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元宝塚星組トップスター北翔海莉が『タイタニック』『グランドホテル』などの新演出で、今熱い注目を集めている英国気鋭の若手演出家トム・サザーランドとタッグを組んで女優デビューを果たす、ブロードウェイミュージカル『パジャマゲーム』が、9月25日〜10月15日東京・日本青年館ホール、10月19日〜29日大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演される。

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リチャード・ビッセルのベストセラー小説「7セント半」を元に、7セント半の賃上げを望むパジャマ工場の労働者と雇用者の闘いをコミカルに、そして中心人物となる若き工場長と組合員の恋をロマンチックに描いたこの作品が、ブロードウェイで初演されたのは1954年のこと。如何にもブロードウェイミュージカルらしい美しいナンバーの数々に彩られた舞台は、たちまち大評判となり、トニー賞最優秀作品賞などを受賞。分けても、『CHICAGO』でその名を轟かせている稀代の名振付師ボブ・フォッシーが、初めて振付を行った作品としてもよく知られている。
その後、作品は1957年にジョン・レイドとドリス・デイ主演で映画化されただけでなく、ミュージカル映画黄金期時代の傑作としてブロードウェイをはじめ、英国ウエストエンドでも度々再演されている。2006年にはキャサリン・マーシャル演出振付でブロードウェイにてリバイバルし、トニー賞のリバイバル賞を獲得した。 

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そんな傑作ミュージカルが、トム・サザーランド演出×北翔海莉主演という、豪華な組み合わせによって、日本で上演されることになり、2月都内で制作発表会見が行われ、演出のトム・サザーランド、出演者を代表して主演の北翔海莉、ロマンスの相手役新納慎也をはじめ、共演の大塚千弘、上口耕平、広瀬友祐、栗原英雄が登壇。公演への意気込みを語った。 

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会見は、ピアノ、バイオリン、ドラム、ベースの生演奏による豪華なパフォーマンスからスタート。まず、コート姿の北翔海莉が登場して、ヒロイン・べイブが新しく工場長として赴任してきたハンサムなシドが気になるものの、自分の気持ちを素直に認められない、男勝りな心情を歌ったナンバー。「I’m not at all in love」を歌う。2016年11月まで男役を演じてきた人とは思えない、柔らかな伸びのある歌唱が印象的だ。

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そこへ、やはりコート姿の新納慎也が登場すると、音楽はパジャマゲームを代表するラブ・バラード「 Hey There」へ。互いに恋心を抱く2人だが管理職の工場長と、賃上げ闘争中の労働組合女性リーダーという仕事の立場が、2人の愛の行く手を阻む切ない思いが、しっとりとしたメロディーに乗せて歌われる。

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一転して曲調が明るくなり、客席通路から大塚千弘、上口耕平、広瀬友祐、栗原英雄が登場。北翔も新納もコートを脱ぎ、全員蝶ネクタイに黒のタキシードという出で立ちで「Once a year day」を賑やかに。年に1度、管理職から従業員まで全員が参加するピクニックの日の華やぎを歌ったナンバーで、仕事を離れ、みんなが心から楽しむこの日をきっかけに、シドとベイブも急接近する賑やかなナンバーで場は大いに盛り上がり、早くも公演への期待をかきたてた。

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そんなパフォーマンスに続いて、トム・サザーランドを含めた出席者全員が改めて舞台に揃い、それぞれの挨拶から質疑応答へと引き継がれた。

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【出席者挨拶】

トム 皆様こんにちは。この度日本に戻ってこられて非常に光栄に思っております。ありがとうございます。『タイタニック』や『グランドホテル』を日本で演出しまして、とても素晴らしい体験をしました。『パジャマゲーム』というのは有名なだけではなくて、とても貴重な作品で、そんな作品にに関わることが出来るのはとても素晴らしい機会だと思っております。音楽・振付全てにおいて素晴らしい作品です。60年前からアメリカ、イギリスのミュージカルシーンにおいてとても影響を与えた作品で、ボブ・フォッシーが振付を手掛けたものとしても有名だと思います。なので、この作品においては特に振付はとても重要に感じていますので、ニック・ウィンストンという振付家に関わって頂くことになっております。現在、ニックは英国でも5本の指に入る振付家でございます。ウエストエンドで1番最初に『フォッシー』が上演された時のキャストメンバーでもありました。『パジャマゲーム』で「スチームヒート」という曲がありますが、そのダンサーでした。なので、彼もこのアイコニックなショーに関わることが出来ることを大変光栄に思っております。そして、彼の振付はフォッシーのオマージュですが、新しい振付も加えます。もちろんフォッシーのアイコニックなイメージは残したまま、と言いますのも、フォッシー抜きでは『パジャマゲーム』という作品は考えられないのです。そして、以前に『タイタニック』や『グランドホテル』でご一緒したみなさんとはまたお会い出来て嬉しいです。
 
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今回、北翔さんを始め、新しい才能ある皆さんにお会いできることも嬉しいです。日本の才能というのは本当に素晴らしいので再び一緒に作品を創ることが出来て光栄です。もちろん北翔海莉さんには大変に期待しています。というのも、私は日本に来ると必ず宝塚歌劇を拝見していて、宝塚は数あるレビューの中でもとても、とても素晴らしいものだと思います。北翔さんは宝塚退団後初めてのミュージカル、女性役ということで、その演出をするのが楽しみで、エキサイティングです。今、私はロンドンでチャリングクロスシアターの芸術監督に就任しておりますので、リバイバル、そして新しい作品に取り組んでおります。ロンドンにお越しの際は私のホームへお越しください。今後とも皆さんと長いお付き合いをしたいです。日本のプロデューサーの方達とこちらでお仕事をさせて頂いておりますが、今後はロンドン、日本で素晴らしいスキルをあわせたものを創っていきたいと思っております。ありがとうございます。

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北翔
 皆様本日はお忙しい中お集りくださいまして、誠にありがとうございます。この度の『パジャマゲーム』でベイブ役をさせて頂くことになりました北翔海莉でございます。21年間在籍しておりました宝塚歌劇団を卒業致しまして、今年初めて女優としての初舞台を踏ませて頂くということで、たくさんの不安がありますけれども、トムさんを始め共演者の方々、スタッフの方々からたくさんのことを学ばせて頂きたいなと思っております。今回『パジャマゲーム』をさせて頂くというお話を伺った時に、この作品はブロードウェイミュージカルのファンだったら誰もが憧れる作品の1つで、名曲の数々、ダンスナンバーの数々、たまらない作品をさせて頂けるのだなということを、大変光栄に思っております。私が演じますベイブ役は、仕事に命を掛けていて、会社の仲間を守る正義感溢れる女性です。それでいて恋に不器用なところもあって、今の自分にぴったりかなと思っております。なかなか大塚さんのように、可愛い女性の雰囲気の引き出しがないので全然出せないのですが(笑)、逆にこのベイブは、なんとも言えない男から女に変わる状況の今の私にぴったりかなと思うので、新納さんにくっついて、色々教えて頂きたいなと思います。どうぞよろしくお願い致します。

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新納
 ハンサムな工場長、新納慎也です。この役はですね、ハンサムなんです(笑)。まず、皆さんそこを太字で書いてください(笑)。実は僕、見た目はハンサムなのですけれども、なぜか日本のミュージカル界は僕のハンサムに気付かず、今まであまり、こういう二枚目をやらせて頂いたことがないんです(笑)。だいたい女装家、ちょっとあたまが弱いとか、ゲイとか、総じてキャラクターと呼ばれるような部分を演じることが多いです。何十年かに1回、二枚目が回って来るので、その貴重な1回をやらせて頂きます。「やらせてくれるならなんぼでも二枚目出来るんだけどな」と思っていたのですが(笑)、やっと念願叶いました。これを機に、新納慎也はこういう面も持っているんだよということを、アピールさせて頂きたいと思います。北翔さんは初の女性役ということですが、おそらく僕の方が女性役をよくやっています(場内爆笑)。
北翔 そうなんですね!
新納 そう、僕が演じて来た半分位は女性役なんです。
北翔 それはすごいですね!
新納 いつもストッキングを履いています。僕がドレスさばきとか教えますので。
北翔 色々教えてください!
新納 二枚目な感じはちょっと教えて頂けますか?
北翔 あぁ、それならいくらでも!
新納 じゃあ教えあいっこしましょう。
北翔 そうですね。
新納 それで、水曜日の昼間は入れ替えてね。
北翔 役替わり公演にしちゃいましょうか!(笑いと拍手)。
新納 二枚目として観客の女性たちに求婚されるぐらい頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

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大塚 新納さんがハンサムな役のところ恐縮なのですが…(声を大きくして)美人秘書役の大塚千弘です。
新納 恐縮感ないね(笑)。
大塚 あ、ホントですか?(笑)、是非私も太字で美人秘書役と書いてください。私はミュージカルは2年ぶり位で、久しぶりなので、すごく緊張しています。美人秘書は栗原(英雄)さん演じるハインズの妻なのですが、やきもちをやいてもらえるぐらいコケティッシュにやりたいなと思っております。私は、結婚後の初のミュージカルなので、夫にもやきもちを焼かれるくらい可愛らしく演じられたらいいなと思っています。そして、トムさんがおっしゃっていた「スチームヒート」を踊らせて頂くんですね。これまで、踊るミュージカルにはそんなに出演してこなかったので、今回特訓して頑張りたいと思います。皆さんとトムさんと一緒に、素敵なミュージカルになるように頑張りますのでよろしくお願いします。

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上口 プレッツ役を演じます上口耕平です。今回テーマが二枚目ということで僕も意識しています(笑)。僕が演じる労働組合委員長はものすごく自分に自信があって、自分を二枚目と思いこんでいる人いなので、気持ちはシドを演じる新納さんに負けないよう二枚目を追求して、自分なりに演じられたらと思います。ダンスをずっとやっていた僕としては、憧れのボブ・フォッシーが振付した作品に出られるというだけで胸がときめいております。ですので、本当に楽しみにして頂けたらと思います。よろしくお願いします。

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広瀬
 チャーリー役をやらせて頂きます広瀬友祐です。本日はありがとうございます。二枚目がテーマということを今初めて知ったのですけれども(笑)、昨日トムさんと初めてお会いして役のことなどお話させて頂きました。もう、そのひとことふたこと交わしただけで心を掴まれました。早く稽古がしたいなという気持ちでいっぱいです。チャーリーはシドの友達でもあるんですが、昨日トムさんとお話した感じではとても魅力的な男性になりそうだなと思っております。精一杯体当たりで挑みたいと思います。よろしくお願いします。

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栗原
 皆さんこんにちは。栗原英雄です。私はハインズという生真面目な役、例えて言うなら自分でアイロンをきっちりかけるような、同じコスチュームを自分のオーソドックスとして、いつも着て毎日会社に行くような感じです。そして妻を嫉妬するほど愛している人です。『パジャマゲーム』はグランドミュージカルで、歌と踊りと芝居、三拍子がそろっているなと思います。最近そういうミュージカルも少なくなってきているので、これは楽しみにして頂いていいんじゃないかと思います。トムさんが斬新な演出をなさると思いますのでそこも見所ですし、振付の方も凄い方なので見所はたくさんあります。僕もミュージカルは2年ぶりで、前回はトムさん演出の『タイタニック』です。
新納 僕も2年半ぶり位のミュージカルです。
上口 すごいですね!皆がこんなに何年ぶりのミュージカルって!
栗原 斬新じゃないですかね。そこで初女性役というね。
北翔 はい!
栗原 フレッシュなメンバーということで、出演者、みんなで楽しんで創っていきたいと思います。三枚目を演じます、栗原英雄でした(笑)。

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【質疑応答】

──キャストの皆様、改めて『パジャマゲーム』という作品への出演が決まった時の心境と、この作品に感じている魅力を教えてください。
北翔 本当に今皆さんのお話にもたくさん出て来ましたが、ナンバーがたくさんあって、とにかく歌って、とにかく踊って、体力が持つんだろうかというような作品の内容になっていますので、今まで自分が培ってきたものを、今度は女優として表現するので、精一杯表現したいなと思っています。今日の制作発表もそうだったのですが、男性の方と歌うのが私は初めてで、最初に譜面を頂いた時にはシドのパートをずっと読んでいて(笑)、ベイブのところになってから「あ、私こっちなんだ」と気づいたような状態でした。しかも、私が歌いたいなと思うような歌は、男性が歌われますので、やっぱりこれは役替わり公演をしないともったいないなと思っているのですが(笑)。歌、そしてフォッシーの踊り、「ピクニック」という場面などはどのくらい踊るのか想像がつかないのですが、1幕から色々と繰り出されるので、2幕はどうなるんだろう?とお客様のワクワクが止まらないような作品になっていると思うので、2幕のラストまでお客様の心を鷲掴みにできるように頑張りたいなと思います。

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新納 決まった時は、先ほども言いましたけれども「よし来た!2枚目!」という感じでしたけれども(笑)、その後英語を観させて頂いたり、台本や譜面を読ませて頂いて感じたのは、先ほど栗原さんもおっしゃっていましたが、最近日本のミュージカル界が、歌がメインの、大悲劇なものがわりと多いと思うんです。でも僕が若い頃ミュージカルを観て楽しいなと思っていたものは、お話はわかりやすくて、歌とダンスが満載で、わーっと終わって「あぁ面白かった!さあ、何を食べようかな?」とパッと思えるような作品だったんです。最近そういった作品が本当に少ないので、この作品は「ザッツ・ミュージカル!」な楽しみ方を日本でもできるよ!という作品だと思います。貴重な作品ができることをとても嬉しく思っていますので、そういう風にお客様にも観て頂けたらと思っています。
大塚 私も新納さんがおっしゃった歌主体のミュージカルの方が結構経験があって「スチームヒート」を踊るグラディス役というのが頂けたので、本当に頑張りたいなと。あと、グラディスの曲でもう1つ「Hernandos Hideway」という曲があるのですが、それは新納さんに歌うんですよね?
新納 そうですね。
大塚 私はどちらかと言うと新納さんが二枚目をやっているのを観たことがなくて。
新納 皆観たことないです(笑)。
大塚 ストッキングを履いているイメージが強いので(笑)、そこを変換させて。
新納 頑張ってください(笑)。
大塚 素敵なシーンになるようにしましょうね。
新納 僕もめっちゃ二枚目になります!
大塚 私もコケティッシュに!
新納 頑張りましょう!
大塚 良いシーンにしましょうね!そんな感じです。

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上口 さっき新納さんがおっしゃったように、僕も小さい頃からテーマパークとかが好きで、そのエンターテイメントな世界がすごく好きだったので、この1950年代のミュージカルは憧れの時代なので、そんな時代に作られたものに参加できるということだけでも、嬉しくてしょうがないです。ワクワクしています。作品の魅力は、古き良きという言葉がよく使われると思うのですが、僕が今観て感じる印象としてはすごく斬新なんですね。当時の作品って人の力の温かさや、人間の愛がいっぱい詰まっている、そしてイマジネーションを沸き立たせてくれるんです。さっきも話に出たピクニックのシーンでも、バク転して、踊りまくって、というミュージカルを観たことがなくて。でもそれでハッピーだということを表現していて、それがやはり今、とても斬新です。そういう作品を改めてやるということで、きっとお客様も懐かしい、温かいという気持ちと同時に、新しい世界を観ている感覚になるんじゃないかな?と思っています。
広瀬 僕は『パジャマゲーム』の魅力を語るにはまだまだ勉強が足りないのですが、僕自身が今まで観て来た作品の中で、すごくわかりやすくてシンプルな作品で、皆さんがおっしゃっているような、歌って、踊って、芝居してというストレートにど真ん中のエンターテイメントだなと思っています。この作品への出演が決まった時に、ミュージカル・コメディだと伺って、はじめてコメディだ!と。僕最近愛人のいる役ばかりだったので(出演者からへ〜!という驚きの声があがる)「やった!」と思いました。本当に楽しみにしていますし、トムさんと役について話した時に「とてもピュアな役だ」ということで、愛人もいないし(笑)、すごく誠実に楽しみながらやりたいなと思っています。
栗原 お話を頂いた時には率直に言って緊張しました。ハインズ役は、狂言回し的に物語を進めていく役なので、その責任が大変だなと思いました。作品の魅力は、皆さんからほとんど出ましたけれども、ずいぶん前の時代の話なのですが、人にはそれぞれの立場があって、色々な立場の人間を描いているものなので、今の時代にもすべての方に色々なポイントで共感して頂けると思います。それで、最後には新納君が言ったように「楽しかった!」で終われるミュージカルなので、楽しめればと思います。

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──トムさん、日本で上演された前2作『タイタニック』『グランドホテル』は大変な評判でしたが、日本で日本語で上演される作品の演出と、イギリスで英語で演出される作品とに違いがあるかどうかを教えてください。
トム 難しい質問ですが、母国語以外の言葉のものを演出をする瞬間というのは、結構解き放たれるものがあります。なぜなら、感情というのはキャッチだからです。言語がわからない状態で演出をすると、感情が直結してつながる感覚があります。言葉はわからなくても、伝わったり、感動したりする。というのが「人間」というものは万国共通だからで、感情が伝わります。でも日本語も覚えたいと思って頑張っています。まだまだですけれども(笑)。
──では北翔さん、最後にご挨拶をお願い致します。
北翔 皆さん本日は本当にありがとうございました。この『パジャマゲーム』は海外でも何度も上演されている作品で、皆様のイメージというものがあるかと思いますが、今回の2017年日本版、ここにいる皆さんと、今日は来ていない共演者の方方と、このメンバーでしか出せないカラーの『パジャマゲーム』を皆様にお届けしたいなと思っております。またミュージカルコメディということで、歌って踊ってハッピーエンドの作品を皆様に観て頂いて、明日からも頑張ろうと思って頂けるエネルギーや、勇気みたいなものをステージの上からお届けできたら、それが私達の仕事にとって1番嬉しいことかなと思っておりますので、共演者、そしてスタッフ一同力を合わせて一生懸命精進して参りたいと思います。本日は本当にありがとうございました。


【囲み取材】

和やかな会見で温かい雰囲気が続く中、北翔海莉と新納慎也による囲み取材が行われた。
 
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──パフォーマンスを終えての感想を改めて教えてください。
北翔 ステージの上に男性の方がいるっていうのが本当に初めてのことでしたので、大変緊張致しましたが、でもどこかで安心する、あぁこういうものなのか、というのを初めて気づかされたものもあり、今日制作発表のステージに皆さんと一緒に立つことができて、またユニークな方々なので早く稽古場に行って、皆で作品作りがしたいなと思いました。
新納 僕ら舞台の場合は1ヶ月くらい稽古をしてからステージで歌うんですけど、今回2、3回しかやっていないんですよね?
北翔 はい。
新納 だから今日は大目に見てください、ということで(笑)、本番にはこの100倍くらい上手いものを観せられると思うので、今日はこんな曲もありますよ、というレベルで聞いて頂ければと思います。でもそうは言いますが、北翔さん、僕は宝塚退団したばっかりという方と何度か共演させて頂いていますけれど、性転換上手く行っているほうですよ!
北翔 えっ?本当ですか?
新納 ええ、もう少しゆっくり性転換される方もいらっしゃるので、早いほうです(笑)。
──お2人がチャンジする公演も面白いんじゃないか?というお話でしたが。
北翔 ねぇ、今から企画し直しても良いんじゃないかと思うくらいです。
新納 チケット代がちょっと35.000円くらいになりますけれど(笑)。
──相当人が集まりそうですね!
新納 集まりそうですよね!
──北翔さんは男役時代とはずいぶん歌のキーが違われたかと思いますが、いかがでしたか?
北翔 今まで21年間歌ってきたところと、1オクターブ上なので結構大変だなと思ったのですが、これからもっと本番に向けて強化して、素敵な曲ばかりですので、ちゃんとお客様を魅了できるような、癒やせるような歌にしていきたいなと思います。
──新納さんはデュエットされてどうでしたか?
新納 先ほども言いましたけれど、それは宝塚の男役の方って何十年も男性役を研究されてきて、男としてしか舞台に立ったことのない人達が、外に出ていきなり女性のキーで歌わされるってやっぱり大変そうなんですが。北翔さんはちゃんと女性らしく高いキーもスコーンと出るし、違和感なく歌わせて頂きました。「この人男だったんだな!」みたいな感覚は全くないですね。騙される感じです(笑)。
北翔 騙していきたいと思います(笑)。

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──新納さん、女性役としてのアドヴァイスは?
新納 今僕が、女性に向かって言うんですか?(笑)、どういうことをしちゃうんですか?宝塚の男役の方は。
北翔 どうしても足を開いて立ってしまうんです。寄せるということがなかったので。
新納 僕ら女性役をやる時には、稽古場から短いスカートを穿いてヒールも履きますね、ずっと。そうすることによって、足を開いて立ったり座ったりするのが、男でも恥ずかしくなるので、だんだん寄せるようになりますから、是非稽古初日からミニスカートで。
北翔 まだスカートを買ってないんです!
新納 さっき裏で訊いたんですよ。「スカート買ったんですか?」ってね。
北翔 まず私服のスカートを買うところから徐々に(笑)。
──お互いの印象や魅力を語ってください。
新納 まだ付き合いも浅いので(笑)。
北翔 でも、本当にこの作品にピッタリの方だなと。
新納 本当でしょう?(笑)。
北翔 スラッとされていますし、まず私より身長が高いということで安心しました。
新納 そこは、そういう人を探したんだと思う(笑)。
北翔 でも本当に恋に落ちて行く内容なので、恋愛に不器用な役柄でもありますから、私自身がどうやってやっていけば良いのかわからない部分を上手く使って、新納さんの懐の中におさまっていけるようにお芝居作っていきたいなと思います。
新納 ベイブっていう女性が元々強い女性で、それでもやっぱり中身は女性で、少しずつ少しずつ女性らしい部分が見えてくるというチャーミングさがあるんですけれども、そういう部分はピッタリですよね。強い女性はやったことがあるでしょう?宝塚で。
北翔 はい。
新納 更に男役をやられていた強みと、稽古場で見せる可愛らしさを舞台上でも是非見せて欲しい。でも急に女性らしくなるとファンの方はびっくりされちゃうのかな?
北翔 どうなんでしょうか。そこは皆さんどうなのかな?
新納 むしろ小出しにしない方が良いですよね。バーンって見せて、びっくりさせた方がファンの人も割り切れるんじゃないですかね?
北翔 ショックを受けないでしょうか。
新納 魅力的なら良いんじゃないですか?いつまでも男役らしいのも、かえって心配させちゃうかも知れないから。
北翔 はい、頑張ります。

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──では意気込みをお願いします。
北翔 今回本当にミュージカル界の素晴らしい役者さんが揃ってくださって、すごく豪華なキャストだなと第一印象で思いましたので、本当に皆様とご一緒にステージを作れるのを幸せに思いますし、たくさんのことを勉強させて頂きたいなと思っております。何よりもこの作品を通して皆様にミュージカルの本来持っている力、エネルギーをお客様にお伝えできればと。やはり海外に比べて日本はミュージカルへの意識が少しだけ薄いのかな?と思う部分もあるので、もっと日本中の人が、そして世界中からも日本のミュージカルが注目して頂けるような作品になるように、頑張りたいなと思います。
新納 色々なミュージカルのパターンがあって、さっきも言った歌が中心のミュージカルや、最近では「2.5次元」というものもあるのですけれども、最近この種類のミュージカルが少ないので、トム・サザーランドが演出で、しかもフォッシーのDNAを持った人が振付に来てくれる。まさにミュージカルのベースを珍しく日本でやれるということなので、最近ミュージカルを観初めて、あまりミュージカルは詳しくないわ、という方ですとか、2.5次元や、暗いミュージカルを多く観て来たという方にも、本来のミュージカルの魅力はこういうものなのだとわかって頂けるような作品になればと思っています。

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〈公演情報〉
ミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』
原作◇リチャード・ビッセル 
脚本◇ジョージ・アボット、リチャード・ビッセル
作詞・作曲◇リチャード・アドラー、ジュリー・ロス
翻訳・訳詞◇高橋知伽江 
演出◇トム・サザーランド
出演◇北翔海莉、新納慎也、大塚千弘、上口耕平、広瀬友祐、栗原英雄 ほか 
●9/25〜10/15◎東京・日本青年館ホール
〈料金〉S席 11.500円 A席 8.500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉0570-077-039
●10/19〜29◎大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈料金〉11.500円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉06-6377-3888
公式ホームページ http://pajama-game.jp/



【取材・文・撮影/橘涼香】



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