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後列/深沢敦、沢田亜矢子、河相我聞、伊藤正之
前列/桜乃彩音、藤木隆宏、 黒木瞳、筧利夫、渡辺大輔、田村芽実

幕末の動乱に揺れる京都・伏見を舞台に、維新の嵐が吹き荒れる激動の時代を生き抜いた寺田屋お登勢とその夫伊助を描いた物語、『京の螢火』が、11月3日〜26日まで、日本橋浜町の明治座で上演される。

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『京の螢火』は1971年に明治座にて上演された『京の螢火〜お登勢と竜馬〜』を元に、脚本家・演出家として活躍するわかぎゑふが、初演の舞台の良さは残しつつ、2017年に相応しい幕末ものとして新たに書き下ろした新作。黒木瞳演じる伏見の船宿「寺田屋」の女主人お登勢と、筧利夫演じるその夫伊助を中心とした夫婦の物語を軸に、藤本隆宏演じる坂本龍馬、のちにその妻となる、田村芽実演じる若き日のおりょう、渡辺大輔演じる幕末の志士ら、多彩な登場人物たちが織りなす、スピード感と華やかさを備えた人間味あふれるドラマが展開されていく。

そんな舞台の公開稽古と囲み会見が、10月都内稽古場で行われ、黒木、筧をはじめ、主要メンバーが勢ぞろい。白熱した稽古の様子が公開された。

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演じられたのは、劇中の二つの場面の抜粋。最初に一幕第三場から、寺田屋に嫁いできたお登勢が、沢田亜矢子演じる姑のお定、桜乃彩音演じる義妹のお椙に辛く当たられる日々の中で、絶対に開けてはならないと言い含められて預かった箱を、勝手に開けて中を見たという嫌疑をかけられるシーンが披露される。
河相我聞演じる五十吉が、この箱には仕掛けがしてあった、開けたのは明白だとお登勢に迫り、中の人形が証人だと攻め立て、お定もお椙も嵩にかかってお登勢を責めるが、伊藤正之演じる医者玄庵が、これとそっくりのゆすりたかりの話を聞いたことがあると話し、やがて五十吉はお椙の思い人だということがわかってくる。

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潔白を主張するお登勢の黒木に、凜とした中の可憐さがきちんとあり、お定の沢田、お椙の桜乃もこの場に必要な権高さを出していて、女性たちの対比が鮮やか。そんな中で、ひたすらあっちもこっちも汚いと掃除を続けている伊助の筧の、飄々とした演技が絶妙だ。

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場面転換の間に、演出のわかぎゑふが細かい指示を出し、続く場面は二幕第三場。
寺田屋の女将として立派に成長したお登勢が、渡辺大輔演じる薩摩藩士・中村藤次郎と談笑していると、新撰組のご用改めが踏み込んでくる。

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藤次郎を奥の間に隠したお登勢は、怪しい者など誰もいない、奥の間には夫がいるだけだと新撰組をあしらおうとするが、納得のいかない新撰組の面々は奥の間に踏み込む。と、そこにいたのは確かに夫の伊助。

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変わらぬ飄々とした態度の伊助に肩すかしを食った新撰組は、お登勢に憤懣をぶつけようとし、その理不尽な態度に憤った田村芽実演じるおりょうが飛び出してくるのを、またお登勢がかばい、ようやく事なきを得る。

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駆けつけた藤木隆宏演じる坂本龍馬、お登勢、伊助、おりょう、中村藤次郎、それぞれの思いが交錯して、立場を異にする登場人物たちが幕末の嵐の中でどう生きるか、この後の展開に期待が高まる中、公開稽古は終了。新撰組や、坂本龍馬といった幕末の著名人を登場させながら、市井の人々を中心として描かれる新たな物語の、全容が待たれる時間となった。
 
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続いて囲み取材が行われ、黒木瞳、筧利夫、藤木隆宏、渡辺大輔、桜乃彩音、田村芽実、深沢敦、伊藤正之、河相我聞、沢田亜矢子が登場。黒木、筧を中心に公演への抱負を語った。

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【囲み取材】

──報道陣の前で稽古を公開していかがでしたか?
黒木 初日が近いのだなと、緊張感が高まって参りました。
 良い本番の予行練習ができたなと。皆さんのおかげでございます。ありがとうございます。
黒木 ありがとうございます。

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──今回の舞台の見どころは?
 見どころですか?見どころは黒木さんです!黒木さんを観て頂ければそれでいいんです。今自分が喋ってますけれども、あまり喋らなくてもいい、出てなくてもいいくらいで(爆笑)黒木さんを観てちょうだい!(黒木を示してポーズを決めるので、全員爆笑)
黒木 こうおっしゃっていますが、本当に私を支えてくれている旦那様なので、頼もしく思っております。皆が織りなす物語なので、全員それぞれに見どころがあります。(沢田に)嫁イジメもありますし、(桜乃と我聞に)駆け落ちもしますし、(藤本に)坂本龍馬もおりますし、(田村に)おりょうもいますし、(渡辺に)「寺田屋騒動」であなたは大活躍をしますね。
渡辺
 はい!そうですね。
黒木 その寺田屋騒動のあと、日本の夜明けの前に、女たちが見動きの取れないもどかしさを男たちが支えてくれるという、見どころ満載でございます。

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──黒木さんと筧さんは夫婦役で、初顔合わせでしょうか?
 「初」ではないです。ドラマも映画も一緒にやっていますので。
黒木 舞台が初めてということです。
──黒木さんから見て夫役の筧さんは?
黒木 返答に困るくらい(笑)、まだお稽古の量が少ない状態で、夫婦の愛が深まるのはこれからなんですが…。
 でも私は色々とテクニックを持っておりますので、喜ばせ方はよく知っております(爆笑)。もちろんお客様にお見せできる上のことで、という意味ですが(笑)。
黒木 衣装のことなど「こういう風にしたらどうですか?」と、ものを作っていく上での親密な話もしております。
 私は本番の衣装は黒木さんに選んで頂いていますし、(黒木を示して)今日はこれは稽古用ですけれども、この人の本番の衣装はすごいですよ!はい、見どころは黒木さんです!(再びポーズ)。
黒木 見どころは皆です!(笑)
 はい、そうですね(笑)。

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──大変和気藹々とした雰囲気ですが、皆さんで食事に行かれたりなども?
 いや、まだそういう時間はね。
黒木 追い込みなので。今こうやって皆笑顔でおりますけれども、心の中は闘っていると思いますので。
──では、これから筧さんがお食事に誘ったりなどは?
 特に予定はないです(笑)、というか、本当にまだ今日よくやれたもんだ!というくらいなので(爆笑)。皆さん本番に強いです!びっくりしました。カメラの前でやると皆すごいから!
田村 本当に皆さんすごいです。
 ねぇ、本番もカメラが回っている方がいいんじゃないのかって(笑)。

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──黒木さんは昨年映画監督もなさいましたが、監督を経験してまた舞台に戻られて何か変化などは?
黒木 舞台はやはり私が育ったところですので、初心に戻りますね。宝塚時代を思い出します。(桜乃を示し)後輩もおりますので。新鮮な気持ちで板の上に立ちたいと思います。
──時代劇の舞台で、宝塚の先輩後輩で共演することについては?
黒木 頼もしいです。
桜乃 私は黒木さんの何気ない仕草ですとか、目線の使い方ひとつひとつに私自身がとりこになっていて、何かひとつでも今回勉強させて頂こうと思って、いつも前のめりで稽古を拝見しております。頑張ります。
 いいですね。ですから皆ね、見どころは黒木さんです!(ポーズ・笑)

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黒木
 見どころはラストにもありますね!
 あります、あります!
黒木 演出のわかぎ先生の了解を得て、カーテンコールを演出させて頂きましたので、カーテンコールも見どころのひとつなので、お楽しみになさってください。
──ネタバレにならない程度に、どんなカーテンコールなのかを教えてもらえませんか?
黒木 ここは筧さんでしょう!
 派手で和風でありながら、ちょっと洋風感のあるカーテンコールで「歌手・黒木瞳」でございますね、すべては。
黒木 ちょっと宝塚みたいなカーテンコールです。
 そうですね(周りを見て)皆、うなづいております。
黒木 羽根は背負わないですけどね(笑)。楽しんで頂ければと思います。

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──桜乃さんはご出産後の舞台復帰作ということですが
全員 (拍手)。
桜乃 でも黒木さんに伺ったら(出産後)1ヶ月半で復帰なさったとお聞きしまして、私は1ヶ月半の時はまだ(横になる仕草をして)こんな感じでしたし、体力もなかったのですが、今は子供も10ヶ月になりまして、頼もしく成長してくれているので、心置きなく稽古に集中させて頂いております。
──黒木さんに舞台のことだけでなく子育ての面での相談なども?
桜乃 今は舞台の稽古に集中していて、あまり私生活のお話をする時間もないですし、役作りを深めていきたいので、子育てのことよりも勉強したいところがいっぱいありますので、まずはそちらからと思っております。

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──では黒木さんから舞台を楽しみにされている方達にメッセージを。
黒木 11月3日初日の明治座公演『京の螢火』です。是非皆さん明治座にお越しください!よろしくお願いします!
全員 よろしくお願いします!


〈公演情報〉

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明治座11月公演『京の螢火』
原作◇織田作之助「螢」司馬遼太郎「竜馬がゆく」脚本 北條誠より
脚本・演出◇わかぎゑふ
出演◇黒木 瞳、筧 利夫、藤木隆宏、渡辺大輔、桜乃彩音、田村芽実/深沢 敦、伊藤正之、河相我聞、沢田亜矢子   ほか
●11/3〜26◎明治座
〈料金〉 S席(1階席・2階前方席)12,000円 A席(2階後方席・車椅子スペース)8,500円  B席(3階席)6,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉明治座チケットセンター 03-3666-6666(10時〜17時)



【取材・文・撮影/橘涼香】




誰か席に着いて
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