ゴースト女2人2


世界中を感動の渦に巻き込んだ1990年公開の大ヒット映画「ゴースト/ニューヨークの幻」を基に、映画版に勝るとも劣らない名作舞台として、ブロードウェイ、そして世界での上演を重ねてきたミュージカル『ゴースト』。その日本版が8月5日からシアタークリエで開幕する。(31日まで。大阪・福岡・愛知公演あり)
日本オリジナル演出を担うのは『ミス・サイゴン』をはじめ数々の大作を手掛けて来た名匠ダレン・ヤップ。主演のサム役には日本のミュージカルを牽引する浦井健治。そのほかにもミュージカルファン垂涎の豪華なキャスティングで、生死を越えた変わらない愛の物語が演じられる。

その作品で、主人公サムがゴーストとなってまで、愛し続け守り抜こうとする恋人モリー。この役をダブルキャストで演じるのは、元宝塚雪組トップ娘役で今回が退団後の初ミュージカルとなる咲妃みゆと、AKB48卒業後は映画、テレビ、舞台など、女優としての活躍が目覚ましい秋元才加。共にガールズチームの出身で、持ち味の異なる美女同士。そんな二人が、作品のこと、役柄のこと、また互いへのリスペクトを語り合ってくれた「えんぶ8月号」の記事を、別バージョンの写真とともにご紹介する。

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秋元才加 咲妃みゆ

生死を越えた絆
究極のラブストーリー

──世界中で愛されている名作映画ですが、まず作品に対してはどんな印象を?
咲妃 両親が大好きな映画でしたので、ずっと前に拝見したことはあったのですが、今回改めて映画を観直し、また上演台本を読ませて頂いて、究極の愛を描いている作品だと再認識しました。死後の世界の概念には宗教的なものも感じるのですが、根本には普遍的な魂のつながりの尊さがあるのと、ユニークな登場人物がたくさん登場しますので、重くなり過ぎずに大切なメッセージを受け取れる素晴らしい作品だと思います。
秋元 私も今回のお話を頂いて台本を読み、映画を観直したのですが、お話がシンプルなラブストーリーなだけに、今観ても全く古さを感じさせないんです。サムが亡くなるという悲劇はあるのですが、それを越えた絆を信じられる、温かい気持ちで劇場をあとにできる作品だなと。特に映画でモリー役を演じるデミ・ムーアさんが素晴らしいので、同じ役をさせて頂けるのを光栄に思うのと同時に、どうモリーの成長を作っていこうかと考えるとワクワクします。
──そのモリー役の魅力と、演じる上で大切にしたい点などは?
咲妃 サムとモリーは恋人同士でありつつ、性格がある意味真逆ですよね。モリーは芸術家肌で自分の意志や、伝えたい想いが強く出てくる女性なので、それは台詞の端々や歌の中でちゃんと表したいです。演じるのにはかなりのエネルギーが必要な女性だと容易に推察できますから、私自身が今の時代をどう生きていきたいのか、何を大事に思うのかをきちんと持った上で役に取り組んでいきたいです。
秋元 ご覧になるお客様は、サムももちろんですがモリーにも感情移入されると思うので、幸せの絶頂からどん底に落ち、紆余曲折の果てに新しいステージに向かっていくまでの、彼女の変化を繊細に組み立てていきたいです。基本的にはモリーは強さを持った人だと感じますが、そこに当然脆さもあるので、その揺れ動く部分、女性としての魅力も出せたらと思います。

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自然な空気感で周りを引き込む浦井マジック

──恋人役の浦井健治さんとの共演で、楽しみにしていることは?
咲妃 私は初めて男性の方と密にお芝居をさせて頂くので、まず男の方ならではの力強さ、発せられるパワーをきちんと受けとめてお芝居をしたいと思っています。その上で、素晴らしいキャリアを積んでこられた浦井さんがサム役にどう取り組まれるのか、他のキャストの方々ももちろんですが、それを稽古場で間近に見て、感じて勉強させて頂きたいなと思います。
秋元 浦井さんとはパンフレット撮影の時に初めてご一緒させて頂いたのですが、この『ゴースト』は基本的にどっぷりラブストーリーで、私はどちらかというとそういう直球な部分には照れてしまうタイプなのですが(笑)、浦井さんがその世界にグッと引き込んでくださって! 初対面のはずなのに「この人のこと前から知ってた?」と思わせてくれる、そういう空気を自然に醸し出してくださるので、そこに身を委ねようと思います。でもそういう意味では、私以上にゆうみちゃん(咲妃)ハードルが高いよね? 初めての男性とのお芝居で、チークダンスも踊っちゃう? という役柄だから(笑)。
咲妃 (笑)でも才加さんがおっしゃるように、浦井さんがとてもリラックスした雰囲気を現場に作り出してくださるので、ありがたかったです。何よりミュージカル界を牽引していらっしゃる方なので、精一杯ついていきたいと思います。
秋元 音楽が加わることによって、作品をよりドラマチックに感情を増幅させて伝えられるのは、ミュージカル版ならではの良さなので、その魅力を浦井さんと私たちと、皆さんとで高めていきたいですね。

全てがむき出しになる舞台上で輝いている二人

──お二人共ガールズチーム出身という共通点がありますが、お互いの印象は?
秋元 舞台ってその人の全てがむき出しになる場所だと私は思っていて、その中で輝いてきた方ですから、とても尊敬しています。これまでも宝塚出身の方とたくさん共演させて頂いてきましたが、あれだけの華やかな世界を作る為に、どれだけストイックに芸の道を追求していらっしゃるかが、皆さんから伝わるので。
咲妃 そのお言葉そのまま全部お返ししたいです。国民的アイドルグループの最先端で活躍されてきて、何万、何十万の視線の中を生きていく中で、色々なこと、時には辛いこともあったかもしれないのに、それを微塵も感じさせずにあらゆる方々に元気と愛を届けてこられた。そのモチベーションの高さにはただ感服します。多方面でのご活躍も拝見しているので、その方がどんな視点でこの役や、作品をご覧になって作り上げられるのか、楽しみです。一番近くで拝見できて、ご相談もできると思うので、たくさん刺激を頂ける方に出会えたと感謝しています。
秋元 今回ダブルキャストの良さが一番出る組み合わせをして頂けたなと感じていて、お互いに根本で共有する部分は持ちつつ、ゆうみちゃんの良さ、私の良さをそれぞれ大切にしていけば、全く違う見え方のモリーが生まれると思うので、是非多くの方に、両方のキャスト、2公演を観て頂きたいです。
咲妃 今年はシアタークリエの10周年で、記念すべき年に世界的に愛された映画のミュージカル版が初演される。その舞台に立たせて頂けることを光栄に思いながら、劇場の新たな歴史を刻めるよう頑張りますので、是非シアタークリエにいらしてください。お待ちしています!

ゴースト女2人
秋元才加 咲妃みゆ

さきひみゆ〇宮崎県出身。10年宝塚歌劇団に入団、月組に配属後、14年雪組トップ娘役に就任。早霧せいなの相手役として多くの傑作舞台を務めた。17年退団後『Concierto del Tango(タンゴのすべて)』コンサート&CDに参加。ソロオーケストラ・コンサート「First Bloom」を成功させた。初の映像作品、連続テレビドラマ『越路吹雪物語』では宝塚の大先輩乙羽信子役を演じた。19年1月『ラブ・ネバー・ダイ』への出演も決定している。

あきもとさやか〇千葉県出身。06年「第二期AKB48追加メンバーオーディション」に合格、同年AKB48劇場チームK初日公演でデビュー。10年より新生チームKのキャプテンに就任。以降選抜メンバーとして多数の楽曲をリリース。13年同グループを卒業。現在は、女優として映像と舞台で幅広く活躍する傍ら、スポーツ番組のMCを務めるなどマルチに活躍。主な出演舞台は『ロックオペラモーツァルト』『国民の映画』『シャーロック・ホームズ2〜ブラッディ・ゲーム〜』『にんじん』。
 
〈公演情報〉
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ミュージカル『ゴースト』
脚本・歌詞◇ブルース・ジョエル・ルービン
音楽・歌詞◇デイヴ・スチュワート&グレン・バラード 
演出◇ダレン・ヤップ
出演◇浦井健治 咲妃みゆ/秋元才加(Wキャスト) 
平間壮一 森公美子/松原凜子 松田岳 栗山絵美 ひのあらた ほか
●8/5〜31◎東京・シアタークリエ 
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777
●9/8〜10◎大阪・サンケイホールブリーゼ、
●9/15・16◎・福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、
●9/22・23◎愛知・刈谷市総合文化センター アイリス 





【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】




『ドリアン・グレイの肖像』
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