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「Dramatic super dance theater」と名付けられた新しいダンスの世界『サロメ』。
演出と振付は舞踊界でつねに新しい伝説を生み出し続ける上田遙が手がけ、サロメ役の東山義久とヨカナーンの舘形比呂一、エロド王の桜木涼介、その妻のエロディアには桐生園加、そのほかに長澤風海をはじめとする優れたダンサーたちが参加するという豪華な舞台だ。
その物語のなかで、サロメをめぐるドラマティックな愛憎を生きるサロメの母エロディア役に扮する桐生園加に話を聞いた。

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エロディアの強さや存在感を

──上田遙さんの作品に参加するのは?
初めてです。以前、前田清実さんの舞台を手がけられていたのを拝見したことがあります。とてもエネルギーを感じる舞台という印象でした。
──今回はサロメの母のエロディア役という役どころを演じるわけですが。
退団して3年ほど経ちましたが、初めて出会った役どころです。かなり毒のある強い女性なのですが、そういうアクの強い役はぜひやってみたかったんです。宝塚時代からわりと良い人が多かったので、すごくやり甲斐がある役をいただいたと思っています。
──この作品は出演者が男性ばかりで、女性キャストは桐生さんだけなのですね。
そうなんです。周りを囲む男性たちに負けないように、強さとか存在感を出さないといけないなと。エロディアは物語のなかで、女性としてのいやな部分を押し出さなければならないのですが、言葉なしでダンスだけでどれだけそれを表現できるか、すごく難しいなと思います。それを表現するためにも、ある意味では男性的な強さを持っていないといけないなと思っています。

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──エロディアはサロメの母という部分もありますね。
まさかのリーダー(東山義久)の母の役で、最初はどうしようかと思いました(笑)。でも、エロディアはわりと母親的なところがないんです。夫をサロメと取り合って娘に嫉妬するような人ですから。ただ母の愛がまったくないわけではないので、その見せ方を考えたいです。
──東山さんとは『薔薇降る夜に蒼き雨降る』(12年)で1度共演しているのですね。
その公演ではリーダーとはあまり絡む場面はなかったんです。それが今回、いきなり母と娘ですから(笑)。でも、またご一緒できてしっかり絡めるのは嬉しいです。
──東山さんのダンスはどんなところが魅力ですか?
まず稽古場と舞台のギャップがすごくて、それは私も言われるんですけど(笑)。衣装とかメイクで本当に別の人格というか、もう1つ違う次元を見せてもらえる。それはベースがしっかり出来ているからだし、さすがだなと思います。それから、とにかく美しいと思います。姿もそうですしダンスも美しい。私は宝塚にいたせいか、表現には美しさが必要だと思っていて、そういうものに惹かれるし、東山さんは立っているだけで美しいんです。

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女性になって苦労したのはリフト

──桐生さんも宝塚時代から今に至るまでダンサーとして活躍中ですが、いつもストイックで技術を磨いているなと。
いえ、ストイックな部分とそうでない部分の落差が、すごく激しいんです(笑)。でもストイックに続けてこられたのは、やっぱりすごくダンスが好きなんだと思います。
──男役から女性のダンスという変化にはどう対応してきましたか?
ぜんぜん変わってないと思います。ダンスへの考え方も取り組み方も。女らしく踊ろうとか思ったこともなくて、自分では相変わらずゴツゴツした踊り方だなと思っています(笑)。ただ、リフトの乗り方は、やっと少し慣れました。最初に持ち上げる側から持ち上げてもらう側になったとき、本当に怖くて、キャーキャー言ってました(笑)。乗せるほうが気持ちがラクで、乗る側はやはりすごく気を使うんです。遠慮して乗るとよけいうまくいかないという悪循環で、早くコツをつかみたいと焦ったり、なんとか大丈夫になったのが『薔薇降る夜〜』の公演で、(中塚)皓平さんと組んで初めてうまくリフトに乗れてそこからですね。
 
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──桐生さんは、ミュージカルやストレートプレイなど、世界を広げていますが、舞台の楽しさはどんなところですか?
舞台のその1回1回にかける集中力とか、緊張感がたまらないですね。それに千秋楽に向けてどんどん進化していくのが楽しいし、可能性って果てしないなと思うんです。そういうふうに挑戦して、成長していく過程とか積み重ねのなかで、自分の成長を自分で確認していけるのが舞台で、初日はだいたい後悔することが多いんですけど、その反省をもとに変われる。その自分の振り幅などを感じられるのも楽しいです。

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東山さんのサロメと広い肩幅が母娘

──宝塚のOG公演でも活躍していますね。
OG公演に出て一番楽しいのは、気心が知れている仲間がたくさんいて、そこでこんなに自由でいいのかというくらいラクな気持ちでいられるんです。素直に楽しい(笑)。今年の3月、大先輩の剣幸さんと『コンクラーヴェ』という公演でご一緒させていただいたのですが、その公演でも剣さんのお人柄に触れることができて、すごく幸せでした。
──宝塚のOGの方たちというのは特別な絆ですね。
やはり大先輩なので最初は緊張しますが、ちょっとしたことがきっかけで垣根が一気になくなるんです。上級生なのでもちろん敬語でお話するのですが、同じところで育ってきたということでなんでも話せるのが不思議ですね。そういう意味では、宝塚ではないのですが、東山さんのDIAMOND☆DOGSも、退団後のディナーショーの時からお世話になっていて、今では宝塚と同じくらい古巣になっています。いい意味で女性として扱ってくれないし(笑)、仲間という感じで一緒に作れるのが楽しくて。皆さんが踊れるダンスで私ができないものなども教えてくれて、聞くとブーブー言いながらも(笑)丁寧に教えてくれるんです。メンバーのなかにいると本当に居心地がよくて、私の第二の古巣です(笑)。
 
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──今回の公演も東山さんはじめ、沢山出ていらして心強いですね。
めちゃめちゃ安心です(笑)。舘形さんは憧れのダンサーさんですから、すごく緊張しますし、エロディアはヨカナーンに酷い態度をするので申し訳ないなと思いながら、共演できて光栄です。エロ王は桜木涼介さんで、宝塚にも振付にいらしていたので、お顔だけは知っていました。旦那さまですので一生懸命に愛そうと思います(笑)。娘のサロメのリーダーについては、あんなすごい子を生んだ覚えはないのですが(笑)、昨日、リーダーに「園加も肩幅広いな!」と言われて(笑)、やっぱり母娘だなと(笑)。
──素敵なカンパニーでの桐生さんのエロディアが楽しみです。
私自身もすごく楽しみです。宝塚時代から良い人の役が多くて、やっと悪役をやれることも嬉しいし、素晴らしいダンサーの方たちと上田遙さんの世界を踊ることができる。素晴らしい機会だと思いますので、今回のチャンスを大事に、皆さんに負けないように、精一杯、エロディアを表現したいと思っています。


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きりゅうそのか○神奈川県出身。98年に宝塚に入団。宙組公演『エクスカリバー/シトラスの風』で初舞台を踏み、翌年花組に配属される。幼少からのダンスを武器に活躍。月組に組替え、11年に宝塚を退団。以降、女優としてミュージカルからストレートプレイまで多彩に活躍中。最近の出演作品は『恋文 星野哲郎物語』『コンクラーヴェ』『『セレブレーション100! 宝塚』など。今年11月には『CHICAGO』に出演予定。


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Dramatic・super・dance・theater
『サロメ』
構成・演出・振付◇上田遥
振付◇新上裕也
音楽◇川井郁子/T-LAYLA
出演◇東山義久 舘形比呂一 桜木涼介 桐生園加 長澤風海 田極翼 三浦宏規 タツル 小寺利光 中塚皓平 和田泰右 佐々木健 羽鳥翔太 工藤裕哉
●9/5〜7◎シアター1010
〈料金〉7,800円(全席指定・税込)
〈問合わせ〉キョードー東京 0570-550-799(平日11:00〜18:00 土日祝10:00〜18:00)
      シアター1010 チケットセンター03-5244-1011(10:00〜18:00) 
〈劇場HP〉http://www.t1010.jp/html/calender/2014/263/263.html




【取材・文/榊原和子 撮影/アラカワヤスコ】

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