1
宝塚100周年まであと1年。2011年から開催されてきた、TAKARAZUKA WAY TO 100th ANNIVERSARYシリーズも5作目を迎える。今回まず注目すべきは、真琴つばさが原案から関わっているという点。
作中には「DREAM LADIES」という真琴、湖月、貴城、大和の4人で構成された女性ユニットが登場。これだけでも今までのOG公演とは一味違ったアプローチである。
次々と飛び出す真琴のアイディアに集まった湖月、貴城、大和も興味津々!
公演への期待を胸に和気藹々と盛り上がったインタビューの模様をお届けする。


変化球のOG公演

3
──原案から真琴さんが関わっているということですが、どんなところから発想されたのですか?
真琴 男役ではない格好良い女性としての姿を見せたいというのと、過去の宝塚時代の映像を使いながら何かをやりたいというところから、企画がスタートしました。私に求められるのは、いままでのOG公演とは違う変化球だと思うんです。だから、お芝居を入れることにして、そのお芝居もいつもとは違った角度からお見せできたらと思っています。

──あらすじはどんな感じになりますか?
真琴 4人で「DREAM LADIES」というコンビを組んでいたのですが、解散して10年後、久しぶりにマネージャーの結婚式で4人が揃って歌うんです。それがきっかけで復活して、もう一回コンサートをやろう!という話になるまで…みたいな感じですね。テーマは「過去の自分」です。過去って大きくなりすぎてしまうところもあると思うのですが、大切なのは「今」。今、過去をどう思うか、未来をどう思うか、すべてが今の自分との戦いなんだな、と。そういう葛藤もお見せしたいですね。
 
4──役の設定も真琴さんが考えられたそうですね。
真琴 はい。役名もわかりやすい方が覚えやすいからいいと思って(笑)、私はイベントプロデューサーのマーシー役。大和は昔のタニという愛称からターニア。ドリームレディースが解散した後は女優をしているという設定です。
大和 真琴さんがおっしゃっていた、今の自分との戦いって、私も「ああ!」と思い当たるところがあるんです。宝塚現役時代の自分と、これからの自分というのは、辞めてからいつも考えていますね。女優という今の自分自身と重なる役柄なので、より洗練された雰囲気を出せたらと思いますし、新しい、今の自分を表現できたらと思っています。
真琴 貴城は作家になったケイトね。
貴城 はい。私自身、本を出したことがあるので、そういうところを真琴さんは役に生かしてくださっているんです。あと、ケイトが物語の中でどういう役割を果たすのかを真琴さんからちょっと伺ったのですが「私を含め、すごくみんなのことを見てらっしゃるな」って。
真琴 あなたは、頬をぶつときに逃げる人(笑)。
貴城 (笑)。『愛と青春の宝塚』という舞台で真琴さんとご一緒したとき、真琴さんに頬を叩かれる場面があったんです。
真琴 叩かれるのも痛いだろうけど、叩く方も痛いの。で、私が痛いと思っているのを、最後の公演のときに察したんだろうね。
湖月 よけたんですか?(笑)
貴城 叩かれる!と思ったときに、首がさっと…。
真琴 そう、エアービンタだったの(笑)。
貴城 よけてしまったのは私の一生の汚点なんですが(笑)、そういうエピソードも含め、本当によく見てらっしゃるなと。そんな真琴さん原案のお芝居の中で今の自分をどれだけ出せるかも挑戦ですし、すごく楽しみでもあります。
真琴 そして湖月は振付家兼ダンサーのルー。
湖月 わた“る”のルーです(笑)。宝塚を退団してからいろいろな分野のダンスに挑戦させていただいたのですが、真琴さんはそこも見てくださっていたのかと思うと、身の引き締まる思いです。
真琴 演出の中村先生には一応言ってあるよ。みんな宝塚時代の男役ではないので、あの時代の踊りを求められるのは湖月だけです、って。
全員 (笑)。
湖月 (笑)。ありがとうございます。頑張ります。
 
5──真琴さんから見た、3人の印象を話してください。
真琴 じゃあ、大和から。大和は現役時代と今とでギャップがあるので、今回はその両方が出たら良いなと思っています。あと彼女の天然な部分と(笑)。
大和 そんな、天然じゃないですよ!
真琴 そう言ってる人こそ天然。
全員 (笑)。
真琴 嫌味なく、かわいい天然なんですよ。そこも引き出したいですね。
大和 天然に期待していただいているということで、私はもう自分から何かしようとせず、いままで通りの感じでいようかと思います(笑)。
真琴 貴城には『愛と青春の宝塚』で一緒になったとき、私と似てるよね、って言ったことがあって…。
貴城 そう、似てるって言っていただいて、すっごく浮かれました!『愛と青春の宝塚』のとき、真琴さんの稽古場での気迫、役に挑んでいく姿が本当に格好良くて、すごいなと思っていたら、その3秒後ぐらいに「私たちなんか似てるよね」って声を掛けていただいたんです!
真琴 いや、格好良いところが似てると思ったわけじゃないんだけどね(笑)。
全員 (笑)。
真琴 人をどう見ているかとか、その捉え方が似ているなと思うんです。
貴城 そうなんです。でも私も、心の中で案外そうかもって思ってたんですよ。
真琴 最後、湖月はすごくポジティブで、そういうところに私は引っ張ってもらっています。私が困ったときにも、ポンっとアドバイスをくれる頼もしい存在。
湖月 いやいや。真琴さんがすごく気遣いができる方なので、見えないところでいろいろやってくださるんですよ。
真琴 と思わせつつ、抜けてるところはすごく抜けてるんです、私。緻密にやっているように見えて抜けているところを全て彼女がフォローしてくれていますね。
 
──一幕のお芝居のあと、二幕はショーという構成ですね。ショーにも真琴さんのアイディアが?
真琴 ショーは先生にお任せするつもりだったのですが、ちょっと踏み出しちゃったらとことんやることに。宝塚で使われた曲で構成しようと思っています。ショーのメドレーを考えるのに、4人の共通点を探すためそれぞれのウィキペディアのページを印刷して、共通する作品に丸していったりもしました。
湖月 すごい愛を感じます。
大和 宝塚時代から真琴さんはアイディアマンで、やっぱり今もそうやって全部調べてくださって、そういう愛情を感じることがすごく嬉しいんですよね。
真琴 愛してるよ。
全員 (笑)。
大和 私は、そういう真琴さんの温かさにいつも助けていただいているので、思いに応えられるように、この作品をより良い形にしていきたいなと思います。
湖月 きっとお客様にもそういう思いは届きますよね。だから私たちは真琴さんからいただいたボールをおもいっきり遠くに飛ばすことに専念する、と。
貴城 ですね。湖月さんがおっしゃったように、真琴さんからのボールをしっかり受け止めて、きちんとお客様に投げたいなと思います。
 
 
4人に共通する宝塚へのリスペクト
 
2──宝塚が100周年を迎えるにあたって、皆さんの今の気持ちは?
真琴 歴史の瞬間に、こういう記念公演に出演できるというのがすごく幸せです。夢のリレーでバトンをどんどん渡してきたから、100周年を迎えることができる。その中で一番大切なのは応援してくれる方々の存在で、その応援を励みにここまでやってこれたのだと思っています。この公演でも忘れてはいけないのは、お客様が何を求めているか、ということ。やはり宝塚の卒業生は華やかでなければいけない。そこに夢を託す、見て良かったと思ってもらえるはずなので。男役ではないかもしれないけれど、もみあげも書きませんけど(笑)、とにかく宝塚へのリスペクトです。
湖月 私は駅伝を見ると、胸が熱くなるんです。学校のたすきの重みを背負って、最後まで走って行くじゃないですか。私たちも先輩からたすきを受け取って、走って、渡して…その時代を駆け抜けられた一員であることに誇りを持っています。若いときに憧れて夢中で飛び込んだ世界で、ちゃんと走り抜いて、たすきを渡せたことを幸せに感じています。
貴城 とにかく伝統ある劇団に自分が所属していたという責任感、そして誇りを私も感じています。そして100周年を前にした今のこの時期に、このメンバーで公演できるのが、私も幸せです。
大和 私も宝塚が大好きで宝塚に入ったのですが、辞めたからこそ改めて宝塚の大きさや温かさを感じています。自分の基礎が作られた場所なんです。小さいころは宝塚に入るのが夢だったのですが、夢が叶って、退団して、今は女優として新たに夢を持って活動している私たちを見ていただいて、お客様にも元気や勇気を届けたいなと思っています。
真琴 100周年とは関係ないかもしれないけど、私、好きな言葉があってね。新幹線の中の広告で見たんだけど「挑戦とは、若者だけの言葉ではない。夢を忘れていない人の言葉だ」という。私たちはやっぱり夢の世界にいて、挑戦する過程があるから輝き続けられるんだと思う。
 
──最後に公演への意気込みをお願いします。
大和 今回の作品の中で、過去の曲、過去の場面を今の自分がやるということが、挑戦であり、楽しみでもあります。今までと同じ事はやれないと思いますし、新しい、今の自分を出していきたいと思っています。
貴城 ケイトという役の中で私自身の経験も生かされると思いますし、あとは真琴さんが見抜いてくださった私の本質を前面に出して、また新しい面もお見せできたらと思います。
湖月 振付家という役なので、今は時間があるといろいろな先生のレッスンに出て、この先生はどんな曲を選んで、どんな振付をするんだろう?という新鮮な目線でレッスンを受けています。今までと見方が違うから、ちょっとぼーっとしちゃうときもあるんですけど(笑)、現役時代並みの踊りがあるかもしれないので、身体も鍛えつつ、頑張りたいと思います。
真琴 新しいのに、とっても懐かしい香りのする作品です。宝塚の人ってやっぱり華やかね、素敵ね、と憧れていただけるような、お客様にときめきをお届けできるような、素敵なステージを作りたいと思いますので、劇場までどうぞ見にいらしてください。
 

1
 まことつばさ(中左)○東京都出身。1985年、宝塚歌劇団に入団。97年に月組主演男役に就任し、01年に宝塚を退団。退団後はライブ活動、舞台、映画、ラジオ、ドラマ、バラエティ番組などに出演し幅広く活躍している。(衣裳:YUKI TORII)
 
こづきわたる(中右)○埼玉県出身。1989年、宝塚歌劇団に入団。03年に星組主演男役に就任し、06年に宝塚を退団。退団後は女優として活躍。『BADGIRLS meet BADBOYS』(12年)などダンス公演にも精力的に出演している。
 
たかしろけい(右)○東京都出身。1992年、宝塚歌劇団入団。元宙組男役トップスター。退団後は女優として活動。『サイド・ショウ』『大江戸緋鳥808』他多数の舞台、ドラマ、ライヴと幅広く活躍。2008年出版『宝塚式「ブスの25箇条」に学ぶ「美人」養成講座』(講談社)は現在も増刷を重ねるヒット作になっている。
 
やまとゆうが(左)○東京都出身。1995年、宝塚歌劇団に入団。07年に宙組主演男役に就任し、09年に宝塚を退団。退団後は女優として活躍し、ミュージカル『プロミセス・プロミセス』(12年)などに出演。またオペラにオマージュを捧げるオペラカイエを定期的に開催している。

 

DREAM LADIES
TAKARAZUKA WAY TO 100th ANNIVERSARY vol.5
『DREAM LADIES』
脚本・構成・演出◇中村暁(宝塚歌劇団)
原案◇真琴つばさ
出演◇真琴つばさ 湖月わたる 貴城けい 大和悠河/風花舞 星奈優里 桜乃彩音/初風緑 夢輝のあ 桐生園加 ほか(全23名+ゲスト1名各回出演)
日替わりゲスト◇麻路さき 稔幸 香寿たつき 彩輝なお 朝海ひかる

●4/2〜7◎梅田芸術劇場メインホール(大阪)
●4/10◎コラニー文化ホール(山梨)
●4/14◎ホクト文化ホール大ホール(長野)
●4/18◎愛知県芸術劇場大ホール(愛知)
●4/20◎上野学園ホール(広島)
●4/24〜29◎東京国際フォーラムホールC(東京)
●5/9◎イズミティ21大ホール(宮城)
 
<料金>
東京・大阪公演
S席 10,000円/A席 7,000円/B席 4,000円(全席指定・税込)
 
<お問い合わせ>
梅田芸術劇場
東京公演 0570−077−039
大阪公演 06−6377−3800
http://www.umegei.com/schedule/251/




【取材・文/岩見那津子 撮影/岩村美佳】

演劇キック演劇情報コーナー → http://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/


『屋根の上のヴァイオリン弾き』など公演えんぶ割引チケット → 
http://enbu.shop21.makeshop.jp/

演劇ぶっく4月号(3月9日発売)えんぶ☆ショップで予約中です。