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帝劇100周年のラインナップの1つでドイツ発のヒットミュージカルが、この秋、瀬奈じゅん主演で上演される。

その作品、『ニューヨークに行きたい!!』は、ドイツのヒット曲メーカー、ウド・ユルゲンスの音楽に乗せて送るミュージカルコメディーで、『エリザベート』のミヒャエル・クンツェが歌詞のほとんどを担当している。

豪華客船を舞台に華麗な衣裳と楽しいダンスがいっぱいというショーアップしたステージで、07年にハンブルグで初演、現在はシュツットガルトとウィーンで大ヒット上演中である。
 

主演の瀬奈じゅんは人気テレビのキャスターをしているリサの役。老人ホームで暮らす母マリア(浅丘ルリ子)が、同じホームのオットー(村井国夫)と豪華客船で駆け落ち、ニューヨークで自由の女神の下で結婚式を挙げるというので、オットーの息子のアクセル(橋本さとし)とともにあとを追いかけていく。その道中でアクセルとの間に恋が芽生えて……。楽しい歌とダンス、笑いで運んでいくハッピー・ミュージカルである。


この作品の制作発表が8月22日に行なわれ、劇中の衣裳で瀬奈、橋本、浅丘、村井という4人のメインキャストが登場した。
 

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【一問一答】
 

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ーーまずこの作品の魅力を語っていただきたいのですが。

山田 僕は子供の頃から船が大好きだったので、客船を舞台にしたミュージカルの演出ができることを本当に嬉しく思います。ミュージカルコメディなので笑いがふんだんにあるし、ダンスや見せ場がたくさんある。一番の特徴は現代のミュージカルということで、あまり現代というものはないんですよね。これはまごうかたなく現代の血の通った人たちが、人生のいろいろなことや仕事に追われながら生きていく。そういう人たちの喜怒哀楽、愛憎が客船の中で繰り広げられていく。世代の違い、仕事を取るか恋を取るか、我々に身近な問題がたくさん出てくるんですが、深刻にならずに笑いの中に何が大切なのかを考えさせてくれる、楽しいミュージカルです。

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ーー瀬奈さんはキャリアウーマンのリサ役ですが?

瀬奈 今回の最近では珍しい現代のミュージカルで、私は女優になってから現代女性を演じるのは初めてなので、新たな挑戦と思って頑張りたいです。女性の永遠のテーマである仕事か結婚かということでは自分にちょっと重ねながら(笑)、悩みながら、共演者の皆様にいい刺激を受けながら、とにかく楽しいミュージカルをお届けしたいと思っております。
 

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ーー橋本さんは『三銃士』に続いて瀬奈さんと恋人役ですね?

橋本 瀬奈さんとは今、舞台でとても切ない恋を繰り広げています。しかも舞台上で絡むのも一瞬なんですよね。でもこの作品はがっちり、ハッピーラブなので、俳優としても男としても楽しみに思っております。でもさっき控え室で山田さんから「さとしも早く衣裳に着替えたほうがいいよ」と言われたんですが、確かにこれ普段着そのままみたいで(笑)。これが衣裳です。しかも箪笥から出したばかりみたいな匂いがして硬いし、靴も足が痛いんです(笑)。これがちゃんと馴染んで役の衣裳に見えるようになっていたいなと思います。
 

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ーー村井さんは浅丘さんと駆け落ちする役で、色々なご経験も踏まえて。

村井 私が初めて駆け落ちをしたのは・・・(笑)。今回の役のことなんかどうでもいいんです。変わり映えのしない中に唯一新鮮な浅丘さんにワクワクしております。僕は少年の頃から、浅丘さんが少女の頃から、憧れの方なのでご一緒できるので、何よりも嬉しいです。この話は人生の楽しさとか恋の素晴らしさとか、人を許容することの美しさとかがテーマになっております。4人のうちの3人までは恋の達人ですから、(瀬奈・立ち上がる)君のことだとは言ってないでしょ(笑)。素敵な恋模様ができるんじゃないかと思っております。
 

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ーーミュージカル初登場の浅丘さんですが、今の気持ちは?。

浅丘 今の気持ちは死にたいです(笑)。私がこんな仏頂面でいるのは、「なあに?私に歌えってか?」と(笑)。いろんな不安ばっかりで、どうしたらいいのかわからなくて、もう本も覚えたくないくらいで(笑)。今年はなぜか三本目で、全部同じ年の役なのでそれは嬉しいなと。でもミュージカルのお稽古は1カ月半かかりますと言われて、まず歌の稽古、踊りの稽古、そして本番の稽古と、それを聞くたびに憂鬱になってきて(笑)。どうしたらいいか、本当にできるものなら今からでも降りたいと(笑)。(3人に)あなたたちは慣れてるからいいけど、お客様をがっかりさせないように、できるだけ早く台本も音楽も先にいただいて先に努力して、皆さんと肩を並べられるようにと思っております。どうなりますことやら。私は歌は下手でございますけれども心で歌ってみようと思います。そうぞよろしくお願いいたします。
 

ーー浅丘さん、すでに何かされているのでしょうか?

浅丘 毎日30分声を出しなさいと言われてて。そんなの絶対できないからすぐに上手くなる方法を教えてと言ったんですが、そんな方法はないと(笑)。仕方ないのでできるだけ努力します。
 

ーー役柄への取り組みを。

瀬奈 台本を読んでみた限りでは、なかなか人に心を開けなかったり、女だから舐められたくないとか、ちょっとというか、かなり自分と重なる部分がありますので。

浅丘 意外!

瀬奈 そうなんです。人見知りが激しいのでよろしくお願いいたします(笑)。最後はリサは母親に心を開いていくのですが、その成長とともに、私自身ももっともっと心を開いて成長したいなと思っています。

橋本 僕はルックス的にはふだんと全く変わらないからそのへんは気楽なんですが、いつもハッピーラブとは縁遠いので(笑)、何を言わすねん(笑)。瀬奈さんとは二度目なのでわかってる部分もあるし、新しい関係性で再会できて嬉しいです。それに村井さんと親子というのが今回、どんな家族?と(笑)。

村井 うーん、ちょっとヤバいね(笑)。

橋本 親子の絆とか、男同士の関係も楽しみなんですが、できれば村井さんには浅丘さんだけで、瀬奈さんは奪われないように僕も頑張らないとと思ってます。

村井 マリアが相当アクティブな女性なので、僕はそれに引っ張られていくんですけど、僕がマリアに惹かれるのはわかるんですが、マリアがなぜ僕を選んでくれたのかちょっとわからなくて(笑)。そこをうまく納得してもらうように作っていくのが大事かなと思ってます。

浅丘 アクティブという役は私にはたいへん合っております(笑)。私は何をやらかすかわかりません(笑)。老人ホームの経験もないしこんな大きな娘を持ったこともないので、いろいろ想像できないんですが、瀬奈さんを妹と思っているほうが親しい感じがするかもしれませんね。でも親って本当にたいへんだろうなと思います。喧嘩もしなければならないしね(笑)。でも最後は仲直りするのよね。私、あなたをすごく愛しますからね。

瀬奈 はい。私も愛したいと思います。よろしくお願いします。


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ーー瀬奈さん現地で観た感想は。

瀬奈 プレビューでしたから、かつらを飛ばす人はいるわ、出遅れする人もいるわ、はちゃめちゃだったんですけど、たくさんダンスナンバーがあるし、私はドイツ語はわからないんですけど、なぜか笑ってしまったんです。ミュージカルの面白さってやっぱり身体を使って伝えるものだなと。それに曲の素晴らしさと、人間関係の面白さ、狭い船の上ならではの楽しさもあって。この楽しさを日本語にして私たちが伝えるのはどうしたらいいのかなと思いながら観てました。とにかく楽しいミュージカルでした。
 

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【囲みインタビュー】
 

ーー大先輩たちに囲まれて主演ですが。

瀬奈 そこを考えすぎちゃうと気負うのであまり考えずに、こんな素敵な方たちと一緒にさせて頂けることを、ありがたいなと思って大切に演じたいです。
 

ーー浅丘さんウエディングドレスの感想は?

浅丘 40年目ですね。素敵でしょ? 着る機会?もうないでしょ。
 

ーー村井さんと共演は初めて?

浅丘 初めてなんです。テレビでも舞台でも全然なくて。前から拝見させていただいてましたので、嬉しいです。

村井 私の方こそ嬉しくて嬉しくて。昔から「何かやりたいね」というお話はしていたので、それが恋人役なので、本当に嬉しいですね。
 

ーー橋本さんはカメラマンですね?

橋本 何のカメラマンかと思っていたんですけど、衣裳からいうとどうみても戦場カメラマンですよね(笑)普段自分では携帯の写メールぐらいで(笑)。カメラマンに内面からなりきりたいと思います。それよりもト書きに「フレッド・アステア顔負けのダンスをする」と書いてあって(笑)。ダンサーでない僕の1番不安なポイントで、チャレンジ精神で頑張りたいと思います。

村井 あれ、無くなったから。

橋本 ほんと?

村井 うそだよ(笑)。
 

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ーー浅丘さん歌がすごく心配だと?

浅丘 だって皆さんはミュージカルの方でしょ? 私が歌うことでがくっと落ちたら申し訳けないから。

村井 バラードですから大丈夫ですよ。この間の芝居でも歌ってたじゃないですか?

浅丘 でもあれは普通の芝居だから。

村井 芝居歌でいいんです。

浅丘 じゃ、心で歌います。本当に不安なので早く稽古がしたいです。早く音もほしいし、台本もほしいし。早く覚えて早く皆さんに追いつきたいです。

村井 浅丘さんは立稽古の時には全部台詞が入ってますからね。橋本くん、大丈夫ね?

橋本 僕も博多の『三銃士』公演中に必死でがんばります!

瀬奈 同じく博多でがんばってきます。
 

ーー最後に瀬奈さん一言。

瀬奈 親子の絆も描いているこのミュージカルが、ふだん身近にある大切なものを見直していくきっかけになればいいなと思います。もちろん、とてもハッピーなミュージカルなので、何も考えずにただ楽しんでいただいてもいいと思います。私たち、精一杯お稽古を頑張りますのでぜひ観にいらしてください。よろしくお願いいたします。


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帝国劇場100周年記念公演 ミュージカル

『ニューヨークに行きたい!!』

音楽◇ヴド・ユルゲンス

演出◇山田和也

出演◇瀬奈じゅん、橋本さとし、泉見洋平、戸田勝海、村井国夫、浅丘ルリ子、他

●10/29〜11/20◎帝国劇場

●11/25〜11/29◎梅田芸術劇場メインホール

〈料金〉S席12500円 A席8000円 B席4000円(全席指定/税込)

〈料金〉SS席15000円 S席12000円 A席9000円 B席5000円(全席指定/税込)

〈問合せ〉東京/東宝テレザーブ 03-3201-7777

大阪/梅田芸術劇場 06-6377-3800

http://www.tohostage.com/newyork/


【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】

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