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今年4月に宝塚を退団した元星組トップスターの安蘭けいが主演する『AIDA アイーダ』の最終舞台稽古が、東京の会場である東京国際フォーラムCで行われた。

 

この作品のもとになっているのは、2003年に宝塚歌劇団星組で上演された『王家に捧ぐ歌』。名作オペラ「アイーダ」をアレンジした木村信司の演出力と、甲斐正人の優れた音楽性で高い評価を得たミュージカルだが、その公演で安蘭けいはタイトルロールのアイーダ役に挑み、情感ある歌唱力と演技で大きな存在感を示したものだった。

安蘭は今回、その思い出の作品で外部へのデビューを飾ることになったわけだが、最終通し稽古の開始前に、集まった報道陣を迎えて質問に答えた。

ーーまもなく初日ですが、今の心境は?

「いつもと変わらない穏やかな気持ちですが、でも、とてもやる気に満ちています」

ーー宝塚時代との違いで感じることは?

「まず、キャストのかたが違うのでそれだけでもすごく新鮮な印象です。宝塚は夢の世界だったことを改めて実感しています。(具体的には)男性とのラブシーンで自分が構えるかなと思っていたら、意外と自然に寄り添えたり演技できているので、あ、思ってたより意外と抵抗なくできているなと。よけいな心配でした」

ーー久しぶりのアイーダ役で感じ方に変化は?

「初演から何年か経っていて私自身も大人になっているので、より深く捉えられるようになっています。愛するということはどういうことなんだろうとか、あの頃よりいろいろ考えられるようになりました」

ーー女優としての稽古場で宝塚時代と違うことは?

「宝塚はよく知ってる人たちの中で作っていましたが、新しい仲間と作っていかなくてはならない稽古場で、自分がどういうスタンスでいればいいいのかということで、最初の頃はとまどいがありました。それがいちばん感じたことです」

ーー国際フォーラムという会場はいかがですか。

「綺麗でいい劇場だし、やりやすそうな空間だなと感じています」

ーーアイーダのメイクや髪型が宝塚時代よりフェミニンになってる気がしますが。

「たぶん男性と一緒なので、よりリアルで自然でいいので、柔らかい感じになってるのではないかと。(右手のタトゥーは)私ではなくデザイナーさんのアイデアです。なぜつけてるのか自分ではわかってないんです(笑)」

ーー新曲はありますか?

「今までの曲の中にも、ちょっとずつ増えていたりするんですが、大きなナンバーでは、一幕の終わりでラダメスが歌う主題歌と一緒に私の新しいナンバーを歌います。それから二幕でエチオピアに帰って歌うソロ。どちらも綺麗なメロディです」

_安蘭けいMG_9637ーー女優さんと呼ばれることには慣れましたか?

「呼ばれても振り返らなかったりとか(笑)、そんなことはないですけど(笑)。まだどういうものが女優なのかちゃんとわかってないですね(笑)」

ーー私生活でこの作品のような激しい愛は?

「経験したいんですけどねー(笑)。求めてはいるんですけど。幕が開いて余裕が出てきたら考えます(笑)」

ーー宝塚時代の初日と今の気持ちは違いますか?

「違いますね、今の方が余裕がありますね。宝塚ではいつでも“もう初日?”状態でしたから。今回は自分が前にやっているということもあってか、早く幕が開いてほしいと思っていたので」

ーーこの作品の先に見えてきたものはありますか?

「先ですか? 今、男性のかたたちの立ち回りを見てるとすごくやりたいなと。それって少し巻き戻ってますよね(笑)」

ーー完全に女性になった今、自分のなかに新たな女らしさは発見できましたか?

「甘えるというかゆだねやすくなりました。やはり男性は身体も大きいぶんゆだねられるので」

ーーこの作品のいちばんの魅力は?

「曲も素晴らしいしテーマ性もあるし、それからメインの人だけでなく周りの人たちも主役になれる。みんなで作り上げている作品だし、周りがいなければ成立しない作品です」

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 最後に「本当に素晴らしい作品になっていると思います。私もそうですが、出演者のみんなで力を込めて作り上げた作品ですので、ぜひ期待して見にいらしてください。お待ちしています」と挨拶した安蘭けい。スレンダーでフェミニンなドレス姿には、数ヶ月前まで男役だった面影はほとんど残っていない。そしてこの作品のヒロインらしく、大きな瞳を情熱的に輝かせて、初日に挑む熱い心を感じさせてくれた会見だった。
(近日中に公演レビューも掲載予定)
 
 

The Musical 『AIDA アイーダ 』 宝塚歌劇『王家に捧ぐ歌』より

8/29〜9/13◎東京国際フォーラムC 

9/18〜10/4◎梅田芸術劇場メインホール

脚本・演出◇木村信司(宝塚歌劇団)

作曲・編曲・音楽監督◇甲斐正人

出演◇ 安蘭けい 伊礼彼方 ANZA 光枝明彦 沢木順  宮川浩 林アキラ 他

 

<料金>

国際フォーラムC S席12000/A席8000/B席5000/(全席指定/税込)

梅田芸術劇場メインホール S席12000/A席8000/B席4000/(全席指定/税込)

<チケットに関するお問い合わせ>

梅田芸術劇場 06-6377-3800

<公演概要> http://www.umegei.com

           【取材・文/榊原和子 撮影/岩村美佳】