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岸谷五郎と寺脇康文による演劇ユニット「地球ゴージャス」は、来年で21年目を迎えるが、2016年の年頭を飾って1月9日から赤坂ACTシアターで『The Love Bugs』を上演する。(2月24日まで。のち愛知、福岡、大阪でも上演)
今回はなんと昆虫の世界が描かれるという意欲作で、この舞台に出演するのが元宝塚花組のトップスターで、現在は女優・歌手としても大活躍中の蘭寿とむ。全員が虫に扮するという斬新な世界観の中で、どのような姿を見せてくれるのか、大きな注目が集まっている。
そんな彼女に、『The Love Bugs』という作品への意気込み、「地球ゴージャス」の岸谷・寺脇をはじめとした共演者たちのこと、更に女優としての凝縮した日々のことなどを語ってもらった。
 
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縮小された昆虫の世界からの広がりを

──地球ゴージャスの舞台については、今までどのような印象を持っていましたか?
いつもオリジナル作品を生み出されていて、まずキャストありきでそれぞれの作品の色を出していく感じがしていて、どの作品もすべてに違う色があるのですけれども、必ず最後には作品の核となる伝えたいものが明確に伝わってくる、温かいステージだなと思っていました。
──そういう出演者ありきで作られていくステージに、出演する側になった気持ちは?
きっと私自身も知らないものを引き出してもらえるのではないか、という期待があります。岸谷(五郎)さんの演出にお任せして、そこに乗っかっていって自分の中からも何か発していけるように作っていきたいなと思います。
──今回、虫の世界が描かれるということで、猫の目線で描かれたミュージカル『CATS』などもありますが、虫の目線というのはまた斬新ですね。
『CATS』もそうですけれど、その世界に入ると縮小された世界として描かれているので、きっと虫の世界でも更に縮小された中で色々な感情やストーリーが流れていくと思うんです。ですから虫が一生懸命生きている姿や、虫なりに頑張っているところがフィーチャーされると思うので、そこから広がってどういう風に展開していくのか、私もとても楽しみにしています。
──サイズ感が全く違いますから、そこを想像していくのが面白い作業になりそうですね。
面白いですし、ある意味想像に限界がないので、自由に作ることができるのかな、と思っています。本当にまず発想が面白いなと。
──子供の頃に好きだった虫などは?
蝶々などは綺麗だなと思っていました。あとトンボなどを追いかけたこともありました。とはいっても、まさか自分が虫になるとは想像もしたことがなかったので(笑)。でも、だからこそ新しい、面白いものになると思います。

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それぞれに魅力的な共演者に囲まれて

──地球ゴージャスのお二人をはじめ、共演者の皆さんの印象について教えてください。
岸谷さんは演出家としても素晴らしいですが、演者としても独特の世界観を持っていらっしゃいますし、芝居とリアリティ、笑いと真剣な部分の間の、絶妙なバランス感覚をお持ちです。伝える力が素晴らしい方なので、ご一緒に舞台を作り上げていく中で、吸収していけたらと思っています。
寺脇(康文)さんは、突然力の抜けたお芝居をされるのが(笑)私は大好きで、その力が抜けた中でのお芝居から、やはりパッと切り替えられる力がすごいですし、その切り替えがとても効いてくるので、そのあたり今回もきっと色々と発揮されると思うので、楽しみにしています。
マルシアさんは、皆さんおっしゃると思いますが歌の力が素晴らしいですし、今回のポスタービジュアルもそうですが登場しただけで、その存在感には確固たるものがあると思うんです。だからそこを今回の舞台でもどのように表現されるのか、今からワクワクしています。
平間(壮一)さんは『RENT』のエンジェル役を拝見させて頂いたのですが、身体から発せられるパワーがすごいですし、お話しさせて頂いてもとてもハートの温かい方だと思うので、きっとそこから繊細なお芝居が生まれてくるのだと思います。ダンスも勉強させて頂きたいですし、お芝居をご一緒させて頂くのもとても楽しみにしています。
大原櫻子ちゃんはテレビでよく歌を聞いていたので、共演できるんだととても嬉しくて。顔合わせをさせて頂いても本当に可愛らしくて、初舞台って自分の中で一生残るくらい大切な舞台になると思うので、そこに一緒に携われるのは幸せですし、ピュアな感じがとても素敵なので、一緒にできることが楽しみです。
城田(優)さんは、『ファントム』の時に同じ役をさせて頂いたというご縁があって、歌唱力は誰もが認めるところだと思いますし、お芝居も本当に繊細で、心の襞まで表現される素晴らしい演者の方だなと、ファントム役を観せて頂いた時から感じていました。『エリザベート』でも「これぞ黄泉の帝王トート閣下!」という感じでしたし、完璧なビジュアルに繊細なハートと、すべてを持っていらっしゃる唯一無二の存在の方だと思うので、一緒にお芝居をさせて頂くのがとても楽しみです。
──男優さんと同じ役を演じた経験というのは、男役を経験されてきたからこそですね。
そうですね(笑)、なかなかないご縁だと思います。
──他にも、本当に豪華な出演者の方達で、その中で蘭寿さんがどのように輝かれるのかがまたとても楽しみなのですが。
皆さんの中で、輝けるように頑張ります!

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遊びやゆとりを持って幅を広げていきたい

──タイトルの『The Love Bugs』は「胸キュンする」「愛らしい」などを指すスラングでもあるそうですが、蘭寿さんが今一番「胸キュンする」ことはなんですか?
舞台を観ていることですね。私は人が作り出すものが好きですし、その生まれた瞬間が好きなんです。色々な舞台を拝見させて頂いていますが、ライブでしか味わえない感覚を味わうことができる、そんな舞台に接するのが「胸キュン」ポイントです。
──観劇されていて、宝塚時代とは観方が変わった面もありますか?
そうですね。やはり女優さんに目が行くようになりました。宝塚時代は舞台でも映画でもドラマでも男性にしか目が行かなかったのですが(笑)、女性を観るようになりました。
──その中で、ご自身で演じてみたいと思われることも?
こういう役をやってみたいなと思うこともありますし、こんな表現もあるのかと思うこともありますので、自分の幅につなげていきたいなと思います。
──歌手としてアルバムも発売されて、多方面での活躍が続いていますが、女優としてここまで凝縮された時間でしたね。
退団して1年半ですけれど、舞台だけでなくCDアルバム、またドラマととても新鮮に過ごさせて頂いています。自分では2015年は挑戦の年と思っていて、地球ゴージャスからはじまる2016年もまだまだ挑戦は続くと思います。すごく活躍されている方達の中での舞台なので、全く見たことがなかった、自分でも知らない自分に出会えると思いますから、私もとても楽しみなので、皆様にも楽しみにして頂けたらいいなと思っています。
──選ぶのは難しいかも知れませんが、これまでで特に印象に残っているお仕事は?
そうですね、どれも印象深いのですが、中でも『TAKE FIVE』でしょうか。テレビドラマとして作られたものから、舞台版オリジナルで書いて頂いたストーリーで、テレビドラマを実際に作られた方々が舞台を作られたんです。演出の方もドラマの監督の方でしたし。そこからやはり演出の仕方や、進め方の違いもありましたし、テレビドラマで活躍されている方達と舞台でご一緒するということで、呼吸だったり間だったり芝居の質だったりが、少しずつ違っていたので、新鮮でした。
──そうした刺激的な時間を過ごしてきて、2016年は地球ゴージャス」の舞台、また『シスターアクト』も控えていますが、今後、女優としてどのように進んでいきたいかなどのビジョンについては?
明確なものはないですね。私は生み出していくことが好きで、その過程で生まれてくるものこそが自分だと思っているので、何かを決めてかかることはせずに広げていきたいです。遊びやゆとりを持って、人生もそうですけれどその方が面白いと思うので、絶対こうなろうとは思わずに。と言いますか、思ってもなれるものではないでしょうから、自分で感じたものを表現して生まれたものを大切にしたいです。だから私はオリジナル作品が好きなんだと思いますし、今回のものもそうですから、感じたままに作っていきたいです。
──ニュートラルな状態でどんどん吸収していかれたいんですね。
その方が絶対面白いと思います。
──蘭寿さんと言えばお芝居ももちろんですが、ダンスもまた素晴らしいですか、そちらの方面には?
この作品でもあるようなので、それも楽しみです。「歌もダンスも芝居も全部やってもらいます」と言われていますから。ファンの方々も楽しみにしてくださっているようですし、素晴らしいダンサーの方達が揃っているので、私も勉強するつもりでトライしたいです。
──最後に公演に向けての意気込みとメッセージを。
ゴージャスのシリーズを楽しみにしておられる方も多いと思います。今回は虫の世界という独特の世界観の中できっと楽しんで頂けると思いますし、私自身も新しい自分に出会いたいし、色々な可能性を感じながらお稽古していきたいと思っています。年明けすぐの1月9日から始まりますので、ぜひ新年の楽しみとして観に来て頂けたらと思っています。
 
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らんじゅとむ○兵庫県出身。1996年宝塚歌劇団に首席で入団。同年、花組に配属、01年『ミケランジェロ』での新人公演初主演。11年『ファントム』で花組トップスターに就任。『小さな花がひらいた』『オーシャンズ11』『戦国BASARA−真田幸村編−』など幅広いジャンルの作品に主演し、大きな足跡を残した。14年『ラスト・タイクーン−ハリウッドの帝王、不滅の愛−/TAKARAZUKA∞夢眩』にて惜しまれつつ退団後、女優に転身。オリジナル・ダンス・ミュージカル『ifi(イフアイ)』の主役での女優デビュー。『SHOW-ism VIII ∞(ユイット)』『TAKE FIVE』等の舞台の他、CDアルバム『L’Ange(ランジュ)』で歌手としてもメジャーデビュー。テレビドラマ、ナレーションなど、多方面に活躍の場を広げている。2016年『The Love Bugs』に続いて、帝国劇場公演『天使にラブ・ソングを〜シスター・アクト〜』の主演も控えている。

 
〈公演情報〉
L000141
地球ゴージャスプロデュース公演Vol.14
『The Love Bugs』
作・演出◇岸谷五郎 
出演◇城田優、蘭寿とむ、大原櫻子、平間壮一、マルシア
岸谷五朗・寺脇康文 他
●2016年1/9〜2/24◎赤坂ACTシアター
〈料金〉S席12,000円、A席9,500円、B席8,500円(全席指定・税込)
〈問い合わせ〉チケットスペース 03-3234-9999(月〜土10時〜12時、13時〜18時)
●2016年3/1〜3/3日◎愛知県芸術劇場 大ホール 
●2016年3/11〜3/13◎福岡サンパレス 
●2016年3/19〜3/29◎(大阪)フェスティバルホール 


【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】


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