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ミュージカル『春のめざめ』で、07年度のトニー賞など世界各国の演劇賞を総なめにしたカンパニーの第2弾が、8月24日から日本で初上演される。オフ・ブロードウェイのヒット作品で『テン・ミリオン・マイルズ』、カントリー調の曲に乗せて1組の男女が旅をするロード・ミュージカルである。

フロリダからニューヨークまで旅に出かける男女には岡田浩暉と貴城けい、行く先々で出会う人たちには戸井勝海と土居裕子が扮し、4人きりの出演者が、愛と人生を考える物語を描き出す。その作品に出演する貴城けいに、この舞台への意気込みを聞いた本誌のインタビューを、ロング・バージョンでお楽しみください。



フロリダからニューヨークまで旅をするカップル


──ロード・ミュージカルというのは珍しい形ですね。どんな話なのですか?

フロリダからニューヨークまで旅をする1組の男女の話なのですが、自分を見つけて行く旅というのが面白いなと思います。相手役の岡田浩暉さんは、実際に車で旅をしたことがあるそうです。私はどちらかというと早く目的地に着きたいので、車でのんびりと旅をという気持ちはまだわからないのですが(笑)。この作品の中で、ちょっとその気分を味わえたらいいなと思っています。

──着くことが目的でない旅は、どこかロマンがありますね。

もしかしたら、その途中でいろいろなものが削ぎ落とされていくのかなと、そんな気もします。

──岡田さん扮するデュエインと、貴城さんのモリーは恋人同士なのですか?

何カ月か前に知り合ったばかりで、デュエインはモリーに好意を持っていると思うのですが、モリーは心の中では好きだけど、どこか自分の気持ちに素直になれない、という状況ですね。

──2人のやり取りで見せる場面が多そうですね?

2人きりの場面も多いのですが、今回、出演されている戸井勝海さんと土居裕子さんが、デュエインとモリーの行く先々でいろいろな役で登場して、2人に影響を与えます。

──岡田さんとは『愛と青春の宝塚』(11年)で共演していますね?

この間、他の雑誌で対談したとき、「男らしい貴城さんに付いて行きます」と言われました。全部知られてます(笑)。戸井さんも『SIDE SHOW』のコンサート・バージョンでご一緒しています。土居さんは初めてですが、舞台をいろいろ拝見していますので楽しみです。

──音楽はシンガーソングライターとして有名なパティ・グリフィンの作曲なんですね。もう曲は聴きましたか?

はい。資料として今いただいている曲はフォークカントリー調ですが、本番はアレンジされたものになると聞いているので楽しみにしています。

──歌う曲はたくさんありそうですか?

多いです。歌い慣れない曲調なのでドキドキしています(笑)。でも岡田さんが、私の声はハスキーだからカントリーには合うと言ってくれたので、ちょっとホッとしています(笑)。


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真琴さんの原案で楽しかった『DREAM LADIES』


──ちょっと最近の他の仕事にも触れたいのですが、昨年8月の『大江戸緋鳥』とか、今年4月の『DREAM LADIES』など、楽しい舞台が続きましたね。

『大江戸緋鳥』では、時代劇の娘役を初めて演じさせていただきましたがとても難しかったです。とくに振り袖で立ち回りするのがたいへんでした。鎧かぶとを着けて立ち回りするほうが、よっぽどラク?みたいな(笑)。町娘の着物は帯が胸まであるので息が苦しくなるんです。男装だと帯が低いので大丈夫なんですが。そう考えると着物って、いろいろ考えられてできているんだなと思いました。

──立ち回りもあれば歌も踊りもあって、いろいろな貴城さんを拝見できた公演でしたね。

芝居のあとに短いショーがあって、昔のアイドルのような曲で歌って踊ったのですが、最初は恥ずかしくて、稽古場で鏡が見れなかったんです。「絶対、無理!」って(笑)。でも開き直ってからは、楽しく頑張りました。

──外見はすごく女性らしいのに不思議ですね。そして『DREAM LADIES』は、4人のOGさんのチームワークで盛り上がった公演でしたね。

初めて宝塚のOG公演というものに出させていただきました。真琴(つばさ)さんの原案の力が大きかったと思うのですが、ストーリー性とショーの華やかさをちゃんと組み合わせた作品で、宝塚時代の曲を改めて歌うことが、新鮮で楽しかったです。

──貴城さんのケイトは作家で、真琴さんが当て書きしてくれた役でしたね。

真琴さんは、ご自分が本当はケイトタイプだそうで、「自分がやりたかったけどみんなに止められた」とおっしゃってました(笑)。マミ(真琴)さんとは『愛と青春の宝塚』で初めてご一緒にさせていただいたのですが、そのとき私の性格をすごくよく見ていらしたみたいです。4人の中でもわりと冷静なところとか、客観的なタイプというところは、当て書きかなと思いました。マミさんについては、ご一緒するたびにいろいろな意味で本当にすごい方だなと感じていますし、尊敬しています。ご飯に誘っていただいたり、プライベートでも仲良くさせていただいています。

──そして、湖月わたるさんや大和悠河さんも、わりとご縁が深かった方たちですね。

舞台上でも4人のバランスがよかったと、観た方に言っていただけて、嬉しかったです。真琴さんのポリシーで、私とタニ(大和)は、あくまでも女性らしくやってほしいと。そして、少し男っぽい感じがマミさんとわたるさんというイメージでした。男役ではない、カッコイイ女性というのを表現するのが楽しかったです。


朗読劇でまた1つ引き出しが増えました


──そして今年の6月には、朗読劇にも挑戦しましたね。

『私の頭の中の消しゴム』では、また、すごく新鮮な新しい発見がありました。今まで沢山の舞台を踏んできましたが、まだまだいろいろな感覚を感じることができるのだなと。朗読劇でまた1つ引き出しを持ったことは大きいと思います。

──その感覚はこの『テン・ミリオン・マイルズ』にも生きてきそうですね。

今回も最初は手探りだと思いますが、お稽古場でもがくだけもがいて、また新しい発見をしたいですね。カントリー風の楽曲や、4人きりのキャストなど、たくさんの初めての経験が待っていますから、必ず何かをつかめると思っています。

──ところで1月に結婚されましたね。おめでとうございます。仕事と家庭のバランスなどは?

バランスなどあまり考えていないのですが、今のところなんとなくうまくいっている気がします(笑)。

──ますます意欲的に仕事に取り組んでいる感じですね。

そうですね。どこか安心感がありますので、それが女優としての仕事にうまく反映できればいいなと思っています。

──最後にこの作品のピーアールをぜひ。

出演者が4人という少人数で、劇場も小劇場なので、かなり濃密な空間になりそうですが、その世界にどっぷりつかって、私たちと一緒に、"ロード・ミュージカル"の旅を楽しんでくださいね。


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たかしろけい○東京都出身。1992年、宝塚歌劇団入団。元宙組男役トップスター。退団後は女優として活動。最近の舞台は『大江戸緋鳥808』、『DREAM LADIES』、朗読劇『私の頭の中の消しゴム』など。その他、TV、映画、ライヴ、本の出版、オリジナルショーツストッキングのプロデュースなど多岐にわたり活躍中。11月〜12月には舞台『乾いた太陽』に出演予定。


 

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オフ・ブロードウェイ・ミュージカル

『テン・ミリオン・マイルズ』

脚本◇キース・ブーニン

作曲◇パティ・グリフィン

演出◇北澤秀人

翻訳・訳詞◇立花裕人

出演◇岡田浩暉 貴城けい 戸井勝海 土居裕子

●8/24〜9/1◎新国立劇場 小劇場

〈料金〉¥10,500(全席指定・税込)

〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京0570-00-3337

http://10million-miles.com/


【取材・文/中山圭 撮影/岩村美佳】

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