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宝塚歌劇団雪組新トップコンビ望海風斗と真彩希帆のお披露目公演、ミュージカル『ひかりふる路〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』レヴュー・スペクタキュラ—『SUPER VOYAGER!』─希望の海へ─が、11月10日〜12月15日まで宝塚大劇場、2018年1月2日〜2月11日まで、東京宝塚劇場で公演される。

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ミュージカル『ひかりふる路〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』は、フランス大革命の中心人物の1人であるマクシミリアン・ロベスピエールを主人公に、宝塚歌劇団がこれまで度々とりあげてきたフランス大革命の嵐を、革命家の側から描く生田大和の意欲作。作品の全楽曲を世界で活躍する作曲家フランク・ワイルドホーンが書き下ろすという大きな話題も加わり、非常に贅沢なオリジナル作品となっている。
またレヴュー・スペクタキュラ—『SUPER VOYAGER!』─希望の海へは野口幸作が「VOYAGER(航海者)」をテーマとして、新トップコンビが率いる新生雪組の航海を祝う、豪華絢爛なレヴュー作品となる。

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そんな、注目の公演の制作発表会見が9月都内で行われ、宝塚歌劇団の小川友次理事長、作・演出家生田大和、野口幸作、作曲家フランク・ワイルドホーン、雪組トップコンビ望海風斗、真彩希帆が登壇。作品への抱負を語った。

会見はまず、ュージカル『ひかりふる路〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』のパフォーマンスからスタート。この日の為に来日したフランク・ワイルドホーンのピアノの生演奏で、ロベスピエールに扮した望海風斗が「ひかりふる路」を歌い上げる。如何にもワイルドホーンらしい、壮大なメロディ—が望海の豊かな声量で響き渡り、会場は一瞬にして作品の世界に染められる。

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続いて登場したマリー=アンヌ役の真彩希帆が加わり、二人のデュエットで「今」が歌われる。台詞と歌詞からおそらくはクライマックス近くの楽曲ではないかと想像される楽曲は繊細かつドラマチックで、歴史の事実から、その人生の結末は周知のことであるロベスピエールが、マリー=アンヌという女性に出会ったことによって、別の何かを見たのではないか?が予見され、互いに歌唱力を武器とする新トップコンビの魅力があふれだすかのようだった。

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そして、作品の中の大変重要なシーンで使われる予定だという、まだ歌詞のついていな楽曲が、ワイルドホーンのピアノソロで披露される。短調の哀切に満ちたメロディーが、次第に熱を帯びダイナミズムに展開する楽曲は、曲だけで心震わせる美しさを持っていて、この楽曲がどんな場面で使われるのか、更にすべての楽曲をワイルドホーンが書き下ろした作品が、どんな完成度を見せるのかに大きな期待が高まった。

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そんなパフォーマンスの熱気さめやらぬ会場に、小川友次理事長、生田大和、野口幸作、フランク・ワイルドホーン、望海風斗、真彩希帆が揃い、それぞれの挨拶のあと、質疑応答へと引き継がれた。

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【登壇者挨拶】


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小川友次
 皆様大変お忙しいところを、新生雪組の記者発表にお越しくださいましてありがとうございます。ご紹介いただきました宝塚歌劇団の小川です。まず最初にフランク、我が友ありがとう!素晴らしい楽曲をプレゼントしてくれて本当に心よりお礼を申し上げます。また、忙しいところ昨日ニューヨークから来てくれて、色々と打合せをしてくれて、宝塚の理事長として心から感謝しております。本当にありがとう!  
いま聞いていただいた通り、イメージが湧く素晴らしい楽曲でした、これからが楽しみです。おかげさまで、宝塚歌劇団は103周年目を迎えておりますが、宝塚大劇場、東京宝塚劇場、すべての公演が大入りでございます。これも一重に皆様のおかげと心より御礼申し上げます。さて、この新生雪組ですが、宝塚大劇場では103周年の締めの公演でございます。 早霧せいなからバトンを受け取った望海、そして真彩がお披露目をするわけでございます。また、東京は来年の幕開け公演でございます。東京では104周年になるわけですけれども、実は東京では来年の2018年からちょうど100年前に、小林一三翁が昔の旧帝国劇場で、初めて東京で興行をされたということです。 そして、宝塚歌劇を東京でやるということに自信と持たれて、東京でも興業がしていけるという確信を持たれた年でもあります。そして、ご記憶にもあるかと思いますが、20年前には、阪急が、宝塚が東京でも年間公演をするためにTAKARAZUKA1000days劇場を立ち上げた記念の年でもあります。そういう東京公演の幕開けを担う公演となります。ちょっと望海にはプレッシャーをかけ過ぎて申し訳ないのですが(笑)、そういう公演でありますので、よろしくお願いします。
『ひかりふる路〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』では、 この宝塚を今後支えていくであろう生田君が臨みます。また、『SUPER VOYAGER!』は、これも若い、これからのショーを支える野口君がやってくれます。この二人が、お披露目の公演に全力で立ち向かってくれると思います。素晴らしい公演になると思いますが、皆様のお力添えをいただいて、雪組の船出を祝っていただければと思っております。最後になりましたが、もう1度フランクにお礼を言って、初日には是非来てもらいたいと思っています。どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。本日は本当にありがとうございます。 


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生田大和
 皆様本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございました。ご紹介いただきました宝塚歌劇団の演出家生田大和と申します。今回、この作品が雪組の新しいスタートを切る作品であり、そしてその船出となるよう、素晴らしい楽曲でフランク・ワイルドホーンさんに彩っていただくということで、私にとっては何かと縁の深い望海風斗のトップスター大劇場お披露目公演であり、11年ぶりにミュージカル『NEVER SAY GOODBYE』以来の、フランクさんに全楽曲を書いていただく作品であり、様々な意味で特別な公演になると思っています。
宝塚にとってもも馴染みのある題材であるフランス革命の時代を生きたロベスピエール、私なりのフランス革命、ロベスピエール像を舞台の上に形づくっていければいいなと思っております。そしてまた望海の相手役には、私も過去に1度花組の公演で仕事をしたことがありますが、非常にハートがあり、パワーもあり、茶目っ気もある真彩希帆さんを迎えております。まだこれからの若い娘役さんですし、まだまだ未知数なところもあると思いますが、本人も気がついていないような部分も引き出しつつ、二人でこれからの雪組を担っていってくれたらいいなと期待しております。そういった意味で、特別なこの公演を心して勤めて参りたいと思いますので、初日を迎え、また千秋楽を迎えるまで皆様にご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。本日はお集まりいただきましてありがとうございます。 

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フランク・ワイルドホーン
 (日本語で)こんにちは、フランクです。(英語で)今日本語を勉強中です。今日このようにここに来ることは自分にとって本当に特別な日です。私は本当に宝塚歌劇団の皆様との関係を大切に思っております。そして小川理事長との関係も本当に大切に思っております。アーティストとしていつも大切だなと思っていることがあるのですけれども、それは芸術家として自分の声を聞いていいただく場があるということだと思います。そして、その聞いていただく場というのはプロデューサーの方がいらしてこそ、その場を与えていただいたということだと思いますので、本当にお礼を申し上げたいと思います。 
時の流れというのは早いもので、今ここにいるというのが、若干面白いなと思うところもあるのですが、もし11年前の『NEVER SAY GOODBYE』の時点で、私の人生がこうして宝塚歌劇団さんと関わることによって、何か変わることがあるか?と誰かに訊かれたとしたら、そんなことはありえないだろうと答えていたと思います。本当に11年前の稽古初日に、小池修一郎先生であったり、通訳の方や生田先生であったり、本当に皆と始めたあの1日のことが忘れられません。そしてショービジネスよりもっともっと大切なところで、私の美しい妻でありますTAKAKO(和央ようか)さんとも出会ったということになります。なので確信を持って言えることは、どのアメリカ人よりも、西洋人よりも、自分ほど宝塚歌劇団さんとの素晴らしい関係を持たせていただいている人はいないんじゃないかなと思っております。
このように美しいアーティストの皆さんとご一緒させていただき、新しい作品のために曲をという風に小川さんからお話をいただいた時には、本当に光栄でしたしとてもワクワク致しましました。そして本当にだいもん(望海)さんと、真彩さんは素晴らしい音楽家でいらっしゃいますし、とてもソウルフルでいらっしゃいます。自分にとっては、それはとても大切なところなのでソウルフルなお二人をとても楽しみにしております。生田先生のリードで、これから沢山の冒険に臨めるのではないかと思います。 そして、本当に自分の心と自分の最善の楽曲を皆様に託せるようにお約束しますので、これからの100年も沢山の素晴らしい冒険にご一緒させていただけるように、楽しみしております。(日本語で)ありがとうございます。

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野口幸作
 皆様本日はお忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。宝塚歌劇団演出の野口幸作でございます。一ミュージカルファンとして、フランク・ワイルドホーン氏と同席できるということを光栄に思っております。ちょっと今ドキドキしておりますが、その感動的な生田先生の『ひかりふる路』が終わった後の 第二幕のレヴュー・スペクタキュラ—『SUPER VOYAGER!』─希望の海へ─は、待望の新トップスター望海風斗と真彩希帆、この“希望コンビ”の誕生と、新生雪組の船出を盛大に祝福する爽やかで絢爛豪華な作品でございます。
まずは、良く船出などと申しますが、プロローグで船出を表現してみようということで、豪華客船の出港をテーマにした豪華なプロローグに始まりまして、望海風斗の芸名を4つのシーンに分けまして、「望(HOPE)」「海(OCEAN)」「風(WIND)」、「斗(BIG DIPPER)」北斗七星の場面とシンプルな主に4つの場面に望海風斗の男役の美学であったり、今年90年を迎えます、宝塚レビューの美学を詰め込んだ、王道宝塚のエンターテインメント作品となっております。見どころとして、いつくかご紹介したいと思いますが、まずはなんと言っても望海風斗と真彩希帆、この希望コンビのデュエットのシーンですが、これは本当は二人だけで55分持たせてもいいのかと思いますけれども、さすがにしんどいと思うので(笑)、二場面に絞りまして、まったく違うシチュエーションをお客様にお楽しみいただけたらと思います。それから少し前に星野源さんの恋ダンスというものが流行りましたが、我々は宝塚で希望ダンスというのを 流行らせてみようかなと思いまして。どういうことかと申しますと、プロローグの総踊りの振り付けを客席降りをいたしまして、出演者とお客様が一緒に踊って雪組の船出を皆で祝福しようという企画でございます。ホームページやCSで事前に振り付けを放送いたしまして、そしてキャトルレーヴでグッズも販売いたしまして(笑)、購入していただいて、臨んでいただく、一汗かいていただくという企画でございます。振付は宝塚を代表する振付家の羽山紀代美先生にお願いをしております。他にも色々とございますが、あとは見てのお楽しみということで、小出しにしていきたいと思います(笑)。年末年始のお忙しい時期の公演でございますが、皆様どうか足をお運びいただきまして、この新生雪組の船出を皆さんで祝福し、そして宝塚レビューの90年、100年へ向けての船出になるよう祝っていただけたらと思います。ありがとうございました。 

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望海風斗
 皆様本日は制作発表会にお集まりくださいましてありがとうございます。雪組の望海風斗でございます。お芝居は、今までにない新たなロベスピエール像というものが生まれるのではないかと思っております。歴史的事実は変えられませんが、そこに至るまでの背景を資料を参考にしながら、生田先生の思いや、自分自身から生まれ出てくるものにしっかりと耳を傾けて、素敵な音楽に支えてもらいながら、素敵な作品になるように、大切につくっていきたいと思います。そして、今回はフランク・ワイルドホーンさんに全曲作曲してただけるということで、こんな夢のようなことがあっていいのかなと思ったんですけれども、本日生演奏で歌わせていただけて、本当に幸せな気持ちでここに立てていて、これが全曲って、どんなことになるのだろうと、今、自分自身とてもワクワクしております。 そして、生田先生にはこれまでも沢山お世話になっていて、先生の作り出す世界観や、一緒にお芝居を作り上げていく過程というのがとても好きなので、二人のお披露目公演で先生に 担当していただけるということがとても嬉しいですし、心強く感じております。 ショーの野口先生とは今回初めてご一緒させていただくのですけれども、事前に私のことをとてもリサーチしてくださっていて、そして今お話にもありましたが、この新生雪組の船出を、絶対にこのショーで盛り上げるんだという先生の熱い思いや、宝塚への愛というものをすごく感じて嬉しい気持ちでいます。先生からショーの内容のお話を伺った時に、これは皆が舞台に乗って、先生の思い描いた世界を表現したら、とてもすごいことになるんじゃないかなと予感しているので、これからしっかりと皆でお稽古して作り上げていきたいと思います。この“希望コンビ”、そして新生雪組をどうぞよろしくお願いいたします。

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真彩希帆 
皆様本日はお忙しい中制作発表にお運びいただきまして本当にありがとうございます。真彩希帆でございます。この制作発表会という場所に出させていただくのが初めてなので、今とても緊張しているのですが、 お芝居のパフォーマンスも、フランク・ワイルドホーンさんの曲に乗せて歌えて、少しホッとしております。生田先生とは、花組の時に1度ご一緒させていただいて、こうしてまたお仕事させていただくこと、とても嬉しく思っております。『ひかりふる路』の中で、私自身がどういう女性なのかということが、まだあまり分かっていない状態なのですが、お稽古していく中で、フランス革命の中で生きたひとりの女性として、ロベスピエールとの関係や、他の皆さんとの関係など、その時代を1つ1つ大切に噛み砕いて生きていけたらいいなと思います。どんな女性になるのかすごく楽しみで、とてもワクワクしています。
フランク・ワイルドホーンさんに全楽曲をご提供いただけるということで、昔から大ファンでありまして、今回曲を最初にいただいた時に、この「ひかりふる路」を私の大好きなフランク・ワイルドホーンさんの曲で、望海風斗さんが歌われるのかと、すごく幸せな気持ちになりました。そしてデュエットの曲もなんて素晴らしい曲なのだろうという、メロディーを聴くだけで涙が出てくるような、素晴らしい曲をいただきました。望海さんもおっしゃっていましたが、全曲となると、どういう風になるのかと今からとても楽しみにしております。精一杯お稽古してお客様にお届けできるよう頑張りたいと思います。そしてショーの方では野口先生とはご縁があるのか、花組の時に野口先生のバウホールデビュー作品 『フォーエバー・ガーシュイン』─五線譜に描く夢─、星組では先生の大劇場デビュー作品『THE ENTERTAINER!』をご一緒させていただいていて、そして今回またご一緒させていただけることをとても嬉しく思っております。望海風斗さんの4つの文字をメインとした場面、自分がどのような色で支えていけるのかわからないのですが、とても楽しみにショーのお稽古も重ねて、お隣にいらっしゃる望海さんに精一杯ついて、しっかりと色々なものを吸収して、楽しんで前進して出航できたらいいなと思っております。精一杯頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。

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【質疑応答】

──生田先生、野口先生、新トップコンビの魅力をどうとらえていらっしゃいますか?
生田 私が考えます望海さんの魅力は、役の概念的な部分だけではなく、もちろんそれも大事なのですが、それだけではなくて内面ですね、非常にその人物の感情、エモーショナルな部分、内側を掘り返すような、内側から外に向かって表すことができるのが最大の武器だと思っております。もちろん歌唱力という形で表現される、アイテムとしては歌唱力なのですが、その本質的な部分としての、役の感情、情念を表せるというところが最大の武器だなと。その瞬間に劇場を、例えば美しいとかいうことだけでは計り知れない興奮にひきずりこむことができると思います。その彼女に何故ロベスピエールか?と言いますと、やはりトップスターになってめぐってくる役というのは、二番手、三番手の時代よりも固定される傾向があると思います。どうしても善人であるとか、良い人、強い人。ですが、望海さんの魅力が発揮されるのは、必ずしも白い役だけではないなと、『ドン・ジュアン』で感じました。また私の作品『ラスト・タイクーン』ではなんと言いますか、非常にバイオレンスなブロンソンという男性を演じてもらいましたが、もしかしたらお客様に嫌われる役柄かも知れないと思ったのですが、意外にも非常に好評をいただきました。なのでそういう部分の魅力を引き出すことができたらと思っております。
真彩さんは、『1789』のロケットの中で全員が同じ振りをしているのに、何故だか見ずにはいられない人でした。フレッシュに輝くことができる人で。その中で試みに『ラスト・タイクーン』の新人公演で、仙名彩世さんの役をやってもらったところ、たった1曲の持ち歌で役の人生を一小節ごと、一音ごとに表現できる人だということを鮮明に覚えております。そういう内側を表現できるというのが最大の魅力で、そういう意味でとても似ている、でも異質な魅力も持っている二人が、舞台上でどんな色を放つかを楽しみに仕事をしていきたいと思います。

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野口
 では、続いて私が二人の魅力を語らせて頂きますが、私は家に帰ってもTAKARAZUKAスカイステージを見てしまう、誰よりも宝塚ファンの演出家だと自負しているのですが、望海の作品を担当させて頂くにあたり、望海の過去の出演作品の映像、また特集番組など見まして、これに衝撃を受けました。彼女は歴代の宝塚の男役さんをとても研究していて、出てくる名前が汀夏子さんであったり、高汐巴さんであったり、剣幸さんであったり、更に天海祐希さんも大好きということで、私と同じ時代に宝塚を観ていたのではないか?失礼かも知れないですが、同じ匂いを感じました(笑)。その中で、彼女は宝塚の男役芸を研究しつくして、ただ好きなだけではなく自分のものにしているんです。だからこそ今この立場に上り詰めることができたのだと思います。ですから今回の作品はそうした彼女の研究の成果をすべて注ぎ込み、これぞ宝塚!という直球ストレートな「ザ・宝塚」というものを、お見せしたいと思っております。もう1点歌がうまいということがありますが、上手いということは丁寧にやることなんだということを彼女を見ていて感じます。ここまできっちり歌を歌う人は今の宝塚随一だと思いますので、その魅力を活かしていきたいと思います。
真彩の魅力は、先ほど彼女も言ってくれましたが、私の作品にすべて違う組、花組、星組、今度は雪組で出てくれるということで、研6にして5組すべてに出演している彼女は、大舞台に強く、度胸が据わっていると思います。一番びっくりしたのは私の『THE ENTERTAINER!』という作品で彼女に、ロケットをやった直後に彼女1人だけが残ってそのまま歌うというサディスティックなことを(笑)をしてもらいました。その稽古場で「これが上手くいったらロケットの後で歌うのが恒例になるから頑張れ」と言いましたところ、彼女は本当に汗ひとつかかず涼しい風でやってくれまして、彼女はどんなに大変なことでも笑顔でやってくれるという信頼感がございます。なので彼女にはチャレンジ精神があると思いますので、ちょっと難しいこともやってもらおうと思っています。

──ロベスピエールというのは、最期に処刑されるという事実がわかっている人物ですが、敢えてお披露目公演にロベスピエールを取り上げた意図というのは?
生田 宝塚ではこれまで度々フランス革命を取り上げてきましたけれども、『ベルサイユのばら』『1789』など、いずれもクライマックスは1789年7月14日なんですね。バスティーユ襲撃がメインになっていて、その後のことは『ベルサイユのばら』でも王妃マリー・アントワネットの運命がどうなるか?というところくらいでした。また『スカーレット・ピンパーネル』では、すでにロベスピエールが恐怖政治の頂点に達し、独裁を敷いているという状況。そういう訳で、理想に燃えている青年として描かれる『1789』のロベスピエール、恐怖政治の独裁者として描かれる『スカーレット・ピンパーネル』のロベスピエール、その間のこと、あの理想に燃えていた青年がなぜ独裁者となったのか、その過程が描かれたことがないということに気づき、それが望海さんがこれまで培ってきた魅力と、宝塚のトップスターとして相応しい魅力との両方を、同時に表現できる役はないか?ということを模索した結果たどり着いたところでした。理想に燃えた青年がたどる路、一番最後に彼を待ち受ける運命は歴史が回答しておりますが、その瞬間に彼が見たものはなんだっのか、本当に望んでいたものはなんだったのか、理想はなんだったのか、なぜ理想の結果が彼が望んでいなかったものになったのか、を描くことによって、この作品が望海の新たな個性を見出すものになればと思っております。

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──全曲フランク・ワイルドホーン氏の書き下ろしという、お披露目公演に相応しい大変大きなサプライズが披露されて興奮が広がっていますが、歌唱力を武器とするトップコンビ誕生に合わせて企画が進んでいたのですか?
小川 望海を劇団の中でトップスターにと決めた時に、彼女の歌、ただ綺麗というだけではなく人生と言いますか、とても色濃いものを吐き出す歌、魂から出てくる歌をイメージしました。そこから相手役に真彩を持ってきました。更に雪組の前のトップの早霧が築いてきたものを更に進化させなければいけない。更に大きな組に、と言いますと望海にはプレッシャーでしょうが、それを目指す時に我々は生田君と話し合い、劇団の中でも相談をして『スカーレット・ピンパーネル』の時に、これまでずっとフランクにお世話になってきて、彼のハート、魂も伝わっておりましたので、今回のお披露目作品に力を貸してもらえないか?と打診しましたところ、OK!と言ってくれて、すぐさま彼と生田君とで楽曲の相談に入りました。その劇団の想いを受けて、望海も頑張ってくれまして、今日初めてお披露目をしたのですが、私自身も一ワイルドホーンファンとして初日が本当に楽しみです。ワイルドホーンの音楽は、大胆でかつ細心で魂を揺さぶる曲なので、まだまだこれからが楽しみなところです。
──フランクさん、今日の楽曲披露で望海さん、真彩さんの歌唱を聞き期待することは?
実はお二人にお会いしたのは、昨夜が初めてだったのですが、私自身ラッキーなことに世界各国の素晴らしいアーティストの方々と仕事をさせていただいていますが、実際にお会いしたことがないまま曲を書くというケースしたくさんあるんですね。なので初めて合わせる時というのは何が起きるかわからないですし、更に自分の書く音楽は必ずしも歌いやすいものばかりではなくて、様々なことをアーティストさんに要求しています。それは技術的な面だけではなく、ある意味自分をさらけ出していただくこと、そして素直であることを要求します。そこで昨夜自分が耳を澄まして聞き、結果しっかりと聞こえて来たことは何かと申しますと、たたただその場に立っていただいて実直に素直に歌っていただくこと、本当にシンプルな真実というものをお二人から感じることができました。それは知能や知性からくるものではなくて、すべて心からくるものです。そしていつも言っていることですが、音楽というのは国境がないものです。ですからその音楽を私が書いた時と同じ感情や、同じ情熱を持ってパフォーマンスしていただくと、皆さんに伝わると感じています。なので私から申し上げたいのは、お二人は本当に素晴らしい歌い手であるということです。そして是非お二人にも聞いていただきたいのは、是非挑戦を、チャレンジをしていただきたい。自分が楽に感じるもの、安全に感じるものにとどまるのではなくて、是非大胆に挑戦していただいて、今まで自分が行ったことがないようなところまで行っていただきたいと思います。お二人は今の状態でも素晴らしいのですが、これから皆様がまだ見たことがないものをお目にかけられると思います。

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──全国ツアー公演を終えて、コンビとして改めて感じたお互いの印象と、今後どんなトップコンビになっていきたいか?を教えてください。
望海 一緒にお芝居を作っていったのは、今回の全国ツアーが初めてだったのですが、もともと見ていてすごくガッツで前のめりで、何があっても私が受け留めます!という感じでやってくるのかな?と思いましたら、意外と繊細で(笑)。色々心の中で感じていることを、お芝居を通じて感じることができて、一緒に公演を全国の会場でしていくうちに、心の中にあるものをもっともっと見てみたいな、という感情がわいてきたのが、自分が演じていたクロードに通じていて、すごく毎日新鮮で楽しかったです。これからも様々な役で心のうちを知っていくことがこれからあるのではないかな?という風に感じています。どんなトップコンビになっていきたいかは、あまり掲げてしまうとそれ以上のものにならないと思うので、二人で力を合わせてやっていったことが、一番良い形につながっていくのではないかと思います。すごく力のある娘役なので、その辺も頼りにさせてもらっています。
真彩 プレお披露目の『琥珀色の雨にぬれて』のシャロンという役を演じさせていただき、今この時のこの役に出会えて本当に良かったなと思いましたし、望海さんもおっしゃったように、お芝居を通して心の会話をする、心の奥を知るという経験ができてとても濃い日々だったなと思っております。下級生の頃から尊敬してきた素晴らしい上級生の方なのですが、相手役さんという立場で、どうしたらこの素晴らしさを吸収できるのか?を常に考えておりまして、望海さんからたくさんのパワーをいただいて、ますます尊敬しております。理想のトップコンビ像は、望海さんが言われたように、その時その時に感じたものを嘘偽りなくしっかりと表現して、ただついていくだけではなく、舞台に立つ1人の人間として望海さんとたくさんお話をして、同じ曲、同じ舞台を共有していくうちに、たくさんのことを知ることができたら嬉しいと思いますので、望海さんを信じて精一杯務めていきたいと思います。 

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〈公演情報〉
宝塚歌劇雪組公演
ミュージカル『ひかりふる路〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜』
脚本・演出◇生田大和
作曲◇フランク・ワイルドホーン
レヴュー・スペクタキュラ—『SUPER VOYAGER!』─希望の海へ─
作・演出◇野口幸作
出演◇望海風斗、真彩希帆 他雪組
●11/10〜12/15◎宝塚大劇場
〈料金〉SS席12.000円 S席8.300円 A席5.500円 B席3.500円
●2018/1/2〜2/11◎東京宝塚劇場
〈料金〉SS席12.000円 S席8.800円 A席5.500円 B席3.500円
〈お問い合わせ〉0570-005100 宝塚歌劇インフォメーションセンター
〈公式ホームページ〉 http://kageki.hankyu.co.jp/



【取材・文/橘涼香  撮影/岩村美佳】