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新橋演舞場で2月1日から12日まで上演される舞台『二月喜劇名作公演』で、中村梅雀と大和悠河が初共演する。演目は「恋の免許皆伝」、この『二月喜劇名作公演』は2本立てで、もう1つの演目は喜多村緑郎と河合雪之丞の出演する「江戸みやげ 『狐狸狐狸ばなし』」となっている。

「恋の免許皆伝」は明治43年に初演され、松竹新喜劇で近年再演されている「四海波」(作・一堺漁人)を、門前光三が脚色・演出するもので、上方発祥の傑作喜劇。共演に新派の波乃久里子、松竹新喜劇から藤山扇治郎、曽我廼家八十吉らが出演する。

【あらすじ】
泉州岸和田藩の武芸指南役の娘浪路(大和悠河)は、父譲りの剣術の腕前に加えて器量よしで、若い藩士や門弟たちの憧れの的だ。その婿養子に名家の出で剣の使い手である高砂頼母(中村梅雀)を迎えることになった。人柄も容姿もいい頼母に浪路は一目で恋してしまう。だが婿の腕前を見る木刀での試合で、頼母は浪路に負けてしまう。己の未熟を恥じた頼母は、腕前を鍛えるための武者修行に出る。頼母を愛する浪路は待ち続け、20年の時を経て戻った頼母と再び対戦することに…。
3場構成で2人の40年後まで描かれる、笑えて泣ける物語となっている。

※公演フォトレビュー追加しました。(2月5日) 

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この「恋の免許皆伝」の主演をつとめる中村梅雀と大和悠河、2人を囲む記者取材会が1月23日に行われ、それぞれ抱負を語った。

──この物語でおふたりは場面ごとに20年経った姿で登場するそうですね?
梅雀 40年間という長きにわたる2人の愛を3場面で見せるというお芝居で、人生の究極の3日間です。僕は22歳、42歳、62歳の姿で登場しますが、色々な状況の変化で、最終的には激変します(笑)。こちらはずっと美しいです。
悠河 いえいえ(笑)。私は19歳から始まります。次は39歳で女盛りの年頃で、最後は59歳です。でも今の59歳よりは老けた感じになると思います。
梅雀 その年齢まで2人とも愛をひたすらに貫くのですから純愛ですよね。今の時代ではあり得ないようなお話で、面白くて可笑しくてバカバカしくて、でも切なくて、でもお終いはとても幸せな気持ちになっていただけます。
──3回、立ち合いをするわけですね? 大和さんはたしか宝塚でも立ち廻りは?
悠河 ありました。洋物のほうが多かったですけど和物もありました。浪路は刀を持つと激変するお嬢様なのですが、私も刀を構えると血が騒ぐというか(笑)。
梅雀 見事に目つきが変わってます(笑)。立ち廻りは所作指導の尾上墨雪先生が、とても良い殺陣をつけてくださいまして、やってて楽しいし、観ているお客様も喜ぶものになっています。いわゆる形の立ち廻りではなく、リアルでスピード感があって、意外性も十分にあります。そして、3場がそれぞれ雰囲気が違いまして、原作者が歌舞伎出身の方なので、僕も久しぶりに渡り台詞を言ったりと、歌舞伎的な要素もありますが、基本はリアルなお芝居です。
──この『喜劇名作公演』は歌舞伎、新派、新喜劇、宝塚と色々な出身の方が参加されてますが。
梅雀 基本的に和物の基礎を身に付けている方ばかりです。そして舞台に慣れている方々、お客様の呼吸のつかみどころを知っている方ばかりで、しかもアイデアがそれぞれから出てきますから、稽古場から刺激的ですね。
悠河 私は初参加なのですが、皆さん立ったらすぐその場面の空気を作られる方ばかりで、梅雀さんにも、昨年、新派でご一緒した波乃久里子さんにも、色々教えていただいています。皆さんがあまりにお上手で、見ていて思わず笑ってしまったり(笑)。

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──共演は初めてだそうですが、お互いの印象は?
梅雀 なんといってもよかったなと思うのは、40年間思い続けることが出来る方で(笑)、真っ直ぐな可愛さがあるんです。抱きしめる場面が何回かあるんですけど、本当に可愛いなーと思いますし、悠河さんでよかったなと思います。
悠河 そんなふうに言っていただけるなんて。私がまだ慣れなくてぎくしゃくしているときも、包み込んでくださるので、本当に有り難くて、引かれないようにしないと。
梅雀 全然そんなことないですよ。
悠河 本当に優しくて、嬉しいです! 初めて抱き合うシーンを稽古したとき、思いのほか恥ずかしくて、あがってしまって、今までにないぐらい汗が出まして(笑)。「私は恥ずかしいんだ?!」と自分で思いました(笑)。
梅雀 いやあ、本当に初々しくて、真っ直ぐで、可愛いです!
──場面ごとに老ける姿はどうなりそうですか?
梅雀 そこはお楽しみに(笑)。久しぶりに3種類の外見を作るので、変身願望が満たされて、楽しいです。
悠河 初めて62歳で出てこられたときは、思わず稽古場で笑いが起きました(笑)。ここまで変わるのかというくらいの姿で出てこられるんです。思わず「こんなになるまで修行していたんだ」と。
梅雀 その老いて出ていくときは、動きや呼吸も全身を使ってますから、かなりの疲労感があるのですが、幕切れがそれを吹き飛ばすくらい喜ばしくて幸せで。それにその場面も墨雪先生が素晴らしいアイデアを出してくださったので、僕は乗りに乗ってます(笑)。お客様がそこで泣き笑いをしてくださったら最高ですね。
──大和さんは最近和物の舞台への取り組みが多いのですが、いかがですか?
悠河 昨年の新派公演『糸桜』を体験して、奥が深くて素敵だなと思いましたし、日本語もとても綺麗ですよね。そして久里子さんのお芝居がどんどん進化されていくのを拝見して、すごいなと。自分ももっと勉強したいなと思っています。
梅雀 すごいですよ、毎日かわいい着物でフル装備で来ますから(笑)。久里子さんなんか「毎日、すごいわね。こんな人いないわよ」と。
悠河 とにかく着慣れないので、着ている時間を長くして慣れないとと思っていて。宝塚の男役でもそうでしたが、着るものから役に入っていくほうなんです。
──大和さんはこれだけ長い人生を演じるのは?
悠河 初めてです。子供のある役まではやりましたが。3場では見た目はうまく変化させながら、内面のピュアさを保ちながらと思っています。 

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──これは喜劇ですが、どんなふうに演じようと?
悠河 周りの方々が面白く演じられているのを見て、私もちょっと案を出してみたのですが、私は笑いを取りにいってはいけないんだと気づきました。浪路は本当に一途に思っているだけでいい、お客様がそこを面白く思ってくださればいいので、本当に真面目にやろうと思っています。
梅雀 周りの方たちが笑いを誘って、空気をゆるめてくれるおかげで、2人の純愛がさらにギュッと引き締まるんです。そういうバランスの良さを掴める方がいっぱい周りにいますので。
──では最後に意気込みを。
梅雀 毎年恒例になりました『二月喜劇名作公演』ですが、やっぱり観にきてよかったねと言っていただけるように頑張ります。ちょっとほんわかして、ウルッときて、最後は幸せな気持ちになっていただけると思いますので、ぜひ観にいらしてください。
悠河 こんな素敵な役をさせていただけることを、本当に有り難く思いますし、梅雀さん久里子さんをはじめ、新派の方、新喜劇の方、皆様とこういう幸せになれる作品に取り組めるのがとても嬉しいです。全身全霊で取り組みますので、ほっこりしに来ていただければ嬉しいです。

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【公演フォトレビュー】
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舞台撮影/竹下力

公演情報〉
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『二月喜劇名作公演』
一、「恋の免許皆伝 一堺漁人作『寿祝う 四海波』より」
 脚色・演出:門前光三
 演出補:成瀬芳一
 出演:中村梅雀、大和悠河、波乃久里子、藤山扇治郎、曽我廼家八十吉 ほか
二、「江戸みやげ『狐狸狐狸ばなし』」
 作:北條秀司
 補綴・演出:成瀬芳一
 出演:市川春猿改め河合雪之丞、喜多村緑郎 / 渋谷天外、曽我廼家寛太郎 / 山村紅葉 ほか
●2/1〜12◎新橋演舞場
〈料金〉1等席13,000円 2等席8,500円 3階A席4,500円 3階B席3,000円  桟敷席14,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489
http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/schedule/2017/2/post_306.php 





【取材・文・撮影/榊原和子】


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