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若き才能ある原石たちが競い合う珠玉のエンターテインメントショーの第二弾『GEM CLUB II 』が、シアター1010でのプレビュー公演を大好評のうちに終え、3月24日からシアタークリエでいよいよ初日の幕を開ける(4月5日まで。のち、4月14日〜15日大阪・サンケイホールブリーゼ、4月18日名古屋・日本特殊陶業市民会館でも上演)。

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玉野和紀が長年手掛けている、ノンストップエンターテインメント・ショー『CLUB SEVEN』のDNAを受け継ぎ、若き才能たちの集う新たなショー・ステージとして、SHOW HOUSE『GEM CLUB』が幕を開けたのは2016年のこと。若き原石=GEMたちが、それぞれの得意分野に留まらず、あらゆるジャンルからバラエティー豊かに組み込まれたダンス、歌、ドラマに真剣に立ち向かう姿が、青春そのものを思わせる熱いパフォーマンスにつながり、大人のおもちゃ箱と言った粋な趣のある『CLUB SEVEN』とは、ひと味もふた味も違う、ここにしかない熱量と魅力を生み出して、鮮烈な記憶を残した。 
今回の舞台は、そんなステージの第二弾で、玉野総支配人のもと、オーディションを勝ち抜いた面々が創る、更なる熱量を伴ったステージとなっている。

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【STORY】
東京のとある場所に佇むSHOW HOUSE『GEM CLUB』。かつて才能を持った若者たちが、切磋琢磨しながら煌びやかなショーを創り出すことで喝采を集めたSHOW HOUSEも、2年の歳月が流れるうち、活躍していた若者たちはそれぞれに巣立っていき、今は総支配人のタイガー(玉野和紀)、チーフのアクア(原田優一)、リーダーのロードナイト(中河内雅貴)だけが、披露するあてのないショーの稽古を続けていた。
そんな状態に苛立つロードナイトをタイガーとアクアが宥めているところに、颯爽と現れたのはSHOW HOUSE『GEM CLUB』の新オーナー・ダイヤ(壮一帆)だった。「メンバーがいないのなら、新しいショーを創る為の人材を探しに行きましょう!」ダイヤの男前の号令一下、街へ飛び出した4人は、手分けして新たな才能の原石=GEMたちをスカウトして歩く。ストリートシンガー、パフォーマー、メイド喫茶、時代劇のエキストラ等々。自らを表現することをそれぞれに模索していた若者たちが、1人、また1人とSHOW HOUSE『GEM CLUB』に集い、いよいよ新たなショー創りへの道程が始まった!

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2幕構成からなる舞台は、1幕を才能の原石を探して歩くスケッチミュージカル。2幕をそうして集まったメンバーたちが創り出した新たなショーという流れの中で進んでいく。前回の『GEM CLUB』の設定をそのまま引き継ぎつつ、若者たちがすべて入れ替わっていることに違和感がない、自然な作劇が実に上手くできていて、総合クリエーターの玉野の手腕が早くも発揮されている。

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更に、新たな才能がオーディションを受けに来たのではなく、こちらからスカウトして歩くという設定が効いていて、新たなGEMたちの個性が様々な場所で発揮されているのが面白い。それによって本人たちの得意分野もきちんと織り込まれつつ、楽しい遊びもたっぷり、新たな挑戦もたっぷりで、1幕から次々に、ある意味奇想天外に場面が変わっていくことにも無理がない。映像を上手く組み込んだ松井るみの装置が、そのスムーズな場面転換を支えていて、約1時間10分の1幕があっという間に過ぎて行ったのには驚かされた。

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だから、もちろんそんな彼らが創ったショーという設定の2幕は、更に多彩な場面が繰り出され続けて、玉野、壮、原田、中河内の謂わば「大人組」と、GEMたちの組み合わせの妙もたっぷりとあり、全員が八面六臂の大活躍。一生懸命の輝きが、舞台をキラキラと彩るのが、この青春エンターテイメントならではで、とにかく全員を応援したい気持ちになれる熱量が素晴らしい。今回はメドレーがこれまでとは違った形で作られているが、1幕とのリンクが上手くなされていて、これもまた楽しい仕掛けになっている。
 
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そんな、舞台の総合クリエーターである玉野の豊かな発想力が、今回の舞台では更に際立って感じられる。例えばこれまでのキャリアの中で、和物を多く演じてきた松田岳に、ちゃんと時代劇の場面を用意しただけでなく、そこに玉野本人お得意のおこちゃまキャラを無理なく組み入れる等、構成が冴えに冴えていてお見事の一言。若い人材を引き上げて行こう、立派なダンサーとしての、ショースターとしての土台を創ってやろう、という玉野の意欲が、舞台をこれだけ弾ませていることを思うと、頭が下がるような気持ちにもなった。

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新オーナー役の壮一帆は、宝塚退団後、ここまで自然体で女優になった人も珍しいと思えるほど、持ち味をすんなりと役柄に活かしている。男前で気風が良くて、でももちろんながら決して男役ではない。その塩梅が絶妙で、元男役としての特性を個性にくるみこみ、美しい女優として舞台に立つ姿が清々しい。ショーでは大人組での粋でカッコいいダンスも披露。得難い存在となった。

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チーフの原田優一は、近々の舞台で、ステージをただ歌いながら横切るだけで、ここまで笑わせることができるのは、日本中で原田1人ではないか、と感嘆した記憶が新しいが、今回もその巧まずして表れるなんとも言えない可笑しみと、やる時はやる!のショーマンぶりの切り替えに、惚れ惚れさせられる。玉野が創るなんでもあり、ないものはないというステージに、打ってつけの人材として是非今後も登場し続けて欲しいと願う。

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リーダーの中河内雅貴は、中河内が「大人組」になったんだ…という、深い感慨を覚えずにはいられない存在として、まさにGEMたちの目標的立場の人。どこか斜に構えていて、一匹狼を気取っていて、でも実はとても熱い真っ直ぐさが見て取れたこれまでの持ち味から、良い意味で力が抜けていて、余裕を感じるのに、しみじみとさせられる。ダンス力にも今の言葉で言えば「ヌケ感」が感じられるようになり、GEMたちの理想の未来像として、更に大きな存在になっていってくれることだろう。

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その中河内とGEMたちの中間地点にいるかな?と思わせたのが東山光明。ミュージカル経験も豊富な人だけに、彼の歌で場面が創られていることも多く、大真面目な熱唱でありつつ、実はあまりにも馬鹿馬鹿しい歌詞、という場面を、堂々と歌い切っていて、これは喝采もの。しっとりと歌うシーンもあり、もちろんダンスも芝居もあり、GEMたちの兄貴分として存在感を示していた。

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そして、若きGEMたちは、前述したようにそれぞれに個性を発揮し、かつ新たな挑戦に果敢に取り組み、SHOW HOUSE『GEM CLUB』の真の主役として輝いている。木戸邑弥は多彩な役柄を生き生きと演じつつ、どこにいても溌剌とした笑顔が印象的。長身の多和田秀弥はダイナミズムと共に、どこか朴訥とした二枚目ぶりも目を引く。持ち前のストリート系のダンス力はもちろん、様々なダンスに気を吐く本田礼生の身体能力の高さは絶品。前述の得意の和物だけでなく、ダンス力と共にジェントルマンの執事役も目立った松田岳が放つ、どこか天然のおおらかさは全体の清涼剤。とびっきり可愛いが、決して可愛いだけではない古田一紀の、本気が感じられる激しいダンスシーンへの取り組みにも心打たれる。Wキャストの女性キャストは三森すずこを見たが、愛らしさが少しもあざとさにならない舞台ぶりに感心させられた。個性の異なる新垣里沙の登場にも期待が高まる。

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総じて、玉野がいみじくも言った「必死で楽しく大変に」に、すべてが集約される舞台で、この経験の1回、1回がGEMたちを大きく飛躍させることだろう。彼らの成長を楽しみに、何度でも劇場に通いたい舞台となっている。

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〈公演情報〉
SHOW HOUSE『GEM CLUB  II 』
作・演出・振付◇玉野和紀
出演◇玉野和紀 / 中河内雅貴 東山光明 / 木戸邑弥 多和田秀弥 本田礼生 松田岳 古田一紀 / 三森すずこ・新垣里沙(Wキャスト)/ 原田優一 / 壮一帆
●3/24〜4/5◎日比谷シアタークリエ
〈料金〉9.500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9:30〜17:30)
4/14〜15◎大阪・サンケイホールブリーゼ
4/18◎名古屋・日本特殊陶業市民会
〈公式ホームページ〉http://www.tohostage.com/gem_club/


 

【取材・文・撮影/橘涼香】



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