えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

えんぶ最新号販売中!

三浦春馬・大島優子らの出演でドストエフスキーの名作『罪と罰』を上演!

罪と罰_宣材
三浦春馬・大島優子

ロシアの文豪、ドストエフスキーの名作『罪と罰』が、DISCOVER WORLD THEATRE vol.5として、 2019年1月にBunkamuraシアターコクーンで上演される。
 
演出を手がけるのは、2015年、シアターコクーンプロデュース公演『地獄のオルフェウス』で日本での演出家デビューを華々しく飾り、成功を収めた気鋭の英国人演出家、フィリップ・ブリーン。その後、2017年12月にはテネシー・ウィリアムズの最高傑作『欲望という名の電車』(DISCOVER WORLD THEATRE vol.3)に挑み、大竹しのぶをはじめとするキャスト陣の熱演を導きだし、さらなる評価を高めた。そして3度目の登場となる今回はロシア文学の傑作長編小説『罪と罰』を取り上げる。後世に多大なる影響を与えたドストエフスキーの名作を、現代の日本の観客たちにどう観せていくのか大注目だ。
 
戯曲はブリーン自身が2016年にLAMDA(ロンドン・アカデミー・オブ・ミュージックアンドドラマティック・アート)に書き下ろしたものをベースに、日本公演のために再構築していく。哲学的な思索、社会に対する反動的な見地と政治思想、宗教感を織り交ぜながら、そして当時のロシアでの民衆の生活状況を描きつつ、殺人者の倒錯した精神に入り込んでの心理描写など、読み応え満載の原作からどのような舞台作品が生まれるのだろうか。

そんな超話題作だけに豪華キャストが集結。「正義のためなら人を殺す権利がある」と考え、殺人を犯す青年ラスコーリニコフ役には、ブリーンの日本デビュー作『地獄のオルフェウス』に出演した三浦春馬。前作で意気投合し、もう一度一緒に作品創りがしたいと言っていた2人の念願の企画となる。また、家族のために娼婦となり、ラスコーリニコフと心を通わすソーニャ役には、3年ぶり舞台3作目となる大島優子。さらに、ソーニャの義理の母カテリーナ・イワーノヴナ・マルメラードワ役に麻実れい、ラスコーリニコフを疑い、心理面から追い詰める捜査官ポルフィーリー・ペトローヴィチ役に勝村政信の出演も決定した。

勝村政信麻実れい-1
勝村政信麻実れい

【『罪と罰』とは?】
舞台は、帝政ロシアの首都、夏のサンクトペテルブルグ。
学費滞納のため大学から除籍された頭脳明晰な貧乏青年ラスコーリニコフ(三浦春馬)は、自分は一般人とは異なる「選ばれた非凡人」としての意識で、「一つの微細な罪悪は百の善行に償われる」という独自の理論を持っていた。そして、ついに強欲で狡猾な金貸し老婆を殺害し、奪った金で世の中のための善行をしようと企てる。しかし、殺害の現場に偶然にも居合わせた老婆の妹までをも殺してしまう。
この日からラスコーリニコフは罪の意識、幻覚、自白の衝動に苦しむことになる。
彼を心配する親友、上京してきた母と妹、そしてその婚約者。酔っ払いの退職官吏とその後妻カテリーナ(麻実れい)とその家族など、サイドストーリーで当時のロシアの生活を描きながら、物語は興味深く展開していく。そして老婆殺し事件では、ラスコーリニコフを疑う国家捜査官ポルフィーリー(勝村政信)との息詰まる論戦、さらには真犯人だと名乗る男の登場もあり、犯罪者の心理を描いた倒叙ミステリーの要素を持つのも作品の大きな魅力である。
馬に踏まれて死んでしまう退職官吏の娘・娼婦ソーニャ(大島優子)の家族のためへの自己犠牲の生き方に心をうたれて、最後には自首するラスコーリニコフ。
正当化された殺人、貧困に喘ぐ民衆、有神論と無神論の対決など普遍的かつ哲学的なテーマを扱いながら、最後には人間回復への強烈な願望を訴えたヒューマニズム大作である。

【コメント】
 
三浦春馬(ラスコーリニコフ役)
Q フィリップ・ブリーンさんとは2015年『地獄のオルフェウス』以来のタッグとなります。お互いにもう一度一緒に仕事をしたいと思っていたと聞きましたが、念願が叶った今のお気持ちをお聞かせください。
またフィリップ・ブリーンさんの元で作品に一緒に向き合える事ができてとても嬉しいです。以前ご一緒させていただいた時に、作品が訴えかけたい事や、キャラクターの感情の起伏を密に考え、感じる悦びを教えてくださいました。早く稽古場で一緒に作品をつくっていきたいです。
Q 三浦さんのためにフィリップ・ブリーンさんが選んだ作品は『罪と罰』。現在の作品に対する印象をお聞かせください。
主人公が理詰めで罪を惨烈なほど正当化していく姿が痛々しく…そして逞しく美しくもあると感じています。
Q 大島優子さんとは初共演となりますが、どのような印象をお持ちでしょうか?
大島さんが出演されている作品を観て、繊細かつパワフルな演技をされる方だと思いました。舞台上でどんなやり取りが出来るか、今からとても楽しみです。

大島優子(ソーニャ役)
Q 舞台は今回で3回目となりますが、出演が決まった率直なお気持ちと意気込みをお聞かせください。
芝居をすることからしばらく離れていましたが、この作品に、そして、ソーニャへの情熱を傾ける時間に、一意専心したいと思います。
Q 罪と罰』という作品に対する現在の印象をお聞かせください。
自分の物差しでは測ることができない、それぞれの「正義」に関して考えさせられるお話だと思いました。作品の題材になっている時代は貧富の差が激しいのですが、人間が抱いている「正義」はいつの時代も変わらず思索され続けているのだと思いました。
Q 三浦春馬さんとは初共演となりますが、どのような印象をお持ちでしょうか?
主人公のラスコーリニコフを三浦さんが演じられるのが自然とイメージできました。三浦さんから正義感という、「それ」を感じるからかもしれません。一緒に、舞台の空間を創らせてもらえることが嬉しいですし、とても楽しみにしています。

フィリップ・ブリーン(上演台本・演出) 
Q 本作にかける想いをお聞かせください。
シアターコクーンにて、私が新しく翻案したドストエフスキーの『罪と罰』を初演できることを嬉しく思っています。東京で作品を創るたびに、この特別な国際的なコラボレーションの可能性を広げてきました。『罪と罰』は、世界文学の最高峰と言われる作品の1つであり、ラスコーリニコフは最も象徴的な登場人物の1人です。そして、このような作品で、三浦春馬さんともう一度コラボレーションし、この旅路を一緒に歩んでいけることを嬉しく思っています。
Q 三浦春馬さんとは『地獄のオルフェウス』以来のタッグとなりますが、三浦さんの俳優としての魅力は、どんな点でしょうか?
『地獄のオルフェウス』で春馬さんと初めてご一緒した時、素晴らしい俳優としての可能性がわかりました。そして実際、彼は素晴らしい俳優になり、今回彼が、その類い稀なる感情の幅を持ってこの象徴的な役を演じることをとても嬉しく思っています。脚本家としても、この役を演じてもらいたいと思う俳優は、世界中どこを探しても彼の他には考えられません。
この戯曲は、7年間まるで心臓の鼓動のように私の中に生き続け、私が大事にしてきた戯曲です。今回この作品を日本の最も素晴らしい若き俳優の1人に託すことを本当に嬉しく、とても楽しみに思っています。
 

〈公演情報〉
シアターコクーン・オンレパートリー2019
DISCOVER WORLD THEATRE vol.5 
Bunkamura30周年記念
『罪と罰』
原作◇フョードル・ドストエフスキー
上演台本・演出◇フィリップ・ブリーン  
出演◇三浦春馬、大島優子、勝村政信、麻実れい 他
●2019/1月◎Bunkamuraシアターコクーン
●2019/2月◎森ノ宮ピロティホール
http://www.bunkamura.co.jp/topics/cocoon/1518.html 






『大人のけんかが終わるまで』
kick shop nikkan engeki 

内博貴主演、大空ゆうひの共演で石丸さち子演出『まさに世界の終わり』を上演!

内さんアー写_s

ミュージカルをはじめ幅広く舞台で活躍する内博貴。2年ぶりの主演舞台『まさに世界の終わり』が9月から10月にかけて兵庫、名古屋、藤沢、東京で上演されることが決まった。
本作『まさに世界の終わり』は、1995年に38歳の若さで亡くなったフランスの劇作家・ジャン=リュック・ラガルスが、1990年にベルリンで執筆した戯曲。ジャン=リュック・ラガルスは、18歳よりブザンソン国立演劇学校(コンセルヴァトワール)で演劇を学び、逝去するまでの20年に満たない期間で25本の戯曲を執筆した。没後に大いに注目され、フランスの現代劇作家の中でも作品が多数上演され、評価されている。
 
物語の主人公は、34歳のルイ。長く帰郷していなかったが、不治の病を得て実家に戻ってくる。家族に病を打ち明けられずにいる中、家族が言い争いをしたり、互いを気遣ったりする情景が会話劇として描かれる。家族の愛や葛藤を確固たるメッセージとして提示するのではなく、家族との噛み合わない会話や遠回しな表現から、沈黙をも印象的に魅せ、その描写の1つ1つから《家族》とは何なのか、観客の心に語り掛ける。
 
2016年には同戯曲をもとに、グザヴィエ・ドラン監督が「たかが世界の終わり」というタイトルで映画化し、第69回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞、アカデミー賞外国語映画賞カナダ代表作品に選ばれた。日本でも2017年に公開され話題作となった。
 
今回の公演は齋藤公一翻訳の戯曲を石丸さち子が上演台本化、演出も石丸が手がける。石丸は早稲田大学演劇専攻を卒業後、蜷川幸雄演出作品に俳優・演出助手として多数参加、現在では演出家・劇作家として多彩に活躍、作・作詞・演出のオリジナルミュージカルを手がけることも多く、注目を集めている。近年の主な作品は、『Color of Life』『ラストダンスーブエノスアイレスで。』『ボクが死んだ日はハレ』(作・演出)、また「マタ・ハリ』(訳詞・翻訳・演出)、『5DAYS  辺境のロミオとジュリエット』(脚本・作詞・演出)など。
 
不治の病に侵されたルイ役を務めるのは、内博貴。2010年より出演している堂本光一主演舞台『Endless SHOCK』への出演や、ブロードウェイ・ミュージカル『コメディ・トゥナイト!』など、音楽劇やミュージカル作品に多数出演、今作は『グレイト・ギャツビー』(2016)以来2年ぶりの主演舞台となる。共演には、元宝塚歌劇団トップスターで多彩な演劇、ミュージカル、コンサートなどで活躍する大空ゆうひ、抜群の演技力で多数の演劇で評価が高い那須佐代子と鍛治直人、そしてドラマや舞台で新鮮な魅力を発揮している島ゆいか、この5人で演じる舞台となる。

【コメント】
 
内博貴 
今回の作品は、会話劇という事で会話劇ならではの難しさもありますが、それぞれ個性の強い役柄を、素晴らしい共演者の方々ときっと良い化学反応を起こせると思うので楽しみながら演じられたらと思います。また、東京公演では、客席との距離が今まで経験のない近さなので、この距離感で僕のお芝居を観て頂けることも楽しみにしていただけたらと思います。

石丸さち子(上演台本・演出) 
フランスの現代劇作家ラガルスによる5人芝居の日本初演を演出するにあたり、同作のグザヴィエ・ドラン監督映画に拮抗するキャスティングを考えました。映画では高い評価を得ている美形俳優ギャスパー・ウリエルが演じた主役の作家役に、繊細でありながら骨太な存在感がある内博貴さんに挑戦していただきます。

〈公演情報〉
『まさに世界の終わり』
原作◇ジャン=リュック・ラガルス
翻訳◇齋藤公一
上演台本・演出◇石丸さち子
出演◇内 博貴 大空ゆうひ 島ゆいか 鍛治直人 那須佐代子
●10/13〜11/6◎東京 DDD 青山クロスシアター
〈料金〉7,800円(全席指定・税込) 
〈チケット発売日〉2018年7月15日(日) 
〈お問い合わせ〉チケットスペース  03-3234-9999
●9/22〜24◎兵庫 兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール
●10/13〜11/6◎東京 DDD 青山クロスシアター
〈料金〉7,000円(全席指定・税込)
〈チケット発売日〉2018年7月15日(日)
〈お問い合わせ〉兵庫県 兵庫県立芸術文化センター
●10/4◎名古屋 名古屋市芸術創造センター
〈料金〉8,800円(全席指定・税込) 
〈チケット発売日〉2018年7月14日(日)
〈お問い合わせ〉キョードー東海
●10//6◎藤沢 藤沢市民会館大ホール
〈料金〉 S席6,000円 A席4,500円(全席指定・税込)  
〈お問い合わせ〉公益財団法人藤沢市みらい創造財団  芸術文化事業課
〈公演HP〉https://stagegate.jp/stagegate/performance/2018/end_of_the_world/index.html



『大人のけんかが終わるまで』
kick shop nikkan engeki

堂本光一&井上芳雄、二大プリンス夢の共演が実現! ミュージカル『ナイツ・テイル〜騎士物語〜』製作発表記者会見レポート

IMG_9234

帝国劇場での『SHOCK』でミュージカル単独主演記録を更新し続けているKinKi Kidsの堂本光一と、ミュージカル界のプリンスとして活躍する井上芳雄が初共演を果たす、ミュージカル『ナイツ・テイル〜騎士物語〜』が、7月27日〜8月29日(7月25、26日プレビュー公演あり)、有楽町の帝国劇場で世界初演の幕を開ける(のち、9月18日〜10月15日大阪・梅田芸術劇場 メインホールで上演)。

ミュージカル『ナイツ・テイル〜騎士物語〜』は、ジョヴァンニ・ボッカッチョの「Teseida」、ジェフリー・チョーサー作「騎士の物語」、ジョン・フレッチャーとウィリアム・シェイクスピアによる「二人の貴公子」をモチーフとして、『レ・ミゼラブル』『ベガーズオペラ』『ダディ・ロング・レッグス』等で、日本でも高い評価を得ているシェイクスピアの権威ジョン・ケアードが、堂本光一と井上芳雄の初共演の為に用意した新作ダンスミュージカル。王女エミーリアに恋をした二人の騎士を中心とした物語が展開され、国内外の才能あふれるクリエイティブスタッフが集結して創られるオリジナルミュージカルとなっている。

そんな大型話題作の製作発表記者会見が、5月31日都内で開かれた。騎士アーサイト役の堂本光一、同じく騎士パラモン役の井上芳雄、二人が愛するアテネ大公の妹エミーリア役の音月桂、大公シーシアス役の岸祐二、森の楽団のダンス指導者ジェロルド役の大澄賢也、アマゾンの女王ヒポリタ役の島田歌穂。また脚本・演出のジョン・ケアード、振付のデヴィット・パーソンズ、ケアードの妻で日本語脚本・歌詞の今井麻緒子、東宝株式会社取締役演劇担当・池田篤郎が登壇、公演への抱負を語った。

IMG_8700
会見の冒頭に、稽古初日の和やかな映像がスクリーンに映し出されたあと、池田篤郎から、「2000年に『SHOCK』で帝劇に鮮烈デビューを果たして以来、全公演全席即日完売の公演は18年間で1630回を超え、日本のミュージカル単独主演記録1位を更新し続けている堂本光一さんの新たな作品に、同じく2000年にミュージカル『エリザベート』東宝版初演での皇太子ルドルフ役で、ミュージカル界に彗星の如く現れて以来、舞台を中心に大活躍を続けている井上芳雄さんがご一緒されるというのは、2000年というミレニアムというご縁で二人が結ばれていたのかも知れないと思う。新たなことをしたいというお二人の新作に、名匠ジョン・ケアードさんが力を発揮してくださり、二人に相応しい二人ならではのミュージカルの新時代を拓く作品が出来上がることを確信している。ご期待頂きたい」という挨拶があった。

IMG_8707
続いて脚本・演出のジョン・ケアードから、「東宝から光一さんと芳雄さんの二人に相応しい作品が作れないか、というオファーを頂いた。共にカリスマ性を持つこの二人が一緒に仕事をしたいという素晴らしい機会なので、二人が同等の活躍をする作品にしたいと思ったが、『ロミオとロミオ』という作品はなかなか見つからず難しかった」と笑わせ、「そこからボッカッチョの「Teseida」チョーサーの「騎士の物語」そしてフレッチャーとシェイクスピアの「二人の貴公子」にたどり着いた。三つの作品に共通するのは、友情で結ばれた二人が一人の女性に恋をし、決闘をするという筋立てだが、これらの原典には敬意を払いつつ現代にも通用するものを入れて脚色しようと思った。全体の中に三つのラブストーリーが入っているので、それを広げることによって、シェイクスピアの名だたる傑作に匹敵するものにできると考えた。様々な作品を演出してきたが、日本初演のミュージカルを創るのは初めての経験なので、だからこそ日本ならではの演出を考えている。物語を台詞と歌で伝えるのはもちろんだが、今回の作品ではダンスがとても重要になる。ストーリーを伝えるダンスシーンがふんだんにある。世界初演の作品を素晴らしいキャストとスタッフとで創っていきたい」と意気込みが語られた。

IMG_8738
夫君のケアードの挨拶の通訳も務めていた日本語脚本・歌詞の今井麻緒子は、「これまではどこかの国で上演された作品を訳す作業をしていたが、今回は日本初演なので、この仕事を引き受けた時点では台本も出来ていなかったので、どうなるかという想いもあったが、ダンスのワークショップにも参加する等、作品の立ち上がりから参加したことで、オリジナル作品を創る難しさと同時に楽しさを感じている。稽古場でも役者さんに合わせてどんどん脚本を変えていくので、ブロードウェイで初演の出演者を"オリジナルキャスト"と呼ぶのはこういうことだったのかと、彼らも作者の一部として、インスピレーションを与えていくのだと実感している。そういう意味ではもちろん今は脚本も出来上がっているのだけれども、私の仕事も初日までなくなりそうにない。ジョンのシェイクスピアらしい韻を踏んだ台詞もたくさんあるので、日本語に訳す作業は難しくもあるけれども、初日の幕が開くのを楽しみにしている」と現場にいるならでのエピソードが明かされた。

IMG_8748
振付のデヴィッド・パーソンズは、「日本初演の作品、尊敬するジョン・ケアードの演出する作品に携われることを光栄に思っている。この作品はダンスによって物語が進んでいくので、私にとっても大きなチャレンジがたくさんある。楽しいダンスミュージカルを創り上げていきたいと思う。素晴らしいキャストに期待している」と、ダンスが重要な作品の振付を担当することに意欲たっぷりの挨拶があった。
 
ここから会見はいよいよ出演キャストの挨拶、そして質疑応答へと引き継がれた。

【キャスト挨拶】

IMG_8775 
堂本 堂本光一です。いや〜ここまでの空気が…、ここどこの国だったっけ?と(笑)。
井上 ちょっと流れがね(笑)。
堂本 こうして多くの方にお集まり頂きありがとうございます。本当に自分にとってはずっと芳雄君と一緒にやれるのが夢だと話していたのがこうして現実になったこと。そしてジョンがそれを稽古してくださって、少しずつ形になっていっているのを今、まだ信じられないような感じもしております。正直、自分で飛び込んでしまったものの、これは大変なことだな、できれば客席で観たかった(笑)、と言ったら怒られますけど、こうして右を見ても、左を見ても、本当に素晴らしい方たちと共演できるということを、嬉しいと同時に恐れ多く、そして怖いという気持ちもあります。先日から少しずつ稽古に入っているのですが、芳雄君はこの仕事よりも素敵な仕事を今やっているらしく…(笑)
井上 いや!もう口が悪いから…(笑)
堂本 (笑)でも稽古はまだだよね?
井上 まだだね(笑)。 
堂本 でも、明日から遂に一緒に稽古ができるというのも、楽しみのひとつだなと思っております。先ほどジョンさんもおっしゃっていましたけれども、この『ナイツ・テイル』という作品は、非常に形にするのが難しい作品だと最初から聞いておりました。アーサイトという役をさせて頂きますが、ポスターも新しく撮影したものがありますけれども、ステージ上でもああやって脱ぐ姿があるのか(笑)、芳雄君はそういうシーンがあれば降りるという風におっしゃっていました(笑)。でも本当に数日だけの稽古の間でも、ジョンがサジェスションしてくれることによって、今まで本当に遠い存在だったシェイクスピアの作品が、今まるでシェイクスピアがそこにいるかのような作品になるという想いがします。ジョンが色々教えてくださるのでそこについて行って、お忙しい役者の皆さんにもついて行って、なんとか食らいついていきたいなと思っております。どうか皆様の支えもよろしくお願い致します。

IMG_8813
井上
 井上芳雄です。この作品は24日に顔合わせがあったのですが、僕はその足でニューヨークに飛びまして、トニー賞をレポートしてくるという仕事がありまして、まだ全く稽古に参加できておらず、帰ってきたばかりなので、皆さんにも馴染めておらず、非常に感じの悪い人になっています(笑)。なので、これからだなと思っているのですが、でも今こうやって製作発表の場を設けて頂き、こうして皆さんとご一緒させて頂いて、本当にやるんだな、現実になるんだなということを感じております。僕はパラモンという騎士の役をやりますけれども、光一君とは従兄弟同士の騎士で、二人は親友でありライバルであるという役柄です。色々なことが起こってくるのですが、僕が唯一稽古に出られた顔合わせの日にジョンが言ったのは「彼らはお互いに、お互いのことを羨んでお互いになりたいと思っている。だからこそ信頼もするし、いがみ合うこともある」というのを聞いた時に、僕は光一君になりたいとか、そんな大それたことは思ったことがないですけれども、どこかではスゴイな、良いなって思っていたのは事実で。僕らが仕事で交わることがあるとは思っていなかったのですが、それが色々な方の力により、こうした形で交わることができたのを、まず第一に嬉しいなと思います。光一君は『SHOCK』を長年続けてきて、これからも現状の活動を続けていかれても何の問題もない成果を納めている方なのですが、そうじゃなくて、1歩新しい、どうなるかわからないところに踏み出してみようと、光一君が思ってくれた、それがすごいことだとなと思います。そこにはリスクもあるだろうし…。
堂本 後悔も…。
井上 後悔?もう遅いよ!(笑)、もう引けない、今日この場で引けない!(笑) そんな心意気にすごく共感するし、尊敬します。でももっと言えば、そうでなければ人生って面白くないし、生きている意味もないんじゃないかと僕は思うので、光一君がひとつ飛び出して良かったなと思えるように、僕も力のひとつになりたいなと思います。やっぱり踏み出すんじゃなかったという結果にならないようにしたいと思います。僕はどちらかと言えばホームグラウンドのミュージカルで光一君を迎え入れる立場で、今回は余裕でできるのかな?と思っていたら、ダンスミュージカルだと聞きまして。「ちょっとそれ聞いてないよ?」と思って(笑)。僕はダンスは得意分野ではないですし、今日見て頂いた新しいポスターですが、この素敵なポスターの裸、完全に僕の筋肉は盛って頂いているので(爆笑)、光一君はこのままの肉体ですけど、ちょっと今からそこはスタッフと話し合いをしないといけないと思うんですが(笑)。
堂本 いや、僕にとってもそんなに簡単じゃない!
ケアード 芳雄にもこのくらい筋肉つけさせますので。
井上 僕、筋肉つかないんです(笑)。
堂本 筋トレのことだけは俺に訊いて!
井上 じゃあ、お互い助け合いながら(笑)。とにかく新しいものを、苦しいこともあると思いますが楽しみながら創りたいと思います。ジョンと、またデヴィッドさんという新しい出会いもありますから、このカンパニーで、皆が何かしら新しいリスクを背負っているので、それを楽しんでやっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 
IMG_8880
 音月 音月桂です、よろしくお願いします。今回は新作ミュージカルでアテネ大公シーシアスの妹のエミーリア役をさせて頂くことになりました。当時女性が結婚相手を自分で決めるということはなかなか難しい時代。特に位の高い女性であればあるほど、家の為、国の為に政略結婚という形を取らざるを得ないという状況の中で、今回演じさせて頂くエミーリアという女性は、すごく独立心の強い、自立したいと願っている女性という印象を、初めて台本を読ませて頂いた時に感じました。そして演出のジョンさんとお話させて頂いた時にも、まさにその通りで、そういう女性が二人の騎士に出会ったことによって変化をしていく。気持ちがどんどん豊かになっていく女性像だ、というお話を頂きまして、「あぁなるほど」と。現代の女性も皆さんどんどん自立しているので、観ている方々に共感して頂ける役なんじゃないかな?と楽しみにしております。私個人と致しましては、帝国劇場に立たせて頂くのが初めての経験ですので、今までは一観客として拝見する、客席にいた立場でしたので、憧れの劇場に立たせて頂くというのが今からとても楽しみでもありますし、不安でもあります。国民の王子様、国民のプリンスのお二人と共演させて頂ける、私は今までは、宝塚で王子様を演じて舞台に立つことが多かったので、女性でいいんだ!と。
堂本 音月さんもナイトやった方がいいんじゃない?(笑)
音月 いえいえ!(笑)
井上 三人でナイト!(笑)
音月 いえ(女性でいいことが)幸せなことだなと思いますので(笑)、その辺りを噛みしめながら、初日に向けて良い作品を創っていけるように、パズルのひとつのピースになれるように頑張っていきたいと思います。よろしくお願い致します。

IMG_8922
 アテネ大公シーシアス役をやらせて頂きます岸祐二です。できれば僕の名前を憶えて帰って頂きたいと思います(笑)。2003年の『レ・ミゼラブル』で帝国劇場にアンサンブルとして立たせて頂いて、今、15年経って、同じジョン・ケアードさんの作品で、メインキャストとしてこういうところに立たせて頂くことを本当に光栄に思っています。この私のシーシアスという役が、国を倒し、光一君と芳雄君、二人の騎士を捕虜にします。そして妹に素晴らしい音月桂さんを迎え、そして世界的な歌姫、僕にとっても伝説的な歌姫の(島田))歌穂さんを嫁にするという、こんな興奮する出来事は人生でもそうないのではないか?と思うくらいで、毎日稽古場で興奮しております。そして2007年の『レ・ミゼラブル』以来のジョン・ケアードさんとご一緒させて頂けるということで、ジョンさんの世界に、演出に飛び込めることをありがたく思っています。また先輩である大澄賢也さんとは、今年やった舞台でご一緒させて頂いて、すごく仲良くして頂いて、僕にとってお兄さんのような存在の方ですので、また共演できることを楽しみにしています。この作品は和洋折衷というか、色々な要素があると思いますので、楽しめること間違いないと思います。是非よろしくお願い致します。
 
IMG_8953
 大澄 大澄賢也です。今ここにいて、縁をすごく感じています。堂本光一君とは二十数年前に、まだ光一君が中学生でしたが「家なき子」というドラマで、僕が学校の先生という役で共演をして以来の舞台での初共演。そして井上芳雄君とは『ウェディング・シンガー』というミュージカルで共演させて頂き、その後もドラマ等でも共演させて頂いたご縁があります。今や1人1人が帝国劇場を1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月ソールドアウトにするような人同士が合わさった舞台というのは、いったいどんな風になるのだろうか?というほど、贅沢な作品だと思っています。そこに世界的な演出家のジョンさん、振付のデヴィッドさんに来て頂き、僕も三十数年舞台をやってきましたけれども、新人のつもりで、吸収するつもりで、精一杯務めたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 
IMG_8965
島田
 アマゾンの女王ヒポリタを演じさせて頂きます島田歌穂です。アマゾンと言いますと、皆様アマゾン川を連想されると思うのですが、今回のアマゾンというのはギリシャ神話に出てくる「アマゾン族」です。女性だけで構成された女戦士たちの一族で、その女王、アマゾネスです。シーシアス率いるアテネ軍と戦い、負けてしまいまして、妃になれと求婚されます。女王としてのプライドもありますし、女性としての揺れ動く心と、非常にエネルギーと威厳が求められる役です。私はジョン・ケアードさんに初めてお会いしたのが、32年前『レ・ミゼラブル』初演のオーディションでした。私の人生を大きく拓いてくださった、心から慕い、尊敬している、一生の恩人だと思っています。その後『ベガーズ・オペラ』という作品でご一緒させて頂きましたが、また時を経て、この度、大人が求められる女性役をやらせて頂けることになりました。新たなチャンスを頂けたことにすごく感謝しつつ、堂本さん、井上さんをはじめキャストの皆さん、そして素晴らしいクリエイティブスタッフの皆さんとご一緒に、新作ミュージカルが生まれる瞬間、瞬間を味わっていけることにワクワクします。全身全霊で臨ませて頂きます。よろしくお願いします。

IMG_9002
キャストの挨拶に続いて、この日スケジュールの都合で欠席となったもう1人のメインキャスト、牢番の娘役の上白石萌音からの、映像メッセージがスクリーンで写し出された。

上白石 (映像メッセージ)皆さんこんにちは。ミュージカル『ナイツ・テイル─騎士物語─』で牢番の娘役を演じます上白石萌音です。本日は製作発表に参加できずとてもとても残念に思っております。申し訳ありません。私は小さい頃からミュージカルが大好きで、ずっとミュージカルを観て、自分自身も楽しんで育ってきました。このお仕事をはじめるきっかけもミュージカルがあったからです。なので、その私にとって憧れの大先輩方と今回ご一緒させて頂けること。そしてジョン・ケアードさん、デヴィッド・パーソンズさんはじめ、世界的なスタッフの皆様とご一緒できること、大変光栄にそして楽しみに思っています。私にとって初めての帝国劇場ということもあり、今から緊張しているのですが、皆様の背中を見て追いかけて、たくさん学んで初日を迎えられるよう精進したいと思います。是非皆さんも作品にご期待ください。

【質疑応答】

IMG_9025

──ご出演の方々の中に邦楽の方たちがいらっしゃいますが、どのような音楽になるのでしょうか?
ケアード とても良い質問をありがとう。彼らに対して何も言わなかったですね。古典的なヨーロッパのものを、21世紀の日本でやる、しかも世界初演でミュージカルの手法でやるにあたって、何か日本の文化を入れられないかと思い、日本の和楽器の方たちが演奏しながら踊りに混じっていたら面白いのではないかと思いました。4人の和楽器奏者が常に舞台上にいます。西洋と東洋の二つの文化が出会うことは興味深いですし、非常に効果的になるのではないかと期待しています。
──ジョンさんから観た堂本さん、井上さんの舞台人としての魅力は?
ケアード 芳雄の魅力は『キャンディード』『ダディ・ロング・レッグス』の仕事を通じてよく知っていましたが、光一の『SHOCK』を観に行った時には驚きました。3時間あれだけ様々な仕掛けのある舞台を1日に2回やっていて、今生きていることが奇跡だと思います(会場、そして堂本も爆笑)。二人に共通している魅力は、舞台の真ん中に立った時に圧倒的なカリスマ性があることです。それが二人の騎士に存分に生きると思います。帝劇という大劇場に相応しい大きな力を出してくださる、二人だけでなくここにいる全員がそうです。
──堂本さん、井上さんからジョン・ケアードさんの演出の魅力は?
堂本 この企画が本格的にスタートする前に何度かお会いして、食事をご一緒させて頂いたりしたのですが、その時からジョンは何か僕の心の奥底を見ているな、という、そんな緊張感がありました。まだ稽古がはじまってそんなに経っていないのですが、実は出演者の僕らにとってはこのストーリーがまだ、すごく漠然としている部分がありまして、そういうところをジョンが紐解いていってくれるのです。そこから感じるのは、シェイクスピアが完璧に書ききれなかったものをジョンが完成させてくれていると、そう思います。芳雄君と僕の魅力をカリスマ性だと言ってくださり、僕が「生きているのが信じられない」という風におっしゃって頂きましたが、僕は身体を張るしかなかったので(笑)、違う意味で今回生きることが大変だなと思いますね。ですからそういう緊張感をもってやらせて頂かないと、ジョンの期待を裏切らないようにしないといけないなと思っています。

IMG_9137

井上 この物語の説明を聞いていても、ジョンはシェイクスピアと友達だったのかな?今何歳なの?ジョンは?(笑)というくらい、今、シェイクスピアから見て、聞いてきたというように話してくれるんです。ジョンは演劇の魔法を教えてくれる、魔法を使える人です。演出家は皆それぞれ魔法を使える人ではありますが、ジョンは例えば山があるシーンで、舞台に本物の山を出すわけにはいかない。そこで小さな山を皆で作ることが表現の全てではなくて、箱を積み重ねてその上に乗った時に、本当に山に登ったんだなと感じられる。その豊かさをはじめとして、色々なことを教えてもらって体感してきたので、今回大きなカンパニーで、大きな作品になると思いますが、その中にもたくさんの演劇の魔法がジョンによって施されるのではないかと楽しみにしています。シェイクスピアの作品を今の時代でやる意味というのを考えておられると思いますし、結末はネタバレになってしまうので言えないのですが、僕はすごく良い話、面白い話、今の時代にピッタリな作品だと思います。結局男が愚かだということなんですが、でもそれはすごく正しいんですよ。女性はいつも正しいなぁと!(笑)『ナイツ・テイル』って良い意味で帝劇のイメージと違うよね?
堂本 全然違う!
井上 帝劇でやるミュージカルでこの結末って革命だと思うし、それがすごく皆さんの心にフィットするんじゃないかと思って、その新しさにもすごく期待しています。

IMG_9106

──音月さん、島田さん、岸さん、大澄さん、ジョンさんとのエピソードや思い出を教えてください。
音月 私は『十二夜』というシェイクスピア作品でジョン・ケアードさんとご一緒させて頂いたのですけれども、今回の稽古場でもすごく思うのですが、今まで色々なお芝居を創らせて頂いてきた中で、稽古場の雰囲気ってどちらかと言うと自分の課題と取り組んだり、できなくて悔しいとかいう負の想いとの戦いも多くて、皆で一緒に切磋琢磨していく過程の全てが楽しいわけではないんですね。苦しいこともあるんです。でも『十二夜』の時も、今回もまるで一緒にお料理をしているような「お腹が空いたね、美味しいご飯が食べたいね」という、きっと皆さんがポジティブな気持ちでお料理を作られる時と同じに、稽古場の雰囲気が本当に楽しくて。私も初めて共演させて頂く方ばかりなのですが、初めての方同士が多くて、打ち解けるまでには時間がかかるかと思いきや、あっという間に、芳雄さんのおっしゃった「ジョンさんの魔法」がかかりまして、稽古場の皆がすごく仲良く、楽しいものになっています。もちろん曲の譜面と向き合う時間には「大変だな」と思う時もありますが、稽古場がすごく楽しいので、今日はどんな刺激がもらえるだろうか?というポジティブな気持ちで稽古場に向かえるというのが、私の印象です。
 2007年の『レ・ミゼラブル』で僕がアンジョルラス役をやっていた時、芳雄さんの言ったようにジョンさんの魔法にかかりました。役者に何かを指示するというよりは、話を聞いているうちにフワッと自分が役に変わってしまっているというか、役者がその世界に入り込めるように誘導してくださる。そういう大きな力があって。しかも最後の最後まで照明や、演出を作り変える勇気をお持ちで。良い意味で完成形を持たないと言うか、最後の最後まで良いものを創ろうとされるお力があるので、本当に信頼して毎日稽古をしていますし、これが絶対に良いのに仕上がると思って楽しみです。

IMG_9127

大澄 非常に女性にモテるんだろうなと思います(爆笑)。女性がこの人ならとついていきたくなっちゃうだろう、という方ですね。
島田 今回は井上さんと同じに稽古初日に参加できただけで、もうすぐ合流できるのですが、初日にジョンと再会した時には嬉しくてなりませんでしたけれど、今回の思い出はこれから紡がれると思っています。ですのでこれまでの思い出と言いますと『レ・ミゼラブル』の初演の初日の前に「歌穂、良かったよ!」と言ってくれるのですが、自分ではダメなような気がして「ダメ、ダメ」と首を傾げてばかりいましたら「歌穂いい加減にしなさい!歌穂は完璧主義者過ぎる。演出家の僕が良かったと言っているんだからそれを信じなさい!」と言ってくれて。それでやっと「ありがとう」と言えましたので、今回もたくさん「ありがとう」が言えるように頑張ります。
──堂本さん、今回の作品には演出には関わらずに一役者として稽古に入られていますが、いかがですか?
堂本 ジョンをはじめとして素晴らしいスタッフがいてくれるので、自分はただそこに飛び込んでいます。これから大変な戦いが待っていると思いますが、とにかくジョンについていかなければと思います。ここ1週間くらいでやった歌稽古、またその歌稽古の前に皆とちょっとしたワークショップ的なこともやりながら、コミュニケーションをはかっていって、顔を見て皆でやることで結果的に皆でステージに立つことにつながっていく、ということをやっています。もちろん先ほど皆さんもおっしゃっていたように譜面との戦いもあって、今回の曲は非常に難解な曲が多いんですね。それが稽古の中でアレンジされていく、それを見ていることもすごく楽しいです。こうやって物事がひとつずつ完成に向けて創り上げられていくんだなと。もちろん楽しいだけじゃなくやっていかなければならないですし、僕たちだけではなくてアンサンブルの方たち一人ひとりも、それぞれ輝きながら稽古をやっていて、この稽古の中ではアンサンブルもプリンシパルも関係ないという感覚があります。皆で創り上げていくということを、これだけ短い間に共有できたのは、芳雄君が言った通りジョンがかけてくれた魔法かな?と思っています。真面目に取り組みつつ、とても楽しみです。

IMG_9159

長時間に渡る熱のこもった会見が終了し、フォトセッションが行われたあと、キャストだけが登場しての囲み取材となった。

【囲み取材】

IMG_9237

──光一さんヤバいですね!

堂本 ヤバいですよ!この並びヤバいでしょう?
──実感が押し寄せているんじゃないですか?
堂本 本当にすごく学ぶことがたくさんあるでしょうし、ワクワクはもちろんあるのですが、それ以上に今は恐怖が勝っています。
──井上さんとの共演は初めてだと思いますが、存在を知ったのはいつ頃ですか?
堂本 僕が帝劇で2000年からやらせて頂いて、同世代で芳雄君が東宝の作品で素晴らしい爆発をしているというのは、その時から知っていました。
──井上さんは?
井上 僕はもちろん小さい頃からテレビでも拝見していましたし、それこそヤバいなというのが『SHOCK』がはじまって、お客様がいっぱいで最初から完売で、このままいくと僕たちいらなくなるんじゃないか?(笑)という危機感、ミュージカル俳優には皆、ジャニーズの方があそこまで芝居をしていたらヤバいぞという、戦々恐々としたものがありました。でもそれが敵ではなくて、一緒にやれる味方になれる、もちろんそうなれば良いなとは思っていましたけれど、それが本当に実現するなんて夢のようです。
──そもそもどういう形でこの話が実現に至ったんですか?
堂本 最初は東宝のスタッフの方に引き合わせて頂いて。
──それはいつぐらいに?
堂本 いつだった?
井上 3年前くらい?
堂本 そう、そのくらい前だったと思うんですが、僕は一方的に客席から観ていたりはしていたんですね。それでちゃんとお会いしても最初から知らない人ではない、という不思議な感覚があって。お話をしていても舞台というものを専門としてやってらっしゃる方ですから、そういう方の話を聞くのはすごく楽しいし、話しをするとおこがましいですけれど、何か共通点のようなものも見えてきて。だからやってきたことはお互いに違うかも知れないけれど、何か二人が一緒になったらすごく面白いんじゃないか?を周りの方も、そして僕らも自然に感じていったという形です。
──見えてきた共通点というのはどういうところですか?
堂本 ステージに立つ姿勢であったり、どう?(笑)
井上 これから更に深まると思いますが、僕もずっと東宝の方やファンの方から「光一さんと芳雄さん似てるんじゃないですか?」と言われていて。「言っていることが似てます、ファンの人のイジリ方が似てます」とかと(笑)。
──毒舌なところですか?!
堂本 そこか!(笑)
井上 そういう話を聞いて、キャラクターとしてはどちらかと言うと「王子様」とか言ってもらいがちなのですが、もう年齢的にそれだけじゃないぞ、それだけじゃダメだなと自分でも思っていたので、光一さんの話を聞いて「あ、光一君もそんな毒づいたりするんだ」(笑)と親近感を。話していても同年代でもありますしね。
 僕らの中では「腹黒王子」と呼んでいて(爆笑)。

IMG_9253
 
──その「腹黒王子」と(笑)、共演される皆さんはいかがですか?
音月 先ほど会見でジョンさんが「圧倒的なカリスマ性」とおっしゃっていて、やっぱり吸い込まれてしまうようなところがあります。芳雄さんとはまだお稽古していないのですが、お稽古場に光一さんが現れると皆ヒュッって。
堂本 嘘!
音月 いえ、ホントですよ! 
堂本 すごくボヨーンとしていて。
音月 違います!ボヨーンとしてない!
堂本 僕、すごくスロースターターなんです。
音月 えっ?そうなんですか?
堂本 今回の稽古が11時にスタートなんですが、皆さんにとっては違うんでしょうが、僕にとっては早いんです!
音月 あ、そっち?(笑)
堂本 「早ぇ〜」って思っていて、時差ボケで。芳雄君は本当に時差ボケだろうけど。
井上 うん、今、時差ボケ(笑)。
堂本 僕は毎日、時差ボケ状態でボヨーンとしてる(笑)。
音月 そうなんですね!(笑)でもお二人のご活躍は今まで一方的に観る側として楽しませて頂いたところに、今回共演させて頂けるというお話を頂いて「私で大丈夫ですか?」と言ったくらいなので、この幸せを噛みしめて頑張ります。
 
IMG_9271

──それも二人を虜にする訳ですよね?
音月 私は……ええと、頑張ります!(笑)
──島田さんはどうですか?
島田 そんなにぼんやりとしてお稽古場に入ってらしていたなんて今初めて伺いました(笑)。でもこの両プリンスとご一緒させて頂けるという、毎日色々なエネルギーを頂きながらやっていきたいと思います。
──大澄さんはお久しぶりということで。
大澄 そうですね。光一君は中学生でしたからね。本当に素晴らしく成長して。芳雄君もね、すごいじゃないですか。もう飛ぶ鳥落とす勢いの二人が合わさる訳ですからね。
井上 今愕然とした。心がこもってない(爆笑)。
大澄 いやいや!(笑)
堂本 でも、稽古場では賢也さんと岸さんが癒しなんです。皆、椅子に座っているんですけど、賢也さんと岸さんがチャッチャ、チャッチャしてるんですよ。
大澄 光一君の方が早いじゃない!
──ヤバいとか言いながら余裕な感じですね?
堂本 いえ、素晴らしい方たちの中にいさせて頂けるからです。
 それは僕らも同じ!
──ポスターでも皆さん、見事な裸体に注目されていると思いますが。
井上 僕のは盛ってるんで(笑)。光一君のはほぼほぼ現実のものと一緒らしいです。
──絵画のようですね?
井上 写真を元にね。
堂本 絵にしています。
──舞台上でも裸になるんですか?
井上 光一君はずっと裸らしいです(爆笑)。
大澄 あ、でも僕もちょっとね。森の一座はそんな感じで。女性もね?
島田 私はアマゾネスですので、かなり衝撃的な衣装で。ちょっと今は言えませんが(笑)。

IMG_9262
 
──では身体作りも?
井上 いや、光一君はできてるんで!
堂本 ずっと言うんですよ「これ以上鍛えないでくれ」って(笑)。
井上 『SHOCK』を観る度に「なんか大きくなってるな」って(笑)。
──じゃあ光一君はあまりガチガチにはせず?
堂本 この歌稽古が始まってから1週間、ちょっとサボってますよね。それどころじゃなくて。
井上 それくらいでちょうど良い!
──お互いを見てプリンスっぽいなと思うところは?
井上 見た目はもちろんですが、キャラクター的にも、スロースターターと言ってましたが、最初からウェルカムで「イェイ!」という感じでは全然ないんです。でもちょっとずつ心を開いてくれて、その「あ、俺に心を開いていってくれている」というのにキュンとするというか(笑)。ちょっとずつね「ツンデレ」とは言わないけど(笑)、僕も人見知りなところがあるので、このちょっとずつ開くという感じがたまらない。
堂本 芳雄君は立っているだけでもうね。この身長差ですからね。
井上 関係ないじゃない、王子と(笑)。

IMG_9250
 
堂本 声も素晴らしいし。だから腹黒い部分だけは共通しながら(笑)。でも今回の役としてもどっちが腹黒いのか?って感じだよね?
井上 そうそう、友情で本当に愛し合ってると思った次の瞬間には「お前を殺してやる!」みたいな。本当に情緒不安定ですよね(爆笑)。
堂本 音月さんがそうさせるんだよね。
井上 どっちが抜け出るか?という腹黒さかな。
──ジャニーズの皆さんとではなく、これだけの顔触れと共演することについては?
堂本 皆さんから受けるエネルギーがすごく勉強になります。本当に日々勉強です。
──では最後にお二人から皆さんへメッセージを。
堂本 『ナイツ・テイル』いよいよ始動します。芳雄君は明日から初稽古?
井上 そう、僕は明日から始動します!
堂本 1週間くらいフライングしてます。
井上 そう、皆さんに遅れを取ってますが。
堂本 本当にこうして始動したことがまだ信じられないような気持ちがありますが。
井上 そうですね。
堂本 今まで夢見ていたことが少しずつ形になっていくのを楽しみながら、本番へ…いつ?
井上 7月27日!
堂本 そこに向かって、日本初演…
井上 世界初演ね。このしどろもどろになっている感じから、皆さん色々察して頂ければ!(笑)
堂本 どうぞ皆さん、楽しみにしていて下さい!

〈公演情報〉
ミュージカル『ナイツ・テイル─騎士物語─』
原作◇ジョヴァンニ・ボッカッチョ「Teseida」、ジェフリー・チョーサー「騎士の物語」、ジョン・フレッチャー / ウィリアム・シェイクスピア「二人の貴公子」
脚本・演出◇ジョン・ケアード
作詞・作曲◇ポール・ゴードン
日本語脚本・歌詞◇今井麻緒子
振付◇デヴィッド・パーソンズ
出演◇堂本光一、井上芳雄、音月桂、上白石萌音、岸祐二、大澄賢也、島田歌穂 ほか
●7/27〜8/29◎東京・帝国劇場
〈料金〉S席 13,500円 A席 9,000円
※7/25〜26 プレビュー公演あり(料金同じ)。
●9/18〜10/15日◎大阪・ 梅田芸術劇場 メインホール
〈公式ホームページ〉http://www.tohostage.com/kt2018/


 
【取材・文・撮影/橘涼香】




『大人のけんかが終わるまで』
kick shop nikkan engeki 

更に快調なテンポで弾む舞台!早霧せいな主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』東京公演開幕!

IMG_0040

元宝塚歌劇団雪組トップスター早霧せいな退団後初の主演ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』が、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演を大成功のうちに終え、6月1日、TBS赤坂ACTシアターで東京公演の初日の幕を開けた(6月10日まで)。

IMG_0134

『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』は、人気女性ニュースキャスターが風刺漫画家の男性と電撃的な恋に落ちたことから、仕事と家庭の両立という問題に直面して起こす様々な騒動を、ジョン・カンダ—&フレッド・エッブによる心躍る楽曲で綴るラブコメディーミュージカルの傑作。1981年にブロードウェイで生まれた歴史ある作品だが、ヒロインのテス・ハーディングが抱える問題には、仕事を持つことがむしろ当たり前になった現代の女性にこそ理解しやすい今日性があり、板垣恭一のミュージカルのツボを心得た細やかな演出と、テス役の早霧せいな、テスと恋に落ちるサム役の相葉裕樹、テスの決断に大きな影響を与えるロシア人の世界的バレエダンサー・アレクセイ役の宮尾俊太郎をはじめとした、個性豊かな出演者たちの、適役&好演が揃い、何度でも足を運びたくなる上質なコメディー・ミュージカルとなっている。特に、大阪公演を経てパワーアップした舞台は、更にテンポ良く快調に弾み、一層心躍るものに進化している。

IMG_9364

そんな舞台の初日を前日に控えた5月31日、囲み取材が行われ、早霧せいな、相葉裕樹、宮尾俊太郎が登場。大阪公演での手応えや、東京公演に向けての抱負を語った。

【囲みインタビュー】

──まず、東京公演初日に向けての意気込みをお願いします。
早霧 テス・ハーディング役の早霧せいなです。今日はお忙しい中お集まり頂きありがとうございます。大阪で幕を開けて1週間ほど公演をして、 東京にやって来たんですけれども、やはり場所が変われば自然とお客様の雰囲気も違ってくると思うので、 私たちも大阪公演でやってきたものを大切にしながらも、新たな気持ちで挑戦していきたいなと思っております。よろしくお願いします。

IMG_9348

相葉 サム・クレッグ役の相葉裕樹です。大阪公演をして、本番を経て、満を持して東京に来たという感じです。今まで自分たちを信じてやってきたもの、お客様に喜んできてもらったものを、更にまた今度はTBS赤坂ACTシアターで勝負するという形なので、自分自身も、もっともっと進化していけたら、そしてテスとの愛を育んでいけたらと思いますので、 皆さんに楽しんで頂けるラブコメディミュージカルをお届けしたいと思います。 是非是非、まだ迷っているお客様も、劇場へ遊びに来て頂けたらなと思います。 

IMG_9344

宮尾 (拍手を贈る) 
早霧 最後のコメントのようでしたね!(笑)
相葉 えっ?最後みたいだった?(笑)
宮尾 いやいや、良いことを言うなぁと。アレクセイ・ペトリコフ役の宮尾俊太郎です。大阪公演を終えまして、大阪のお客様がものすごく声を出して笑ってくださって。「あ、こんなに声を出して笑うミュージカルなんだ」と、 改めて幕が開けて完成したなという気持ちがしました。今度は東京のお客さまがどんな反応をしてくれるのか。 僕たちがそれにあわせてどう変化していくのかが、僕も楽しみです。歌うのも初めてでしたけれども、経験をして会場が変わって、色々微調整をして、三歩進んで二歩下がるような感じですが、皆様が良い時間を過ごせるようにやりたいと思います。よろしくお願いします。

IMG_9347

──とても楽しい大阪公演でしたが、実際にお客様が入ってからの手応えや、作品に対しての新たな発見などはありましたか?
早霧 やっぱりコメディ作品って特にお客様の温度が上がれば上がるほど、演者側の温度も必然的に上がるということを初日から感じました。カンパニー自体が、やっと舞台に立ったんだ!という喜びを感じながら舞台を務められたと思っているのですけれども、更に毎回お客様の反応が違ったんですね。ですからずっと新鮮な気持ちで千秋楽まで公演することができたので、ちょっと東京ではどういう反応になるのかな?と構えている部分も実はあったりしまして。予想と違ったり…良い意味で違うと嬉しいんですけれどね。
相葉 そうですね。
早霧 そういう意味でも、お客様と一緒に創る舞台だなということを特に感じているので、お客様にも遠慮なく反応して頂けると嬉しいなと。
──地域性でウケるところが違ったりもしますよね。
早霧 そうなんですよ!
相葉 稽古で苦しんできた分、お客様が入ってくださった時に「こんなに笑いが起きるんだ!」と本番に入ってわかることが多くて。お客様に「ここはもっとやってもいいんだ」等の答えを教えてもらっている感じがしました。それはコメディならではの感覚ですし、TBS赤坂ACTシアターは劇場も広くなるので、そこがどうお客様に届くか、やってみないとわからない部分もあるのですが、 楽しいラブコメディーが出来たんじゃないかと思っているので、自信を持ってやるだけです。
 
IMG_0367

──宮尾さんは、本格的なバレエシーンで踊る場面ももちろんあり、歌も台詞もあるということでいかがでしたか?
宮尾 喉の調子ですとか(整えることが)全くわからなかったので、とにかく練習してやったら、2公演終わった後に声がカスカスになってしまって、「どうしよう」ということもあったのですけれども。やりながらひとつひとつ毎日課題を見つけて、次はそれをクリアしようという形でやっていって、徐々に自分の中では形が出来てきましたね。ただ、自分たちだけで稽古をしている時には、予想もしなかったところで突然笑いが起きたり。
早霧 そうですね!
宮尾 僕に至っては何故か登場しただけで笑いが起きて(笑)。でもそれは前半戦が上手く組み立てられているということでもあるから、良いのかなと。
相葉 宮尾さんが登場するとやっぱり空気が変わるんです。ガラッと変わるんで、それはさすがだなと。空気を変える男!
宮尾 いや、僕は一生懸命やっているだけで(笑)。
──やはりそれは「プリンシパル登場!」という。
相葉 そうですね。「待ってました!」感があります。
早霧 うん、うん。
宮尾 あれ?何か可笑しいのかな?と思うんだけど(笑)、そのまま一生懸命やります。

IMG_9414

──早霧さんは男性とのお芝居が初めてで、やってみて何を感じるのか?とおっしゃっていましたが、実際にこうして舞台を創られていかがでしたか?
早霧 お芝居って楽しいなということを再度確認した公演で、これから東京公演が始まりますけれども、男性、女性、一緒にお芝居をやるという意味では全く関係ないんだな、ということを感じました。それと共に、女性同士だったという緊張感とは全く違う緊張感があるので、そこを新鮮に女子の自分のときめきを思い出してやっております(笑)。
──その女子の早霧さんとのお芝居はいかがですか?
早霧 それは答えずらいな〜(笑)。
相葉 いや〜、もうバチバチにときめいてますよ!毎回キュンキュンしながらやらせてもらっています。
早霧 (笑)。
相葉 お綺麗なので、ついついお稽古中とかはちょっと照れたりしてしまう部分があったりしたんですけれども、キスシーンも結構多かったりしますしね。
早霧 ね〜。
相葉 でも本番はバシッと男らしく、グッと抱きしめてギュッとしていきたいなという気持ちで、毎回ときめきながら、お客様にもときめいて頂けたら、キュンとして頂けたらなと思います。

IMG_9931

──美男美女でいらっしゃるので、ひと目惚れの説得力がすごくありますしね。
早霧 ひと目惚れのシーンも割とコミカルに描かれているので。
相葉 稽古場でもきっと笑いが起こってくれるだろうな、は予想できていたんですけれども。
早霧 本当?私、予想できなかったよ?
相葉 いや、だって!(笑)
宮尾 あそこ笑いが起こってくれなかったらキツイですよね?
早霧 キツイよね!
相葉 ちょっとヤバい人たちみたいな(笑)。
早霧 稽古場では慣れちゃっていたから。反応があって嬉しかった。
相葉 そう嬉しかったし、そういう意味では安心してお芝居ができたなと。初日に「あ、ここウケるんだ」と改めて教えて頂けたので。
──カンパニーの方たちも本当に個性的ですが、一緒に演じていらしてどうですか?
早霧 皆さん日に日に濃くなって!元々濃かったキャラクター設定が更に濃くなってきていて、一緒に共演していてワクワクドキドキします。東京の千秋楽ではどうなっているのかな?が更に楽しみですね。
宮尾 本当に達者ですよね。ミュージカルの舞台経験を積まれていらっしゃる方たちなので、笑いを取りにいかない中で変化しているんです。身内ウケとか悪ふざけに走らずに笑わせられるのが凄いなと思っていて。そうした意味では上質な笑いをお届けできていると思います。

IMG_0120

──特におススメの見どころ、ここだけは見逃さないで欲しいというシーンは?
相葉 僕らのシーンは敢えて置いて言うのであれば、「こりゃダメだ」というミュージカルナンバーなどは、二人は別れた方が良い、というすごくネガティブなことをむちゃくちゃ明るく楽しく歌っていたりして、それがすごくミュージカルらしいですね。本当に見ても楽しく、聞いても楽しい瞬間がたくさんありますので、そういうところも見どころかな?と思います。
早霧 ひとつのナンバー、ひとつの曲にカンパニー全員で参加することが多いので、色々なところに色々な方々が出演なさっているので、端から端まで、隅から隅まで観て頂ければ。ですから1回では観きれないと思うので、今日こっちを観たら次の回はこっち、という風に色々角度を変えて観て頂ければ、更にこの作品が楽しんで頂けると思います。 
宮尾 僕はいつも袖から見ているのですが、ラストシーンで早霧さんが相葉さんの言葉で…あ、いや、サム・クレッグの言葉で。
相葉 言い直しました!(笑)
宮尾 表情が変わっていって、二人のラブがグッと行くところを、是非しっかり見て頂きたいです。
早霧 アレクセイとしてはそこは見守りたいですよね!
宮尾 アレクセイは袖の中で見守っています!
相葉 そうなんだ!
宮尾 「そう、それで良いんだよ!」と。
早霧 はい!(笑)

IMG_0054

──大阪公演で何かハプニングなどのエピソードはありましたか?
宮尾 僕は初めて「台詞を噛む」という経験をして。ダンサーの振りが飛んだ瞬間と似ていて、いったん全ての空気がピタっと止まって、それが永遠の時間に感じるという恐怖を味わいました!1度だけです!
早霧 でもアドリブとかもやっているでしょう?
宮尾 そうですね。
早霧 初アドリブ?
宮尾 初アドリブ。
早霧 どうですか?
宮尾 早霧さんのアドリブ返しが上手なので。
早霧 いやいやいや(笑)。
宮尾 安心して色々投げています。

IMG_0325

早霧
 ええと、失敗ですよね?このお芝居すごくきっかけが多いんですよ。私の台詞で次の曲に変わったり。その曲の変わり目が出なかった時があって。
相葉 知らなかった!気づかなかったです。
早霧 本当?料理するところで。
相葉 あ!そういえばちょっと何か…。
早霧 細かい仕掛けがいっぱいあって。料理の手順をしながら変わっていくので。料理番組とか経験したことはないんですが、料理番組をやったらこういう大変なことになるんだなぁと思って(笑)。いつか料理番組が来たら、今回勉強できたと思おうと(笑)。
相葉 僕はなんだろうな。個人的なミスはあるんですけれどね。台詞噛んだり、言い間違ったり。でもさっき言ってくれたラストシーンで、早霧さんをクルクル回したりするんですが、大阪の後半くらいから「ちょっとブレてるよ」と言われて!
宮尾 回転が?(笑)
早霧 そんなこと、ここで言っていいの!?(笑)
相葉 で、さっきやった時に「この感じでどうですか?」って言ったら「OK!OK!」って(笑)。
早霧 バッチ(相葉の愛称)に「バッチリ!」
相葉 「バッチリですか?ありがとうございます」と(笑)。
宮尾 (爆笑)。
早霧 そう、そこ笑ってくれないと!(笑)

IMG_9859

 ──楽曲の魅力については?
早霧 オーケストラの生の演奏でこの楽曲たちを聞いた時に、元々素晴らしいのはわかっていたんですが、こんなにドラマティックで素直に人の心に入ってくメロディーがあるんだ!と感動したんです。そういう感動する楽曲がたくさんあって、それをお芝居の中で心情を含めてお客様に届けられる喜びをすごく感じるので、客席にお客様がいてくださればくださるほど、自分のこの曲を届けたいという気持ちが増えていくと思います。ですからお客様にお芝居だけではなくて、何も考えずに聞いていても心地よい曲があるんだよ、とお知らせしたいです。 
相葉 歌う側としては正直結構苦労したところもたくさんあったのですが、時を経て、稽古を経て、オーケストラと合わせ、実際に本番で皆様の前で披露するという段階を経るごとに、僕の中では曲の深みが更に増しているように感じています。スルメのような噛めば噛むほどという魅力があります。自分のソロ曲の「戻らない時間」に関しても、最初は本当に苦戦して、今も消化する作業はしているんですが、本番を重ねていくうちに、曲をこうやって伝えたいという想いが深まってきています。それはお客様もきっと一緒なのかな?という気がしているので、1度ではなく何回も、たぶん観れば観るほど「この曲いいな!」と知っていって頂けるのではないかな?と思っています。
宮尾 僕はやはりミュージカルの名作の条件は「お客様の耳に残ることだ」と思っていて、まさにこの曲たちは耳に残ると思いますので、そういった意味では説明の必要のない名曲たちなんだろうなと思います。「ステキな朝」(宮尾のソロ曲)なんか、ずっと頭を巡ってますから!
早霧 わかる!
相葉 あれは口ずさんじゃいますよね!
宮尾 非常に健康的な歌詞なのでね。いいと思います。
──では最後に、早霧さんから代表してお客様にメッセージを。
早霧 『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』、TBS赤坂ACTシアターで公演中でございます。是非、是非、劇場に足を運んで頂いて、私たちと一緒にこの空間で楽しんでください!お待ちしております!

IMG_9360




 〈公演情報〉
ウーマン・オブ・ザ・イヤー新ビジュアル2
 
ミュージカル『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』
作曲◇ジョン・カンダ—
作詞◇フレッド・エッブ
上演台本・演出・訳詞◇板垣恭一
キャスト◇早霧せいな、相葉裕樹、今井朋彦、春風ひとみ、原田優一、樹里咲穂、宮尾俊太郎(Kバレエ カンパニー) ほか
●5/19〜27◎大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈料金〉12.500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 06-6377-3888(10時〜18時)
●6/1〜10◎東京・TBS赤坂ACTシアター
〈料金〉S席12.500円 A席8.500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 0570-077-039(10時〜18時)
〈公式ホームページ〉 http://www.umegei.com/womanoftheyear/



【取材・文・撮影/橘涼香】



『大人のけんかが終わるまで』
kick shop nikkan engeki 

記事検索
演劇キックラインナップ

演劇キック

観劇予報

宝塚ジャーナル

演劇人の活力源

日刊えんぶ

えんぶ情報館

えんぶショップ

えんぶミロクル

えんぶfacebook

広告について