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安寿ミラのダンスの公演が間もなく幕を開ける。
 

これまでの形の『FEMALE』 シリーズはvol.10で一応の区切りをつけ、「ダンスコンサート」から「ダンスアクト」へと進化。新たな形、新たな可能性を追求していくもので、東京と神戸で公演が予定されている。 

安寿のほかに、『Underground Parade』などで活躍中の佐藤洋介、そして元宝塚雪組の真波そらという2人の優れたダンサーが共演。ミュージシャンはアコーディオンとピアノ(&キーボード)の生演奏で、女性演奏家2人が参加する。
2部構成になっていて、ACT I はドラマ仕立てで、1人の女性の夢を幻想的にドラマティックに描く。ACT II は「祈り」をテーマにダンス、歌、朗読がバラエティ豊かに繰り広げられる。

 

8月3日の東京初日を前に、港ゆりかの振付けを稽古場で踊る安寿ミラを訪ねて、今回の「ダンスアクト」の内容や『FEMALE vol.11』の抱負を話してもらった。
 


【ピエトラガラにインスパイアされて】


ーー今回から
「ダンスコンサート」から「ダンスアクト」へということですが。

実はあんまりやってることは変わらなくて、踊るのも減らそうと思っていたのに、去年より踊ってるかもしれないです(笑)。

 

ーーどうしても流れでダンスを入れたくなるんでしょうね。

やっぱり良いダンサーの人たちに出てもらってるので、1人だけ芝居してるわけにもいかないですし(笑)。

 

ーー2部形式という構成ですね。


1部は簡単なストーリーがあって、2部は震災への思いを込めて「祈り」をテーマにしたものになっています。実はこの公演も震災で二転三転したんです。本当は夏のディナーショーを『
FEMALE 』形式で東京と宝塚のホテルでやるつもりでいたんです。でもあの震災後にあまり華美なことは気持ち的にもできなくなってしまって。それで無しにしようとも思ったんですけど、この時期にやるとすでに告知していたので、小さな劇場でと思って探していたら、今回の2つの劇場に空いている時期があったんです。新宿BLAZEはライブハウスとしても有名ですごく綺麗なところです。新神戸オリエンタル劇場は、ちょうどお盆の時期で空いていたので。
 

ーー新神戸オリエンタルは、FEMALE 』は何回か公演してますね。
 

そうです。それにこの間『ジョアンナ』もやったばかりで、わりと縁がある劇場です。 
 

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ーー1部はどんなストーリーですか?
 

「これは1人の女性の夢物語です」という言葉で始まるんですが、ある女性の夢で、内容はちょっと私の実体験みたいなものも含まれているんですが……実はまたフランスでピエトラガラに会ってきたんです。
 

ーーすごいですね。またフランスまで追っかけを?


(笑)そうです。前回はナントでしたが、今回もアンジューという小さな町での公演を観て、劇場の楽屋口で待ってたんです。
 

ーー出待ちですね(笑)。


私ともう1人くらいしか待ってなくて、絶対ここから出てくるはずだと思って待ってるのに、なかなか出て来なくて。楽屋番のおばさんに聞いても「たぶんね」くらいしか教えてくれないし。そうしたらそのうちご主人のジュリアンが出てきたので、あ、もうすぐだなと思ったら、すぐ後にお嬢さんの手をひいて出てきたんです。それで、去年ナントで一緒に撮った写真を見せまして「覚えてますか?」と聞いたら「ウィ」と。「日本人なのにこんなところまでよく来るわね」なんて思ったんじゃないかな(笑)。また一緒に写真を撮らせてもらいました。一緒にいた友人の息子さんがフランス語で、「この人はあなたを観るためにここまで来たんです」と伝えてくれたら、「近いうちにまた会いましょう」と言ってくれて、最後は手と手が離れ難いみたいな感じになって、もう、嬉しくて信じられないくらいでした(笑)。
 

ーーそこまで行くという思いの強さが通じたんですね。


実はこの『FEMALE vol.11』のネタ探しのために、いろいろな公演を観て歩いたんです。パリではケンゾーさんのチャリティー公演でギエムやルグリを観たり、コンテンポラリーやミュージカルも観たりしたんですが、どうしてもインスピレーションが湧かなくて、どうしようと思っていたんです。でも最後に観たそのピエトラガラの『イブ』という作品にピンときて。女性の一生を踊ったものなんですけど、その出待ちのエピソードも含めて、ぱっと構成が浮かんできたんです。



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【佐藤洋介さんと真波そらさんが参加

 

ーーダンスもすごくバラエティに富んでますね。シャンソンありタンゴありで。


自分でも身体と相談してやらなければと思いつつ(笑)、振付けのかたが三人三様にそれぞれプロフェッショナルな振りをつけられるので刺激されます。その全部の振りを呑み込んでいく作業だけでたいへんです(笑)。港ゆりかさんは、何度もご一緒してるんですが、佐々木信彦さんは『スペリング・ビー』で振付けしていただいて、原田薫さんは初めてなんですが、ずっとご一緒したかった方なので嬉しいです。
 

ーーダンサーのかたは今回2人が参加されますね。
 

真波そらさんは、宝塚の『ミロワール』の振付けでちゃんと意識した人なんですが、たまたま私が『シラノ・ド・ベルジュラック』(今年2月公演)の稽古をしてるときに、隣りで『DREAM TRAIL』のお稽古をしてて会いに来てくれて、それが今回の舞台の構想をしていた私のアンテナに入ってきたんです。これも縁ですね。すごく純粋でピュアな人で、早くから自主稽古をしてるし、終わっても遅くまでやってるし。
 

ーー真波さんも女性で踊るんですね?
 

男役の格好もしてもらいます。前に出てくれた匠ひびきも天勢いづるもそうでしたが、男役をしていた人はファンの方もそういう格好が見たいのではないかと。せっかく真波さんに出てもらうのだから、ファンの人は何が嬉しいかなと考えて、在団してた時の歌も歌ってもらおうと。あと『麗人』という退団してすぐに出た公演で歌った歌も歌ってもらいます。何か歌わせたいなと思ったらそれを出してきたので、ちょうどいいかなって。それから可愛い女の子はやってないというから、社会復帰の意味でそれもやってもらいます(笑)。
 

ーーリハビリですね。男性ダンサーの佐藤洋介さんは?
 

港ゆりかさんが推薦してくださった方なんです。どんなジャンルも踊れるのでダンスは心配してなかったんですけど、原田薫さんが「お芝居も彼は全然心配ないですよ」と言ってくださったので安心してます。リフトがたくさんあるんですが力強いし、タンゴのリードもすごく上手だし、初めて組むとは思えないくらい息も合って、とても頼もしい方です。
 

ーー音楽は生演奏ですね。
 

スペースの関係もあってピアノとアコーディオンだけなんですが。演奏の2人にも、ちょっとだけお芝居をしてもらうんです。そういうことが好きな2人みたいなので楽しみです。

vol.2に続く。
 


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安寿ミラ ダンスアクト

『FEMALE vol.11』

構成・演出◇ANJU

振付◇原田薫 佐々木信彦 港ゆりか

出演◇安寿ミラ 佐藤洋介 真波そら

演奏◇大田智美 長見摩耶

●8/3〜5◎新宿BLAZE

●8/13〜14◎新神戸オリエンタル劇場

〈料金〉東京/7000円(1ドリンク付き/全席指定・税込)

神戸/S席 7000円 A席 5500円(全席指定・税込)

〈問合せ〉東京/キョードー東京 0570-064-708

神戸/新神戸オリエンタル劇場 078-291-1100


【取材・文/榊原和子 撮影/冨田実布】

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