えんぶ本誌の宝塚記事取材の機動力を生かして、宝塚歌劇の製作発表、会見などをいち早く紹介。 宝塚OGの公演やインタビューのほかに公演の批評なども展開しています。

えんぶ最新号

宝塚宙組が臨んだ新たな挑戦の舞台『白鷺の城』『異人たちのルネサンス─ダ・ヴィンチの描いた記憶─』

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栄えある創設20周年を迎えた宙組初の日本物ショーである─本朝妖綺譚─『白鷺の城』と、万能の天才レオナルド・ダヴィンチの若き日にあったかも知れない恋を描いたミュージカル・プレイ『異人たちのルネサンス─ダ・ヴィンチが描いた記憶─』が東京宝塚劇場で上演中だ(24日まで)

─本朝妖綺譚─『白鷺の城』は、陰陽師・安部泰成(真風涼帆)と人心を惑わす妖狐・玉藻前(星風まどか)が千年に渡って転生を繰り返しながら、相争いつつ惹かれ合う姿をショー形式で描いた大野拓史の作品。江戸時代初期の魑魅魍魎が巣食う「白鷺城」からはじまり、平安時代後期、泰成と玉藻前の間にある運命のそもそもの起点となった平安時代中期の泰成の祖先を巡る物語、陰陽道を学びにきた遣唐使が九尾の狐の結界を解く古代中国、戦国時代の北関東、と巡って「白鷺城」に帰り、更に稲荷神社の祭礼の夜へと巡っていく流れになっている。

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作・演出の大野拓史は、宝塚の日本物ショーには大きく分けて見取りのバラエティー形式のものと、ストーリー性を有する舞踊詩があるとプログラムの作者言で述べている。前者は「選り取り見取り」から来ている様々なシチュエーションの舞踊を並べた、多種多様なスター性が見られる形式の利点はあるが、その違いを表現する引き出しが求められ、日本物の上演経験の少ない宙組にはいささか不利な面があると説く。一方、後者は歌と舞踊でストーリーを綴っていく形式で、ミュージカルがあくまでも芝居、散文であるのに対して、詩的な情感に重きを置くもので、一貫した状況がある取り組み易さの反面、変化に乏しくなる傾向のある形式だという。この解説は非常に簡潔で分かりやすく、今回の『白鷺の城』はその双方を合体させることで、両者のメリットとデメリットを克服しようとしたものだ、という作者の狙いもなるほど良く伝わってくる。実際に舞台は、泰成と玉藻前の祖先から受け継がれた定めによる結びつきという太い線を通しながら、各場面に大きな変化があり、当然ながら装束も振付も場面によって見事に変化するし、陰陽師と妖しの者の結びつきを映像も交えて描いた新しさもあって、45分間という上演時間が更にあっという間に感じられるテンポの良さも持っている。

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ただ一方で、これは日本物ショーに限らず大野拓史作品に常に横たわる問題なのだが、プログラムの解説に事細かに記されている、作者の知識量と登場人物や場面に込められた想いが、舞台を観ているだけでは理解しきれない側面がある。これが今回の作品にも立ち現れているのは否めない。特にプログラムの場面解説で「〇〇は語る」という言葉が度々出てくるが、当然ながら実際の舞台の上では台詞として発せられる訳ではないから、多くは想像力で補填しなければならない。もちろんこれはバレエ作品も同様だから、ショー作品を創る上でこの扱いは極めて正しいが、ここまで各場面の設定が緻密で複雑だと、マイムだけで全ての流れを理解するのはかなり難しくなってくる。それでいて「理解しなくて良い、感じれば良い」というほど抽象的な作風ではなく、極めて高い物語性を有している作品だから、どうしても受け手が理解しなければと思う分「何がなんだかわからなかった」に陥る危険性もまた高くなってしまう。陰陽師と妖しの者が転生を繰り返しながら強く惹きつけ合っていく、という設定がとても魅力的なだけに、この提示はあまりにももったいなかったと感じる。何故なら基本的に、全ての登場人物に深い背景があり意味があるとする大野拓史という劇作家の作風が、本来極めて散文的だからだ。感性だけを伝える詩の世界と大野の作風には開きがあって、時には演劇さえ飛び越えて小説世界のようでさえある作品を発表してきた作家が、自作に舞踊詩の要素を取り入れようとしたそのチャレンジ精神はおおいに買うが、やはりその世界観には乖離があった。ショー作品として考えると役柄が極端に少なく、宙組の多くのメンバーがアンサンブル状態だったのも一考を要する点で、着想が素晴らしいだけに、もう一度芝居として大野がこの作品に取り組める機会があることを願いたい。

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その中で陰陽師・安部泰成に扮した真風涼帆と、妖狐・玉藻前の星風まどかがトップコンビであること、この二人はどのような装束でどんな時代に立ち現れてもコンビである、という宝塚歌劇の約束事が作品を格段に観易くしたのもまた間違いない。特に真風の星組時代に培った日本物経験が大きく舞台に貢献したし、陰陽師という特殊な能力を持つ人物のミステリアス感が、真風の個性ともピタリと合っていて、物語に大きな芯を通して魅力的だった。その分日本物初挑戦でこの役柄を演じた星風まどかの負担は大変なものだったと思うし、宝塚歌劇の日本物と言えばの重鎮・松本悠里が出演しているだけに、松本の曲線と星風の直線の違いが立ち現れたが、これはむしろ違って当然。懸命に奮闘した星風の経験値の蓄積を期待したい。
変則的な「チョンパ」と言えるプロローグに続く平安時代のセンターと、戦国時代の軍師岡見宗治の芹香斗亜が、華やかに場面を支えてやはりこの人も花組時代に蓄えてきた日本物経験を活かし、二番手男役の矜持を示したし、松本の葛の葉の夫である安部保名の愛月ひかるが、一場面に集約された役柄を実に美しく務めている。宮本無三四の桜木みなとの存在感が骨太さを増し、同じ役割の明覚の寿つかさと共に、導入部分の説明役をよく担っていた。他に目立つのが鳥羽上皇の凛城きらと、白拍子や戦国時代の女性・八重などの天彩峰里ぐらいというのが、前述したようにショー作品としては残念な部分で、録音とは言え松本悠里に台詞があったのはいつぶりだろう…とにわかには思い出せないほど多くの挑戦を含んだ舞台が、別の形で発展してくれることを期待したい。

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そんな異色のショー作品の後に位置したのが、ミュージカル・プレイ『異人たちのルネサンス─ダ・ヴィンチが描いた記憶─』で、田渕大輔の作品。『王妃の館』で大劇場デビューを果たした田渕の大劇場二作目にして初のオリジナルもので、万能の天才として知られるレオナルド・ダ・ヴィンチの、若き日にあったかも知れない恋が、名画「モナ・リザ」の誕生秘話に絡めて描かれていく。と書けばもちろんすぐにわかるように、実在した人物を使った架空の物語なのだが、この作品から立ち上がるものが、劇作家・田渕大輔の心象風景にどうつながっていくのだろうか?にやや複雑な感情も抱いた。


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と言うのも、主要な登場人物たちの性格がいずれもかなり拗れているのだ。野心と支配欲の塊のフィレンツェの統治者ロレンツォ・デ・メディチ。聖職にありながら大きな陰謀を企てる為に、美しい少女を洗脳してきたフィレンツェ司祭グイド。兄・ロレンツォに全ての望みを握りつぶされていると憤り続ける弟のジュリア—ノ。ロレンツォの完璧な妻を演じつつ、復讐の為に弱い者を殺めることも厭わないクラリーチェ。敬愛も友情も恩義も金貨の前には意味をなくす少年・サライ。仮に今の世であるなら、誰しもがカウンセリングを受けた方が良いのでは…と思わされる人々の思惑が交錯する中で、少年の日の淡い恋、聖少女の面影を追い続ける主人公レオナルド・ダ・ヴィンチと、周りの男性ほぼ全てから求められながら、自らが罪深きものだと思い込まされているヒロイン・カテリーナが居並ぶと、メディチ家を陥れたいと画策するフランチェスコの存在が、むしろスコンと明快に感じられるくらいだ。この展開だと、タイトルにある「異人たち」=普通の人とは違って優れた人という、当然万能の天才レオナルド・ダヴィンチら、芸術家たちにかかっていると思われた言葉は、或いは一癖も二癖もあり過ぎる周りの人物たちのことだったのか?と思わされた。

もちろんだからこそ、レオナルドの純愛が清らかに浮かび上がる様は宝塚歌劇の香り深いものだったし、人が空を飛ぶ装置の開発とカテリーナの心の開放を重ねた場面は、伸びやかに美しい。空を飛ぶ小鳥に託した冒頭から続くメタファーも効いていて、作者が歴史の事実の行間に見出したものと、描こうとした世界の魅力もよくわかる。ただ、例えば史実としてこの時点でロレンツォが落命するはずがないとしても、場面の描き方としてはどう見ても命を落としたようにしか見えないに始まる、作者にとっては当然のことが、受け手にとっては混乱を招くものになるのは、やはり舞台芸術の表現としては一考を要するのではないか。舞台上で活躍する登場人物が少なく、新人公演主演経験を持つ男役たちが、レオナルドの工房仲間に終始しているのも惜しまれる。脇の役柄を活躍させる為の酒場のダンスシーンや、カーニバルのシーンをもうひと息華やかに盛り上げるだけで、全体の印象はずいぶん変わってくるだろうし、今回は大野の日本物ショーも役柄が少なく、二作品が似た問題を抱えていたことも影響しあったと思う。事実、物語が終わった後のフィナーレの小粋さ、楽しさは比類ないものだったから、この田渕の持つセンスが、作品の中にも活かされていくことを期待したい。

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その中で、レオナルド・ダ・ヴィンチに扮した真風涼帆が、心の中にある聖少女を真っ直ぐに思い続ける青年として、主人公をてらいなく描いたのが、作品の清涼剤になっている。天才の若き日を描いた作中には、ほとんど芸術家としての葛藤は描かれていないものの、真風本人の持つ神秘性が余人とは違う雰囲気を自然に醸し出して、役柄に陰影を与えた効果は絶大で、フィナーレナンバーの女役たちを率いた場面のカッコ良さと共に、作品を見事に牽引していた。

ヒロイン・カテリーナの星風まどかは、周りの男性たちから求められることさえも、自分の罪深さ故と思いこまされているという非常に難しい設定の役柄な上に、名画とリンクする必要もある極めて高いハードルに立ち向かっている。正直若くしてトップ娘役に上り詰めた星風には、あまりにも大きな要求だったと思うが、髪型などにも懸命な工夫が見え、選ばれし者の責任を全うしようとする気概が感じられた。

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ロレンツォ・デ・メディチの芹香斗亜は、色濃い役柄でも品位を失わないこの人の個性が上手く作用して、魅力的な色敵役になった。役自体にドラマチックさがあるし、冒頭からの展開がややわかりにくい脚本上の問題を、美しき為政者としてきちんとねじ伏せた姿に、芹香の男役としての充実が見えていて頼もしい。

グイド司教の愛月ひかるは、謂わばこの作品のラスボス的役どころ。初登場時から食わせ物感を漂わせながらも、スッキリと美しい男役美は崩さなかったところに、こうした役柄を数多く演じてきた愛月の経験値の高さが現われている。この作品の後の博多座公演を最後に専科への異動が発表されていて、宙組の生え抜き男役としての期待が高かっただけに寂しい想いも強いが、こうした役柄を楽々と演じているのを見ると、各組に必要とされているからこその異動なのだろう。更に様々な経験を積んで、より大きな男役として飛翔する未来に期待したい。

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ジュリア—ノ・デ・メディチの桜木みなとも、非常に難しく捻じれている役柄だけに、本人の爽やかな持ち味が大きな救いになっている。長髪の鬘もよく似合い、もう少し性格的に素直なら申し分のないプリンスなのに、と思わせたのは桜木の力技に他ならず、成長著しい。他の宙組期待の若手男役たちの和希そら、留依蒔世、瑠風輝、また宙組男役の層の厚さを感じさせる澄輝さやと、蒼羽りくが、グループ芝居の中で懸命に役柄に個性を持たせようとしている健気さが宝塚の美徳そのもの。一方よく書き込まれているフランチェスコ・パッツィの凛城きらや、レオナルドらが集う工房の主ヴェロッキオの松風輝が、それぞれ味のある演技を披露。星吹彩翔、美月悠、風馬翔などの演技派にも同様の働き場があればと思うし、特にこの作品で退団する風馬には、酒場の歌手など目を引く場面もあるものの、宝塚の男役の最後に是非芝居も観たかった。
娘役ではロレンツォの妻・純矢ちとせの存在感は別格として、遥羽ららの愛らしさはやはり貴重だし、少女時代のカテリーナの夢白あやの美しさがひと際目を引くだけに、この役柄がもっと効果的に描かれていたら作品がより引き締まったと思う。中で非常に大きな役柄だが、宝塚歌劇としてここまで救いがない描き方も珍しいという、盗癖のある少年サライの天彩峰里が、果敢に役柄に体当たりしているのも印象的だった。

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他に珍しく大きな役柄ではないだけに、宙組のもうひとつの顔としての存在が静かに主張されている組長の寿つかさと副組長の美風舞良以下、短いながらももうひとつの作品を観た!と思えるほど充実感のあるフィナーレを含めて、難しい並びの作品に挑んだ宙組メンバーの奮闘が際立つ舞台となっていた。

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初日を控えた11月23日通し舞台稽古が行われ、宙組トップコンビ真風涼帆と星風まどかが作品への抱負を語った。

囲み真風

まず作品の見どころを問われた真風は、「宙組が誕生してから初の和物ショーということで、お化粧や着こなしなど課題が多かったのですが、大劇場公演を経て育んだ力をさらにパワーアップしてお見せできたらと思っております。お芝居は今の宙組に当てて描いて頂いたオリジナルなので、そこを観に来てくださった方々にも楽しんで頂けたらと思いますし、私自身は、まだまだ謎の多い人物であるレオナルド・ダ・ヴィンチということで、彼の追い求めた真実の愛や、出会う人々との関係性を日々繊細に丁寧に演じていけたら」と真摯に語った。

囲み星風

また星風は「日本物のショーはお芝居仕立てで、場面毎に色々なお色が出ていると思うので、 そこが見どころだと思います。お芝居も宙組生が集中してその日その日を生きているところが人物と重なって、繊細に描かれてるいると思うので、そこを観て頂けたら嬉しいです」と、両作品への想いを述べた。

囲みトップコンビ1

他に、和物作品への経験が深い真風が、星風を自然にリードしていることや、オリジナル作品ならではのやり甲斐を、互いが持っていることが伝わり、創設20周年を迎えた宙組がトップコンビ中心に更に未来を目指していることが感じられる時間となっていた。

囲み全身

尚、囲み取材の詳細は、舞台写真の別カットと共に1月9日発売の「えんぶ」2月号に掲載致します。どうぞお楽しみに!

〈公演情報〉
宝塚宙組公演
─本朝妖綺譚─『白鷺の城』
作・演出◇大野拓史
ミュージカル・プレイ『異人たちのルネサンス─ダ・ヴィンチが描いた記憶─』
作・演出◇田渕大輔
出演◇真風涼帆、星風まどか ほか宙組
●11/23〜12/24◎東京宝塚劇場
〈料金〉SS席 12,000円、S席 8,800円、A席 5,500円、B席 3,500円(税込)
〈お問い合わせ〉0570-005100 宝塚歌劇インフォメーションセンター



【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】



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劇作家たちの創作の苦闘を笑いとともに描くブロードウェイ・ミュージカル『サムシング・ロッテン!』上演中!

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福田雄一の最新作ブロードウェイ・ミュージカル『サムシング・ロッテン!』が、12月17日から東京国際フォーラム ホールC で上演中だ。(30日まで。そののち2019年1月11日〜14日◎大阪 オリックス劇場で上演)
 
本作は、1990年代にケイリーとウェインのカークパトリック兄弟のアイデアから始まり、2015年にブロードウェイで上演。アメリカの演劇・ミュージカル界で最も権威ある賞であるトニー賞で9部門ノミネート、1部門受賞という快挙を成しとげた。タイトルの「Something Rotten!(サムシング・ロッテン!)」とは、「何かが、腐っている!」という意味。ハムレットの一節からの引用で、こんなふうに複数の戯曲、ミュージカル作品へのオマージュが散りばめられたコメディミュージカルだ。

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物語の背景は16世紀末。絶大な人気を誇るウィリアム・シェイクスピアを相手に、ニックとナイジェルのボトム兄弟が競いながら、舞台芸術業界で成功を目指す。『コーラスライン』、『アニー』、『レ・ミゼラブル』などの人気ミュージカル作品や、シェイクスピア作品を彷彿とさせるシーンの数々が、舞台・ミュージカルファンの心をくすぐる作品となっている。
 初の日本語版上演では、演出・上演台本を現代のヒットメーカーであり、「笑い」と「ミュージカル」をこよなく愛する福田雄一が手がけ、出演者は中川晃教、西川貴教、瀬奈じゅん、橋本さとし、平方元基、清水くるみと豪華なキャスト陣が熱い舞台を繰り広げている。 

【あらすじ】
ルネサンス時代のイギリス。売れない劇作家であるニック(中川晃教)は弟のナイジェル(平方元基)と共に自身の劇団を運営していた。
時代の寵児であり、スーパースターの劇作家シェイクスピア(西川貴教)にニックは対抗心をむき出しにするが、劇団運営に行き詰まり、妻ビー(瀬奈じゅん)の目を盗んで予言者ノストラダムス(橋本さとし)のもとを訪ねる。そして、彼のお告げに従い、世界初の歌って踊る「ミュージカル」を書こうと決意するのであった。
その後もノストラダムスのもとへ通うが、出てくるのは頼りない予言ばかり…ヒット確実な作品タイトルは『オムレット』(実は『ハムレット』の間違い)だと言われ、ニックはミュージカル『オムレット』を生み出すために悪戦苦闘する。
作家の才能を秘めている弟のナイジェルは、兄の言うことを聞きつつも「卵の物語なんか書きたくない!」と思い悩む。そんななか、出会った美しい清教徒の娘ポーシャ(清水くるみ)と恋に落ち、新たなインスピレーションが生まれていた。
一方、『ロミオとジュリエット』に続く大ヒット作を書かねば」と人知れず思い悩んでいたシェイクスピアは、以前からナイジェルの才能に目をつけていて、彼からなんとか次作のアイデアを得ようと画策する。そして「トービーベルチ」と名乗る役者に化け、ニックの劇団に潜入し、後の大ヒット作となる『ハムレット』の土台となるアイデアをどんどん盗んでいくが…
 
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時代はルネッサンスへと遡る。ニックとナイジェルのボトム兄弟は、劇団を運営しているが借金だらけ。流行作家シェイクスピアへの対抗心に燃えるニック。

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志があるもののうまくいかないニックに、夫を心から愛している妻のビー(瀬奈じゅん) は、助け合うのが夫婦、と働きに出ることを思いつく。
 
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予言者トーマス・ノストラダムス(橋本さとし) に会いに行ったニック。未来では「ミュージ力ル」が大流行すると予言するノストラダムス。

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南ロンドンの路上でナイジェルとポーシャ(清水くるみ) が偶然の出会いをする。惹かれあう若い2人。 
詩が好きで才能あふれるナイジェルとキュートなポーシャだが、彼らの恋は波乱万丈だ。 

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庭園での朗読会で、ウィリアム・シェイクスピア(西川貴教) が登場。待ちかねた民衆が熱狂する。

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シェイクスピアは才能あるナイジェルに近づこうとしていた。

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シェイクスピアは「トービーベルチ」と名乗る役者に化け、ニックの劇団に潜入する!

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シェイクスピア作品や有名ミュージカルをネタに織り込み、荒唐無稽なストーリーで展開するミュージカルだが、中川晃教と西川貴教という希代のエンターテイナー2人の共演というゴージャス感のうえに、瀬奈じゅんや橋本さとしが華やかに力強く舞台を彩り、平方元基と清水くるみの若々しさ甘さが加わり、アンサンブルはじめ、脇役たちのダンスや歌も迫力満点、見どころ満載の舞台となっている。 
福田雄一らしい出演者ネタや日本のミュージカル界の小ネタなどもふんだんに混ぜ込んであり、一度ではキャッチできないほどの情報量が、これでもかというほど押し寄せる。
笑い疲れるほど笑ったあと、物語の通奏低音として織り込まれているクリエーターであることの苦悩、家族や恋人への愛、そしてバカバカしいほど一生懸命に生きる人間たちの姿、そんな真っ当なことが心に残るミュージカルだ。


〈公演情報〉
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ミュージカル『サムシング・ロッテン!』
作詞・作曲◇ウェイン・カークパトリック、ケイリー・カークパトリック
脚本◇ケイリー・カークパトリック、ジョン・オファレル
演出・上演台本◇福田雄一
出演◇中川晃教 西川貴教 瀬奈じゅん
平方元基 清水くるみ/橋本さとし ほか
●2018/12/17〜30◎東京 東京国際フォーラム ホールC
〈料金〉S席12,500円 A席9,500円 B席7,000円(全席指定・税込)    
●2019/1/11〜14◎大阪 オリックス劇場
〈料金〉平日:S席11,000円  A席8,000円  B席6,000円
    土日祝:S席11,500円  A席8,500円  B席6,500円
〈お問い合わせ〉キョードー東京 0570-550-799 (オペレーター平日11:00〜18:00、土日祝10:00〜18:00)

【文/榊原和子 撮影/友澤綾乃】



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霧矢大夢が主演するヴェデキント『LULU』共演者発表!

『LULU』宣伝ビジュアル縦(撮影:宮田浩史)

霧矢大夢が2019年3月、主演するドイツの名作戯曲『LULU』。その公演の共演者など詳細が発表された。
『LULU』は『春のめざめ』などで知られる、ドイツの劇作家フランク・ヴェデキントの『地霊』と『パンドラの箱』の二部作を一作品としてまとめた物語。ドイツ演劇を専門とする演出家小山ゆうなが満を持してドイツの名作戯曲に取り組む。今回はこの2部作から『パンドラの箱』に焦点をおき翻案。演劇ユニットunrato(アン・ラト)のプロデュース公演として、現代化して上演する。

霧矢大夢 プロフィール写真

波乱の人生を送るルルに挑むのは霧矢大夢。元宝塚歌劇団月組トップスターで、退団後はミュージカルを中心に活躍。『I DO! I DO!』(2014年)では読売演劇大賞優秀女優賞を受賞。2019年1月にはミュージカル『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』、6月にはミュージカル『ピピン』の出演が控えている。
演出の小山ゆうなは、昨年の舞台『チック』で読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した注目の演出家。今回は小山の曾祖父である楠山正雄の翻訳を元に、上演台本も手がける。霧矢大夢と小山ゆうなは初顔合わせとなる。

共演者は、劇団四季出身の広瀬彰勇と文学座の中村彰男というベテラン実力派、演劇集団キャラメルボックスの看板俳優・多田直人、声優としても活躍する山本匠馬、元宝塚歌劇団娘役トップスターの紫城るい、翻訳劇に定評のある雷ストレンジャーズの霜山多加志と多彩な顔ぶれが揃った。音楽は松田眞樹の書き下ろしで物語を彩ります。

中村彰男広瀬彰勇多田直人
中村彰男 広瀬彰勇 多田直人 
山本匠馬紫城るい霜山多加志
山本匠馬 紫城るい 霜山多加志 


【あらすじ】
町で拾った少女ルルを連れ帰り育てたシェーンは、彼女に惹かれながらも官僚の令嬢と婚約し、ルルは老ゴル博士に嫁がせる。
カメラマンのシュヴァルツのスタジオ。若き妻、ルルを撮影させるゴル。シュヴァルツ、シェーンの息子で劇作家のアルヴァ、画家のゲシュヴィッツはルルに出会い、魅了されていく。
ルルはシュヴァルツと愛し合うようになるが、その現場を目撃したゴルは怒りでショック死する。
ルルはシュヴァルツと結婚。しかし、真面目すぎるシュヴァルツに飽き始めるルル。そこへ、ルルの父親を名乗るシゴルヒがやってきて金をせびり、シェーンはルルの過去の秘密を暴露。絶望したシュヴァルツは自殺する。
シェーンは、息子のアルヴァに舞台を書かせ、ルルを踊り子として出演させ成功する。そして、ルルは権力者であるシェーンの妻の座を手に入れる。
だが、奔放な関係を続けるルルに逆上したシェーンはピストルを突きつけ、逆にルルに殺されてしまう。
ルルを求めるゲシュヴィッツは、シェーン殺害の罪で収監されたルルのため、自らルルと入れ代わり救い出す。
逃亡の果てに娼婦となったルルは4人の客をとる。
その4人目の客が切り裂きジャックだった…。

主人公・ルルは“ファムファタル”の代表とされているが、今回は、ただ男性に翻弄される女性ではなく、また男性を翻弄する女性でもなく、あくまでも自分に忠実に生きた知的で自由な女性として現代によみがえらせる。資本主義をベースに男性中心で築かれて来た社会構造が変わろうとしている今、新しい男性像・女性像の魅力的なあり方、そしてこれからの女性の自由や権利の本質を探る舞台を目指す。

〈公演情報〉
unratoプロデュース
『LULU』
原作◇F・ヴェデキント(「地霊/パンドラの箱」より)
翻訳◇楠山正雄
上演台本・演出◇小山ゆうな(雷ストレンジャーズ)
出演◇霧矢大夢
広瀬彰勇 多田直人 山本匠馬 紫城るい 霜山多加志 中村彰男
●2019/2/28〜3/10◎赤坂RED/THEATER
〈料金〉一般7,800円/学生5,000円(全席指定・税込) 
  2/28、3/1:プレビュー6,500円(全席指定・税込)
〈一般発売〉2019年1月19日(土)10時〜
 





『暗くなるまで待って』


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シリーズ第5弾『I Love Musical〜GIFT あなたに贈る詩〜』5月に開催!

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岡田浩暉・戸井勝海・原田優一・藤岡正明
咲妃みゆ・田村芽実・林 愛夏・北翔海莉・松原凜子
 
ミュージカルコンサート「I Love Musical」、その第5弾となる今回は、『I Love Musical〜GIFT  あなたに贈る詩〜』として、運河沿いにできた新しい街のランドマーク「晴海トリトンスクエア」の中に
ある第一生命ホールで行われる。

今回のキーワードは《GIFT》。
家族・友人・恋人などなど…《GIFT》を贈る関係性やシチュエーションは様々。
具体的な《あなた》、具体的な《シーン》を思い描きながらお楽しみいただく“今、
あなたに贈りたい豪華なラインナップを目指す。
ディズニーミュージカルの『美女と野獣』、『アラジン』、“ザ・ミュージカル”ともいうべき『レ・ミゼラブル』、『ミス・サイゴン』、『エリザベート』などの王道な楽曲はもちろん、ポップスなどの様々なジャンルのナンバーも取り混ぜ、このステージでしか観ることのできないソロ、デュエットも必見!

【披露予定候補曲】 
■On My Own(レ・ミゼラブル)
■ONE DAY MORE(レ・ミゼラブル)
■世界が終わる夜のように(ミス・サイゴン)
■だったらいいな(マイ・フェア・レディ)
■ひとかけらの勇気(スカーレット・ピンパーネル)
■Your Song(ムーラン・ルージュ) 
■The Greatest Show(グレイテスト・ショーマン)
■This Is Me(グレイテスト・ショーマン)
■スーパースター (ジーザス・クライスト=スーパースター)
■You Can‘t Stop The Beat(ヘアスプレー)
■A Whole New World(アラジン)
■バルコ

 
〈公演情報〉
『I Love Musical〜GIFT  あなたに贈る詩〜』
構成・演出◇板垣恭一
音楽監督◇鎌田雅人
出演◇(※男女別 50 音順)
岡田浩暉・戸井勝海・原田優一・藤岡正明
咲妃みゆ・田村芽実・林 愛夏・北翔海莉・松原凜子 ほか
●2019/5/5・6◎第一生命ホール (東京都中央区晴海1-8-9 晴海トリトンスクエア内)
〈料金〉SS席11,800円 S席9,800円 A席7,800円(全席指定・税込)
〈一般発売〉2019年2月9日(土) 10 時
〈お問い合わせ〉る・ひまわり 03-6277-6622(平日 11〜18 時)
公演HP〉http://ilove-musical.jp




『暗くなるまで待って』


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