宝塚ジャーナル

花・虞美人 凰稀かなめ、ユナク出演

宝塚公演レビュー

期待の若手作家競演による色濃い二本立て。宝塚花組公演『雪華抄』『金色の砂漠』

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明日海りお率いる花組が、新進気鋭の若手作家による冒険的な作品に挑むと同時に、トップ娘役花乃まりあの退団公演でもある宝塚花組公演、宝塚舞踊詩『雪華抄』トラジェディ・アラベスク『金色の砂漠』が、東京宝塚劇場で上演中だ(2月5日まで)

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まず前ものに用意されたのは、チョンパと呼ばれる、日本物に欠かせない幕開きの手法(暗転の中で緞帳が上がり、その間に居並んだ出演者たちが拍子木の「チョン」という音に続いて照明が「パ」っとカット・インする舞台に勢ぞろいしている形)で、華やかに開幕する日本ものレビュー『雪華抄』で、原田諒の作品。リンカーン、アル・カポネなど、歴史上に名高いが宝塚歌劇の主人公として取り上げるのは、いささかハードルが高いと思われてきた人物を、次々に宝塚の世界に引き込み、宝塚歌劇の枠を広げる作品を発表して、内外から注目を集めている気鋭の若手作家が初めて挑む、日本ものレビューとして、注目を集めている作品だ。

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全体は、紅梅白梅の初春で幕を開け、七夕幻想と波しぶきの夏、月光の秋から雪の冬、そして再びめぐりくる桜満開の春爛漫と、春夏秋冬を追った、王道の日本ものレビューの形をきちんと踏襲しているが、そこは常に新しい視点を宝塚に持ち込んできた原田のこと。彼の作品をきっかけに、宝塚でも数々の優れた仕事を重ねている装置の松井るみはもちろん、今回新たに衣装デザイン・監修にデザイナーの丸山敬太を起用して、慣れ親しんだ宝塚の和もの世界の雅やかではんなりした色調を、もう少し濃いくっきりとした色彩にシフトさせている。特に、作品の後半、秋から冬へ、そして再び春へとめぐる流れを、「清姫綺譚」と題された「安珍清姫」の情念の恋と、その昇華に持ってきたのが、これまで芝居を書いてきた原田ならでは。明日海りおの恐ろしいほどの美貌と、花乃まりあの突き詰めた表現が、この大きな流れによく合っていて、日本ものレビューを見ながら、何か物語を見たような気持ちにさせられる、妙味があった。

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それでいながら、宝塚の日本ものレビューに欠かせない存在である専科の松本悠里が舞う「花椿」の雅、明日海の鷹と柚香光の鷺が一騎打ちとなる「鷹と鷲」の鋭さ、二番手男役の芹香斗亜と、次期トップ娘役に決定している仙名彩世が、美しく舞う「七夕幻想」の柔らかさ、花組総出演で盛り上げる「波の華」など、組の陣容と出演者の個性を適材適所に配した流れも美しい。元々絵柄として場面を見せることに長けている原田に、レビューの演出をというのは、面白い視点だったと思わせた。総体に懐かしさと新しさが同居している日本ものレビューとなっていて、いつか原田の創る洋物のレビューも観てみたい気持ちにさせられたのは大きな収穫。今後の更なる活躍に期待したい。

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そんな美しく、でもどこか色の濃い日本ものレビューの後に登場したのが、トラジェディ・アラベスク『金色の砂漠』で、こちらもデビュー以来、その作品の完成度の高さが大きな話題を呼んで来た上田久美子の作品。プログラムの作者言によれば「エンターテイメントに徹っしよう!」との思いでスタートした作品作りだったとのことだが、どうして、どうして、宝塚歌劇としては、かなりの冒険作。非常にディープで、熱く濃い、狂気のような愛憎と情念の世界が展開されていく。

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物語は広大な砂漠の古代王国イスファンという架空の国で展開される。この架空の国というところが作者の眼目で、この国の王家には王子が生まれたら女の奴隷、王女が生まれたら男の奴隷を、「特別な奴隷」として1人ずつあてがい、共に成長させて身の回りいっさいの世話をさせるという仕来りがあった。と聞いただけで、どうしてその「特別な奴隷」が同性ではいけないのか、異性が四六時中共にいて育つのでは何かと話がややこしいのでは?と思うのだが、この疑問を「仕来りでございますから」の一言で押し通した作者の剛腕が、物語を怒涛のように展開させていく。
第一王女タルハーミネ(花乃まりあ)の特別な奴隷ギイ(明日海りお)は、身分こそ奴隷でありながら、誇り高く能力にも優れた美貌の男子として成長する。そんな彼が常に寝起きさえ共にして、やはり誇り高く、美しい女性へと花開いていくタルハーミネに想いを寄せないはずはない。もちろん王女も同様なのだが、奴隷に心惹かれる己を許せないプライドが立ちはだかり、2人の関係はうねりを起こしながら、張りつめた弦のような緊張を続けていく。そこに、王国の抱えるギイを巻き込んだ大きな秘密が横たわり、互いを支配することでしか想いを貫けない男女の愛は、憎しみと表裏一体となって砂漠に燃えてゆく……。

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まず基本的に宝塚の男役トップスターに奴隷を演じさせることには、相当高いハードルがあっただろう。宝塚の世界観の中には「女性が夢を見られる男尊女卑」という、実はかなり入り組んだ価値観が確かに存在していて、トップスターが虐げられる、しかも四つん這いになって足台になるなどという設定は、ただそれだけで嫌悪感を呼び起こす危険性が高い。そこに敢えて踏み込んだ上田久美子は、愛し合うことによって支配と被支配が逆転する男女の愛憎を、更に立て続く大きな出来事で二転三転させ、まさにアラベスクと題された通りの無限に展開していくドラマを仕立てた。貼られた伏線もきちんと回収しているし、そもそもの設定の大嘘は、他国の王子に疑問を呈させるなど目配りも周到で、命も罪も砕け散る美しい場所、砂漠のどこかにあるという「金色の砂漠」が指し示す、終幕への流れも壮絶だ。何より終盤のたたみ掛ける展開こそ駆け足の感が否めないが、子供時代の回想を含んだ時系列の飛翔を混乱なく提示したのは、やはり作者の確かな力量を感じさせた。一方で、主人公2人の情念と愛憎の世界があまりにディープなので、観ている側にも相当な体力が要求されるのもまた事実。コアなリピーターに最も大きく支えられている宝塚歌劇としては、あらゆる意味で挑戦的で、冒険的な作品だったと言えるだろう。

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そんなドロドロとした深く、濃い世界を支えたのは、類い稀な美貌と、真っ直ぐ役柄にのめり込んでいく芝居心とを持ち合わせた明日海りおというスターが、今花組で頂点にいたが故のことだ。この人の美しさの中には、どこかにほの昏い炎が燃えている凄味がある。それが愛と憎しみが隣あうこの世界を、ひたひたと満たして、この世ならぬ悲劇を、悲劇という名の狂気、ある意味ではすべてから解放され救われる道はここにしかなかったというラストシーンに至る、主人公がたどるドラマを支え切っていた。
同じことが花乃まりあにも言えて、宙組の愛らしい若手娘役だったところから、花組に移り、明日海の相手役を務めるに当たって、彼女が積み重ねたはずの研鑽のすべてが、この王女役に注ぎ込まれている。男役の前に対等に立ち、火花散る芝居のやりとりを怯むことなく演じきったのは、宝塚のトップ娘役としてはかなり稀な経験だったと思うが、美貌を誇る男役の相手役であること、ただ美しいだけでは食い足りないと評されてしまう、明日海りおの相手役というポジションを、この2人でなければ成立しなかったドラマで見事に締め括った。トップ娘役としての本懐を遂げた姿に拍手を贈りたい。

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この物語の語り部でもあり、主役2人と同じ立場でありながら、いつしか王女への愛も、王女からの愛も家族のような親密さに姿を変えて行く奴隷ジャーに扮した芹香斗亜は、柔らかで優しい持ち味が作品に一服の清涼剤となる効果を与えている。ドラマ全体の役割としては、常に一歩引いた傍観者である立場なので、二番手男役としては難しい立ち位置だったと思うが、この人がいなかったらドラマがどこまで殺伐としたことか、と思わせたのは芹香の存在感あったればこそ。相手役となる第二王女ビルマーヤ役の桜咲彩花の、童話の世界に出てくるお姫様をそのまま体現したたおやかさも良い。
 
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また、ヒロインの求婚者に扮する柚香光の、明日海とはまた違った直線的な美貌が作品のインパクトを高めている。奇妙な風習に疑問を呈したり、主人公が足台になる場面に「野蛮だな」と心情を吐露したりという、謂わば客席の反応の代弁者でもある役どころに、舞台に登場しただけで目を引き付ける柚香が扮した効果は絶大。ヒロインへの求愛も、これぞ宝塚男役のキメっぷりで、異色の作品と宝塚歌劇とのバランスをも担っていて頼もしい。
他に、王国が抱える闇を体現する存在である国王役の鳳月杏の色悪の魅力が、哀しみを湛えて生きる王妃役の仙名彩世の心の動きに説得力を与えて、この配役も見事。久しぶりに若々しい役どころが新鮮だった瀬戸かずやをはじめ、花野じゅりあ、水美舞斗、音くり寿などが目を引き、専科の英真なおきの好助演も得て、難しい作品に組全体で体当たりした様が、砂漠の熱風を生んでいた。

それにしても、フィナーレがついていて本当に良かったと思える重い作風は、翻せば上田久美子が宝塚のセオリーを巧みに利用しているのだとも言え、日本ものレビューの原田共々、若手ならではの攻めの姿勢にあふれた公演となっている。

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そんな公演の初日を前に、通し舞台稽古が行われ、花組トップコンビ明日海りおと花乃まりあが囲みインタビューに応じて作品への抱負を語った。

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まず何よりも、記者の質問は『金色の砂漠』の難しい設定に対して、苦労はなかったか?という点に集まったが、明日海からは「台本を読んだ時に、これは難しいと思った」という趣旨の素直な感懐が聞かれ、ただ愛しい、愛しているというだけでは済まない関係なので、千秋楽までが発展途上の日々だとの想いが語られた。

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また花乃も大劇場公演を終えても、まだまだこの作品をよくする為に何ができるかを考える毎日だとの言葉があり、千秋楽まで進化し続けるこのコンビらしい回答が揃った形となった。

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そんな状況であるだけに、公演中にはこれが退団公演だという想いには全く至らないという花乃に、明日海も芝居の間にはそのような気持ちがよぎらないでくれる方が良いので、千秋楽の幕が下りた時に役を生き抜いて、やりきったという想いで晴れ晴れと卒業して欲しいというエールが贈られ、ハードルの高い作品に共に立ち向かっていく、このコンビならではの決意が伝わる時間となっていた。

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尚、囲みインタビューの詳細は、本誌用の舞台写真と共に3月9日発売の「えんぶ」4月号に掲載致します。どうぞお楽しみに


〈公演情報〉
宝塚花組公演
宝塚舞踊詩『雪華抄』
脚本・演出◇原田諒
トラジェディ・アラベスク『金色の砂漠』
作・演出◇上田久美子
出演◇明日海りお、花乃まりあ ほか花組
●2017年1/2〜2/5◎東京宝塚劇場
〈料金〉SS席 12,000円 S席 8,800円 A席 5,500円 B席 3,500円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京宝塚劇場 03-5251-2001





【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】




水夏希出演、アルジャーノンに花束を




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高い美意識に貫かれた出色の舞台 宝塚宙組公演 Musical『双頭の鷲』

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宝塚を象徴する存在として、活躍を続けている専科の轟悠と、トップ娘役実咲凜音をはじめとした宙組精鋭メンバーがジャン・コクトーの世界に挑んだ意欲作Musical『双頭の鷲』が横浜のKAAT神奈川芸術劇場で上演中だ(15日まで)。

『双頭の鷲』は、フランスの天才芸術家として名高いジャン・コクトーが、19世紀末に起きたアナーキストのルキーニによる、ハプスブルク家皇妃エリザベート暗殺事件に着想を得て1946年に書きあげた戯曲で、作者自ら映画化も手掛けた濃密な室内劇として、今尚世界中で高い人気を誇っている。そんな作品を、コクトーの生きた時代の空気を漂わせながら、ミュージカルとして再構築したのが、今回のMusical『双頭の鷲』で、原作を十二分に尊重しつつ、宝塚の様式美と音楽を巧みに取り入れた作品となっている。

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【STORY】

とあるヨーロッパの王国。婚礼の夜に暗殺された国王の10年目の命日である嵐の夜、クランツ城で1人、亡き夫を偲ぶ晩餐を始めようとしていた王妃(実咲凜音)のもとへ、窓から王の肖像画に生き写しの男スタニスラス(轟悠)が飛び込んでくる。彼は王妃暗殺の機会を狙うアナーキストの詩人だった。皇族でありながら自由主義に傾倒する王妃は、スタニスラスの詩を暗唱していて、暗殺者である彼をを匿い城に留め置く。全く異なる立場と境遇にありながら、同じ孤独の中に生きてきた2人は急速に距離を縮めていくが、それは2人の運命を悲劇へとひた走らせていく邂逅に他ならず……。

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ジャン・コクトーの戯曲では、6人の登場人物のみで演じられる舞台を宝塚に乗せるに当たって、脚本・演出の植田景子は、物語の中で起きる出来事を外から見つめているストーリーテラーと、パパラッチ達を置くという二重構造をしつらえている。そのことによって、作品世界は現代に引き寄せられ、事実に着想を得たフィクションをもう一度反転させ、あたかも事実であるかのように客席に届ける効果を生んでいた。特に、舞台面いっぱいにしつらえられたクランツ城の王妃の部屋が、透明なカーテンと白で統一されていて、その透明なカーテン越しにパパラッチ達が透けて見える様は、舞台前面に常にいる語り手であるストーリーテラーと共に、観客の視点を代弁する存在として静かな力を放っていた。彼らが巧みに舞台で踊り、また語る流れに少しも違和感がないのは実に見事だ。

更に感嘆させられるのは、この舞台に植田景子の高い美意識が、徹頭徹尾に貫かれていることだった。国王の肖像画、天蓋のある大きな窓といった大掛かりなものから、燭台の灯り、本、毒入りの小瓶などの小道具に至るまでの、すべてに植田景子の強いこだわりが感じられる。前述した通り白と透明で統一された舞台に、主人公の2人が心を通わせた瞬間、鮮やかな真紅が迸る美しさ。膨大な台詞劇に巧みに取り入れられたミュージカルナンバーも、少しのつかえもなく流麗に流れ、物語を運んでいく。装置の松井るみ、作曲の斉藤恒芳、振付の大石裕香、衣装の有村淳、照明の佐渡孝治、小道具の市川ふみ、などスタッフワークのそれぞれが、作品の世界観をよく理解し、植田景子の指揮の元その才能を発揮させているのが素晴らしかった。

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そうした、極めて優れた舞台成果を生んだ、そもそものはじまりに主演の轟悠がいることは論を待たないだろう。ここ数年特に、轟悠でなければ宝塚で上演を考えることは難しかったに違いない海外の戯曲や、難易度の高い題材に挑戦し、宝塚そのものの可能性を拓き続けている轟なくしては、まずジャン・コクトーの『双頭の鷲』上演という企画そのものの成立が難しかったと思う。だが蓋を開けてみれば、今や宝塚の財産演目となっているミュージカル『エリザベート』の本邦初演で、アナーキストのルイジ・ルキーニ役を演じた轟が、その『エリザベート』初演から20年の記念すべき年に、同じルキーニに想を得た、この作品のスタ二スラスを演じているという、運命に導かれたかのような合致には息をのむ凄味が感じられた。何より作品を引っ張る求心力には絶大なものがあり、ギリシャ彫刻のような顔立ちから発せられる、突き詰めた狂気の片鱗、その奥にある純粋さなどの表出のすべてが、この耽美な美しき世界を牽引していた。

そんな轟に正面から対峙したのが王妃役の実咲凜音で、宙組で直近に上演された『エリザベート』でタイトルロールを演じていた、その勢いのままに縁のあるこの舞台に飛び込んだ疾走感がある。宝塚の娘役という枠の中にはとても納まりきらない大役に全力でぶつかっていく姿に芯が通り、轟に対して一歩も引かずに渡り合ったのは天晴れ。来年4月での退団をすでに発表しているが、タカラジェンヌである間にこれだけの経験を積んだことは、実咲の将来にとっても大きな財産となったことだろう。

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この2人に立ちはだかる警察長官フェーン伯爵に扮した愛月ひかるの、現代的な作りが物語世界から浮かなかったのは、作品の二重構造の賜物であると同時に、愛月本人の宝塚スターとしての押し出しの良さ故。抜群のプロポーションも舞台に映え、進境著しいのが頼もしい。亡き国王の旧友フェリックス・ド・ヴァルレンスタイン公爵に若き二枚目の桜木みなとが配され、桜木ならではの品の良さと貴公子ぶりに役柄を引き寄せたのも面白かったし、複雑な立場にある王妃の侍女エディット・ド・ベルクの美風舞良の演じぶりも的確。2人それぞれに魅力的だったので、あとはバランスの問題か。王妃の傍近く仕える聾唖の黒人少年トニーの穂稀せりは、実直でひたむきな演技で起用によく応えた。

そして、ストーリーテラーとして作品の解説役を担った和希そらの好演が一際鮮やか。時に客席に大胆に語りかけ、時に作品に溶け込み、決して物語世界の邪魔はしないながら常に舞台に存在している。思えば難しいはずの立ち位置のさじ加減が絶妙で、『エリザベート』新人公演で演じたルキーニ役に引き続いた出色の出来だった。更に、綾瀬あきな、風馬翔をはじめとしたパパラッチの存在が、この宝塚版『双頭の鷲』に独特の世界観を持ち込んだのは冒頭述べた通りで、轟悠以下21人の出演者の力と、スタッフワークの結集がこの秀でた記憶に残すべき舞台を生んだことを喜びたい。

〈公演情報〉
宝塚宙組公演
Musical『双頭の鷲』
原作◇「L’AIGLE A DEUX TETES」 by Jean COCTEAU
提供◇ジャン・コクトー委員会会長 ピエール・ベルジェ氏
著作権代理◇(株)フランス著作権事務所
脚本・演出◇植田景子
出演◇轟悠、実咲凜音 ほか宙組
●2016/12/9〜15◎KAAT神奈川芸術劇場
〈料金〉S席7,800円、A席5,000円
〈お問い合わせ〉阪急電鉄歌劇事業部 03-5251-2071
〈公式サイト〉http://kageki.hankyu.co.jp/



【取材・文・撮影/橘涼香】



柚希礼音主演『お気に召すまま』




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王の誕生に重ね合わせた新トップスター珠城りょうの船出 宝塚月組ミュージカル『アーサー王伝説』

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新トップスター珠城りょうを擁して、宝塚月組の選抜メンバーが挑むフレンチ・ミュージカル『アーサー王伝説』が、東京文京シビックホールで上演中だ(19日まで。のち、28日〜11月9日まで大阪梅田芸術劇場シアタードラマシティでも上演)。

2015年9月にパリで初演され、その後、ツアー公演としてフランス各地で旋風を巻き起こした、フレンチ・ミュージカル『アーサー王伝説』は、昨年、同じ宝塚月組が日本初演を行った『1789〜バスティーユの恋人たち〜』と同じ、ドーヴ・アチア氏の脚本・作詞・作曲による最新作。「岩に突き刺さった剣を引き抜いた者が王となる」という伝説で知られる、イギリス・ケルトに伝わる騎士道物語をドラマティックに描いた作品で、この月組公演が本邦初演となる話題作だ。

【STORY】

岩に突き刺さった聖剣エクスカリバーを引き抜いた少年アーサー(珠城りょう)は、ブリタニアの新王となり「統治はしても君臨せずに世を治める」という信念の元、祖国の栄光を取り戻そうと務める一方、未だ知ることのない自らの出生の秘密に苦悩し、孤独を抱えていた。そんなある日、隣国カリメルドが、かつて聖剣エクスカリバーを引き抜く権利を争ったメリアグランス(輝月ゆうま)の一味によって攻撃されていることを知ったアーサーは、カリメルドの独立を守る為に出陣。見事勝利を治めるものの、寛容の心を持ってメリアグランスを許す。そんなアーサーの姿に感動したカリメルドの領主の娘グイネヴィア(愛希れいか)は、アーサーに心惹かれ、アーサーもまた一目でグイネヴィアと恋に落ち、彼女を王妃として迎える。長く苦しんでいた孤独からようやく解放されたと喜ぶアーサーだったが、そんな彼の前に魔女モーガン(美弥るりか)が現れる。アーサーの父違いの姉であるモーガンは、辛酸をなめてきた己の人生と、王となり幸福をつかんだアーサーの人生を引き比べ、アーサーに強い憎しみを抱いていたのだ。
モーガンから知らされた出生の秘密に苦しみながらも、地位身分に関わらず、志ある若者を騎士とすると宣言したアーサーは、ブリタニアの都、キャメロットに忠誠を誓う円卓の騎士たちを迎え入れる。その中には、若く美しく、剣の腕も一流の湖の騎士ランスロット(朝美絢)がいた。王妃とは知らずグイネヴィアに相対したランスロットの直裁なまなざしに、ひと時心を揺らすグイネヴィア。そのゆらめきに乗じて、キャメロットを崩壊させようとたくらむモーガンの奸計が、アーサー、グイネヴィア、ランスロット三人の思いを翻弄させてゆき……。
 
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イギリス・ケルトに伝わるアーサー王の物語は、宝塚でもこれまで小池修一郎の『エクスカリバー』、生田大和の『ランスロット』などが上演されて来ているが、それらと比べても、この『アーサー王伝説』は、神や魔女が登場するファンタジーの世界を描いて尚、重いテーマを秘めている。主人公たるアーサーは、常に重荷を抱え、試練に苛まれる。重ねた努力は思うように実らず、寛容の心を持って許した相手ばかりか、愛した妻や信頼した友にも裏切られる。もちろん、勝利もあり、成長も描かれるものの、それは、所謂勧善懲悪とは全く異なる、諦めの果てに尚赦しを選んだからこそ得られた苦い勝利だ。潤色・演出を担った石田昌也は、脚本家の大石静とタッグを組んだ『カリスタの海に抱かれて』でも「生きることは諦めること」という愛と夢の宝塚らしからぬテーマに取り組んでいたが、今回もまたある意味ファンタジー世界に昇華することなく、苦みのある同様のテーマに挑んでいて、宝塚の定型から常にどこかではみ出そうと試み続けて来た、石田らしいこだわりを感じさせた。

だが、そこは楽曲の魅力で牽引するフレンチ・ミュージカル。この『アーサー王伝説』も数々の魅力を持ったフレンチ・ロックなナンバーが、舞台を躍動させている。特に、この日本版の為に書き下ろされたナンバー「アーサー王讃歌」が、爽やかで希望に溢れ、結末の苦さを真の王の誕生に浄化して、輝かせる力に満ちている。円卓の騎士たちに礼を取られ、王として新たな道を歩み出すアーサーの姿が、月組の新トップスターとなった珠城りょうその人に重なり、作品のドラマと、新トップスター誕生という宝塚ならではのドラマが見事に合致して作り出された空気感には、やはり格別なものがあった。これこそが、今、月組で『アーサー王伝説』が上演されたことの意義を、何よりも伝えるものだったと言えるだろう。

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そんな作品で、新たに月組の主演者としてデビューした珠城は、王となる運命を背負い、その責務と愛の間で揺れ動くアーサー王を、真摯にひたむきに演じている。若くして月組のホープに躍り出て、階段を駆け上がると言うよりも更に、数段抜かしで飛び上がりながらここまで上り詰めて来た人だが、これまでの舞台にあった任せて安心の、大人で盤石な個性が、常に孤独を抱え、思い悩んでいるアーサーという役どころを得て、心許なさも表出したのが新鮮だった。新トップならではの初々しさが、役柄の懊悩と上手く重なり、王の成長物語に説得力を与えている。こりにより新トップスター披露にして、新たな魅力と、役幅を獲得していて、今後に大きな期待を抱かせた。壮大なスケールの楽曲も良く歌っている。
そうした珠城のフレッシュさを引き出したのが、トップ娘役としてのキャリアを重ねている愛希れいかの存在であることは、論を待たないだろう。心から愛したはずのアーサーから、次第にランスロットに惹かれていってしまうグイネヴィアは、宝塚のヒロインとしては相当な難役だが、様々な経験を積んできた愛希ならではの表現力で、純粋さ故の惑いと悲劇として役柄に芯を通すことに成功している。それが引いては、グイネヴィアを許すアーサーの大きさにもつながり、新コンピのバランスも上々。せっかくの披露作品、2人の恋が成就する物語が観たかったという思いも正直あるが、それを先の楽しみとして残したのは、心憎いテクニックだったのかも知れない。

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物語のキーマン、魔女モーガンに扮したのは美弥るりか。男役としては大柄な方ではないことが逆に、こうしたフレキシブルなキャスティングを支える力ともなっていて、妖しさも色気も凄味もある盤石の存在感。一転フィナーレでは小粋な男役姿も披露して、宝塚ならではの『アーサー王伝説』の魅力を存分に伝えていた。一方、騎士ランスロットに扮した朝美絢も、美貌の湖の騎士という設定を、納得させる美しき二枚目として役柄を活写。来年後半、雪組に組替えとなることが決まっているが、男役として確実に階段を昇っていて、今後の活躍にも期待が高まる。
また、メリアグランスの輝月ゆうまが、持ち前の歌唱力をフルに発揮して、堂々たる舞台ぶり。作品の歌唱面を一気に押し上げているのが頼もしい。魔術師マーリンの千海華蘭、少女の姿に化身した神アリアンロッドの紫乃小雪は、物語世界を客席に伝える役割をよく果たしたし、魔女モーガンの手下である小悪魔コンビの早乙女わかばと海乃美月が、蠱惑的な魅力をたっぷりと披露していて、これも新境地を感じさせた。更に、円卓の騎士として作品を支えた紫門ゆりや、貴千碧、貴澄隼人、輝城みつるらが、ビジュアルからも役柄を巧みに掘り下げ、それぞ個性的に表現していて見事だったし、アーサーの兄ケイに抜擢された佳城葵が、長いマイムもある大役を立派に演じて目を引いた。

総じて、ケルト地方の民族音楽をベースとして、ポップにアレンジされたフレンチ・ロックの魅力に乗せて、新トップスター珠城りょうと新生月組が新たな船出を飾っていたことが喜ばしく、月組の明日に期待の高まる公演となったのが何よりだった。

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初日を翌日に控えた10月13日通し舞台稽古が行われ、月組新トップコンビ珠城りょう&愛希れいか、そして『アーサー王伝説』フランス版オリジナル公演プロデューサーであるド—ヴ・アチア氏が囲み取材に応じて、公演への抱負を語った。

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【囲みインタビュー】

ド—ヴ・アチア 先ほど公演を観終わったばかりですが、心から感動しました。私は日本語は全くわからないのですが、時折目に涙が浮かぶほど大きな感銘を受けました。一観客として本当に素晴らしい作品だったと思います。フランスでも宝塚の評判は前々から聞いておりまして、『アーサー王伝説』を宝塚で演じてくださるということを光栄に思っています。私自身は宝塚の皆様に甘やかされているなと思うのです。と言うのも『太陽王』『1789』に続きまして、今回の『アーサー王伝説』が、宝塚での上演の3作目となりますので、本当に幸せです。そして日本版の新しい『アーサー王伝説』の演出、制作の皆様の素晴らしい技術、才能に感銘を受けました。皆様プロフェッショナルで、才能あふれる方達が揃っているなと感動しております。宝塚の皆様はブロードウェイの皆様にも匹敵する才能を持っていらっしゃるのではないかと思います。そして最後に役者の皆様、本当にお疲れ様でした。素晴らしかったです(拍手を贈る)。

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珠城りょう
 皆様本日はお忙しい中、このようにたくさんの方にお集り頂き感謝致しております。今回私は、大劇場のお披露目の前に、この作品で初めて主演男役として舞台に立たせて頂きます。はじめお話を伺った時には『1789』を月組で上演させて頂いたこともあって、とても光栄に感じたのですが、素晴らしい楽曲の数々だったものですから、それに挑戦させて頂ける喜びと、本当に自分がこなして行けるのか?という不安と、両方の気持ちが同時に押し寄せて来て、しばらくの間ずっと心臓がドキドキしておりました。ですが、お稽古を進めていく内に、本当に今の月組の温かいカンパニーの中で、1つの作品を創りあげることがどういうことなのか、その1人1人の大きな力を感じながら、日々お稽古に励んで参りました。いよいよ明日が初日になりますが、今自分にできる精一杯の舞台をお客様にお見せできればいいなと思いますし、この新しいケルト音楽がベースになっているフレンチロックのミュージカルの音楽も楽しんで頂けたらと思います。また今回から愛希(れいか)とトップコンビとして組ませて頂くことになるので、そちらの方も皆様に楽しみにして頂けたらと思います。
アチア 珠城さんはすごく成功なさったと思います。と言うのも、彼女からは王としてのカリスマ性を強く感じましたので、そう言った意味で素晴らしい役になったのではないかと思います。
珠城 ありがとうございます。

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愛希れいか
 皆様本日はお集り頂きましてありがとうございます。今回も『1789』に引き続き、こうしてフランスのミュージカルをさせて頂けるとお聞きして、すごく幸せで、やはり月組で公演させて頂けることを、珠城さんがおっしゃったように私も光栄に感じました。この作品は人数も大劇場に比べて少なく、音楽もとても難しいロック・ミュージカルで、お稽古では苦労する点もたくさんあったのですが、今こうして舞台稽古を終えてみてこの作品ができることを大変幸せに感じました。宝塚らしくフィナーレもついておりますので、その辺も楽しんで頂けたら。新たな月組のスタートに、しっかり私も力になれるように精一杯頑張りたいと思います。本日はありがとうございました。
アチア 愛希さんは『1789』でマリー・アントワネット役を演じておられましたが、それと同じくらいこのグイネヴィア役もとても上手だったと思います。私も大変感動しましたし、観客の皆様にも感動を与えられたのではないかと思います。
愛希 ありがとうございます。

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【質疑応答】 

──月組の新トップスターになられた珠城さんの立場と、王となるアーサーの立場が観ていて重なって感じられたのですが、ご自身はどう感じられていますか?
珠城 きっと(演出の)石田先生も、これから月組の皆と一緒にやっていく私自身と重ねて書いてくださった部分もすごくあるのではないかと思います。そういうところにも先生方の深い愛情を感じています。ただ、お稽古を積み重ねて行く段階では、アーサーがどういう人物なのか?を考えながら作って行ったので、それが最終的にご覧になられるお客様にとって、珠城りょうと重なって見えるのでしたら、大変ありがたいことだと思いますが、私自身はアーサー王としての人生をしっかり生きていきたいなと思ってお稽古に取り組みました。
──どういう人物だととらえていますか?
珠城 最初は自分自身の出生の秘密をずっと知りたがっていて、常にどこか不安定だったり孤独を感じていたり、自分の居場所がどこなのかというのがわかっていない状態という、描かれ型をしているのですが、それがグイネヴィアと出会い、また親友と言いますか、戦友と呼べるようなランスロットとも出会い、たくさんの部下たちとも出会って、1歩1歩着実に前へと歩みを進めている。途中アリアンロッドが試練を与えるのだ、と言っていますが、そういう試練を乗り越えて、変わって行き、大きな人物になっていきます。愛と寛容の精神で人々を包むというのが、常にベースにあると思うので、そこを1番大事に作っています。

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──改めてコンビとして組まれて、愛希さんから見た珠城さんは?
愛希 この作品をさせて頂いて、アーサー王を演じられているのを見て、今言われた、寛容の心とか、寛大な心とか、そういうアーサー王の人物像と(珠城さんが)同じだなと感じます。とても広い心ですべて受け留めてくださいますし、そして何事にも真っ直ぐに向かわれるところなども似ていて、魅力だなと思います。
珠城 ありがとうございます!
──珠城さん率いる新生月組は、どのような組に?
珠城 まだ全員でスタートしていないので、どうなるかはわからないのですが、私だからということとはつながらないかも知れませんが、私自身もそうですし、月組としてもそうなのですが、常にのびしろをお客様に感じて頂けるような舞台作りと、舞台人でありたいなと思っています。その点ではエネルギッシュで力強く、明るく務めていけたらいいなと思っています。今月組としてはとても個性豊かで、1人1人の役者の力がすごく大きいことが粒だっていると思うので、これからもその個性というものが消えずに、全員集まった時にもより大きな波となってお客様に感動をお届けできたらいいなと思います。
アチア 私の個人的な意見ですが、新生月組が大成功を収めるのではないかなと思いますし、その中でもトップの珠城さんが素晴らしい成果をあげられるのではと思っています。
珠城 ありがとうございます。

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〈公演情報〉
宝塚月組公演
ミュージカル『アーサー王伝説』
The Musical ≪LA LEGENDE DU ROI ARTHUR≫
 Produced by DECIBELS PRODUCTIONS, Dove ATTIA
 International Licensing & Booking, G.L.O, Guillaume Lagorce, info@glorganisation.com
潤色・演出◇石田 昌也
出演◇珠城りょう、愛希れいか ほか月組
●10/14〜19◎文京シビックホール
〈料金〉S席8,800円 A席6,000円
〈問い合わせ〉阪急電鉄歌劇事業部 03-5251-2071(10時〜18時 月曜定休)
●10/28〜11/9◎梅田芸術劇場シアタードラマシティ
〈料金〉全席7,800円
〈問い合わせ〉梅田芸術劇場シアタードラマシティ 06-6377-3888(10時〜17時半)
〈公式ホームページ〉http://kageki.hankyu.co.jp/






【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】


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龍真咲の個性が際立つサヨナラ作品、宝塚月組公演『NOBUNAGA〈信長〉─下天の夢─』『Forever LOVE!!』

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宝塚歌劇100周年の記念公演を担当し、100年の祝祭を牽引した最後のトップスター龍真咲の退団公演である、簡易生命保険誕生100周年 かんぽ生命 ドリームシアター ロック・ミュージカル『NOBUNAGA〈信長〉─下天の夢─』シャイニング・ショー『Forever LOVE!!』が、日比谷の東京宝塚劇場で上演中だ(9月4日まで)。

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ロック・ミュージカル『NOBUNAGA〈信長〉─下天の夢─』は戦国乱世を駆け抜けた織田信長の生涯を、同時代に生きた人びとと共に描くロック・ミュージカル。退団公演に際して、織田信長を演じたいという龍真咲本人の希望があったそうで、大野拓史が作・演出を担当。戦国ものとしても、宝塚の日本ものとしても、異色の仕上がりとなっている。

物語は、織田信長と言えば誰でもが思い出すだろう「人間五十年、下天のうちにくらぶれば 夢幻のごとくなり。一度生を受け滅せぬ者のあるべきか」と『敦盛』を舞う、龍真咲=信長の姿を見せてから、ロックミュージックが炸裂する中、一気に桶狭間の戦いへと遡ってはじまる。
尾張の戦国大名・織田信長(龍真咲)は、桶狭間の戦いで駿河の今川義元(光月るう)を討ち果たし、天下統一への道を歩むことになる。だが、都に昇る為には美濃を滅ぼさねばならない。美濃は信長の正室・帰蝶(愛希れいか)の故郷。帰蝶は美濃を滅ぼさず尾張に留まることを信長に懇願するが、すでに天下を視野に入れていた信長がその願いを聞き届けるはずもなかった。信長は将軍足利義昭(沙央くらま)を奉じ都へ入り、帰蝶との間には深い溝が残る。それでも自身に敵対するものを次々と滅ぼし、目的へと突き進む信長。家臣の羽柴秀吉(美弥るりか)や、義昭の家臣・明智光秀(凪七瑠海)は、その孤高な決意に畏怖の念を抱くが、一方で実妹お市の方(海乃美月)を嫁がせ一度は同盟を結んだ浅井長政(宇月颯)や、実弟信行(蓮つかさ)をも容赦なく打ち捨てていく信長に、憎しみを抱く者も少なくなかった。
そんな信長を取り巻く人々の心の闇に乗じて、1人の男が近づく。ローマ出身の騎士・ロルテス(珠城りょう)。自身の出生の為に心ならずも日の当たらない道を歩んできたこの男が、覇者への道を突き進む信長の天下統一の大望に、不穏な影を落としてゆき……。

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戦国乱世の中で、一際の輝き、異彩を放つ人物として人気の高い織田信長は、創作の世界でも様々な形で描かれてきた。宝塚でもかつて植田紳爾の作品『うつしよ紅葉』(1976年)で若き日の信長が取り上げられているが、桶狭間の戦いに向かう信長の姿で幕を切っていたのは、後に天下獲りへと向かう信長の行動に相当ブラックな側面がある為でもあったろう。だが、それからちょうど40年。100周年を迎え更に次の100年へと歩みをはじめた宝塚では、そんな信長の後半生を堂々と主人公として描ける時代が訪れていた。しかも、雅な美しさではなくロック・ミュージカルの強烈なアクセントの中で、ある意味のダークヒーローが躍動している。そのことにまず大きな感慨を覚えた。
であればこそ、作品に実験的な部分が多いこともまた事実で、これは大野作品の常でもあるが、作家の側が溢れる情報量をすべて舞台に注いでしまうが為に、1度の観劇ですべてを理解するのが難しいきらいがあるのは否めない。物語は10年単位で飛び、更に史実の展開と、実在の人物を使った作者の創作である展開とが混線している。特にロルテスの暗躍からクライマックスを迎えたかに見えたドラマが、ほぼ説明なく歴史に名高い本能寺の変へと向かう唐突感など、全体の流れには推敲の余地があるとも思われた。

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だが、作者である大野が「本作は『織田信長=龍真咲』それだけを信念に作られている」とプログラムで言い切った通りの見方をすれば、自ずと受け取り方は変わってくる。ここには頂点を極めるものの孤独と、だからこその畏敬の念が深く描かれていて、それがすなわち龍真咲を、ひいては宝塚のトップスターという孤高の立場の、輝きと同じだけ重いことは想像に難くない責務を照射している。その中で、龍本人の持つ闊達さ、自由さに代表される色濃い個性が、舞台を覆い尽くすパワーが、作品の瑕疵を凌駕していく様には圧倒される。信念の為にはどんな行動にも言い訳を由としない信長像が、龍本人が己を貫く姿勢と相まって、舞台上の人物が信長なのか龍なのか、その境界さえ定かでなくなる時、そこに残るのはこれが龍真咲という月組を率いたトップスターの退団公演なのだという想いだけだ。そうなればラストシーンにも得心が行き、ただ去りゆく龍の唯一無二の姿のみが強い光を残す。これぞ龍マジックであり、同時に宝塚のトップスター退団公演だけが持つマジックとも言えるものだった。

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トップ娘役の愛希れいか演じる信長の正室・帰蝶は、信長への愛を根底に抱き続けながら複雑さも併せ持つ役どころ。単純に一途な愛ではないだけに、宝塚の娘役としては相当に難役だが、キャリアを活かして毅然と演じきった。次期トップスターに決定している珠城りょうのロルテスの策謀がこの作品の胆でもあり、もう少し信長との直接対決が欲しい部分はあるが、珠城の骨太な個性によく適していて、舞台の展開に呼応するように歌う銀橋の歌に迫力があった。明智光秀の凪七瑠海、羽柴秀吉の美弥るりかは、観客側にこの人物は後にこうなるという予備知識が、十分あることに寄りかかった作中の書き込みを、それぞれのスター性で更に膨らませていて、改めて貴重な人材だと思わせた。足利義昭の沙央くらまが硬軟使い分けた巧みな演じぶりで、専科からの特別出演の意義を感じさせるし、浅井長政の宇月颯が少ない出番で、悩み多き武人を役柄が期待した通りの二枚目として造形していて見事。お市の海乃美月との並びも雅やかだ。女役に回った妻木の朝美絢の硬質な美しさが効果的だし、妻木に恋する佐脇良之の暁千星との関係が後の展開を暗示して、期待の若手男役たちの使い方としてなかなかに魅せる。毛利良勝の紫門ゆりや、前田利家の輝月ゆうまら、織田家家臣団が群舞に気を吐く中、黒人家臣である弥助の貴澄隼人が、作中数少ない信長の温情ある一面を表して秀逸。他に、秀吉の妻ねねの早乙女わかばの娘役らしいたおやかさ、宣教師オルガンティノの千海華蘭のコケティッシュさ、織田信行の蓮つかさの真っ直ぐさなどが目を引いた。

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そんな終わってみれば、龍真咲の退団が何よりも大きく浮かび上がる芝居のあとに控えたのは、更に徹頭徹尾龍退団にフィーチャーしたシャイニング・ショー『Forever LOVE!!』で、藤井大介の作。宝塚に相応しく永遠に輝き続ける「愛」をテーマに、様々な愛の形を綴るという大枠があるものの、ピンクの大洪水からはじまるプロローグから、黄金の世界のクライマックスまで、清々しく龍サヨナラ一色。

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宇月、紫門、朝美、暁を率いて、龍ならではと思える極彩色のスーツで決めるコンガ、龍と愛希に珠城も加わったトリオが異色の銀橋、凪七、美弥、沙央がそれぞれ女役に扮して、龍とからむアドリブも交えた展開、男役龍真咲が大きなセットにもなって登場するダンスナンバーと、龍の魅力を多角的に描き出している。

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愛希を中心とした迫力のダンスシーンあり、萌花ゆりあ、有瀬そう、真愛涼歌、翔我つばき、夢羽美友の、龍と同時退団のメンバーへの餞、また、龍と沙央、萌花、綾月せりの同期生だけの惜別シーンなど、とにかく盛りだくさん。欲を言えば、やはり龍真咲トップ時代を共に走った愛希との掛け合いが何か欲しいところだったが、黒燕尾で大階段に立つ龍の孤高は、この興行全体を貫く姿としては相応しかったのかも知れない。出演者全員が一途に龍を盛り立てる、退団公演の美徳に溢れたショー作品だった。

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初日を控えた8月5日、通し舞台稽古が行われ、月組トップコンビ龍真咲と、愛希れいかが囲みインタビューに応えて公演への抱負を語った。

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その中で、9月4日の卒業のその日まで走り抜け、燃え尽きたいとの強い決意をにじませた龍は、大きなものを見据えている清々しい表情を見せ、作品への手応えも十分な様子。ラストとなる「宝塚の男役」をまず自ら楽しみたいと意欲的に語った。

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一方の愛希は、そんな龍の姿勢からパワーをもらえると語り、前に進み続ける龍にしっかりと付いて行きたいとこちらも意欲的。共に感傷に浸るのではなく、更に前身しようという意志が感じられる時間となっていた。

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尚、囲みインタビューの詳細は9月9日発売の「えんぶ」10月号にも掲載致します。どうぞお楽しみに!



〈公演情報〉
宝塚歌劇月組公演
簡易生命保険誕生100周年 かんぽ生命 ドリームシアター
ロック・ミュージカル『NOBUNAGA〈信長〉─下天の夢─』
作・演出◇大野 拓史
簡易生命保険誕生100周年 かんぽ生命 ドリームシアター
シャイニング・ショー『Forever LOVE!!』
作・演出◇藤井 大介
出演◇龍真咲、愛希れいか ほか月組
●8/5日〜9/4日◎東京宝塚劇場 
〈料金〉SS席12,000円 S席8,800円  A席5,500円 B席3,500円 
〈問い合わせ〉東京宝塚劇場 03-5251-2001




【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】

北翔海莉の魅力が輝く宝塚星組公演『こうもり…こうもり博士の愉快な復讐劇…』『THE ENTERTAINER!』

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華やかなオペレッタとショーという充実の二本立てで展開する、宝塚星組公演MUSICAL『こうもり…こうもり博士の愉快な復讐劇…』──ヨハン・シュトラウス二世 オペレッタ「こうもり」より──と、ショー・スぺクタキュラー『THEENTERTAINER!』が、日比谷の東京宝塚劇場で上演中だ(6月19日まで)。

MUSICAL『こうもり…こうもり博士の愉快な復讐劇…』は、ヨハン・シュトラウス二世の最高傑作と称されるオペレッタ作品「こうもり」を、谷正純がミュージカル化。目にも耳にも鮮やかな作品に仕上がっている。

高名な物理学者であるファルケ博士(北翔海莉)は、仮装舞踏会からの帰り道、したたかに酔い、こうもりの扮装をしたままアイゼンシュタイン侯爵(紅ゆずる)に、公園の大理石像に結びつけられ置き去りにされてしまう。それは、独身貴族のファルケ博士と違い、恐妻家のアイゼンシュタイン侯爵が、妻が怖いから飲み明かす約束を反故にするとは言い出せずにした、謂わば苦肉の策だったのだが、そのまま朝を迎えた公園でファルケ博士は人々の笑い者になり「こうもり博士」と蔑称されるハメに陥ってしまう。このまま黙ってはいられない。ファルケ博士は、アイゼンシュタイン侯爵に一泡吹かせるべく、侯爵家のメイド・アデーレ(妃海風)、侯爵夫人のロザリンデ(夢妃杏瑠)、侯爵家の執事アルフレード(礼真琴)、更に旧知のロシア皇太子オルロフスキー公爵(星条海斗)ら多くの人々を巻き込み、壮大で愉快な復讐劇を企てて……

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オペレッタというものが総じてそうであるように、物語のストーリー自体は基本的に他愛ないものだ。更に今回は主人公を、原典のオペレッタ「こうもり」のアイゼンシュタイン侯爵から、ファルケ博士に置き換える措置がなされていて、侯爵とその妻の不倫がらみの恋愛劇から、ファルケ博士とヒロインとなった侯爵家のメイド・アデーレとの恋模様が主軸になっている。その為、宝塚らしい品の良さがある一方で、どうしてもやや説明不足の印象を拭えない面も残るのは、やむを得ないところだったろう。けれども、そうした些末なことはどうでもよくなる音楽の魅力にあふれているのも、またオペレッタ作品ならでは。耳になじんだ著名なメロディーが次々と繰り出されることによって生まれる高揚感は、実に贅沢なものだ。

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もちろんそれには、出演者がクラシック音楽の魅力をあますところなく伝える歌唱力を持っていることが必須になるが、そこは、主演の北翔海莉が他を圧する豊潤な歌声で、舞台を支えまたリードする盤石の構えなのが頼もしい。専科時代の主演作として、やはりオペレッタ作品であるレハールの『THE MERRY WIDOW』を経験している人でもあるが、実際のところ北翔主演ということが、宝塚がオペレッタ作品に取り組める決め手となったと言っても過言ではないだろう。ある時はたっぷりと、ある時は洒脱で粋にと、緩急自在の歌声が、作品を成功へと導く力となっている。また元々の持ち味の中に温かさがある人だけに、ファルケ博士の復讐劇に微笑ましさもにじませる、馥郁たる主演ぶりだった。
また、アデーレの妃海風も、コロラトゥーラソプラノの聞かせどころとして知られる「侯爵様,あなたのような方は」など、名曲中の名曲をよく歌いこなしていて、歌えるコンビの安定感が際立つ。役柄が持つ「女優になりたい」という思いが、野心ではなく憧れに映るのも、宝塚のヒロインに相応しく、清潔感のあるアデーレだった。
更に忘れてならないのが、アイゼンシュタイン侯爵の紅ゆずる。何しろ原典のオペレッタでは主人公の役柄だから、時としてダブルトップのようにさえ見える大役を、この人らしい軽妙な演技で笑いの渦を巻き起こしている。こうした役どころはもうすっかり手の内にあり、楽々と演じているのがオペレッタらしい快さにつながっていた。
 
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他にも、執事アルフレードの礼真琴、弁護士プリントの七海ひろき、刑務所長フランクの十輝いりすなどが、それぞれの持ち場で躍動。これが退団公演となる十輝の、鷹揚としたどこか大陸的な持ち味の可笑しみは、まさに有終の美で、改めて退団が惜しまれたし、ファルケ博士の助手として、十碧れいや、麻央侑希、瀬央ゆりあ、紫藤りゅうなど、星組が誇る男役スターたちが活躍しているのも嬉しい。一方で、ファルケ博士の恩師ラート教授の汝鳥伶、オルロフスキー公爵の星条海斗の専科勢が、独特の存在感と歌声で魅せる好助演も光り、ロザリンデの夢妃杏瑠、イーダの綺咲愛里、レプロフ伯爵夫人の組長万里柚美ら、娘役陣も充実。名曲中の名曲「シャンパンの歌」で迎える大団円まで、賑やかで華やかな世界観が広がっていった。何よりも、80人になんなんとする出演者の1人1人が、細かく芝居をしダンスでまたコーラスで盛り上げる集団の妙と、豪奢なセットと衣装の魅力は宝塚ならでは。ここでしか味わえない贅沢な時間が流れていた。

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そんな作品の後に続いたのが、ショー・スぺクタキュラー『THE ENTERTAINER!』で、野口幸作の大劇場デビュー作品。トップスター北翔海莉を「究極のエンターティナー」と位置付けてのショー作品で、MGMミュージカル映画を思わせる、古き良き宝塚レビューの香りが満載なのが、リズミカルでスピーディで、観客参加型も目に立つようになった昨今の宝塚ショー作品群の中で、むしろ新鮮に映る。

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華やかなプロローグ、スパニッシュラテン、人海戦術のロケット、そしてデュエットダンス。それら、どこか懐かしい、だからこそ新しいテイストの詰まった作品を新人作家が提示してきたことは、ショー作品が重要な柱の1つである宝塚歌劇にとって喜ばしいことに違いない。期待のショー作家の誕生を祝したいと思う。ここでも、歌やダンスはもちろん、ピアノの弾き語りまでを披露した北翔の「ザ・エンターティナー」ぶりが際立ち、北翔が率いるからこその、今この時の星組が輝いているのが、深い余韻を残していた。

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初日を控えた5月13日通し舞台稽古が行われ、トップスター北翔海莉とトップ娘役の妃海風が囲み取材に応えて、作品への抱負を語った。

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まず北翔が「報道関係者の皆様、本日はお忙しい中ありがとうございました。本日から6月19日まで『こうもり』『THE ENTERTAINER!!』2作品共再演ではなく、星組のオリジナル作品で今回は皆様にご披露致します。今の星組生が持つ力を最大限に発揮して、究極のエンターティ—ナー目指して頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します」

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また妃海が「こうして集まってくださりありがとうございました。『こうもり』も『THE ENTERTAINER!!』も、大劇場で関西のお客様と一緒に楽しく公演して参りましたので、東京の皆様とも是非一緒に楽しめたらなと思います。どうぞよろしくお願い致します」と挨拶、記者の質問に応えた。

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中で、オペレッタ作品を本公演でやりたいという夢が叶ったという北翔がその挑戦を喜ぶと、妃海も宝塚ならではのツボの詰まったオペレッタ作品、宝塚ミュージカルになっていると語り、それぞれ作品への手応えは十分の様子。また、ショーでお気に入りのシーンを問われて、間髪を入れず北翔のシーンをあげた妃海に「2人一緒のシーンがいいんじゃない?」と北翔が返すひとコマもあり、1つ1つの質問に対して、必ずお互いに目を合わせて、相談し、また補足する2人のコンビネーションの良さと信頼関係が伝わり、終始温かで和やかな空気が広がる時間となっていた。

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尚、囲みインタビューの詳細は、7月9日発売の演劇ぶっく8月号にも掲載致します。どうぞお楽しみに!



〈公演情報〉
宝塚星組公演
MUSICAL『こうもり…こうもり博士の愉快な復讐劇…』─ヨハン・シュトラウス二世 オペレッタ「こうもり」より─
脚本・演出◇谷正純
ショー・スぺクタキュラー『THE ENTERTAINER!』
作・演出◇野口幸作
出演◇北翔海莉 妃海風 ほか星組
●2016年5/13〜6/19◎東京宝塚劇場
〈料金〉SS席 12,000円 S席 8,800円 A席 5,500円 B席 3,500円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京宝塚劇場 03-5251-2001



【取材・文・撮影(囲み会見)/橘涼香 撮影(舞台)/岩村美佳】



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粟根まこと、松永玲子ほか、キーポイントQ&A【演劇人の活力源】など連載中!
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