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知念里奈、生田絵梨香、福井晶一、吉原光夫、森公美子、昆夏美

1987年の本邦初演以来、30年の長きに渡り愛され続けているミュージカル『レ・ミゼラブル』、日本初演30周年記念公演が、5月25日有楽町の帝国劇場で開幕した(7月17日まで。のち、8月1日〜26日福岡・博多座、9月2日〜15日大阪・フェスティバルホール、9月25日〜10月16日名古屋・中日劇場でも上演)。

原作は、フランス文学の巨匠ヴィクトル・ユゴーが自身の体験を基に、19世紀初頭のフランスの動乱期を、当時の社会情勢や民衆の生活を克明に描いた大河小説。その原作の持つ、「無知と貧困」「愛と信念」「革命と正義」「誇りと尊厳」といったエッセンスを、余すことなくミュージカルに注ぎ込んだ作品は、1985年のロンドン初演を皮切りに、世界中に大旋風を巻き起こすミュージカルの歴史に燦然と輝く傑作となった。日本では1987年、当時非常に珍しかった全キャストオーディションによる上演が話題を呼び、全編が歌で綴られるオペラティックミュージカルの音楽の力と、スピーディな展開、人間愛を高らかに謳った深いテーマが大きな感動を呼び、以来30年間、再演が繰り返される作品となった。

今回、その傑作ミュージカルの30周年に向けて、新たな顔ぶれも含めた強力なキャスト陣のもと稽古が重ねられ、約2ヶ月に及ぶ帝国劇場公演のチケットは全席完売。6月11日〜17日には、「日本初演30周年スペシャルウィーク」として、終演後に特別カーテンコールが用意された記念ウィークも合わせて、帝国劇場は高まる熱気に溢れている。

そんな特別な公演の初日を直前に控えた5月25日、劇場ロビーで囲み取材が行われ、ジャン・バルジャン役の福井晶一、ジャベール役の吉原光夫、ファンテーヌ役の知念里奈、エポニーヌ役の昆夏美、コゼット役の生田絵梨香、マダム・テナルディエ役の森公美子が、公演への抱負を語った。

【囲みインタビュー】

──まず、初日を前、一言ずつご挨拶をお願い致します。
 
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知念
『レ・ミゼラブル』日本初演30周年記念公演です。本当にずっと続いて長く愛されているこの作品ですが、『レ・ミゼ』ファンの皆様と、歴代作品をつないできてくれたキャストの皆様へのお祝いと、喜びの気持ちでいっぱいです。特別な思いでしっかり演じて行きたいと思います。是非いらしてください。

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生田
 30周年という歴史あるこの作品に参加させて頂けることを本当に幸せに思っています。先輩方が築き上げてくださったものをしっかり受け継ぎながらも、新しい空気感を出していけたらなと思っております。よろしくお願いします。

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福井
 いよいよ今日『レ・ミゼラブル』の初日の幕が開きますけれども、今年は日本初演30周年ということで、日本の皆様にこれだけ愛され続けてきた作品ということをとても嬉しく思っています。この30周年に先輩方が築き上げてきたもの、つないできたバトンをしっかりと守っていきたいと思っております。劇場でお待ちしております。

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吉原
 30年この作品が続いてきたということで、改めて感動しますし、感慨深いなと思います。30年たくさんのキャストやお客様、色々な人が携わってきて創り上げてきたものに、負けないように、でも意識しないように、冷静に淡々とやりたいと思います。よろしくお願いします。

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 30年ということでございまして、同じことを、同じ音楽なんですが、このテーマが「愛」ということで、ますますその愛を育んでいけるように、30周年に向かって素晴らしい作品になっておりますので、10月の半ばくらいまで地方公演もございますので、皆様是非30年目の『レ・ミゼ』に触れて頂きたいと思っております。

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 この作品は日本だけではなくて世界中で愛され続けている作品ですけれども、上演される度に新しい演出だったり、新しい表現方法だったり、常に進化をし続ける作品だと思っております。30周年という先輩方が築き上げてきた歴史と、2017年の『レ・ミゼラブル』両方の面で楽しんで頂けたらいいなと思います。よろしくお願いします。
 
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──福井さんから見て今回のカンパニーのチームワークはいかがですか?
福井 初演でコゼットを演じていた鈴木ほのかさんが(マダム・テナルディエ役で)参加されたり、また橋本じゅんさんなど、僕たちよりも先輩の方が新しい風を入れてくださいまして、また刺激的な稽古になっていると思いますので、(生田を示して)コゼットにも新しく入ってくれていますし、またパワーアップした新しい『レ・ミゼラブル』をお見せすることができると思います。
──チケットも完売しているようですが。
福井 そうですね。ありがたいことです。
──新しく生田さんが参加されましたが、どうですか?初めての『レ・ミゼラブル』のカンパニーは?
生田 最初はプレッシャーや緊張感もあったんですけれども、本当にこの作品は皆で作っているという感じが稽古の段階からすごくて、私もコゼットだけではなくて、アンサンブル、民衆として参加したりもしていて、皆の絆が深まっているのをとても嬉しく思っているので、それを本番でも、作品と共にどんどん自分自身も成長させていけたらなと思っています。

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──お稽古を通して成長したと感じる部分は?
生田 たくさんあります。これと言うのは難しいのですが、作品の背景をすごく考えるようになったり、自分自身の役に対しても、コゼットは綺麗なメロディの歌が多いので、最初は歌い上げようとしてしまうところが多かったりしたのですが、それをどうやって感情に乗せていくかなどの演出をたくさん受けて、変わってきたのではないかな?と思っています。
──大先輩がたくさんいらっしゃいますが、アドヴァイスを頂いたりなどは?
生田 ちょうど一昨日だったでしょうか、私が皆さんの円陣に入りそびれてしまった時に、(吉原)光夫さんが小さい円陣を組んでくださって。
──小さい円陣ですか?
生田 そうです、4人くらいの。
吉原 (冗談で)2人っきりだよね(笑)。
生田 (笑)その時に「自分のことだけじゃなくて、周りの人に集中して」とおっしゃってくださったので、それはこれからも心がけて行きたいと思っています。
──知念さんからは何かアドヴァイスは?
知念 いえ、私も修行中の身なので、とは思いますが、私も10年ちょっと前にこの役(コゼット)を演じていたので、見ていると生ちゃんがどんどんと進化していって、いつかファンテーヌ役も演じてくれたら嬉しいなと思います。 
生田 頑張ります!
 
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 その後はマダム・テナルディエね!(笑)
生田 是非、目指して頑張ります!
──森さんからもアドヴァイスを。
 生田さんは本当に真っ直ぐで、素直に声が出ているんですよ。だから本当に言うことがなくて。お父さんとの関係だったり、マリウスとの関係だったり、そういうものは初め少しぎこちなくて、やっぱり普段、乃木坂46の皆さんで女子の間だけでやっているからかな?と思っていて、キスシーンなどはちょっとだけぎこちなかったのが、今は大女優です。素晴らしいです。ただファンの方達が嫉妬するんじゃないかな?と若干心配しております。
──どうですか?そのあたりは。
生田 あ、でも乃木坂のファンの方も(プレビュー公演を)観に来てくださった方は、作品にのめりこんでくださっているみたいなので、そこは私は心配はしていません。
──昆さんからも是非アドヴァイスを。
 私の役どころが、自分が大好きな人が生田さん演じるコゼットに思いを寄せて、私は結構コゼットに対して、う…となる役柄ではあるんですが、これだけ美しくて、とっても歌声も素敵で、完全に完敗だなと(笑)、ひしひしと感じる美しさと美声ですね。
 そうね!イギリス人のスタッフの方が、生田さんをわざわざ呼び出して「綺麗」って言ったの。他のキャストの方が嫉妬したんじゃないかと思うんですけど(笑)。
 
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──森さんも嫉妬したんですか? 
 いえいえ、私は(生田が)娘のような年ですから!だけどLINEでは「生田さ〜ん、素敵だったよ」とかしてます。LINEともだちです。
吉原 してるんだ?
 そうそう。
──皆さんLINEされているんですか?
 『レ・ミゼ』のLINEがあるので。
──長丁場の公演ですが、体調管理の秘訣やコツなどは?
福井 地方に行ったら美味しいものを食べたいなと思っていますが、まず体力勝負なので、日々やっぱり『レ・ミゼ』中心の生活になりますが、その中でもリフレッシュも大事なので、自分なりにリフレッシュ方法を見つけて行けたらいいなと思います。
──吉原さんはいかがですか? 
吉原 うがい手洗いをしっかりして、あとは今福井さんが言ったみたいに、全員が『レ・ミゼ』中心の生活になっていくので、その中で如何にリフレッシュしていくかが大切なので、あまりのめり込まず冷静に行きたいなと思います。
 
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──地方公演で楽しみにしていることは?
吉原 そうですね、まず地方公演に行くまでに生田さんとLINEを交換して(全員爆笑)。
──吉原さんは『レ・ミゼ』のLINEに入っていないんですか?
吉原 ジャベールやってるんで、招待されていないんです。入れてくれねぇの。
 ごめん!忘れてた!(笑)
知念 私も入ってない…。
生田 あ!招待します!
福井 僕も入ってないよ。
生田 あー!!
 結構仲が悪い感じになっちゃってる(笑)。
生田 大丈夫です、まだできたばっかりなので、周知できてなくて!
 余裕がなかったのよね、もう連日大変な稽古だったものですから。
──では、今日をきっかけにまた皆さん一段と団結して。乃木坂46のメンバーの方は観にいらっしゃるんですか?
生田 はい、すでにプレビュー公演を何人かは観に来てくれていて、本当にすごく感動してくれて、メンバーもファンの方も今まで『レ・ミゼ』をいつか観ようとは思っていたけれども、なかなかそのきっかけがなかったという方が、すごく来てくださって、感動してくださるととても嬉しいので、これからの公演でもそういう方が足を運んでくださると良いなと思っています。
──ミュージカルとアイドル活動はどちらが楽しいですか?
生田 両方とても楽しいです。
福井 本当はどっちですか?(全員笑)
生田 両方、違った楽しさがあります!
福井 そうですか!

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──改めて30周年記念公演に向けてのお稽古や、プレビュー公演の中で新たな発見などはありましたか?
知念 毎回演出が少しずつ変わるので、この間はこう言われていたけれども、今度はこのアプローチか、みたいな感じでキャラクターも少しずつ変わっていって、色々な発見があるのですが、最後に私がジャン・バルジャンを迎えに行くシーンで、大人になった生田さんのコゼットが「パパ!」と寄り添っていて、その時「こんなに美しく、こんなに聡明に育ててくれてありがとう!」と、バルジャンとコゼットの姿を見て強く思いますね。そこは今回また新たな発見だったかなと思います。

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生田 自分の役に関してだと、今までのイメージだとコゼットは大人しかったり、人形のようなイメージがあったのですが、今回はそうではない、と演出の方に指導を受けて、その中に熱い心があるし、今まで閉じ込められていた分、もっと知りたいという好奇心が沸いていたりなど、現代の女の子にも通じる部分を持って演じられたらいいなと、稽古中も今も思いながらやっています。
福井 今回で3度目になるんですが、特に2幕からのバルジャンの心の持ち方に発見があったと言いますか、より心に役を落とし込んで深めて感じることができたんです。自分のことじゃなく相手を思う気持ちを優先して行く、そういったバルジャンの心もちですとか、そういうものが自分の人生経験に重ね合わせながら、前よりも理解でるようになりました。それがあって、最後にコゼットの為に自分が突き動かされる心の動きが、今回は特に流れてきたなという印象があります。

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吉原 今知念ちゃんが言ったんですけど、毎回演出が変わって、前回こうだったけれども今回はこうしてみようということに、俳優陣が最初は結構混乱するんです。けれども、この混乱の中から自分たちで掴んでいくみたいなことが多いので、そういう意味で皆、毎回新鮮に気づくことがいっぱいあるんじゃないかなと思います。時代と共にまた変わっていくし、次にまた再演があるとするならば、また時代に合わせて変わっていく。良い意味で、現代に添った人格や性質を持って行くんではないかな?と思うと、毎回、毎回が初演のような感覚になっていく作品になるのではないかと感じました。
 私は1997年から『レ・ミゼラブル』に携わっていまして、10周年、20周年、30周年と来た訳ですが、テナルディエとの関係が、どっちが頭が良くて、どっちが懐を全部握っているのか?というのが毎回変わってきているんです。今回はテナルディエ、前回は私、みたいな感じで関係が変わってきますと、全部の悪だくみがテナルディエ発信なのか、マダム発信なのかが変わってきて、両方発信ということもありました。で、今回はテナルディエ発信ということになりまして、私はついていっているという感じです。それで色々と手数が増えまして、覚えるだけでも大変なんですよ!結構歳をとってますから(笑)本当に大変で!私、20年間やらせて頂いて、毎回オーディションに受かっているのですが、次の『レ・ミゼラブル』に私がいるか、いないか?と言うのは、これはまたオーディションを受けて頑張りたいと思いますけれども、そういった意味で、どんどん進化しているということは確かに言えると思います。
 
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 今回お稽古を共にしてきた演出家の方が言っていらした言葉ですごく印象的だったのが「音楽の力にもっと寄り添って欲しい」ということで、そう教えられまして、これだけ素晴らしい音楽の力があるドラマに表現者として、そこにプラスの表現をしたいということは常々思っていて、もちろんそれは大事なのですが、音楽が役や時代背景を表してくれているので、もちろん自分の感情を伝えつつも、音楽の力に寄り添えたらなというのが、今回の発見であり、自分の目標です。
──地方公演に楽しみにしていることは?
知念 公美さんからがいいんじゃない?
 えっ?私?まず、帝劇が終わりますとすぐ福岡公演、8月になりますと博多座公演でございまして、ちょうど惜しかったのですが、博多のね。
福井 山笠がね。
 
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 そう!ちょうど山笠が終わったところで、できれば7月に行きたかったなと(笑)思いつつも、博多は美味しいものがたくさんなので、皆さん毎日、連日連夜大変ですから、この7月までの帝劇公演中に痩せよう!ということになっておりまして(笑)、博多座に行くと太っちゃうんですよ!なので今全員ダイエット中です。それから大阪、名古屋。大阪はフェスティバルホールですごく大きな劇場で、しかも大阪は食いだおれの街という、ここも恐ろしいところなので(笑)。
福井 食べることばっかりだね(笑)。
 だって楽しみと言ったらそれでしょう?市内観光とか行きます?USJとか行きます?
福井 行きたいですね!
 じゅあ休演日にね!名古屋にもレゴランドがありますし!本当に楽しみはたくさんありますね!

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──では最後に福井さんからご挨拶をお願いします。
福井 日本初演30周年記念公演『レ・ミゼラブル』1人1人が作品と向き合って、良い仕上がりになっていると思います。たくさんの方にこの作品の感動を届けたいと思っております。是非劇場に足を運んでください。よろしくお願いします。
全員 よろしくお願いします!


〈公演情報〉
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ミュージカル『レ・ミゼラブル』
作◇アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク
原作◇ヴィクトル・ユゴー 作詞◇ハーバート・クレッツマー
オリジナル・プロダクション製作◇キャメロン・マッキントッシュ
演出◇ローレンス・コナー/ジェームズ・パウエル
翻訳◇酒井洋子
訳詞◇岩谷時子
出演◇福井晶一 / ヤン・ジュンモ / 吉原光夫、川口竜也 / 岸祐二、昆夏美 / 唯月ふうか / 松原凜子、知念里奈 / 和音美桜 / 二宮愛、生田絵梨花 / 清水彩花 / 小南満佑子、海宝直人 / 内藤大希 / 田村良太、駒田一 / 橋本じゅん /KENTARO 、森公美子 / 鈴木ほのか / 谷口ゆうな、上原理生 / 上山竜治 / 相葉裕樹 他
●5/25〜7/17(プレビュー5/21〜24)◎帝国劇場
●8/1〜26◎博多座(福岡)
●9/2〜15◎フェスティバルホール(大阪)
●9/25〜10/16◎中日劇場(名古屋)
〈お問い合わせ〉帝国劇場 03-3213-7221



【取材・文・撮影/橘涼香】




帝劇ミュージカル『ビューティフル』 




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