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優れた技術と表現力を持ったダンサーとして、また俳優として幅広く活躍している東山義久が、ダンスと演劇の世界で活躍中の先輩、舘形比呂一と初共演する。
その作品の題材になるのは、オスカー・ワイルドの名作『サロメ』。演出と振付は舞踊界でつねに新しい伝説を生み出し続けるクリエーターの上田遙が手がける。(9月5日から7日までシアター1010にて)。
「Dramatic super dance theater」と名付けられたこのステージで踊るのは、東山と舘形に加えて、桜木涼介、桐生園加、長澤風海をはじめとする優れたダンサーたち。欲望渦巻く大人たちの闇の世界に咲く純真無垢な一輪の花、サロメをめぐる美しくも激しいステージである。
その稽古場で、サロメ役の東山義久に話を聞いた。(続いて桐生園加インタビューも掲載します)

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無垢であるがゆえのサロメの残酷さ

──今回の作品のヒロイン、サロメ役ですが、どんなふうに演じようと?
女性の役ではあるのですが、女性っぽくやろうとは思っていないんです。女装しているという感じも絶対に出したくないと思っていて、相手役のヨカナーンが舘形(比呂一)さんというとても美しい方ですから、「人ってこんなに綺麗なんだよ」というものを見せられたらと。それから、純真無垢な少女の中に潜んでいる邪悪というか純粋悪というか、無垢であるがゆえの残酷さを、サロメという女性を借りて表現できたらと思っています。
──確かにサロメの持つ無意識の残酷さとか欲望などは、人間の持つ根源的なものですね。
それを、男性とか女性という「性」を突き抜けて見せられればと。 
──ダンサーの方というのは、身体性を極めるとそういう突き抜けかたをしますね。
僕の好きなシルヴィ・ギエムも『ボレロ』を踊ると女性ではないですからね。エロスというよりも人間の持つ生命力とか幅のようなものを感じさせるし、エロスがあるとしたら人間そのものの根源的なエロスなんだと思います。

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 ──相手役のヨカナーンを演じる舘形さんとは、初共演なのですね。
皆さんに驚かれます。今までなぜか共演の機会がなかったんです。お互いに作品はよく観ているのですが。
──世代的には舘形さんが少し上ですね。
初めて僕がこの世界に入った頃、すでに「THE CONVOY」で活躍されていました。僕が『エリザベート』に出演したあと、自分がこの世界を続けるかどうか迷って、ほかの選択肢もあるのではないかと考えていたとき、お互いの知り合いを通してご飯に誘ってくださって。それで一緒にご飯を食べながらいろいろな話をお聞きしたのですが、そのことで、舘形さんたちの「THE CONVOY」ではないけれど、僕も自分がやりたいことをやってみようと思ったんです。ダンサーが歌ってもいいじゃないか、自分たちのショーを作るのもいいなと。それが「DIAMOND☆DOGS」というグループを作るきっかけになりました。
──すごいご縁ですね。そこから15年目の初共演というのは、まさに劇的ですね。
精神的にお世話になったかたと、しかもこういう立場で一緒に踊れるのがとても嬉しいですね。
 
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ドラマティックな物語を生きるダンサーたちを

──ほかの共演者のかたですが、エロド王の桜木涼介さんは?
僕の新しいダンスカンパニー“BOLERO”の公演に出演してくれた仲です。エロディアの桐生(園加)さんは、彼女が退団してすぐのディナーショーで、うちのメンバーが共演と振付で参加して、そこからのご縁なんです。彼女はさすが宝塚という感じで、自分の見せ方をよく知っていますね。ふだんは男の子みたいで色気があまりないんですが(笑)、今回のエロディアの扮装写真なんか、別人みたいな色気があって、オフとオンの差が激しい。それは僕もよく言われるんですが(笑)。
──構成・演出・振付の上田遙さんとは初めてだそうですね。  
初めてです。でもうちのメンバーたちがよくお世話になっていますので、今回、ご一緒できるのをすごく楽しみにしていました。
──上田さんの振付の魅力はどんなところですか?
たくさんありますが、1つは、そのシーンで言いたいこと、それを振付として的確に表現することが上手だなと思います。たとえばサロメが最後にヨカナーンの首を持って踊る振付では、物語がこうなっているので、こう見えるはずだからこう踊って、というふうにイメージが明確にできているので、振付がすごく早いんです。そして覚えやすい。『ニジンスキー』のときの平山素子さんと同じで、振りが台詞みたいで、覚えたら抜けようがないんです。

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 エロディア(桐生園加)、上田遙、エロデ(桜木涼介)、サロメ(東山義久)
 
──その振付をすぐに踊りこなす東山さんもすごいですね。いつも感動するのは、表現者としての姿勢がすごく素直でひたむきだなと。
自分のカンパニー以外では、演出家の方に自分を委ねて、純粋に自分の表現だけを追求していけばいいので、ある意味ではラクなんです。ラクというのはもちろんメンタルな意味で、たとえば謝珠栄先生など技術的には厳しいことを突きつけられるのですが、それを信じて応えるとちゃんと結果として返ってくる。そういう信頼は今回の上田先生にもあって、自分をまかせて、そのうえで細かい振りなどを1つ1つ相談しながら進めていける稽古場なんです。
──自分のカンパニーを率いて、また1人の表現者として、着実にステップアップしていますね。
全然まだまだです。歌ももっとうまくなりたいし、もちろん芝居も。いろいろな作品に出て、もっといろいろな表現を身に着けたいですね。
──最後に今回の公演の意気込みを。
ダンサーしか出演しない舞台ですが、ただのダンス公演ではなくて、ドラマティックな物語の、さまざまな見せ場のなかで生きるダンサーたちを観ていただきたいですね。僕に関していえば、いかに綺麗なダンス表現ができるか、そこを見ていただければと思います。

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稽古場での七色のベールの踊り/サロメ(東山義久)
 


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ひがしやまよしひさ○76年生まれ、大阪府出身。大学卒業と同時にミュージカル『Shocking!Shopping』で初舞台。00年東宝ミュージカル『エリザベート』にトートダンサーとして出演し、注目を浴びる。その後自らを中心とするエンターテインメントユニットDIAMOND☆DOGSを始動。以来、ミュージカル、ストレートプレイ、ダンス作品などジャンルを問わず多方面に表現活動を展開している。昨年秋には新しいダンスカンパニー“BOLERO”を立ち上げた。最近の主な出演作品は『ニジンスキー』『ちぬの誓い』など。


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〈公演情報〉
Dramatic super dance theater
『サロメ』
構成・演出・振付◇上田遙
振付◇新上裕也
音楽◇川井郁子/T-LAYLA
出演◇東山義久 舘形比呂一 桜木涼介 桐生園加 長澤風海 田極翼 三浦宏規 タツル 小寺利光 中塚皓平 和田泰右 佐々木健 羽鳥翔太 工藤裕哉
●9/5〜7◎シアター1010
〈料金〉7,800円(全席指定・税込)
〈問合わせ〉キョードー東京 0570-550-799(平日11:00〜18:00 土日祝10:00〜18:00)
      シアター1010チケットセンター 03-5244-1011(10:00〜18:00) 
〈D☆DオフィシャルHP〉www.diamonddog-s.com/
〈劇場HP〉http://www.t1010.jp/html/calender/2014/263/263.html


【取材・文/榊原和子 撮影/アラカワヤスコ】


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