前ページから続きます。

s_013


【この時期に表現者は何をすべきか】
 

ーー今回、2部のテーマが「祈り」ということですが。

私がいま、被災地の方に何ができるかと言ったら、ただ祈ること、それから絶対に忘れないでいること、心を共にしていること、それしかできない。そこで「祈り」とか「生きる希望」をコンセプトに構成してみたんです。

 

ーー詩を朗読するんですね。

いろいろ読んでみて、被災地の子供さんの作文なども読んだりしたんですが、あまりにも生々しくて。ずっと探していたなかでこの詩に出会ったんです。でも詩を一編読むのは1つの芝居を演じるくらいの力がいるなと思っているところです。

 

ーーそう考えるとショーは、いろいろなことをしなくてはならないので、すごく労力が必要ですね。

ほんとうにたいへんで、自分でもバカだなと思います(笑)。『FEMALE vol.10』のとき、本当に心身共に疲れるからもうやめようと決心していたのに、千秋楽にラストの『All by myself』を踊っていたら、なんか悲しくなって「もう私、踊らないのかな」と思ったら涙が出てきて…。「踊れるんなら踊ろうかな」と思ってしまって。身体がなかなかついてこないんですけど、やはり踊りたいという気持ちはあるんです。先日、前田清実さんの発表会を観たときも「ああ、私も頑張らなきゃ」と。

 

ーー公演という目標があると、やはり力が出てくるのでは?

震災で一度白紙になったということもあるし、やるべきかどうかすごく迷ったんですけどね。表現する側としては、今、どういう踊りを踊ったらいいのかとても悩みますね。

 

ーー観る側は舞台から元気を貰えるのですが、やる側はそんなに単純ではない?

祈りだとか希望だとか、そういうテーマを踊ることさえ偽善かなという気持ちもありますし、ただ元気よく華やかにすればいいのかとか、いろいろ葛藤があります。でもやってもやらなくても言われるんだったら、結局は自分の心に忠実になるしかないんですよね。

 

ーー安寿さんはサヨナラ公演中に阪神淡路大震災も経験してますからね。

実はファンの方たちのことも気にかかっていたんです。仙台の一番被害の大きかった地区にファンの方がいて、消息がしばらく不明だったんです。そのほかの被災地にもたくさんファンの方たちがいたので、皆さんの無事を確かめたときは本当に嬉しかったです。そのファンの方たちが「やはり舞台を観たい」と言ってくださって。そのことも今回、大きな励みになりました。

 

ーー現実がたいへんな時ほど夢が必要ですから。

なでしこジャパンなんて、すごい希望を与えてくれましたものね。スポーツっていいなと思いました。

 

ーーこういう時だからこそ、どんどん舞台に出てください。といってもこのあと年内には舞台が目白押しですが。

11月にゲストでDIAMOND☆DOGS の『TANGO”Series vol.4』に出て、12月に上田遥さんと宮川彬良さんとで創る音楽舞踊劇『PIAF』でピアフを演じます。それから夏のディナーショーの振り替えをホテル側のご好意でクリスマスにやります。なんか倒れそうなスケジュールですが(笑)。

 

ーー倒れないでください。『FEMALE』も11から20まで続けるつもりで、なつめさん(大浦みずき)のぶんまで。

いや、身体がついていくかどうか(笑)。

 

ーーなつめさんの首飾りを胸にがんばってください。

はい、がんばります(笑)。東京はまもなくですが、新神戸オリエンタル劇場はお盆の時期に参ります。関西の皆様もぜひ観にいらしてください。

 s_018s_012JPG

s_005PGs_009



安寿ミラ ダンスアクト

『FEMALE vol.11』

構成・演出◇ANJU

振付◇原田薫 佐々木信彦 港ゆりか

出演◇安寿ミラ 佐藤洋介 真波そら

演奏◇大田智美 長見摩耶

●8/3〜5◎新宿BLAZE

●8/13〜14◎新神戸オリエンタル劇場

〈料金〉東京/7000円(1ドリンク付き/全席指定・税込)

神戸/S席 7000円 A席 5500円(全席指定・税込)

〈問合せ〉東京/キョードー東京 0570-064-708

神戸/新神戸オリエンタル劇場 078-291-1100

『FEMALE vol.10』安寿ミラインタビュー

http://blog.livedoor.jp/enbublog-journal/archives/1352738.html



 
【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】


演劇キック演劇情報コーナーhttp://blog.livedoor.jp/enbublog-forecast/