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彩吹真央の主演で2011年の11月に上演、妖しく官能的なタンゴの世界で観客を魅了した『ロコへのバラード』が、よりドラマティックに、よりグレードアップして帰ってくる。

ピアソラの名曲「ロコへのバラード」をタイトルに掲げたこの舞台は、ブエノスアイレスの書店に勤めるマリアを主人公に、店長のオラシオや、毎週金曜の朗読会に集まる人々の人生と愛を、タンゴの音楽とダンスで綴っていくというもの。

マリアには彩吹真央、店長のオラシオに石井一孝、そして朗読会にやってくるラロには西島千博、ロミーナはChizuko(チヅコ)という初演キャストに加え、新たに石井一彰、大月さゆ、進藤学、Andres Gonzalez(アンドレス・ゴンザレス)が参加。さらに、ミュージカル『フォーエバー・タンゴ』の主役を務めたClaudio Villagra(クラウディオ・ビシャグラ)が、振付とキャストで加わるということで、新鮮で豪華な顔ぶれでの再演となっている。
また、初演で音楽監督と演奏を担当した世界的なバンドネオン奏者の小松亮太が今回も参加、その圧倒的な調べで観客を酔わせてくれるはずだ。

9月19日の初日を前に、いよいよ熱気をはらんできた『ロコへのバラード』の稽古場を訪問。甘く切ないタンゴの調べのなかで、情熱的に踊るキャストたちの姿を、写真とともにご紹介する。

 

 

【稽古場レポート】

 

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彩吹マリアは、柔らかなシフォン風の綿の短いトップスに黒のアンダー、そしてサルエルパンツ。昨年はショートカットだった髪が、今年はセミロングで、それを揺らしながら踊る姿がセクシーだ。
女性たちはピンホールのハイヒールを履いていて、その姿でタンゴの複雑で小刻みなステップを巧みに踏む。組んでいる男性もスマートな足さばきで、足元がぶつかり合うなどといった光景には決してならない。簡単ではないそのことに毎回感動してしまう。

 

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今回のゲストともいうべきクラウディオ・ビシャグラやアンドレス・ゴンザレスと、スペイン語をまじえながら和やかにコミュニケーションをとる彩吹。積極的にクラウディオにアドバイスを受けて、すぐに踊って見せる。

 

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昨年、タンゴの真髄を見せてくれたChizuko。世界選手権で日本人初のチャンピオンとなる快挙を成し遂げた彼女が、この舞台で演じるのは、夫の浮気を疑うあまり夢遊病になるロミーナ。脱いだ靴を持ちながら彼女が踊り始めると、一瞬にして空気が変わる。夫役のクラウディオとの息もぴったりで2人のデュエットは圧巻だ。

 

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ロミーナの幻想の中で、夫のハビエルは赤いドレスの美しい女性に誘惑されて踊る。そのデュエットはクラウディオと彩吹で、セクシーという言葉だけでは表現できないような、妖しく官能的な2人だけの世界だ。

 

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ステージの中心へと進み出て、女性をリードするクラウディオの滑らかな足さばき、登場の瞬間から目が離せなくなる。彼はミュージカル俳優なので、今回はソロで歌う場面もある。『ウエスト・サイド・ストーリー』でトニーを演じたこともある彼が、素晴らしいその声でタンゴを歌ってくれるのだ。お聴き逃しないように!

 
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アルゼンチンだけでなく欧州でも活躍するアンドレス・ゴンザレス。彫りの深いハンサムなダンサーで、世界選手権に出場するための振付けも手がけるという実力派だ。

 

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俳優でタンゴダンサーとしても豊かなキャリアのある進藤学。今回が初参加だが、「このマネキンは僕が持ってハケられます」と自分から提案するなど、気さくですっかりこのカンパニーに馴染んでいる。

 

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夢遊病でさまよい歩くロミーナのChizukoは、幻想の男たちと踊る。ソフトをかぶって踊る男性たち。やや目深なかぶり方に独特な色気がある。

 

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愛にさまようロミーナと夫のハビエルのデュエットは、Chizukoとクラウディオ。言葉はなくてもその動きと絡み合いのなかに、闘いから和解にいたる心のドラマが、鮮明に浮かび上がってくる。感情が高まって涙ぐみながら踊るChizuko。その彼女を大きく包み込む男性的なクラウディオ。タンゴが男女の愛の表現であるということを、まざまざと実感するようなデュエットだ。そんな凄みのあるダンスを見せてくれた2人に、稽古場の全員から大きな拍手が送られる。


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場面稽古が終わると、演出の小林香から個々へのアドバイスが与えられる。初演以上のクオリティを要求される再演だが、初演メンバーだけでなく新メンバーへの信頼も篤いのが感じられる。なかでもクラウディオ・ビシャグラというスペシャルな存在を得て、小林のイメージはさらに広がっているようだ。


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オラシオ書店の店長のオラシオを演じるのは石井一孝。この日は稽古場面がなかったが、マリアを見守り、その書店にやってくる人々をさりげなく包み込む存在だ。この作品のタイトルでもある「ロコへのバラード」を歌う場面は、大きな見せ場でもある。

 

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場面が変わっての稽古は、西島千博や大月さゆ、石井一彰も加わっての稽古になる。


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30歳を過ぎてしまったアメリータ役の大月さゆ、2回の離婚歴と年下というハンディがあるミゲルの石井一彰、なかなか結婚に踏み切れないカップルを演じる2人。劇中でいろいろな年代に変化して見せる場面では、コミカルで温かな笑いを誘う。

 

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西島千博が演じる椅子職人のラロは、素朴で暖かい男性でマリアをひそかに想っている。2人が恋に落ちる幻想のバレエシーンは、クラシックバレエで鍛えた西島ならではの、美しく端正でファンタジックなシーンだ。


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前半の稽古では「レナセレ」、後半の稽古では「ジョ・ソイ・マリア」を聴かせてくれた彩吹。もともと持っている深く温かな声が、タンゴを歌うときにはやや翳りを帯びて、一段と魅力的に響いてくる。そんな彩吹の深化したマリアは注目である。

 

【続けて次ページでは彩吹真央インタビューをお楽しみください】





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タンゴ・ミュージカル

『ロコへのバラード』2013

作・演出◇小林香

音楽監督◇小松亮太

振付◇Claudio Villagra、Mario Morales、西島千博、港ゆりか

出演◇彩吹真央/Claudio Villagra、Chizuko/石井一彰、大月さゆ、進藤学、Andres Gonzalez/西島千博(特別出演)/石井一孝

ゲスト出演◇小松亮太

演奏◇キンテート・オセイロ

●9/19〜29◎東京グローブ座

〈料金〉S席 8,500円、A席 5,500円、プレミアムシート11,000円(全席指定/税込)
〈問合わせ〉アトリエ・ダンカン 03-3475-0360(平日12:00〜18:00)
●10/4、5◎サンケイホールブリーゼ

〈料金〉8500円(全席指定/税込) 
〈問合わせ〉ブリーゼチケットセンター 06-6341-8888(11:00〜18:00)
〈公式HP〉http://www.duncan.co.jp/web/stage/loco/

【取材・文/榊原和子 撮影/岩田えり】 



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