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元宝塚歌劇団トップスターで、今年、芸能活動30周年を迎えたえまおゆうが、その記念コンサートThe 30th Anniversary Stage 「This is My Love」を、9月29日〜10月1日に開催する。

宝塚在団中は容姿端麗な男役であり、朗々とした歌声と芝居心で観客を酔わせていたえまおゆう。退団後もその演技力と歌唱力を生かして、ミュージカルやライブ活動を続けている。その30年間を振り返る、現時点での集大成的なステージになるという。
 
舞台は二部構成で、第一幕は芝居仕立ての「From Mum」(作:斎藤栄作、演出:川麻世)、第二幕はショーで「えまおゆうトーク&ライヴ」。宝塚OGの久路あかり、美翔かずき、ミュージカルの世界で活躍する小野田龍之介らが共演。さらにショーのゲストとして、同期で宙組トップスターだった姿月あさと、1期下で星組娘役トップを務めた白城あやか、ロックミュージシャンで音楽プロデューサーで俳優でもあるROLLYと、アコーディオン奏者の桑山哲也が、日替わりで出演するという豪華さだ。
このコンサートを前に、えまおゆうの想いと近況を語ってもらった。

えまおゆう_メインビジュアル
コンサートビジュアル

宝塚に入ってからの人生をドラマ仕立てで

──芸能生活30周年、おめでとうございます。
ありがとうございます。本当は、結婚退団が理想の辞め方という時代に育ったので、退団したらすぐ結婚するつもりでいたのですが、結局いまだに独身で(笑)、この仕事を続けています。
──その30年間を、このコンサートで皆さんに観ていただくわけですね。
そうですね。それに、私はこの9月17日で50歳になるんです。もう人生半世紀なので、それも含めて、色々な意味での記念にしたいなと。
──50歳ですか! 公演はその直後ですね。
はい。50歳を皆さんにも一緒に祝っていただこうと思ったので(笑)。
──コンサートの構成ですが、一幕と二幕になるのですね。
第一幕がドラマ仕立てで、第二幕はショーです。ドラマは斎藤栄作さんに書いて頂きました。
──斎藤栄作さんは、『familia 〜4月25日誕生の日〜』『Honganji』などの脚本を手がけていて、演出家としても知られています。
斎藤さんは宝塚の舞台スタッフをしていたこともあって、主宰する劇団POOL-5もよく観に行っていました。私の退団公演も進行スタッフで入っていたんです。そういう縁もあって、今回「書いてくれる?」と言ったら、引き受けてくれて。
──どんな物語になりますか?
私の宝塚に入ってからの人生を、あり得ない架空の設定の中にポンポンと入れていく形です。例えば母に私が言われた言葉とか、歌劇団にいるときの出来事などを題材に、エピソード的に綴っていって、それを6人の共演者とともに演じます。皆さんには何役もやっていただくことになると思いますが、私は私の役だけやります(笑)。
──演出は川麻世さんが担当されるそうですね。
そうなんです。麻世くんとは昔からの知り合いで、たまたま去年、声をかけていただいて『スパイス』という舞台に出たのですが、そのとき麻世くんと色々話していくうちに、この人、演出家の才能があるなと思ったんです。私の台詞なども「こうしたらいいんじゃないの」とか演出家の人と相談しながら、とてもわかりやすくアドバイスしてくれて。ですからぜひその才能を発揮してもらおうと思ってお願いしました。最初、オファーしたとき、「僕、出ないの?」と聞くから、「演出も演者もやって中途半端になってしまうと困るし、麻世くんには才能があるんだから、きちんと演出家デビューしてもらわないと。これを機会に演出家としてどんどん出ていってほしいから」と。でもそのあと、「ぶんちゃん(えまお)が出してくれないんだよ」と、色々なところで言ってるらしいです(笑)。
──楽しい方ですね。そして第二幕のショーではどんな歌を?
色々な曲を考えていますが、やはり宝塚の時の曲は欠かせないと思っています。とくに私にとって思い入れのある曲は、お客様も聴きたいのではないかと。
──たとえば『エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』で歌った曲なども聴けるのでしょうか?
はい。たぶん歌うと思います。ゲストに同期の姿月あさとや、一期下の白城あやかがきてくれるので、そこでお聴かせできるかなと。
──それは豪華ですね。ショーの演出については?
全体の構成は、私、えまおゆうになります。そしてステージングを元月組の檀ひとみさんにお願いしています。檀さんはオールマイティーな方で、脚本や演出も手がけていらっしゃるので、色々な面で頼りにしています。

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ルドルフを演じると一気に
ワープする

──宝塚歌劇100周年のイベント以来、宝塚OGの方々との共演も増えていますね。
やはり宝塚出身というだけで、先輩後輩、学年に関係なく仲良くなれるというのが、宝塚だけのすごさだし、素晴らしさだと思います。改めて、本当に良いところだなと。在団中は、厳しいなキツイなと思うこともありましたが、今になってみると、言ってもらってよかったなということばかりです。
──だからこそ一致団結した舞台が作れたのでしょうね。『エリザベート・ガラコンサート』は、まさにその力に圧倒されました。
とくに星組バージョンに参加した私としては、星組の団結力を自慢したいです(笑)。ルドルフは下級生時代に演じた役でしたが、私はルドルフで嬉しかったですし、みんなでマリコさん(麻路さき)を盛り上げていこうという、星組ならではのパワーの凄さをひしひしと感じました。
──ルドルフは当たり役でしたね。トートとの銀橋のシーンは、やはり特別な思いがありましたか?
いつも当時に一気にワープしちゃうんです(笑)。実は去年、ちょっと自分の宝塚史みたいなライブを、初めて自分でプロデュースして、JZ Bratという所でやらせて頂いたのですが、あの曲になると自然に魂がそこにワープしてました。
──もともと成りきり型というか、芝居心では定評がありましたね。
ちょっと憑依体質みたいです(笑)。『殉情』の公演中は佐助になっていましたし、沖田総司(『峠の群像』)とか坂本竜馬(『猛き黄金の国』)とか、毎回その役そのものに変化している自分を感じながらやっていました。
──男気のある爽やかな二枚目がよく似合いました。
性格が男みたいなんですよ。男の人といるほうが楽だし、男友達が多いんです。みんな男同士みたいな関係で、色気がないんです(笑)。
──色々な意味で男役に向いていたのですね。
そう思います。このコンサートのために、周りの人に昔の思い出話など聞いたりしているのですが、先日、たまたま姉が亡くなった母からの手紙を見つけたそうなんです。姉は若い頃アメリカに留学していたのですが、その姉に母が送った手紙で、内容は、矢代の伯父(劇作家:矢代静一)に呼び出されて、私のことをあの子は宝塚に入れるべきだと言われたから、毎日、一生懸命牛乳を飲ませてますと書いてあったそうです。
──お母様の想いが伝わります。これまでの絆や出会いなどを振り返る良い機会にもなりますね。
在団中も退団してからも色々なことがありましたけど、周りの方たちのおかげでここまで来れたなと思います。今回の企画に協力して下さる方たちもそうですが、本当に有り難いなと思っています。

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103年続いている宝塚を背負っている責任感

──女優としてももう15年になりますね。今年の春のタクフェス公演『わらいのまち』では、かなり強烈な女性の役をパワフルに演じていて、その役者根性に感動しました。
あの公演では、作・演出の宅間(孝行)さんに稽古場で何度も泣かされました(笑)。宅間さんの中では、宝塚から思い切り外れてほしいという意図があったと思うのですが、人前でオナラとか下品なことを平気でする女性の役で、ダメ出しが「鼻クソの投げ方が違う」と。「そんなもの投げたことないですから」と言い返しました(笑)。
──泣かされながらも最後までやり切ったわけですね。
もし私が普通の女優だったら降りていたかもしれないんですけど、「宝塚のトップって、そんなに芝居ができないの?」と言われて、そこで吹っ切れましたね。「そうか、私が降りたら宝塚の他のトップスターが、みんなそうだと思われるんだ」と。「私は103年続いている宝塚を背負っているんだ」と。宝塚では1人が失敗したらみんなでその責任を取るんだと教えられてきましたから。
──投げ出すわけにはいかなかったんですね。
それは本当に思いました。でもあの経験で、もう何が来ても耐えられるだろうなという、わけのわからない自信はつきました(笑)。やっぱり、ああいう時の気持ちって、なかなか味わえるものではないので、これから何かのときに役に立つかもしれないと(笑)。人間としての引き出しは増えたかなというのはありますね。
──50歳を迎えて女優としてさらに前に進むためにも、無駄にはならないですね。
高畑淳子さんとか戸田恵子さんとか60歳代の方々が、すごく活躍してらっしゃいますよね。ああいう良いお芝居の出来る女優さんに少しでも近づけたらと。でもストレート・プレイばかり出ていると、たまにはミュージカルに出たいと思うんですよね。
──えまおさんは歌唱力でも定評がありますから。
下級生の時はダンスが大好きで、ダンスばかりやっていたのですが、母から言われたんです。「年をとったら今みたいにハードな事はできなくなるから、歌をちゃんと勉強しなさい」と。言うことをきいて勉強してきて良かったなと思います。とくに去年は歌の仕事が多かったのですが、色々な方に「歌がうまくなったね」と言って頂いて。それはきっと人前で歌っているからで、それが何よりの勉強になるのだろうなと思いました。やっぱり舞台って、毎回すごく緊張するんですけど、お客様からの良いエネルギーをもらえるんですよね。だからこれからも、どんどんお客様の前に出て、エネルギーを頂こうと思っています。
──最後に皆さんへこのコンサートのPRをぜひ。
今年30周年ということで、やはり宝塚なくしては私の30周年はないので、宝塚に対しての感謝を織り込みつつ、こういうことも経て今があるという話を盛り込んだ、涙あり笑いありの面白いお芝居になると思います。川麻世さんに演出して頂くのも、彼は感性が豊かなだけでなく、いつも心がピースなんです。ですからこのお芝居も温かいものを持って帰って頂けると思います。ショーに関してはROLLYさんや桑山哲也さんというミュージシャンの方々、宝塚OGの姿月あさとや白城あやかがゲストで出てくれるので、トークを交えた楽しいステージになればいいなと思っています。タイトルが「This is My Love」、私の愛という意味なんですが、実は川麻世さんも芸能生活40周年記念で、5月に「This is My love…僕の愛」というCDを出したばかりだそうです。あまりの偶然に2人ともびっくりしたのですが。でも、愛が希薄になっている時代だからこそ、愛が必要ですし、私の愛を皆さまにいっぱい手渡しできるコンサートにしたいです。

【プロフィール】
えまおゆう○東京都出身。1987年宝塚歌劇団入団。『宝塚をどり讃歌/サマルカンドの赤いばら』で初舞台。星組に配属され、歌、ダンス、芝居と三拍子揃った華やかな男役として活躍。2002年雪組トップスターに就任。同年9月『追憶のバルセロナ/ON THE 5th』で宝塚歌劇団を退団。以後は女優として数多くの舞台に出演し、歌手としてもコンサート、ディナーショーなど様々なステージで活躍している。


〈公演情報〉
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えまおゆう30周年記念コンサート  
The 30th Anniversary Stage 『This is My Love』
総合演出◇えまおゆう 
脚本◇斎藤栄作
芝居演出◇川麻世
出演◇えまおゆう/久路あかり 美翔かずき/矢部貴将 縄田晋 照沼大樹/小野田龍之介
日替わりゲスト◇姿月あさと、白城あやか、ROLLY、桑山哲也
9/29〜10/1◎竹芝 NEW PIER HALL
〈料金〉8,900円(全席指定・税込)
〈一般前売〉9月3日
〈お問い合わせ〉イベントインフォメーション:0570-550-890 (平日13:00〜17:00)




【取材・文/榊原和子 撮影/岩田えり】




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