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ブロードウェイミュージカル『COCO』の公開舞台稽古が12月3日、ル・テアトル銀座にて行われた。
2009年の日本初演に続いての再演となる今回の公演。
初演では湖月わたるが演じたノエル役を彩吹真央が引き継ぎ、他は初演と同じキャストで上演される。

物語の舞台は1953年の秋、パリ。
15年もの間、ファッション業界から引退状態にあったココは、
自分の過去を振り返り、そして、
「ココ・シャネルとしての人生を取り戻す!」
と再起を決意する。
そんな中、ココに一つの出会いが訪れる。
コレクションのモデルとして面接を受けに来たノエルだ。
語り合ううちに共通の生い立ちに気づき、二人の間には絆が生まれる。
モデルとしてノエルを迎え、再起を賭けて開いたコレクションを待っていたのは酷評の嵐。
しかし、パリでは受けなかった「ココ・シャネル」のコレクションが、
ニューヨークのバイヤーたちには高く評価される。
もう一度、全盛期の輝きを取り戻す「ココ・シャネル」。
ココはこれまでのように独りではなく、ずっと側にいてくれたノエルを本当の娘として迎え、
二人で生きていくことを望むようになる。
そんなココの秘めた思いを知らないノエルは、ある一つの決断をする。

ココ・シャネルを演じた鳳蘭は、
2009年の初演時に数々の演劇賞を受賞しているが、それも納得の熱演。
まるでココ・シャネルが乗り移ったかのようだった。
特にふとした瞬間に見せる、孤独の影が素晴らしい。
言動の一つ一つが人を惹きつける、魅力に溢れた人物をしっかりと舞台の上に根付かせた。
鳳のココはとにかく格好良い。

ココに安らぎを与えるモデル、ノエル。
ノエルを演じる彩吹は宝塚退団後、Show-ism『DRAMATICA/ROMANTICA』、
そして女優初挑戦となった『Pal Joey』を経て、今回『COCO』に出演する。
一人だけ初演時のメンバーではないのだけれど、
もうそんなことは関係のない彩吹真央のノエルがそこにいた。
綺麗に伸びていく歌声が聞いていて心地良い。
田舎から出てきた何も知らない純朴な女性が、香水の香りや、綺麗なドレス、
そしてココ・シャネルに触れ、「自立」に目覚めていく。
彩吹の持つ柔らかな強さがそのまま、ノエルの強さと重なる。

ココの周りで働くデザイナー・セバスチャン役の岡幸二郎、アシスタント・ピグノル役の今陽子、
代理人ルイス・グレフ役の鈴木綜馬、ノエルの恋人・ジョルジュの大澄賢也らもそれぞれ適材適所。
岡演じるセバスチャンの奇抜さからは目が離せないし、
今と鈴木は、自分達の生活を感じさせながらも、ココを支え続けようとする愛情をみせる。
大澄がジョルジュとして醸し出す垢抜けなさは、自立したノエルとの対比を際立たせた。
シャネルの洋服を思わせる、松井るみの舞台美術も秀逸だし、
シャネルの歴史に沿って、次々と変わっていく衣装を見ているだけで楽しい気持ちになれる。

ファッションの世界を生きたココ・シャネルという女性の気高い志が、
鳳の姿を通してありありと伝わってきた。
ノエルが出した答えを知り、どれだけココが絶望したことか。
しかし、その絶望すら大きな愛で包み込み、ノエルの未来を祝福するココ。
なんて格好の良い、素敵な人だろうか。
孤独と共に「ココ・シャネル」として生きることを誓う歌、
鳳の「いつまでもマドモアゼル」は、
もはやミュージカルの歌であること、役を演じていることを超えていた。
あそこに居たのは鳳蘭でありココ・シャネルだ。
きっとその姿は観た人の心の中に、残り続けるに違いない。

最後にココ・シャネル役の鳳蘭からのコメントを紹介する。

「去年の初演よりも良い意味で力が入らず、とても良い緊張感の中望めそうです。
初演では、おかげさまで数多くの演劇賞を受賞させて頂きましたが、プレッシャーはありません。
それを感じてしまったらいい舞台にならないと思います。
役柄(ココ・シャネル)自身になりきります!
キャストは初演時から、モデル(ノエル)役の彩吹真央さんのみ変わりましたが、
稽古の雰囲気もとてもよく、皆稽古場所に早く来たがるくらいです。
ココ・シャネルの人生をたくさんの方々にご覧いただければと思います。
是非、劇場にお越しください。」



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ブロードウェイミュージカル
『COCO』

台本・作詞◇アラン・ジェイ・ラーナー
作曲◇アンドレ・プレヴィン
演出・翻訳・訳詞◇G2
出演◇鳳蘭 彩吹真央 岡幸二郎 大澄賢也 今陽子 鈴木綜馬 ほか

東京公演●2010/12/3〜12/19◎ルテアトル銀座
大阪公演●2011/1/9〜1/10◎イオン化粧品シアターBRAVA!
西宮公演●2011/1/12◎兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

<料金>
東京公演・西宮公演:11,000円(全席指定・税込)
大阪公演:S席11,000円/A席9,000円/B席6,000円(全席指定・税込)

<問い合わせ>
東京公演 Quarasエンタメ事務局 03ー3779ー2681
大阪公演 キョードーインフォメーション 06−7732−8888
西宮公演 芸術文化センターチケットオフィス 0798−68−0255

 

【取材/文 岩見那津子】


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