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【一問一答】

ーー春野さんは『ファニー・ガール』のどんなとことろに引かれたか?またどんなふうに演じようと思っているか?

春野「最初に観たときに自然にストーリーに引き込まれていって、最初はバーブラと知らずに歌い手のかたの歌が素晴らしいのか、曲が素晴らしいのか、それは両方だったんですけど、あと楽しい曲は聞いてて浮き浮きさせられるし、しんみりしたものは浸れるし、曲が素晴らしいことではまっていったと思います。どういうふうに演じるかというのは、バーブラの存在は自分の中ではすごく大きくあるのですが、あまりそこを意識しすぎしまうと硬くなってしまうと思うので、稽古場でまず自由に自分の感じることを体で表現していきたいと思います」

ーー正塚さん、春野さんの舞台人としての魅力と、退団後の女性姿を見て、どんなふうに変わっているかを。

DSCF0202正塚「あぁ、きれいになったなー(笑)。宝塚も外の舞台も、歌もダンスでも絶対に必要なことは共通であって、心情を表現するということでは男役でも変わりないし、そういう点では彼女はとても応えてくれたと思いますし、わりと感覚が似てるところもあります。今度は女として女役をやるわけですから、男役とは違っていろいろさらけ出してくれれば、ますます魅力的な舞台になると思います」

ーーどんな部分が似てるのか?

正塚「嘘がない。舞台は嘘なんですが、嘘をやらないところの価値観みたいなものが一緒なこととか、人間ドラマをやるわけですから、そのときの1つの言葉に対する受け止め方、解釈というのも通り一遍ではなくて、こういうふうに思うからこそこう言わないんじゃないかという、ちょっとひねくれてるかもしれないんですが(笑)、そういう感覚を何本か一緒にやってるうちに受けました」

ーー演出面で日本版をどうアレンジしたいのか。

正塚「これは実在の人の話ですから、その物語の時代の空気感とかが今の時代の我々の感覚で見て、いちばん生きる方法でということでいつも動いてます。稽古で脚本をいじっていくということもあると思いますが、演出にとっては役者さんが全てですから、舞台で一番いい状態でいられるように、稽古でいい状況を作ってあげられたらいいなと思ってます」

ーー2010年の作品としてどう意識するか。

正塚「この物語は、輝く存在でいたいという思いで人生に真っ向から立ち向かっていった主人公の、サクセスストーリーを軸にしたドラマですから、当然、それなりのものに仕上がれば、“挫けないで”とか“夢を捨てないで”というメッセージが出てくるし、それは観たかたがそれぞれ感じていただけたらいい。それよりも今、僕にとってもう少しリアリティのあることを言わせてもらうと、我々のような人たちが物語にたくさん出てくるんです。そういうなかでの悲喜こもごもは、我々に近いというところもあるので想像力も働きやすい。それとここでいうのもあれなんですが、今はちょっと悪い時代で、そのなかで私として切実なのは、ミュージカルスターとして輝きたいという若い人たちが本当にいるのかと。それでこのミュージカルを観た人が数人でも本気になってこちら側に来てくれるといいなと。そのためにはやはりいいものにしたい。それが僕にはリアリティがあることで。ですから一番最初に申しました通り、3時間を楽しんでいただくために”絶対に当てるぞ”と決意してます。ま、今は開き直って偉そうなこと言ってますが、稽古場ではごめんなさいと言ってるかもしれない(笑)」

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ーー会場のファンからの質問を紹介します。春野さんに共演者に印象を。

春野「制作発表のために一度集まった時が最初で、綱島さんはポスター撮影でもお会いしたのですが、あ、この人はニックだわと! 超かっこよかったです(笑)。田中さんは最初に「吉永小百合です」と挨拶されて、あ、本名なのかなと(笑)。そういうノリで」

田中「阿部さんとかに、まだ言ってるのと(笑)。一生言ってようと思ってます」

春野「今朝お会いしたときも「小百合、元気でーす」って、すごい面白いかただなと(笑)」

田中「そう言ってくださったのでこれから堂々と言えます。なんか認知された感じで(笑)」

春野「阿部さんは歌を合わせていただいたときに、すごく体が大きい方なのにとても狭いところに座ってらして(笑)、エネルギーがバンって方なのに窮屈そうだなと(笑)」

阿部「椅子が狭くて、田中さんも隣で」

田中「私ももっと小さくなって(笑)」

春野「お二人でなんか漫才コンビのように(笑)」

阿部「今日も下手さんチームは痩せて綺麗なかたが多いのに、上手さんチームはこういうタイプが多くて(笑)」

春野「初めてだったんですけど、とても明るく話しかけてくださって。皆さん個性の強いかたたちに囲まれて、さらに薄くなりそうです(笑)」

田中「そんなことないでしょ! ただ若いだけでしょう?(笑)」

春野「薄い薄いと言われるので、皆さんから濃いエキスを吸い取って私も濃く」

阿部「どんどん吸ってください(笑)」

春野「4人で歌ってても皆さんアプローチがすごいなあと思ったので、本番がとても楽しみです」

ーーもう1つ春野さんに。コメディエンヌとしての自分は?前回は悲劇のヒロインでしたが。

春野「これは喜劇ですが、自分自身はコメディセンスは優れたものを持ってるとは思ってなくて」

正塚「イヤあるよ」(会場大拍手)

ーー太鼓判が押されましたね。

正塚「それを出そうとしないでやったほうがいい」

春野「全部さらけ出すと出るかもしれないので、がんばります」

ーー正塚先生へ。宝塚のミュージカルとは決め手が違いますか? 演出でそれを意識しますか?

正塚「宝塚でなくてはできないことはパレードですか(笑)。そんな単純な話ではないか(笑)、難しいですね。普通のミュージカルであれ宝塚であれそれぞれの場所で違ってくると思うし、いかに最善のものを効率よく積み上げていくか、先ほども言いましたが原作のよさをいかに生かすか、出演者のよさとそれぞれの思いを生かして、いかにバランスよく作り上げていくかですね。これが決め手というのがあれば教えてほしいくらいです(笑)」

ーー最後に意気込みを。

春野「本当に大好きな『ファニー・ガール』という作品を、正塚晴彦さん、そしてこの素晴らしい個性の強いメンバーでできるということで、身を引き締めてがんばっていきたいと思いました。愛情溢れる、そして明日への希望が持てるそういう作品にしていこうと思います。皆さんぜひ応援してください」

綱島「今、皆さんの話を聞いて、絶対に楽しいミュージカルになるというのがおわかりになったと思います。ぜひ劇場に足を運んでください」

田中「今日またピリっとした気持ちになりました。春野寿美礼さんをファニーとして、城の石段?石畳?ちがう石垣になって(笑)、盛り上げていきたいと思います。絶対に崩れない石垣になって『ファニー・ガール』をもり立てて行きます。今日いらした皆さんはそれぞれ4人のかたに伝えてください(笑)」

阿部「この『ファニー・ガール』はとても愛情深い作品です。仕事に関しても、夫婦、親子、恋人に関しても。今日こうして改めて皆さんにお会いして、とても愛情深い作品になると確信しました。がんばりますのでよろしくお願いします」

正塚「少しでもたくさんの方々に受け入れていただきたいと思います。そう正直に思えるようなものにしたい。そのためには何でもやるぞと、よろしくお願いします。口コミのほうもよろしくお願いいたします」

DSCF0225【囲み取材の抜粋】

春野「今日はファンの方のパワーをいただきました。緊張してる綱島さんへアドバイスですか?歌とかどんな上手くてもやはり心だと思いますので。猛練習してらっしゃるとのことで、私もがんばらなきゃと思いました。共演者がそこにいるだけで雰囲気のあるかたばかりそのなかで私もせいいっぱいやりたい。結婚ということでは、以前にも宝塚で結婚してる役はしてますが。それより退団して2作目で挑戦することが全部初挑戦なので、相手役の綱島さんと息を合わせていきたい。女優での変化は、宝塚は組を背負って宝塚を背負ってという気持ちが先立ってました。今回もそうですが、力のある7たちに支えられて力を抜いて頼れる部分が多いのでそれが違うなと。剣幸さんは初めて宝塚を観たときに主役をしてらして、入りたいと思ってたので不思議なご縁です。正塚先生からは芝居の根本を教えていただいたと思ってて、感覚が似てると言われたのはそこかなと。今回あれから私がどう成長してるか見ていただくのが楽しみですし、稽古が待ちどおしいです。私がファニーなところは、はたから見るとそう言われるのですが私は普通だと思ってます。役としてのファニーな部分はこれから綱島さんに教えていただいたり、田中さんにはツッコミをしていただきましょう。本当のパートナーですか?観に来ると思います」

綱島「実際にお会いしたら舞台で見てる春野さんとはまた違う印象でした。歌は、やっと今日は終わったと、まだこれから続くんですが(笑)。新婚ですか?歌の稽古をしてるとそこに現れて楽しそうに歌ってくれてる奥さんを見ると、あ、支えてくれてると思います。劇場にも来てくれると思います。僕は天然だと言われててファニーかもしれません。台本はまだですが、キャストもスタッフも、すでにがっちりと組んでますので劇場にぜひ足をお運びください」

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ブロードウェイ・ミュージカル『ファニー・ガール

●2010/1/8〜17◎赤坂ACTシアター

   2010/1/27〜30◎梅田芸術劇場メインホール

上演台本・演出◇正塚晴彦(宝塚歌劇団)

原作・脚色◇イソベル・レナート

音楽◇ジューリ・スタイン

作詞◇ボブ・メリル

出演◇春野寿美礼 剣幸 綱島郷太郎 田中利花 阿部裕 /橋本じゅん 他

<料金>ACTシアター/S席¥11500  A席¥8000 

           梅田芸術劇場/S席¥11500  A席¥8000 B席¥4000

<お問合せ>梅田芸術劇場/06-6377-3800

                                              【取材・文/榊原和子】