_MG_0287【新たなミュージカル・バージョンで】

ブロードウェイの名作コメディで、日本では越路吹雪をはじめとする数々のスターたちが演じてきた『グッバイ、チャーリー』が、今日12日、初日を迎える。その舞台稽古が行われた昨日夕方、主演の紫吹淳と貴水博之の囲み会見が行われた。

物語は、シナリオライターでプレイボーイのチャーリーの葬式から始まる。人妻との火遊びで彼女の夫に撃たれて死んだチャーリー。だが死んだはずの彼が、なんと女の姿でこの世に戻ってくる。驚いたのは親友のジョージで、女になったチャーリーを放っておけずに面倒を見ることに。そんなジョージに、女としてのチャーリーはしだいに惹かれていく…。


ちょっとファンタスティックな設定で、おかしく切なく、だがそのなかで人生を考えさせる、大人のロマンチック・コメディだ。
今回はミュージカル版としての上演だが、その作曲を担当したのが浅倉大介。浅倉といえば貴水とのユニットaccessで数々のヒットを飛ばし、音楽プロデューサーとしても活躍している。そんな朝倉ならではの音楽の力が加わり、より感動的でノリのいいグッバイ、チャーリー』に仕上がっている。

最後の舞台稽古を前に、主演の紫吹淳と貴水博之は、すっかり劇中人物になりきったようなカッコよさで報道陣の前に現れた。

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【一問一答】

ーー初日を前に今の気持ちは?

紫吹「男を演じるのは本当に久しぶりなんですが、やっぱりまだ覚えてる!みたいな感じですね。今回は前回のストレートプレイをミュージカルに変えたということで、演出の樫田正剛さんが、ジョージとの友情関係を大事に書き換えてくださっているので、よりよい作品になっていると思います」

ーー浅倉大介さんの音楽はどんな感じですか?

貴水「僕はもともと一緒にやってましたから安心してます。ミュージカルということでは彼なりに考えて作ってるし、サウンド自体は派手なサウンドで迫力のあるシーンがたくさんありますから、楽しみにしていてください」

紫吹「すごく音楽に助けられてます。前回描き足りなかったチャーリ−の心情が、浅倉さんの音楽で伝えられるんです。前向きに生きてるようで、実は切なさとかマイナスな気持ちとかがあって、そこがうまく表現されているので、私自身とても繋げていきやすいです。切ない綺麗な曲もあれば、ポップで明るい曲もあるし、場面に応じてさまざまな色を出してくれているので、私としても幅が広がったというか、チャーリー像がより理解しやすくなりました」

ーー貴水さんは、紫吹さんとの共演も作品も初めてだということですが。

貴水「宝塚出身のかたとの舞台はたくさん出ていて、男役のかたとも何人か共演させていただいてるんですが、紫吹さんがこの格好で出てきたとき、男の自分でも嫉妬してしまうくらいカッコいいなと(笑)。まずびっくりして、でもいっしょに稽古してたら、女になってからラストシーンに向けては本当に可愛らしいし。その変わっていくさまは見ててゾクゾクします。なかなかこういう人はいないので、そのへんも観にきてくださるかたには楽しみなところではと思います。ひさびさなんですよね?こういう格好は」

_MG_0332紫吹「踊ったりするなかではあったんですが、お芝居で男としてセリフをいうのは久しぶりです」

貴水「男物のパンツ姿も見せてるし(笑)」

紫吹「(笑)。チャーリーだとイメージ的にトランクスではなくてビキニっぽいのを履いてそうなんですが、すごいダサいトランクスを履いてて、チャーリーそれか?みたいな(笑)。そこも見せ場ですね(笑)」

貴水「その姿も美しい(笑)」

ーー貴水さんはコメディは初めてということですが。

貴水「なんかすごい汗をかいてやってます。それ以上に、チャーリーが死んだり生き返ったりするので、普通では起こりえない感情表現をするのでパワーがいるし。でもやってても楽しいんで、思い切っていきたいと」

紫吹「私も前回はストレートプレイだったせいか、あまり汗をかかなかったんですが、今回は滝のような汗かいてます」

ーー紫吹さん、相手役としての貴水さんは?

紫吹「なんでチャーリーを好きにならないの?可哀想じゃない(笑)。でもやっぱり無理ですよね(笑)。貴水さんは私の経験ほどは舞台をやってないのにすごく器用にこなされてて、それがすごいなと」

貴水「イヤイヤ、付いていってるだけです」

ーー浅倉大介さんとaccess以外での作業はいかがですか?
 
貴水「今回この話が決まったとき、accessではかなりハイトーンだったので、もしかして大ちゃん、メチャ低いキーを書いてくるかもしれないなと思って(笑)、それも面白いかなと思ってたんですが。でもハイトーンのもあるし、ミュージカルならではのキーもあるし。そういった点では大ちゃんの新しい面が出ていると思います」

_MG_0301ーー紫吹さんにとって、この作品は思い出深いのでは?

紫吹「そうですね。まだ宝塚をやめて2作目で、あの頃は女をどう演じるかが分からなかったので、まさにチャーリーで(笑)。でも今回お稽古に入ったとき、低い声とかがんばらないと出なくなってる自分にびっくりしました。やはり今は“女性のほうが普通”みたいに逆転してることが驚きです。宝塚を退団してもう5年ですからね。でもその前の男役は18年でしたけど(笑)」

ーーさすがにこういう格好が似合いますね。

紫吹「へんなおばさんに見えないか心配です(笑)」

貴水「いや本当にカッコいいなと思いましたよ」

ーー貴水さんにとってのチャーリーは浅倉さんかなと。愛せそうですか?

貴水「大ちゃんが女性になったら? うーん(笑)、やっぱり劇中のセリフじゃないけど“僕にとって大ちゃんは親友だ”ということで(笑)」

ーー紫吹さんの場合は?

紫吹「とくに誰というのではなく想像してみたんですけど、やっぱり無理でしょうね(笑)。友達としての関係性が強ければ強いほど無理じゃないかと」

ーー最後に、紫吹さんの宝塚時代のファンも含めて、皆さんが心待ちにされてる作品だと思うのですが。

紫吹「そうですね。再演希望がいちばん多かった作品です。でもどうせ再演という形をとるならミュージカル化されればいいなと思っていたので、より喜んでいただける形になっていると思います。基本的なストーリーは同じで、そのなかでジョージとの関係がより深くなってて、より切なくなってます。樫田さんが“笑って笑って笑って笑って、泣いてもらおう”とおっしゃって。笑うと筋肉がほぐれるので泣きやすくなるそうです。それから、前回は2、3日の話でしたが今回は1か月ちょっとの話になってて、そういうことも含めて樫田さんが書き換えてくださった部分が、すごく効果的です」

貴水「詞とかも素晴らしいし」

紫吹「日本人ならではのわかりやすさが入って、より面白くなってますのでぜひ観にいらしてください」

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グッバイ、チャーリー

●9/12〜20◎東京芸術劇場中ホール

   9/26◎大阪厚生年金会館芸術ホール

作◇ジョージ・アクセルロット

作詞・上演台本・演出◇樫田正剛

音楽◇浅倉大介

振付◇川崎悦子

出演◇紫吹淳 貴水博之 本田有花 小林十市 坂本法子 斉藤レイ 水谷あつし 他

<料金>東京芸術劇場/一階席¥1O000 二階席¥9000 

             大阪厚生年金会館/S席¥1O000  A席¥9000 

<お問合せ>東京公演/キョードー東京03-3498-9999

                 http://ticket.kyodotokyo.com

                 大坂公演/キョードーチケットセンター 06-7732-888(前売開始9/12)

                  http://kyodo-osaka.co.jp

                               【取材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】