAT神奈川芸術劇場
2018/3/2〜12◎TBS赤坂ACTシアター
2018/1/20◎富山  オーバード・ホール 
2018/1/26・27◎上田 サントミューゼ 大ホール 
2018/2/2〜4◎大阪 新歌舞伎座
2018/2/15/16◎愛知 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
〈公式ホームページ〉http://www.m-headsup.com/


【取材・撮影/友澤綾乃】




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宝塚OG&気鋭のミュージカル俳優とダンサーが紡ぐ新感覚オリジナルショー『Pukul』公開稽古レポート!

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斬新な振付と深い人間愛で数多くの話題作を発信し続ける謝珠栄が、全幅の信頼を置く後輩たち=宝塚OGと、歌唱力に優れたミュージカル俳優と、気鋭のダンサーという刺激的なキャスティングで紡ぐ、新感覚オリジナルショー Cosmos Symphony『Pukul』〜時を刻む愛の鼓動〜が、12月9日〜16日、東京・日本青年館ホールで上演される(のち、12月21日〜25日、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでも上演)。

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『Pukul』とは内面が活力を得て動き出す「鼓動」に、時を知らせる意味も持ち合わせたマレー語で、歌×ダンス×プロジェクションマッピングによって、壮大な時間の旅が描かれる。ACT1では、インド舞踊やグルジニアンダンス等、アジアをはじめ各国の音楽や民族舞踊の要素を取り入れつつ、星たちの誕生と、美しくも時に脅威ともなる自然を神秘的に描く。また、ACT2では、馴染みあるジャズやポップスで、この地球で命を授かった人々の人生をスタイリッシュにたどっていく。

そんな作品の公開稽古が、11月都内稽古場で行われた。宝塚OGで全日程出演の湖月わたる、水夏希、蘭乃はな、舞羽美海、男性キャストの坂元健児、大貫勇輔、島地保武、岡幸二郎、ダンサーの千田真司、神谷直樹、田極翼、舞城のどか、鶴美舞夕、そして、日替わりで出演する宝塚OGのスペシャルキャスト姿月あさと、春野寿美礼、彩吹真央の、出演者全員が登場。本来は日替わりで出演する、姿月、春野、彩吹が、入れ替わって各場面に登場など、この公開稽古だけのスペシャルバージョンによる、作品のオープニング場面が披露された。 

【謝珠栄挨拶】
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今日はお忙しい中お集りくださいましてありがとうございました。『Pukul』とは何ですか?とよく訊かれるのですけれども、まずは人間の内なる秘めたものが、活力を得て動き出すことという意味の「鼓動」と、もう1つ時間が動き出すという意味の言葉をずっと探していました。その中でマレー語の「Pukul」という言葉の中に、鼓動と、時刻を表すのに太鼓を打って報せるもの、という両方の意味があることがわかって「あぁ、これはこのショーのテーマにピッタリだ!」ということで『Pukul』を選びました。1幕は地球の誕生から生命の誕生までを、アジアの民族音楽舞踊で。2幕は人間の一生についての時間の流れを現しています。今日は本当にさわりの部分なので、まだまだたくさん楽しいことがあるのですけれども、今日はお見せしませんので(笑)、劇場の方に是非いらして頂ければと思います。よろしくお願いします。

【公開稽古】

M2 宇宙の鼓動〜M3星たちの鼓動

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アジアのエキゾチックで神秘的な音楽が流れ、青い、人力で回転する象徴的なセットの前に、過去(岡幸二郎)、現在(スペシャルキャスト・姿月あさと)、未来(坂元健児)を司る三神が現われ、止まらずに流れる時の中で、宇宙に星々が誕生していくと歌う。時の矢である大貫勇輔が神々から託された矢を手に踊り、やがて次々に出演者が登場。星が生まれ、銀河となっていく様が踊られる。

M3a 星の一生

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星たちはぶつかりあいながら、ある者は消滅し、ある者は重なりあって、更に大きな星となっていく。現在の神がスペシャルキャストの春野寿美礼に交代。火星、木星、水星、更に多くの名もなき星たちの誕生と消滅、悠久の宇宙の神秘が歌われる。

M4 銀河の回転

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現代の神がスペシャルキャストの彩吹真央に交代。星々の中で最も偉大な力を持った太陽(湖月わたる)が、銀河の頂点に立つことになると語る。岡が歌い、地球の水夏希、月の蘭乃はな、舞羽美海ら、星々が太陽の周りを回りながら、自らを形成していく様が、美しい光と輝きで煌めく小道具も効果的に示されていく。

一気呵成に進んだ約15分に渡る公開稽古は終了。メインキャストの宝塚OGたちも、ダンサーたちと変わらなく踊るのが印象的で、謝珠栄ならではの、神秘的でエキゾチックなムードが広がり、作品の壮大な世界観を彷彿とさせた。

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続いて、全キャストによるフォトセッションが行われた後、謝珠栄、姿月あさと、湖月わたる、水夏希が、囲み取材に応えて公演への抱負を語った。

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【囲みインタビュー】

──まず一言ずつ意気込みをお願いします。
 このショー創るにあたって、色々な方たちにアジアの民族舞踊を知ってもらいたい、楽しんで欲しいという気持ちが最初にあったのですけれども、それを叶えてくれるのは、宝塚の後輩しかいないのではないかな?というところから、作品の企画がはじまりました。思い通りに色々な民族舞踊、とても難しいのですけれども、皆、果敢にトライしてくれていて、やはり私が信頼していたタカラジェンヌだけはあるなと思って喜んでいます。
姿月 私は今回歌の方の担当をさせて頂いて出演しているのですが、謝先生の本質というものは、人々が忘れてはいけない地球の根源を現しています。天変地異など色々なことがある中で、私たちなりに今伝えられる素晴らしいショーができていると思いますので、是非劇場の方に足を運んで頂いて、本番で何かを感じて頂きたいと切に願っています。

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湖月 謝先生とは宝塚時代からご一緒させて頂いていて、本当にエネルギッシュで心を打つ先生の作品や場面が大好きで、今回このショーに参加させて頂いて、とても光栄なんですけれども、まさしく先生の中からあふれ出るエネルギーを受け取って、今、色々な民族舞踊がある中で、私は韓国の「三面太鼓」に挑戦させて頂いています。
 すごいですよ!皆さん、韓国の先生も驚かれて「こんなに短時間でここまでできるとは」と言っていらっしゃいます。
湖月 心をこめてさせて頂きますし、本当に男性陣のエネルギッシュなダンスと、タカラジェンヌ、卒業生ならではの神秘的で優雅なダンスをお見せできるのではないかなと。そして昨日ちょっと映像の打ち合わせもされていたのですが、その映像があまりにも綺麗で、この映像の中に今私たちが創っている世界が入るのか!と思うと、今からワクワクしておりますので、1人でも多くのお客様にいらして頂いて、この『Pukul』を体感して頂きたいなと思います。

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 宝塚時代も先生の作品は自分との闘いだなと思ってはいましたが、退団しても尚かつ(笑)。謝先生の作品なのですごい闘いになるだろうなと想像はしておりましたが、想像を絶する闘いの日々で、まだまだ完成形に近づくにはほど遠いのですが、キャストの1人1人が自分と闘って、作品と向き合っていて、初日にはその1人1人の闘いが舞台で大きく花開くだろうと思っています。そのエネルギーが、生きているって素晴らしい!ということをお客様に伝えてくれるような作品になると思うので、一緒にこの生命賛歌を味わいにいらして頂きたいなと思います。
 宝塚OGに混じって、男性キャストも素晴らしいので。
 本当にすごいですよね。やっぱり女性ではできない、男役でもできないことをやってくれているので。
姿月 この人数でやっているとは思えないパワーですよね。
湖月 私たちもふんだんにリフトして頂いてね。この大きな私たちを…私か(笑)。そしてスペシャルキャストの皆様と、岡幸二郎さんと坂元健児さんの歌声が神々しくて、一気に『Pukul』の世界に連れていってくださるので、本当にありがたいです。
 皆、素晴らしいキャストです!

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──民族舞踊は具体的にどの国のものが使われるのですか?
 バリ、韓国、中国、インド、グルジア、ロシア、中近東もちょっと入って、6〜7でしょうか。それぞれの先生に来て頂いて、その部分だけをかっちりと作って頂いて、私はそのエッセンスを入れてという感じになっています。
 もう大変なんです、とっても大変!
湖月 うん、だからきっと外国の方が日本舞踊を踊るのが難しいのと一緒でね。
 あー、そうですよね!
湖月 身体の根本の使い方が違うからね。でも、色々なダンスを踊らせて頂く中での共通点もあって。ただ、手が難しいかな。
 本当に少しずつ違うんですよね。
 20数種類あるので、そこはもう先生たちに厳しく見て頂いてね。1幕の振付をやっている間は、皆、頭が固まってしまってね。
湖月 今までになかったところが筋肉痛になって。
 でもだんだん今、皆さん自分のものになっています。

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──謝先生が特にこだわられた部分は?
 こだわったのは、やはり民族舞踊を取り入れるからには、自分自身も民族舞踊を習得しないといけなかったので、その下ごしらえを作るのに時間がかかりました。またショーの台本を書くのは、歌詞も書かなければならないので、久々に大変でしたが、刺激的でした。今はもう稽古場に来たら皆と楽しくやりたいなと思ってやっています。
──日替わりのスペシャルキャストと伺っていたので、もう少しゲスト的な出演を想像していたのですが、公開稽古から、物語に深く組み込まれているんだと感じましたが。
姿月 まさしくその通りで、台詞と歌詞も多く、先生が書かれているメッセージ、歌詞の意味がちゃんとお客様に伝わらないと、皆さんがどんなに踊られても、その意味と融合した解釈がつながらないといけないなと。時の矢ということで大貫勇輔さんが存在していらっしゃるなど、1人1人が与えられた役名と意味を持って存在しないと、ただ歌って、ただ出ていくのではいけないので、語り部としての役割をちゃんとしたいと思います。先生の大きなメッセージ性がおありなので、そこをきちんとね。
 地球の誕生を知った時に、人間の一生と同じくらい地球も苦労していたんだなと、地球かすごく愛おしく思えてね。
姿月 2017年を締めくくるに相応しい『Pukul』です。

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──またスペシャルキャストの方たちが入れ替わることによって、雰囲気も変わるのでは?
湖月 本当に今までのスペシャルキャストの概念を覆す出演をされているので。
 皆、毎日稽古場に来てくれるから、もう「皆で出たら?」と言いたいくらい(笑)。
湖月 今日のように、ABCとバージョンを作って入れ替わって、毎日出て頂いたらと思うくらいなんですが。それくらい贅沢な出演をして頂いています。
 私はゲストのお三方それぞれとの、宝塚時代の思い出があるので、日替わりでその中に入れることが、すごくすごく楽しみです。
──名だたるダンサーさんが出演されていますが、振付にはダンサーさんからのアイディアなども?
 ここは自由に使っていいよ!と言ったところもあります。ここは自由に自分の見せ場にしてください、というお願いもしています。
湖月 「ポーンっと飛んで!」と言ったら本当にポーン!と飛んでくださいますものね。
 そうそう、そのポーンの意味がわかっていらして、ピョーンとポーンにも違いがあるので(笑)。
 その謝先生の表現の違い、今のでOKか否かというのが、すごくハッキリしていらっしゃるので、皆さん、「あ、これは違うんだな」って(笑)。
湖月 すぐ、別のをやってくださいますよね!すごく一緒に創りあげられている感じがします。

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──本当に迫力あるダンスでしたが。
 この後がもっとすごいんです!今お見せしたのは本当にさわり、オープニングですから(笑)。わたるの太鼓もすごいしね。
湖月 女の子たちもすごいいですよね!2部はまた雰囲気が変わりますし。
 そうそう、カッコよくね。
──過去、現在、未来の三人の神が登場しますが、託した思いは?
 時というのは、過去なのか、未来なのか。砂時計を裏返したら過去が未来になってしまう、という仕組みが、時の流れとはどういうものなんだろう?と私は感じるので、三人で1つの時を現しています。語り部として歌を歌って、表現して頂くという意味では、歌唱力のある三人の方たちにお願いして、皆にはそれを舞踊で表現してもらう、良い役割分担かなと思っています。でも、湖月さんにも、水さんにも歌もあります。
──これまでの宝塚OGショーとは一線を画した、オリジナルのショーですが、特にダンサーとして活躍している方たちと共に踊ることについては?
湖月 宝塚OG公演のショーは、それならではの華やかさがあったり、懐かしい音楽や顔ぶれでというものがありました。でも、退団してから私は水ちゃんと一緒に何作か、ダンス公演もご一緒させて頂いていて、宝塚時代からダンスが好きで、退団してからもダンスと向き合ってきた私たちにとって、こうしてオリジナルのショーに参加できることは本当に嬉しいです。また、女性陣が宝塚卒業生ということでね。
 心強いです。
湖月 そう、心強いし、一緒にいつでも助け合っていけるし、そこに男性ダンサーの方がいてくださることによって、本当に引っ張りあげてもらえるし、皆さんが先生クラスの方たちなので、色々な身体の使い方を教えてもらったり、助けてもらいながら、こんな貴重な経験はないなと、謝先生に感謝しています。

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 本当に退団してからも色々なダンスをやらせて頂いてきたのですが、まだやったことがないジャンルがあったんだなということを、すごく実感しますし、普段ダンサーとか、振付家として活動される方に混じって、私が「ダンサー」という看板を出していいんだろうかと。
湖月 そうそう、それは思う!
 ですから、本当に色々と教えてもらいながら、新しい筋肉の開発にいそしんでいます。
湖月 日々すごいんですよ!筋肉痛が重なって!
 本当にすごいですよね!
湖月 なんの筋肉痛なのかわからないんだけど。
 毎日筋肉痛なんです。
湖月 それが嬉しいの(笑)。
 生きる喜びでしょう?(笑)
湖月 そうなの!生きてる!って思う。こんなに体中が痛くなる公演って他ではなかなかないから。挑戦できている自分がすごく幸せです。

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──では最後に皆様へメッセージを。
 まさしく鼓動という、自分の内なる、秘めたるエネルギーが動き出す作品ですので、この皆の頑張りを楽しみに劇場に足をお運びくださればと思います。
姿月 先ほども申しましたけれども、2017年の締めくくりにお客様の普段動かない心のどこかが動き出す、私たちの心が動くことも伝わるような作品だと思いますので、心を動かしに是非劇場にいらしてください。
湖月 かつてない壮大でエネルギッシュなショーになると思いますので、是非劇場に足をお運びください。お待ちしております!
 年末に、パワーあふれる舞台で、1部と2部で全然違う世界でありつつ、1つのストーリーになっているので、それそれを感じて楽しんで頂けたらいいなと思っています。

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〈公演情報〉
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Cosmos Symphony『Pukul(プクル)』—時を刻む愛の鼓動—
構成・演出・振付◇謝珠栄
出演◇Regular Cast 湖月わたる、水 夏希、蘭乃はな、舞羽美海、坂元健児、大貫勇輔、島地保武/岡 幸二郎
千田真司、神谷直樹、田極翼、舞城のどか、鶴美舞夕
Special Cast  姿月あさと、春野寿美礼、彩吹真央(日程別出演)
●東京公演 12/9〜16◎日本青年館ホール
●大阪公演 12/21〜25日◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈料金〉東京公演/S席11,000円  A席7,000円
    大阪公演/11,000円
〈お問い合わせ〉
東京公演 0570-077−039(梅田芸術劇場) 
大阪公演 06-6377-3888(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)
〈公式ホームページ〉http://www.umegei.com/schedule/654/



【取材・文・撮影/橘涼香】




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