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宝塚歌劇団で1996年に初演され、宝塚のみならず日本のミュージカル界の大きな財産演目となったミュージカル『エリザベート』の初演から数えて20周年を記念し、宝塚の歴代キャストが華々しく集っての夢の祭典、三井住友VISAカードpresents『エリザベート』TAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラコンサートが、12月9日〜18日大阪・梅田芸術劇場メインホールで、また2017年1月8日〜20日、東京・Bunkamuraオーチャードホールにて開催される。

このガラコンサートは、これまで『エリザベート』の歴史を創ってきた宝塚歌劇版の歴代キャストによって、96年の雪組初演メンバーによる【モニュメントバージョン】、扮装でのコンサート形式の【フルコスチュームバージョン】、歴代出演者が競演の【アニヴァーサリーバージョン】と、それぞれ異なる3つのバージョンが上演され、それぞれに夢を描いたファンと共に、ミュージカル『エリザベート』の20周年を祝おうという、盛りだくさんな内容だ。

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そんな作品の制作発表記者会見が、11月4日都内で行われ、トート役を代表して一路真輝、麻路さき、姿月あさと、彩輝なお、春野寿美礼、水夏希、エリザベート役を代表して大鳥れい、白羽ゆり、このガラコンサートで初めてエリザベート役に挑戦する龍真咲(大阪公演のみ。東京公演ではルキーニ役での出演)、宝塚歌劇団専科の現役生・凪七瑠海という、豪華10名の出演者と、演出の小池修一郎、中村一徳、そして協賛会社の三井住友カード久保健社長、主宰者の梅田芸術劇場大塚順一社長が登壇。作品への思いや、コンサートへの意気込みを語った。

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まず、主催の梅田芸術劇場代表取締役社長大塚順一氏から、ミュージカル『エリザベート』の宝塚初演から20周年、作品は宝塚歌劇団のみならず日本を代表するミュージカルとなったと言っても過言ではない。その『エリザベート』20周年を記念して、06年、12年に続きガラコンサートを宝塚歌劇団の協力のもと、開催できることを喜んでいる。是非ご期待頂きたい。また協賛会社の三井住友カード株式会社代表取締役社長久保健氏より、『エリザベート』は初演から9演目までの宝塚歌劇団でのすべての公演、またガラコンサートを協賛してきた思い入れの強い作品で、20年の成長が感慨深い。それぞれの演者の個性によって新たな魅力が生まれる作品なので、20年と言わず30年、50年と続いてもらいたい。今回は歴代の素晴らしいスターが集まっての公演で、一ファンとしても大いに期待している。また新たな『エリザベート』のファンが生まれることと思う。大成功を祈念していると語られた。
更に、演出の小池修一郎氏から、梅田芸術劇場主催になる前の、97年に行われた初回を含めたこれまでの『エリザベートガラコンサート』の歴史が語られ、『エリザベート』がミュージカル版だけでなく、ガラコンサート版としても年月を重ね、ますます厚みを増して盛り上がってきている。『エリザベート』に取り組んだ出演者たちが男役として、また娘役として青春をかけて思いを込めてくれたからこその20年であり、当時の思いに更に年輪を重ねた今、このガラコンサートも円熟味を増した、色々な発見のあるものになると期待している。スケジュールの都合もあり、演出に中村一徳さんのご協力を頂くが、フォーマットは残しているのでディテールに工夫をこらしてくれると思う。よろしくお願いしたいという言葉がある。
それを受けて演出の中村一徳氏からは、宝塚初演の20年前に演出助手として参加して以来、02年の花組公演版までスタッフとして関わらせて頂いた。そのあと10年以上遠ざかっていた『エリザベート』に、20周年の今回小池先生から声をかけて頂いて、ガラコンサートに携われることは光栄の一言だ。初演に賭けた情熱を思い出すし、それから今までキャストの方々の熱意があって、日本で1番愛されるミュージカルになっていった。その経緯に関われたことを誇りに思う。ガラコンサートも歴史あるものになり、すでに稽古も始まっているが、トート役、エリザベート役ばかりでなくアンサンブルの面々までとても華やかなものになっているので、お客様には当時を懐かしんで頂くと同時に今のメンバーの魅力あふれるものとして楽しんで頂けると思う。初日まで稽古に励んでいくので、ご期待頂きたい。と、それぞれの立場からの挨拶があり、出演者の挨拶へと引き継がれた。

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【出演者挨拶】

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一路真輝
 今回トート役をさせて頂きます。今、この記者会見の席で小池先生や皆さんのお話を聞いていて、96年の初演の記者会見のことを思い出しておりました。トートの扮装をして私が出て参りました時に、ほとんどの皆様から、宝塚の男役トップスターが死神をやるのか?という恐ろしいほどの殺気を感じました。いらっしゃっている皆様方のです。私も小池先生も何としても良いものを創らなければという思いが、その記者会見の日から始まったような気がします。おかげで本当に命がけで、雪組全員が『エリザベート』という作品を創ったということを今思い出して、20年経った今、また皆様の前でこうやってお話をさせて頂けていることにすごく感謝しております。愛される『エリザベート』になったことを、本当に嬉しく思っています。これからもずっと『エリザベート』が愛されていって、小池先生が長生きしてくれれば良いなと思っております(笑)。どうぞよろしくお願い致します。

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麻路さき
 私は一路さんの後に2作目のトートという形で宝塚歌劇団でさせて頂いたのですけれども、20年前は正直やるのが嫌でした。小池先生に若気のいたりで「嫌です。やりたくありません」と言って、トート役をお断りさせて頂いた経験があります。雪組さんのバージョンを観て本当に素晴らしかったので、これを次に自分がやるというのは、あまりにもプレッシャーで耐えられないという性格だったので、本当にあの時は辛かった記憶が今でもあります。でも歌劇団員なのでやることになりまして、一生懸命あの時の力を振り絞ってやって、今、本当にあの時にトートをさせて頂いていたからこそ、今ここに居させて頂けるのだなと思うと、自分のワガママを振り払ってださったことに感謝しております。私は10年目の時のガラコンサートに参加させて頂いたのですが、なんて素晴らしい作品に参加できたんだろうという喜びと同時に、10年経った自分がまた違う気持ちでトートに取り組めているという喜びも感じながらやらせて頂きました。それから今回20周年で、また10年ぶりにトートをさせて頂くということで、生きていてまたトートがやれて良かったというのが実感です。回数は少ないのですが、ほとんど昔のメンバーでできる星組バージョンに出させて頂きますし、自分の大好きなトートを頑張って演じたいと思います。よろしくお願い致します。

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姿月あさと 一路さんの雪組の初演、麻路さんの星組と観させて頂いて、本当に大好きな作品で、まさか自分が出させて頂けるとは思っていなかったのですが、宙組でさせて頂きました。その時の千秋楽の時に、鬘を脱いでお衣装を脱いだ時に、もう二度とトート役はしないんだろうなという感極まる思いで、大変難しかった役とのお別れをしたものの、退団してから2006年、そして2012年、そしてまた今回で3度目になります。こんなにも退団してからトートという役、また『エリザベート』という作品に、まさか出会えるとは思っていませんでした。昨日も衣装合わせがあったのですが、当時のままのお衣装がそのまま残っていて、それが残っていることにも宝塚の歴史と言いますか、本当にすごい作品なんだなとしみじみ思っています。観ているのと、演じるのとは大変違っていて、観ていて素晴らしいと思うところと、演じていての難しさ、自分にとっての新たな試練と言いますか、挑戦の時がまたやってきたんだなという思いで、ひと公演、ひと公演、1回1回のお稽古を大事にして、2度と戻らない時間を大事に過ごしたいと思っております。そして一路さんと同じで、小池先生にはいつまでもお元気で頂いて(笑)、小池先生に見て頂けたら嬉しいなと思います。見てくださいね。

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彩輝なお
 私はこの作品には麻路さんの星組公演の時に革命家の1人として、そして新人公演でトートをさせて頂きました。そして5組目となります05年の月組公演の時に、退団公演としてトートをやらせて頂きました。当時退団公演に『エリザベート』というお話を頂いた時に、最後まで試練なんだと深く心に感じたことを思い出します。ですが私の中で今思いましても、この作品、この役は大変思い入れの深い役となりました。再びこのような形でトートをさせて頂くことになるとは私も思ってもいなかったのですが、2012年に再び出会い、そして今回もこのお話を頂いて、トートと改めて向き合いいつもいつも自分を思い知らされると言いますか、成長を感じさせられると言いますか、そういった役と機会を与えて頂けたと思っています。それだけ作品の大きさ素晴らしさを感じています。今回また新たに一役者として、宝塚を愛する、『エリザベート』を愛する者として、役に向き合い掘り下げてまだまだ課題もあるのですが、向き合って大切にしたいと思います。よろしくお願い致します。

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春野寿美礼
 私は2002年の花組公演でトートを演じさせて頂きました。雪組の初演からすでに6年が経っておりまして、その間に星組さん、宙組さんの『エリザベート』があり、その次にやらせて頂きましたが、ひと公演ひと公演ごとに『エリザベート』は皆様からの大変なご支持を頂き、魅力を増して知名度も上がりという中で、トートを演じさせて頂く機会を与えてくださいました。でもそれは本当に大変なことで、毎日押しつぶされていました。当時は、何故自分がこんなに押しつぶされているのかがわからないくらい必死に舞台に立っていたのですが、今思えばやはり『エリザベート』という作品の魅力が大きすぎて、魅力に押しつぶされていたのかなぁと思っています。そして今回20周年を迎えたということで、私もそのひとコマになれたというのは、とても幸せなことだと感じていまして、先輩や先生方が苦労して創られた土台というものを大切にしながら、今自分が表現できることを歌に包み込んでお聞かせすることができたらいいなと思っております。どうぞよろしくお願い致します。

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水夏希 ガラコンサートに初参加させて頂きます。私は2007年に『エリザベート』をやらせて頂いたのですけれども、それはお披露目公演でしたので、本当に無我夢中で。今、稽古が進んでおりますが、当時は本当に何も見えなくて、周りの方に助けて頂いて公演が出来たんだなぁという、改めてこの作品の難しさと魅力をしみじみと感じております。私は元々宝塚に入ろうと思ったのは、自分ではない自分になれる、すごく濃いメイクをして変身できるというのが、宝塚を目指した一番のきっかけでした。ですからこのトートというのは、人間ではない死神ですので、自分の中ではある種の特殊メイクをさせて頂けたのがとても楽しくて。退団してからはなかなかそういう特殊メイクをする機会はないので、今回退団して7年目になりますが、また特殊メイクができる、そして『エリザベート』の男役の衣装を着ることができるというのはすごく嬉しいです。と言いながら本当に難しくて苦戦しておりますけれども、宝塚の男役として過ごした20年間と、退団してからの、性転換してからの6年間、全てを費やして精一杯命がけでトートを演じたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

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大鳥れい
 私は2002年の春野さんのお披露目公演の『エリザベート』で退団をさせて頂きました。エリザベートいう大きな役をさせて頂けるということで、退団を決めたのですけれども、その時は、先ほどの春野さんのお話とは真逆で、私は本当にこの役ができることが幸せで、体力も気力もすべて充実している時にさせて頂けたこともあり、楽しくて仕方がなかったです。女性の生涯を演じられるという役柄はなかなか宝塚にはなくて、この役で退団しようという思いでエリザベートを演じたので本当に楽しかったのですが、その後退団して、このガラコンサートは2度目なのですが、その度毎にこの役の大きさを感じるようになりまして、当時はなんて怖いもの知らずだったのだろうと。役が大きくてやることがたくさんあったこともありますが、今は色々な経験をして人生を経て、深く感じることが多い役だなと、今回は一番プレッシャーと言いますか、難しい役柄だと感じながらお稽古をしております。そして、今回新たに加入する龍真咲さんがエリザベートを演じられるのですけれども、今お稽古場で一緒にお稽古させて頂いていて、彼女のこの若さとキラキラには敵わないな、とそればかり思ってしまっていて(笑)。これに敵うには経験と哀愁だなと(笑)そこで演じるしかないなと思っております。また一から脚本を読み、哀愁と経験で演じきりたいなと思います。よろしくお願い致します。

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白羽ゆり
 私は入団1年目の時に、宙組の姿月さん花總さんの『エリザベート』に出演させて頂いています。その時はまだ下級生で後ろの方で司祭役で男役をやったりしていました。稽古場ではナイフの小道具を花總さんにお渡ししたり、その数年後に自分がエリザベートを演じるとは夢にも思っていなかったのですけれども、今こうして改めて、宝塚時代にこの作品とエリザベート役にめぐり会えたことは、本当に自分にとって財産となる幸せなことだったのだなと実感しています。私は宝塚が大好きで入団して、本当に青春でした。その頃の懐かしさと新鮮さはそのまま大切にしたいですし、今は卒業したからこその深みと思いが出たらいいなと思っております。頑張ります。どうぞよろしくお願い致します。

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龍真咲
 この度私は大阪ではエリザベート役を、そして東京ではルキーニ役をさせて頂きます。エリザベート役に初めて挑戦させて頂くのですが、麻路さんの大きな愛と大きな包容力と、そして彩輝さんの繊細な愛と妖艶な光という胸を借りてエリザベートの波乱万丈な人生を歩んで参りたいと思います。そして東京のルキーニ役では宝塚歌劇を卒業したはずなのに、すぐに男役を演じるということは、ちょっと女性に戻ろうと覚悟をしていたのに、1歩を踏み出して1歩戻るような感じなのですけれども(笑)、またここでルキーニという役にめぐり会えたことにご縁を感じて、しっかりと両役共に楽曲のエネルギーに負けないように演じたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

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凪七瑠海
 まさかもう1度再びこの役にめぐり会えるとは思っていなかったので、大変光栄に思っております。そして現役生という立場でありながら、宝塚の素晴らしい卒業生の方達とご一緒できる、本当に幸せだと感じております。少しでも吸収して帰りたいと思っています。当時私は宙組の男役としてやっていたのですが、特別出演という形で月組に出させて頂きました。その時のことは、私にも衝撃的だったのですが、皆様にとっても衝撃的だったと思います。どうなるんだろうと思われたことと思います。私は歌の面はもちろん、精神面でも鍛えて頂きましたので、今思えばエリザベートを乗り越えられたから、今なんでも乗り越えられると思えるほどでございます。あれから7年ほど経ちましたけれども、また新たな気持ちで挑戦したいと思っております。

【質疑応答】

──20周年を迎えた『エリザベート』ですが、初演当時にこの日が来ると予想しておられたでしょうか?また、なぜ20年続けることができたのか、改めて『エリザベート』の魅力を教えてください。
小池 当初は全くこんな日がくるとは思っておりませんでした。初演の時には、さっき一路さんがおっしゃいましたが、幕が開いてからの反響は大きかったですが、まず一路さんの退団公演であるとということが一番大きな課題でした。一路さんのファン、また雪組を愛する方達が最後の公演で、毛色の変わった役をしたことに対してエールを送って頂いたという印象が強かったです。その後星組でやり、また宙組でやったところで、再演を重ねていける演目になったかな?というのが実感でございます。思い出しますのは、初演の幕を開けてから1週間経っていなかったと思うのですけれども、当時阪急電鉄株式会社の会長さんでいらした小林公平さんが私たちを集めまして、このまま続けて4組でやりなさいという指示をお出しになって、まず次は星組でという指定をなさったので、麻路さんの話にもありましたが、小林公平さんは素晴らしいプロデューサーでらしたのだなと、今更にして改めて思う次第です。そして、なぜここまで続いたかですが、音楽が素晴らしく、そして、日本人がハプスブルク家が好きなど、この作品が長く愛されている要因はたくさんあると思いますが、作者のクンツェさんとリーヴァイさんが20周年の記念本で回想録として語っておられるのを読んで思ったのは、制作過程では暗いシーンばかりが続いていたのだけれども、エリザベートが焦がれる「死」を具体的な役としてを登場させることによって、この作品がラブストーリーであり、逆説的にハッーエンドになると閃いたと書いていらして、その閃きこそが宝塚という存在にベクトルが向いた、矢印の針が宝塚という方向を向いたのだと思います。もちろんその時クンツェさんは宝塚をご存知なかったと思いますし、また宝塚で上演されるとも思っていなかったと思いますが、そのクンツェさんの発想が、宝塚歌劇にピッタリであったということだと思います。あとは宝塚のヒットした作品と言いますと『虞美人』と『ベルサイユのばら』とそして『エリザベート』と言えるかなと思うのですが、その共通点はある国の王朝が滅びる時に、そこに至る軌跡に王妃や美女が関わるというそのパターンにピタリとハマっていたというところではないかと思っております。

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──『エリザベート』に初めて携わった時の印象や、最も苦労した点は?
一路 私は先ほども申し上げたように、宝塚で男役がする役柄としてはまずとてもハードルが高いなと思ったのと同時に、先ほど小池先生がおっしゃったように、宝塚の男役の魅力が一番出る役柄がトートではないかなと、ウィーンで初めて観た時に男性が演じていたのを観て、これは絶対に宝塚の男役がやると非常に魅力がアップされるだろうと思いましたので、まずそこを皆様にお伝えしたいなと思ってやりました。ですがやはり最初でしたので、「死」というものの表現に何が一番相応しいのかがわからなくて、私の初演バージョンで小池先生と話したのは、「愛と死の輪舞」という宝塚バージョンに創って頂いた歌詞にある、「蒼い血が流れている」というのをメインに、私はやらせて頂いたので、氷のように冷たいトートを私は目指しました。

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麻路
 私はやはり歌が中心のミュージカルということで、そこで一番苦労しました。私はどちらかと言うと動いたりですとか、色々な表現をする中で、ガッチリしたタイプの男役だと言われていたので、蒼い血が流れている線の細いトートはできないだろうと自分の中では思ったので、じゃあ私は、もし人間じゃない人が人間っぽくなってしまったとき、人間じゃないはずなのにという迷いのような部分を創りたいなと思いました。どちらかというとエリザベートを好きになってしまって、人間の男性でもそうだと思うのですけれども、いつもの自分ではなくなってしまった部分を、全体的に表現したいなと。ちょうどその時に、(エリザベート役の)白城あやかちゃんが退団公演だったので、感情的に似た部分があったんですね。先に相手役を送り出すという。それがちょうどダブっていたので、精神的にはすごく入りやすく、自分の役作りが出来たのですが、何しろ楽曲が多いことでダンスなど他の部分で見せられない分、ちよっとした間奏や前奏の中で自分が舞台に立っている居場所を創りたいと思って、表現させて頂きました。

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姿月
 この作品はやればやるほど大変難しい作品で、リーヴァイさんが5年もかかって作曲をなさったということで、1音1音を無駄にすることなく読みこんでいくという難しさと、楽しさと、私は黄泉の帝王ということで、現役時代は中性的な黄泉の帝王感と、クラシックの中にロックテイストが入っているのを意識しながら演じていました。音楽からも中性的な帝王感を感じています。

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彩輝
 私も楽曲の大きさ、繊細さ、歌で表現しなければならないという、表現が限られる、芝居で歌うだけでは済まされない曲の大きさには、大変苦労しました。自分の中では今でも課題が残っていると感じるくらい難しいと感じています。自分の役作りとしましては、もちろん歴代のトートさんも観ていますし、作品と音楽の中から素直に感じる感覚を大切にしました結果、たぶん、というのは自分で演じていておかしいですが(笑)、その繊細な部分であったり、冷たさ、怖さ、人間でない部分を大切に、そして大きさを心がけていたと思います。

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春野
 私は『エリザベート』というミュージカルのお客様がイメージするものと、自分が先輩方が演じてこられたものを観て描いた理想と、自分の本当の気持ちとのギャップが少しあったようで、そのイメージにとらわれてしまってなかなか自分の本当の気持ちが出せなかったので、そこが一番苦労した点でした。黄泉の帝王とか、死といったものが、気持ちというものを強く表現するのはどうなんだろうか?と思ったのですが、自分自身の気持ちを大切にトートを演じさせて頂きました。

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 楽曲の難しさはもちろんなのですが、この作品をさせて頂くにあたって、白羽ゆりちゃんと彩吹真央ちゃんと3人でウィーンに行かせてもらった時に、2人の役は実在の人物でしたので、シェーンプルン宮殿ですとか、あちこちを見る度にどんどん役が膨らんでいって、「イメージが膨らんだ!ああ来て良かった」と言っていたのに、私1人どこにもイメージを助けてくれるものがなくて(笑)。じゃあ役作りをどうしたらいいんだろう?と思っていたのですが、その後にプライベートでイタリアに旅行した時に、宗教画を見て、「受胎告知」ですとか「ピエタ」とかそういう美術品を見て、天と地、人の命、天使、神など、そういうものからイメージできたので、その役作りが難しかった点であるとともに、それらに助けられてトートを創っていきました。

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大鳥
 エリザベートというのは実在の人物で皇族ということで、バイエルンの田舎の活発な少女がどうしてこんな数奇な運命をたどってしまったんだろう、というところが難しかったです。資料などを読ませて頂いたり、シェーンプルン宮殿にも行かせて頂いのですが、これはなかなか経験がないので、苦しんだところです。日々エリザベートの気持ちに寄り添うことが難しかったです。

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白羽
 私も実在の人物を演じることがずっと夢でもありましたので、まず色々な資料を読んで実在のエリザベートに近づくことができたらなという思いでした。あとはウィーンに行かせて頂いて、ウィーン版のミュージカルがちょうど日本に来たときでもありましたので、ウィーンのスタッフの方達と色々お話させて頂いたんです。その時にエリザベートは決してシンデレラとか、悲劇のヒロインとして演じて欲しくないと言われたのがすごく印象に残っていて、野性的な部分とか強さも自分の中で意識して演じることができたらと思って、その時は演じていました。でもまた少し年齢を重ねているので、深みとかも少し変わってきているので、その部分も今回新たな発見として挑戦していきたいと思っています。
 
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 私はただいま絶賛楽曲と奮闘中でございますが、今のところこれは言えるなと思うことは、余計なものをつけずに、そのメロディが流してくれる歌詞であったり感情をしっかりつかんでいくということが、私の中で一番の課題だと思っております。

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凪七
 当時は私は女役としてどうやって立ったらいいのかも、また大劇場で1人で歌うことも初めてでしたので、その技術的なものにとらわれ、費やす時間が最初は多くなってしまったのですが、そこから役作りを同時進行で考えた時に、歴代の方達を拝見したイメージに、なかなかたどり着けないもどかしさがたくさんありまして、こういうエリザベートをやりたいけれどもなかなかできない。ではそのイメージをまずは取り払って、エリザベートとはどういう人なのだろうという根本のところから、創り上げなければダメだと、行ったり来たりを繰り返しだったのですが。また今回は繊細な部分も、もう年月も経ちましたし、大切に内面を深く追求していきたいと思っています。


〈公演情報〉
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三井住友VISAカードpresents
『エリザベート TAKARAZUKA 20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』 
脚本・歌詞◇ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲◇シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナル・プロダクション◇ウィーン劇場協会
構成・演出・訳詞◇小池修一郎
演出◇中村一徳
●2016/12/9〜18◎梅田芸術劇場メインホール 
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3800
●2017/1/8〜20(金)◎Bunkamura オーチャードホール
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場(東京)  0570-077-039



【取材・文・撮影/橘涼香】




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