_MG_0231【フランスの名作ミュージカル映画の世界が甦る】

不朽の名作映画「シェルブールの雨傘」の舞台版が、この冬、豪華キャストで上演される。

カンヌ国際映画祭グランプリなど数々の賞に輝くこの映画は、ジャック・ドゥミ監督が脚本と作詞を、ミシェル・ルグランが音楽を手がけ、1964 年に公開されたフランス発のミュージカル映画で、車の整備士として働くギイと傘屋の娘ジュヌヴィエーヴの恋と別れ、そして時を経ての巡り会いを、美しい音楽で叙情豊かに綴っていくラブロマンス。
ヒロインのカトリーヌ・ドヌーブの出世作でもあり、公開以来、世界各国で大ヒット、観客の涙をしぼったことでも有名である。

今回、ギイ役にはミュージカル界の貴公子として人気の高い井上芳雄が、恋人のジュヌヴィエーヴには今年 5 月に宝塚を退団したばかりの元雪組トップ娘役、白羽ゆりが扮する。

周りを固める実力派のキャストは、ジュヌヴィエーヴの母に香寿たつき、宝石商のカサールは岸田敏志、ギイをひそかに愛するマドレーヌにANZA、ギイの伯母エリーズに出雲綾と、歌唱力と演技力のあるメンバーが集まった。

そして演出・振付は、昨年度の演劇賞をいくつも受賞、今や日本のオリジナル・ミュージカルの第一人者といってもいい謝珠栄が手がける。

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この日の制作発表の壇上には、カラフルな雨傘が飾られていて、舞台効果は満点。そんな華やかな雰囲気のなか、まず井上と白羽のデュエットが披露された。

場面は、兵役でアルジェリアに行くことが決まったギイと、それを悲しむジュヌヴィエーヴの甘く切ないデュエットソング。映画ではそのあと離れがたい2人が残された時間を惜しむように一夜を過ごすのだが、そのきっかけになるシーンだけに、井上と白羽はギイとジュヌヴィエーヴになりきって、愛し合う恋人同士の雰囲気を漂わせる。

_MG_0072美しい歌唱が終わると、演出の謝珠栄とメインキャスト3人が加わって、集まった記者たちとの一問一答が始まる。

 









_MG_0264【キャスト挨拶】

謝「私がまだ初々しかった頃、この映画を観まして色彩の鮮やかさに驚かされて、カトリーヌ・ドヌーブの美しさとか音楽に感動して、そして人生はなんて儚いんだろうとハンカチを濡らしたことを覚えています。その感動をそのままお客様に伝えられたらと思っています」

井上「ギイをやらせていただく井上芳雄です。映画はリアルタイムでは観ていませんが、最近出たDVDを見てすごく新鮮に感じました。歌ばかりで進行するミュージカルというのはほかにも無くはないんですが、歌の種類の違いとか、ミシェル・ルグランの音楽で流れるように進行していく物語に引き込まれましたし、これを舞台でどうやるんだろうと興味が湧いています。とても有名な作品で、『シェルブール』をやると話すと、年配のかたの反応がとくにいいので(笑)、期待を裏切らないように。また今の『シェルブールの雨傘』を作れればいいなと思っています」

白羽「ジュヌヴィエーヴ役の白羽ゆりです、宝塚を卒業してから初めての舞台となります。全曲歌というミュージカルは初めてで、難しさも感じていますが、また新しい気持ちで取り組んでいきたいと思ってます。私も映画を観て、カトリーヌ・ドヌーブさんの美しさと曲の素晴らしさをすごく感じて、それを少しでも自分なりに表現できればいいなと思っています。素晴らしいキャストのかたがたと共演できることも幸せで、たくさんのかたたちに観ていただきたいです」

出雲「憧れでありました東宝ミュージカルに出演させていただけるということで、大変嬉しく思っております。しかも宝塚時代からとてもお世話になっている謝先生の演出で、その素晴らしい感性と豊かな発想でどのような舞台になるのか楽しみです。そしてミュージカル界では有名なキャストの皆さんとご一緒出来ることも幸せです。私は25年間宝塚におりまして、昨年退団したのですが、男のかたと舞台に立つのはこれが初めてで(笑)楽しみです。それから宝塚で仲よくさせてもらった2人と、またこういう機会に巡り会えたことも幸せです。エリーズは病弱で優しい伯母さんです。宝塚時代は個性の強い役が多かったのですが、今回は新たなイメージで頑張りたいと思っています」

岸田「今回の役が宝石商のカサールで、最終的にジュヌヴィエーヴと結婚もすると聞いて、これは金にあかせて手に入れる悪役なんじゃないかと思ったんですが(笑)。とにかくDVDをと思って探したんですが全然なくて、取り寄せてもらってやっと観たら、すごく包容力のある善い宝石商だったんでホッとしています(笑)。全編に流れるミシェル・ルグランの音楽が素晴らしくて、できればあのテーマ曲を歌いたかったんですが(笑)。ちょっと残念ですが、僕も素敵な曲をたくさん歌わせていただきます」

香寿「エムリー夫人の香寿たつきです。私もDVDを探したんですがなくて。小さなビデオ屋さんでVHSを見つけて観たんですが、改めて素晴らしい作品だなと思いました。私は宝塚時代に、同じミシェル・ルグランの「ロシュフォールの恋人たち」という映画をショーにしたものを、やらせていただいたことがあり、そのときからフランスのミュージカルはなんて素敵なんだろうと思っていました。どんなふうにエムリー夫人を演じたらいいかとても楽しみです。また宝塚時代から、そして最近もお世話になった謝先生がどんな演出をされるのか楽しみにしています。新たな自分を引き出していただけると思いますし、素晴らしい舞台にするために、私も頑張っていきたいと思っております」

 

(VOL.2に続く)
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『シュルブールの雨傘』

●2009/12/528◎日生劇場

   2010/1/1417◎シアターBRAVA!

脚本・作詞◇ジャック・ドゥミ

音楽◇ミシェル・ルグラン

演出・振付◇謝珠栄

翻訳・訳詞◇竜真知子

出演◇井上芳雄 白羽ゆり ANZA 出雲綾 岸田敏志 香寿たつき

<料金>日生劇場/S席¥11000(平日夜は¥9500A席¥5500 

              シアターBRAVA!S席¥11000  A席¥8500 

<お問合せ>東京公演/東宝テレザーブ 03-3201-7777(前売開始9/19)

                   http://www.toho.co.jp/stage/

                   大阪公演/キョードーチケットセンター 06-7732-888(前売開始9/12)

                   http://kyodo-osaka.co.jp

                                  【取材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】