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元宝塚歌劇団雪組トップスター早霧せいな退団後初の主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』が、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演を大成功のうちに終え、6月1日、TBS赤坂ACTシアターで東京公演の初日の幕を開けた(6月10日まで)。

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『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』は、人気女性ニュースキャスターが風刺漫画家の男性と電撃的な恋に落ちたことから、仕事と家庭の両立という問題に直面して起こす様々な騒動を、ジョン・カンダ—&フレッド・エッブによる心躍る楽曲で綴るラブコメディーミュージカルの傑作。1981年にブロードウェイで生まれた歴史ある作品だが、ヒロインのテス・ハーディングが抱える問題には、仕事を持つことがむしろ当たり前になった現代の女性にこそ理解しやすい今日性があり、板垣恭一のミュージカルのツボを心得た細やかな演出と、テス役の早霧せいな、テスと恋に落ちるサム役の相葉裕樹、テスの決断に大きな影響を与えるロシア人の世界的バレエダンサー・アレクセイ役の宮尾俊太郎をはじめとした、個性豊かな出演者たちの、適役&好演が揃い、何度でも足を運びたくなる上質なコメディー・ミュージカルとなっている。特に、大阪公演を経てパワーアップした舞台は、更にテンポ良く快調に弾み、一層心躍るものに進化している。

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そんな舞台の初日を前日に控えた5月31日、囲み取材が行われ、早霧せいな、相葉裕樹、宮尾俊太郎が登場。大阪公演での手応えや、東京公演に向けての抱負を語った。

【囲みインタビュー】

──まず、東京公演初日に向けての意気込みをお願いします。
早霧 テス・ハーディング役の早霧せいなです。今日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございます。大阪で幕を開けて1週間ほど公演をして、 東京にやって来たんですけれども、やはり場所が変われば自然とお客様の雰囲気も違ってくると思うので、 私たちも大阪公演でやってきたものを大切にしながらも、新たな気持ちで挑戦していきたいなと思っております。よろしくお願いします。

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相葉 サム・クレッグ役の相葉裕樹です。大阪公演をして、本番を経て、満を持して東京に来たという感じです。今まで自分たちを信じてやってきたもの、お客様に喜んできてもらったものを、更にまた今度はTBS赤坂ACTシアターで勝負するという形なので、自分自身も、もっともっと進化していけたら、そしてテスとの愛を育んでいけたらと思いますので、 皆さんに楽しんで頂けるラブコメディミュージカルをお届けしたいと思います。 是非是非、まだ迷っているお客様も、劇場へ遊びに来て頂けたらなと思います。 

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宮尾 (拍手を贈る) 
早霧 最後のコメントのようでしたね!(笑)
相葉 えっ?最後みたいだった?(笑)
宮尾 いやいや、良いことを言うなぁと。アレクセイ・ペトリコフ役の宮尾俊太郎です。大阪公演を終えまして、大阪のお客様がものすごく声を出して笑ってくださって。「あ、こんなに声を出して笑うミュージカルなんだ」と、 改めて幕が開けて完成したなという気持ちがしました。今度は東京のお客さまがどんな反応をしてくれるのか。 僕たちがそれにあわせてどう変化していくのかが、僕も楽しみです。歌うのも初めてでしたけれども、経験をして会場が変わって、色々微調整をして、三歩進んで二歩下がるような感じですが、皆様が良い時間を過ごせるようにやりたいと思います。よろしくお願いします。

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──とても楽しい大阪公演でしたが、実際にお客様が入ってからの手応えや、作品に対しての新たな発見などはありましたか?
早霧 やっぱりコメディ作品って特にお客様の温度が上がれば上がるほど、演者側の温度も必然的に上がるということを初日から感じました。カンパニー自体が、やっと舞台に立ったんだ!という喜びを感じながら舞台を務められたと思っているのですけれども、更に毎回お客様の反応が違ったんですね。ですからずっと新鮮な気持ちで千秋楽まで公演することができたので、ちょっと東京ではどういう反応になるのかな?と構えている部分も実はあったりしまして。予想と違ったり…良い意味で違うと嬉しいんですけれどね。
相葉 そうですね。
早霧 そういう意味でも、お客様と一緒に創る舞台だなということを特に感じているので、お客様にも遠慮なく反応して頂けると嬉しいなと。
──地域性でウケるところが違ったりもしますよね。
早霧 そうなんですよ!
相葉 稽古で苦しんできた分、お客様が入ってくださった時に「こんなに笑いが起きるんだ!」と本番に入ってわかることが多くて。お客様に「ここはもっとやってもいいんだ」等の答えを教えてもらっている感じがしました。それはコメディならではの感覚ですし、TBS赤坂ACTシアターは劇場も広くなるので、そこがどうお客様に届くか、やってみないとわからない部分もあるのですが、 楽しいラブコメディーが出来たんじゃないかと思っているので、自信を持ってやるだけです。
 
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──宮尾さんは、本格的なバレエシーンで踊る場面ももちろんあり、歌も台詞もあるということでいかがでしたか?
宮尾 喉の調子ですとか(整えることが)全くわからなかったので、とにかく練習してやったら、2公演終わった後に声がカスカスになってしまって、「どうしよう」ということもあったのですけれども。やりながらひとつひとつ毎日課題を見つけて、次はそれをクリアしようという形でやっていって、徐々に自分の中では形が出来てきましたね。ただ、自分たちだけで稽古をしている時には、予想もしなかったところで突然笑いが起きたり。
早霧 そうですね!
宮尾 僕に至っては何故か登場しただけで笑いが起きて(笑)。でもそれは前半戦が上手く組み立てられているということでもあるから、良いのかなと。
相葉 宮尾さんが登場するとやっぱり空気が変わるんです。ガラッと変わるんで、それはさすがだなと。空気を変える男!
宮尾 いや、僕は一生懸命やっているだけで(笑)。
──やはりそれは「プリンシパル登場!」という。
相葉 そうですね。「待ってました!」感があります。
早霧 うん、うん。
宮尾 あれ?何か可笑しいのかな?と思うんだけど(笑)、そのまま一生懸命やります。

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──早霧さんは男性とのお芝居が初めてで、やってみて何を感じるのか?とおっしゃっていましたが、実際にこうして舞台を創られていかがでしたか?
早霧 お芝居って楽しいなということを再度確認した公演で、これから東京公演が始まりますけれども、男性、女性、一緒にお芝居をやるという意味では全く関係ないんだな、ということを感じました。それと共に、女性同士だったという緊張感とは全く違う緊張感があるので、そこを新鮮に女子の自分のときめきを思い出してやっております(笑)。
──その女子の早霧さんとのお芝居はいかがですか?
早霧 それは答えずらいな〜(笑)。
相葉 いや〜、もうバチバチにときめいてますよ!毎回キュンキュンしながらやらせてもらっています。
早霧 (笑)。
相葉 お綺麗なので、ついついお稽古中とかはちょっと照れたりしてしまう部分があったりしたんですけれども、キスシーンも結構多かったりしますしね。
早霧 ね〜。
相葉 でも本番はバシッと男らしく、グッと抱きしめてギュッとしていきたいなという気持ちで、毎回ときめきながら、お客様にもときめいて頂けたら、キュンとして頂けたらなと思います。

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──美男美女でいらっしゃるので、ひと目惚れの説得力がすごくありますしね。
早霧 ひと目惚れのシーンも割とコミカルに描かれているので。
相葉 稽古場でもきっと笑いが起こってくれるだろうな、は予想できていたんですけれども。
早霧 本当?私、予想できなかったよ?
相葉 いや、だって!(笑)
宮尾 あそこ笑いが起こってくれなかったらキツイですよね?
早霧 キツイよね!
相葉 ちょっとヤバい人たちみたいな(笑)。
早霧 稽古場では慣れちゃっていたから。反応があって嬉しかった。
相葉 そう嬉しかったし、そういう意味では安心してお芝居ができたなと。初日に「あ、ここウケるんだ」と改めて教えて頂けたので。
──カンパニーの方たちも本当に個性的ですが、一緒に演じていらしてどうですか?
早霧 皆さん日に日に濃くなって!元々濃かったキャラクター設定が更に濃くなってきていて、一緒に共演していてワクワクドキドキします。東京の千秋楽ではどうなっているのかな?が更に楽しみですね。
宮尾 本当に達者ですよね。ミュージカルの舞台経験を積まれていらっしゃる方たちなので、笑いを取りにいかない中で変化しているんです。身内ウケとか悪ふざけに走らずに笑わせられるのが凄いなと思っていて。そうした意味では上質な笑いをお届けできていると思います。

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──特におススメの見どころ、ここだけは見逃さないで欲しいというシーンは?
相葉 僕らのシーンは敢えて置いて言うのであれば、「こりゃダメだ」というミュージカルナンバーなどは、二人は別れた方が良い、というすごくネガティブなことをむちゃくちゃ明るく楽しく歌っていたりして、それがすごくミュージカルらしいですね。本当に見ても楽しく、聞いても楽しい瞬間がたくさんありますので、そういうところも見どころかな?と思います。
早霧 ひとつのナンバー、ひとつの曲にカンパニー全員で参加することが多いので、色々なところに色々な方々が出演なさっているので、端から端まで、隅から隅まで観て頂ければ。ですから1回では観きれないと思うので、今日こっちを観たら次の回はこっち、という風に色々角度を変えて観て頂ければ、更にこの作品が楽しんで頂けると思います。 
宮尾 僕はいつも袖から見ているのですが、ラストシーンで早霧さんが相葉さんの言葉で…あ、いや、サム・クレッグの言葉で。
相葉 言い直しました!(笑)
宮尾 表情が変わっていって、二人のラブがグッと行くところを、是非しっかり見て頂きたいです。
早霧 アレクセイとしてはそこは見守りたいですよね!
宮尾 アレクセイは袖の中で見守っています!
相葉 そうなんだ!
宮尾 「そう、それで良いんだよ!」と。
早霧 はい!(笑)

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──大阪公演で何かハプニングなどのエピソードはありましたか?
宮尾 僕は初めて「台詞を噛む」という経験をして。ダンサーの振りが飛んだ瞬間と似ていて、いったん全ての空気がピタっと止まって、それが永遠の時間に感じるという恐怖を味わいました!1度だけです!
早霧 でもアドリブとかもやっているでしょう?
宮尾 そうですね。
早霧 初アドリブ?
宮尾 初アドリブ。
早霧 どうですか?
宮尾 早霧さんのアドリブ返しが上手なので。
早霧 いやいやいや(笑)。
宮尾 安心して色々投げています。

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早霧
 ええと、失敗ですよね?このお芝居すごくきっかけが多いんですよ。私の台詞で次の曲に変わったり。その曲の変わり目が出なかった時があって。
相葉 知らなかった!気づかなかったです。
早霧 本当?料理するところで。
相葉 あ!そういえばちょっと何か…。
早霧 細かい仕掛けがいっぱいあって。料理の手順をしながら変わっていくので。料理番組とか経験したことはないんですが、料理番組をやったらこういう大変なことになるんだなぁと思って(笑)。いつか料理番組が来たら、今回勉強できたと思おうと(笑)。
相葉 僕はなんだろうな。個人的なミスはあるんですけれどね。台詞噛んだり、言い間違ったり。でもさっき言ってくれたラストシーンで、早霧さんをクルクル回したりするんですが、大阪の後半くらいから「ちょっとブレてるよ」と言われて!
宮尾 回転が?(笑)
早霧 そんなこと、ここで言っていいの!?(笑)
相葉 で、さっきやった時に「この感じでどうですか?」って言ったら「OK!OK!」って(笑)。
早霧 バッチ(相葉の愛称)に「バッチリ!」
相葉 「バッチリですか?ありがとうございます」と(笑)。
宮尾 (爆笑)。
早霧 そう、そこ笑ってくれないと!(笑)

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 ──楽曲の魅力については?
早霧 オーケストラの生の演奏でこの楽曲たちを聞いた時に、元々素晴らしいのはわかっていたんですが、こんなにドラマティックで素直に人の心に入ってくメロディーがあるんだ!と感動したんです。そういう感動する楽曲がたくさんあって、それをお芝居の中で心情を含めてお客様に届けられる喜びをすごく感じるので、客席にお客様がいてくださればくださるほど、自分のこの曲を届けたいという気持ちが増えていくと思います。ですからお客様にお芝居だけではなくて、何も考えずに聞いていても心地よい曲があるんだよ、とお知らせしたいです。 
相葉 歌う側としては正直結構苦労したところもたくさんあったのですが、時を経て、稽古を経て、オーケストラと合わせ、実際に本番で皆様の前で披露するという段階を経るごとに、僕の中では曲の深みが更に増しているように感じています。スルメのような噛めば噛むほどという魅力があります。自分のソロ曲の「戻らない時間」に関しても、最初は本当に苦戦して、今も消化する作業はしているんですが、本番を重ねていくうちに、曲をこうやって伝えたいという想いが深まってきています。それはお客様もきっと一緒なのかな?という気がしているので、1度ではなく何回も、たぶん観れば観るほど「この曲いいな!」と知っていって頂けるのではないかな?と思っています。
宮尾 僕はやはりミュージカルの名作の条件は「お客様の耳に残ることだ」と思っていて、まさにこの曲たちは耳に残ると思いますので、そういった意味では説明の必要のない名曲たちなんだろうなと思います。「ステキな朝」(宮尾のソロ曲)なんか、ずっと頭を巡ってますから!
早霧 わかる!
相葉 あれは口ずさんじゃいますよね!
宮尾 非常に健康的な歌詞なのでね。いいと思います。
──では最後に、早霧さんから代表してお客様にメッセージを。
早霧 『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』、TBS赤坂ACTシアターで公演中でございます。是非、是非、劇場に足を運んで頂いて、私たちと一緒にこの空間で楽しんでください!お待ちしております!

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 〈公演情報〉
ウーマン・オブ・ザ・イヤー新ビジュアル2
 
ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』
作曲◇ジョン・カンダ—
作詞◇フレッド・エッブ
上演台本・演出・訳詞◇板垣恭一
キャスト◇早霧せいな、相葉裕樹、今井朋彦、春風ひとみ、原田優一、樹里咲穂、宮尾俊太郎(Kバレエ カンパニー) ほか
●5/19〜27◎大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈料金〉12.500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3888(10時〜18時)
●6/1〜10◎東京・TBS赤坂ACTシアター
〈料金〉S席12.500円 A席8.500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 0570-077-039(10時〜18時)
〈公式ホームページ〉 http://www.umegei.com/womanoftheyear/



【取材・文・撮影/橘涼香】



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