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11月26日、星組の東京公演が幕を開けた。

レビュー『宝塚花の踊り絵巻ー秋の踊りー』は、酒井澄夫の作・演出で、星組では2007年の『さくら』以来という久しぶりの日本物のショー。
踊りの名手である専科の松本悠里を迎えて、格調高い舞や賑やかな総踊りで見せる。星組トップスターとしてますます大きくなり、風格を備えてきた柚希礼音が、切れ味のいい殺陣を見せる場面もあり、秋の紅葉、雪景色、そして桜の春へと映し出される季節の色合いを、華やかに踊る宝塚ならではの和物ショーである。

一方のミュージカル『愛と青春の旅だち』は、リチャード・ギアの映画でおなじみのアメリカの青春映画をもとに構成したもので、脚本・演出には石田昌也があたっている。
物語は、柚希礼音が扮するザックが貧しい境遇から海軍士官養成学校を志し、厳しい訓練の中で心身ともに成長していく姿を描き出している。
なかでも一番の見せ場は、士官学校のブートキャンプの訓練や鬼教官のフォーリー軍曹の特訓ぶりで、来年春に宙組への異動が決まった二番手男役の凰稀かなめが、フォーリーに扮していつもの二枚目ぶりをかなぐり捨て、迫力の演技を見せている。
またトップ娘役の夢咲ねねは、製紙工場で働きながら、士官候補生のザックと心を通わせるポーラという娘を演じている

芝居の最後にはダンサー柚希が率いる星組ならではのダイナミックなダンスが盛り込まれたフィナーレもあり、和洋の豪華な2本立てで魅せる星組公演だ。

この日朝の舞台稽古のあと、星組トップコンビの柚希礼音と夢咲ねねが報道陣の囲み取材に姿を見せて、まず2人の挨拶から始まった。

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柚希「本日は通し舞台稽古に起こしくださいまして、まことにありがとうございました。東京には3月以来、久しぶりに来ましたので、本日から1ヶ月間、いつも以上に熱く公演をしたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします」

夢咲「本日はお越しくださりありがとうございました。久しぶりの東京公演になります。慣れない日本舞踊も頑張っております。千秋楽までどうぞよろしくお願いいたします」

−−『宝塚花の踊り絵巻』『愛と青春の旅だち』2作品の見どころ_MG_5702は?

柚希 そうですね、日本物のショーということで、とても苦戦いたしましたがやはり「日本人で良かったな」とお客様に思っていただけるように。秋から始まって、最後、春で終わるというのがとても良いと思うので、その辺りをお楽しみいただけたらと思っています。お芝居は日本物のショーと全然違う、とても人気のあるアメリカ映画の初の舞台化なので、そのイメージを損なわないように、とても注意しながら稽古に励みました。青春物語、成長していく様を感動的に描けたらと思っています。
−−とくにお好きな場面はどこですか?

柚希 私は日本物のショーを見たときにいつも「日本人で良かったな」と思うんです。お客様も「チョンパ」の前の、暗闇にわくわくする感じとか、明かりが点いたときに、「わー!」ってなる感じとか、そういう1つ1つの、宝塚の日本物のショーの楽しさを楽しんでいただけたらと思っています。

−−お芝居では過酷な訓練シーンがありますが、音楽学校時代などを思い出されることはありましたか?

柚希 そうですね。「予科の時のこういう感じ。」って言ったらみんなに通じるんです、稽古中に。予科の(笑)。はい(笑)。

−−お芝居の中でリチャード・ギアさんを意識した場面は?

_MG_5705柚希 はい、色々と意識して勉強させていただいたんですが、最後の「愛なんていらない」って言うあたりとかは、リチャード・ギアさんを何十回も、何度も何度も見て、男の哀愁、悲しさ、孤独などを表すためにはどうしたらいいのかを勉強しました。

−−日本物のショーで男役としての見せ方を意識される部分は?

柚希 いっぱいあって、しかも「日本物はこうであって欲しい」というお客様の願望も非常に多いんだなと痛感しました。顔の作り方や、流し目。本当の日舞をきれいに踊るだけでは面白くないので、大劇場用に派手に、宝塚用になってるみたいですね。

−−今回の公演で日本物をされて改めて学んだことは?

柚希 そうですね。いやーなんでしょうか、日本物では歯を見せて笑わないので、最初、星組全体ちょっと堅かったみたいなんです。ですが心はすごく笑ってるんだなってことを知り、そのあたりは勉強になりました。

−−歌舞伎の要素を取り入れた演出も入っていますが、そこから学ばれたことは?

柚希 歌舞伎のキメを。思ってるより長く間を取っていいんだな、と。「早い!」ってすごく稽古中に言われて、難しいです。

−−久しぶりの東京公演ですし、特にアピールしたいことを最後にもう少しお願いします。

夢咲 私は『さくら』の時はまだ星組ではなかったので、本当に初_MG_5669舞台公演以来の8年ぶりの日本物の化粧で。とても難しくて、なかなか思うような色にならないんですけど、日々研究しながらできたらいいなと思います。

柚希 私も若衆に苦戦しておりますが、はんなりと、儚く、できたらなと思っております。





久しぶりの和物のショーとあって記者団からさまざまな質問が飛び、いつもより長めの会見となった。その手応えを感じたかのように、明るい笑顔を交わしながら答える柚希礼音と夢咲ねね。元気に楽屋に戻る星組トップコンビに報道陣からひときわ大きな拍手が送られた。この公演は本年最後の東京公演として12月26日まで東京宝塚劇場で上演される。

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宝塚歌劇星組公演

宝塚花の踊り絵巻ー秋の踊りー』

『愛と青春の旅だち』

●11/26〜12/26◎東京宝塚劇場

〈問合せ〉03-5251-2001



*舞台写真は後日掲載します

【構成/榊原和子 取材・文/岩見那津子】


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