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一幕では個性豊かな仲間を増やしていく面白さ。
二幕ではその仲間の特技がかみ合って難題を解決していく面白さ。
この二つの面白さが宝塚そのものの面白さと重なっていたのが、今回の『オーシャンズ11』である。

主人公の天才詐欺師であるダニー・オーシャン(柚希礼音)は、人を惹きつけるカリスマ性のあるリーダー。度胸の良さと粋な立ち振る舞いでチームを引っ張っていく。
そのリーダーを絶妙にサポートしていくのが、ライアン役の涼紫央。肩の力が抜けた男っぷりをみせる。
柚希と涼のやり取りは一段と大人っぽくて、洒落た格好良さを感じさせた。
この二人が中心となった金庫強奪計画に手を貸すのがソール(未沙のえる)、フランク(夢乃聖夏)、ライナス(真風涼帆)、バシャー(壱城あずさ)、リビングストン(美弥るりか)、ルーベン(美城れん)、イエン(鶴美舞夕)、バージル(如月蓮)、ターク(天寿光希)の9人。
演技で華麗に人を騙す元カリスマ詐欺師を未沙が演じるところからはじまり、鶴美の特技のバトンであったり、生徒一人ひとりが持っている個性が役にそのまま生きているのが嬉しい。
ダニーたちが仲間を一人見つけてくるたびに、演じ手の新たな魅力が見えてくる、といった感じである。
仲間になっていく9人それぞれに見せ場があるのも見逃せない。

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一幕は柚希演じるダニー・オーシャンを中心とした“オーシャンズ11”というチーム作りと、彼らが対する悪役を描くことに費やされた。
ダニーたちが狙うのは、ラスベガスの冷酷なホテル王ベネディクト(紅ゆずる)が持つ地下金庫。紅が敵役に回り、ダニーと対する形となる。
ベネディクトにも部下はいるものの、紅自身としては孤軍奮闘が求められる役どころ。柚希を相手にするにはまだ押し出しの弱い点もあるかもしれないが、知的さや渋さが求められる役に挑戦することによって、紅も一回り大きくなるのではないだろうか。

このダニー対ベネディクトの構図に絡んでくるのがダニーの妻で、しかし今はベネディクトの恋人となっているテス(夢咲ねね)。夢咲は二人の男から愛されるのも納得の美貌を印象付ける。
この三人の三角関係が金庫強奪計画と同時進行し、ダニーがテスを愛し続けているという恋愛の描写を書き加えたことで宝塚らしさも高まった。

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二幕ではいよいよ金庫強奪計画が実行に移される。
それぞれが持つハッキングやスリの腕が金庫破りという一つの目標のために発揮され、次々とオーシャンズ11たちは壁を突破。そのスピード感と爽快さを楽しみたい。
舞台がラスベガスということでマジックを行うショーナンバーなどもあって見た目にも華やか。
ショースターとしてデビューしようとするテスをライバル視するダイアナ役の白華れみの、あえての大仰な演技も楽しい。 

心理描写が少し物足りなく感じられる部分もあったが、『オーシャンズ11』という映画を上手く、宝塚に、星組にシフトさせた小池修一郎の年をまたいでの大仕事。全体を見た時のまとまりのよさはさすがである。年の初めのお正月公演、最後には宝塚らしいフィナーレナンバーもつき、大きな満足感と共に劇場をあとにすることができるだろう。星組の勢いを感じさせる『オーシャンズ11』は2月5日まで東京宝塚劇場で上演中である。

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poster

星組公演
NTT東日本・NTT西日本フレッツシアター
ミュージカル
『オーシャンズ11

脚本・演出◇小池修一郎

●1/2〜2/5◎東京宝塚劇場

<料金>
SS
11,000円、S 8,500円、A 5,500円、B 3,500円(税込)

<HP>
http://kageki.hankyu.co.jp/revue/251/index.shtml


 【文/岩見那津子 撮影/冨田実布】


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