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東山義久率いるパフォーマンスグループDIAMOND☆DOGS、その代表作として人気の高いDANCE OPERA『マスカレード』が、元宝塚雪組トップスターの水夏希を迎え、『マスカレード〜Final』と銘打って、5月27日より天王洲 銀河劇場にて上演される。
この舞台『マスカレード』は、ロシアの巨匠ハチャトリアンが作曲した『マスカレード』をベースに、ストーリーはシェイクスピアの『ヴェニスの商人』をモチーフに進められるステージ。初演は2010年でDIAMOND☆DOGSメンバーだけの舞台だったが、再演ではゲストダンサーも加わって一段とグレードアップ、再々演の今回は、まさに集大成というステージになる。
水夏希と東山義久の今回の共演は、昨年7月に行われた水のコンサート『蜃気楼〜mirage〜』がきっかけで、初めてとは思えない息の合ったダンスを見せてくれた2人だけに、今回のステージも期待が高まる。そんな2人にこの作品への抱負やお互いのことなどを語ってもらった。

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踊ってすぐに「あ、かっこいいんだ、この人」と

──この『マスカレード』は、DIAMOND☆DOGS(以下D☆D)の代表作と言われる作品ですね。
東山 もともとD☆Dの舞台は、お芝居のコーナーやミュージカルのコーナーなどをショーのなかに入れたりしていたんですが、一度ダンスと歌だけで重厚な感じのステージを作ってみようということで、「DANCE OPERA三部作」を考えたんです。1本目は『スワン・レイク』をベースにした『DIAMOND☆DOGS -Swan-』(08年)、2作目はサンバを中心に『DIAMOND☆DOGS 2009〜サンバナイト〜』(09年)、そして3作目が、ハチャトリアンの曲とシェイクスピアの『ヴェニスの商人』をモチーフに作ったこの『マスカレード』(10年)だったんです。
──その初演が好評で、再演そして今回の再々演となったわけですが、これまでは男性だけでしたが、今回は水さんが紅一点で参加しますね。
東山 実はこの作品の世界観には女性が必要で、そのヒロインのポーシャ役はこれまでは僕が演じてきたのですが、今回はちょっと変化が欲しいなと。そこにちょうどプロデューサーのほうから、水さんにD☆Dの舞台に出てもらったらどうだろうという話が出てきて、水さんならまさにこの世界観にぴったりだし、作品がさらに重厚になるなと。しかも男性メンバーばかりだと汗臭いけど、水さんの参加で一気に華やかになりますから(笑)。
 ははは(笑)。
──水さんは、昨年のコンサートが東山さんとの初共演だったそうですね?
 そうなんです。それまでは直接面識がなかったんです。もちろん玉野和紀さんや荻田浩一さんをはじめ、仕事で共通の知り合いの方は沢山いたのですが。
──東山さんは、出演したときの水さんの印象はいかがでした?
東山 僕はゲストでしたから、踊りを1曲一緒に踊らせていただいて、歌はソロで1曲歌うだけなので、稽古は2、3回やっただけだったんですが、踊ってすぐわかるというか。「あ、かっこいいんだ、この人」って思いました(笑)。
 ありがとうございます(笑)。
東山 宝塚の舞台だったら、個々が素敵に見える見せ方ってあるじゃないですか。だから踊りでどこまでどういう表現ができるか、かなり個人差があると思うんです。水さんは本当にダンスがお上手なんですよ。たぶんご自分でもダンスをすごく愛されているんだろうなと。
 踊ることは好きです。でも今回これだけ男性ダンサーが揃うと、ちょっとひるみますね(笑)。顔合わせで真ん中に座ったんですけど、右も左も男性ばかりで(笑)、体も大きいじゃないですか。細い方でも私より大きいから、とにかく圧倒されます。
──しかもダンサーそれぞれが実力のある人ばかりですね。
 そういうメンズと勝負していかなくてはならないのかなと。
東山 そこが今回の見どころですから(笑)。

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舞台に対する距離感や好きな世界観が似ている

──水さんは去年の出会いで、東山さんにどんな印象を持っています?
 舞台は以前からいろいろ拝見していて、似ている部分があるなという気持ちがしていたんです。舞台に対する姿勢とかスタンスとか、作っていく仲間との距離感とか、どこか共通のものがあるなと。
東山 そのコンサートのパンフレット撮影があったんですよね。僕の博品館劇場での公演中に来て下さって客席で対談したんですが、話してすぐにわかり合えるみたいな、感覚が似ている部分が多いんです。僕もグループをやっているし、水さんも宝塚という劇団のトップだったし。
──集団をまとめていくリーダータイプですね。
東山 それから、お互いにダンスも歌も芝居もやりますけど、その入り口はダンスというところも。
 世界観というか好きな世界も似ている気がします。もちろん『CLUB SEVEN』の舞台などを拝見すると芸人さん(笑)としてもすごいし、私より全然幅広いんですが、今回のチラシビジュアルのような耽美系が好きそうだし、そこは私も大好きなので(笑)。
東山 耽美大好きです(笑)。
──水さんの役柄は東山さんの演じたポジションになるのですか?
東山 それを2つに分けるというか、自分と踊るという部分はデュエットになると思うし、物語のストーリーテラーではないですけど、外枠から眺めるような、見守っているような役割になります。全部で休憩なしの二幕構成になっていて、物語のあとにショー部分が付くんですが、ノンストップで行きますからね。
 たいへん!(笑)。
──今回、内容などに変化があるのですか?
東山 水さん以外にも初めてのゲストがいて、穴井豪さんと穴沢裕介さんなのですが、最初のオープニングや全体で踊るダンスはそのままで、それ以外のパートの4人とか2人だけのところは、個々のダンサーに合わせて新しく作り直していきます。
 東山さんすごいですよね。稽古しながら森(新吾)さんと2人で振りをどんどん考えていって。
──イメージがどんどん浮かんでくるわけですか?
東山 そうですね。とくにこの『マスカレード』は、3回目なので目的地が大体わかってますから。そのなかで、水さんだったら大きなこういう振りがカッコイイだろうなとか。僕たちを引き連れた男っぽいダンスをしてもらおうとか。宝塚のフィナーレでよくあるじゃないですか、ああいう群舞を見せたいとか。
 すごく楽しみですね。退団後、ダンス公演をいろいろやってきたなかで、ずっと女性として踊ってきたのですが、でも今回は紅一点ではありますけど、女性のパートだけを求められているわけではないのが新鮮だなと。
東山 D☆Dの公演ではありますけど、D☆Dの長(おさ)としてやってもらおうと思ってます(笑)。
 長じゃなくて補佐でしょ(笑)。
東山 いやいや僕が補佐で(笑)。水さんが、この荒くれどもを率いているところを見てみたいなと(笑)。
 全然荒くれじゃなくて、みんな優しくていい人ばかりですよ(笑)。ダンスをしている人は基本的にマインドがいいので。

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生き物として美しいのが好きなんです

──新しく水さん用のシーンもあるのですか?
東山 水さん用の新しいシーンは2つあって、1つはドレスを着て踊っていただくのですが、そこは僕だけでなくいろいろな人に絡んでもらいます。あと1つは僕が振付したゲストと5人で踊っていたシーンに、水さんにも入ってもらいます。僕と2人で踊る振りもあります。
──東山さんの振付を踊る感想はいかがですか?
 独自の世界があるんですよね。コンテンポラリーもバレエも入っていて、独自の世界観があるあの動きを踊るのは、正直たいへんです。東山さんの動きをそのまま真似ても意味ないし、本当に難しい!
東山 でも退団後の水さんは、さまざまなダンスに挑戦していらしてすごいですよね。しかも、もう男役ではなくて女性としてちゃんと踊ってますから。なおかつ男役で踊るというのもすぐできるんじゃないかな。やっぱり両性具有的な魅力があるんですよ。
 全然男前をきどってないときに「男前ですね」とか言われて、「ちょっと待って!」みたいなことがあって(笑)。そのへんが自分のプロモーションと人のキャッチするものがちょっとズレてるんです(笑)。
東山 でも退団後も外見が男役っぽい人もいるじゃないですか。逆に女性のド真ん中をいく人もいるし。水さんはどちらも持っててちょうどいい。いつでもどっちにもなれるのが、たぶん水さんの良さなんじゃないかなと。

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──東山さんも女性で踊ると綺麗ですね。
東山 僕、去年サロメをやりましたからね。16歳の役で(笑)。もともと僕はシルヴィ・ギエムとか好きで、美しいけど中性的というか、ダンサーが男であろうが女であろうが、生き物として美しいのが好きなんです。最近で言えばヤン・リーピンとか。
 私も観ました! 左でずっと回っている女性もすごかった!
東山 最後ぴたっと止まるときなんかぞっとしますよね。
 そうなの(笑)。すごいですよね!
東山 そういう中性的で美しいダンサーが好きなんです。水さんもそうだし、(長澤)風海も、D☆Dもみんなそうだから。
 それでいてキャラクターはかぶらないし、面白いグループですよね。
東山 そういうD☆Dの良さを集約したのがこの『マスカレード〜Final』ですから、ファンの方からもまたやって欲しいと言われて、再演、再々演ときたわけなんです。でも基本的には同じことはやらないのが僕らなので、今回でファイナルにしようと。D☆Dは新しいものを作り続けながら12年やってきたし、ゼロから作り上げるというのがポリシーなので。
──今回まさにD☆Dにとって1つの集大成公演であり、それにふさわしいゲストですね。最後に改めて意気込みを。
 宝塚を退団したあと、男役をすごく封印していた時期もありますし、女性探求の日々だったんですけど、タイミング的にいい時期に、いい意味で男役の引き出しも使える公演に出会ったのかなと。もちろん女性という引き出しも揃ってきているので、それをいい形で、皆さんのなかでうまく出せればいいなと思っています。
東山 D☆Dのメンバーとゲストの方々と、お互いにミックスアップできるようにがんばっていきたいと思います。

_MG_9406水夏希・東山義久
 
みずなつき○千葉県出身。93年宝塚歌劇団入団。07年『エリザベート』のトート役で雪組トップスターに就任、10年『ロジェ/ロックオン』で宝塚を退団。退団後の主な舞台は『7DOORS〜青ひげ公の城〜』『TATTOO 14』『客家〜千古光芒の民〜』『屋根の上のヴァイオリン弾き』『BADGIRLS meets BADBOYS DANCE LEGEND vol.1』『Love Chase!!』『Argentango』ブロードウェイミュージカル 『CHICAGO』〜宝塚歌劇100周年記念OGバージョン〜、リーディングドラマティック『サンタ・エビータ〜タンゴの調べに蘇る魂』音楽朗読劇『幸せは蒼穹の果てに』など。13年のSHOW『Beyond the Door』では出演のほか構成・演出も手がけた。

ひがしやまよしひさ○大阪府出身。大学卒業と同時にミュージカル『Shocking!Shopping』で初舞台。00年『エリザベート』のトートダンサーで一躍注目を集める。03年に結成した「DIAMOND☆DOGS」ではリーダーを務め、総合演出も手掛ける。13年にEntertainment Dance Performance『BOLERO』を立ち上げる。ミュージカル、ストレートプレイ、ダンス作品などジャンルを問わず多方面に表現活動を展開中。最近の出演舞台は『ニジンスキー〜神に愛された孤高の天才バレエダンサー』Dramatic super dance theater『サロメ』オフブロードウェイミュージカル『ALTAR BOYZ』『CLUB SEVEN 10th stage!』など。

 
〈公演情報〉
0000000053132 

DIAMOND☆DOGS DANCE OPERA『マスカレード〜Final』
構成・演出・振付◇D☆D
音楽◇la malinconica NASA
出演◇DIAMOND☆DOGS(東山義久、森新吾、小寺利光、中塚皓平、和田泰右、咲山類、TAKA)/長澤風海、穴井豪、当銀大輔、穴沢裕介/水夏希
●5/27〜31◎天王洲 銀河劇場
〈料金〉S席¥8,500 A席¥6,000(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉銀河劇場チケットセンター 03-5769-0011
●6/5◎大阪・サンケイホールブリーゼ
〈料金〉¥8,500(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉ブリーゼチケットセンター 06-6341-8888
〈サンケイホールブリーゼ公式サイト〉http://www.sankeihallbreeze.com/





【取材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】


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