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宝塚歌劇団での本邦初演から20周年を記念したミュージカル『エリザベート』を大成功のうちに終わらせ、ますます意気上がる朝夏まなと率いる宝塚宙組が、2017年ミュージカル・コメディ『王妃の館─Chateau  de la Reine─』スーパー・レビュー『VIVA! FESTA!』を上演することになった(2017年2月3日〜3月6日宝塚大劇場、3月31日〜4月30日東京宝塚劇場での公演)。

ミュージカル・コメディ『王妃の館─Chateau  de la Reine─』は、「鉄道員」「壬生義士伝」など数々の傑作小説を世に送り出した作家浅田次郎のベストセラー「王妃の館」を原作に、宝塚歌劇ならではの演出を加えて作り上げられるミュージカルで、脚本・演出を担当する田渕大輔の大劇場デビュー作品。太陽王ルイ14世が残した「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ(王妃の館)」を舞台に、曰く付きのツアーに参加した個性豊かな登場人物たちが織りなす人間模様がコミカルに描かれていく。

そしてもう1本のスーパー・レビュー『VIVA! FESTA!』は、中村暁の作・演出によるレビュー作品。人々が非日常の空間に集う FESTA(祭り)をテーマに、リオのカーニバル、中欧・北欧に伝わるヴァルプルギスの夜、スペインの牛追い祭り、日本のYOSAKOIソーラン祭りなど、世界各地の FESTAを描いた各場面が、宙組のパワー漲るメンバーによって繰り広げられていく。

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そんな、期待の2作品の制作発表会見が10月26日都内で行われ、宝塚歌劇団理事長小川友次、演出家の田渕大輔、中村暁、、出演者を代表して、宙組トップコンビ朝夏まなと、実咲凜音、そして『王妃の館』原作者の浅田次郎が登壇。作品への抱負を語った。

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まず会見は、朝夏まなと&実咲凜音によるパフォーマンスからスタート。実咲演じる弱小旅行代理店の女社長兼、ツアーコンダクター桜井玲子が、経営難に陥っていたパリの高級ホテル「シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ」とタッグを組み、高額の「光ツアー」格安の「影ツアー」、それぞれの客に同じ客室を利用させる、という奇策に打って出たことを、朝夏演じるツアー客の1人であるセレブ気取りの恋愛小説家、北白川右京に見破られる場面の芝居が展開される。倒産寸前の弱小旅行代理店をなんとか守ろうとした玲子と、スランプに苦しんでいる作家の右京が、互いの心のうちを星空の下で打ち明けあい、やがて歌になっていく流れが美しく、ミュージカル版ならではの「王妃の館」への期待が高まった。

そこから会見の出席者全員が登壇。それぞれの挨拶から記者会見となった。

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【登壇者挨拶】
 
小川友次 本日はお集り頂きありがとうございます。そして浅田次郎先生にもご出席を頂きまして本当にありがとうございます。宝塚歌劇は102周年を迎え、皆様のおかげで順調な歩みを進めております。また先日まで上演しておりました、宙組朝夏まなと主演の『エリザベート』も大盛況でございまして、宝塚初演から20周年となる記念公演をこのように終えられましたこと、ご支援の賜物と感謝致しております。そして来年宝塚103周年、朝夏の宙組の4作目、『エリザベート』の後にどんな作品がいいだろうかと色々と考えたのですけれども、朝夏の全国ツアー作品『メランコリック・ジゴロ』を観て、あぁ、コメディも良いのではないか、ということから検討し、浅田先生の「王妃の館」が出て参りました。そこで舞台化をお願い致しましたところ、浅田先生からOKが頂けて本当に嬉しく存じましたし、田渕大輔君の大劇場デビュー作品と言うことで、シノプシスも面白く書けております。今、パフォーマンスを、あぁこういう風にミュージカルになるのかとご覧頂けたかと思いますが、宝塚的に出来ていると思いますので是非ご期待を賜りたいと思います。またレビュー『VIVA! FESTA!』の方でございますが、来年は日本初のレビュー『モン・パリ』誕生から90周年の年でございまして、私共はレビュー・カンパニーですから、中村暁先生が面白くまとめてくださると思います。朝夏を中心にこの2作で宙組は更に盛り上がっていくと思います。皆様どうぞよろしくお願い致します。
 
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浅田次郎 これまで実は宝塚を観たことがありませんでした。ミュージカルは好きなので、興味はあり是非1度観たいとは思っていて、お誘いを頂いたこともあったのですが、男1人では気が引ける、とは言え男2人でも(笑)。そうかと言って女性編集者に「宝塚が観たい」とも言い出せず、という状態でいたところ、本当に望外な「王妃の館」の舞台化のお話になり、躍り上がって喜んだという次第であります。「王妃の館」はお笑い小説です。私は色々な小説を書きますが、中でも「王妃の館」は徹頭徹尾オヤジギャグを散りばめた不思議な小説です。ルイ14世にはとても興味がありますし、パリも大好きですし、パリにいる間に思いついた小説で、そういう作品がこういう形で舞台になることは大変喜ばしく、今から楽しみでなりません。映像化でも舞台化でもそうなのですが、嫁に出した娘という感覚なので、どれだけ幸せになるのかを見ている父親の心境ですべてお任せしています。よろしくお願い致します。

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田渕大輔
 今回私は初めて宝塚大劇場の作品を担当させて頂くのですが、朝夏と実咲主演でということで、是非コメディがやりたいと思っておりまして、話が進み、浅田先生の「王妃の館」をミュージカル化させて頂けることになりました。先生の作品のお力をお借りして、2人の魅力をお届けできるような作品を作っていけたらいいなと思っております。浅田先生のお嬢様をお預かりしたような気持ちで、作品に登場する濃いキャラクターを私自身が先生の作品から感じる、ハートウォーミングなものに仕上げたいと思っています。よろしくお願いします。

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中村暁
 理事長からお話がありましたように、2017年は『モン・パリ』誕生90周年ということになります。宝塚歌劇にとって『モン・パリ』というレビューは大切なレビューです。初めて大階段やラインダンスを取り入れ、岸田辰彌先生が宝塚レビューの基礎を創り上げられたものです。そういうレビューを記念した年にやるということで、宙組公演としてスーパー・レビュー『VIVA! FESTA!』を企画しました。サブタイトルに「スーパーレビュー」とつけましたのは、新しいレビューにしたいということです。ここにいます、朝夏まなと、実咲凜音を中心に宙組の全員が躍動する舞台を創り上げたいと思っています。よろしくお願いします。

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朝夏まなと 
(『エリザベート』で)黄泉の帝王として君臨していた10日後に、ショッキングピンクの衣装で皆さんの前に出て、とても緊張致しました。今回宙組にとりまして約1年ぶりのオリジナル作品の2本立ての公演となります。『王妃の館』は、浅田次郎先生の小説が原作ということで、私も全国ツアー公演『メランコリック・ジゴロ』で、コメディの楽しさをすごく感じましたので、再び大劇場でコメディ作品に挑戦できることを、とても嬉しく思っております。また、この作品は田渕先生の大劇場デビュー作でもありますので、宙組一丸となって盛り上げて、浅田先生の素晴らしい作品の世界観を、お客様に喜んで頂けるような宝塚歌劇版の舞台として、お届けしたいと思います。そしてショーの方は中村先生ともお久しぶりなんですけれども、『HOT EYES!!』に続き、2つ目のショーなので、今の宙組の魅力を存分に発揮できるよう、私自身が引っ張って行きたいと思います。お芝居では色濃いキャラクターもたくさん登場しますし、お芝居、ショー共に宙組の魅力を存分に、皆様に楽しんで頂ける舞台を目指して参ります。そして、この公演は実咲の退団公演でもありますので、最後までいい舞台を一緒に創りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

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実咲凜音
 今回は、ミュージカル・コメディとショーの二本立てということで、今からとても意気込んでおります。お芝居の方では、今までにない役どころで、最後の公演となりますが、新しい自分をお見せできるように頑張りたいと思っています。ショーは、宝塚歌劇団に入団する前、私が客席から観させて頂いていた時に、とてもショーに憧れていて、感動したのをすごく覚えていますので、観てくださったお客様にも同じ思いをして頂けるような、楽しい、素敵で、華やかなショーにできればと思っております。朝夏さん率いる宙組の皆さんと共に創り上げる時間の一瞬一瞬を大切にして、取り組んで参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

【質疑応答】 

──浅田先生、宝塚はご覧になっていなかったとのことですが、今感じていらっしゃる印象は?
浅田 『エリザベート』を拝見したのですが、素晴らしいなと思いました。特に伝統というものを基盤にしながら、新しいものを創っているというそのスタイルが素晴らしいですね。
──舞台化に当たって、希望することは?
浅田 そういう注文は僕はつけません。嫁に出した娘に、相手の家にああせい、こうせいとは言えないでしょう(笑)。すべてお任せして楽しみにしています。
 
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──パフォーマンスをご覧になって、同じ作家の北白川右京像についてどうですか?
浅田 作家は本当はこうでなきゃいけない! すごく羨ましいなと思いました。こういう作家に早いうちになっておけばよかったのですが、デビュー時にボタンを掛け違えました。カツラを被っちゃうとか、もっと派手なファッションにするとかすれば、私の方向も違ったかも知れません(笑)。私は至って地味な小説家です。
──出演者のお2人、コメディ作品の難しさと楽しさは?またお互いを見てコメディに向いていると思う点は?
朝夏 コメディの難しい点は、狙っちゃいけないというところです。自然になるまで身体に叩きこんで、ポンと出た一言の間が面白かったりするので。自分の意図しているところと反して出たものの方が、お客様のウケが良かったりと言った、予測できないところが難しくもあり、それが上手くいった時の楽しさ、嬉しさもすごくあると思います。実咲凛音がコメディにどう向いているか?と言いますと、普段の彼女が出れば面白いと思います(笑)。

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実咲
 はい!普段の私が出せるように頑張ります(笑)。先ほどおっしゃったように、狙ってはいけなくて、はじめに本気で真剣にやらないと、お客様に伝わらないのでそれは難しいなと思いますし、舞台でお客様の笑い声をお聞きしたり、反応を感じることによってコメディ作品は空気が一体になって楽しめると思うので、それを目指したいと思います。朝夏さんは普段からこのようにいつも楽しいお話をしてくださり、ポロッと言ってくださる言葉に救われたりしますので、ついていけるように頑張ります。
──田渕先生から見た2人のコメディセンスは?
田渕 先ほどの発言にもあったように、朝夏さんは笑いに対してストイックで。
朝夏 (違う、違うと手を振る)。
田渕 稽古場の休憩所、リフレッシュルームでも笑わせてくれます。陽のオーラを持ったスターです。実咲さんは関西人なので、2人の普段の会話を是非お聞き頂きたいなと思うのですが(笑)、丁々発止のその雰囲気が今回出せたらいいなと思います。
 
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──中村先生、主演2人のショースターとしての魅力は?
中村 朝夏さんはその大きな瞳に優しさと強さが同居しているように感じます。そういう優しさと強さ、明るさ、烈しさを舞台に出してもらって、活かせたらいいなと思っています。宙組80数人を率いての歌、またダンスになりますので、そういうところでやりたいと思っています。レビューの醍醐味を感じさせてもらったらよいかなと。実咲さんは下級生の花組時代に『ファントム』という作品で初めて新人公演のヒロインを演じられた時に、堂々とやりきった感をしっかり見せてもらいました。今回もその感覚を見せて頂けたら。楽しみにしています。

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──実咲さん、退団公演ということで総決算の舞台となりますが。
実咲 今日舞台の1場面を皆様に観て頂いて、まだまだ最後の公演と言いましても、課題はたくさんあると感じました。朝夏さんはお芝居をされる時に日々違う感情を出されるので、その方の隣に立たせて頂くことで学ぶことがたくさんありましたので、最後までたくさん吸収をして、新しい一面をお見せできるように、朝夏さん率いる宙組の公演の一員として、作品の1つの力になりたいと思っています。

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──朝夏さん、今の実咲さんの発言を受けて相手役さんにエールと、コンビとしての最後の公演に対する意気込みを。
朝夏 実咲の退団公演なんですけれども、常日頃言っていることですが、より良い作品を創り上げるというのが私達のテーマなので、最終的には見送る形になりますが、作品を創る上では妥協せず、いつも通りに良い作品を創り上げていきたいと思います。彼女の集大成なので、下級生に伝えていって欲しいですし、娘役として立派な花を咲かせて欲しいと思います。

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〈公演情報〉
宝塚歌劇宙組公演
ミュージカル・コメディ『王妃の館─Chateau  de la Reine─』
原作◇浅田次郎 「王妃の館」(集英社文庫刊)
脚本・演出◇田渕大輔
スーパー・レビュー『VIVA! FESTA!』
作・演出◇中村暁
出演◇朝夏まなと、実咲凜音 ほか宙組
●2017/2/3〜3/6日◎宝塚大劇場
〈料金〉SS席12,000円 S席8,300円  A席5,500円 B席3,500円 
〈お問い合わせ〉宝塚歌劇インフォメーションセンター 0570-00-5100
●2017/3/31日〜4/30日◎東京宝塚劇場 
〈料金〉SS席12,000円 S席8,800円  A席5,500円 B席3,500円 
〈お問い合わせ〉東京宝塚劇場 03-5251-2001
公式HP https://kageki.hankyu.co.jp/

※Chateau  の「a」には「^」がつきます。



【取材・文・撮影/橘涼香】



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