宝塚ジャーナル

花・虞美人 凰稀かなめ、ユナク出演

白井演出で更にファンタジックな舞台に!ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』公開稽古レポート

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世界中にファンを持つティム・バートンの監督作品をもとにした、ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』が、2月7日、日比谷の日生劇場で、待望の日本初上陸の幕を開ける(2月28日まで)。

家族の愛を、ティムバートンならではのファンタジックな色彩で描いた2008年の大ヒット映画が、ブロードウェイの舞台にミュージカルとして蘇ったのは2013年のこと。映画世界の物語の魅力はそのままに、アンドリュー・リッパによる美しい音楽と詞と、心躍るダンスに彩られた舞台は、更に大きな感動を巻き起こし喝采を集めて来た。
 
そんな作品の本邦初演となる今回の上演は、『ロンドン版 ショーシャンクの空に』『アダムス・ファミリー』『No.9〜不滅の旋律〜』『マホガニー市の興亡』など、数々の舞台で確かな演出力を発揮し、話題作を作り続けている白井晃が演出を担当。自らの体験談を、空想の世界にまで広げて語る父親エドワード・ブルームに川平慈英、その妻サンドラに霧矢大夢、父親の誇大な話を長じるにつれ素直に聞けなくなり、それがいつしか親子の溝となっている息子ウィルに浦井健治、その妻ジョセフィ—ンに赤根那奈、をはじめとした個性豊かな実力派俳優達が集結して創り上げられる日本版『ビッグ・フィッシュ』に大きな期待と注目が集まっている。
そんな舞台に向けての稽古が佳境を迎え、1月25日都内で公開稽古が行われた。

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まず稽古を前に、フォトセッションがあり、続いて演出の白井晃、出演者を代表して川平慈英からそれぞれ挨拶があった。
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白井 今日は『ビッグ・フィッシュ』の公開稽古にお越しくださってありがとうございます。この作品はティム・バートン監督の映画で有名なのですが、僕らがやっている作品はブロードウェイ版のミュージカルとして作られた『ビッグ・フィッシュ』です。2013年に作られたものなのですが、映画版とはまた違った形で楽しい音楽と、父親と息子の物語が強調された作品になっています。ご覧のようにですね川平慈英さんはじめ、浦井さん、赤根さん、そして霧矢さんと本当に個性的なキャストメンバーの皆さんに参加頂きました。もしかしたら…もしかしたら、ひょっとしてブロードウェイ版より良い作品になるんじゃないかと(川平の「来た〜!」という歓声で、キャスト陣から拍手)そんな予感がしております。と、手前味噌なんですけれど、それくらい充実した稽古をさせて頂いておりまして、楽しい雰囲気で作らせて頂いております。また今日は公開稽古で、稽古の途中段階ではありますが、皆様に観て頂ければ嬉しいです。よろしくお願い致します。

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川平
 川平慈英です。お寒い中稽古場まで足を運んでくださいまして、本当に感謝しています。ありがとうございます。まず楽しいです。本当に楽しいミュージカルに参加させて頂いて、その楽しさと喜びを感じながら稽古しています。個人的な話ですが、僕は今回劇中で3人の素晴らしい女優さんとキスさせて頂いておりまして、これはデカいです!(キャスト爆笑)、50を超えたおっさんが、霧矢さん、蘭々ちゃん、小林由佳ちゃんとね、白井さんありがとうございます!(会場からも笑い)でも冗談抜きに、素晴らしいチームと一緒に良いエネルギーになっています。圧倒的なミュージカルの楽曲と、ダンスとストーリー、これはもう感動間違いなしだと日々感じております。最後は特に感動的なシーンで、僕らも稽古していても涙が出てしまうんですけど、それくらい愛に満ち溢れた素晴らしい、温かいミュージカルになっております。東京の2月は1番寒い時期ですが、皆さんに日生劇場で心温まって、皆様と一緒に良い汗を分かちあっていいんです。2月は日生劇場で幸せになっていいんです!どうぞお客様にたくさんいらして頂けますよう、よろしくお願い致します。ありがとうございました。

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それぞれが、作品への手応えを感じていることが伺える力強い挨拶に続いて、1幕の通し稽古が行われた。

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川岸に佇むウィル(浦井健治)と、父親のエドワード(川平慈英)の会話から物語はスタート。結婚披露パーティを翌日に控えたウィルは、エドワードに得意の昔語りをしないで欲しいと何度も釘を差す。2人のどこかぎくしゃくした関係がこの短いシーンからすでに伝わってくる。

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時は遡り、ブルーム家のベッドルームで子供時代のウィルが父親に寝物語をねだっている。この幼いウィル役は鈴木福とりょうたのWキャストで演じられるが、この日は鈴木福が担当。ありものの童話を読み聞かせることに飽き足らないエドワードは、自身の子供時代、友人のドン(藤井隆)らと森に入って魔女に会った話を語って聞かせる。「ヒーローになれ」「おまえの欲しいもの」などのミュージカルナンバーにのって、舞台は華やかに展開。ベッドルームからの滑らかな展開が鮮やかだ。

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そこから物語は現代に戻り、ウィルの結婚披露パーティへ。妻・ジョセフィーン(赤根那奈)の妊娠を安定期に入るまでは隠しているつもりだったウィルの意向に反して、エドワードが「喜びごとを皆さんに伝えたい!」と話を公にしてしまったことから、2人の間の溝は決定的なものになってしまう。なんとか仲裁しようとする母サンドラ(霧矢大夢)の想いも虚しく、ニューヨークへ戻るウィルとジョセフィーン。それぞれの細かい表情の変化で、親子の関係を表す俳優たちの演技に見応えがある。

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だが、病院でジョセフィーンのお腹にいる子供が息子だと知ったウィルは、家族が増えること、自身が父親になることへの期待と不安の中で、自身の父親エドワードへの複雑な感情を吐露した「見知らぬ人」を歌う。思わず会場から拍手が沸き起こったほどの浦井の熱唱に、場が豊かに盛り上がる。

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一方エドワードは病を患っており、そのことをサンドラから聞かされたウィルは、父親の元に駆けつける。サンドラが夫と息子への思いを語るナンバー「わたしの人生のふたりの男性」がしみじみと美しい。だが、心配する息子夫婦にたいしたことはないのだと言い張るエドワードは、ジョセフィーンに昔の話を語りだす。「アシュトンで1番の青年」から続く、エドワードの夢物語は、舞台を一際賑やかな世界に誘う。ハイスクール時代のマドンナ・ジェニー(鈴木蘭々)らも加わり、何よりも川平の秀でたダンス力、軽快な動きが場を弾ませる姿は圧巻だ。

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父親の余命を悟ったウィルは、ジョセフィーンと共に父の創作物の整理をはじめ、それは同時に父の過去を旅することとなり、舞台はエドワードとサンドラが出会った、サーカスへと広がる。オーディションを受けにきたサンドラが踊る「アラバマの子羊」エドワードがサンドラに一目惚れをする「時が止まった」更にROLLY扮するサーカスの団長の強烈な個性で、舞台は更にテンポよく進む。1幕のラスト、遂にサンドラに想いを伝えたエドワードが手にするスイセンの花束から広がるのだろう、舞台一面の黄色が目に見えるような中、2人が愛を誓う「スイセン」のナンバーで1幕の通し稽古は締めくくられた。
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全体に感じられたのは、むしろ殺風景な稽古場でさえ、色鮮やかでファンタジックな舞台が容易に想像できる、実に滑らかな舞台の流れで、白井マジックと呼ばれる演出の白井晃の美しい舞台作りに感嘆させられる。川平のエンターティナーぶり、浦井の真摯な実直さ、霧矢の包容力と巧みさ、赤根の清新で真っ直ぐな視線などにはじまる、出演者の適材適所が心地良く、白井の言葉通り「ブロードウェイ版以上」の『ビッグ・フィッシュ』が生まれ出ることへの期待が高まる、本番の舞台にますます夢が膨らむ時間となっていた。

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〈公演情報〉
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ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
脚本◇ジョン・オーガスト 
音楽・詞◇アンドリュー・リッパ 
演出◇白井晃
出演◇川平慈英 浦井健治 霧矢大夢 赤根那奈 藤井隆 JKim 深水元基 鈴木福/りょうた(Wキャスト) 鈴木蘭々 ROLLY ほか
●2/7〜28◎日生劇場
〈料金〉S席 13,000円 A席8,000円 B席4,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉03-3201-7777(東宝テレザーブ)



【取材・文・撮影/橘涼香】



水夏希出演、アルジャーノンに花束を




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期待の若手作家競演による色濃い二本立て。宝塚花組公演『雪華抄』『金色の砂漠』

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明日海りお率いる花組が、新進気鋭の若手作家による冒険的な作品に挑むと同時に、トップ娘役花乃まりあの退団公演でもある宝塚花組公演、宝塚舞踊詩『雪華抄』トラジェディ・アラベスク『金色の砂漠』が、東京宝塚劇場で上演中だ(2月5日まで)

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まず前ものに用意されたのは、チョンパと呼ばれる、日本物に欠かせない幕開きの手法(暗転の中で緞帳が上がり、その間に居並んだ出演者たちが拍子木の「チョン」という音に続いて照明が「パ」っとカット・インする舞台に勢ぞろいしている形)で、華やかに開幕する日本ものレビュー『雪華抄』で、原田諒の作品。リンカーン、アル・カポネなど、歴史上に名高いが宝塚歌劇の主人公として取り上げるのは、いささかハードルが高いと思われてきた人物を、次々に宝塚の世界に引き込み、宝塚歌劇の枠を広げる作品を発表して、内外から注目を集めている気鋭の若手作家が初めて挑む、日本ものレビューとして、注目を集めている作品だ。

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全体は、紅梅白梅の初春で幕を開け、七夕幻想と波しぶきの夏、月光の秋から雪の冬、そして再びめぐりくる桜満開の春爛漫と、春夏秋冬を追った、王道の日本ものレビューの形をきちんと踏襲しているが、そこは常に新しい視点を宝塚に持ち込んできた原田のこと。彼の作品をきっかけに、宝塚でも数々の優れた仕事を重ねている装置の松井るみはもちろん、今回新たに衣装デザイン・監修にデザイナーの丸山敬太を起用して、慣れ親しんだ宝塚の和もの世界の雅やかではんなりした色調を、もう少し濃いくっきりとした色彩にシフトさせている。特に、作品の後半、秋から冬へ、そして再び春へとめぐる流れを、「清姫綺譚」と題された「安珍清姫」の情念の恋と、その昇華に持ってきたのが、これまで芝居を書いてきた原田ならでは。明日海りおの恐ろしいほどの美貌と、花乃まりあの突き詰めた表現が、この大きな流れによく合っていて、日本ものレビューを見ながら、何か物語を見たような気持ちにさせられる、妙味があった。

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それでいながら、宝塚の日本ものレビューに欠かせない存在である専科の松本悠里が舞う「花椿」の雅、明日海の鷹と柚香光の鷺が一騎打ちとなる「鷹と鷲」の鋭さ、二番手男役の芹香斗亜と、次期トップ娘役に決定している仙名彩世が、美しく舞う「七夕幻想」の柔らかさ、花組総出演で盛り上げる「波の華」など、組の陣容と出演者の個性を適材適所に配した流れも美しい。元々絵柄として場面を見せることに長けている原田に、レビューの演出をというのは、面白い視点だったと思わせた。総体に懐かしさと新しさが同居している日本ものレビューとなっていて、いつか原田の創る洋物のレビューも観てみたい気持ちにさせられたのは大きな収穫。今後の更なる活躍に期待したい。

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そんな美しく、でもどこか色の濃い日本ものレビューの後に登場したのが、トラジェディ・アラベスク『金色の砂漠』で、こちらもデビュー以来、その作品の完成度の高さが大きな話題を呼んで来た上田久美子の作品。プログラムの作者言によれば「エンターテイメントに徹っしよう!」との思いでスタートした作品作りだったとのことだが、どうして、どうして、宝塚歌劇としては、かなりの冒険作。非常にディープで、熱く濃い、狂気のような愛憎と情念の世界が展開されていく。

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物語は広大な砂漠の古代王国イスファンという架空の国で展開される。この架空の国というところが作者の眼目で、この国の王家には王子が生まれたら女の奴隷、王女が生まれたら男の奴隷を、「特別な奴隷」として1人ずつあてがい、共に成長させて身の回りいっさいの世話をさせるという仕来りがあった。と聞いただけで、どうしてその「特別な奴隷」が同性ではいけないのか、異性が四六時中共にいて育つのでは何かと話がややこしいのでは?と思うのだが、この疑問を「仕来りでございますから」の一言で押し通した作者の剛腕が、物語を怒涛のように展開させていく。
第一王女タルハーミネ(花乃まりあ)の特別な奴隷ギイ(明日海りお)は、身分こそ奴隷でありながら、誇り高く能力にも優れた美貌の男子として成長する。そんな彼が常に寝起きさえ共にして、やはり誇り高く、美しい女性へと花開いていくタルハーミネに想いを寄せないはずはない。もちろん王女も同様なのだが、奴隷に心惹かれる己を許せないプライドが立ちはだかり、2人の関係はうねりを起こしながら、張りつめた弦のような緊張を続けていく。そこに、王国の抱えるギイを巻き込んだ大きな秘密が横たわり、互いを支配することでしか想いを貫けない男女の愛は、憎しみと表裏一体となって砂漠に燃えてゆく……。

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まず基本的に宝塚の男役トップスターに奴隷を演じさせることには、相当高いハードルがあっただろう。宝塚の世界観の中には「女性が夢を見られる男尊女卑」という、実はかなり入り組んだ価値観が確かに存在していて、トップスターが虐げられる、しかも四つん這いになって足台になるなどという設定は、ただそれだけで嫌悪感を呼び起こす危険性が高い。そこに敢えて踏み込んだ上田久美子は、愛し合うことによって支配と被支配が逆転する男女の愛憎を、更に立て続く大きな出来事で二転三転させ、まさにアラベスクと題された通りの無限に展開していくドラマを仕立てた。貼られた伏線もきちんと回収しているし、そもそもの設定の大嘘は、他国の王子に疑問を呈させるなど目配りも周到で、命も罪も砕け散る美しい場所、砂漠のどこかにあるという「金色の砂漠」が指し示す、終幕への流れも壮絶だ。何より終盤のたたみ掛ける展開こそ駆け足の感が否めないが、子供時代の回想を含んだ時系列の飛翔を混乱なく提示したのは、やはり作者の確かな力量を感じさせた。一方で、主人公2人の情念と愛憎の世界があまりにディープなので、観ている側にも相当な体力が要求されるのもまた事実。コアなリピーターに最も大きく支えられている宝塚歌劇としては、あらゆる意味で挑戦的で、冒険的な作品だったと言えるだろう。

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そんなドロドロとした深く、濃い世界を支えたのは、類い稀な美貌と、真っ直ぐ役柄にのめり込んでいく芝居心とを持ち合わせた明日海りおというスターが、今花組で頂点にいたが故のことだ。この人の美しさの中には、どこかにほの昏い炎が燃えている凄味がある。それが愛と憎しみが隣あうこの世界を、ひたひたと満たして、この世ならぬ悲劇を、悲劇という名の狂気、ある意味ではすべてから解放され救われる道はここにしかなかったというラストシーンに至る、主人公がたどるドラマを支え切っていた。
同じことが花乃まりあにも言えて、宙組の愛らしい若手娘役だったところから、花組に移り、明日海の相手役を務めるに当たって、彼女が積み重ねたはずの研鑽のすべてが、この王女役に注ぎ込まれている。男役の前に対等に立ち、火花散る芝居のやりとりを怯むことなく演じきったのは、宝塚のトップ娘役としてはかなり稀な経験だったと思うが、美貌を誇る男役の相手役であること、ただ美しいだけでは食い足りないと評されてしまう、明日海りおの相手役というポジションを、この2人でなければ成立しなかったドラマで見事に締め括った。トップ娘役としての本懐を遂げた姿に拍手を贈りたい。

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この物語の語り部でもあり、主役2人と同じ立場でありながら、いつしか王女への愛も、王女からの愛も家族のような親密さに姿を変えて行く奴隷ジャーに扮した芹香斗亜は、柔らかで優しい持ち味が作品に一服の清涼剤となる効果を与えている。ドラマ全体の役割としては、常に一歩引いた傍観者である立場なので、二番手男役としては難しい立ち位置だったと思うが、この人がいなかったらドラマがどこまで殺伐としたことか、と思わせたのは芹香の存在感あったればこそ。相手役となる第二王女ビルマーヤ役の桜咲彩花の、童話の世界に出てくるお姫様をそのまま体現したたおやかさも良い。
 
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また、ヒロインの求婚者に扮する柚香光の、明日海とはまた違った直線的な美貌が作品のインパクトを高めている。奇妙な風習に疑問を呈したり、主人公が足台になる場面に「野蛮だな」と心情を吐露したりという、謂わば客席の反応の代弁者でもある役どころに、舞台に登場しただけで目を引き付ける柚香が扮した効果は絶大。ヒロインへの求愛も、これぞ宝塚男役のキメっぷりで、異色の作品と宝塚歌劇とのバランスをも担っていて頼もしい。
他に、王国が抱える闇を体現する存在である国王役の鳳月杏の色悪の魅力が、哀しみを湛えて生きる王妃役の仙名彩世の心の動きに説得力を与えて、この配役も見事。久しぶりに若々しい役どころが新鮮だった瀬戸かずやをはじめ、花野じゅりあ、水美舞斗、音くり寿などが目を引き、専科の英真なおきの好助演も得て、難しい作品に組全体で体当たりした様が、砂漠の熱風を生んでいた。

それにしても、フィナーレがついていて本当に良かったと思える重い作風は、翻せば上田久美子が宝塚のセオリーを巧みに利用しているのだとも言え、日本ものレビューの原田共々、若手ならではの攻めの姿勢にあふれた公演となっている。

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そんな公演の初日を前に、通し舞台稽古が行われ、花組トップコンビ明日海りおと花乃まりあが囲みインタビューに応じて作品への抱負を語った。

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まず何よりも、記者の質問は『金色の砂漠』の難しい設定に対して、苦労はなかったか?という点に集まったが、明日海からは「台本を読んだ時に、これは難しいと思った」という趣旨の素直な感懐が聞かれ、ただ愛しい、愛しているというだけでは済まない関係なので、千秋楽までが発展途上の日々だとの想いが語られた。

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また花乃も大劇場公演を終えても、まだまだこの作品をよくする為に何ができるかを考える毎日だとの言葉があり、千秋楽まで進化し続けるこのコンビらしい回答が揃った形となった。

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そんな状況であるだけに、公演中にはこれが退団公演だという想いには全く至らないという花乃に、明日海も芝居の間にはそのような気持ちがよぎらないでくれる方が良いので、千秋楽の幕が下りた時に役を生き抜いて、やりきったという想いで晴れ晴れと卒業して欲しいというエールが贈られ、ハードルの高い作品に共に立ち向かっていく、このコンビならではの決意が伝わる時間となっていた。

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尚、囲みインタビューの詳細は、本誌用の舞台写真と共に3月9日発売の「えんぶ」4月号に掲載致します。どうぞお楽しみに


〈公演情報〉
宝塚花組公演
宝塚舞踊詩『雪華抄』
脚本・演出◇原田諒
トラジェディ・アラベスク『金色の砂漠』
作・演出◇上田久美子
出演◇明日海りお、花乃まりあ ほか花組
●2017年1/2〜2/5◎東京宝塚劇場
〈料金〉SS席 12,000円 S席 8,800円 A席 5,500円 B席 3,500円 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京宝塚劇場 03-5251-2001





【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】




水夏希出演、アルジャーノンに花束を




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中村梅雀と大和悠河が共演する新橋演舞場『二月喜劇名作公演』まもなく開幕!

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新橋演舞場で2月1日から12日まで上演される舞台『二月喜劇名作公演』で、中村梅雀と大和悠河が初共演する。演目は「恋の免許皆伝」、この『二月喜劇名作公演』は2本立てで、もう1つの演目は喜多村緑郎と河合雪之丞の出演する「江戸みやげ 『狐狸狐狸ばなし』」となっている。

「恋の免許皆伝」は明治43年に初演され、松竹新喜劇で近年再演されている「四海波」(作・一堺漁人)を、門前光三が脚色・演出するもので、上方発祥の傑作喜劇。共演に新派の波乃久里子、松竹新喜劇から藤山扇治郎、曽我廼家八十吉らが出演する。

【あらすじ】
泉州岸和田藩の武芸指南役の娘浪路(大和悠河)は、父譲りの剣術の腕前に加えて器量よしで、若い藩士や門弟たちの憧れの的だ。その婿養子に名家の出で剣の使い手である高砂頼母(中村梅雀)を迎えることになった。人柄も容姿もいい頼母に浪路は一目で恋してしまう。だが婿の腕前を見る木刀での試合で、頼母は浪路に負けてしまう。己の未熟を恥じた頼母は、腕前を鍛えるための武者修行に出る。頼母を愛する浪路は待ち続け、20年の時を経て戻った頼母と再び対戦することに…。
3場構成で2人の40年後まで描かれる、笑えて泣ける物語となっている。

※公演フォトレビュー追加しました。(2月5日) 

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この「恋の免許皆伝」の主演をつとめる中村梅雀と大和悠河、2人を囲む記者取材会が1月23日に行われ、それぞれ抱負を語った。

──この物語でおふたりは場面ごとに20年経った姿で登場するそうですね?
梅雀 40年間という長きにわたる2人の愛を3場面で見せるというお芝居で、人生の究極の3日間です。僕は22歳、42歳、62歳の姿で登場しますが、色々な状況の変化で、最終的には激変します(笑)。こちらはずっと美しいです。
悠河 いえいえ(笑)。私は19歳から始まります。次は39歳で女盛りの年頃で、最後は59歳です。でも今の59歳よりは老けた感じになると思います。
梅雀 その年齢まで2人とも愛をひたすらに貫くのですから純愛ですよね。今の時代ではあり得ないようなお話で、面白くて可笑しくてバカバカしくて、でも切なくて、でもお終いはとても幸せな気持ちになっていただけます。
──3回、立ち合いをするわけですね? 大和さんはたしか宝塚でも立ち廻りは?
悠河 ありました。洋物のほうが多かったですけど和物もありました。浪路は刀を持つと激変するお嬢様なのですが、私も刀を構えると血が騒ぐというか(笑)。
梅雀 見事に目つきが変わってます(笑)。立ち廻りは所作指導の尾上墨雪先生が、とても良い殺陣をつけてくださいまして、やってて楽しいし、観ているお客様も喜ぶものになっています。いわゆる形の立ち廻りではなく、リアルでスピード感があって、意外性も十分にあります。そして、3場がそれぞれ雰囲気が違いまして、原作者が歌舞伎出身の方なので、僕も久しぶりに渡り台詞を言ったりと、歌舞伎的な要素もありますが、基本はリアルなお芝居です。
──この『喜劇名作公演』は歌舞伎、新派、新喜劇、宝塚と色々な出身の方が参加されてますが。
梅雀 基本的に和物の基礎を身に付けている方ばかりです。そして舞台に慣れている方々、お客様の呼吸のつかみどころを知っている方ばかりで、しかもアイデアがそれぞれから出てきますから、稽古場から刺激的ですね。
悠河 私は初参加なのですが、皆さん立ったらすぐその場面の空気を作られる方ばかりで、梅雀さんにも、昨年、新派でご一緒した波乃久里子さんにも、色々教えていただいています。皆さんがあまりにお上手で、見ていて思わず笑ってしまったり(笑)。

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──共演は初めてだそうですが、お互いの印象は?
梅雀 なんといってもよかったなと思うのは、40年間思い続けることが出来る方で(笑)、真っ直ぐな可愛さがあるんです。抱きしめる場面が何回かあるんですけど、本当に可愛いなーと思いますし、悠河さんでよかったなと思います。
悠河 そんなふうに言っていただけるなんて。私がまだ慣れなくてぎくしゃくしているときも、包み込んでくださるので、本当に有り難くて、引かれないようにしないと。
梅雀 全然そんなことないですよ。
悠河 本当に優しくて、嬉しいです! 初めて抱き合うシーンを稽古したとき、思いのほか恥ずかしくて、あがってしまって、今までにないぐらい汗が出まして(笑)。「私は恥ずかしいんだ?!」と自分で思いました(笑)。
梅雀 いやあ、本当に初々しくて、真っ直ぐで、可愛いです!
──場面ごとに老ける姿はどうなりそうですか?
梅雀 そこはお楽しみに(笑)。久しぶりに3種類の外見を作るので、変身願望が満たされて、楽しいです。
悠河 初めて62歳で出てこられたときは、思わず稽古場で笑いが起きました(笑)。ここまで変わるのかというくらいの姿で出てこられるんです。思わず「こんなになるまで修行していたんだ」と。
梅雀 その老いて出ていくときは、動きや呼吸も全身を使ってますから、かなりの疲労感があるのですが、幕切れがそれを吹き飛ばすくらい喜ばしくて幸せで。それにその場面も墨雪先生が素晴らしいアイデアを出してくださったので、僕は乗りに乗ってます(笑)。お客様がそこで泣き笑いをしてくださったら最高ですね。
──大和さんは最近和物の舞台への取り組みが多いのですが、いかがですか?
悠河 昨年の新派公演『糸桜』を体験して、奥が深くて素敵だなと思いましたし、日本語もとても綺麗ですよね。そして久里子さんのお芝居がどんどん進化されていくのを拝見して、すごいなと。自分ももっと勉強したいなと思っています。
梅雀 すごいですよ、毎日かわいい着物でフル装備で来ますから(笑)。久里子さんなんか「毎日、すごいわね。こんな人いないわよ」と。
悠河 とにかく着慣れないので、着ている時間を長くして慣れないとと思っていて。宝塚の男役でもそうでしたが、着るものから役に入っていくほうなんです。
──大和さんはこれだけ長い人生を演じるのは?
悠河 初めてです。子供のある役まではやりましたが。3場では見た目はうまく変化させながら、内面のピュアさを保ちながらと思っています。 

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──これは喜劇ですが、どんなふうに演じようと?
悠河 周りの方々が面白く演じられているのを見て、私もちょっと案を出してみたのですが、私は笑いを取りにいってはいけないんだと気づきました。浪路は本当に一途に思っているだけでいい、お客様がそこを面白く思ってくださればいいので、本当に真面目にやろうと思っています。
梅雀 周りの方たちが笑いを誘って、空気をゆるめてくれるおかげで、2人の純愛がさらにギュッと引き締まるんです。そういうバランスの良さを掴める方がいっぱい周りにいますので。
──では最後に意気込みを。
梅雀 毎年恒例になりました『二月喜劇名作公演』ですが、やっぱり観にきてよかったねと言っていただけるように頑張ります。ちょっとほんわかして、ウルッときて、最後は幸せな気持ちになっていただけると思いますので、ぜひ観にいらしてください。
悠河 こんな素敵な役をさせていただけることを、本当に有り難く思いますし、梅雀さん久里子さんをはじめ、新派の方、新喜劇の方、皆様とこういう幸せになれる作品に取り組めるのがとても嬉しいです。全身全霊で取り組みますので、ほっこりしに来ていただければ嬉しいです。

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【公演フォトレビュー】
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舞台撮影/竹下力

公演情報〉
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『二月喜劇名作公演』
一、「恋の免許皆伝 一堺漁人作『寿祝う 四海波』より」
 脚色・演出:門前光三
 演出補:成瀬芳一
 出演:中村梅雀、大和悠河、波乃久里子、藤山扇治郎、曽我廼家八十吉 ほか
二、「江戸みやげ『狐狸狐狸ばなし』」
 作:北條秀司
 補綴・演出:成瀬芳一
 出演:市川春猿改め河合雪之丞、喜多村緑郎 / 渋谷天外、曽我廼家寛太郎 / 山村紅葉 ほか
●2/1〜12◎新橋演舞場
〈料金〉1等席13,000円 2等席8,500円 3階A席4,500円 3階B席3,000円  桟敷席14,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489
http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/schedule/2017/2/post_306.php 





【取材・文・撮影/榊原和子】


水夏希出演、アルジャーノンに花束を




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ウェルメイド・コメディの傑作『サクラパパオー』が塚田僚一・中島亜梨沙・黒川智花らの出演で4月に上演!

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喜劇の名手・鈴木聡の傑作『サクラパパオー』が劇団「柿喰う客」代表で新進気鋭の演出家・中屋敷法仁の手により新しいコメディに生まれ変わる。
この作品は鈴木聡が主宰するラッパ屋で初演、2001年にパルコ・プロデュースとして再演され、好評を博した。競馬場を舞台に展開するスリリングで可笑しく、温かい物語は、時代や場所を超え、観客の気持ちをわしづかみにする。

演出に、俳優の身体能力を最大限生かしきる演出家で、劇団外でもエンターティーメントな舞台を作り続けている中屋敷法仁。
出演者には、パルコ劇場『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー〜パパと呼ばないで〜』や『ボクの穴、彼の穴。』などで俳優としての実力を示した塚田僚一を中心に、元宝塚歌劇団の娘役スターで映像で活躍中の中島亜梨沙、映像や舞台で活躍する黒川智花が共演。伊藤正之、広岡由里子、木村靖司、市川しんぺー、永島敬三といった芸達者な個性派俳優たち、さらにクセモノ役者・片桐仁が加わるといった豪華な顔ぶれだ。

【STORY】
舞台は夜の競馬場、トワイライトレースが始まろうとしている。
田原俊夫は婚約者の岡部今日子と競馬場デートを楽しもうとしていた。競馬に詳しい様子の俊夫に今日子は小さな疑念を抱く。そこへ正体不明の女性・ヘレンが現れる。ヘレンとの浮気を疑った今日子は怒って去る。一方ヘレンは、見るからにエリートで神経質そうな男性・的場博美を待ち伏せしていたらしい。的場は外務省勤務なのだが、水商売のヘレンに貢ぎ、使い込んだ公費の800万円を明日までに用意すべく20万円を片手に今日の5レースに挑もうとしているのだった。取り残された俊夫とヘレンに翻弄された中年男性・井崎修、二人には奇妙な友情が芽生える。
今日子は結婚直前の微妙な時期の迷いを、馬券窓口で出会った菅原幸子につい相談してしまう。幸子は競馬好きだった亡き夫の影響で競馬場に通うようになったのだ。そして謎の女・ヘレンは実は幸子の亡き夫の愛人だった……。優柔不断なサラリーマン・横山一郎や得体のしれない予想屋・柴田達、さまざま事情を抱えた8人の人生が夜の競馬場で交錯する……。
予想屋・柴田が今日の大一番!と賭ける一頭の馬がいた。第4レースに出走予定、その名は〈サクラパパオー〉。しかしサクラパパオーが突然パドックで暴れ始めた。その様子に、サクラパパオーが亡き夫、亡き愛人の生まれ変わりだと確信する幸子とヘレン。
的場は800万円を手にすることができるのか?俊夫と今日子の仲は修復できるのか?様々な思いが交錯する中、ゲートが開く……。

【登場人物】
田原俊夫/塚田僚一(A.B.C-Z)
会社員。今日子と婚約中。明るい性格だが調子が良すぎるところがある。
ヘレン/中島亜梨沙
男を破滅に追い込む謎の女。水商売をやっているらしい。幸子の亡き夫の愛人。
岡部今日子/黒川智花
俊夫の婚約者。真面目なOL。結婚直前で気持ちが微妙に揺れている。
井崎修/伊藤正之
商店街の店主。賭け事、女にはまる典型的な中年オヤジ。
菅原幸子/広岡由里子
未亡人。亡き夫の賭け事、浮気で苦労するが、夫の死後、自分が競馬にはまる。
柴田達/木村靖司
競馬の予想屋。得体のしれない感じだが、【サクラパパオー】への愛情は深い。
横山一郎/市川しんぺー
うだつが上がらない中年サラリーマン。優柔不断を絵にかいたような人間。
実況アナウンス/永島敬三
的場博美/片桐仁
外務省のエリート。プライドが高く神経質。ヘレンに溺れ公金を使い込む。

劇場は夜のどこかにある夢の競馬場になり、たった4レースの間にも何もかもが、始まって、終わる。しかし決して馬やギャンブルを主役にした物語ではない。何かを信じ、何かに賭けなければ気がすまない、人間という不思議な生き物たちの物語。笑いがあって、スリルがあって、人生が交錯して、そして最後に、思いがけない奇跡が起きる、ワンナイト・コメディ!


〈公演情報〉
sakurapapao_kari2
 
パルコ・プロデュース 
『サクラパパオー』
作◇鈴木聡  
演出◇中屋敷法仁
出演◇塚田僚一(A.B.C-Z)/ 中島亜梨沙 黒川智花 伊藤正之 広岡由里子 木村靖司 市川しんぺー 永島敬三/片桐仁
●4/26〜30◎彩の国さいたま劇場 大ホール
●5/10〜14◎東京国際フォーラム ホールC
〈料金〉 S席9,000円  A席7,000円(全席指定・税込)
〈前売開始〉3月4日(土)
●5/16◎仙台 電力ホール
●5/19◎愛知 穂の国とよはし芸術劇場
●5/25、26◎大阪 サンケイブリーゼ





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