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シェイクスピアの傑作喜劇『十二夜』が、3月8日から日生劇場に幻想的に華やかに登場する!
この作品はシェイクスピア戯曲の中でもとくに愛され、人気の高いもので、今回は、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのアソシエイト・ディレクターを務めるジョン・ケアードが演出に当たる。キャストは音月桂、小西遼生、中嶋朋子、橋本さとしなど、華やかで力ある俳優たちばかり。架空の国イリリアを舞台に恋の取り違えと片想いの悲喜劇を繰り広げる。

【物語】
双子の兄妹セバスチャンとヴァイオラ(音月桂・二役)の乗る船が、見知らぬ土地イリリアの沖で遭難した。岸にたどり着いたものの、兄は溺れたと信じて絶望するヴァイオラは、護身のために兄の服に身を包んでシザーリオと名乗り、オーシーノ公爵(小西遼生)に仕えることにする。
そのオーシーノが恋をしているのは、父と兄の喪に服している伯爵家の若きオリヴィア(中嶋朋子)。彼を拒み続けるオリヴィアに想いを伝えてもらおうと、 オーシーノはシザーリオを使いにやる。オーシーノに恋心を抱くヴァイオラは切ない気持ちを抱えオリヴィアの元へ向かうが、オリヴィアはシザーリオを本当の男性だと信じて恋に落ちてしまう。
一方、ヴァイオラの双子の兄セバスチャンは奇跡的に助かって、妹と同様にイリリアの街に着き、そこで偶然にもオリヴィアと出会うことに…。
そして、オリヴィアに密かに恋する執事マルヴォーリオ(橋本さとし)に仕掛けられた悪戯が、物語をさらなる狂騒へと駆り立ててゆく。

この公演の出演者インタビューを掲載した演劇ぶっく2月号の記事から、まずは音月桂と中嶋朋子のインタビューを別バージョンの写真とともにご紹介。

音月桂インタビュー 

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女優として演じる男役から生まれる新たな「音月桂」

元宝塚雪組トップスターであり、現在は女優として大活躍中の音月桂。退団後軸足を置いていた映像での活動と並行して、今回彼女が演じるのは物語の中心となる、双子の兄妹ヴァイオラとセバスチャン。そっくりな男女の双子が勘違いされることから起こるハッピーな大騒ぎに挑む、その心境は?

見どころと同時に難しさもある二役切り替え

──『十二夜』という作品にはどんな印象を持っていましたか?
シェイクスピア作品は『ロミオとジュリエット』を経験しているのですが、『十二夜』はまず喜劇ということで、セリフも登場するキャラクターも読めば読むほど味が出る感じがします。更に今回は二役をさせてもらうので、プレッシャーもありますが、楽しんで演じられたらいいなと思っています。
──シェイクスピア作品ならではの面白さはありますか?
セリフの言葉遣い「てにをは」なども独特で難しいのですが、ひとつリズムを掴むと馴染みやすいし、役にも入りやすくなります。古典ではありながら、これだけの時代を超えて今尚愛されているのがすごいですね。
──その中で男女の双子を演じられますね。
妹のヴァイオラがシザーリオと名前を変えて男装もするので、それも含めると舞台上でスイッチを切り替えなければならないことがとても多いと思うので、見どころであると同時に少し不安もあります。でもそれすらも楽しめたらと思います。
──宝塚時代にも双子を演じられていて、鮮やかな切り替えが素晴らしかったですが。
『仮面の男』ですね。あれは両方男性の双子で強い男と、深く優しい男という性格が全く違う双子だった上に、あまりお互いを思いあっていなかったんです。でも今回は性別が違うのと、お互いが思いあっているので、普段から私は例えば「好き」というセリフなら、演じる役者さんの顔を思い浮かべながら言葉を発するようにしているのに、妹が慕っている兄も私だし、妹を愛している兄も私なので(笑)、そこをどうするかがポイントです。
──宝塚での男役の経験が生きてきそうですね?
そうなのですが、男役というものに一度ピリオドを打って2年経っているので、女性の感覚を持った今また男性を演じるのは、ある意味で未知の感覚でもあります。私の宝塚時代をご存知の方は男役姿が容易に想像できると思うのですが、その想像を良い意味で裏切れるような、新しい音月桂がどう出て来てくれるのかに、自分でも期待しています。

新たな出会いと共に迎える素敵な春

──演出のジョン・ケアードさんの印象はいかがですか?
舞台を拝見して想像していたよりずっと穏やかで柔らかい方でした。スチール撮影でご一緒した時も空気が一瞬にして和むようなオーラを出されていて、男女の瞳に込める力の違いも指示してくださったのですが、未知のものを引き出してくださる感じがしました。
──共演者の方も多彩な顔ぶれですね。
小西(遼生)さんは二度目の共演ですが、前回はお兄ちゃんで今回は恋焦がれる相手と関係性が全然違いますから、初共演に見えるように新鮮に演じたいです。中嶋(朋子)さんは大先輩の女優さんで素敵な方なので、まず一目惚れして頂ける自分でいなければ! と思います。男役的な目線で見るとドキドキしますね。橋本(さとし)さんは舞台を観に行かせていただく機会があり、楽しい方だとお聞きしているので、皆さんとの化学反応が楽しみです。やはり舞台は私のルーツだし、お客様の反応を生で感じられる大好きな場所です。この作品を経験できることによってまた自分も成長できると思いますし、たくさんの恋心が交錯するお芝居ですから、お客様にも出会いと別れの春に相応しい恋心に改めて気づいて頂けるハッピーな作品だと思いますので、私と一緒に素敵な春を感じに、ぜひ劇場にいらしてください!

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おとづきけい○埼玉県出身。1998年宝塚歌劇団に入団。華やかな容姿に加え、歌、ダンス、芝居と三拍子揃った実力派として躍進し、2010年雪組トップスターに就任。『ロミオとジュリエット』『ハゥ・トゥ・サクシード』『フットルース』など様々な役どころで活躍。2012年『JIN〜仁』『GOLDSPARK!〜この一瞬を永遠に』で惜しまれつつ退団、翌年から女優活動を開始。映像を中心に精力的に活動し、2014年退団後初のミュージカル『ブラック・メリー・ポピンズ』に出演。更に多方面で活躍の場を広げている。


中嶋朋子インタビュー

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役柄が羽ばたこうとする力を生かしたい

国民的テレビドラマとも呼ばれた『北の国から』では22年間に渡って蛍役を務め、現在は、映画、舞台、朗読と様々なジャンルで幅広い活躍を続ける中嶋朋子。彼女が扮するのは、父と兄の喪に服している伯爵家の令嬢オリヴィア。オーシーノ公爵からの求愛を拒みながら、男装のヴァイオラを本当の男性だと信じて一目で恋に落ちてしまう女性を、どんなアプローチで演じるのだろうか?

喜劇作品ならではの軽やかな空気を纏って

──シェイクスピア作品にはこれまで多く出演してこられていますが、今回の作品『十二夜』にはどんな印象を?
シェイクスピアの中でも喜劇に携わったことはなかったので、まずとても楽しみにしています。私はお芝居をする時には空気感というものを大切にしていて、やはり悲劇ですと重い空気をどう纏うか? を考えるのですが、今回はそれが軽やかになると思いますので、その中にどうたゆたうか。『十二夜』という作品が持っている華やかな空気に早く触れたいです。
──演じるオリヴィアという女性をどう捉えていますか?
ちょっとお茶目でポップな感じに捉えていますが、それは衣裳や共演者の方達の発する空気によって変わっていくものなので、脚本を読んだ時に自分が抱いたイメージだけは持っていきますけれど、それ以上自分で作りこみ過ぎずに、お稽古場で演出のジョン・ケアードさんや、共演者の方とのやりとりを通じて、作品のなかでオリヴィアがどういう立ち位置なのかを考えていきたいです。シェイクスピアはまず本に躍動感があるので、そのあふれてくる人間らしさ、役柄が羽ばたこうとする力を生かすようにトライしたいですね。
──そのケアードさんの演出については?
優しい方ですし、繊細でありながらダイナミックな要求をなさる方です。ジョンさん自身がお持ちのエネルギーが大きいので、そこにダイブすれば何かしら起こるのでとても安心しています。いかに自由にまた楽しんで自分を投じることができるかにかかっているので、できるだけ鎧を着ないで、ジョンさんがこの作品の核心として持っていらっしゃるものに委ねて、そこから起こる化学反応を楽しみにしています。

浮気なものじゃなく人生を豊かにする一目惚れ

──スチール撮影の時には、ケアードさんからはどんなアドヴァイスが?
 「皆に恋される感じで」と(笑)。それってすごいハードルなんですけどって思って(笑)。「皆が振り返るような感じなんだよ」とおっしゃるので、もう「頑張ります」としか言えませんでした(笑)。
──ぴったりだと思いますよ。オリヴィア自身も作品中に一目惚れをしますが、中嶋さん自身は一目惚れの経験は?
ありますね。人に限らず、作品でも、お洋服でも、海外旅行でもファーストタッチで心を掴まれたら、それはすごく良い出会いだし、人生においてすごく重要ですよね。その第一印象でドキッとする気持ちは、浮気なものではなく、人生を豊かにするものなのだっていうことを、この『十二夜』は教えてくれる作品になるんじゃないか、と思っています。
──共演者の方達も新しい出会いの方が多いですね。
皆さんとてもカラフルな方達という印象ですし、音楽劇をたくさんされているので、天性の躍動感やリズム感がおありだと思うのですが、私はそこが全く違うので(笑)初めてのお手合わせで、新しい自分に出会えるのでは?と期待しています。
──恋をするのが、女性の演じる男性ですが?
特に違和感はありません。魂の美しさに惹かれるというのは、性別によるものじゃないと思うので、音月(桂)さんの役が持っている美しさに早く触れて、恋に落ちたいです。
──では作品や、オリヴィア役への意気込みを改めて。
夢のような世界が広がって、その世界を出演者自身も満喫できる舞台になるだろうと思います。皆さんにお届けするのがとても楽しみなので、皆さんも是非楽しみにして観にいらしてください。

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なかじまともこ○東京都出身。長く愛されたテレビドラマ「北の国から」(CX)の蛍役を22年間務めたのをはじめ、映画、舞台、朗読など様々なジャンルで活躍。近年ではエコロジストとしてのライフスタイルも注目を集めている。主な舞台に『Naked〜裸〜』『血の婚礼』『ガラスの動物園』『私生活』『ヘンリー六世』『リチャード三世』『おそるべき親たち』などがある。


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『十二夜』
作◇W・シェイクスピア 演出◇ジョン・ケアード 
美術・衣裳◇ヨハン・エンゲルス 編曲◇ジョン・キャメロン
翻訳◇松岡和子 
出演◇音月桂 小西遼生 中嶋朋子 橋本さとし/青山達三
石川禅 壤晴彦 成河 西牟田恵 宮川浩 山口馬木也 他
●3/8〜30◎日生劇場
〈料金〉S席¥12,000 A席¥7,000 B席¥4,000 ベンチ席¥12,000 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777
●4/7◎iichiko総合文化センター  iichikoグランシアタ
●4/10〜12◎梅田芸術劇場  メインホール




【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】


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