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宝塚歌劇100周年の記念公演を担当し、100周年の祝祭を牽引した最後のトップスター龍真咲の退団公演である、簡易生命保険誕生100周年 かんぽ生命 ドリームシアター ロック・ミュージカル『NOBUNAGA<信長>─下天の夢─』シャイニング・ショー『Forever LOVE!!』が、6月10日〜7月18日兵庫県の宝塚大劇場で、8月5日〜9月4日日比谷の東京宝塚劇場で上演される。

ロック・ミュージカル『NOBUNAGA<信長>─下天の夢─』は戦国乱世を駆け抜けた織田信長の生涯を、同時代に生きた人びとと共に描くロックミュージカルで大野拓史の作・演出。またシャイニング・ショー『Forever LOVE!!』は宝塚に相応しく永遠に輝き続ける「愛」をテーマに、様々な愛の形を綴るショー作品で、作・演出は藤井大介が担当する。いずれも退団公演の担当経験豊富な作家陣が揃い、龍真咲という男役トップスターの輝かしいラストステージの成果に、大きな注目が集まっている。
 
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そんな作品の制作発表会見が2月15日都内で華やかに行われた。

会見はまず、出演者によるパフォーマンスからスタート。煌びやかなこれぞ宝塚スターの衣装に身を包んだ龍真咲が、ショー『Forever LOVE!!』の主題歌を熱く披露する。退団するスターの心情に寄り添うような歌詞が、早くもラストステージへの特別な思いをかきたてる。
 
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その歌が終わると、一転して明智光秀に扮した凪七瑠海、豊臣秀吉に扮した美弥るりかが登場。今の人物がお屋形様(織田信長)に似ていたようだ…という問答から、自然に世界がロック・ミュージカル『NOBUNAGA<信長>─下天の夢─』に切り替わる展開が巧みだ。そこへローマ出身の騎士ロルテス役の珠城りょうが客席を割って登場。国崩しの野望を秘めた男と、光秀、秀吉との会話は、2人の武将が後に取る行動が歴史上周知の事実でもあるだけに、示唆に富んでいる。

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更に信長の正室帰蝶に扮した愛希れいかがなぎなたを手に信長への壮絶な思いを吐露。ロックミュージカルとしてのこの舞台の世界観が伝わってくる。場の空気が高まったところで、鮮やかに早替わりをした龍が、織田信長の扮装で登場。力強い歌声で、作品世界をぐいぐいと立ち上らせてくれた。短い時間の中に繰り広げられる殺陣にも迫力があり、作品への期待が更に高まる贅沢なパフォーマンスは幕を閉じた。

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そこから、作品の協賛会社である株式会社かんぽ生命保険取締役兼代表執行役社長石井雅実氏、宝塚歌劇団理事長小川友次氏、演出家の藤井大介、大野拓史、そして龍以下の出演者が登壇。それぞれの挨拶から会見となった。

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まず、宝塚歌劇団の小川友次理事長から、この公演が2001年に宝塚歌劇団に入団して、月組トップスターに上り詰めた龍真咲のファイナル公演となること。龍は宝塚歌劇団100周年記念公演を大きなプレッシャーの中見事に務めてくれたトップスターであり、日本初演だったスペクタクル・ミュージカル『1789─バスティーユの恋人たち─』を大成功させるなど、100周年を牽引してくれたトップスターだった。同時期にトップスターだった蘭寿とむ、壮一帆、柚希礼音、凰稀かなめはすでに宝塚を退団し、最後の1人である龍がこの度退団するという寂しさはあるが、きっと男役を極めてくれることと信じている。宝塚100周年を飾った龍のファイナル公演に、ご協賛くださるかんぽ生命様が簡易生命保険誕生100周年を迎えられる。まるで「100周年の申し子」とも言える龍を最後まで応援して欲しい、という思いを込めた挨拶があった。

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続いて株式会社かんぽ生命保険取締役兼代表執行役石井雅実社長から、1916年に簡易保険事業をスタートしたかんぽ生命が100周年を迎える節目の年に、100周年に縁のある龍真咲率いる月組公演を『1789─バスティーユの恋人たち─』に続いて協賛できることを光栄に思う。『1789─バスティーユの恋人たち─』はスペクタクル・ミュージカルだったが、織田信長という人物の存在もまたスペクタクルなので、きっと迫力ある舞台が展開されることと思う。1人1人が一生懸命に舞台を務めて、愛と夢を紡ぐ宝塚の精神は、人々の夢と健康を願うかんぽ生命と相通じる。龍真咲の最後のステージが素晴らしい舞台になることを応援し、期待している。とのエールが送られ、登壇者の挨拶へと引き継がれた。

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大野拓史 龍真咲の退団公演の作品を担当できることを、大変光栄に思っております。龍の主演作品を担当させて頂くのは初めてですが、彼女は独特な個性の持ち主で、彼女の舞台を見ると、納得させられるだけのものを数々成し得てきたとあらためて実感しております。織田信長もまた、独自の個性で歴史に名を残す人物で色々な逸話が残っておりますが、龍とタッグを組めば新しい織田信長を創り上げることができると確信しております。皆様にご覧頂ける日を、私自身も楽しみにしております。

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藤井大介
 月組さんとは、先ほどからお話頂いております宝塚歌劇100周年記念公演『TAKARAZUKA 花詩集100!!』以来のご縁になりますが、今回の作品は今までずっと月組を引っ張ってきてくれた龍真咲のファイナル公演ということに1番に焦点を当てながら、盛り上げていきたいと思っています。また同時に、龍率いる、彼女の愛する個性的で素敵な月組メンバーの魅力も、あわせてお楽しみいただけるショーにしたいと考えております。僕は龍真咲とは非情にご縁がありまして、今まですごくたくさん仕事をさせて頂いております。その魅力は皆様の方がよくご存知だと思いますが、非常に現代っ子風に見えますけれども、誰よりも宝塚歌劇への強い愛情を持っている人だとずっと思ってきたので、今回はずばり「愛」という言葉をテーマに、今まで龍真咲が作り上げてきた「愛」を、これからも永遠にという意味を込めまして、ショータイトルを『Forever LOVE!!』と名付けました。様々な愛の形、愛の姿、愛の結晶を皆様に楽しんで頂けますよう、出演者とスタッフが一丸となって頑張りますので、どうぞよろしくお願い致します。

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龍真咲
 私の卒業公演『NOBUNAGA<信長>─下天の夢─』と『Forever LOVE!!』、今お聞きしていてたくさんの方々の夢が詰まった作品になるのではないかと思っております。なぜ最後に織田信長かと言いますと、私にはただただ織田信長を演じてみたいという一つの夢があったからです。日本もの、と言っても格好はあまり日本もの風ではありませんが、私のイメージとしてよく言われる「現代的な雰囲気」と『1789─バスティーユの恋人たち─』の公演で芽生えた、「やはり私はロックが好きなんだ」という思い、更に、「燃えたぎる魂のような想い溢れる役が好きなんだ」という思いを踏まえて、日本もののスペシャリストであります大野先生が是非やってくださるということでしたので、大野先生としっかりと織田信長に命を吹き込み、月組の皆と共に作品を作っていきたいと思っております。今日は大野先生が甲冑なんて着てこられたらどうしようと思っていたのですが(笑)、素敵なスーツ姿でちょっと安心致しました。そして、ショーの『Forever LOVE!!』は、やはり宝塚のテーマであり、また、私がこれまでやってきたテーマはハートであり、愛ですので、その愛を形にするのはとても難しいことだとは思いますが、私達が宝塚の舞台で演じる上で、形どれない、決して見ることのできない「愛」を最後に、皆様にどのようにプレゼントして、お届けできるのか、いまからとてもワクワクしております。「100周年の申し子」の名に恥じぬように、9月4日の千秋楽まで、男役龍真咲の人生を、そして責務を全うしたいと思っております。皆様最後の一瞬まで月組をどうぞよろしくお願い致します。

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愛希れいか
 お芝居では、織田信長の正室・帰蝶役を演じさせて頂きます。私も大野先生の作品に出演させて頂く機会はそれほど多くありませんでしたので、こうして先生の作品で、日本ものをさせて頂くということですごく幸せに思っております。帰蝶役はまだどのような役になるのかわかりませんが、先ほどのパフォーマンスではなぎなたを振り回して殺陣もさせて頂きましたので、本番までにはカッコよく決められるように、何より龍さん演じる織田信長を、最後まで愛し抜きたいと思います。また、ショーのパフォーマンスで龍さんが歌われていた主題歌は、とても素敵な歌詞とメロディーで、今からどのようなショーになるのか、ワクワクしております。私も月組の皆様と一緒に、全身全霊でしっかりと龍さんに付いて頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

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珠城りょう
 ローマ出身の騎士ロルテス役を演じさせて頂きます。配役を伺いまして、一体どういった人物なのだろうというのが私自身の正直な第一印象でしたが、皆様もどんな人物なのかな?と思われたのではないでしょうか。大野先生からも少し伺ったのですが、マルタ騎士団に所属する騎士ということで、マルタ島に生まれた男で、国崩しの目的を持って日本にやってくる人物です。パフォーマンスでの歌詞にもかなり過激な言葉が歌われていたと思うのですが、彼が日本に乗りこんでくることによって、どのように変わっていくのか、私もまだ未知なところではありますが、ローマ出身の騎士として、どのように龍さん演ずる織田信長と関わっていくのか、自分の役割をしっかりと果たせるよう、歴史も勉強しつつ、台本を手に取る時を楽しみに、お稽古して参りたいと思います。またショーの方では、先ほどの曲を聞きまして、愛希も申しておりましたが、本当に愛が込められている曲だなと。曲だけでも色々な形の愛を感じることができました。今回、龍さんの退団公演ということで、本当に寂しい気持ちもあるのですが、月組の組子の1人として、最後まで龍さんの背中を追い続け、傍で支え、龍さんの愛を感じ、龍さんに自分の愛を伝えながら、公演できるようにやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

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凪七瑠海 
制作発表の場でこれだけ台詞を言い、歌い踊ったのは初めてですので、口から心臓が飛び出るくらい緊張しておりました。今、少しホッとしております。私は明智光秀役をお芝居では務めさせて頂きます。最初この配役をお聞きした時には、あまりにも有名で、明智光秀ファンの方もたくさんいらっしゃるということで、嬉しい気持ちと同時に大きなプレッシャーも感じました。彼自身がとても謎多き人物で、興味をそそられる、魅力的な人物だと思います。彼は本当のところはどう思っていたのか、信長に対しての気持ちですとか、そういったところをこれから作っていきたいと思います。龍さんの退団公演で、今月組は龍さんを中心とした良いピラミッドが出来ていると思うので、最後まで支え続け、お屋形様
信長)付いて行きたいと思います。

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美弥るりか 
お芝居の方では豊臣秀吉役をさせて頂くのですが、私も初めて聞いた時には本当に有名な人物ですし、数々の個性豊かな役者の方々が演じてこられた役なので、それを私がどのように演じていくのかに不安もありました。でも、作っていく楽しみが今からあるのだなと思うと、大野先生から色々なアドバイスを頂いて、自分なりの秀吉像を作れたら、面白い人物になるかな?と思っております。そしてショーは、先ほどパフォーマンスで(龍
真咲さんが歌われていた曲を、すでに皆様口ずさんでおられるのではないかと思うくらいの、とても素敵な曲で、最後の日まで真咲さんの魅力がぎゅっと詰まった作品になるのではないかと感じました。その作品に私も月組の一員として参加できることを、本当に光栄に思っております。秀吉は懐で草履を温めて信長様に差し出したというエピソードがありますけれど、今回退団公演ですし、真咲さんは大人気なので、皆で草履の争奪戦になると思いますが(笑)、秀吉として1番に草履を奪いにいき、毎日温めて差し出したいなと思っております。最後の日まで龍さんの背中を追いかけて、皆で最高の舞台を作れるように精一杯頑張って参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

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【質疑応答】

──織田信長を是非演じてみたいということでしたが、信長にどんな魅力を感じているのでしょうか?
 そこを詳しくと言われると難しいのですが、絶対に、何としてもやりたかったんです。それだけです。生きている時代は違うのですけれども、信長の抱いた天下統一という1つの夢が、私自身が宝塚に入って1つのことを成し遂げたラストには相応しいのではないか?と思った、というところも今考えてみれば少しあります。でもどうしても演じたかったということだけですね。

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──直感ですか?
 そうですね。でもそう思うに至る影響を受けたことは色々ありまして、勧められる本が信長関係のものだったり、私が魅力的だと思って観た映画が信長の映画だったり、ということが多かったというのも、1つのご縁としてはもしかしたらあるのかも知れません。
──退団公演を担当されることの多い両先生ですが、ファイナル公演を作るにあたって特に心がけていることは?
大野 何本かやらせて頂いていて、その都度その人が卒業したい形になるべく近いものにするのですが、今回に関しては、できるだけ多くの人を活躍させて欲しい、皆で一緒にやれる何か場面が欲しいという要望が龍からありまして、龍主演の作品はやっていませんでしたから、いつの間にか組織の長、立派なトップになったんだなと感慨深いものがありました。信長様、頑張ります!という感じです(笑)。
藤井 普段の公演もそうなのですが、やはり組のカラーであるとか、主役さんのカラーの1番良いところを出したいなとは、常に、サヨナラ公演とは限らずにやっているつもりです。それでもやはりサヨナラ公演となりますと、本当に一生に1度のことなので、本当に1番に…
 そんなに深く考えないでください!あ、失礼しました(笑)。
藤井 いえいえ(笑)。本当に人によってパーッと盛り上げて退めて行きたい人と、割合にカラッと、サラッとさりげなくカッコよく退めて行きたい人と、それは演出家の思う形で考えて行くのですが、未だに何か龍が退めるという実感が全くないので、これからどうやって作っていくか、考えて行きたいと思います。
 
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──主題歌の歌詞が、胸にせまるような心情を表していましたが、ご自身ではどう感じましたか?
 当たってると(笑)。私自身も両作品の方向性については、今日初めてハッキリと伺ったのですが、譜面を頂いた時にお芝居では、龍真咲という男役が宝塚で生きた人生を、信長に少しかけて表現して頂きたいなと思っていたので、まずそれを表現して頂けているなと。また藤井先生とは何作もご一緒させて頂いていて、入団して5年目の時に『Young Bloods!!』という若手だけで作り上げるお芝居とショーのバウホール公演を初めてさせて頂いて、それから本当にたくさんのご縁がありました。舞台のこともそうなのですが、その時々に私がまだ振りが覚えられない、歌詞が難しいと泣いたり、笑ったりしていた、そういう時期から、ファンの皆様と一緒で、近くで成長を温かく見守ってくださったんだなという、すべての思いが込められている歌詞だと思います。舞台に対しても、人物に対しても、すべてに対しての全共通点、1つの「愛」というものが交差したところでどのくらいの大きさになるのかを、追い求めなければいけないと思っています。特に前半部分で歌っている歌詞というのは、私そのものを藤井先生がよく理解してくださっているんだと改めてしみじみとしたのですが、これを歌ったら自分とリンクして、ハッとなってしまうのかなと思いもしましたが、そうではなく、やはり龍真咲として、ドラマチックなメロディーに持っていけたらということを今は1番に思っています。1つの曲なのですが、声や感情のバロメーターを幅広く取って演じていたけたらなと思います。

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〈公演情報〉
宝塚歌劇月組公演
簡易生命保険誕生100周年 かんぽ生命 ドリームシアター
ロック・ミュージカル『NOBUNAGA<信長>─下天の夢─』
作・演出◇大野 拓史
簡易生命保険誕生100周年 かんぽ生命 ドリームシアター
シャイニング・ショー『Forever LOVE!!』
作・演出◇藤井 大介
出演◇龍真咲、愛希れいか ほか月組
●6/10〜7/18日◎宝塚大劇場
〈料金〉SS席12,000円 S席8,300円  A席5,500円 B席3,500円 
〈問い合わせ〉宝塚歌劇インフォメーションセンター 0570-00-5100
●8/5日〜9/4日◎東京宝塚劇場 
〈料金〉SS席12,000円 S席8,800円  A席5,500円 B席3,500円 
〈問い合わせ〉東京宝塚劇場 03-5251-2001



【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】


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