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中村蝶紫、磯山さやか、高田聖子、飯尾和樹、妃海風、吉田ボイス
藤本隆宏、田中圭、松岡昌宏、 中村獅童、松岡茉優、八木亜希子、三谷幸喜

 
2016年の大ヒット大河ドラマ『真田丸』をはじめ、年年歳歳快進撃を続ける劇作家三谷幸喜が「新橋演舞場史上、もっとも笑えるコメディ」をスローガンに書き下ろした新作喜劇『江戸は燃えているか』〜TOUCH AND GO〜が新橋演舞場で上演中だ(26日まで)。
 
『江戸は燃えているか』〜TOUCH AND GO〜は、歴史に名高い江戸無血開城をテーマに、歴史をつくった偉人たちと、歴史に名を残さなかった庶民たちを通して、可笑しくも愛おしい江戸を戦火から守るための、奇想天外な大芝居が描かれていく、三谷幸喜ならではの斬新な視点を持った作品。江戸っ子気質で喧嘩っぱやいが、実は小心者の勝海舟に中村獅童。勝の身代わりとして西郷隆盛との和平交渉に臨むことになる、庭師の平次にTOKIOの松岡昌宏という、豪華W主演の二人を軸に、劇団☆新感線の高田聖子、フリーアナウンサーの八木亜希子、元宝塚星組トップ娘役の妃海風等々、様々な出自を持つ個性溢れる俳優陣が集結。その異種格闘技にも似た、化学反応の面白さも含めて、すべてが笑いに包まれる舞台となっている。

そんな作品の初日前会見と、公開フォトコールが3月2日新橋演舞場のステージで行われ、中村獅童、松岡昌宏、松岡茉優、高田聖子、八木亜希子、飯尾和樹、妃海風、中村蝶紫、吉田ボイス、藤本隆宏、田中圭、そして作・演出の三谷幸喜が登壇。公演への抱負を語った。(文中では松岡昌宏は松岡、松岡茉優は茉優と表記)

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【初日前会見・登壇者挨拶】

三谷 どうも三谷幸喜です。『江戸は燃えているか』いよいよ初日を迎えます。新橋演舞場のこっち側(舞台上)に立ったことはなかったのですが、(劇場内に吊るされている)提灯がとっても素晴らしいですね。演劇は「祭り」だということを実感できる素敵な場所でやらせて頂けて、とても光栄に思ってます。とにかく笑えるお芝居をと思って作りました。ぜひ皆さんに来て頂いて、大いに笑って頂きたいと思います。よろしくお願い致します。
獅童 中村獅童です。本日はお集まり頂きましてありがとうございます。いよいよ初日を迎えますこと嬉しく思います。皆様に大いに笑って頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。
松岡 松岡昌宏です。よろしくお願いします。皆様お忙しいところありがとうございます。初の新橋演舞場の舞台でとても楽しみにしています。出演者一丸となって頑張りますので、是非1人でも多くの方にご覧頂きたいです。
茉優 皆様お集まり頂きましてありがうございます。松岡茉優です。今回の錚々たるメンバーの中で私が最年少になるので、歴史ある新橋演舞場になかなか来たことがないという、若い世代の方にもたくさん来てもらえるよう頑張ります。よろしくお願いします。
高田 皆さんこんにちは。高田と申します。とても楽しいお芝居になっております。皆さんにたくさん笑って頂けるように、たくさん汗をかいていきたいと思います。よろしくお願い致します。
八木 皆さんこんにちは。八木亜希子です。歳はもしかしたら私が一番重ねているかも知れないのですけれども、経験は一番少ないので、毎日皆さんに教わりながらここまでやってきました。本番の舞台も皆さんに教わりながら乗り越えたいと思います。よろしくお願いします。
飯尾 皆さん「ぺっこり45°」(共演者から大きな笑い)飯尾と申します。普段のパイプ椅子50席のライブハウスからこのようなところに、すごい差があるんですけど(笑)、頑張ります!よろしくお願い致します。
磯山 こんにちは!磯山さやかです。今日はお越しくださりありがうございます。三谷さん、そしてこんなに素晴らしい方たちと新橋演舞場の舞台で演じられることは、本当に幸せなことで(自分のテンションの高さに)うるさいですか?(笑)本当に光栄でございます。観た皆さんが「楽しかった〜腹筋使った〜」と思えるお芝居をしていきたいと思います!よろしくお願いします。
妃海 皆さんこんにちは。妃海風と申します。宝塚を退団後初めてこのような大きな舞台に立たせて頂き、さぞドキドキするかと思いましたが、皆様のおかげで私は今、ドキドキ8割ですが、2割ワクワクもしております。皆様にハッピーになって頂けるよう頑張りますので、よろしくお願い致します。
蝶紫 皆様こんにちは。中村蝶紫でございます。歌舞伎の舞台からこのようなお芝居に出させて頂けて大変嬉しく思っております。舞台でたくさん走り回っております。皆様のお力をお借りして、26日まで走り続けたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
吉田 どうもこんにちは!吉田ボイスです。今日はお越しくださいましてありがとうございます。非常に良いチームなので、チームプレイで皆さんを笑わせたいと思います。よろしくお願い致します。
藤本 藤本隆宏です。よろしくお願い致します。僕こういうの観るのは大好きなんですけれども、演るのは大変です。でもとにかく皆さんの芝居が可笑しくて、それに負けないようにしたいと思います。よろしくお願いします。
田中 田中圭です。皆のお芝居を観るのがすごく好きで、未だに笑いなしでは見られないシーンもあるんですけど、どうにか今日のゲネで慣れて本番中は笑わないようにしたいと思います。よろしくお願いします。

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【質疑応答】

──三谷さん、新橋演舞場で初めての作品、演出となりますが、この劇場を意識したことは?
三谷 花道がある舞台でやるのが初めてなので、今までやったことがないような使い方をと考えましたが、ほとんどのことはやられていると聞き、オーソドックスな感じになりました(出演者から口々に「オーソドックスなんですか?!」という声があがる)。
──バラエティに富んだジャンルの方たちが集まった座組で、印象に残っていることは?
獅童 稽古場で皆と一緒に過ごす時間がとても長かったですが、やっていて楽しかったですね。集中していたのであっという間でした。稽古中に我が家で鍋パーティをして皆仲良くなりました。初日が開いたら松岡君の家でもやります。
松岡 鍋は野菜たっぷりだしね。
──松岡さんはどうですか?
松岡 色々なジャンルの方がいらっしゃるので、それぞれ存在感や台詞の間が皆違うんです。それが一緒になるからこそ面白いんだと思います。うちの姫、松岡茉優が天真爛漫で。その良さがゆめという役に出ていると思います。それをキャッチして頂けたら。
茉優 大変恐縮ではございますが…
松岡 嘘つけ(爆笑)
茉優 言いたいことか1つあって。松岡さんにではなく、三谷さんに。
三谷 はい、何?
茉優 ここに初舞台で立たせて頂くのだから、花道を歩きたかったんです。
三谷 あぁ。今じゃあ(花道を示す)
茉優 今は歩かないけど!歩きたかったです。
松岡 ムービーの人たちが待ってるんじゃない?(笑)
茉優 だから、今は歩かないです!(爆笑)
──三谷さんは稽古の中で印象に残ったことは?
三谷 皆さんおっしゃいましたけれども、色々なジャンルの方たちが集まっていて。松岡さんだけ1回ご一緒する機会があったのですが、後の方たちは初めてご一緒する方ばかりで、初めてお会いする方もいらっしゃるし、まだどんな人かよくわかってない人もいます。僕、心を開くの苦手なので(笑)。僕の頼みの綱は高田聖子さんだったんです。やはり同じ世代に小劇場でずっと一緒にやってきたので「この人がいれば、まとまっていく」と思っていたらですね、新感線の舞台とこの稽古が重なってしまって。4時間の舞台を終えた高田さんは屍のようになっていて。
高田 すみませんでした!(立ち上がって頭を下げる)
三谷 どこのおばあちゃんが来たのかと思ったくらいだったのですが(笑)。この舞台は野球でいうなら全員野球で。全員で突っ走ってここまできたので、誰ひとり欠けても成立しない芝居です。本当に皆で頑張ってここまでこぎつけたという感じがしています。
──皆さんが考えるここが見どころ!というところを、今教えて頂ける範囲で教えてください。
八木 本来は勝さんと松岡さんが似ているという設定なのですが、私がお二人が似ていると思ったところは脚が綺麗なところです。
三谷 見どころだから!(笑)
八木 二人のおみ足が見どころです。
茉優 飯尾和樹さんのキャラ全部です。飯尾さんの長ゼリフがあるんですが、稽古初日には何を言っているのか分からなくて、大丈夫かなと思っていたんですが(笑)。笑えないところはないので、是非飯尾さんにご注目頂きたいです。
獅童 全部じゃないでしょうか。喜劇というのはわからないんですね。実際にお客様がお入りになって、ここで?というところでお笑いになったりもするので、笑って頂くのはある種怖い部分もありますが、ここで笑わせてやろうというのではなくて、きちんと演技をして笑って頂きたいです。あと、セットがとても隅々までリアルにできているんですね。こちらの客席は2階、3階までありますから、見え方が全然違います。下に水がありまして、それは1階席からは見えないのですけれども、上の方はよくご覧になれるので、2度、3度と観て頂きたいです。
松岡 出てくる人ですね。料理の「バクダン」のような公演ですので、是非、一人ひとりの味を楽しんで頂けたら。
田中 盛り上がりの後、皆でわいわいいうところですね。
藤本 獅童さんと飯尾さん、獅童さんと磯山さんの場面は、自分も笑わないようにするのが大変です。
蝶紫 皆さんおっしゃっているところは、本当に面白いですね。
磯山 個々に皆さんに面白い場面があるんですけど、1回1回違って楽しみなのは、勝先生と磯山さんの掛け合いが毎回面白いので、何回もご覧になるとより面白いと思います。
飯尾 始まりから終わりまでノンストップの芝居ですね。
高田 (妃海)風ちゃんの七変化が見どころだと思います。
妃海 そんな! ありがとうございます。皆さんおっしゃっていますが、ジャンルの違う方たち同士の芝居が見どころです。
吉田 ノンストップの笑い合戦に、セットを使った笑いどころもありますので注目して欲しいです。
三谷 前半に獅童さんと飯尾さん、後半に獅童さんと磯山さんの盛り上がるシーンがあって、毎回稽古場で笑ってしまうんですけど、その二つとも僕の台本にないんですよ(笑)。僕が書いたセリフじゃない。それが本当に腹立たしい(爆笑)。けど、面白いんですよ。ああいう的確にツッコみつつ、ボロボロになっていく獅童さんのお芝居を観たのは初めてでした。本当に面白いので是非観てください。
──獅童さんと、松岡さんについて面白いエピソードが何かありましたか?
八木 足が綺麗!
高田 肌が綺麗!
田中 机が綺麗!
松岡 俺の机が綺麗なんじゃなくて茉優のが汚いの!
茉優 違う〜!(笑)でも、私たちが「ここどうしようかな?」と迷っている時に、お二人ともよく声を掛けてくださいます。舞台をたくさん知っていらっしゃるから気にかけてくれて、優しい兄貴が二人いる感じです。
三谷 どんな演出の注文をしても、絶対にそれはできないと言わないで瞬時にやってくれる。しかも、あとで冷静にきちんと考えて、論理的に構築してやってくれる。本当にやりやすいです。

賑やかな会見に続いて、フォトセッションのあと、フォトコールとして三谷の解説のもと、二つの場面が公開された。
 
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【フォトコール・公開シーン1】

三谷 最初に観て頂くのは松岡さんの平次が、獅童さんの勝海舟のフリをさせられるシーンです。見どころは飯尾さんの滑舌の悪さです(爆笑)。こんなに悪いとは思わなかった。次はなるべくセリフを少なくしようと思います(笑)。ではご覧ください。

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勝海舟(中村獅童)と娘のゆめ(松岡茉優)
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山岡鉄太郎(飯尾和樹)

西郷隆盛が勝海舟に会いたいとすぐそこまで来ている、と山岡鉄太郎(飯尾和樹)に告げられた勝海舟(中村獅童)は「聞いていない!」と激しく狼狽。やっかいごとは明日にしたいと逃げ腰になり、娘のゆめ(松岡茉優)に、ここは肚を決めるしかないと諭されたことで、かえって逆上し屋敷から馴染みの店へと逃げ出してしまう。

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勝海舟(中村獅童)
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村上俊五郎(田中圭)、ゆめ、女中頭かね(高田聖子) 

このままでは江戸は火の海に。それだけは避けなければと、ゆめは勝家の女中頭かね(高田聖子)と、叔母の夫・村上俊五郎(田中圭)に、勝の身代わりを立てて西郷との会談を終わらせてしまおうと持ち掛け、女中・いと(磯山さやか)に勝を家に帰さず、店に引き留めておくようにと使いにやる。何故そうまでして江戸を守りたいのか?とかねに問われて、ゆめがどうしても壊してはいけないものとして、江戸の町の名所旧跡を1つ1つあげていく台詞が美しい。
 
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女中・いと(磯山さやか)、ゆめ、かね
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ゆめ、女中いと

西郷と勝は会ったことがない。この大博打はひよっとしたら成功するかも?だが誰が勝の代わりに?と全員が思った時、ゆめが迷わず白羽の矢を立てたのはずっと木の上で事態を傍観していた庭師の平次(松岡昌宏)。「そんなこと無理に決まってる!」と始めはにべもない平次だったが、報酬が上がっていくにつれてコロリと「やってみよう!」と替え玉を引き受ける、松岡の大真面目なちゃっかりぶりに笑わされる中、偽物に和平交渉を託した大芝居がはじまった!

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【公開シーン2】

三谷 次にご覧頂くシーンは、最初は歌うつもりじゃなかったんですけど、音楽の栗コーダーカルテットさんからとてもいい曲がたくさんできてきて、歌える人がいっぱいいるということもわかりまして、急遽「江戸は世界一」というナンバーを作りました。メインボーカルは妃海さんで、このナンバーのステージングもお願いしています。皆本気で歌っているんですけど、若干1名どうしても歌がうまく歌えないということで、1人だけ口パクの人がいます。それから見どころは八木亜希子の演技です。皆さんの認識はアナウンサーだと思いますが、名女優八木亜希子の誕生をご覧頂きます(「ではどうぞ」といったん去りかけて)、まだ準備ができていなということなので(笑)。先ほど、1人口パクの人がいると言いましたのは飯尾さんです(笑)。こんなにお待たせしたわりにはすぐに終わってしまうのですが(笑)、ではどうぞ。

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勝、俊五郎、勝の妻たみ(八木亜希子)、かね

勝の妻たみ(八木亜希子)が現われ、勝と別れ庭師の平次と家を出ていくと告げる。たみは完全にトランス状態で、誰が何を言おうと意に介さず、慌てた勝はたみを追いかけて走り去る。

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勝、俊五郎、ゆめ、たみ、かね

そんな勝に嫌われたと思い込んだデク(藤木隆宏)が帰ると言い出すので、俊五郎とかねがゆめに色仕掛けでデクを留まらせろとけしかけていると、平次といとがやってくる。いとにたみとの仲を疑われた平次は「ええ、面倒くせぇ」といとを抱きしめて唇を奪う。「女を黙らせるにはこれが一番手っとり早い」と嘯く平次に、かねは女の純情は怖いと、いとの年齢を告げる。いとが自分より年上と知ってたじろぐ平次。
 
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取的デク(藤木隆宏)
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ゆめ、かね、俊五郎

そこに勝の妹・順(妃海風)が、ほぼ何の脈絡もなく音楽と共に登場。当時の江戸の人口は推定だが100万人で、それはロンドンやパリをはるかにしのぐ、世界一の都市だということなのだが、この時私たちはそれを知らない、と歌う。
 
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勝の妹・順(妃海風)
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順、夫の俊五郎、女中たえ(中村紫蝶)、かね

その場にいたゆめ、俊五郎、かね、平次はもちろん、家のふすまが開くとキャスト全員が登場。「江戸は世界一〜」と全員で歌い踊る大ナンバーに発展した。
 
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中村半次郎(吉田ボイス)、たみ、勝、女中たえ
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順、俊五郎、ゆめ、かね

公開フォトコールはこれで終了。三谷幸喜ならではのぶっ飛びワールドが、作品への期待を大いに高める時間となっていた。


〈公演情報〉
CNI24430

PARCO Production『江戸は燃えているか』〜TOUCH AND GO〜
作・演出◇三谷幸喜
出演◇中村獅童、松岡昌宏
松岡茉優、高田聖子、八木亜希子
飯尾和樹、磯山さやか、妃海風、中村蝶紫、吉田ボイス
藤本隆宏、田中圭 
●3/3〜26◎新橋演舞場
〈料金〉一等席13.000円、二等席8.500円、三等席A 4.500円、三等席B 3.000円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉パルコステージ 03-3477-5858((月〜土 11:00〜19:00/日・祝 11:00〜15:00)



【取材・文・撮影/橘涼香】 


帝劇『1789』


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