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ティム・バートン監督の映画で知られる『ビッグ・フィッシュ』のミュージカル版が、2月7日、白井晃演出で華やかに開幕した!(28日まで。日生劇場)
そのフォトレビューを、えんぶ2月号に掲載された霧矢大夢と赤根那奈の対談とともに掲載する。
 
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ティム・バートンといえば、『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』などで世界中に熱狂的なファンに支持されている。『ビッグ・フィッシュ』は2003年に彼が作った映画で、ファンタジックで温かな家族の愛を描いた作品だ。2013年には、ブロードウェイミュージカルとして蘇り、物語世界の魅力はそのままに美しい歌とダンスに彩られた舞台は、新たな喝采を呼び起こした。そんな作品のが数々の作品で示した演出力で、絶大な信頼を得ている白井晃によって、日生劇場の舞台を飾ることになった。

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【あらすじ】

エドワード・ブルーム(川平慈英)は昔から、自らの体験談を現実にはあり得ないほど大げさに語り、聴く人を魅了するのが得意。
自分がいつどうやって死ぬのかを、幼馴染のドン・プライス(藤井隆)と一緒に魔女(JKim)から聴いた話や、共に故郷を旅立った巨人・カール(深水元基)との友情、団長のエイモス(ROLLY)に雇われたサーカスで最愛の女性、妻・サンドラ(霧矢大夢)と出逢った話を、息子のウィル(浦井健治)に語って聞かせていた。
幼い頃のウィルは父の奇想天外な話が好きだったが、大人になるにつれそれが作り話にしか思えなくなり、いつしか父親の話を素直に聴けなくなっていた。そしてある出来事をきっかけに親子の溝は決定的なものとなっていた。
しかしある日、母サンドラから父が病で倒れたと知らせが入り、ウィルは身重の妻・ジョセフィーン(赤根那奈)と両親の家に帰る。
病床でも相変わらずかつての冒険談を語るエドワード。本当の父の姿を知りたいと葛藤するウィルは、以前父の語りに出ていた地名の登記簿を見つけ、ジェニー・ヒル(鈴木蘭々)という女性に出会う。
そしてウィルは、父が本当に伝えたいことを知るのだった−。
 
霧矢大夢と赤根那奈は、物語の中心となるブルーム家で、主人公の妻と、主人公の息子の妻、つまり義理の親子を演じる。宝塚時代にコンビを組んだこともある縁の深い2人が、女優として再び共演する舞台となる。

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大好きだった映画の舞台化に臨んで

──まず作品の魅力をどう感じていますか?
霧矢 ティム・バートン独特の世界で、ファンタジーの中に毒気やシュールさもありつつ、心に染み入るような作品だと思っていました。私自身映画のDVDも購入して人に勧めていたほど好きな作品だったので、今度は舞台版で、ティム・バートンマジックと同じように、演出の白井晃さんマジックに彩られたものになると思いますから、とても楽しみにしています。
赤根 私は映画館では観られなかったんです。
霧矢 生まれてた?
赤根 もちろんです!
霧矢 あぁ良かった(笑)。
赤根 宝塚の現役中に勉強の為に映画のDVDをたくさん観ていて、今日は何を借りようかな?と物色している時に、『ビッグ・フィッシュ』の綺麗な表紙が目に飛び込んできたんです。ですから最初はティム・バートンの監督作品だとも知らずに観ようと思ったのですが、実際に観始めると色々な要素が詰まっていて、観れば観るほど引き込まれ、考えさせられる作品でした。黄色のお花畑などもすごく幻想的で、それが舞台になった時どんな臨場感が生まれるのか、白井さんならではの世界になるのだろうと期待しています。
──それぞれ演じる役柄についてはいかがですか?
霧矢 川平慈英さん演じるエドワードの妻サンドラを演じさせて頂きますが、若い頃と年代を経てからとが交互に出て来て、その両方を演じるので、まずきちんと演じ分けなければと。更に息子であるウィルの少年時代も描かれますので、1人の人物の3つの世代を演じることになりますから、難しさもあると同時に役者冥利につきる面白さがあります。特にエドワードが語るストーリーではミューズの存在で、夫と息子の確執に心傷めながらも家族を常に見守っている女性なので、夫への愛情と共に家族への包容力を深く表現したいなと思っています。
赤根 私はウィルの妻のジョセフィーン役を演じさせて頂きますが、エドワード、サンドラ、ウィル3人の家族関係を、少し客観的に見つつウィルを支えている存在になれたらいいのかなと。それに役柄が身重ということで、私にとってはこれまでになかった設定なので、母性的な部分も出していけたらと思っています。

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慈英座長を中心に魅力的で温かいカンパニー

──白井晃さんの演出に期待していることは?
霧矢 『ビッグ・フィッシュ』の上演が発表になった時に、私は別の舞台に出ていたのですが、共演者の方達から口々に「『ビッグ・フィッシュ』を白井晃さん演出でやるんだ! いいね!」と言ってもらって、俳優たちの間で白井さんの演出の評価が本当に高いことを改めて実感しました。しかも稽古を突き詰めて熱心にやる方だそうで、私も稽古はできるだけたくさん丁寧にやりたいタイプなので、とても楽しみにしています。
赤根 私も色々な方から「白井さんの演出はすごく刺激になって勉強になるよ、良かったね!」と言っていただいてます。今回、初めてご一緒させて頂くので「よろしくお願いします! 厳しく教えてください!」という気持ちで臨みたいです。
──それぞれ夫役となる川平慈英さん、浦井健治さんの印象はいかがですか?
霧矢 私はポスター撮影の時に初めて川平さんにお会いして「テレビと一緒だ〜」と思ったのが最初だったのですが(笑)、とてもフレンドリーな温かい方で、場の空気を一瞬にして和ませてくださる方なので、町の人気者のエドワード役には本当にピッタリです。もうこのキャスティングだけで成功間違いなしだなと。浦井さんもとてもしっかりしているので、親子の関わりもきっとうまく表現されると思うので、「母です。よろしくお願いします」(笑)という気持ちです。
赤根 私も川平さんは映像で一方的に存じ上げていた方だったのですが、本当に和やかで温かい方なので、川平さんが座長のカンパニーなら、きっと皆で助け合いながら1つのものを創っていけると思っています。浦井健治さんはずっと前からミュージカル界のプリンスでいらした方なので、そんな方と夫婦役をさせて頂けるのは不思議な気持ちなのですが、ポスター撮影の時に初めてお会いしたら、もうそこから包み込んでくださるような方で。
霧矢 浦井さんは初対面の固さがない方なのよね。
赤根 そうなんです。だから気負わずに素直に向き合っていけたらと思います。

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宝塚時代の深い縁、そしてまた新たな舞台で

──宝塚時代にも縁の深かったお2人ですが、当時の思い出や印象などは?
霧矢 彼女は月組で初舞台を踏んだ時から、とても伸び伸びとしていて、華やかな容姿で月組の若手娘役のホープでした。そこから星組に組替えになってトップ娘役に就任しましたから、どんどん大きな花を咲かせていくのを、上級生として見守っていました。当時から物怖じしないおおらかさが魅力でした
から、今回も伸び伸びしてくれたらいいなと思っています。
赤根 私は入団する前から霧矢さんの完璧な舞台に魅せられていたのですが、入団してお稽古場で歌われているのを聞いて、更に心臓を鷲掴みにされて、この人のそばで学びたいと思い続けていたんです。相手役をさせて頂いた時にも、学年差のある私とずっとコミュニケーションを取ってくださって、包容力と温かさを感じていました。本当に素敵な男役さんで、今も素敵な女優さんですが。
霧矢 いやいや(笑)。バウホール公演の『大阪侍』では相手役としてコンビも組んでいたので、まさかこうして嫁姑としてまた巡り会うとは! という感じですが(笑)、お互いに退団して模索しながらの毎日ですので、良い意味で支え合っていきたいよね。
赤根 はい、よろしくお願いします!
──女優としてのお2人の共演もとても楽しみですが、では改めて意気込みをお願いします。
霧矢 魅力的なキャストの皆さんと、白井さん演出による舞台版の『ビッグ・フィッシュ』、寒い2月ではありますが、ハッピーになれる作品ですので是非劇場に足をお運び頂ければと思います。お待ちしています。
赤根 私は年頭から舞台に関われるのがすごく好きなので。
霧矢 わかる! エンジンかかるよね!
赤根 はい。ですからこの温かいカンパニーの皆さんと、更にお客様と一体になってスタートが切れるのを本当に楽しみにしています。頑張りますのでよろしくお願いします!

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きりやひろむ○大阪府出身。1994年宝塚歌劇団入団。2010年月組トップスターに就任。 平成21年度、文化庁芸術祭演劇部門新人賞受賞。12年4月、宝塚歌劇団を退団。退団後は女優としてスタート。『マイ・フェア・レディ』『オーシャンズ11』『I DO! I DO!』『ヴェローナの二紳士』『ラ・マンチャの男』『レミング』『THE LAST FLAPPER』など多彩な作品に出演している。第22回読売演劇大賞優秀女優賞受賞。

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あかねなな○富山県出身。2003年に宝塚歌劇団に夢咲ねねとして入団。月組に配属後の05年、『エリザベート』の新人公演でエリザベート役に抜擢、一躍注目を集める。08年星組に組替え。09年、星組トップ娘役に就任。『ロミオとジュリエット』『オーシャンズ11』など大作のヒロインとして活躍、15年に宝塚歌劇団を退団。退団後は『サンセット大通り』『1789-バスティーユの恋人たち-』に出演。17年5月には『グレート・ギャツビー』のヒロイン、デイジー・ブキャナン役が控えている。

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※この舞台はえんぶ4月号で特集します。お楽しみに!


〈公演情報〉

ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
脚本◇ジョン・オーガスト 
音楽・詞◇アンドリュー・リッパ 
演出◇白井晃
出演◇川平慈英 浦井健治 霧矢大夢 赤根那奈 藤井隆 JKim、深水元基、
鈴木福・りょうた(Wキャスト)、鈴木蘭々、ROLLY ほか
2/7〜28◎日生劇場
〈お問い合わせ〉03-3201-7777(東宝テレザーブ)



【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳(人物) 竹下力(舞台)】




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