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宝塚歌劇団星組で2003年に初演され大好評を博し、第58回芸術祭優秀賞を受賞した大作、三井住友VISAカードシアター、グランドロマンス『王家に捧ぐ歌』〜オペラ「アイーダ」より〜が、朝夏まなとと実咲凛音を中心とした新生宙組で、2015年6月5日〜7月13日、宝塚大劇場で上演される(東京公演は7月31日〜8月30日、東京宝塚劇場での上演)。

ヴェルディの円熟期のオペラとして名高い『アイーダ』を基に、木村信司の脚本・演出、甲斐正人の音楽により、全編宝塚オリジナルとして書き下ろされたこの作品は、エジプトの若き将軍として権力を手にしながら、敵国の王女への愛を貫くラダメス、ラダメスへの愛と、滅ぼされる故国への思いとの間で揺れ動くエチオピア王女アイーダ、そして、エジプト王ファラオの娘アムネリスを軸に、ドラマチックに展開する物語が描かれていく。殊に宝塚オリジナル作品でセリフがほとんどないオペラティックミュージカルが創作されたことが喝采を浴び、今回満を持して12年ぶりの再演となった。

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そんな作品の制作発表会見が、4月21日都内で行われ、関係者、並びに出演者を代表して朝夏まなとと実咲凛音が出席。公演への抱負を語った。

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会見はまず、朝夏と実咲によるパフォーマンス披露からスタート。2人は前日の4月20日に赤坂ACTシアターでのミュージカル『TOP HAT』公演の千秋楽を終えたばかり、という大変タイトなスケジュールだったが、華やかな衣装に身を包んで登場した瞬間から朝夏はすでに将軍ラダメスそのもの。主題歌である「世界に求む、王家に捧ぐ歌」を堂々と熱唱。万来の拍手が贈られた。続いて実咲凛音が作品の重要なテーマを担う「アイーダの信念」を涼やかに披露。持ち前の歌唱力を早くも発揮していた。そして再び登場した朝夏と共に「月の満ちる頃」をデュエット。甘やかな雰囲気が自然に立ち昇り、新トップコンビの相性の良さを感じさせる時間となった。
 
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続いて、4月1日より宝塚歌劇団新理事長となった小川友次、作品に協賛する三井住友カード株式会社代表取締役社長島田秀男、作品の脚本・演出家の木村信司、そして朝夏と実咲が記者会見に臨み、まずそれぞれの言葉で挨拶を行った。

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小川 まずはじめに星組公演に続きまして、三井住友カード株式会社様をはじめとするVJAグループご有志各社様のご協賛を賜り、本当にありがとうございます。この作品は2003年に星組、湖月わたるのお披露目公演として初演の幕を開けました。木村先生の素晴らしい脚本と演出、また甲斐(正人)先生の素晴らしい音楽、全面宝塚オリジナルで好評を博しました。私は当時宝塚大劇場の総支配人だったのですが、その初日の興奮を覚えております。本当に大好きな作品で、ご存知の方もおられるかもわかりませんが、梅田芸術劇場の社長時代に、当時の小林理事長にお願いをしまして、2009年に安蘭けいさん主演で『アイーダ』として上演させて頂きました。それほど好きな作品が、12年ぶりに蘇って参ります。今から私が一番ワクワクしておりまして、初日を楽しみに致しております。朝夏まなと、実咲凛音、昨日まで『TOP HAT』で素晴らしいダンスを披露してくれました。大成功を確信しておりますが、それはここにおられる記者の皆様のご支援、後押しがあってこそと思っております。どうぞよろしくお願い致します。本日はありがとうございます。

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島田
 協賛会社VJAグループを代表致しまして、一言ご挨拶を申し上げます。この度宙組『王家に捧ぐ歌』にVJAグルーブとして協賛させて頂くこととなりました。私共は1988年の『キス・ミー・ケイト』以来、宝塚歌劇に冠協賛をさせて頂いておりますが、この作品が41作品目の協賛となります。『王家に捧ぐ歌』は皆様ご存知の通り、イタリアの大作曲家ヴェルディのオペラ『アイーダ』を基に、宝塚歌劇がオリジナル楽曲でミュージカル化され、2003年星組初演の際にも私共VJAグルーブが協賛させて頂いております。古代エジプトを舞台にエジプトとエチオピアという敵対する2つの国で、政情を超え、愛と勇気を貫く人びとをドラマチックに描いたミュージカルとして、好評を博し芸術祭優秀賞も受賞した大作でございます。今回新生宙組による待望の再演となる訳ですが、朝夏まなとさんと実咲凛音さん新トップコンビのお披露目公演でもあります。宝塚歌劇101周年、新世紀のはじまりにこのような話題作に再び協賛させて頂くことを私共VJAグループとしても大変光栄に感じている次第です。エジプトの若き武将ラダメスを演じるトップスターの朝夏さんは、繊細なお芝居、伸びやかな歌に加え、長い手足を活かしたダンスに定評のある方でございます。この舞台は壮麗な衣装もまた話題の一つでありますが、朝夏さんが黄金の衣装を着こなし颯爽と登場される姿が今から大変楽しみです。そしてエジプトに囚われの身となったエチオピア王女アイーダ役をトップ娘役で、高い歌唱力をお持ちの実咲凛音さんが演じられます。この作品は台詞がほとんどなく、全編音楽で綴られているのも特徴でありますが、ラダメスに対する愛と滅ぼされる自国に対する思いとの間で葛藤するエチオピア王女の思いを、実咲さんが持ち前の歌唱力でどのように表現されるのか、いやが上にも期待が高まって参ります。朝夏さんと実咲さんは花組時代にもコンビを組まれた経緯があり、必ずや息の合った宙組新トップコンビが生まれるものと確信致しております。またこの2人を中心とした新生宙組と木村信司先生の脚本・演出が、作品に清新な風をを吹き込み、再び平和を求める愛の歌が舞台に響き渡ることで、多くの宝塚ファンに感動を届けてくれるものと思います。

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木村
 今、ヴェルディというお話がございまして、いつ『アイーダ』を知ったのだろう、と改めて考えておりました。一番最初に観たのは、舞台でもDVDでもなくて、30年ほど前初めてスカラ座が来日した時に、当時家にビデオもなかったのですが、テレビで放送されたものを観たのだと思い出しました。この作品については、愛と平和ということをよく言われるのですが、本当のことを言いますと一番最初に脚本を書いた時に思っていたことは、ただ愛だけでした。1人の人間と1人の人間が結ばれる時に、その愛を神や国、思想やしきたり、その他あらゆるものが邪魔をしないで欲しい、ということから書いたのだと言うことを、今回改めて台本をチェックして思い出しました。その一番最初の自分の衝動にもう一回戻って、この作品を演出し直してみたいと思っています。朝夏と実咲、新生宙組のトップコンビでということもありますので、新鮮な気持ちで取り組みたいと思っております。そして最後に、三井住友VISAカード様にもう一度感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。と言いますのも、単にご協賛頂いたということではなくて、僕の中では1人の人間として精神的に支えて頂いているという気持ちがすごくありまして、初演の時にも社長さんが初日の幕が下りた時に満面の笑みで駆け寄ってきてくださり「良かった!」と言って頂いたのがすごく励みになりました。それからずっと作品を精神的にも守って頂いているという気持ちがありました。改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

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朝夏
 皆様本日はお集まりくださいまして誠にありがとうございます。宝塚歌劇団宙組の朝夏まなとでございます。私も12年前に初演を拝見したのですが、宝塚の作品としてなんとスケールの大きな作品だろう、そして音楽がなんと素晴らしいんだろうという印象を持ったのを、今でもハッキリと覚えております。12年の時を超えて、自分がこのようにラダメスという役を、また宙組で『王家に捧ぐ歌』という作品に挑戦できる機会を頂きましたことを、本当に幸せに思っております。これから木村先生とたくさんお稽古を重ねて、宙組らしい『王家に捧ぐ歌』を皆様にお届けできますよう、精一杯努力して参りたいと思います。このような素敵な作品で新生宙組がスタートできますことを誇りに思い、その気持ちを舞台で皆様にしっかりとお返しできますように務めて参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。そして最後になりましたが、三井住友VISAカード様にご協賛頂けましたことを厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございます。これから宙組一丸となって頑張って参りますので、どうぞ応援のほどよろしくお願い致します。

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実咲
 皆様、本日はお忙しい中お集り頂きまして本当にありがとうございます。このような素晴らしい作品に出演させて頂けますことを本当に嬉しく思っております。そしてまたアイーダという大役をさせて頂けることを、嬉しく思うのと同時に責任感を感じております。宙組一丸となりまして初日に向けてより良い舞台をお届けできるように、務めて参りたいと思いますのでどうぞご期待ください。よろしくお願い致します。
と、各人がおのおのの立場で作品と公演に対する熱い思いを吐露したのち、会見は質疑応答へと引き継がれた。

【質疑応答】
──先日まで『TOP HAT』で素晴らしい舞台を見せて下さいましたが、ひと公演終わられて改めて感じたこと、また今回宙組全体を率いるにあたっての抱負は?
朝夏 つい昨日まで『TOP HAT』をやっておりました。私の目標として自分が誰よりもその作品を愛し、その背中を見て組子がついてきてくれたらいい、それが私の理想のトップスター像ですというお話をさせて頂きました。それを組子も感じ取ってくれて、理想の形が出来上がったかな?と私たち自身も幸せな気持ちで公演できましたし、お客様にも楽しんで頂けたので、今度は宙組が全員集合してもっと若い組、もっともっと人数が増える分、率いていく責任も大きくなりますが、私は私らしく、この作品に体当たりでぶつかっていって、皆様に良い舞台をお届けしたいと思っております。

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──理事長さんが大好きだとおっしゃる『王家に捧ぐ歌』を今回やろうと思われた決め手、また木村先生はその再演が決まられたと聞かれた時のお気持ち、また宙組バージョンならではの新演出などはございますか?
小川 『王家に捧ぐ歌』再演の決めては朝夏です。この作品、公演が朝夏を呼んだんだなと、つまり『朝夏に捧ぐ歌』です。これがすべてです。朝夏の眼差し、清廉な演技、すべてがラダメスです。その一点です。
木村 まず「待ってました」という質問を頂きました。ありがとうございました。再演のお話を頂いた時に、つい先日『Eenest in Love』を再演致しまして思ったのが、再演と言うのは決して当たり前のように思ってはいけない、とってもありがたいことなんだと感じました、今スタッフの方々との出会いも常に奇跡ということもありまして、再演というのはそんなに簡単にできることではないんですね。それを『Eenest in Love』の時にすごく思いまして、またこの公演のお話を頂いた時も思いました。また、ラダメスは僕も朝夏にピッタリだと思いました。ラダメスという役はひねくったような役作りではなく、真っ直ぐに行って欲しいという気持ちがあるので、今の男役を見まわしても朝夏ピッタリと思いました。その点では非常に良かったと思っております。それから新演出についてはどなたかが聞いてくださるだろうと待っていたのですが、芝居部分については基本的に変えませんが、一番変わるのはフィナーレです。先ほどからお話が出ていますように、朝夏のスタイルと踊りが踊れるということがありますので、具体的には今打ち合わせ中ですが、男役を率いて踊ったり、ミュージカルのようなシーンなど、朝夏らしいパフォーマンスを取り入れたいと思っています。凱旋のところの振りもマイヤ・プリセツカヤさん素晴らしかったのですが、遠い国からおいでくださいましたので、そこの振りは変えると思います。物語を変えないで、細かく、島田社長が黄金の衣装に身を包みと言ってくださいましたが、元々は白だったのを今回は金色にしてみたりとか、色々としたいと思っています。『Eenest in Love』の時にも、生徒が変わると作品ってこんなに変わってくるんだと、演出家にも驚きがありましたので、今回宙組バージョンで生徒が変われば絶対に作品は変わってきます。ですから宝塚には再演というものはないんだなと、作品は同じでも生徒が変わることによって新作になるので、新しい生徒の新作として演出して行こうと思っています。

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──『朝夏に捧ぐ歌』とお聞きになっての感想は?
朝夏 まさかそんな風に言って頂けるとは思っておりませんでしたので。でも舞台人としてそういう風に思って頂けるのは最高のことですので、必ずや良い舞台にしたいと思っています。
──あちこちから期待の声が。
朝夏 そうですね。この衣装のように重いです(笑)。
──新しい生徒によって新しい作品になるというお話がありましたが、このコンビだからこそ最も目指したい方向性は?
木村 今一番思っているのは「月の満ちる頃」のロマンチックな部分を強調できるカップルだろうということです。その甘いところをきちんと演出したい。作品としては一番最初に言いましたように、愛、ただそれだけという方向でと思っていますので、歌詞も少し変えていまして、まず2人、『朝夏に捧ぐ歌』だけでなく、『朝夏と実咲に捧ぐ歌』なので(笑)、このコンビがまず確立してそこから世界が広がっていく形で演出をしていけたらいいなぁと思っています。今、スケールが大きいという話がありましたが、世界がどんなに大きかろうとまず2人、そこから話を広げて行こうと思っています。

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──その木村先生の思いを受けてお二人はどのように? 
朝夏 まず愛というお話がありましたが、私も初演を拝見した時に、平和がすごく印象に残っていたのですが、でも今回は愛を重点的にということで、やはり私もラダメスという将軍が戦士でありながら、1人の女性を愛しているが故に戦いをやめたいという、そのくらいの信念があるので、「アイーダの信念」という歌もありますが、ラダメスの信念もしっかりとリアリティをもって、演じたいにと思っております。
木村 ラダメスの愛は真っ直ぐいって欲しいですからね。
朝夏 はい、ストレートに頑張ります。
実咲 2人の愛を私も強く、強く出していけたらなと思います。アイーダは「戦いは新たな戦いを生むだけ」という強い信念を持って生きている1人の女性ですので、朝夏さん演じる包容力あふれるラダメスに、アイーダの全てを捧げたいと思います。
木村 頼ってはダメだよ、自立してないと。
実咲 はい(笑)。
木村 歌詞を書いた時に、男性への夢も託しながら、それと伯仲するような、ある意味では男性を追い抜いてしまうような娘役と男役の関係を、是非宝塚で書いてみたいと思ったので、頼るのではなく自立してね。
 
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──今のお話と関連して、初演ではアイーダは男役さんが演じられましたが、今回は娘役さんがというポイントは?
小川 初演では、湖月わたると、安蘭けいでというかたちでしたが、今回は「宝塚、新世紀はじまる」という年ですし、新生宙組がはじまる時でもありますので、この役は必然的に実咲凛音にということになりました。先日バウホールで宙組の若手が『New Wave!!』という作品をやって、最後の挨拶の中で「次の大劇場も全員で頑張りたいです」という言葉があって、あぁ、宙組は本当に今良い組になっているということを実感しました。新生宙組をお楽しみ頂きたいです。
木村 その時の組の体制に従っていく、というのが一番正直な答えかなと思います。敢えて脚本・演出家から補足することがあるとすれば、ラダメスとアイーダとアムネリスというのは、かなり伯仲しているところがありまして、その3人がどう立って行くかが重要です。時折私自身はこの作品の影の主人公はアムネリスじゃないかと思う時もあるんです。作品全体が、ひょっとしたらアムネリスが死ぬ直前に見た夢かも知れない、などと思ったりもしますので、アムネリスの重要さというのが浮上してくると思います。その重要な3人を組の体制に合わせてどう配役するか?ということです。

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三井住友VISAカードシアター
グランド・ロマンス『王家に捧ぐ歌』〜オペラ「アイーダ」より〜
脚本・演出◇木村信司
音楽・編曲◇甲斐正人
出演◇朝夏まなと 実咲凛音 ほか宙組
●6/5〜7/13◎宝塚大劇場
〈料金〉SS席 12,000円 S席 8,300円 A席 5,500円 B席 3,500円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉0570-00-5100
●7/31〜8/30◎東京宝塚劇場
〈料金〉SS席 12,000円 S席 8,800円 A席 5,500円 B席 3,500円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉03-5251-2001




【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】



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