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ミュージカルセーラームーンシリーズ最終章!お得なチケット販売中。

傑作ミュージカル『アダムス・ファミリー』が、オールスターキャストで華やかに再演!

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ブロードウェイ・ミュージカル『アダムス・ファミリー』が、本年10月末からKAAT神奈川芸術劇場ほかで、待望の再演を果たす。
 
初演は2014年4月、青山劇場、KAATほかで上演。白井晃の質の高い演出と、キャラクターにぴったりのキャスト陣、心に残る優れた楽曲で、「何度も見たくなる本当に楽しい作品」と、再演を望む声が続出した。また、ゴメス役の橋本さとしは、本作品で、読売演劇大賞優秀男優賞を受賞している。
1990年代の映画やCMでおなじみのユニークなお化け一家「アダムス・ファミリー」は、日本でも高い知名度を誇り、ハロウィン仮装の人気キャラクターでもある。アダムス一家と人間の一家が出会うことによって起こる騒動を描いた本ミュージカルは、ブラックな笑いとゴシックなテイストに溢れた最高のエンタテイメント。その作品が、2017年のハロウィン・シーズンに、新たに豪華な新キャストを迎え、オールスターキャストによる、新生『アダムス・ファミリー』としてついに再演の幕を開ける。

今回、アダムス家のパパ(ゴメス)には、本作品で2014年度の読売演劇大賞優秀男優賞を受賞した橋本さとし。まさに当たり役というはまりっぷりで、妻と娘には弱い愛すべきパパを演じる。ママ(モーティシア)には、初演で怖いほどに完璧なママぶりを見せた真琴つばさに加え、ダブルキャストとして、真琴と同じく元宝塚の男役トップだった壮 一帆が参加。持ち味の異なる2人のママに期待が高まる。
長女ウェンズデーは、やはり初演の好演が忘れられない昆 夏美。映画『美女と野獣』のベル役の吹き替えでも大注目されている昆の絶品の歌唱は、またもや観客の喝采を浴びるに違いない。弟のパグズリーにはオーディションで本役を獲得した庄司ゆらの。高校1年生の女子ながら、文句なしのパグズリーぶりで役をゲットした。
キュートなフェスターおじさんも今井清隆が再登板。ファンが今井と気づかないほどの可愛らしさあふれる怪演で場をさらう。グランマには、梅沢昌代が初登場。いたずら好きのおばあちゃんを演じる。そしてフランケンシュタインのような執事ラーチは、初演と同じく、蜷川にも愛された巨漢の澤 魁士。アダムス家に欠かせない顔だ。
一方、人間界のルーカスの一家は今回新しいキャストが揃う。まずルーカスには、『きみはいい人、チ
ャーリー・ブラウン』(本年4〜5月)のチャーリー・ブラウン役、『レント』(本年7〜8月)のマーク役と立て続けに人気ミュージカルの主演を務める村井良大。ガールフレンドのウェンズデーに振り回されるちょっと頼りない男の子を、魅力いっぱいに演じてくれるに違いない。ルーカスの母アリスには、こちらも宝塚出身の実力派として知られる樹里咲穂で、貞淑な妻から変貌を遂げる力量がいる本役にぴったりだ。そして父親マルには、戸井勝海。端正な魅力で、アダムス家の人々と好対照をなす人物を演じる。

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2014 年初演舞台より
 
【ストーリー】
セントラルパークの中の不気味な屋敷に住むアダムス・ファミリーは不幸や忌まわしいものが大好きなお化け一家。今日も、お墓に眠るご先祖さまの幽霊たちも交えて、恒例の家族大集合。フェスター叔父さんがご先祖さまを取り仕切っている。ある日、一家の娘ウェンズデーのボーイフレンドが、両親を連れてアダムス・ファミリーの屋敷を訪れることに・・・。
いつものように弟のパグズリーをいじめながら、普通の人間のルーカス一家が来ることを考えると不思議な気持ちになるウェンズデー。ウェンズデーが変わってしまうのではないかと心配する父ゴメスと母モーティシア。弟パグズリーは、もう姉からいじめられなくなることを喜びつつも、やはりさびしく思い、何とか2人を別れさせられないものかと考え、おばあちゃんに相談する。
それぞれの気持ちを抱くお化け一家の元に、ついにルーカスとその両親が到着。しかしながら両家が上手くいかないのではないかというウェンズデーとルーカスの心配は的中。ルーカスの両親は奇妙なアダムス・ファミリーに困惑してしまう。その上、手違いで魔法の薬を飲んでしまったルーカスの母アリスが豹変し、事態は大混乱へ。
さて、ウェンズデーとルーカスの恋の行方やいかに・・・
 
【キャラクター紹介】
 
●アダムス家
ゴメス(橋本さとし)
アダムス家の家長・父親。興奮するとナイフや剣を振り回す。爆弾・獣剣類の扱いが得意。BWではトニー賞受賞俳優ネイサン・レイン、ロジャー・リースと名だたる人気実力俳優が演じている。
モーティシア(真琴つばさ/壮 一帆  ダブルキャスト)
母親。何度も死んでは蘇っている。ゴメスとは自分の最初の葬儀で出会い、今もラブラブ。熱くなるとフランス語で会話する。BWでは『シカゴ』のビビ・ニューワース、またブルック・シールズが怪演。
ウェンズデー(昆 夏美)
アダムス家の長女。家族の中の一番の危険人物。映画では、当時11歳のクリスティーナ・リッチが演じている。
パグズリー(庄司ゆらの)
ウェンズデーの弟。姉のウェンズデーにいつもいじめられているが、姉のことが大好き。
フェスター叔父さん(今井清隆)
ゴメスの実兄である叔父。一家のムードメーカー。スキンヘッドで目元が黒ずんでいるのが特徴。
おばあちゃん(梅沢昌代)
モーティシアの母。アダムス一家の料理や薬品作りをする。おちゃめで悪趣味ないたずらが趣味。
ラーチ(澤 魁士)
アダムス家の執事。極めて長身。無口で無愛想。家事一般を黙ってこなす。

ルーカスの家族(人間一家) 
ルーカス(村井良大)
ウェンズデーのボーイフレンド。呑気にウェンズデーを愛している。
アリス(樹里咲穂)
ルーカスの母親。アメリカの保守的で模範的な母親。でも内面は・・・
マル(戸井勝海)
ルーカスの父親。堅物で常に自分が正しいと信じている。

そのほかアダムス家の祖先たち(中本雅俊/小暮キヨタカ/照井裕隆/藤井凜太郎/新井俊一
柏木奈緒美/遠藤瑠美子/田口恵那/岡本華奈/熊澤沙穂)が登場する。

新しい顔ぶれが加わり、グレードアップした傑作ミュージカル『アダムス・ファミリー』。ハロウィンの季節が今から待ち遠しい!
 
〈公演情報〉
ブロードウェイ・ミュージカル『アダムス・ファミリー』
台本◇マーシャル・ブリックマン&リック・エリス  
作詞・作曲
アンドリュー・リッパ
原案◇チャールズ・アダムス  
翻訳
目黒条/白井晃  
訳詞
森雪之丞
演出◇白井晃
出演◇橋本さとし 真琴つばさ/壮 一帆(ダブルキャスト)  昆 夏美  村井良大
樹里咲穂 戸井勝海 澤 魁士 庄司ゆらの 梅沢昌代  今井清隆  
中本雅俊 小暮キヨタカ 照井裕隆 藤井凜太郎 新井俊一 柏木奈緒美 遠藤瑠美子 田口恵那 岡本華奈 熊澤沙穂 
●10/28〜11/12◎KAAT神奈川芸術劇場 ホール
〈料金〉 S席12,000円 A席9,000円(全席指定・税込)U-25チケット6,000円観劇時25歳以下対象・当日指定席引換・要身分証明書・チケットぴあのみ取扱い
〈前売開始〉7月15日(土)
〈お問い合わせ〉チケットかながわ  0570-015-415(10:00-18:00
●11/18・19◎大阪 豊中市立文化芸術センター・大ホール
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888
●11/24・25◎富山 オーバード・ホール
〈お問い合わせ〉チューリップテレビ  076-444-8888  イッセイプランニング 076-444-6666
〈総合問い合わせ〉パルコステージ  03-3477-5858(月〜土11:00〜19:00  日祝11:00〜15:00






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井上ひさしが描いた赤穂事件の真実とは?こまつ座 『イヌの仇討』彩吹真央インタビュー

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井上ひさし作『イヌの仇討』が、こまつ座第118回公演として、7月5日から紀伊國屋サザンシアターで上演される。(23日まで。その後、山形県川西町、酒田市でも公演あり) 
 
この戯曲は、歌舞伎の『忠臣蔵』をはじめ数々の物語で知られる赤穂事件を、隠し部屋に潜んだ吉良上野介と、彼を守ろうとする人々の視点から描いたもので、初演は1988年、以来、これまで上演されてこなかったことで、井上ひさしの幻の名作とも呼ばれている。
大石内蔵助以下、赤穂四十七士に襲撃された吉良邸で、吉良上野介が討たれるまでの最後の2時間、密室に隠れ潜んだ人々が、何を思い、どう目の前の現実に向き合ったか…。
井上ひさしならではの独自の切り口から『忠臣蔵』を見つめ直し、悪役とされてきた吉良上野介側に寄り添い、世論や権力から見放され、翻弄されながらも、それらに立ち向かっていった姿を描く、『忠臣蔵異聞』ともいえる作品となっている。演出には、叙情性あふれる世界観で高い評価を受ける「劇団桟敷童子」の東憲司。出演者は日本演劇界の多彩なジャンルから実力派が集結、この幻の名作の復活に挑む。

その作品で、吉良上野介の側女お吟を演じるのが、宝塚出身で女優としてミュージカルからストレートプレイまで活躍中の彩吹真央。この作品は、彼女にとって念願だった「こまつ座」への初出演であり、女優として初めての時代物となる。そんな彩吹が稽古中のある日、井上ひさし作品と役柄への熱い思いを語ってくれた。

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吉良上野介こそ本当のヒーローだった?!

──この作品に接する前に、『忠臣蔵』に対して持っていた印象はどんなものでしたか?
宝塚でも上演されていましたし、年末にはドラマなどもよく放映されていたので、興味はあったのですが、知識としては歌舞伎なども含めて、これまで上演されてきた『忠臣蔵』の物語をそのまま受け取っていました。吉良上野介が敵役で、大石内蔵助率いる赤穂浪士たちが主君の敵をとる美談という感覚でした。
──そこから、この『イヌの仇討』という井上ひさしさんの戯曲を読んでいかがでしたか?
読ませて頂いた時に、『忠臣蔵』は本当はこうだったのではないかと思いました。吉良上野介や側近の方達はもちろん実在の人物ですが、私が演じるお吟や、三田和代さんが演じられるお三様は、モチーフとなる人はいたかもしれませんが、基本的には創作された人物なんです。それでも、お吟が隠し部屋に入ってから幕切れまでのことは、実際はこうだったに違いないと信じてしまえるほど、作品に真実味があるんです。さらに井上先生が紡がれる美しい言葉のあふれだす様に圧倒されて、たちまち虜になりました。その作品に対する感動と、そんな作品に自分が出させて頂ける嬉しさが、次々に押し寄せてきました。何よりも私にとって「こまつ座」の舞台に立たせて頂くということは、ずっと願っていたことでしたから、大きな喜びがありました。
──赤穂浪士の討ち入りの一夜を、吉良上野介の側から描くという視点自体、非常に面白いですね。
赤穂事件は実際に起きたことで、史実として残っている部分に忠実に添いながら、その狭間で何が起きていたのかわからない時間、「もしかしたらこうだったのかも知れない」という想像の余地があるところを、井上先生が書き込まれているので、台詞の1つ1つにリアリティがあります。ですからこの作品の面白さは、日本人ならほとんど皆が知っている『忠臣蔵』、300年前の赤穂事件について、誰もがヒーローは大石内蔵助、赤穂四十七士だと思っているところを、逆から見たという視点だと思います。今回、出演させて頂くにあたって、ゆかりの土地に伺いまして、赤穂にも行ったのですが、「赤穂浪士記念館」があり、四十七士の方達の像がそれぞれあり、観光客もたくさん来ていて、本当に彼らがヒーローなのを感じました。一方、上野介さんが治めていた領地、愛知県の吉良町にも伺ったのですが、そこには吉良家の菩提寺があり、「赤穂浪士記念館」のような大がかりなものではありませんが、上野介さんの像が町のあちこちに立っていて、町の方達にお話を伺うと皆さんが「ヒーローは吉良さんだ、名君なんだ」とおっしゃるんです。当時の領民の方達も吉良さんを慕っていたというお話も伺いました。私は井上先生の作品にすっかり心酔していましたので、吉良町に伺って「あぁやっぱり!」と嬉しさを感じました。ですから私はこの『イヌの仇討』こそが『忠臣蔵』の真実だと信じて挑んでいますし、きっと上野介役の大谷(亮介)さんはじめ、共演している皆さんもそう信じて演じていらっしゃると思います。

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邪魔者のはずなのに「お三様頼りにしています!」と

──演じるお吟という役はどう捉えていますか?
初めに私が抱いた大まかなイメージは、ちょっとのんびりしたお側女さんなのかな?というものでした。ですから本読みの段階などでも、少しおっとりと台詞を読ませて頂いていたのですが、井上先生の作品は登場人物が皆個性豊かで、この作品ではまず吉良上野介さんがいらっしゃって、近習、御女中頭のお三様、お犬様付お女中がいらっしゃる。その中でお吟というのは架空の人物ではありますけれど、討ち入りでいつ殺されるかも知れないという状況ですから、常にのんびりと話しているわけではないでしょうし、お側女という立場から劇中の人間関係を深く表現するためにも、お三様と争う感じをもっと出した方がいいかもしれないと、稽古を進めるうちに人物像が色濃くなりました。でも、やはり身分の高い方の側女ですから、まず魅力がないと側近くで仕える立場にはなれないので、お吟の魅力というものもちゃんと出さなければいけないと考えています。それは井上先生が書かれた台詞の中にも1つ1つ描かれていて、ご隠居様(上野介)を気遣う言葉や、近習たちの言葉に涙するなど、細かい描写がありますので、書かれているものを忠実に表現することで、自然にお吟という女性の性格が浮き彫りになると思って取り組んでいます。
──稽古の雰囲気などはいかがですか?
本読みが3日間ありまして、その時からすでに感じていたのですが、演出の東憲司さんが本当にパワフルな方です。私のお吟が一番最初に舞台に登場するのですが、立ち稽古の初日、その瞬間から本気でやるんですね。まず、こう動いてみましょうか?と立ち位置を決めながら、演出をつけて進めるという形ではなく、「はい、本意気でどうぞ!」と言われた時に、役者としては「あぁそう来たか!」と。そうでなくてはいけないんだと思いました。描かれている物語は、吉良上野介さんが亡くなる2時間前の話で、声ひとつ、物音ひとつ立てたら殺されるかも知れないという、私たちが今生きている平和な世の中とは全く違う世界です。その中での「本意気」というものを稽古で体験する度に、自分自身が生きているということを感じますし、そういう稽古になっています。
──共演者の方達も錚々たる顔ぶれですね。
たくさんの経験を積まれた先輩方とご一緒させて頂けているのが、本当に光栄です。ご隠居様の大谷亮介さんには、いつもお側に付かせて頂いている役柄なので、日々学ばせて頂いています。どっしりといてくださるのが心強いのですが、実際には見つかれば殺されるという状況の中にいるわけですから、ご隠居様は誰よりも私が守るという気持ちでいます。意見交換もたくさんしてくださって、何よりも私が構えることがないように、とても大きな心で受けとめてくださっているので、とてもありがたいです。また、お三様の三田さんからも本当にたくさんのことを学ばせて頂いています。お三とお吟の関係性が成立すればするほど、炭部屋の本当に狭い空間にいて、立場の違い、考え方の違いが鮮明になっていく状況が、よりリアルになって面白さが作り出せると思います。三田さんは、私が何か1つしても、「今、お三はこうしているから、お吟はこっちの方がいいんじゃないかしら?」と教えてくださったり、またお吟がこう出るからお三としてはこうした方がいいと、常に私との関係性で作っていってくださるんです。演じる上では、お吟はお三様に対して「ちょっと邪魔者」という扱いをしなければならないのですが、心では「お三様頼りにしています!」という気持ちでいっぱいです。でもついついその気持ちが出てしまって、「優しくやりすぎよ」(笑)と言って頂くので、芝居の中ではなるべくお三様のやることに目くじらを立てて、キリッとやらなければいけないなと思っています。他の皆様も、「こまつ座」の舞台も時代物も多く経験されている方ばかりで、私は宝塚退団後、女優として時代物に出演するのが初めてなので、学ばせて頂くことが本当に沢山あります。そういう意味でも毎日の稽古が楽しいですし、作品や役と闘っている時間そのものが幸せです。

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井上作品は最後には必ず温かさが残る

──「こまつ座」の舞台に出たいとずっと思っていたそうですが、井上作品の魅力をどう感じていますか?
井上先生は、作品ごとに伝えたいテーマがおありになって書かれていたと思いますが、私が感じていたのは、人間の面白さと温かさがどの作品にも共通して描かれていることでした。どんなに強がっている人でも、綺麗な人であっても、人間にはどこかに必ず滑稽な部分がある、それをとても素敵な言葉で描かれているので、可笑しさもこみあげてきますし、最後には必ず温かさが残る。そこに一番の魅力を感じます。そんな人間を演じるには、生半可な気持ちでは演じられませんから、そこから必ず得るものがあるだろうと。そして、出演される方々が自分を裸にして役に投影して、お客様に感動を伝えていることもとても羨ましかったです。その世界に今自分が居られることを大事に演じていきたいです。
──今、世の中がおかしくなっている中で、井上作品はますます大きな意味を持っていると思います。この作品も歴史上の出来事に題材を取っていますが、伝えたいことは今の時代にも通じるものかなと。
井上先生の作品は戦争を題材にされているものが多く、また直接言及していない作品でも、戦争を経た、戦後の思想の中でこういう人間がいるんだよということを書かれていて、そこには二度と戦争を起こしてはいけないというメッセージが、さまざまな言葉で書かれています。今、時代がある方向に向かっているという危惧がある中で、この仕事をしている私たちが先生のメッセージを残していかなければならないし、先生の書かれた人間の温かさというものを、伝え続けなければならないと思います。この赤穂事件は300年も前ですが、当時としては60年以上も戦がなかった時代に起きた大事件でもあるんですね。そういう中で、「この事件をどう捉えようか?」とみんなが考えたと思いますし、今の私たちにもとてもリアルに感じられるものだと思います。井上先生が「こまつ座」の座付作家として、次々に新作を書かれる中で、再演される機会に恵まれなかったこの作品を、今上演する意味を深く感じながら、演じたいと思います。
──では、改めて意気込みをお願いします。
ご覧になったら皆様きっと、「目から鱗が落ちた」という感覚になって頂けると思います。300年以上敵役だった吉良上野介の、『忠臣蔵』には決して描かれなかった思いや、心の深さが描かれているので、どなたもが吉良上野介ファンになってくださると思いますし、いちはやく上野介ファンになっている私たちが演じることで、その素晴らしさを知って頂けたら、無念な亡くなり方をした上野介さんも天国で喜んでくださるのではないかと思います。それはきっと井上先生の思いでもあるのではないかと。密室の中でのとても緊迫した状況なのですが、その中だからこそ生まれる滑稽さもあり、ある意味ではコメディ要素もある作品ですので、楽しみに観に来て頂けたらと思います。お待ちしています。

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あやぶきまお○大阪府出身。94年宝塚歌劇団入団。繊細な演技力とのびやかな歌声を持つ男役スターとして活躍。10年退団後女優に転身。舞台を中心に活躍する一方、コンサートなどの歌手活動や、声優など様々なジャンルにも積極的に挑戦している。近年の主な舞台に『ロコへのバラード』『サンセット大通り』『シラノ』『ウェディング・シンガー』『モンテ・クリスト伯』『アドルフに告ぐ』『End of RAINBOW』『オフェリアと影の一座』崩壊シリーズ『リメンバーミー』などがある。


〈公演情報〉
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山形新聞・山形放送後援
こまつ座 第118回公演 『イヌの仇討』
作◇井上ひさし
演出◇東憲司
出演◇大谷亮介、彩吹真央、久保酎吉、植本純米、加治将樹、石原由宇、大手忍、尾身美詞、木村靖司、三田和代
●7/5〜23◎紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
〈料金〉7,000円 学生割引 4.000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉こまつ座 03-3862-5941
●8/4◎川西町フレンドリープラザ
〈料金〉3,000円 高校生 1,000円
〈お問い合わせ〉川西町フレンドリープラザ 0238-46-3311
●8/6◎酒田市民会館 希望ホール
〈料金〉S席 3,000円 A席 2,000円 高校生以下 1,000円
〈お問い合わせ〉酒田市民会館 0234-26-5450




【取材・文/橘涼香 撮影/アラカワヤスコ】


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しりあがり寿の名作漫画の舞台化!おん・すてーじ「真夜中の弥次さん喜多さん」双 上演中!

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カメラマン:鏡田伸幸

十返舎一九の『東海道中膝栗毛』から着想を得たしりあがり寿の漫画『真夜中の弥次さん喜多さん』の舞台版で、昨年1月に上演された「おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』」。その好評を受けて、続編にあたる「おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』双(ふたつ)」が、6月21日から全労済ホール/スペース・ゼロにて上演されている。(25日まで)

しりあがり寿ならではのシュールな世界感が描かれた漫画を、演出の川尻恵太が、歌、ダンス、パフォーマンスを絡めたエンターテインメントな「弥次喜多もの」に仕上げたこの舞台は、若い観客にも大きな支持を受けた。
出演者は、昨年に引き続き、弥次郎兵衛役の唐橋充と喜多八役の藤原祐規、そして共演に元宝塚雪組トップ娘役の愛原実花をはじめ、松本寛也、岡田あがさ、加藤良輔 米原幸佑など、幅広く舞台で活躍する俳優陣が顔を揃えている。
 
この作品の公開舞台稽古が6月21日の初日前に行われた。

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【あらすじ】
「いざ、お伊勢参りへ」。ドラッグ中毒に苦しみ死後の世界に憧れる喜多さんと、その優しき恋人・弥次(男)さんは喜多さんのドラッグ中毒を治すために伊勢への旅に出た。2人は曰く付きの愛し愛される恋人同士。当然のように、彼らの道中には、いくつもの困難が立ちはだかる。初演からのキャラクターの万ジョン次郎が登場すれば、シロ(犬)が飛び出し、今作オリジナルキャラクターのヒサオとアケミが入り乱れ、しりあがり的(?)カオスな世界が展開される。彼らの愛はどこに向かうのか?

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弥次さん(唐橋充)と喜多(藤原祐規)さんが長屋に現れ、「ふりだしに戻ってきた」と弥次さんが唐突に言う。どうやら何かを始める、あるいは何かを始めようとしていたのだが、どこかで間違いがあって戻ってきしまったことを暗にほのめかしているようだ。
それは、前作からの引き続きのようにも見えるし、まったく中断された場所からの突然のスタートのようにも見える。
そしてオリジナルキャラクターの引きこもりのヒサオ(松本寛也、米原幸佑、石田隼の3人が場面によってストーリーによって演じ分ける)とアケミ(愛原実花、岡田あがさ、古谷大和も同様)がなにやらゲームをしているのだが、弥次さん喜多さんとどんな関係があるのか…?ちょっとしたカオスな空間を作り出す川尻恵太のオリジナリティー溢れる演出だ。
 
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カメラマン:鏡田伸幸
 
そこから弥次さんと喜多さんは旅に出るのだが、ある町に辿り着く。
二人は旅を続けていくのだが、そこからは一気にシュールで夢魔的な光景が広がって、それぞれ愛を試されるような出来事に出会うことになる。そんな彼らの結末は? すべては夢か妄想なのだろうか?

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愛原実花はコメディセンスを発揮しながら何役かを演じ分けてみせる。男役の場面も凜々しくキュート。松本寛也は役柄ごとに見せる自在な変化が素晴らしい。岡田あがさは狂気に満ち、松本祐一は女装や動物までこなす。古谷大和、足立英昭、田代哲哉、福井将太、加藤良輔といった実力ある俳優たちが何役もで登場、物語を賑わし、それぞれ歌にダンスに芝居に大活躍だ。超常的な石田隼や、抽象的なある概念までこなす米原幸佑は見事というしかない。
 
そして、なんといっても主役の2人は当たり役。藤原祐規は、デカダンでありながら決してそこに堕していない喜多八の純粋さを、可愛ささえ感じさせながら演じる。また、良い意味で「受け」に徹して、周りの役者たちとの絶妙なバランスで、物語を膨らませる。
唐橋充は、どこまでもポジティブで、どこまでも愛を生き抜く弥次郎兵衛。己の信念を貫き、そして貫徹しようとする心意気がかっこよく、男らしさと優しさに溢れ、愛を信じ続けようとする良い男だ。

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カメラマン:鏡田伸幸
 
統制のとれたダンスもロックな歌もノリノリで、ストーリーを追わなくても笑って泣けて楽しめて、さらに、弥次喜多の愛のかたちに、他者に対する思いやりや優しさ、死者への慈しみまであらゆる愛を重ね、深く感動する。実に奥行きの深いエンターテインメントになっている。

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カメラマン:鏡田伸幸
 

【囲みインタビュー】

公開稽古後に出演者の囲みインタビューが行われ、唐橋充、藤原祐規、愛原実花、松本寛也、岡田あがさ、松本祐一、古谷大和、足立英昭、石田隼、田代哲哉、福井将太、加藤良輔、米原幸佑が登壇した。

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田代、足立、松本祐、岡田、古谷、石田、福井
松本寛、愛原、唐橋、藤原、米原、加藤 

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福井将太(添乗員役
ほか
最高のメンバーで弥次喜多の世界をみなさんに届けることができるのでワクワクしています。最後まで一つ一つ丁寧に演技を積み重ねていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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石田隼(神様役ほか)
今回5役を演じさせていただきましたが、その全部を精一杯愛して、みなさんに弥次喜多の作品を端から端まで楽しんでいただけたらと思います。

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古谷大和(パメラ・マローン役
ほか
楽しみに観劇に来てくださった方のほっぺをぶん殴るような衝撃的な作品をお送りできるように吹っ飛ばしていきたいと思います。

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岡田あがさ(オミツ役
ほか
ジェットコースターに乗っているようなカオスがありますが、そこに精一杯しがみついて、一生懸命やらせていただこうと思います。

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松本祐一(リー・ファン役
ほか
カオスな世界に僕らも負けないように、舞台で生きてお客さんをカオスに引っ張り込んで、みんなで楽しめるような作品にしていきたいと思います。

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足立英昭(ローズ・ジャクソン役
ほか
この世界を素敵なメンバーと上演させていただけて光栄です。僕自身がまず楽しむということを忘れずに毎公演取り組んでいきたいと思っております。

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田代哲哉(添乗員役)
前回に引き続き弥次さん喜多さんのカオスな世界、何がリアルなのかわからない世界をお客さんとともに、楽しんでいきたいと思います。

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松本寛也(バーバラ・ブルック役ほか
前作から万ジョン次郎役もやらせていただきます。今回は新しいメンバーも加わり、お客様がきて完成する作品なので、ぜひ、足を運んでください。

DSC_6788撮影:竹下力
愛原実花(ジェームスボンド役ほか
はじめは緊張していましたが、今はとても楽しくて、かなり自由に演じさせていただきます。それから男役に初挑戦させていただくので、頑張りたいと思います。

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加藤良輔(ジョディー・マクガバン役)
弥次喜多の世界観はぶっ飛んでいますが、その世界観をみなさんに存分に楽しんでいただけるように演じたいと思います。

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米原幸佑(弥次さんの童貞役
ほか
生まれて31年間童貞を守って来てよかった(笑)。初めて当たり役に巡り会えたような気持ちです。本当にしっくり来ています。楽しんでください。

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藤原祐規(喜多八役)
カオスでシュールなしりあがり寿さんの『真夜中の弥次さん喜多さん』を舞台化するにあたって、僕ら弥次喜多はカオスなキャラクターをどう普通の人間のいられるようにするのかがテーマだと思っています。お客さんの先導者になれるように物語を面白く彩れたらと思います。

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唐橋充(弥次郎兵衛役)
今日を迎えるまで、いろいろ宣伝の機会をいただきましたが、役名やシーンが何も発表できず、ようやく発表できる喜びを噛み締めています。これからも弥次喜多の舞台版をずっと続けていきたいので、この作品が足がかりになればいいな。全員で一致団結して初日を迎えたいと思います。


〈公演情報〉
弥次喜多PR

おん・すてーじ『真夜中の弥次さん喜多さん』双(ふたつ)
原作◇しりあがり寿
作・演出◇川尻恵太(SUGARABOY)
出演◇唐橋充 藤原祐規 愛原実花/松本寛也 岡田あがさ
松本祐一 古谷大和 足立英昭 石田隼 田代哲哉
福井将太/加藤良輔 米原幸佑
●6/21〜25◎全労済ホール/スペースゼロ
〈料金〉グリーン席10,800円 指定席7,500円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉CLIE 03-6379-2051
http://www.clie.asia/on_yajikita/
(c︎) しりあがり寿/2017 おんすて弥次喜多



【取材・撮影・文/竹下力 ソロ写真カメラマン/鏡田伸幸】



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瀬奈じゅん・大原櫻子出演、小川絵梨子演出、2015年トニー賞ベストミュージカル『Fun Home』2018年2月シアタークリエで上演!

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オフ・ブロードウェイで大絶賛され、2015年トニー賞作品賞。演出賞、オリジナル作曲賞など多数受賞したミュージカル『Fun Home ファン・ホーム  ある家族の悲喜劇』が、2018年2月上旬にシアタークリエで上演される。
原作はアリソン・ベクダル(「Dykes to Watch Out For」)が描いた同名の「グラフィック・メモワール」。作曲はジニーン・テソーリ、脚本・作詞をリサ・クロンが手がけている。

「グラフィック・メモワール」とは、漫画で描いた回想録という意味で、漫画家のベクダルが、レズビアンである自分と、ゲイであることを隠して生きてきた父の死について探求した漫画メモワール。2006年に発表され漫画のアカデミー賞として知られるアイズナー賞も受賞。日本では「ファン・ホーム 〜ある家族の悲喜劇〜」というタイトルで2011年に出版されている。

日本版の出演者は、漫画家のアリソンに瀬奈じゅん、その大学生時代を大原櫻子が演じ、アリソンの父ブルースに吉原光夫、アリソンの母ヘレンに紺野まひる、ブルースの愛人ロイに上口耕平、アリソンの恋人ジョーンに横田美紀というキャスティング。演出は次々に話題作に取り組み、高い評価を受けている気鋭の小川絵梨子。家族の別れと再生、そして希望を描き出す。
公演は、2018年2月上旬にシアタークリエで、2018年3月に兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演される。
 

〈公演情報〉
『Fun Home ファン・ホーム  ある家族の悲喜劇』
原作◇アリソン・ベクダル
作曲◇ジニーン・テソーリ
脚本・作詞◇リサ・クロン
演出◇小川絵梨子
出演◇ 瀬奈じゅん、吉原光夫、大原櫻子、紺野まひる、上口耕平、横田美紀
2018年2月上旬◎シアタークリエ
2018年3月◎兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
https://www.toho.co.jp/stage/







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