宝塚ジャーナル

帝劇ミュージカル『ビューティフル』お得なチケット販売中!

原点に戻って、更にパワーアップしたノンストップステージ!『CLUB SEVEN ZERO』!

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ありとあらゆるエンターテイメントの要素をギュっと詰め込んで、ノンストップで走り続けるステージとして愛され続ける『CLUB SEVEN』シリーズの最新作『CLUB SEVEN ZERO』が、日比谷のシアタークリエでの開幕(6月8日〜22日まで。のち、5月26日〜28日◎シアター1010でプレビュー公演、6月3日、4日◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、6月23日◎刈谷市総合文化センターアイリス公演もあり)を前に、北千住のシアター1010でプレビュー公演を行った。

総合クリエーターである玉野和紀が手がける『CLUB SEVEN』は、ソング&ダンス、芝居、タップ、ミュージカル、スケッチと呼ばれるコントの要素を多く含んだ場面など、エンターテインメントのあらゆる要素を詰め込んだ、まさに怒涛のジェットコースターステージ。2015年に記念となる10作目の公演を大好評のうちに終えたあと、弟分的存在の若手主体による公演『GEM CLUB』がスタートするなど、新たな広がりも見せる中で、11作目となる今回は『CLUB SEVEN ZERO』と名付けられた、これまでの集大成であり、新たなスタートと位置付けられたステージとなっている。

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そんな舞台に集ったのは、玉野が『CLUB SEVEN』草創期に形を創ってくれたメンバーとして、絶大な信頼を寄せる吉野圭吾、東山義久、西村直人に加え、原田優一、蘭乃はな、香寿たつきが揃った男性5人、女性2人の、計7名。これはそもそも『CLUB SEVEN』がスタートした時と同じ、男女比率と人数によるメンバー構成で、近年の『CLUB SEVEN』としては、少人数、かつ、大人のメンバーだが、だからこそ『CLUB SEVEN』が原点に返り、更に大人のエンターテインメントショーであることを、改めて印象づける力になっている。

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ステージは、これまで『CLUB SEVEN』が築き上げてきた王道の形を踏襲している。1幕は、舞台奥に作られたドアを開けて登場してくる全員の、シャープなダンスからスタートして、趣向をこらした楽しさ満載のスケッチが続き、華やかな歌とダンスで締めくくられる。そして、1つの作品として成り立つほど密度の濃い「ミュージカル」から幕を開ける2幕は、メンバー紹介も兼ねたトーク、そしてお待ちかね、『CLUB SEVEN』の大名物「五十音メドレー」が展開されるという、たっぷり3時間超の内容。

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しかも今回は、集大成であり新たなスタートと銘打たれていることもあって、スケッチにはこれまで『CLUB SEVEN』で話題となった、名物キャラクターたちが数多く登場していて、A、B、2つのパターンが用意されている。何しろ早替わりに次ぐ、早替わりで展開される「五十音メドレー」だけで74曲を歌い踊る上に、スケッチがそっくり入れ替わるのだから、出演者の負担は相当なものだと思うが、そこは「一生懸命ってカッコいい」を掲げた『CLUB SEVEN』のこと。とにかく出演者全員が、フルパワーで舞台を駆け回り、踊り、飛び、歌い、芝居をするテンションの高さ、汗を飛び散らせ、時にゼーゼーと息切れしながらも、繰り広げられる全力のエンターテインメントに、感動せずにはいられない。

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特に、一生懸命さを前面に出すことが、オシャレじゃないと思われ勝ちの現代に、人が全力で頑張ることの感動を、愚直なまでに届けてくれるこの『CLUB SEVEN』の姿勢は、やはり何よりも貴重なもので、それが、ひいては生身の人間が目の前で展開する舞台芸術だけが持つ魅力、ライブの素晴らしさを伝えてくれるものになっている。それは、総指揮を執る玉野が人間の力を信じているからこそ生まれ、続いてきた『CLUB SEVEN』の神髄だろうし、そのことを誰よりも理解する盟友たちが集った『CLUB SEVEN ZERO』に、その精神が変わらずに輝いていることが何よりも嬉しかった。舞台芸術を、ライブを愛する人ならば、A、B、両パターンの『CLUB SEVEN ZERO』は見逃せない。とりわけ「五十音メドレー」などは各曲の展開が早いので、1回目には目が追い付かないシーンもあるから、なんとしても2回観なければ!と思えるこの上演形態は、観客にとってはかえってお得なことかもしれないと思わせられた。
 
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(注)ここから具体的な内容に触れている箇所があります。事前に情報を入れたくない方は、観劇後の閲覧をお勧め致します。

 

今回の『CLUB SEVEN ZERO』は、中でも2幕冒頭の「ミュージカル」が秀逸で、大人のメンバーが揃った『CLUB SEVEN ZERO』ならではの配置が、実に深い余韻を残すものとなっている。
なんとか劇場を守る為に、シビアな選択もせざるを得なかった支配人(西村直人)と、かつて劇場の華だったタップダンサーでありながら、時代の移り変わりと共に裏方に回っていた男性(玉野和紀)とが、互いに年老い、長年愛されてきた劇場に関わった人々を回想するところから、舞台ははじまる。
 
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そこにはタップダンサー(玉野)の相手役から1人立ちし、長く大スターとして君臨してきた女優(香寿たつき)、その相手役からやがて彼女を凌駕するスターとなっていく男優(吉野圭吾)、女優に憧れてこの世界を目指したが故に、人気が衰えていく彼女を案じるダンサー(東山義久)、この劇場のステージに立ちたいと、雑用係から舞台を目指す若いカップル(原田優一、蘭乃はな)が、それぞれの見せ場を持ちながら、時の流れと共に立場を変えていく姿が、流れるように描かれていく。
 
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分けても、苦渋の選択をする支配人を含め、すべての登場人物が劇場を愛し、ショーステージを愛していて、どんなに立場が異なろうとも、根底のところではその深い愛によって結ばれている、という姿には、胸にしみいる熱さがあった。この「愛」が、演じている、舞台にいる7人の出演者全員をつないでいることもまた明らかなのが、作品をより尊いものにしていて、スケッチや「五十音メドレー」の弾ける楽しさとの、実に効果的な対比を生むことに成功している。
そんな作品と、出演者全員を牽引する玉野が、いつもながら個々の持ち味を引き出す手腕が絶妙。それそれのメンバーを輝かせ、更に新たな面も提示して見せてくれるから、舞台がより軽快に弾む。特に「五十音メドレー」では、今回昭和の名曲が数多く選ばれているということで、実際にそうなのだが、それだけでではなく、ここ最近の大ヒットものもきちんと入れ込んできていて、その塩梅が巧みだ。

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玉野自身が演じる男性アイドルの名物シーンを、こう来たか!と思わせる発想で見せる場面など、アナログ感があるだけにその秀逸さに目を瞠るし、もちろんタップダンスも、今や出て来てくれないと『CLUB SEVEN』を観た気がしない「玉子ちゃん」も相変わらずパワフル。昨年末惜しまれつつ解散した某国民的アイドルグループのファンの方には、是非大判タオルハンカチを持参しての観劇をお勧めしたい、ツボを突きすぎるほど突いてくる選曲も含めて、充実の舞台を創り演じる姿には脱帽だった。

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その舞台で、二枚目スターぶりを発揮したのが吉野圭吾。このところミュージカルの舞台などでは、強烈なキャラクターアクターとしての顔を多く見せていただけに、本来の二枚目男優としてすっきりと立つ吉野がどこか新鮮に映ったのは、観客としても発見の思いがした。その意味で、「原点に戻るオトナの『CLUB SEVEN 』」というキャッチコピーを体現した存在で、ダンスやミュージカルでの二枚目ぶりが光る分、スケッチの思い切った各役の造形がより際立ち、中でも一斉を風靡したキャラクターに扮した時のおかしみが群を抜いていた。そういえば背格好が似ていたんだ、と感心したのも含めてこちらは観てのお楽しみといったところ。

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常にスターで、常に「カッコいい」東山義久が、大阪出身の人であることを強烈に想起させるのも、この『CLUB SEVEN』の醍醐味の1つ。踊ればもちろんだし、近年ますます進境著しい芝居の面でも、この人のカッコよさには常にため息が出るし、今回もそうした面が「ミュージカル」や、デュエットダンスなどで際立っているのだが、そこからスケッチや「五十音メドレー」で見せる完全に振り切れたコメディアンぶりに圧倒される。その全力投球がなんとも楽しそうなのが、根っこにある大阪人気質を感じさせ、だからこそ更に、持ち前の「カッコよさ」も引き立つという相乗効果を生んでいる。特に両性具有的な意味合いでない、可愛い女の子を演じている東山見られるのは『CLUB SEVEN』くらいのものだから、今後も是非このショーステージにも立ち続けて欲しい。

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『CLUB SEVEN 』シリーズの全てに参加していて、玉野と共に『CLUB SEVEN』の「顔」である西村直人は、玉野の「玉子」との名物コンビ「ニャンコ」をはじめとした、素晴らしく元気な老人役など、様々なキャラクターを瞬時に演じ分ける姿はもちろんのこととして、今回とりわけアイドルや、ひたすらにキメるダンスシーンなどで見せる、キリリとした二枚目の顔が印象に残った。年輪を重ねて肩の力が抜け、だからこそこれだけハードなステージでも、本人のキャパシティがいっぱいいっぱいにならないのだろう。「ミュージカル」での支配人役の滋味深さも含めて、進化する『CLUB SEVEN』と共に、西村の進化も大いに堪能できたのが嬉しい。

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男性陣の最年少メンバー原田優一は、近年こうした座組で最年少という立場が久しぶりだったそうで、定評ある美声を堪能できるだけでなく、若者に扮している原田も観られるのが目に耳に楽しい。特にこの人の女装と言う言葉さえ似つかわしくないと思える、本気の女の子ぶりは圧巻で、女性陣二人と共に三人で「女子アイドルグループ」の持ち歌を歌い踊る場面がいくつかあるが、もしかしたら最も曲に馴染んでいるのは原田かも知れない、と思わせる成り切りっぷりは必見。歌、タンス、芝居と三拍子揃った人ならではの多彩さを存分に発揮している。

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その女性陣は、いずれも宝塚OGで、元星組トップスターの香寿たつきは、「ミュージカル」で演じる大スター役の、いつ自分の時代が終わるのかを恐れ、崩れていく表現に、芝居巧者ぶりを存分に注ぎ込んだのをはじめ、スケッチのコメディセンスや、歌にダンスに大活躍。特に女性陣二人で、昭和を代表するアイドルデュオに扮するシーンが数回あるが、あの大スター役を演じた人と同じ人だとは思えないほどの愛らしさを醸し出していて、宝塚で獲得したスターオーラと、女優としての豊かな蓄積の全てがステージで輝いている。
 
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もう1人元花組トップ娘役の蘭乃はなは、今回のメンバーの中で唯一の『CLUB SEVEN』シリーズ初参加という人材だが、宝塚のショー作品などで培ってきた、場面に応じて瞬時に表情や色を変える術を、存分に発揮して『CLUB SEVEN』が求めるオールランドプレイヤーにきちんとなり得ているのが素晴らしい。自身の女優としてのキャリアのパロディ的シーンでの、ドレスの着こなしはさすがの一言だし、アイドルを演じるシーンなどで見せるどこか小悪魔的な顔も魅力的。踊れる強みも遺憾なく発揮して、『CLUB SEVEN ZERO』になくてはならない戦力となっていたのが何よりだった。

とりわけ、今回「シリーズ最高の平均年齢」だという「オトナ」が集まって創られた『CLUB SEVEN ZERO』が、シアター1010の『CLUB SEVEN』にはやや大きいのでは?とも思われた劇場空間を、楽々と埋めた様は見事なもので、原点に返った『CLUB SEVEN』シリーズの、大人が集まったからこその新たな可能性が拓かれたのが嬉しく、シアタークリエでの初日が待たれるステージとなっている。

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〈公演情報〉
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『CLUB SEVEN  ZERO』
脚本・構成・演出・振付・出演◇玉野和紀
出演◇吉野圭吾 東山義久 西村直人 原田優一 蘭乃はな 香寿たつき
●6/8〜22◎シアタークリエ 
〈料金〉10,000円(全席指定・税込) 
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777
●5/26〜28◎シアター1010(プレビュー公演)
〈料金〉9,500円(全席指定・税込)
●6/3・4◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
●6/23◎刈谷市総合文化センターアイリス公演 




【取材・文・撮影/橘涼香】





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日本初演30周年記念公演開幕!『レ・ミゼラブル』初日前囲みインタビュー

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知念里奈、生田絵梨香、福井晶一、吉原光夫、森公美子、昆夏美

1987年の本邦初演以来、30年の長きに渡り愛され続けているミュージカル『レ・ミゼラブル』、日本初演30周年記念公演が、5月25日有楽町の帝国劇場で開幕した(7月17日まで。のち、8月1日〜26日福岡・博多座、9月2日〜15日大阪・フェスティバルホール、9月25日〜10月16日名古屋・中日劇場でも上演)。

原作は、フランス文学の巨匠ヴィクトル・ユゴーが自身の体験を基に、19世紀初頭のフランスの動乱期を、当時の社会情勢や民衆の生活を克明に描いた大河小説。その原作の持つ、「無知と貧困」「愛と信念」「革命と正義」「誇りと尊厳」といったエッセンスを、余すことなくミュージカルに注ぎ込んだ作品は、1985年のロンドン初演を皮切りに、世界中に大旋風を巻き起こすミュージカルの歴史に燦然と輝く傑作となった。日本では1987年、当時非常に珍しかった全キャストオーディションによる上演が話題を呼び、全編が歌で綴られるオペラティックミュージカルの音楽の力と、スピーディな展開、人間愛を高らかに謳った深いテーマが大きな感動を呼び、以来30年間、再演が繰り返される作品となった。

今回、その傑作ミュージカルの30周年に向けて、新たな顔ぶれも含めた強力なキャスト陣のもと稽古が重ねられ、約2ヶ月に及ぶ帝国劇場公演のチケットは全席完売。6月11日〜17日には、「日本初演30周年スペシャルウィーク」として、終演後に特別カーテンコールが用意された記念ウィークも合わせて、帝国劇場は高まる熱気に溢れている。

そんな特別な公演の初日を直前に控えた5月25日、劇場ロビーで囲み取材が行われ、ジャン・バルジャン役の福井晶一、ジャベール役の吉原光夫、ファンテーヌ役の知念里奈、エポニーヌ役の昆夏美、コゼット役の生田絵梨香、マダム・テナルディエ役の森公美子が、公演への抱負を語った。

【囲みインタビュー】

──まず、初日を前、一言ずつご挨拶をお願い致します。
 
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知念
『レ・ミゼラブル』日本初演30周年記念公演です。本当にずっと続いて長く愛されているこの作品ですが、『レ・ミゼ』ファンの皆様と、歴代作品をつないできてくれたキャストの皆様へのお祝いと、喜びの気持ちでいっぱいです。特別な思いでしっかり演じて行きたいと思います。是非いらしてください。

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生田
 30周年という歴史あるこの作品に参加させて頂けることを本当に幸せに思っています。先輩方が築き上げてくださったものをしっかり受け継ぎながらも、新しい空気感を出していけたらなと思っております。よろしくお願いします。

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福井
 いよいよ今日『レ・ミゼラブル』の初日の幕が開きますけれども、今年は日本初演30周年ということで、日本の皆様にこれだけ愛され続けてきた作品ということをとても嬉しく思っています。この30周年に先輩方が築き上げてきたもの、つないできたバトンをしっかりと守っていきたいと思っております。劇場でお待ちしております。

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吉原
 30年この作品が続いてきたということで、改めて感動しますし、感慨深いなと思います。30年たくさんのキャストやお客様、色々な人が携わってきて創り上げてきたものに、負けないように、でも意識しないように、冷静に淡々とやりたいと思います。よろしくお願いします。

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 30年ということでございまして、同じことを、同じ音楽なんですが、このテーマが「愛」ということで、ますますその愛を育んでいけるように、30周年に向かって素晴らしい作品になっておりますので、10月の半ばくらいまで地方公演もございますので、皆様是非30年目の『レ・ミゼ』に触れて頂きたいと思っております。

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 この作品は日本だけではなくて世界中で愛され続けている作品ですけれども、上演される度に新しい演出だったり、新しい表現方法だったり、常に進化をし続ける作品だと思っております。30周年という先輩方が築き上げてきた歴史と、2017年の『レ・ミゼラブル』両方の面で楽しんで頂けたらいいなと思います。よろしくお願いします。
 
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──福井さんから見て今回のカンパニーのチームワークはいかがですか?
福井 初演でコゼットを演じていた鈴木ほのかさんが(マダム・テナルディエ役で)参加されたり、また橋本じゅんさんなど、僕たちよりも先輩の方が新しい風を入れてくださいまして、また刺激的な稽古になっていると思いますので、(生田を示して)コゼットにも新しく入ってくれていますし、またパワーアップした新しい『レ・ミゼラブル』をお見せすることができると思います。
──チケットも完売しているようですが。
福井 そうですね。ありがたいことです。
──新しく生田さんが参加されましたが、どうですか?初めての『レ・ミゼラブル』のカンパニーは?
生田 最初はプレッシャーや緊張感もあったんですけれども、本当にこの作品は皆で作っているという感じが稽古の段階からすごくて、私もコゼットだけではなくて、アンサンブル、民衆として参加したりもしていて、皆の絆が深まっているのをとても嬉しく思っているので、それを本番でも、作品と共にどんどん自分自身も成長させていけたらなと思っています。

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──お稽古を通して成長したと感じる部分は?
生田 たくさんあります。これと言うのは難しいのですが、作品の背景をすごく考えるようになったり、自分自身の役に対しても、コゼットは綺麗なメロディの歌が多いので、最初は歌い上げようとしてしまうところが多かったりしたのですが、それをどうやって感情に乗せていくかなどの演出をたくさん受けて、変わってきたのではないかな?と思っています。
──大先輩がたくさんいらっしゃいますが、アドヴァイスを頂いたりなどは?
生田 ちょうど一昨日だったでしょうか、私が皆さんの円陣に入りそびれてしまった時に、(吉原)光夫さんが小さい円陣を組んでくださって。
──小さい円陣ですか?
生田 そうです、4人くらいの。
吉原 (冗談で)2人っきりだよね(笑)。
生田 (笑)その時に「自分のことだけじゃなくて、周りの人に集中して」とおっしゃってくださったので、それはこれからも心がけて行きたいと思っています。
──知念さんからは何かアドヴァイスは?
知念 いえ、私も修行中の身なので、とは思いますが、私も10年ちょっと前にこの役(コゼット)を演じていたので、見ていると生ちゃんがどんどんと進化していって、いつかファンテーヌ役も演じてくれたら嬉しいなと思います。 
生田 頑張ります!
 
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 その後はマダム・テナルディエね!(笑)
生田 是非、目指して頑張ります!
──森さんからもアドヴァイスを。
 生田さんは本当に真っ直ぐで、素直に声が出ているんですよ。だから本当に言うことがなくて。お父さんとの関係だったり、マリウスとの関係だったり、そういうものは初め少しぎこちなくて、やっぱり普段、乃木坂46の皆さんで女子の間だけでやっているからかな?と思っていて、キスシーンなどはちょっとだけぎこちなかったのが、今は大女優です。素晴らしいです。ただファンの方達が嫉妬するんじゃないかな?と若干心配しております。
──どうですか?そのあたりは。
生田 あ、でも乃木坂のファンの方も(プレビュー公演を)観に来てくださった方は、作品にのめりこんでくださっているみたいなので、そこは私は心配はしていません。
──昆さんからも是非アドヴァイスを。
 私の役どころが、自分が大好きな人が生田さん演じるコゼットに思いを寄せて、私は結構コゼットに対して、う…となる役柄ではあるんですが、これだけ美しくて、とっても歌声も素敵で、完全に完敗だなと(笑)、ひしひしと感じる美しさと美声ですね。
 そうね!イギリス人のスタッフの方が、生田さんをわざわざ呼び出して「綺麗」って言ったの。他のキャストの方が嫉妬したんじゃないかと思うんですけど(笑)。
 
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──森さんも嫉妬したんですか? 
 いえいえ、私は(生田が)娘のような年ですから!だけどLINEでは「生田さ〜ん、素敵だったよ」とかしてます。LINEともだちです。
吉原 してるんだ?
 そうそう。
──皆さんLINEされているんですか?
 『レ・ミゼ』のLINEがあるので。
──長丁場の公演ですが、体調管理の秘訣やコツなどは?
福井 地方に行ったら美味しいものを食べたいなと思っていますが、まず体力勝負なので、日々やっぱり『レ・ミゼ』中心の生活になりますが、その中でもリフレッシュも大事なので、自分なりにリフレッシュ方法を見つけて行けたらいいなと思います。
──吉原さんはいかがですか? 
吉原 うがい手洗いをしっかりして、あとは今福井さんが言ったみたいに、全員が『レ・ミゼ』中心の生活になっていくので、その中で如何にリフレッシュしていくかが大切なので、あまりのめり込まず冷静に行きたいなと思います。
 
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──地方公演で楽しみにしていることは?
吉原 そうですね、まず地方公演に行くまでに生田さんとLINEを交換して(全員爆笑)。
──吉原さんは『レ・ミゼ』のLINEに入っていないんですか?
吉原 ジャベールやってるんで、招待されていないんです。入れてくれねぇの。
 ごめん!忘れてた!(笑)
知念 私も入ってない…。
生田 あ!招待します!
福井 僕も入ってないよ。
生田 あー!!
 結構仲が悪い感じになっちゃってる(笑)。
生田 大丈夫です、まだできたばっかりなので、周知できてなくて!
 余裕がなかったのよね、もう連日大変な稽古だったものですから。
──では、今日をきっかけにまた皆さん一段と団結して。乃木坂46のメンバーの方は観にいらっしゃるんですか?
生田 はい、すでにプレビュー公演を何人かは観に来てくれていて、本当にすごく感動してくれて、メンバーもファンの方も今まで『レ・ミゼ』をいつか観ようとは思っていたけれども、なかなかそのきっかけがなかったという方が、すごく来てくださって、感動してくださるととても嬉しいので、これからの公演でもそういう方が足を運んでくださると良いなと思っています。
──ミュージカルとアイドル活動はどちらが楽しいですか?
生田 両方とても楽しいです。
福井 本当はどっちですか?(全員笑)
生田 両方、違った楽しさがあります!
福井 そうですか!

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──改めて30周年記念公演に向けてのお稽古や、プレビュー公演の中で新たな発見などはありましたか?
知念 毎回演出が少しずつ変わるので、この間はこう言われていたけれども、今度はこのアプローチか、みたいな感じでキャラクターも少しずつ変わっていって、色々な発見があるのですが、最後に私がジャン・バルジャンを迎えに行くシーンで、大人になった生田さんのコゼットが「パパ!」と寄り添っていて、その時「こんなに美しく、こんなに聡明に育ててくれてありがとう!」と、バルジャンとコゼットの姿を見て強く思いますね。そこは今回また新たな発見だったかなと思います。

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生田 自分の役に関してだと、今までのイメージだとコゼットは大人しかったり、人形のようなイメージがあったのですが、今回はそうではない、と演出の方に指導を受けて、その中に熱い心があるし、今まで閉じ込められていた分、もっと知りたいという好奇心が沸いていたりなど、現代の女の子にも通じる部分を持って演じられたらいいなと、稽古中も今も思いながらやっています。
福井 今回で3度目になるんですが、特に2幕からのバルジャンの心の持ち方に発見があったと言いますか、より心に役を落とし込んで深めて感じることができたんです。自分のことじゃなく相手を思う気持ちを優先して行く、そういったバルジャンの心もちですとか、そういうものが自分の人生経験に重ね合わせながら、前よりも理解でるようになりました。それがあって、最後にコゼットの為に自分が突き動かされる心の動きが、今回は特に流れてきたなという印象があります。

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吉原 今知念ちゃんが言ったんですけど、毎回演出が変わって、前回こうだったけれども今回はこうしてみようということに、俳優陣が最初は結構混乱するんです。けれども、この混乱の中から自分たちで掴んでいくみたいなことが多いので、そういう意味で皆、毎回新鮮に気づくことがいっぱいあるんじゃないかなと思います。時代と共にまた変わっていくし、次にまた再演があるとするならば、また時代に合わせて変わっていく。良い意味で、現代に添った人格や性質を持って行くんではないかな?と思うと、毎回、毎回が初演のような感覚になっていく作品になるのではないかと感じました。
 私は1997年から『レ・ミゼラブル』に携わっていまして、10周年、20周年、30周年と来た訳ですが、テナルディエとの関係が、どっちが頭が良くて、どっちが懐を全部握っているのか?というのが毎回変わってきているんです。今回はテナルディエ、前回は私、みたいな感じで関係が変わってきますと、全部の悪だくみがテナルディエ発信なのか、マダム発信なのかが変わってきて、両方発信ということもありました。で、今回はテナルディエ発信ということになりまして、私はついていっているという感じです。それで色々と手数が増えまして、覚えるだけでも大変なんですよ!結構歳をとってますから(笑)本当に大変で!私、20年間やらせて頂いて、毎回オーディションに受かっているのですが、次の『レ・ミゼラブル』に私がいるか、いないか?と言うのは、これはまたオーディションを受けて頑張りたいと思いますけれども、そういった意味で、どんどん進化しているということは確かに言えると思います。
 
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 今回お稽古を共にしてきた演出家の方が言っていらした言葉ですごく印象的だったのが「音楽の力にもっと寄り添って欲しい」ということで、そう教えられまして、これだけ素晴らしい音楽の力があるドラマに表現者として、そこにプラスの表現をしたいということは常々思っていて、もちろんそれは大事なのですが、音楽が役や時代背景を表してくれているので、もちろん自分の感情を伝えつつも、音楽の力に寄り添えたらなというのが、今回の発見であり、自分の目標です。
──地方公演に楽しみにしていることは?
知念 公美さんからがいいんじゃない?
 えっ?私?まず、帝劇が終わりますとすぐ福岡公演、8月になりますと博多座公演でございまして、ちょうど惜しかったのですが、博多のね。
福井 山笠がね。
 
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 そう!ちょうど山笠が終わったところで、できれば7月に行きたかったなと(笑)思いつつも、博多は美味しいものがたくさんなので、皆さん毎日、連日連夜大変ですから、この7月までの帝劇公演中に痩せよう!ということになっておりまして(笑)、博多座に行くと太っちゃうんですよ!なので今全員ダイエット中です。それから大阪、名古屋。大阪はフェスティバルホールですごく大きな劇場で、しかも大阪は食いだおれの街という、ここも恐ろしいところなので(笑)。
福井 食べることばっかりだね(笑)。
 だって楽しみと言ったらそれでしょう?市内観光とか行きます?USJとか行きます?
福井 行きたいですね!
 じゅあ休演日にね!名古屋にもレゴランドがありますし!本当に楽しみはたくさんありますね!

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──では最後に福井さんからご挨拶をお願いします。
福井 日本初演30周年記念公演『レ・ミゼラブル』1人1人が作品と向き合って、良い仕上がりになっていると思います。たくさんの方にこの作品の感動を届けたいと思っております。是非劇場に足を運んでください。よろしくお願いします。
全員 よろしくお願いします!


〈公演情報〉
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ミュージカル『レ・ミゼラブル』
作◇アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク
原作◇ヴィクトル・ユゴー 作詞◇ハーバート・クレッツマー
オリジナル・プロダクション製作◇キャメロン・マッキントッシュ
演出◇ローレンス・コナー/ジェームズ・パウエル
翻訳◇酒井洋子
訳詞◇岩谷時子
出演◇福井晶一 / ヤン・ジュンモ / 吉原光夫、川口竜也 / 岸祐二、昆夏美 / 唯月ふうか / 松原凜子、知念里奈 / 和音美桜 / 二宮愛、生田絵梨花 / 清水彩花 / 小南満佑子、海宝直人 / 内藤大希 / 田村良太、駒田一 / 橋本じゅん /KENTARO 、森公美子 / 鈴木ほのか / 谷口ゆうな、上原理生 / 上山竜治 / 相葉裕樹 他
●5/25〜7/17(プレビュー5/21〜24)◎帝国劇場
●8/1〜26◎博多座(福岡)
●9/2〜15◎フェスティバルホール(大阪)
●9/25〜10/16◎中日劇場(名古屋)
〈お問い合わせ〉帝国劇場 03-3213-7221



【取材・文・撮影/橘涼香】




帝劇ミュージカル『ビューティフル』 




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女優10周年記念のDANCE LIVE『will』に挑む!朝海ひかるインタビュー

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宝塚歌劇団元雪組トップスターで、女優として精力的な活動を続けている朝海ひかるが、06年の宝塚卒業から10年となるメモリアルイヤーを記念して、DANCE LIVE『will』を開催する。
07年、女優として歩き始めた朝海は、ミュージカルからストレートプレイ、そして映像と実に幅広いジャンルで活躍を続けている。その10年の歩みをギュっと凝縮してまとめ、更にダンスに特化して、これまでの「感謝」とこれからも「よろしく」の気持ちを込めた舞台が、今回のDANCE LIVE『will』。あの作品、あのダンス、あの曲、あのメロディを織り交ぜた奇跡の公演は、観客の思い出に直結すること間違いなしとあって、大きな期待が集まっている。
そんなDANCE LIVEを前に、朝海がライブステージへの意気込み、女優としての10年間の歩み、更にその間に多く出演した宝塚OGによる公演を通じて、改めて感じた宝塚への思いなどを語ってくれた。

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10年間の歩みが詰まったDANCE LIVE

──コンセプトを伺っただけでとても素敵な企画だなと感じますが、まず今お話し頂ける範囲で内容について教えてください。
宝塚を退団してから今年で10年経ったということで、退団してから出演させて頂いた作品の中から、曲を集めて構成するショーという形になります。DANCE LIVEと銘打っていますので、全体を通じてダンスが中心の、踊りまくるショーになります。色々なお仕事をさせて頂いている中で、最近やっていないことはなんだろう…と思った時に「ダンス踊ってないな」と感じました。私自身、身体が動くうちはやはり踊る機会を作っていきたいと思っているので、「DANCE LIVEにしよう!」ということになりました。
──宝塚時代からダンスは特に定評のあった朝海さんですから、ファンの方たちも楽しみにしていることでしょうね。
そう思って頂けたら本当に嬉しいです。
──共演者の顔ぶれ、またゲストの方たちも豪華なメンバーですね。
演出の港ゆりかさんが、この方たちなら!というダンサーの方とシンガーの方を選んでくださいました。またゲストの方たちは、思い出のある作品の中でご一緒させて頂いた方ばかりですから、楽しいトークと、その時それぞれの方と一緒に歌った歌などを歌わせて頂きます。
──では日替わりで内容も変わるのですか?
そうですね。ゲストの方たちが替わったら、ガラリと雰囲気が変わるという構成になると思います。
──ということは毎回変化のある楽しいステージになるのですね。でも朝海さんはたくさん覚えることが?
ええ、4パターン覚えないといけないのですけど(笑)、でも今まで歌わせて頂いた曲でもあるので、そのへんはなんとかなるだろう!と思っていて(笑)、頑張ります!
──それぞれの方と「これぞ!」という曲になりそうですね。
このDANCE LIVEを観て頂いたら、10年間私がどんなことをやってきたか、どんな作品に出て来たのかをわかって頂けると思います。そのすべての舞台をご覧になってくださった方にはもちろん、観ていらっしゃらない方にも、「あぁ、こんな作品もあったのね」と楽しんで頂けるステージになると思いますし、その中で、私の10年間を観て頂きたいです。

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発見の連続の中で成長させてもらう日々

──節目のDANCE LIVEを控える中で、宝塚を退団してからの10年間を振り返るといかがですか?
無我夢中で走ってきた10年間でした。宝塚しか知らなかった自分が外の世界に出て、右も左もわからない中で、ひたすらに突っ走ってきた日々でした。
──あくまでも拝見している側からの印象なのですが、朝海さんは比較的すんなりと女優になられて、男役時代の影をあまり感じさせない方のようにお見受けしていました。ご自身としてはその辺りは?
男から女への切り替えというよりも、それまで自分が宝塚の中で「こうであろう」と思っていた舞台上での常識とか舞台人としての在り方が、やはり宝塚と外の舞台とではずいぶん違いましたので、考え方を変えていくことが必要でした。毎公演、「こういう考え方があったのか」とか「こういう表現の仕方があったのか」とか、「こうすれば良いんだ!」という新たな発見の連続で、その1つ1つを受け入れていくことが自分にとって大変だった気がします。
──劇団時代は、スタッフや共演者がよく知っている顔ぶれで、外では毎回新たな方たちとの舞台創りになると思うのですが、そういう面では?
確かに、毎回違う共演者の方たちやスタッフの方たちとの舞台創りは、私は意外と人見知りで、あ、意外ではないですね(笑)、自分から話しかけていくことが得意ではなかったので、最初のうちはその環境に慣れることで精一杯でした。でもお稽古を積んで公演をしていく中で、仲良くなっていって、色々な人から様々なことを教わって楽しく過ごしたり、皆で力を合わせて1つの作品を創って、それが素敵な思い出になっていく。そういう点では、宝塚も外も変わらないということがわかり始めてからは、自分からも積極的に話す努力をすることで、より早く皆さんと仲良くなれて、色々な話が伺えるようになりました。たくさんの方々から、自分が経験してこなかったことを教えて頂いてきた日々でした。
 
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ちゃんとお芝居ができる女優になるために

──朝海さんの場合、この10年間の活動は非常に多岐に渡り、バラエティに富んでいますが、それはご自身でも色々なことをやってみよういう意識が?
そうですね。宝塚を卒業して一女優となった時に、自分の魅力というか武器というものが、自分でもまだわかっていない部分がありましたので、1つのことに固まろうとするのではなく、私にと言って頂いたお仕事は、できる限りやらせて頂こうというスタンスでいました。すると、ありがたいことに色々な分野の方たちからお声をかけて頂けて、本当に様々な方たちと共演することができて、すごく充実した10年だったと思います。
──では、例えば「できるだけミュージカルに出演したい」というような、1つのものに特化するといった気持ちは?
それはなかったですね。ただ、女優としてちゃんとお芝居ができるようになりたい、という思いは持っていましたので、なるべくお芝居の仕事は積極的にやらせて頂いてきました。そういう意味でも、本当に様々な舞台に出演させて頂けていることに感謝しています。
──その中で、何本か井上ひさしさんの舞台にも出演されていますね。
井上先生の作品は昔から大好きで、井上先生の舞台に出られるような女優になりたいとずっと思っていました。ですから『しみじみ日本・乃木大将』(2012年)に出させて頂けた時には、夢が1つ叶った!という気持ちでした。そして夢が叶ったら、次はこまつ座さんの舞台に出たいという夢がまた生まれて、一昨年の『國語元年』でこまつ座さんへの出演が叶って。そうやって1つずつ進んできました。今年の3月〜4月にも、『私はだれでしょう?』という素晴らしい作品に出演させていただきましたが、井上先生が一文字一文字考え抜かれたセリフを話すことの重みと、女優としての幸福感とを同時に味わえた日々でした。
──井上さんの作品は、不穏な時代の時局のことを扱っていても、声高に批判するというのではなくて、笑いにくるんだ中などから静かに訴える深さがありますね。
事実をきちんと伝えた上で、あとは観客の方たち1人1人が物事に接した時に何を思うかに委ねていらっしゃるので、私も毎回拝見する度に、怒りに震えることもあれば、涙を流すこともあるし、何日も悶々と考えることもあります。そういう、自分自身を成長させて頂ける作品ばかりで、それは出演させて頂いた時も同様で、毎回少しずつ人間として勉強させて頂いています。

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ダンス歴で大きかったフォッシーダンスとの出会い

──10年間の活動期間中には、宝塚歌劇が100周年を迎えたこともあって、OGの方々の公演が盛んに行われましたが、そういう公演に臨まれていかがでしたか?
やはり宝塚が私のベースなのだということを、OG公演に出演させて頂く度に思います。それと同時に、どんなに上級生の方でも下級生の方でも、同じ方向を向くことができるという宝塚の素晴らしさを感じました。例え現役時代に一緒の舞台に立ったことがなくても、宝塚の卒業生というだけで呼吸がカッチリと合う、1つ1つの公演が、すべて宝塚の偉大さを改めて知る場でもありました。学年がどんなに離れていてもすぐに打ち解けて仲良くなれますし、私が下級生のときトップスターで雲の上の存在だった方とも、気軽にお話をさせて頂けたりする。それもOG公演の嬉しさです。
──その中でも『CHICAGO』は特に大きな公演となりました。
『CHICAGO』に最初に取り組んだのは、『DANCING CRAZY2』(2012年)という公演で、名場面の抜粋をさせて頂いた時だったのですが、その時点では、まさか全幕通して宝塚OGだけでの上演ができるとは夢にも思っていなかったんです。ただその時、抜粋の名場面だけなのに、ブロードウェイのスタッフの方たちが来てくださって、振付から指導して頂くという全く新しい経験をさせて頂けたことで、宝塚のOG公演というよりも一女優として新しい作品に向かっていくという気持ちがありました。その公演を全幕通して演じられるという機会を頂けたことは、私にとっては宝塚のOG公演という枠組みを超えて、『CHICAGO』という作品に女優として全力で取り組んだという想いでした。
──本当に力のこもった舞台でしたが、フォッシースタイルのダンスとの出会いについては?
洗練された動きを、とにかくオシャレにクールにというもので、1つ1つの動きに決まりがあって、でもその決まりが人間の動きとして存在していなくてはいけない。究極のところに行きついているのがフォッシーダンスで、それに出会えたというのは、私のダンスの歴史の中でもとても大きなものでした。ただ大きく踊ればいいというわけではなく、身体の中から湧き出るエネルギーを使って踊る、そのことを教えてもらったのがフォッシーダンスでした。
──では、今回のDANCE LIVEでも拝見できそうですね?
はい。ダンサーの方の中にも二人『CHICAGO』経験者がいるので、何曲かできたらいいなと思っています。
──では、そんな朝海さんの10年間の経験が詰まったDANCE LIVEについて、改めて意気込みお願いします。
宝塚を退団した時には、ここまで自分がやってこられるとは思っていなかったので、気がついたら10年の月日が流れていたことに、自分自身にも驚きがあります。その中で、様々な方たちとの幸せな出会いがあり、自分の考え方もどんどん更新され、目標もどんどん変わっていきました。その私の日々を、客席から見守って、応援し続けてくださった方たちがいらしたから、ここまで充実した舞台生活が送ってこれたのだと思っています。そんな方々に感謝の気持ちを込めて、この作品を是非楽しんで頂きたいと思っています。精一杯頑張りますので、是非足をお運びください。お待ちしています!

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あさみひかる○1991年宝塚歌劇団に入団。入団当初より透明感ある爽やかな個性とダンスの実力が注目され、02年雪組トップスターに就任。06年『ベルサイユのばら』で主演のオスカル役が好評を博す。同年、宝塚歌劇団を惜しまれつつ退団。女優としてミュージカル、ストレートプレイ、映像など幅広い活躍を続け、日本を代表する演出家の舞台への出演も数多い。近年の主な舞台作品は、ミュージカル『ボンベイドリームス』、『Golden Songs』、『アドルフに告ぐ』、こまつ座第111回公演『國語元年』、ミュージカル『DNA-SHARAKU』、明治座『御宿かわせみ』、ブロードウェイミュージカル『CHICAGO』宝塚歌劇OGバージョン、『幽霊』、『エリザベートTAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』、こまつ座『私はだれでしょう』等。7月には再々演の『ローマの休日』でアン王女役が控えている。


〈公演情報〉 
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朝海ひかる 女優10周年記念ツアー
DANCE LIVE『will』
構成・演出・振付◇港ゆりか
出演◇朝海ひかる/神谷直樹・中島康宏・ 伯鞘麗名・福田えり
ゲスト◇Spi、伊礼彼方、石井一孝、石川禅
●6/7〜6/8◎東京 よみうり大手町ホール
〈料金〉10,000円(全席指定・税込)
●6/11◎ 大阪 ナレッジシアター
〈料金〉10,000円(全席指定・税込)
●6/14◎仙台 イズミティ21 小ホール 
〈料金〉9,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京音協 03-5774-3030(平日11時〜17時)



【取材・文/橘涼香 撮影/山崎伸康】




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傑作ミュージカル『HEADS UP!(ヘッズアップ!)』待望の再演! 全キャスト決定!

「HEADS UP!」再演メインカット解禁用_2017
大空ゆうひ 池田純矢 橋本じゅん 哀川 翔 相葉裕樹 青木さやか 中川晃教 

一昨年秋に上演され、第23回読売演劇大賞 演出家部門優秀賞を受賞した傑作ミュージカル『HEADS UP!』の待望の再演が決定し、全キャストと公演日程が発表された。

ミュージカル『HEADS UP!』は、2015年11月にKAAT神奈川芸術劇場で初演された日本のオリジナルミュージカル。初演時、KAATではわずか12公演ながら幕が開くや否やその評判は口コミで広がり、大盛況のなか幕を閉じた。いわゆる”バックステージもの”で、業界あるあるやお仕事あるあるといったエッジのきいた笑いは、ミュージカルファンのみならず全てのエンタメファン、ひいては、誰かの為に懸命に働くすべての大人に向けた応援歌でもあり、「また観たい!!」と熱望されていた。

今回の再演は規模を大きくして、2017年12月14日〜17日までKAAT神奈川芸術劇場にて上演されるのを皮切りに、富山・長野・大阪・愛知・山梨、そして2018年3月2日〜12日までTBS赤坂ACTシアターにて公演を行う。

【物語】
ミュージカルファンなら誰もが知る”あの名作”が1000回目の公演を終え、華々しく終了する、はず…だった。しかし、主演俳優の鶴の一声で、某地方都市の古い劇場で1001回目を上演することに! 
さあ、現場はてんやわんや。舞台美術は廃棄済み、スタッフの人手も足りない、キャストのスケジュールも押さえていない…。さらに、舞台の総指揮を執るのはこの作品が初めて、という新人舞台監督!とんでもない条件の中でもスタッフたちは必死に幕を開けようと奮闘する。幸か不幸か、チケットは完売、つまり観客が待っている!!
果たして幕は無事に開けられるのか…。そして主演俳優が1001回目の上演にこだわった理由とは…?
 
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2015年の初演舞台写真

原案・作詞・演出を務めるのは数多の舞台作品を創り続けてきたラサール石井。かねてより、客席から観ているだけでは到底想像のつかない【舞台制作のスタッフワーク】にスポットを当てた群像劇を描きたい、と想いを熱くするも、さして珍しくもないバックステージもののミュージカル、且つ主人公の職業は、その仕事内容が一般的に知られていない「舞台監督」…と、中々実現には至らず、構想を練ること10年。ついに、ウィットに富んだ笑いと人間の機微を丁寧に描き出す筆力に定評のある倉持裕による脚本、さらに、幅広いジャンルの音楽に精通している玉麻尚一が音楽を手掛け、石井自らの演出でミュージカル『HEADS UP!』が誕生した。
一度聴いたら忘れられないメロディーと、エスプリの効いた笑いにドタバタコメディー、そして登場人物の心情を描き出す緻密さが、見事な化学反応を起こし、ミュージカルファンだけでなく全てのエンタメファン、そして裏舞台で懸命に働く大人全てに向けた人間賛歌となっている。
主演の舞台監督には哀川翔、新人舞台監督に相葉裕樹、彼らとともに奮闘する演出部の橋本じゅん、制作部の青木さやか、女優役の大空ゆうひ、劇場担当役の中川晃教といった初演メンバーに加えて、新たに演出部のアルバイト役に池田純矢が初参加、まさに個性豊かなキャスト陣が集結した。

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2015年の初演舞台写真

【コメント】

この公演を代表してラサール石井と哀川翔のコメントが届いた。

原案・作詞・演出/ラサール石井 
初演が「舞台愛に溢れた、日本発のオリジナルミュージカル」と大好評、大成功に終わった『HEADS UP!』、その再演が早くも決まりました。しかもキャストの大半がそのままで!
今回は神奈川芸術劇場を皮切りに地方をまわり、TBS赤坂ACTシアターに帰ってきます!
前回見逃した方は是非、ご覧になった方も、バージョンアップした『HEADS UP!』を再度御体験ください!

主演/哀川 翔 
ミュージカル界の実力者達と又、ご一緒出来るなんて、幸運です。力の限り頑張ります。


※この公演の初演レビューはこちらで掲載
http://takarazuka-j.blog.jp/archives/1849521.html 

〈公演情報〉
ミュージカル『HEADS UP!(ヘッズアップ!)』
原案・作詞・演出ラサール石井
脚本倉持 裕
作曲・音楽監督玉麻尚一
振付川崎悦子 
出演哀川 翔 相葉裕樹 橋本じゅん 青木さやか 池田純矢
今 拓哉 芋洗坂係長 オレノグラフィティ 陰山 泰
岡田 誠 河本章宏 新良エツ子 井上珠美 外岡えりか
大空ゆうひ 中川晃教 ほか
●神奈川公演 2017/12/14〜17◎KAAT神奈川芸術劇場
●東京公演 2018/3/2〜12◎TBS赤坂ACTシアター
富山・長野・大阪・愛知・山梨 ほか 地方公演◎2018年1月〜2月 
〈公式ホームページhttp://www.m-headsup.com/






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