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SMAPの香取慎吾をはじめとした、個性あふれる出演者たちの競演で話題沸騰中のミュージカル『オーシャンズ11』が、東急シアターオーブで公演中だ(7月6日まで)。
2001年にジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ他、ハリウッドを代表する豪華俳優陣を揃えて映画化され、大ヒットを記録したこの作品が、宝塚歌劇団で舞台化されたのは2011年。小池修一郎の脚本・演出により、スリリングなコンゲームものの妙味満載だった展開に、ハリウッドの華やかなイリュージョンショーの要素も加味し、ヒーローとヒロインのラブストーリーの要素を前面に出した内容が大好評。2013年の宝塚での再演を経て、今回新たなミュージカルナンバーも書き加えられ、更にパワーアップしての男女版登場となった。

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ストーリーは、4年間の刑期を終えて、仮釈放当日の朝の天才詐欺師ダニー・オーシャン(香取慎吾)からはじまる。
この日もまた、再三離婚を求めていた妻テス(観月ありさ)の離婚届を持って、弁護士が面会に訪れるが、ダニーはサインをするとごろか届を真っ二つに引き裂き、まだテスを深く愛している、別れるつもりはないと言い放つ。だが、肝心のテスは現在、ラスヴェガスのホテル王テリー・ベネディクト(橋本さとし)の元で、歌手としてのメジャーデビューを控えており、ベネディクトの新しい恋人だとも噂されている。その話を聞き、ダニーはラスヴェガスへと駆けつける決意をする。

ここで囚人服から一瞬の引き抜きで粋なスーツ姿になったダニーが、男たちを引き連れて颯爽と踊り出すオープニングから、ミュージカルの醍醐味が舞台上にあふれて爽快だ。
ダニーを演じる香取はミュージカルの舞台経験こそ多くないが、20数年国民的アイドルグループの一員としてトップを走っている人ならではのスター性をフルに発揮して存在感抜群。冒頭から一気に客席の空気を掌握してしまう様は堂々たるもので、作品の牽引車としての役割を十二分に果たしている。

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さて、ホテル王ベネディクトは、ショースター・ダイアナ(霧矢大夢)という愛人をもっているばかりか、冷酷非道な手段でラスヴェガスを牛耳る「本物の悪党」。その事実を聞き知っていたダニーは、昔馴染みのラスティー・ライアン(山本耕史)と落ち合い、ベネディクトに一泡吹かせ、テスを奪還する為の計画を実行に移してゆくのだが、彼ら主要メンバーが揃って魅力的で心躍る。

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テスの観月は何より抜群のプロポーションで魅了する。舞台映えのする容姿だからあとは経験値だろう。一方その経験値でリードするラスティーの山本は、ダニーとの掛け合い、また恋人ポーラ(フランク莉奈)とのデュエットなど働き場が増え、役柄が大きくなっている以上にミュージカル畑の人だという安定感が際立つ。場面に応じて二枚目から三枚目までを楽々と泳いで小気味よく、香取とのバディ感に至っては原作映画以上で、舞台を下支えする力が絶大だ。

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一方、ベネディクトの橋本は、大柄な体躯を活かし、悠揚迫らぬ悪役ぶり…と見せて、どこかでは思い込みの激しい人間で、本人が大真面目だからこそ可笑しいという一面をも醸し出して、冒険活劇の悪役にピッタリ。ダイアナの霧矢は、元男役ならではのパッショネイトを役柄に巧みに加えて、ポイント、ポイントという出番に絶大なインパクトを残すことに成功している。存在自体がチャーミングな人だけに、ダイアナの唯我独尊ぶりが決して嫌味にならないのも好印象で、鮮やかにクリーンヒットを飛ばした。

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そんな相手から、ダニーは大金をせしめ、引いてはテスの心を取り戻すべく、選りすぐりのエキスパート集団「オーシャンズ11」を結成してゆく。
ダニーの大胆不敵な計画は成功を納めるのか?またテスのくだす決断は?と、ドラマは高揚感高めて進むが、この「オーシャンズ11」の面々がまた個性的。雑技団の達人イエンの坂元健児は椅子を使った雑技を歌いながら軽々とこなすし、立っているだけで異彩を放つラッキィ池田、芋洗坂係長、いぶし銀の斎藤暁など、とにかくおもちゃ箱をひっくり返したような賑わいが楽しい。

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ここに真田佑馬、安井謙太郎、萩谷慧悟のイキの良いジャニーズJr.の若手たち、水田航生、角川裕明ら二枚目若手俳優も加わって、舞台のスピード感は絶好調。「11」がV字になってキメる胸をすくシーンなど、舞台作品ならではの醍醐味が満載で、全体が極上のエンターティメント作品に仕上がったのが何よりだった。とにかく理屈抜きに楽しい、ワクワク感にあふれた舞台になっている
 
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大盛況の東京公演は、当日立ち見券が抽選販売になる日も出るほどの人気となっているが、10月下旬には大阪、梅田芸術劇場メインホールでの公演も予定されており、大旋風はまだまだ続きそう。更なる盛り上がりに期待したい。

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尚、この公演に関して取材した「霧矢大夢インタビュー」を、7月9日発売の「演劇ぶっく」8月号にて掲載いたします。どうぞお楽しみに!


 
ミュージカル
『オーシャンズ11』
脚本・演出◇小池修一郎
作曲・編曲・音楽監督◇太田健
振付◇桜木涼介、YUSUKE、(オープニング振付)TETSUHARU
出演◇香取慎吾、観月ありさ、山本耕史、橋本さとし、霧矢大夢 ほか
6/9〜7/6◎東急シアターオーブ
10月下旬◎梅田芸術劇場メインホール
ミュージカル「オーシャンズ11」公演問合せ 0180-99-3221



【文・橘涼香/写真・アラカワヤスコ】


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