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ミュージカル界の歌人たちが歌って歌って歌いまくるミュージカルレビュー『KAKAI 歌会 2017』が、今年も5月3日から三越劇場で幕を開ける。(6日まで)

古来より和歌を詠む歌人が、季節折々の風景や、恋など、テーマに応じた歌を披露していた「歌会」の風習は、現在でも新年に皇居で執り行われる「歌会始」などで、その一端を知ることができる雅な催し。そんな「歌会」にちなみ、現代のミュージカル界の歌人がテーマに添ってナンバーを披露しようというのが、ミュージカル・レビュー『KAKAI 歌会』のコンセプトで、ミュージカル俳優・原田優一の構成・演出により2013年にスタート。ミュージカルナンバーはもちろん、POPSや歌謡曲、果てはCMソングまで次々と華麗に歌い継ぐ一夜限りのステージが大好評を博した。そんな魅惑のステージが、2015年の第2回に続いて、第3回『KAKAI 歌会 2017』として開かれることになり、原田優一、泉見洋平、入絵加奈子、佐山陽規、はいだしょうこ、綿引さやかという、豪華な顔ぶれが揃うとあって、大きな期待が集まっている。
このステージについて、プリンスから色濃いキャラクターまでなんでもござれの実力派ミュージカル俳優で、構成・演出も手掛ける原田優一と、宝塚歌劇団では歌唱力に優れた娘役として活躍、退団後はNNKの幼児向け番組「おかあさんといっしょ」のうたのお姉さんとして人気を博し、映像や舞台で幅広く活躍中のはいだしょうこが、見どころや意気込みを語り合ってくれた。

本気の歌と笑いの「大人の音楽遊び」

──大人気のステージの3回目ということになりましたが、今お話頂ける範囲で、内容について教えて頂けますか?
原田 最初にはじめた時のコンセプトが「大人の音楽遊び」というもので、初演の時はコンサート色が強かったのですが、だんだんエンターテイメントの部分も増えて来ました。ただ、あくまでも音楽を聴かせる、ということがメインなのは一貫していて、アレンジで遊びつつ、皆さんのキャラクター、個性も引き出しながら豪華なレビューにしていく形です。今回も大きな4つのメドレーを用意していて、前回はCMソングをコーラス隊のメドレーにしてやったのですが、今回はアニメソングをやはりコーラス隊でやりますし、昭和歌謡、もちろんミュージカルソングと、王道のものから、遊び心のあるものまで、幅広く取り入れています。最終的には『KAKAI歌会』の名物になっている「マッシュ」といいまして、『レ・ミゼラブル』の「ワン・ディ・モア」をイメージして頂くとわかり易いのですが、いくつものメロディーが最後には1つになるというものが『KAKAI歌会』の名物になっていて、それを今回はいつもとは違った趣向で「マッシュ」しているので、楽しみにして頂けたらと思っています。
──はいださんは、これまで『KAKAI歌会』にはどんなイメージを?
はいだ 私は2015年のものをビデオで観させて頂いて、今まで観たことがないステージで、すごく真面目な歌を歌っていると思ったら、急に笑いの場面になったり(笑)、その発想の豊かさと面白さが、たぶん他にはないだろうな思って衝撃的でした。こういう舞台があるんだ!と。出演されていらっしゃる方々は皆さん素晴らしい歌唱力を持っていらして、歌も楽しめるし、エンターテインメントとしても楽しめる、豪華な舞台だなという印象を受けました
──そういう舞台に初参加されるということで、今の心境は?
はいだ 皆さん「はじめまして」の方々でしたから、私は人見知りをすることもあって、お稽古初日は結構ドキドキして、ほとんどしゃべれなかったほどでした。どの方もミュージカルの世界で大活躍をされている方ばかりで、大きなミュージカルの舞台には、あまり多く立っていない私がここにいていいのかな、という気持ちもあったのですが、今はこのすごい方々とご一緒にお稽古することや、どんなステージに発展していくんだろう、という気持ちで、ワクワクしています。
──そんな、はいださんはじめ、今回のメンバーを構成・演出という立場でご覧になっていかがですか?
原田 稽古初日に譜面をお渡ししたとき、皆さんすぐに「あ、私こういう役割りなのね?わかったわ」みたいな感じで(笑)、どんどんツッコんで来てくださるので、面白いです。はいださんに対しても、こうして頂くと面白いだろうな、と僕から見て思うイメージもありますし、得意の歌や得意のお絵かきなど(笑)、武器を最大限に使って頂こうと思っています。でもさっきミュージカルの経験が少ないという風におっしゃっていましたが『王様と私』や『ひめゆり』をやっていらっしゃるし、何と言っても宝塚のエトワールですからね! 歌に関しても色々なジャンルのものを聴かせて頂けるのが、楽しみだなと思っています。「私のキャラクターはこうです!」というのを如何なく発揮してくださっている先輩方に対して、はいださんもこの間などは「本当にお上手ですよね」と入絵さんに向かって言っていたりして、また入絵さんが「上手?良かったわ」と、すごい早い返しをしていて(笑)。昭和の香りのプンプンする先輩方と、面白くやれるのではないかと思っています。
──では、今回のメンバーならではのステージになりそうですね。
原田 そうですね。皆、根が明るくてね。
はいだ はい、優しい方達ばかりです。
原田 優しくて温かいので、すぐにできなくても「大丈夫、大丈夫、私もダメだから」(笑)と、バッと声をかけ合えるので、良い雰囲気で稽古が重ねられると思います。

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「面白かったね」と言って頂けるものを創りたい

──先ほど、歌と同時にエンターテインメントとしても楽しめる舞台というお話がありましたが、原田さんご自身がエンターテインメントに対して持っている思いはどうですか?
原田 自分の場合は特に、笑ってもらえる要素が入っているものに、より自分の特性が活かせると思っていて。これまで出演してきた大作ミュージカルはほとんど感動するもの、泣けるものなのですが、一方で、自分自身で演出するもの、創るものには、笑いがついてくるものが多いです。自分自身も観ていて好きなジャンルが、笑えてかつ感動できるエンターテインメントなので、自分が創る時にはそれをやりたいと思っています。海外ものとか観ていても、笑いに対して綿密に計算されているショーが多いんです。自分も、力技ではない、きちんと計算された笑いを届けることを理想としていて、コンサートのトークでも、かなりきちんと台本を作ります。もちろん生のハプニングから起きる笑いは、お客様もほっこりされると思うのですが、それはしっかり作りこんだからこそ起きるハプニングであって、ショーや、コンサート、イベント、すべてきちんとした筋書がないとダメだと自分は思っています。そこから笑いを取るのはすごい技術だと思いますし、泣かせる以上に難しいことですが、やっぱり今お客様も笑いを求めている方が多いので、そういう方が劇場を出た時に「面白かったね」と言ってくださるものを創るというのが、自分の一番目指すところです。難しいことをやるんだけれども、決してそれを難しく見せずに、サラリとやっているということがエンターテインメントだと思いますから。
──はいださんは、宝塚のショーなどで、お芝居の「役」を演じるのとは違う、素の部分が出るステージの経験も豊富だと思いますが、そのあたりは?
はいだ そうですね。コンサートなどでも歌う時にはスイッチが入りますが、トークの時は「はいだしょうこ」のままですし、宝塚でも私はかなり早く退団したので、役を演じているというよりも「はいだしょうこ」で臨んでいることが多かった気がします。今回のステージでも、皆で歌い上げるというような場面ではスイッチが入りますが、それ以外ではきっと素の部分が見えてくるものになるのかな?と思います。
原田 この可愛らしいイメージにはじまって、お客様が期待しておられる「はいだしょうこ像」というものがあると思うんですね。その期待以上の個性を乗せて「あ、エンターテイメントに乗せてきたね」とか、歌の面でも「ここまでは聞いたことがなかった、すごいね」というところの、はいだしょうこさんが出れば良いなと思っています。

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エンターテイメントの1つの提案として

──改めて、お互いの印象や、感じている魅力はどうですか?
原田 先ほども「人見知りなので」とおっしゃっていましたが、こうしてちゃんとお話になっているのを聞くとすごいなと。謙虚な人という言葉では片づけられない、非常に純粋なピュアなものをお持ちなので、きっと色々な色に染められる方であり、もちろん技術もお持ちなので、創り手としてワクワクさせてくださる方です。様々な可能性を期待させてくださいますし、とても優しいので、いらっしゃるだけで場を和ませる力がある方だなと思っています。
はいだ うれしいです。私は原田さんが『ひめゆり』の檜山さんを演じておられるのも拝見していて、歌も演技も実力があって素晴らしい方だとわかっていましたが、今回本当に初めてお会いして、歌稽古をさせて頂いたら明るくて、優しくて、しかも皆のことをすごく見ていてくださるんです。ほんのちょっとした表情の変化なども見逃さずにいてくださって、不安になっていたら、スッと近くに来て一緒に歌ってくださったり、「もう1回やりましょう」と言ってくださる。舞台に立たれている時のストイックな部分以外に、とても柔らかで、細やかで、皆を見抜く力をお持ちで、皆の良いところを出してあげようという気持ちを持ってくださることが、舞台創りにもつながっていっていると感じます。まだお稽古開始から、間がないのですが、原田さんについて行こう!と自然に思わせてくれるので、初日までにどうなるんだろうというドキドキが、ワクワクに変わっています。周りの方からも色々情報が入ってくるのですが、すごく才能があって良い方だという話ばかりで。
原田 何それ?(笑)
はいだ ホント、ホント、誰からも悪口を聞かないの。
原田 本当に?
はいだ 本当に。しかも私はすごく周りを観察する方なので。
原田 稽古初日とか、本当に観察してたよね(笑)、ずっと周りを見てた。
はいだ そう、喋らない分じっと見ていて(笑)、自分自身でも「ああ聞いていた通りの方だった」と感じたので、ついて行きたいと思います。
原田 良かった!
──お2人共、ミュージカルの二枚目役や、宝塚の煌びやかさとうたのお姉さんの優しさなどがイメージとしてありつつ、コミカルな面もお持ちで、振り幅の広さも魅力ですが、そういう点もこのステージに活かそうと?
原田 自分は「振り幅」が職業という気持ちですね(笑)、「振り幅俳優」だと思っているので(笑)。ただ、それは王道のプリンス役もやってきたからこその振り幅ですし、自分の信条としては「品を保つ」というのがあって、例えどんなに下世話なことをやっても品は崩さない中での振り幅なので、そういう面を共通認識として持ってくださっている方が、今回も集まってくださっていると思っていますので、そういう意識で創っていけると思います。
はいだ はい、そうですね!
──ますます楽しみが広がりますが、では改めて意気込みをお願い致します。
はいだ 歌もあり、笑いもありという舞台に立たせて頂くのは初めてですし、ミュージカルではなくコンサートのステージで、色々な方とご一緒に出演させて頂くこともこれまでなかったので、今、これは絶対面白くなるだろう、お客様がきっと喜んでくださる、その姿が想像できます。なので、音楽と笑いで癒されてお帰り頂ける素敵な舞台になると思うので、是非皆さんにたくさん観に来て頂きたいなと思います。
原田 上級な歌と上級な笑いを、出演してくださる方達と共に楽しんで創っているので、是非皆さんも楽しみに観にいらして頂きたいと思います。歌が上手いということは、ただそれだけで笑える要素にもなって「歌が上手いだけで笑えるってずるいよね」(笑)と言って頂くくらい、技術でしっかり遊ぶということを今回も実現させたいなと思っています。ですから、歌をしっかり聞きたい方にもいらして頂きたいですし、ミュージカルの歌にはこういう歌い方もあり、こういう見せ方もありますという、エンターテイメントとしての1つの提案なので、こういうことも日本で出来るようになりましたという、こういう技術を持った方達がたくさんいますということを、どんどんお見せしていきたいです。お客様の目も今はとても肥えていらっしゃるので、逆にそこの不意を突いていくような感じのミュージカルレビューが提案できたらいいなと思っています。是非多くの方に劇場に足をお運び頂きたいなと思っています。

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はいだしょうこ、原田優一

はらだゆういち○埼玉県出身。9歳よりTV、舞台、映画、ライブ、ダンス・イベントに多数出演。安定感のあるソフトな歌声と、二枚目役から個性的なキャラクターまで、幅広い役をこなせる逸材として、ミュージカルを中心に活動中。『KAKAI歌会』、オフブロードウェイミュージカル『bare』等、構成・演出活動にも積極的で好評を得ている。15年自身初のソロCD「いつか」をリリース。主な出演作に、『ミス・サイゴン』(クリス役)『レ・ミゼラブル』(ガブローシュ役、アンジョルラス役、マリウス役)、『ラ・カージュ・オ・フォール』(ジャン・ミッシェル役)、『TARO URASHIMA』、『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』等がある。

はいだしょうこ○宝塚歌劇団出身。在団中は作品のフィナーレを飾る歌手「エトワール」を務めるなど、歌唱力に優れた娘役として注目を集めた。退団後の2003年からNHK「おかあさんといっしょ」うたのおねえさんとして親しまれた。その後は、TV出演、コンサート活動、舞台出演と多岐に渡る活躍を続け、16年にはNHK大河ドラマ『真田丸』にも出演。主な出演舞台作品に、ミュージカル『若草物語』主演ルイーザ役、ブロードウェイミュージカル『回転木馬』キャリー役、ブロードウェイミュージカル『王様と私』などがあり、15年、16年に続いて、17年7月にはミュージカル『ひめゆり』で3度目となる主演キミ役での出演が控えている。

〈公演情報〉
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ミュージカルレビュー『KAKAI 歌会 2017』 
構成・演出◇原田優一
音楽監督◇ YUKA
振付◇中村陽子
出演◇泉見洋平、入絵加奈子、佐山陽規、はいだしょうこ、原田優一、綿引さやか(五十音順)
●5/3〜6◎三越劇場
〈料金〉S席(前方5列目まで)8,000円、一般席7,500円、学生席4,000円(税込/全席指定)
〈お問い合わせ〉三越劇場 0120-03-9354 (10:00〜18:00)




【取材・文/橘涼香 撮影/安川啓太】





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