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2016年早霧せいなトップスター時代の宝塚歌劇雪組で上演され、大きな話題と壮絶なチケット難公演となった浪漫活劇『るろうに剣心』が、宝塚退団後の早霧せいなが再び主演の緋村剣心を務める、ビッグサプライズと共に10月11日〜11月7日東京・新橋演舞場、11月15日〜24日大阪・大阪松竹座という、和の殿堂で上演されることになった。

浪漫活劇『るろうに剣心』は、シリーズ累計6000万部という途方もない人気を誇る和月伸宏の大河漫画「るろうに剣心〜明治剣客浪漫譚〜」(集英社ジャンプコミックス刊)を原作に、小池修一郎が宝塚バージョンとして初舞台化を果たした作品。すでにテレビアニメ化、実写映画化と多彩なメディアミックスが繰り広げられていたが、生身の人間がライブで客席と一体となる劇場空間で人気キャラクターを演じる醍醐味が、宝塚ファン、原作ファンのみならが更に大きな
広がりを示し、早霧せいなの緋村剣心をはじめとした雪組スターたちの見事なキャラクター再現率と、宝塚版だけに新登場した望海風斗の加納惣三郎が繰り広げる浪漫活劇として、熱狂を巻き起こす作品となった。
そんな作品が、新たに男女が演じる一般舞台として蘇るばかりか、主演を1年まえに宝塚歌劇団を卒業し、つい先日まで退団後初主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』でヒロイン、テス。ハーディングを美しく演じていた早霧せいなが、再び男性役である緋村剣心を演じるという、驚きと興奮に満ちた企画は、発表されるや否や話題を独占。この秋最も期待される舞台として大きな注目を集めている。

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この公演の製作発表記者会見が23日都内で開かれ、緋村剣心役の早霧せいな、神谷薫役の上白石萌歌、加納惣三郎役の松岡充、斎藤一役の廣瀬友祐、四乃森蒼紫役の三浦涼介、相良左之助役の植原卓也、高荷恵役の愛原実花、緋村抜刀斎(剣心の影)役の松岡広大、脚本・演出の小池修一郎、主催者側を代表して松竹株式会社取締役副社長・演劇本部長の安孫子正、株式会社梅田芸術劇場代表取締役社長の木村有裕登壇。驚きの企画の実現に至る経緯、また公演への抱負を語った。

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会見はまず出演者によるパフォーマンスからスタート。この会見への出席がスケジュールの都合で直前まで未定だった高荷恵役の愛原実花を除く、キャストたちがそれぞれの扮装で次々と登場。短い時間の中にキャラクターの個性をくっきりと浮かび上がらせるパフォーマンスで盛り上げる。

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そしていよいよ緋村剣心の早霧せいなが登場。ついこの間まで凛々しくも美しいテス・ハーディングだった早霧が、懐かしい衣装とヘアメイクで逆刃刀を手にセンターに立った途端、一気にこちらまで2年前の熱狂に引き戻されるかのよう。加納惣三郎の松岡充と剣を交える鮮やかな殺陣に続いて、キャラクターが勢ぞろいした時には、新たに生まれる『るろうに剣心』への期待で、満員の場内の空気が更にヒートアップ。10月の上演への期待がいやがうえにも高まるパフォーマンスになった。

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その熱気覚めやらぬステージが会見場となり、登壇者全員が登場。それぞれからまず挨拶があった。

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松岡広大、植原卓也、廣瀬友祐、三浦涼介、愛原実花 
梅田芸術劇場・木村有裕、上白石萌歌、小池修一郎、早霧せいな、松岡充、松竹・安孫子

はじめに主催の松竹株式会社取締役副社長・演劇本部長の安孫子正から、「松竹も時代に合った作品をとの思いで様々な企画を実現してきたが、中でもまだ足を踏み入れていなかった世界に、多くの名作を製作なさっていることに感銘を受けていた梅田芸術劇場さんとのご縁を頂きはじめの一歩を踏み出せることになった。梅田芸術劇場さんとの話し合いを重ねる中で、これからの時代を担って頂くに相応しい小池修一郎さんによる『るろうに剣心』という企画が実現した。宝塚歌劇でこの役を演じられた早霧せいなさんを中心に、一新されたキャストで新しい作品創りができると思っている。演劇界に一石を投じるような作品として『るろうに剣心』を楽しみにして頂きたい」との気概溢れる挨拶があった。

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続いて、企画・製作・主催株式会社梅田芸術劇場代表取締役社長の木村有裕から、「この公演は歴史と
伝統ある松竹さんの胸を借りて、同じく歴史と伝統ある新橋演舞場と大阪松竹座での『るろうに剣心』上演という機会に恵まれた。発行元の集英社、原作者の和月伸宏先生、脚本・演出の小池修一郎先生のご理解と、何より宝塚上演時に主演を務めた早霧せいなの、改めてこの公演に向き合ってくれるという決意があってこそ実現した企画だと思っている。宝塚在団時も卒業後も日々挑戦を続けてきた彼女であれば“男役”を再びというばかりでなく、新たな役者として緋村剣心に取り組んでくれると思う。宝塚で上演した作品の数々を男女版として再構築して、成功を納めてきた小池先生のこれまでの実績を考えればこの『るろうに剣心』もきっと更にパワーアップしたエンターテインメント性の高いものになると確信している。キャストの皆さんの活躍にも期待しているので、今回も是非作品を盛り上げて頂きたい」という企画に至るまでの想いを含めた挨拶があった。

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脚本・演出の小池修一郎は「今こうして早霧せいなさんの剣心を見ていると、2年半前に宝塚歌劇で初演する際の製作発表記者会見を思い出すが、あの時にまさかこんな日が来ようとは誰1人想像もできなかった。まして1年前に宝塚を退団し、つい1ヶ月前に『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で素敵な女優さんとして舞台に立っていた早霧に、再び男役をやってもらってよいものか?も考えた。けれども私にとっては初めての新橋演舞場と大阪松竹座での仕事というお話を頂いた時に、もう一度早霧せいなの緋村剣心に会ってみたい、僕自身が客席から観たい、もう一度蘇って欲しいという願いがあった。新橋演舞場と大阪松竹座に早霧せいなの緋村剣心が再び現れるのは素敵なことだと思っている。

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作品の話を先にすると原作にはない加納惣三郎というキャラクターが登場するが、それは宝塚歌劇のスターシステムの中で、男役二番手と呼ばれるポジションの人に原作のどのキャラクターを膨らませたら相応しいだろうか?というご相談を集英社と和月先生にしたところ、原作のキャラクターを膨らませるより新たなキャラクターを創って頂いた方が良いと思います、という逆提案を頂いた。これにはとても驚いたが、物語が幕末に“人斬り抜刀斎”と恐れられた剣客が、維新のあと世の為人の為に剣で戦う人間に生まれ変わる、というもので、登場人物は皆幕末から明治維新という激動の時代に迷い悩みながら生き、成長する姿が描かれている。そこから幕末と明治維新の時代に生きた人物が誰か?ということで、これまで色々な方が創作されてきた“加納惣三郎”に行き当たり、宝塚版のゲストスターとして登場してもらった。これが非常に面白い効果になったと思っているので、それを今回も踏襲して、歌えて、ミステリアスで、年齢不詳の役者さんということを探して松岡充さんに出て頂けることになり、そこから次々と他のキャストの皆さんが決まっていった。

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また、早霧剣心についても“宝塚を退団した人が男性に混じってまた男役をやるのはどうなのか?”と思われる方もいると思うが、かつて60年代の宝塚の大スターの内重のぼるが、宝塚時代の代表作『霧深きエルベのほとり』を、退団後『カール物語』というタイトルでリメイクして、彼女だけが男役で男女の役者さんと共に上演したという記録もある。その時に“男役芸”という美学はやはり確かなものがあると確信していたし、現在2018年の日本の芸能には、歌舞伎から今最も勢いのある“2.5次元”と呼ばれる舞台までを観ても、女性が男性を演じる、男性が女性を演じるということの垣根がなくなっているのを感じる。元々日本には歌舞伎があり宝塚があり、男性が女性を、女性が男性を演じる文化があって、それぞれが長い歴史を誇っている。宝塚も100年の歴史を数えて、昔のようにレビュー団という認識ではなく、単一の性が両性を演じてミュージカルやショーを上演する、ひとつのジャンルとして確立されていると思う。だからこそ、日本が世界に誇る文化であるアニメーションや、漫画の世界を、その文化と融合させて一体化していこうというのは当然の流れだと思うし、そこから新たなエンターテインメントが生まれればよいものになると思う。こう言うと難しい挑戦をするようだが、あくまでも歌舞伎座ではなく新橋演舞場と大阪松竹座なので、楽しいエンターティメントにしたい。花道も使おうと思っているので、早霧せいなの剣心をはじめとした役者たちがその舞台で、明るく躍動してくれることに期待している」というこの作品の成り立ちや、今回の企画に込められた想いが語られた。

そこからいよいよ出演者がそれぞれの意気込みを飾る挨拶、更に質疑応答へと引き継がれた。

【出演者挨拶】
(※文中松岡充は「松岡」松岡広大は「広大」と表記)

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早霧
 本日はお忙しい中お集まりくださいましてありがとうございます。緋村剣心役の早霧せいなです。宝塚在団中、約2年前の2016年に緋村剣心役と出会い、それは私にとってとても大切な役と作品との出会いとなりました。そこから2年経って、私はもう男役ではない(笑)。本当に男性キャストのいる中で男性役を演じるというのは果たしてどうなのか?とここに漕ぎつくまでは正直悩みました。ですが男性でも女性でも「人」を演じるということに変わりはないのではないか?という境地に行きついて、今ここに立っております。宝塚版とはまた違ったキャストの皆様と心をひとつに、小池先生の演出と新橋演舞場と大阪松竹座という新しい劇場で、新しい『るろうに剣心』を皆様にお届けできたらなと思います。よろしくお願いします。

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 松岡 皆様ありがとうございます。加納惣三郎を演じさせて頂きます松岡充です。小池先生のお話にもあった通り、加納惣三郎という人物は原作にはいない。その加納惣三郎に並々ならぬ愛情をもって先生が書き上げたものを演じさせて頂くことを、本当に光栄に思っています。先生の演出される作品にはずっと憧れておりました。僕は芝居に出るようになってまだ浅く15年になるのですが、そのはじめた当初、先生はもうお忘れになっていらっしゃると思いますが、一度お声がけ頂いたことがありました。その時はスケジュール等があって断念せざるを得なかったのですが、それを超えて今回お声をかけて頂けたことをすごく嬉しく思って稽古場に行きました。その初めて先生とお会いした時の一言が忘れられません。「松岡君、結構歳いってるんだね!」(爆笑)。
早霧 失礼な〜!(笑)
松岡 「先生僕も歳をとるんです!」と言いました。よろしくお願いします(平謝る小池とお辞儀し合う)。
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上白石
 皆さん今日はお集まり頂きありがとうございます。神谷薫役を演じます上白石萌歌です。こんな歴史のある『るろうに剣心』という作品を素晴らしいキャストの皆さん、そして以前から憧れていた小池修一郎先生と新たに創っていけることをとても光栄に思います。私の演じる神谷薫は全世界から愛されていて、そんな役を演じるのはとてもプレッシャーを感じるのですが、凛と大胆に、そして揺れ動く気持ちを繊細に演じていければ良いなと思っています。是非楽しみに待っていてください。よろしくお願いします。
 
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廣瀬
 斎藤一役をさせて頂きます廣瀬友祐です。今日はありがとうございます。漫画、アニメ、映画、ミュージカルと様々な形でたくさんの人に愛され続けている『るろうに剣心』という作品に出演できることをとても嬉しく思いますし、斎藤一という役が演じられることを光栄に思っております。すごい人気のある作品ですので、各キャラクターも色々な愛し方をされているファンの人が方が大勢いらしっゃる中で、僕も斎藤一という役を愛して、『るろうに剣心』という作品を愛して、廣瀬友祐なりの斎藤一を演じられたらなと思っております。どうぞよろしくお願いします。

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三浦
 四乃森蒼紫役の三浦涼介です。僕は実写版の映画で沢下条張という役を演じまして、その役はすごく力強い役でした。今回の四乃森蒼紫はとてもクールで、無表情が印象的だと思いますが、実は情に厚く、熱い芯を持っている男だということは変わらないのかなと思っています。公演時間が限られていますが、その中で小池先生のご指導のもと、四乃森青紫を一生懸命演じたいと思いますので、是非お越しください。よろしくお願いします。
 
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植原
 相楽左之助をやらせて頂きます植原卓也です。自分がまさに子供の頃ど真ん中にいたと言っても過言ではない作品に、自分の身を投じることになって本当に光栄だと思っています。演じさせて頂く相楽左之助というキャラクターは、本当に男らしい芯のある真っ直ぐなキャラクターです。しっかりとそんな左之助の持ち味を出せるように向き合って、稽古を一生懸命頑張っていきたいと思います。皆様よろしくお願いします。

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愛原 高荷恵役をやらせて頂きます愛原実花です。よろしくお願いします。原作の漫画も、アニメも舞台も大好きだったので、参加させて頂けることを本当に幸せに思います。また宝塚現役時代に早霧さんとは雪組でご一緒させて頂いていたので、改めてこうして同じ舞台に立たせて頂けるのを本当に嬉しく思います。小池先生のご指導を頂けますこと、そして素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんとご一緒できますことを幸せに思います。自分の持っているすべてを出し切って頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

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広大 本日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございます。緋村抜刀斎を演じます松岡広大です。個人的に『るろうに剣心』が大好きで、やるなら剣心がやりたいなと思っていて(笑)、それがまさか緋村抜刀斎、幕末に暗躍した時代の緋村剣心をやって欲しいと言って頂けて、恐悦至極に感じるというかすごく嬉しかったです。もちろん今回新橋演舞場と大阪松竹座という歴史ある劇場に皆様に足を運んで頂ける、そして僕らも板の上に立たせて頂けるということが役者として幸せです。何より抜刀斎として早霧さんが演じられる剣心の、その影が嘘にならないように、しっかりと現在の剣心とリンクするように本番に向けて学んでいきたいと思いますので、皆様どうか応援よろしくお願いします。

【質疑応答】

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──小池先生、今回新橋演舞場と大阪松竹座版の新演出ということで、どういう変更を考えていらっしゃるのか教えてください。
小池 それはまず見てのお楽しみと言いたいです(笑)。基本的な作りは変わりません。これからキャストそれぞれの持ち味で改めて調整していくところはあると思いますし、新しい劇場ならではのこともできればとは思っています。早霧せいなが本物の男性たちと刃を交わすというのが、なかなかスゴイことだなと思っております。
──そのあたり早霧さんはどうですか?
早霧 体力が持つか?ということはあるのですが(笑)。やはり女性だけが演じていた宝塚とは違って大きな方達なので、迫力も全然違うとは思うのですが、女性ならではのしなやかさと甘やかさと、一度剣心をやっているという経験値が皆様よりはあると思っているので、そこを踏まえて皆さんに負けないように、自分にとっても外部の作品で男性を演じるという挑戦になりますので、思いっきり暴れまわりたいと思います。

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──キャストの方々、現時点でご自身の演じる役柄の見せどころをどう考えていらっしゃいますか?
早霧 剣心という役は「人斬り抜刀斎」だったという過去を持っていて、その彼が十字傷を負って、逆刃刀を持つことになる。そこに至る彼の過去を踏まえた上で、その中にある明るさ、そして優しさをメリハリを持って、そこは宝塚時代もすごく意識したところではあるのですが、ミュージカルナンバーに負けないくらいの緩急を持って演じたいと思います。

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松岡 加納惣三郎は原作にないということもあって、先生がお創りになった宝塚版はあるのですが、ある意味ここからまた創ることができるなという期待がありますので、先生と相談しながら僕にしかできない惣三郎にできれば。悪なんですけれども愛を持つ、ちゃんと愛を持った彼の側から見た正義を持った悪役を演じたいなと思います。

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上白石 神谷薫はとても活発で怖いもの知らずなところがあると思うのですが、剣心に抱く淡い恋心で、少し女性らしく心が揺れたりですとか、繊細な部分もきっと持っていると思うので、そうした色々な顔を持っている神谷薫を私なりに解釈して演じられたらいいなと思います。
──今日剣心にお会いして、薫としてはどうでしたか?
上白石 好きになってしまいそうです(笑。早霧が剣心そのもののように頭をかくので会場からも笑)。それくらい素敵です。

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廣瀬 斎藤一というキャラクターの印象としては冷徹で不愛想なものを持ってしまうのですが、「悪・即・斬」という彼の中では正義感があって、強い信念を持って生きているカッコ良い男だと思いますので、そういったところも自分なりに精一杯舞台の上で表現できたらなと思っています。

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三浦 四乃森蒼紫の限られた出番の中で、僕なりに歴史を知った上で表現していきたいなと思っています。イメージはすごくあると思うのですが、三浦涼介が演じたことでこうなったねという部分をお客様にも、先生にも「それで良いね」と言ってもらえるような蒼紫を演じたいと思います。

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植原 左之助にはやはりなくてはならない武器「斬馬刀」を、新橋演舞場と大阪松竹座で振りかざすことができるのが自分でもとても楽しみなので、お芝居と併せてその部分も楽しんで頂けたら嬉しいなと思っています。

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愛原 高荷恵という役は魅力のひとつとして妖艶の「妖」という字がピッタリだと思うのですが、10年以上前に宝塚の『エリザベート』という作品で、皇帝を誘惑する色気が必要な役を頂いたのに、色気が全くなくて小池先生に「魅力が全然ない!」と怒られたことを覚えていて(笑)。あの時から10年以上経っていますので、少しはそういった面でも成長した姿を、先生にもお客様にもお見せできたら良いなと思っています。

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 広大 抜刀斎ってきっと殺陣がすごく多いと思いますし、伝説の人斬りと言われた人なので、個人的には刀を使った殺陣は初めてなので、役者としてすごく成長できる機会だと思うので、芝居を汲み取った殺陣を見て頂けたらと思います。
 
──早霧さん久しぶりに剣心の扮装をなさって蘇るものがありますか?また、他のキャストの方々もそれぞれの扮装をされた感想を教えてください。
早霧 やはり懐かしいという想いが湧き上がってきて、自分でも不思議な感覚だったのですが、宝塚を退団してもう男役はやらないと思っていた中で、こうやって男物の袴を着て堂々と足を広げて座っていられるのはやっぱり楽だなと(笑)。沁みついた感覚というのはなかなか抜けないんだなと思って、それが男役を17年間続けてきた自分としては喜びでもありました。そしてこの赤い着物と赤い髪で逆刃刀を持って舞台に立てる。こんな機会は二度とないと思っていますので、この高まった気持ちのままで本番を迎えたいと思います。

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松岡 オリジナルなのでまだ目指すものがそんなにないので、今は扮装に着られている感じもありますが、おそらく本番が近づくにつれてもっとロック色が出てくる(笑)、もう少しロックな惣三郎になると思います。
上白石 私は役として袴を履くのは初めての経験なので、本番はまだ先ですが今の段階から自分が神谷薫を演じる想像ができて、背筋が伸びる感覚と言いますか、見える景色が違うような気がしています。ここに竹刀が加わり、スポットライトがあたり、色々なものが組み合わさるとまた新しい景色が広がるのではないかなと思います。

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廣瀬 とりあえずこの前髪をどうしようかな?と思っているのが正直なところですが(笑)、すごく原作に忠実に皆さんが作ってくださって、まず軍服という本来カッチリ着るものを敢えて着崩している、前を開けている姿がだらしなく見えるか、色っぽく見えるかは役者の力によるのかな?と思いますので、それがちやんとお見せできたらなと思っています。

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三浦 やはり衣装やヘアメイクは、スタッフの方々がこだわり抜いてくださった力によって、僕たち役者が役を演じる大きな一歩として近づけてくださるというのをすごく感じています。先ほどもリハーサル中に小池先生もそれぞれの役者さんに「もっとこうした方が良い」というアドヴァイスをされていて、そうしたこだわりに僕たち役者も命を注いで演じていかなければならないな、といつも思いながら演じていますので、僕らにとってとても大事なアイテムだと思います。

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植原 左之助は喧嘩屋で強く逞しく見えないといけないキャラクターだということで、小池先生にも最初に「もっと大きくなってこい」という指摘を頂きました。もちろん筋トレも少しずつしているのですが、ご飯もいっぱい食べて(笑)今人生における自分の今の体重が1番重い状態まできているので、ここから稽古を重ねてどうなるのかが自分でもドキドキワクワクしています。心身ともに鍛えながら本番に挑めたらなと思います。

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愛原 宝塚雪組の『るろうに剣心』が大好きだったので、すごく印象に残っていて今も思い出すところがあるのですが、きっと早霧さんも2018年版、今やるからこそのものになさることでしょうし、新演出版でもありますので、私も宝塚を退団してもう8年経っておりますので、そこで得たものも出しつつ挑戦できたら良いなと思います。
広大 個人的には着られちゃっていると思うくらい、衣装の力を僕自身すごく感じています。自分の芝居だったり、眼光なども纏うものから意識しないといけないなと、皆さんのとても似合っている扮装を見ながら思いました。全てに妥協せずしっかりやっていきたいなと思います。

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【囲みインタビュー】

熱気溢れる会見が終了したあと、早霧せいな、松岡充、上白石萌歌による囲み取材も行われ、三人が更なる想いを語ってくれた。
 
──今、製作発表会見を終わられて、改めて意気込みをお願いします。
早霧 やはり自分としては同じ剣心という役に取り組むのですけれども、周りのキャストの皆さんが全員違うというところが、自分にとってポイントなので、独りよがりにならずに、皆さんと新たに創りたいとすごく思います。
──今日皆さんと集ってみて感じることはありましたか?
早霧 皆さん漫画から飛び出したようで、加納さんは違うけれども(笑)。
松岡 はい(笑)。
早霧 松岡さんらしい惣三郎ができるということが実証されたんじゃないかな、と思いますので、皆さんと一緒にお稽古をするのがとても楽しみです。
松岡 いよいよだなと。変な言い方ですが、このご時世にこんなに豪華な記者発表ができて、皆さんがこういう風に集まってくださる。作品に対する期待値が高いんだなということを今日実感させて頂けましたので、今まで以上に気合いを入れて臨みたいなと思っています。
上白石 本番は10月ですが、こうしてひと足先に本番の扮装をして皆さんのパフォーマンスもあって、やっとこの舞台に立たせて頂く実感を、今持たせて頂けた気がしています。まだお稽古がはじまるまでに時間がありますが、ここでいただいたイメージをもとに、脱皮を繰り返していけたら良いなと思います。
──新橋演舞場と大阪松竹座でこの作品をやることへの期待は?
早霧 和物の作品だけにピッタリな劇場だなと思います。今までは自分が観る側として足を運んでいた劇場に、今度は立てるんだなと思うととても楽しみです。宝塚時代も花道は使ったことはあるのですが、今度は縦に伸びる花道ということで、それを小池先生がどう演出なさって走り回れるのかな?と思うとそれもとても楽しみです。
松岡 やっぱり伝統があり格式があるので、今まで観る側としても背筋がピッと伸びるような劇場だったのですが、そうあまり考え過ぎるとダメかな?と思っていますので、普段通りの感じを出したいなと思っています。でも改めて考えるとやはり「新橋演舞場か!大阪松竹座か!」と思いますので頑張ります!
上白石 もちろん両劇場共に立たせて頂くことは初めてで、ずっとスーッと伸びる花道に憧れがあったんです。お客様との距離も近くて、休憩の間の皆さんがお弁当を広げて食べる感じ、提灯などにも、新橋演舞場と大阪松竹座ならではの空気感ありますね。そんな中でパフォーマンスさせて頂くのが楽しみです。

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──累計6000万部という途方もない人気を誇っている原作漫画ですが、その魅力をどう感じますか?
早霧 私は2016年に宝塚で上演することが決まって『るろうに剣心』という漫画に出会ったのですが、引き込まれました。漫画ということでお子さんが夢中になって読むものなのかな?と思っていたのですが、これはお子さん以上に生きて来た年数が多い人ほど、色々なものを感じる作品なのではないかな?と私は思っています。なので、新たな気持ちで原作を読んでこの2018年版の舞台に挑戦したいと思っているのですが、2年前には感じなかったことが発見できたりしていて。やはり『るろうに剣心』という作品と、役のファンの方がたくさんいらしゃいますから、その方々の期待を裏切りたくないですし、私も一剣心ファンとして誰よりも深い愛で挑んでいきたいなと思っています。
松岡 『るろうに剣心』が週刊少年ジャンプに連載されはじめたのが1994年で、僕がデビューしたのが1995年なんです。その翌年の1996年にテレビアニメになって。その主題歌をやりたくてやりたくて仕方がなかったんですが、SOPHIAが出来なかったんです!同期のJUDY AND MARYが歌って。それがこんな形で出られるとは!原作にはないキャラクターなんですが、逆に和月先生がこれを観て「加納惣三郎入れようかな?」と思ってくださるくらいのものにしたいと思っています。
上白石 やはり日本のみならず、世界中の方に愛されている漫画原作を今読んでいる途中なのですが、改めて絵柄の迫力や、ページをめくるごとに生まれる迫力などを、原作ファンの方もすごくお好きなのだろうと感じます。今回伝える手段は舞台なので原作とは違いますが、舞台ってお客様と密に同じ空間にいられる、その場の空気で感じる臨場感があると思うので、是非原作ファンの方にもお越し頂きたいです。
──では早霧さん最後にご挨拶をお願いします。
早霧 多くの方々に愛されている『るろうに剣心』という作品をまた舞台化できることを大きな喜びに感じております。キャスト、スタッフ心をひとつにお客様に喜んで頂ける舞台にしたいと思いますので、是非新橋演舞場と大阪松竹座にお越しください。お待ちしております。ありがとうございました。

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〈公演情報〉
浪漫活劇『るろうに剣心』
原作◇和月伸宏「るろうに剣心〜明治剣客浪漫譚〜」(集英社ジャンプコミックス刊)
脚本・演出◇小池修一郎
出演◇早霧せいな、松岡充、上白石萌歌、廣瀬友祐、三浦涼介、上山竜治、植原卓也、愛原実花、松岡広大 ほか
●10/11〜11/7◎東京・新橋演舞場
〈料金〉一等席1,3000円、二等A席8,500円、二等B席6,500円、三階A席5.000円、三階B席3,500円、桟敷席14,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 0570-077-039(10時〜18時)
●11/15〜24◎大阪・大阪松竹座
〈料金〉一等席(1.2階)13,000円 二等席(3階)8,500円(全席指定・税込み)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3800(10時〜18時)
公式サイト https://ruroken-stage.com/



【取材・文・撮影/橘涼香】



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