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豪華出演者が作品世界観を初披露!MUSICAL『笑う男 The Eternal Love─永遠の愛─』 製作発表記者会見レポート

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ミュージカルのヒットメーカーとして世界を駆けるフランク・ワイルドホーンの楽曲で紡ぐMUSICAL『笑う男 The Eternal Love─永遠の愛─』 が4月9日〜29日まで東京日比谷の日生劇場で本邦初演として上演される(のち、名古屋、富山、大阪、福岡でも上演)。

MUSICAL『笑う男 The Eternal Love─永遠の愛─』 は『レ・ミゼラブル』の著者文豪ヴィクトル・ユゴーが、自身の最高傑作と自認した小説「The Man Who Laughs」を原作に、『マリー・アントワネット』新演出の記憶も新しいロバート・ヨハンソンが手掛けた脚本に、『モンテクリスト伯』『デスノート THE MUSICAL』など数多くの傑作を生み出したゴールデンコンビ、フランク・ワイルドホーンとジャック・マーフィーが紡ぐ音楽・歌詞をのせて、2018年世界初演を果たした作品。今回の日本初演にあたって、少年の頃に見世物として口を裂かれ、醜悪な笑みを貼り付けられ、長じてその奇怪な見た目で“笑う男”として話題を呼び、一躍有名人となっている青年グウィンプレンにミュージカルにストレートプレイにと、破竹の勢いで活躍を続ける浦井健治。彼が幼い日に助け、共に育ちいつしか心を交わすようになる盲目の少女デアに、元宝塚歌劇団星組トップ娘役で、退団後も多くのミュージカルで大役を演じている夢咲ねねと、アイドルグループ「乃木坂46」の第一期メンバーで、グランドミュージカルに初出演となる衛藤美彩のWキャスト。二人が身を寄せる興行師ウルシェスにミュージカル界の至宝・山口祐一郎。自らの生い立ちを語る興業で人気を博していたグウィンプレンに興味を持ち、彼を誘惑する女性公爵ジョシアナに元宝塚歌劇宙組トップスターで、退団後『マイ・フェア・レディ』『オン・ユア・フィート!』と立て続けに話題のミュージカルでの主演を果たしている朝夏まなと。彼女の婚約者デヴィット・ディリー・ムーア卿に人気ヴォーカル・グループ「LE VELVETS」のバリトンで、『グランド・ホテル』『ピアフ』など、舞台作品にも積極的な出演をしている宮原浩暢。王宮の使用人でグウィンプレンに衝撃の事実を伝えるフェドロに、確かな演技力と歌唱力でミュージカル界に欠かせない存在である石川禅、他魅力的なキャスト陣が集結。『キューティ・ブロンド』『オン・ユア・フィート!』等、海外の作品をよりきめ細やかに届ける優れた仕事を続けている日本版演出の上田一豪のもと、より壮大でかつ繊細な舞台が展開されるだろう大きな期待を集めている。

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そんな作品の製作発表記者会見が、1月29日新装なった丸の内の東京會舘で開かれ、三千人を超える応募の中から当選した幸運な200人のオーディエンスも見つめる中、出演者を代表して浦井健治、夢咲ねね、衛藤美彩、朝夏まなと、そして演出の上田一豪が登壇。公演への抱負を語った。

【登壇者挨拶】
 
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上田 皆さんお集まり頂きありがとうございます(日本のヒットメーカーと紹介され)。すごく褒められると恥ずかくて、そんなに僕の力ではなくて、いつもお伝えしているようにカンパニー皆さんの力で作品が素敵に仕上がっていると心から思っております。今回もきっとこの素晴らしい方々と一緒に、日本では初演となる『笑う男』という作品を皆様に素敵な状態でお伝えできるように頑張っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願い致します。

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浦井 皆様お集まり頂きありがとうございます。このように新しい東京會舘で、韓国では先に上演されていますが、新しい、素晴らしい『笑う男』を皆様と一緒にやれることを幸せに、光栄に思っております。「金持ちの楽園は貧乏人の地獄によって造られる(※原作小説より)」ということで、僕は裸足でございますけれども(足を見せるので会場笑)そんな見世物の中から真実の愛や、人生の温かさ、大切なものを皆様にお届けできたらなと思っております。よろしくお願いします!

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夢咲 本日はお集まり頂きありがとうございます、夢咲ねねです。最初このお話を頂いた時にタイトルが『笑う男』と言うことで、それはコメディなのかな?ホラーなのかな?と(笑)、全くわからない状態だったのですが、色々と調べていくと本当に引き込まれる、奥の深いもので。悲しくも切ない中にワイルドホーンさんの壮大な曲があいまって完璧なストーリーだなと。その中でデアとして一筋の光になれるような、そういう少女を演じられるように(上田)一豪さんに導いて頂きながら、素晴らしいキャストの皆様と一緒に初日に向けてお稽古していきたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

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衛藤 本日はありがとうございます。デア役を演じさせて頂きます衛藤美彩です。私はグランドミュージカルは初挑戦ということで、グループを飛び出して今回挑戦させて頂くのですけれども、本当に緊張していて、こんな製作発表も初めてで。でも、初めてのことがあるというのは嬉しいことですし、素晴らしい大先輩の役者の皆様方と一緒に本番まで稽古をして、私なりのデアを演じられるように、感動をお届けできるように頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
 
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朝夏
 皆様本日はお集まり頂きましてありがとうございます。ジョシアナ公爵の朝夏まなとです。このような素晴らしいお衣装を着させて頂いて、ジョシアナ公爵という役に少し近づいたというか、イメージがすごく沸いております。この作品は対比が明確に現れているので、貴族側の象徴の存在として、この物語の中で色濃く存在できるように一豪さんにご指導頂きまして、はじめましての浦井さんや素晴らしいキャストの皆さんと一緒に、私にとっても挑戦の役なので、こんな私を観たことがない!と言って頂けるように、ジョシアナ公爵として存在したいと思っております。素晴らしい音楽と世界観をお届けできるように頑張りますので、どうぞよろしくお願い致します。

【質疑応答】

──浦井さん、本日まさに“笑う男”の姿で登場されていますが、改めて身を包まれた感想と、同じく扮装された女性陣のお三方をご覧になって、どのようなお気持ちですか?
浦井 口が裂けている特殊メイクを施して頂くことにも、自分の中では特別感と言いますかテンションがあがる感じが致します。盲目の少女デアとの見世物小屋での愛情もありますし、山口祐一郎さん扮する興行師ウルシュスとの親子のような、師弟のような人間愛があり、そしてさきほどまぁ様(朝夏の愛称)がおっしゃいましたけれども(朝夏がまぁ様はやめて、というようなリアクションをして会場から笑い)対比というものがたくさん描かれていて、(ジョシアナとの)大変な関係もあります。ユゴーさんの素晴らしい原作がありますし、それをミュージカルにされたフランク・ワイルドホーンさんの楽曲が、ほぼほぼロングトーンというね(笑)。これを歌うには、皆すごい体力を使うと思うので、皆で頑張らなければですが、とても旋律の美しい音楽も多いので、前田文子さんの衣装に身を包まれた今、すごく引き締まる思いで、気持ちが昂ぶっている感じです。女性陣お三方は明確に衣装や髪型に出ていますように、本当に個性豊かな方たちですし、歌声も素敵な方で、Wキャストのデア役もまた個性が全然違うと思いますので、それぞれに合わせていけたらと思っています。また(グウィンプレンの少年時代の)子役が三人おりますので、三人をよく観察して三様の雰囲気を造っていけたらなと思っています。

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──朝夏さんと上田さんは遂先日まで『オン・ユア・フィート!』で素晴らしい舞台を共に創られていましたが、その中で感じたお互いの印象、また上田さんには併せて他のキャストお三方についての印象もお聞かせ下さい。
朝夏 『オン・ユア・フィート!』に引き続きご一緒させて頂けることを本当に幸せだなと思っています。特にラテンの作品でしたので、稽古場から1番テンションが高いのが上田一豪さんじゃないかというくらい、皆を引っ張っていって下さって、かつ寄り添ってもくださるという、すごく人の気持ちを繊細に描くアドヴァイスをたくさんして頂き、とても勉強になりました。ですから新たなお役でまたご一緒させて頂けるのが幸せですし、また弾けた一豪さんにお会いできるのが楽しみです。
上田 朝夏さんとは、ついこの間1月20日までご一緒させて頂いていましたが、持ち前の太陽のような明るさを存分に発揮して頂いて、誰もが魅了される世界の歌姫を体現して頂いたので、本当に信頼しております。生まれ持ったオーラのある方なので、今回も全てを手に入れている女というジョシアナ公爵にピッタリで、とても魅力的に演じて頂けるのではないかと思っております。というのが朝夏様への。
朝夏 ありがとうございます!上田 そしてデアのお二人は、先ほど浦井さんもおっしゃいましたが、それぞれの個性がありまして、可憐という意味ではお二人共可憐で…(夢咲が私は違うという風にアピールするので)大丈夫です! 可憐です! そしてすごく純粋に物事を、目が見えないキャラクターなのですが、目が見えないが故に本当に純粋に世界を見つめている乙女という意味では、お二人ともピュアな部分がたくさんある方々なので、役柄にマッチしていて素敵だなと思っております。浦井さんに関しては、私は東宝株式会社に所属しているのですが、会社にお世話になった最初から演出部として、というか演出助手という演出家のサポートをするお仕事の、更に下の下の下くらいの仕事をしていた時代から、浦井さんの現場にずっといさせて頂いていたので、こういった形でお仕事をご一緒できるというのは感慨深いものがあります。山口祐一郎さんも同様で、今シアタークリエで『レベッカ』に出演されていますが、私も『レベッカ』の初演の立ち上げからご一緒させて頂いていましたので、本当に自分が十何年社内でやってきたことが実って、こうして素晴らしい方々とご一緒できるということで、この仕事をやれて良かったなと果報に思っております。

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──夢咲さん、衛藤さん、今回は目の見えない16歳の少女役ということですが、そんなデアを演じるにあたってのお気持ちと、Wキャストのお二人でお互いに頼りにしたいと思っている部分などがあれば教えてください。
夢咲 生まれて物心がつく頃から目の見えない少女なので、でも彼女は彼女の中だけに見える世界というものをきっと持っていて、そこに色をたくさん加えてくれるのがグウィンプレン。その世界が彼女の中では素晴らしい世界で、それは逆に言うと見える方には見えない世界を見ているということころがピュアな部分につながるのかなと思います。その辺りをお客様にも共感して頂けるように創っていきたいなと思います。あと衛藤ちゃんにはもう可愛いが詰まっているんです!すごく濃縮されていて、行動ひとつとっても可愛いので、それをみっちりとお稽古場でウォッチしたいです。
衛藤 (乃木坂46の)グループ内ではそういうキャラクターではないので!(笑)でも、今回1番年下になるので、グループの中では上から2番目なので、そういった意味では甘えさせて頂くと言いますか、年下感を味わいたいなと思います。デアは生まれた時からずっと目が見えなくて、見えない世界というものの匂いだったり、感じる空気などを想像してみたのですが、全く想像ができなくて。でもデアの世界は見えない中で創られていると思うので、お稽古を頑張ってそういった世界を表現していけたら良いなと思います。あとねねさんは、ビジュアル撮影をした時に初めてお会いしたのですが、その時自分と(私服の)帽子がお揃いだったんです!
夢咲 そうそう!
衛藤 色も4色あって、ロゴも入っているのに全く同じ色で、それに運命を感じました。
夢咲 私もテンション上がりました!
衛藤 あぁ良かったです!わかって下さって!その偶然が印象深いですし、とてもお優しいので、たくさん学ばせて頂きたいと思っております。

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──衛藤さん、グランドミュージカル初出演というお話でしたが、事前に準備されてきたことや、気をつけたいなと思っていること等はありますか?またミュージカルに出演されている生田絵梨花さんや、桜井玲香さんとお話されたことがあれば教えて下さい。
衛藤 グループでは大きなステージにたくさん立たせて頂いているのですが、やはり1人で歌う、しかもミュージカルでとなると発声から何もかも違うので、今私ができるのは発声等ですし、浦井さんにもケアの仕方を教えて頂いて準備しています。また『ロミオ&ジュリエット』『モーツァルト!』等に出ている生田や、今『レベッカ』に出ている桜井とは同じ1期生ということで、私も何度も彼女たちの公演を観に行っていて、2人の頑張りが励みにもなっていて。2人も「観に行くよ!頑張ってね!」と言ってくれているので、頑張りたいと思っています。
──夢咲さん、5月に故郷の富山での公演がありますが、抱負と楽しみにされていることを教えて下さい。
夢咲 そうなんです!皆さんと一緒に故郷で公演できることがとても嬉しくて!宝塚に在団している時には何回もあったのですが、卒業したら地元で公演することはないのかなぁと思っていたので、今回こうして機会を頂いてとても嬉しく思っています。やっぱり白エビが食べられる、皆さんにも美味しい白エビを食べて頂きたいと思います。
浦井 公演じゃないんだ!(笑)
夢咲 あ、ごめんなさい!そうですよね(笑)。公演を楽しみにしてくださっている故郷の皆様にも、東京や大阪までとなると大変ですが、地元で会場にもピュッとお越し頂けて、ミュージカルを観て頂けるのはすごく嬉しいので、たくさんの方に観て頂きたいなと思っております。

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──今作の音楽がフランク・ワイルドホーンさん作曲ということで、ワイルドホーンさんの音楽に対してどういった印象をもたれているか、演出の上田さん、キャストを代表して浦井さんからお聞かせ下さい。
上田 フランクさんとは何度か他の現場でご一緒させて頂いていて、本当にすごく美しいメロディを書かれる方で。感情の琴線に触れると言うか、キャラクターの内面がエネルギッシュにパワフルに乗るメロディーが多いです。この作品はやっぱり葛藤の多い作品だと思っていて、音楽の振れ幅が大きく色々なジャンルに飛んでいるので、その幅とエネルギッシュさが作品をある意味熱くしていますし、一方で世界の冷たさをアイロニックに表現されてもいて、それがこの作品の音楽の大きな魅力かなと思っています。
浦井 フランク・ワイルドホーンさんとは『デスノート』等でご一緒させて頂いていて、すごくキャスト思いで、更にスタッフさんを大切にされる、カンパニーの中心になってくれる方なんです。そして家族を大切にされている方だというところにも、自分としては信頼のおける方です。楽曲に向き合うとあの大きな身体でとても繊細で、1音1音に魂がこもっていて、実は自分はこのお話が決まる前にフランクさんがピアノを弾いてくださったのを聴く機会があったのですが、なんて素敵な曲なんだろう!と思って。更に実際に歌ってみた今は「こんなに体力を使うんだな」と(笑)。『デスノート』の時に(小池)徹平やカッキー(柿澤勇人)、濱めぐさん(濱田めぐみ)と一緒に「大変だな!」と言い合いましたけれども、皆で歌うにはすごく大変な労力を使います。でもだからこそ役作りにも力になってくれる、楽曲が物語ってくれるものだと思います。

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様々な話題が飛び出した熱気溢れる質疑応答のあとに、作品の音楽監督小澤時史のピアノ伴奏による、日本での楽曲初披露がスペシャルメドレー形式で行われた。

【歌唱披露

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まずはじめに浦井、夢咲、衛藤による「木に宿る天使」。グウィンプレンとデアがお互いの大切さを確かめあうナンバーで、互いの存在が互いの世界に特別な色彩を与えていることが、どこか牧歌的なメロディーで歌われる。本番では聴くことのできない、3人での歌唱が大変貴重なものになった。

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続いて曲調が不安なリズムを刻むものに変化し、朝夏による「この気持ちは何?」。劇中で興味本意でグウィンプレンを観に来たジョシアナ公爵が、醜いはずの彼に何故か心を惹かれてしまう胸の内を、自ら計りかねて歌うナンバー。ドラマチックな曲調が作品のアクセントになることが感じられる、その一端を朝夏が持ち前の大きな存在感で表現した。

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最後に、如何にも見世物小屋の猥雑な雰囲気を漂わせる前奏から、浦井によるタイトルナンバー「笑う男」。作品のクライマックスでグウィンプレンが、自分を見世物にするしか生きる術がなかった彼が見つけた本当の醜さと、本当の自分を高らかに歌い上げる、作品のテーマのすべてが詰まったとも言えるナンバーを浦井が力強く披露。不協和音を多用した楽曲が作品の世界観を確実に示してくれた。
最後に浦井から「この度、こうしてこのカンパニーで団結して、日本のミュージカル『笑う男』初演となります。しっかりと皆で素敵な作品に仕上げていけたらと思っておりますので、是非とも劇場の方に足をお運び頂いて、東京、愛知、大阪、富山、北九州、たくさんの皆様に笑顔を『笑う男』なのでね(笑)。皆さんで楽しいミュージカルにして頂けたらと思っています。お力添えをよろしくお願い致します。本日は誠にありがとうございました」との挨拶があり、会見はいったん中締めに。稽古の為に質疑応答終了のタイミングで退席した上田を除く、キャストたちでのフォトセッションのあと囲み取材が行われた。

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【囲み取材】

──浦井さん、韓国版をもうご覧になっているとのことですが、いかがでしたか?
浦井 煌びやかで豪華で、歌唱力の半端なさ!凄いです、韓国チーム。本当に素敵でした。
──浦井さんってイケメンじゃないですか。
浦井 何を言ってるんですか!(笑)
──イケメンなのに今回は醜い顔の「笑う男」を演じるということで、真逆の役をどう役作りされるのですか?
浦井 真逆?(笑)、それならギャップ萌えを狙っていけば良いかな?と(笑)。いやいや、でも特殊技術のメイクや、前田さんの衣装が物語を語ってくださるので、そういったところに支えられながら一丸となってやっていきたいと思います。
──衣装が裸足ですよね。
浦井 裸足ですね。

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──貧乏な役ということですが、浦井さんには貧乏な時代はありましたか?
浦井 今も貧乏ですね(笑)。もう貧乏でしょうがない…(周りのキャストに)「嘘つき」とか言わないで(笑)。
──嘘つきです(笑)。夢咲さん目の見えない役をされるのは初めてですか?
夢咲 実は1度だけ演じたことがあるのですが、やっぱり見えちゃうんです。
浦井 そうでしょうね!
夢咲 そうなんです!見えないと思って動くのですけれども、やっぱりセットの角などがあると「あ、危ない」と思って見えてしまうのが、その時はネックだったなと思うので、より一層深めて頑張りたいと思います。
──先ほど富山の白エビの話をされていましたが、他の公演地で楽しみにされていることや、食べてみたいものなどは?
夢咲 そんなこと言ったらありすぎちゃうんですが!(笑)名古屋は「ひつまぶし」や「味噌煮込みうどん」も好きですし、私博多で「ごまさば」をまだ頂いたことがないので。
浦井 本当?
夢咲 はい!ですから今回は是非頂きたいと思っています。よろしくお願いします。
浦井 はい、わかりました(笑)。

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──食べられると良いですね。衛藤さんはグランドミュージカル初出演ということで、乃木坂46の生田絵梨花さんや桜井玲香さんからアドヴァイスなどは?
衛藤 生田絵梨花ちゃんは楽屋て発声をしながら欠伸をするんですよ。私真似できないんですけど…こう(やってみようとして)できないな(笑)。すごく声が通るようになる欠伸の仕方をいつもやっているので、もう1度訊いて私もやりたいと思っています。
──ミュージカルとアイドルとの1番大きな違いはどういうところですか?
衛藤 (しばらく考えて)全て違いますね。アイドルだと2人、3人で一緒に歌ったりしていて、ソロ曲を持っている子って3、4人くらいしかいないので、私は自分の声を1人でお届けするのがまず初めてなんです。ですから緊張しかないです。全部違います。

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──ありがとうございます。朝夏さんは元宝塚歌劇の男役トップスターでいらっしゃいましたが、今回は誘惑する女性役ということで、役作りはどのように?
朝夏 そうですね、どうしましょう(笑)、ジョシアナの複雑な心理に。何でも手にしている女性が幸せだと感じられていず、彼を手に入れたい、その手に入れた先に幸せがあるのでは?と思うという、そういう複雑な心理の女性なので。舞台ではジョシアナが誘惑するところがピックアップされる、そこがメインになるとは思うのですが、そこに至るまでの彼女を、私がまず1番理解して創っていきたいと思います。
──ジョシアナは全てを手に入れている女ということですが、朝夏さんご自身が今欲しいものは?
朝夏 欲しいものですか?今すぐという訳にはいかないのですが、いつか猫を飼いたいんです。寂しくなってはペットショップに行くという生活をかれこれ5年くらいしているので(笑)、いつか猫を飼いたいのが夢です。
──猫がお好きなんですね。朝夏さんと夢咲さんは宝塚時代にはどんな交流が?
朝夏 学年が1年違いで、私の方が1年上級生で宝塚音楽学校時代に、予科(1年生)本科(2年生)という関係だったので、一緒にね。
夢咲 はい! 組は離れていたのですが、イベント等でご一緒したりしてすごく優しくして頂いて!

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 ──何か思い出はありますか?
朝夏 思い出、でもよく話してたよね?
夢咲 そうですね! すごく宝塚は年功序列がちゃんとしているのですが、朝夏さんは上級生でありつつも親しく話してくださって。
朝夏 親近感があってね。
夢咲 私にとってはすごく優しい先輩というイメージです。
朝夏 (学年は夢咲が)ひとつ下なのですが、娘役なので先にスターになって、トップになっていったので、いつもすごいなと思っていました。可愛いし、艶やかな女性もできるし、でも普段はすごく天然だし(笑)、そのギャップが凄いなと思って、勝手に話しかけて仲良くしてもらっていました。だから今回こうして一緒にできてね。
夢咲 はい、すごく嬉しいです。
夏 嬉しいんです。
──では猫を飼われた際には是非遊びに。
朝夏 来てね!
夢咲 行きま〜す!

和気藹々とした会見は滞りなく終了。本番への期待が高まる時間となっていた。

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〈公演情報〉
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MUSICAL『笑う男 The Eternal Love─永遠の愛─』 
脚本◇ロバート・ヨハンソン
音楽◇フランク・ワイルドホーン
歌詞◇ジャック・マーフィー
編曲・オーケストレーション◇ジェイソン・ハウランド
翻訳・訳詞・演出◇上田一豪 
出演◇浦井健治、夢咲ねね/衛藤美彩(Wキャスト) 、朝夏まなと、宮原浩暢、石川禅 、山口祐一郎 他
●4/9〜29◎東京・日生劇場
〈料金〉S席1,3000円、A席8,000円、B席4,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東宝テレザーブ 03-3201-7777(9時半〜17時半)

【全国ツアー】
●5/3〜6◎名古屋・御園座
〈料金〉A席1,5000円、B席10,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉御園座 052-222-8222(平日10時〜18時)
●5/10〜12◎富山・新川文化ホール
〈料金〉S席1,3000円、A席10,000円、U-25席7,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉北日本新聞社 事業部076-445-3355(平日9時〜17時)
●5/16〜19◎大阪・梅田芸術劇場メインホール
〈料金〉S席1,3000円、A席9,000円、B席5,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場メインホール 06-6377-3800(10時〜18時)
●5/25〜26◎福岡・北九州ソレイユホール
〈料金〉S席1,3000円、A席9,800円、B席5,400円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉インプレサリオエンターテインメント 092-985-8955(平日10:00〜18:00)



【取材・文・撮影/橘涼香】



十二番目の天使


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初演から45年の節目に蘇るまばゆい作品世界『ベルサイユのばら45』〜45年の軌跡、そして未来へ〜開幕!

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宝塚歌劇団の代表作『ベルサイユのばら』が、1974年の初演から45年を迎えたことを、作品所縁の宝塚OGたちが集って祝う祭典『ベルサイユのばら45』〜45年の軌跡、そして未来へ〜が、東京国際フォーラムホールCで本日1月27日から開幕する(2月9日まで。のち、大阪・梅田芸術劇場メインホールにて2月16日〜24日まで上演)。

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『ベルサイユのばら』はフランス大革命の嵐の中断頭台の露と消えた王妃マリー・アントワネット、その恋人でスウェーデン貴族のフェルゼン伯爵等実在の人物に、女性でありながら王家を守護する軍人になるべく、男の子として育てられた男装の麗人オスカル、その乳兄弟アンドレら、創作の人物を絡めて描かれた池田理代子の大人気少女漫画を、宝塚歌劇団が初めて舞台化した作品。原作の名場面を大胆に取り込んだ脚本・演出の植田紳爾の、歌舞伎世界にも通じる手法が功を奏し、後に「マリー・アントワネット編」と呼ばれた1974年月組での初演は瞬く間に大評判に。続く1975年花組、雪組で連続上演された「オスカルとアンドレ編」でその人気は不動のものとなり、宝塚歌劇と言えば誰でもが『ベルばら』を連想すると言われるほどの、メガヒット作品に成長していく。その後も節目、節目で演じるスターに合わせ「フェルゼン編」「アンドレ編」「オスカル編」等、少しずつ変容を続けながら、「今宵一夜」「バスティーユ」「牢獄〜断頭台」など、「『ベルサイユのばら』〇〇の場」と言いたい形での名場面が受け継がれ、この作品をテレビで観たのが入団のきっかけ、という次代のスターを次々と生み出しながら、今も宝塚歌劇の金字塔として輝き続けている。

そんな作品の初演から45年を祝うスペシャルステージの、初日開幕を控えた26日にメディア向けの公開ゲネプロが行われ、公演替わりの華やかなスターたちを擁する舞台が全容を現した。
 
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ステージはお馴染みの「ご覧なさい、ご覧なさい、ベルサイユのばら」という開幕の歌からスタート。宝塚歌劇の現役生として専科から特別出演の華形ひかると、OGの緒月遠麻を中心としたプロローグの後、1974年の月組初演に出演している宝塚歌劇団の数少ない現役生である、やはり専科から特別出演の汝鳥怜の紹介による歌とトークのコーナーへ。

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『ベルサイユのばら』に関わった数多くのスター達が、公演替わりで出演する趣向のステージだけに、
厳密に言って同じ内容の回はひとつもないというスペシャル感が満載な中、初代マリー・アントワネットの初風諄がこの人の歌からすべてははじまった「青きドナウの岸辺」を変わらぬ歌声で披露。2代目オスカルの安奈淳が「愛の巡礼」、3代目オスカルの汀夏子が「ばらベルサイユ」、初代オスカルにして2代目アンドレでもある榛名由梨が「心の人オスカル」と名曲を歌い継いでいく。70年代のスターたちは、やはりひと際個性的でそれぞれの歌が味わい深い。

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作者の植田紳爾が加わり初演時の思い出のトークに。漫画世界を人が演じる、現在は「2.5次元」と呼ばれている世界観を知る由もなかった、45年も前に大人気漫画を演じた折りのプレッシャーと、鬘等のクオリティーも当然ながら現代とは比べようもなかった時代に、多くの人に愛されているキャラクターを如何に美しく舞台に乗せる為に払われた有形無形の努力が語られ、伝説の誕生を感じさせる。
中でも『ベルサイユのばら』の輝かしい歴史に連なり、今は帰らぬ人となった初代アンドレの麻生薫、2代目マリー・アントワネットの上原まり、4代目オスカルの順みつき、そして忘れ得ぬダンサートップスターで、俗に「踊るフェルゼン編」とも呼ばれるほどに、美しいフォルムのフェルゼンを創出した大浦みずきがいてくれたら、この公演の2幕で披露するフィナーレナンバーの再現を見事に踊ってくれただろう、でもきっと皆ここに来て観ていてくれるに違いない、という言葉には涙を禁じ得なかった。

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続くソングコーナーは、平成の『ベルサイユのばら』の出演者たちが揃い、麻路さきの「白ばらのひと」一路真輝の「愛の巡礼」杜けあきの「心の白薔薇」紫苑ゆうの「結ばれぬ愛」日向薫の「ばらのスーベニール」。これも公演替わりで登場人数も歌われる曲も変わっていくが、例えばこの日の一路真輝の「愛の巡礼」のように組み合わせによっては、同じ曲が登場することもあるからこそ、歌い手によって全く別の曲に聞こえるという興趣が感じられた。それぞれが宝塚の一時代を背負ってきたスターだけに、1曲1曲にその人の持つ世界観が瞬時に立ち上る様が圧巻だ。

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ここまでのキャストメンバーで「愛あればこそ」の大合唱のあとは、いよいよ本格的な扮装による舞台の名場面がダイジェストで綴られる。1幕のダイジェストは「オスカル&アンドレ編」。近衛隊からフランス衛兵隊に転属したオスカルが、衛兵隊士たちと衝突しながら心を通わせていく場面、ベルナールを中心とした革命の炎の高まりを描くナンバー、橋上でのアンドレの最期、そして「バスティーユ」と想像以上に本格的なダイジェスト上演だ。初日のキャスト稔幸オスカルと水夏希アンドレ、朝海ひかるオスカルと湖月わたるアンドレの二組が場面をつないでいく。誰もが扮装をして全く違和感がないばかりか、それぞれの歌唱力が現役時代よりも格段にアップしているのが、場面の感動を更に深める。全公演に出演する華形ひかるのベルナール、緒月遠麻のアランらが固める中、こういうダイジェスト上演、しかもメンバーが公演替わりでというレアな形態に耐えるのが、『ベルサイユのばら』の宝塚歌舞伎とも言える名場面自体が持つ力だなと感じられた。

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休憩を挟んだ2幕は「フェルゼンとアントワネット編」の名場面ダイジェストで開幕。アントワネットを糾弾する民衆たち、そのアントワネット救出に向かうフェルゼンの「駆けろペガサスの如く」、そして名場面中の名場面「牢獄〜断頭台」へと続いていく。初日のフェルゼン和央ようか、アントワネット白羽ゆりの組み合わせが新鮮でありつつ相性が良く、歌うように語られる台詞の数々が美しい。汝鳥怜メルシー伯爵の登場も、直近の宝塚歌劇での上演バージョンと歴代スターたちをつなぐ役割を果たしてくれる。

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悲しみの断頭台が光り輝くフィナーレの大階段に変貌する、これぞ宝塚歌劇の『ベルばら』セオリーが、ここでも見事に踏襲されてのフィナーレナンバーもこれまた名場面揃い。「小雨降る路」「薔薇のタンゴ」「ボレロ」の再現が、どんな悲劇もフィナーレを観ている内に心躍らせて劇場を後にできるという、宝塚マジックを知らしめる。ここもすべて公演替わりの出演で、どの組み合わせを選ぶかは悩ましいばかり。この日はフィナーレの歌う紳士Sとして登場した水夏希が、どこか空恐ろしいほどシャープなカッコよさを示した他、「小雨…」の湖月と朝海、「薔薇の…」の稔、「ボレロ」の和央と朝海が、振付陣のスタッフワークの見事さにも思いを致せる踊りっぷりで魅了した他、ビッグサプライズで汀夏子も登場。熱く濃い「炎の妖精」と呼ばれたスターの健在ぶりを示してくれた。最後は全員が登場してのパレードで、本番の熱気はいかばかりかと思わせるステージの幕が下りた。

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こうして『ベルサイユのばら45』〜45年の軌跡、そして未来へ〜に接して改めて思うのは、『ベルサイユのばら』という作品の持つ不思議な力だ。初演から45年。もちろん今の時代のミュージカルとは全く違う概念で編まれている作品だし、独特の様式美は宝塚歌劇の世界の中でも、古典に属するものになっている。旧いと感じる人もいるだろう。それでもこの良い意味で臆面のない煌びやかさ、2500人の大劇場のてっぺんから、裸眼で観ても理解できる大向こうに訴えた非現実が、宝塚歌劇という世界の根本にある大切なものをそのまま示しているのは変わらない。ここにさえくれば3時間の間だけどんなに辛い現実も忘れることができる、徹底的に創り込んだ夢の世界への飛翔を『ベルサイユのばら』は担い続けてきた。揺らがないこの信念がある限り、この作品は不死鳥で、こうしてお祝いの宴に歴史を創ったスターたちが参集することを可能にしている。公演替わりのスターたちが演じる45年分の回顧にして、新たな歴史のはじまり。そんな作品の未来を映す、スペシャルなステージを是非多くの人に体感して欲しい。

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〈公演情報〉
『ベルサイユのばら45』〜45年の軌跡、そして未来へ〜池田理代子原作「ベルサイユのばら」より〜
監修◇植田紳爾
構成・演出◇谷正純
音楽監修◇吉田優子
出演◇初風諄 / 榛名由梨 / 汀夏子 / 安奈淳 / 麻実れい / 日向薫 / 紫苑ゆう / 杜けあき / 涼風真世(東京公演のみ) / 一路真輝 / 麻路さき / 稔幸 / 和央ようか / 湖月わたる /星奈優里 / 彩輝なお /  朝海ひかる /貴城けい /  水夏希 /壮一帆 /  白羽ゆり / 凰稀かなめ(東京公演のみ) / 汝鳥伶(宝塚歌劇団) / 華形ひかる(宝塚歌劇団) / 他
※出演キャストは公演毎に異なります。詳細は公式ホームページにてご確認下さい。
●1/27〜2/9◎東京国際フォーラムホールC
●2/16〜24◎梅田芸術劇場メインホール
〈料金〉S席13,000円、A席9,000円、B席5,000円
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場 東京 0570-077-039  大阪06-6377-3800(10時〜18時)
公式ホームぺ—ジ http://www.umegei.com/versailles45/



【取材・文・撮影/橘涼香】




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加藤和樹、凰稀かなめが新境地を拓いたサスペンス劇の傑作『暗くなるまで待って』開幕!

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アパートの一室で繰り広げられる密室状態での騙し合い、更に暗闇でのクライマックスの衝撃が観る者を釘づけにするサスペンスミステリー『暗くなるまで待って』がW主演の加藤和樹&凰稀かなめ他、魅力的なキャストを擁して池袋のサンシャイン劇場で開幕した(2月3日まで)。

『暗くなるまで待って』は1966年にフレデリック・ノットが書き下ろし、ブロードウェイでも上演されたサスペンスミステリーの傑作。1967年にはオードリー・ヘップバーン主演によりハリウッドで映画化され、世界にその名を轟かせた。日本でもこれまでに何度も上演されてきたが、今回は朝海ひかる、加藤雅也出演による2009年版以来の、約10年ぶりの上演となり、情感豊かな演出で定評ある深作健太演出により、より心理劇の緊迫感が高まった舞台が展開されている。

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【STORY】
交通事故で視力を失なった若き妻スージー(凰稀かなめ)は、カメラマンの夫サム(松田悟志)から預かった人形の話を聞かされる。そのままサムが仕事に出かけた留守に、スージーの元にはサムの友人、知人、また刑事が次々と訪れ、言葉巧みに人形のありかを問いただす。実はその人形には麻薬が仕込まれていて、三人の男達、ロート(加藤和樹)、マイク(高橋光臣)、クローカー(猪塚健太)は、人形を手に入れようとやっきになっていたのだ。だが次第に彼らの言動に不審を抱いていったスージーは、買い物の手伝いをしてくれている少女グローリア(黒澤美澪奈)の協力を得て、彼らの正体を次々と暴いていく。だが、それは三人の中でも最も冷徹で残忍な男である、ロートの魔の手がスージーに忍びよることでもあって……

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この作品の面白さはなんと言っても、目が見えないという大きなハンディを背負っていると思われたヒロインのスージーが、目が見えないからこその鋭敏な聴覚や皮膚感覚で、あの手この手で彼女を騙そうとする男達の嘘を看破していくことにある。男達は健常者故のある意味の侮りで、スージーとの会話を交わしながら人形を探す為、また互いの連携の為に様々な行動に出るのだが、その細かな動作のすべてを、スージーが感じ取り聞き分けていく様には驚きと共に自然な感銘を受ける。そこには作者の人間の持つ無限の可能性への尊敬の念が根底にあり、だからこそ暗闇の中で力関係が見事に逆転していくクライマックスの緊迫感が、単なる着想の勝利だけに終わらず、この作品から50年以上の時を経て尚、傑作としての輝きを失わせない根幹になっている。
更に夫のサムやグローリアが、目が見えないスージーをただ闇雲に手助けするのではなく、何でも自分でやってみよう、必ず一人でできるのだと、劇中で彼女を思うからこそ敢えて過度に手をさしのべない姿勢には学ぶことも多く、そんな細かい会話や態度がすべてクライマックスにつながる重要な伏線になっているのも見事。これらをはじめとした登場人物の複雑な心理の綾を的確にすくい取った深作健太の演出が、片時も目を離せない心理戦の舞台を丁寧に紡いでいる。何よりも作品の休憩をカットし、物語を一気にラストまで運んだ大英断が、緊迫感を維持したままドラマを一気呵成に押し進めた効果は絶大で、息もつかせぬ作品世界を客席に提示したのが秀逸だった。今も全く色あせない朝倉摂の装置、時計の音、冷蔵庫のモーター音などの効果も見逃せない。

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そんな作品世界に生きた役者たちが、それぞれ的確に役柄を表出し、新境地とも言いたい迫真の演技を見せているのが素晴らしい。
そもそもの計画を練り上げる三人の悪党のボス、ロートを演じた加藤和樹は、特にミュージカル界での大役を立て続けに演じ快進撃を続けている勢いそのままに、徹底的に残忍で冷徹な男を十二分に表現している。ここまで救いのないヒール役は初めてということだが、これまで明朗なヒーローだけでなく、一癖も二癖もある役柄にも果敢に挑んできた経験が生き、自分の欲望にあまりにも忠実なロートの一種の狂気が、申し分のないルックスから放たれる怖さには比類のないものがある。スージーを騙す過程ではブラフをかける幾つかの役割りを変装とともに演じ分け、加藤の様々な顔が観られるのも大きな魅力のひとつ。この経験が更に大きな飛躍の糧になるだろうことを確信させる、見事な演じぶりだった。

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一方ヒロイン・スージーの凰稀かなめは、宝塚歌劇の男役トップスターだった時代から、その抜群の美貌と圧倒的なプロポーションにまず目を奪われる人だったが、その奥に深い芝居心を持ち、突き詰めた演技者であることを感じさせてきた「芝居の人」の面が、退団後大きく現れてきたことをこのスージー役で更に明確に示している。視力を失ったスージーが、時に拗ねることも怯えることもありながらも、運命を呪うのではなく、むしろできない自分に腹を立てているという不屈の精神の表現が、夫のサムや、初めは自分に反発している少女グローリアとの会話からきちんと立ち上ってくる。それが、大きな困難に直面していくスージーの機転と勇気、更に愛する者を守ろうとする気概に繋がり、観客が掛け値なく応援したくなるヒロイン像を示している。次々に襲いかかる事態に対処していく表情も豊かで、退団後の初ストレートプレイ作品で、文化庁芸術祭新人賞授賞につながった『さよなら、チャーリー』に続いての快演、今後の活躍への更なる期待が高まった。

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詐欺の仲間に引き入れられるマイクの高橋光臣は、これまで多く演じてきたキャラクター性の強い役柄から一転、正統派二枚目の香りを際立たせて強い印象を残している。スージーに自分は味方だと思いこませる過程の駆け引きが絶妙で、そのブラフの奥にある心根にロートとは異なる温度があることが、自然に伝わってくる。端正な顔立ちも役柄によく合い、これを契機に王道のヒーロー役も是非観てみたいと思わせる、魅力的なマイクだった。

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もう1人の詐欺仲間クローカーの猪塚健太は、目鼻立ちのハッキリした風貌に茶髪のヘアメイクが抜群に似合い、沸点の高い役作りが3人の性格の違いを如実に表している。強面で押してくるようでいて、どこかでは小心者の面もある。そんなクローカーの複雑さに真実味があり、追い詰め追い詰められるギリギリの表現も巧み。それぞれに悪事に荷担した思いも、動機も違う三人三様の「悪党」が決してグルーブ芝居にならなかったのが、作品の醍醐味を深めた。

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スージーの夫サムの松田悟志は、作中の男性陣の中で唯一のストレートな好人物をてらいなく描き出している。限られている出番の中で、スージーを慮り様々な行動をするサムの良き夫としての顔をきちんと残すことによって、後々の展開でスージーがサムの為に奮う勇気ににも説得力を与えていて、作品の重責をよく担った。

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グローリアの黒澤美澪奈は、スージーに対してはじめ心を開いていないという設定が、作中大変重要な要素になるところを、時にエキセントリックに表現して目を引く。揺れ動く少女の心がやがて大きくスージーの力になっていく、作中のグローリアの成長が終幕の大きな感動につながる変化を的確に表して、舞台に寄与していた。

全体にまさに息もつかせぬ展開で、2019年年頭にして、見逃せない作品のひとつに必ずや数えられるだろう迫真の舞台が出現したことに拍手を贈りたい。

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【囲み取材】

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猪塚健太、高橋光臣、加藤和樹、凰稀かなめ、松田悟志 深作健太
 
初日を前日に控えた1月24日、囲み取材が行われ、キャストを代表して加藤和樹、凰稀かなめ、高橋光臣、猪塚健太、松田悟志、そして演出の深作健太が公演への抱負を語った。

──いよいよ明日から初日を迎える今の心境から教えてください。
加藤 稽古を重ねて参りましてひとつひとつのチャレンジを皆でして試行錯誤をしながら、遂さっきまでやって参りました。正直良い意味でも悪い意味でもどうなるかわからないところがあって。やはり実際にお客様が入った劇場の中に立ってみないとわからない部分があるので、果たしてこの舞台がお客様にどう見えるのか?というプレッシャーも感じつつ、良い緊張感でもあります。
凰稀 今日の舞台稽古までかなり色々と変更点がありまして、でもそれはもっともっと良くする為に、スタッフの方々や出演者の皆が色々言い合いながら創ってきた舞台だからでもあります。私自身サスペンスの舞台は初めてで、お客様からどういう反応を頂けるのかが全くわからないので、かなりドキドキはしているのですが、この世界に引き込めるように自分自身も楽しんでやっていきたいという気持ちでいっぱいです。
高橋 まずここまで稽古をしてきて、このメンバーでできたことがすごく嬉しかったので、それをお客様に感じて頂けるのではないかな?という実感があります。暗闇の中で音に敏感な舞台なので、お客様が咳などをするとスージーが気づいちゃうので(笑)、そのくらい静寂がポイントにもなりますから、ご覧になるお客様にも是非ご一緒に楽しんで頂ければと思います。
猪塚 1ヶ月近く稽古してきて昨日から舞台稽古がはじまったんですけれども、照明や音、皆さんのが芝居を含めてすごいものが出来たな!という確信を得たので、早く観に来てくださった方をゾクゾクさせたいですね。それのみです。 

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松田 珍しいくらいに同世代が集まった、世代幅の狭い作品だなと思っていて、僕はそういう作品がはじめてなものですから、どういう風な稽古を経て劇場に入っていくのかな?と思っていたのですが、なんと言いますかある種クラスメイトのような仲間意識が芽生えて。そして本当に些細な、こと細かなことでもすぐその場で話し合う、すごく素敵な現場になっていますので、このチームワークが舞台の上でどのように花開くか?という部分と、それがそのまま生み出す緊張感につながっていくと思います。スタッフ・キャスト一丸となって最後までしっかりと緊張感を持って作っていきたいなということです。
深作 この作品は一昨年亡くなられた演出家の青井陽治先生、美術の朝倉摂さんはじめ本当に多くの先輩達が創ってきた作品で、それを今僕が演出させて頂くということに大きな喜びと同時にプレッシャーを感じております。そして本当に信頼すべきはこの素晴らしい役者さんたちで、デビュー以来ずっと一緒の戦友だと思っている加藤和樹君、今回初めてご一緒するのですが本当に頼りになる凰稀かなめさんはじめ、皆さんと一緒に創っている舞台だと感じられるので、このカンパニーの温かさをそのまま舞台上に持っていければと思っています。今はドキドキしながらも良い感じに仕上がっていますので、後は一刻も速くお客様にお渡ししたいなと、そんな気持ちでおります。
──オードリー・ヘップバーンの映画版などが大変有名な作品を上演するにあたって、深作さんならではのこだわりは?
深作 何よりも1966年に書かれた作品を、2019年の東京で上演する意味をというものがあります。でもこのキャストの皆さんがスージーやロートの今までのイメージを一新して、皆さんの新しいものを創ってくださっていますし、ホラーやサスペンスの映像作品があふれている今、生の舞台でしか感じられない本当のサスペンス劇を届けることができたらなと。ラスト20分間の暗闇でのクライマックスが本当に素敵な作品になろうとしていますし、それを皆さんに劇場で生で体感して怖がって頂けたらという気持ちで演出をしています。

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──その暗闇の中の20分間の芝居ということですが、実際に演じてみて難しかった点などは?
加藤 先ほど(高橋)光臣さんが言ったように、人って暗闇になると耳が鋭敏になるんですね。ひとつひとつの音、自分の足音だったり呼吸など、普段の芝居でも意識しないといけないのですが、それがより繊細に意識していかなければいけないんだということに気づきました。やっぱり観ている側だった時と、演じる側の今とでは思った以上に繊細なので、特に見えていない(凰稀を示して)彼女はね。
凰稀 本当に暗闇の中で動き回っているので、私は目が見えない役なので実は暗闇の方がすごく楽で(笑)、ライトが当たっている方が見えないと言うか、霞んで見えるので(笑)。
──暗闇の芝居で特に気をつけていることはあるのですか?
凰稀 あまり明るくなったのか暗くなったのかがよくわからなくて(笑)。
加藤 本当に見えてないんです(笑)。
凰稀 本当に見えていないからぶつかって行っちゃうので(笑)、痣だらけになっています。
高橋 (袖に)はける時もずっと見えない芝居ではけて行ってますから。
凰稀 今もよく見えていないんです(笑)。
──また、加藤さんは本格的な悪役がはじめてということですが。ロート役はいかがですか?
加藤 わからないんですよね。わからないというのは未だにロートの本質がどこにあるのか、毎回変化していくんじゃないかなと。彼を掘り下げれば掘り下げるほど色々な表現の仕方がある。彼の人格を形成しているものはいったい何だろうと考えていくと、様々ななやり方がやればやるほどあふれてくるんです。そのどれも間違いじゃないし、でもどれも正解じゃない気がして。つかめそうでつかめない、それを追い続けていくんだろうなと思います。
──高橋さんは二枚目の役が久しぶりとインタビューなどでおっしゃっていましたが。
高橋 いや久しぶりと言うか(笑)、僕面白い役が大好きなので、ついつい面白いことをやりたくなってしまうのですが、この芝居に関してはそれをとにかく封印しなければならないので、そのストレスは半端じゃない(笑)。
猪塚 マジですか?!(笑)
高橋 そう(笑)。マイクは詐欺師なのですが、職業は確かに犯罪者なんですがまともな人と言うか、常識人で。世の中には色々な職業の人がいますが、まともな職業の人が必ずしもまともな人か?と言われたら「クエスチョン」だし、犯罪者だから悪い人かと言うと、もしかしたら悪いことをしながら良いこともしているかも知れない。そんな風にマイクというのは掴みどころのない役だなとずっと感じながら演じているので、それをスージーがどう感じてくれるのかを、舞台上でこれから本番に入っていく中で1日1日楽しみにしています。

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──では皆さんからおススメの見どころと意気込みをお願いします。
加藤 今ここにいるキャストと楽屋にいるキャストを含めても、本当に少ない人数でやっていますし、でも1人1人にちゃんと意味と言いますか役割があって、特にスージーはグローリアという少女がいなければお芝居が成り立たないですし。その中で(自分は)悪い奴ですけれども、悪い奴は悪い奴なりに頑張ろうかなと思っています(笑)。それぞれが生きている過程なども見どころで、もちろん『暗くなるまで待って』というタイトル通りの暗闇の対決は見どころですけれども、1人1人の生き様なども感じて頂けたら良いなと思っています。大きな怪我をしないように頑張りたいと思います。
凰稀 加藤さんもおっしゃった暗闇での対決もそうなのですが、私は人と人との関わり、グローリア、マイク、サム…ロートさんとはちょっとわからない、最後の方しか会わないのですが(笑)、人と人との関わりから生まれてくるものがあって。このお話で一番大切なのは、サムが最初にスージーに言う「(グローリアに)『ありがとう、良い子ね』って言ってあげたらいいよ」ではないかと感じていて。その言葉からグローリアも変わっていくし、マイクも感覚が変わっていく。そういう関わりの中で伝わっていくものを感じて頂けたら面白いのでは、という気がします。
高橋 暗闇がお客様にとって魅力的になるのか、ストレスになるのかそれ次第だと思うので、それを如何に喜んでもらえるかというところを。僕らはあまり暗闇のシーンはないので、スージーとロートの暗闇のシーンまでに如何に物語を持っていけるかというところだと思うので、なんとか頑張りたいです。
猪塚 僕はこの作品は体感型サスペンスエンターテイメントだと思っていて、皆さん作品を観にきて頂いた上で、一緒に体感してもらって『暗くなるまで待って』の世界にどっぷりつかってもらいたいなという意気込みがありますので、是非そんな楽しみ方もして頂けたらなと思っています。
松田 今皆さんがおっしゃった通りで、共犯者でも被害者でもどちらの視点に立ってもハラハラドキドキすることは間違いないです。本当に色々なそれぞれの思惑が重なり合っていて、どこに本筋が流れていくのかな?というくらいすべてが複雑に絡み合っていますので、皆さんそれぞれの気持ちで観て頂いて、作品を味わって頂きたいなと思います。
深作 映画が有名な作品で、更に色々なメディアでの展開が出てきてもいますが、やはり劇場でしか体感できない芸術、エンターテイメントになっています。この劇場にお出かけ頂いて、客席の中で暗闇の面白さ、怖さを体験して頂けたらなと思います。是非皆様劇場に足をお運びください。

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〈公演情報〉
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『暗くなるまで待って』
作◇フレデリック・ノット 
訳◇平田綾子 
演出◇深作健太
出演◇加藤和樹 凰稀かなめ/高橋光臣 猪塚健太 松田悟志  ほか 
●1/25〜2/3◎東京・サンシャイン劇場 
〈料金〉8,800円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉東京/サンライズプロモーション東京  0570-00-3337(全日10:00〜18:00)
●2/8〜10◎兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
●/2/16・17◎名古屋・ウインクあいち
●2/23◎福岡・福岡市民会館 大ホール 
〈公演HP〉http://wud2019.com



【取材・文・撮影/橘涼香】




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主演に大地真央、共演に長野博と睫斃彩蕁悒イーン・エリザベス』5月に上演!

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大地真央 睫斃彩蕁\床馬 長野博
 
大地真央を主演に迎えた新作舞台『クイーン・エリザベス』が、5月に日生劇場で上演される。共演には睫斃彩蕁∪床馬、長野博が決定した。
脚本は『マリー・アントワネット』や『カエサル』など、大劇場での歴史劇で人物と時代を生き生きと描いてきた齋藤雅文の書き下ろし。演出は『ガブリエル・シャネル』や『紫式部ものがたり』で大地真央の魅力を存分に引き出してきた新国立劇場の前芸術監督・宮田慶子が手がける。

時は16世紀。姉のメアリー1世が死去し、まだ弱小だったイングランド王国の女王を引き継いだエリザベス1世。生涯結婚しなかったことからヴァージン・クイーンと呼ばれ、当時帝国を築き上げていたスペインの無敵艦隊を破るなど、その名は後にイギリス黄金時代の名女王と崇められるほどになった。
葛藤の中、政治に捧げた彼女の生涯を、これまでのエリザベス像とは異なる切り口で描き、女優としての円熟期を迎えた大地真央が演じ切る。大地にとっては『クレオパトラ』(1997年)、『マリー・アントワネット』(2004年、06年)以来、13年ぶりに女王役となる。

エリザベスに慕われた寵臣、レスター伯には『TWENTIETH TRIANGLE TOUR 戸惑いの惑星』(2017年)以来2年ぶりの舞台出演となる長野博。また、レスター伯亡き後、彼女の心を埋める若きエセックス伯には、『薔薇と白鳥』(2018年)でストレートプレイ初挑戦、初主演を経験した睫斃彩蕁それぞれ大地真央とは舞台初共演となる。さらに、即位したエリザベスを初期から支え続けるウィリアム・セシル国務長官を、ベテラン実力派俳優の西岡馬が演じる。

心を寄せる男性がありつつも、あえて非婚の女性として生き、熾烈な権力争いの中を男たちに頼らず民のために生き抜こうとしたエリザベス1世。英国史を彩った彼女の愛と葛藤の物語を、豪華出演陣が集結して送る舞台だ。 

【コメント】
宮田慶子(演出)
16世紀、大英帝国の礎を作ったエリザベス1世…。すべては「女」として生まれたことから始まったと言える、その数奇で孤独な運命を果敢に生き抜いた「エリザベス」を、「人間・エリザベス」として齋藤雅文さんが描き出してくださいます。そして、壮大な歴史の流れに生きる“生身の女性”としてのエリザベスを演じる大地真央さんに、今からワクワクしています。強く、賢く、愛おしく、吹きすさぶ風に向かってすっくと立つエリザベスを夢見ています。そしてエリザベスの人生に大きな影響を与える二人の男性を長野さん、睫擇気鵑箸いμノ賄なお二人が演じてくださいます。初めてご一緒するお二人とのお仕事もとても楽しみです。

大地真央(エリザベス役)
新元号になって最初の舞台。この歴史の節目に、世界史に残る、偉大でスケールの大きい、波乱万丈を絵に描いたような君主の役を演じられる幸せに感謝し、幸福と絶望、孤独と愛に満ち溢れながら、生涯独身を貫いた勇敢な一人の女性として、新しいエリザベス1世を創り上げたいと思っております。

長野 博(レスター伯役)
今回、舞台『クイーン・エリザベス』でエリザベスの幼馴染であり側近、人生に深く関わったレスター伯役を演じさせていただくことを大変嬉しく思っています。大地真央さん演じるエリザベスに寄り添いながらも、初めて共演させていただく楽しみも感じていけたらと思っています。

睫斃彩蕁淵┘札奪ス伯役)
舞台『クイーン・エリザベス』の舞台に立つ事が決まりました。大地真央さんそして事務所の先輩でもある長野さんと一緒にステージに立てる事を光栄に思います。一緒にステージに立たせていただくからには、遠慮せずにガンガン自分なりに攻めて先輩方から沢山学びながら、クイーン・エリザベスの世界に入り込み楽しみたいです。
僕的には平成から元号が変わって1発目の仕事なので、新しい元号の時代にグループ名のHey! Say! JUMPという言葉を皆様の目に沢山触れていけるように頑張ります!

〈公演情報〉
『クイーン・エリザベス』 -輝ける王冠と秘められし愛-
脚本◇齋藤雅文
演出◇宮田慶子
出演◇大地真央 睫斃彩蕁\床馬 長野博 ほか
●5/5〜26◎日生劇場
〈料金〉S席12,500円 A席7,500円 B席4,000円(全席指定・税込)
〈チケット発売日〉3月31日(日)〜
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489(10:00〜18:00)





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